JP6015910B2 - 車両用充電装置 - Google Patents

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この発明は車両用充電装置に係り、特に内燃機関の駆動力により発生する電力を蓄電装置に蓄積する車両用充電装置に関するものである。
従来、車両には、各種電気機器を作動させるための蓄電装置(「バッテリ」ともいう。)、及び、内燃機関により駆動されることで発電して蓄電装置に電力を供給する車両用発電機を備える車両用充電装置が搭載されている。
この車両用充電装置の車両用発電機は、通常、走行中に内燃機関が燃料供給を受けて回転するのに伴って駆動されることで蓄電装置に電力を供給するが、車両の減速中においても車輪から内燃機関に加えられる逆駆動トルクによって駆動されて蓄電装置に電力を供給する場合がある。
例えば、下記の特許文献1には、車両の減速中に車両用発電機を駆動させるようにした車両用発電機の制御方法であって、減速中において内燃機関ヘの燃料供給が停止している場合に、車両用発電機の発電出力を最大とする制御方法が開示されている。
具体的に説明すれば、特許文献1に開示される制御方法では、車両が減速を開始して内燃機関ヘの燃料供給が停止されると、発電機の発電電圧は最大電圧とされ、減速エネルギが電力に効率よく変換され、蓄電装置に電力を供給する。
このように、燃料供給が停止された状態での減速エネルギを電力に効率よく変換して蓄電装置に電力を供給する発電を、一般に「回生発電」等と呼ぶ。
上記特許文献1に開示される制御方法では、回生発電中に蓄電装置が満充電になった場合に、蓄電装置保護のために、回生発電が禁止されて発電が停止する。
特開2011−152016号公報
ところで、従来の車両用充電装置においては、回生発電における発電機の発電トルクは他の場合と比較して大きく、特に、大容量発電機や充電受け入れ性の良い蓄電装置を搭載した車両等では、回生発電から回生発電禁止へ状態が移行した際のトルク変化により、車両減速度変化やエンジン回転変動等、ドライバビリティの悪化が生じやすくなるという不都合がある。
例えば、アイドリング状態の車両を、図5(f)に示すt1位置でドライバが発進・加速させ、t2位置で定速走行へ移動させ、その後にt3位置で減速走行に移行する経緯とする。
すると、減速前であるt3位置以前では、図5(c)に示す如く、発電機の発電電圧は「0」であり、図5(d)に示す如く、蓄電装置は放電状態で、図5(b)に示す如く、蓄電装置の残量であるSOCが低下する。
t3位置からの減速では、図5(c)に示す如く、発電機の発電電圧Vregを最大発電電圧Vmaxとして回生発電を行い、図5(d)に示す如く、蓄電装置に対して効率的に充電を行う。
この結果、図5(b)に示す如く、SOCが上昇し、t4位置でSOCの上限(SOCmax)に到達する。
そして、SOCが上限(SOCmax)に到達したため、回生発電を禁止すると、図5(e)に示す如く、内燃機関に対して負荷方向に印加されていた発電トルクが急激に減少し、図5(a)に示す如き車両の減速度の変化や図5(f)に示す如きエンジン回転数の変動などのドライバビリティの悪化が発生するものである。
この発明は、回生発電から回生発電禁止へ状態が移行した際のトルク変動によるドライバビリティの悪化を抑制する車両用充電装置を提供することを目的とする。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、車両に適用された内燃機関の駆動力により発電する発電機と、この発電機で発生する電力を蓄積する蓄電装置と、を備えた車両用充電装置において、前記蓄電装置の充電率を検出する充電率検出手段と、前記充電率検出手段により検出された充電率が所定値以上であるとき、当該充電率に応じて前記発電機が発電する電圧を低下させる発電制御手段と、前記車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、前記走行状態判定手段によって判定された走行状態に応じて前記所定値を設定する充電率設定手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、前記発電制御手段は、蓄電装置の充電率が所定値以上であることを検出すると発電機のコイルに流す電流量を徐々に低下させ、発電電圧を下げるように制御するため、充電が完了し発電が停止した際のトルク変動を抑制することができる。
図1は車両用充電装置の制御用フローチャートである。(実施例) 図2は車両用充電装置のシステム構成図である。(実施例) 図3は車両用充電装置のタイミングチャートを示し、(a)は車速と時間との関係を示す図、(b)はSOC[%]と時間との関係を示す図、(c)は発電機の発電電圧Vreg[V]と時間との関係を示す図、(d)はバッテリである蓄電装置に流れる電流[A]と時間との関係を示す図、(e)は発電機の発電トルク[Nm]と時間との関係を示す図、(f)はエンジン回転数[rpm]と時間との関係を示す図である。(実施例) 図4は発電制御の説明図である。(実施例) 図5はこの発明の従来技術の車両用充電装置のタイミングチャートを示し、(a)は車速と時間との関係を示す図、(b)はSOC[%]と時間との関係を示す図、(c)は発電機の発電電圧Vreg[V]と時間との関係を示す図、(d)はバッテリである蓄電装置に流れる電流[A]と時間との関係を示す図、(e)は発電機の発電トルク[Nm]と時間との関係を示す図、(f)はエンジン回転数[rpm]と時間との関係を示す図である。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図4はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は車両用充電装置である。
この車両用充電装置1は、図2に示す如く、車両(図示せず)に適用される内燃機関2と、この内燃機関2の駆動力により発電する発電機3と、この発電機3で発生する電力を蓄積する蓄電装置(「バッテリ」ともいう。)4と、ECU(「エンジンコントロールユニット」ともいう。)5と、バッテリ監視装置6とを備えている。
このとき、前記発電機3は、前記内燃機関2のクランク軸(図示せず)に図示しないベルトを介して連結されている。
そして、前記発電機3は、前記内燃機関2に駆動される、即ち、内燃機関2のクランク軸が回転するのに伴って回転することで電力を発生させ、前記蓄電装置4に電力を供給する。
また、この蓄電装置4には、種々の電気機器で構成される第1〜第3電気負荷7〜9が接続されており、これらの第1〜第3電気負荷7〜9は蓄電装置4から電流の供給を受けて作動する。
更に、前記ECU5は、前記内燃機関2や前記発電機3を制御するためのものである。
そして、前記ECU5は、アクセルポジションに応じて内燃機関2に所定量の燃料を供給する制御等を行う。
例えば、アクセルポジションが「0」になると、内燃機関2への燃料供給を停止させる。
また、前記ECU5は、発電電圧制御手段として機能する。
このとき、前記ECU5には、アクセルポジションを検出するアクセルポジションセンサ10と前記内燃機関2の回転数を検出するエンジン回転数センサ11とを接続し、アクセルポジションセンサ10及びエンジン回転数センサ11等の検出値が前記ECU5に入力される。
前記バッテリ監視装置6は、前記蓄電装置4の充放電状態等を監視するためのものである。
このバッテリ監視装置6は、図2に示す如く、電圧を検出する電圧センサからなる電圧検出部12と、温度を検出する温度センサからなる温度検出部13と、電流を検出する電流センサからなる電流検出部14と、検出された電流値に基づいて前記蓄電装置4の残量であるSOCを検出するSOC検出部15とを有している。
前記電圧検出部12や前記温度検出部13は、前記蓄電装置4の劣化を判定するなどの目的で使用される。
このとき、蓄電装置4の劣化の判定は、前記ECU5が行う。
このECU5は、図示しない記憶部に記憶されている前記電圧検出部12や前記温度検出部13での検出値に基づいて、蓄電装置4の劣化の進み具合や劣化の程度を確認し、その確認結果に基づいて蓄電装置4の劣化判定を実行する。
また、前記SOC検出部15は、例えば、前記電流検出部14によって検出された蓄電装置4に流れる電流に基づいてSOCを検出する。
具体的には、前記SOC検出部15では、電流検出部14が所定量を超える電流の変化を検出したときに、変化直前の電流値と前回の変化時からの経過時間とに基づいて蓄電装置4での消費電力を算出する。
そして、前回の変化時に記憶部に記憶されたSOCの値と算出した消費電力とに基づいて現在のSOCの値を検出する。
前記バッテリ監視装置6のSOC検出部15で検出されたSOCの値は、前記ECU5に送信され、ECU5における前記発電機3の制御に利用される。
そして、前記車両用充電装置1は、前記蓄電装置4の充電率を検出する充電率検出手段16と、前記充電率が所定値以上であるとき、当該充電率に応じて前記発電機3が発電する電圧を低下させる発電制御手段17とを備える構成とする。
このため、上記のように構成すれば、発電制御手段17は、前記蓄電装置4の充電率が所定値以上であることを検出すると発電機3のコイルに流す電流量を徐々に低下させ、発電電圧を下げるように制御するため、充電が完了し発電が停止した際のトルク変動を抑制することができる。
詳述すれば、前記車両用充電装置1の前記ECU5は、図2に示す如く、燃料停止手段18と、走行状態判定手段19と、前記充電率検出手段16と、前記発電制御手段17と、充電率設定手段20とを有している。
そして、前記燃料停止手段18は、前記内燃機関2への燃料供給を停止する機能を有している。
また、前記車両用充電装置1は、前記車両の走行状態を判定する前記走行状態判定手段19を備え、この走行状態判定手段19が減速走行状態又は定速走行状態と判定したとき、加速走行状態と判断された場合と比較して前記充電率の所定値を低い値に設定する前記充電率設定手段20を備えている。
このため、前記発電制御手段17による制御を説明したとおり、前記発電機3の発電電圧を充電完了前に予め低下させて充電を行えば、充電が完了し発電が停止された際のトルク変動は小さく抑えることができる。
このとき、前記内燃機関2に生じるトルクは、車両の走行状態に応じて変化しており、一律に充電率に応じて電圧を低下させるだけでは、十分なトルク抑制を図る制御に改善の余地があった。
そこで、この発明では、車両の走行状態を検出する前記走行状態判定手段19を設け、車両が加速走行、減速走行、定速走行のいずれの状態にあるかを検出するように構成し、この走行状態に応じて前記発電制御手段17が判定する充電率の所定値を加速状態であるときは高く、それ以外の走行状態では低くなるように設定する前記充電率設定手段20を設けている。
この構成によれば、発電停止によるトルク変動が大きい走行状態を検出し、その際には十分なトルク抑制を図ることができる。
即ち、車両が減速走行又は定速走行の場合、加速走行と比較して前記内燃機関2に生じるトルクは小さいため、発電停止によるトルク変動の影響は大きくなる。
そこで、車両が減速走行又は定速走行であるときは、加速走行と比較して、充電率が低い時点から電圧低下を開始し、充電完了時のトルク変動を抑制している。
一方、加速状態の時に内燃機関に生じるトルクは、他の走行状態と比較して高くトルク変動の影響を受け難いため、充電率が高くなるまで高い電圧で充電を行い、早期充電を計ることができる。
ここで、図3のタイムチャートを説明する。
なお、この図3においてt3位置までの状態は、上述した図5と同様であるので、説明は省略する。
図3(f)に示すt3位置からの減速では、図3(c)に示す如く、前記発電機3の発電電圧Vregを最大発電電圧Vmaxとして回生発電を行い、図3(d)に示す如く、前記蓄電装置4に対して効率的に充電を行う。
その後、図3(b)に示す如く、SOCが上昇するに伴い(例えば、t5位置のタイミング)、図3(c)に示す如く、発電電圧Vregを最大発電電圧Vmaxより低下させる。
図3(b)に示す如く、t6位置でSOCが上限(SOCmax)に到達したため、回生発電を禁止する。
このとき、発電電圧Vregを最大発電電圧VmaxからSOCに基づき低下させているために、図3(e)に示す如く、前記内燃機関2に対して負荷方向に印加されていた発電トルクは小さく、トルク変化が抑制されて、図3(a)に示す如き車両の減速度の変化や図3(f)に示す如きエンジン回転数の変動などのドライバビリティの悪化を抑制できる。
次に、図1の前記車両用充電装置1の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
この車両用充電装置1の制御用プログラムがスタート(101)すると、前記ECU5は、前記アクセルポジションセンサ10及び前記エンジン回転数センサ11からの検出値を入力し、車両の走行状態が加速走行中であるか否かの判断(102)に移行する。
この車両の走行状態が加速走行中であるか否かの判断(102)において、判断(102)がYESの場合には、電流制御マップ1を取得する処理(103)に移行する。
この電流制御マップ1を取得する処理(103)において、前記ECU5は、前記充電率設定手段20により電流制御マップ1を読み取り、充電率を設定する。
車両の走行状態が加速走行中であるか否かの判断(102)がNOの場合には、車両の走行状態が定速走行中であるか否かの判断(104)に移行する。
ここで、電流制御マップ1〜3について追記する。
この電流制御マップ1〜3は、図4に示す如く、前記発電機3の発電電圧Vregと前記蓄電装置4の残量であるSOC(%)とからなり、発電機3の最大発電電圧Vmaxと最大SOCとの間で、加速時を電流制御マップ1とする。
また、定速時は、図4に示す如く、この電流制御マップ1よりも内側となる電流制御マップ2とする。
更に、減速時には、図4に示す如く、電流制御マップ2よりも更に内側となる電流制御マップ3とする。
上述の電流制御マップ1を取得する処理(103)の後には、前記ECU5は、SOCを取得する処理(105)に移行する。
そして、このSOCを取得する処理(105)の後に、前記ECU5は、SOCに基づく電流を流す処理(106)に移行し、その後に、後述する前記車両用充電装置1の制御用プログラムのリターン(110)に移行する。
また、上述の車両の走行状態が定速走行中であるか否かの判断(104)において、この判断(104)がYESの場合には、電流制御マップ2を取得する処理(107)に移行する。
この電流制御マップ2を取得する処理(107)において、前記ECU5は、前記充電率設定手段20により電流制御マップ2を読み取り、充電率を設定する。
この電流制御マップ2を取得する処理(107)の後には、前記ECU5は、SOCを取得する処理(105)に移行する。
そして、このSOCを取得する処理(105)の後に、前記ECU5は、SOCに基づく電流を流す処理(106)に移行し、その後に、前記車両用充電装置1の制御用プログラムのリターン(110)に移行する。
更に、上述の車両の走行状態が定速走行中であるか否かの判断(104)において、この判断(104)がNOの場合には、車両の走行状態が減速走行中であると判断し、燃料停止の処理(108)に移行する。
この燃料停止の処理(108)の後に、電流制御マップ3を取得する処理(109)に移行する。
電流制御マップ3を取得する処理(109)において、前記ECU5は、前記充電率設定手段20により電流制御マップ3を読み取り、充電率を設定する。
この電流制御マップ3を取得する処理(109)の後には、前記ECU5は、SOCを取得する処理(105)に移行する。
そして、このSOCを取得する処理(105)の後に、前記ECU5は、SOCに基づく電流を流す処理(106)に移行し、その後に、前記車両用充電装置1の制御用プログラムのリターン(110)に移行する。
1 車両用充電装置
2 内燃機関
3 発電機
4 蓄電装置(「バッテリ」ともいう。)
5 ECU(「エンジンコントロールユニット」ともいう。)
6 バッテリ監視装置
7〜9 第1〜第3電気負荷
10 アクセルポジションセンサ
11 エンジン回転数センサ
12 電圧検出部
13 温度検出部
14 電流検出部
15 SOC検出部
16 充電率検出手段
17 発電制御手段
18 燃料停止手段
19 走行状態判定手段
20 充電率設定手段

Claims (2)

  1. 車両に適用された内燃機関の駆動力により発電する発電機と、この発電機で発生する電力を蓄積する蓄電装置と、を備えた車両用充電装置において、前記蓄電装置の充電率を検出する充電率検出手段と、前記充電率検出手段により検出された充電率が所定値以上であるとき、当該充電率に応じて前記発電機が発電する電圧を低下させる発電制御手段と、前記車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、前記走行状態判定手段によって判定された走行状態に応じて前記所定値を設定する充電率設定手段と、を備えたことを特徴とする車両用充電装置。
  2. 前記走行状態判定手段は、少なくとも加速走行状態、定速走行状態、減速走行状態の何れかを判定し、前記充電率設定手段は、前記走行状態判定手段によって減速走行状態と判定された時には、定速走行状態又は加速走行状態と判定された時よりも前記所定値を低く設定し、前記走行状態判定手段によって定速走行状態と判定された時には、加速走行状態と判定された時よりも低く、減速走行状態と判定された時よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用充電装置。
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