以下では、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<外観構成>
図1に示されるように、本実施形態の複合機1は、画像形成装置2および画像読取装置3を含む。
画像形成装置2は、シートを収容可能な供給カセット4を備える。なお、本実施形態の複合機1では、上下二段の供給カセットを備えている。画像形成装置2は、供給カセット4から搬送されてくるシートに微滴化したインクを直接に噴射して、シートに画像を形成する、インクジェット方式を採用したものであってもよい。また、画像形成装置2は、供給カセット4から搬送されてくるシートにトナー像を転写および定着して、シートに画像を形成する、電子写真方式を採用したものであってもよい。
画像読取装置3は、スキャナ筐体5、本体側カバーの一例としてのADF筐体6、操作パネル7、トレイ8、開閉部材の一例としてのメンテナンスカバー9およびストッパ10を備える。
なお、以下の説明では、スキャナ筐体5に対するADF筐体6側を上側とし、平面視でスキャナ筐体5の中央に対する操作パネル7側を前側として、上下、左右および前後の各方向を規定する。そして、図1以降の各図では、矢印で方向を表示する。
スキャナ筐体5は、画像形成装置2の上側に配置されている。
ADF筐体6は、前側板11および後側板12を備える。前側板11および後側板12は、互いに前後方向に間隔を空けて配置されている。前側板11の約左半分の左側部分15は、残りの右側部分16よりも上下方向の寸法が大きい。そのため、左側部分15の上端は、右側部分16の上端よりも高い位置に位置している。また、後側板12の約左半分の左側部分17は、残りの右側部分18よりも上下方向の寸法が大きい。そのため、左側部分17の上端は、右側部分18の上端よりも高い位置に位置している。また、前側板11および後側板12は、画像読取装置3がコンパクトに見えるように、それぞれ上側ほど前後方向の内側に位置するように傾斜している。
操作パネル7は、スキャナ筐体5の前面19に配設されている。操作パネル7は、使用者により各種設定のために操作され、情報の入力を受け、入力された情報を複合機1全体を制御する制御部(図示せず)に伝送する。また、操作パネル7は、その設定された内容などの情報を表示する表示部を含む。
トレイ8は、前側板11の左側部分15と後側板12の左側部分17との間に架設されている。トレイ8は、図1に示されるカバー位置と図2に示されるトレイ位置との間で、左側部分15,17の各右上端部間で前後方向に延びる回動軸線20まわりに回動可能に設けられている。トレイ8は、カバー位置において、左側部分15,17の各上端縁に沿って延び、メンテナンスカバー9を上側から覆う。トレイ8は、トレイ位置において、左側部分15,17の各右端部間から右上がりに傾斜状に延びる。
メンテナンスカバー9は、前側板11の左側部分15と後側板12の左側部分17との間に架設されている。メンテナンスカバー9は、図3に示される閉位置と図4に示される開位置との間で、左側部分15,17の各左下端部間で前後方向に延びる回動軸線21まわりに回動可能に設けられている。メンテナンスカバー9は、閉位置において、左側部分15,17の左端縁に沿って延びる側部22と、側部22の上端から左側部分15,17の上端縁に沿って延びる上部23とを備える。側部22は、画像読取装置3がコンパクトに見えるように、それぞれ上側ほど前後方向の内側に位置するように傾斜している。メンテナンスカバー9が開位置に位置する状態で、上部23が略鉛直方向に延びる。
ストッパ10は、ADF筐体6の上面24に形成された凹部25に配置されている。ストッパ10は、収納位置と展開位置との間で、凹部25の右端部で前後方向に延びる回動軸線まわりに回動可能に設けられている。ストッパ10は、収納位置において、凹部25内に収納される。ストッパ10は、展開位置において、凹部25の右端部から右上がりに延出する。
<内部構成>
ADF筐体6は、図2に示されるように、内部フレーム31および下フレーム32を備える。下フレーム32は、内部フレーム31の下側に設けられている。
内部フレーム31は、閉位置に位置するメンテナンスカバー9の上部23の下側に設けられている。また、内部フレーム31は、上側内部フレーム31Aと下側内部フレーム31Bとを有している。上側内部フレーム31Aと下側内部フレーム31Bとは、メンテナンスカバー9と下フレーム32との間で、上下に重なるように配置されている。
メンテナンスカバー9の内面と上側内部フレーム31Aとの間には、間隔が空けられている。また、下側内部フレーム31Bと下フレーム32との間にも、間隔が空けられている。これにより、メンテナンスカバー9の内面と上側内部フレーム31Aとの間および下フレーム32と下側内部フレーム31Bとの間には、シートSが搬送される搬送経路33が形成されている。搬送経路33は、相対的に上側に位置する上経路34、相対的に下側に位置する下経路35および上経路34と下経路35とを接続する湾曲経路36を有している。上経路34は、メンテナンスカバー9の内面と上側内部フレーム31Aとの間で左右方向に延びる空間である。下経路35は、下側内部フレーム31Bと下フレーム32との間で左右方向に延びる空間である。湾曲経路36は、後述する第2LFローラ49の周面に沿って湾曲した空間である。
画像読取装置3は、湾曲経路33におけるシートSの搬送方向に沿って、供給部41、1対のシート幅ガイド42、供給ローラ43、分離ローラ44、分離片45、第1従動ローラ46、第1LFローラ47、上読取部48、第2LFローラ49、第2従動ローラ50、第3従動ローラ51、下読取部52、1対の排出ローラ53および排出部54を備える。
なお、以下の説明において、とくに明記しない限りは、メンテナンスカバー9が閉位置に位置しているものとする。
供給部41は、メンテナンスカバー9の右端部の下側に間隔を空けて設けられている。供給部41は、右上がりに延びている。画像読取の対象であるシートSは、供給部41とトレイ位置に位置するトレイ8とに跨がって保持される。
1対のシート幅ガイド42は、供給部41に設けられている。1対のシート幅ガイド42は、互いに前後方向に向かい合っている。1対のシート幅ガイド42は、それらの間の中央を基準として、互いに同じ移動量で近接および離間可能に構成されている。1対のシート幅ガイド42の間隔は、供給部41の上面41に保持されるシートSの前後方向の幅に合わせて調節される。シートSは、1対のシート幅ガイド42の間に右側から差し込まれる。これにより、シートSは、供給部41上にセンタ基準で保持される。
供給ローラ43は内部フレーム31と後側板12の左側部分17の前側に配置される後述する駆動フレーム140との間に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。供給ローラ43の周面は、上経路34において、供給部41の左端部に上側から当接している。
分離ローラ44は、供給ローラ43の左側に配置されている。分離ローラ44は、内部フレーム31と後側板12の左側部分17の前側に配置される後述する駆動フレーム140との間に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。
分離片45は、分離ローラ44の下側に配置されている。分離片45は、内部フレーム31に保持されている。分離片45は、上経路34において、分離ローラ44の周面に下側から弾性的に当接している。
第1LFローラ47は、分離ローラ44の左側に配置されている。第1LFローラ47は、内部フレーム31と後側板12の左側部分17の前側に配置される後述する駆動フレーム140との間に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。
第1従動ローラ46は、第1LFローラ47の下側に配置されている。第1従動ローラ46は、内部フレーム31に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。第1従動ローラ46の周面は、上経路34において、第1LFローラ47の周面に当接している。第1従動ローラ46は、第1LFローラ47の回転に従動して回転する。
上読取部48は、密着イメージセンサモジュール61、コンタクトガラス62および原稿押さえ部材63を備える。
密着イメージセンサモジュール61は、第1LFローラ47の左側に配置されている。密着イメージセンサモジュール61は、内部フレーム31に下側に凹んで形成された凹部55に収容されている。密着イメージセンサモジュール61は、凹部55内で前後方向に延びている。密着イメージセンサモジュール61の内部には、たとえば、LED光源、レンズおよびイメージセンサなどが設けられている。
コンタクトガラス62は、凹部55を閉塞するように、密着イメージセンサモジュール61の上側に設けられている。コンタクトガラス62の上面は、上経路34に臨んでいる。
原稿押さえ部材63は、コンタクトガラス62の上側に配置されている。原稿押さえ部材63は、メンテナンスカバー9に付勢部材を介して弾性的に支持されている。原稿押さえ部材63は、上経路34において、コンタクトガラス62の上面に弾性的に当接している。
第2LFローラ49は、内部フレーム31と後側板12の左側部分17の前側に配置される後述する駆動フレーム140との間に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。第2従動ローラ50は、第2LFローラ49の上側に配置されている。第2従動ローラ50は、メンテナンスカバー9に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。第2従動ローラ50の周面は、湾曲経路36において、第2LFローラ49の周面に当接している。第2従動ローラ50は、第2LFローラ49の回転に従動して回転する。
第3従動ローラ51は、第2LFローラ49の左下側に配置されている。第3従動ローラ50は、下フレーム32の左端部に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。第3従動ローラ51の周面は、湾曲経路36において、第2LFローラ49の周面に当接している。第3従動ローラ51は、第2LFローラ49の回転に従動して回転する。
下読取部52は、密着イメージセンサモジュール64、コンタクトガラス65および原稿押さえ部材66を備える。
密着イメージセンサモジュール64は、スキャナ筐体5に、左右方向に移動可能に設けられている。密着イメージセンサモジュール64は、前後方向に延びている。密着イメージセンサモジュール64の内部には、たとえば、LED光源、レンズおよびイメージセンサなどが設けられている。密着イメージセンサモジュール64は、ADF読取時および画像読取装置1の非使用時などにおいて、コンタクトガラス65の左端部の下側に配置されている。
コンタクトガラス65は、スキャナ筐体5の上面を覆うように設けられている。
原稿押さえ部材66は、コンタクトガラス65の左端部の上側に配置されている。原稿押さえ部材66は、下側内部フレーム31Bに付勢部材を介して弾性的に支持されている。原稿押さえ部材66は、下経路35において、コンタクトガラス65の上面に弾性的に当接している。
1対の排出ローラ53は、供給部41の左端部の下側に配置されている。上側の排出ローラ53は、内部フレーム31と後側板12の左側部分17の前側に配置される後述する駆動フレーム140との間に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。下側の排出ローラ53は、下フレーム32に、前後方向に延びる回転軸線まわりに回転可能に保持されている。下側の排出ローラ53の周面は、下経路35において、上側の排出ローラ53の周面に当接している。下側の排出ローラ53は、上側の排出ローラ53の回転に従動して回転する。
排出部54は、供給部41の下側に設けられている。排出部54の右端部は、下経路35の出口より低い位置に位置している。排出部54は、右上がりに延びている。
<画像読取動作>
画像読取装置1におけるシートSの画像の読み取りの際には、図2に示されるように、トレイ8がトレイ位置に開かれ、メンテナンスカバー9が閉位置に閉じられる。前述したように、シートSは、供給部41およびトレイ8上にセンタ基準で保持される。この状態におけるシートSの上面を表面とし、シートSの下面を裏面とする。
シートSの先端部は、供給ローラ43の周面下側に配置される。供給ローラ43が前側から見て時計回りに回転されると、供給部41上の最上のシートSの上面と供給ローラ43の周面との摩擦力などにより、そのシートSが分離ローラ44と分離片45との間に送り込まれる。
分離ローラ44は、前側から見て時計回りに回転されている。シートSの先端部が分離ローラ44と分離片45との間に挟まれたときに、シートSがたとえば1枚ずつに分離され、1枚のシートSが分離ローラ44と分離片45との間を通過して、上経路34を搬送される。
第1LFローラ47は、前側から見て時計回りに回転されている。第1従動ローラ46は、第1LFローラ47の回転に伴って、前側から見て反時計回りに回転している。上経路34を搬送されるシートSの先端部が第1LFローラ47および第1従動ローラ46の各周面の当接部分に到達すると、第1LFローラ47および第1従動ローラ46からシートSに搬送力が付与される。
そして、シートSは、コンタクトガラス62の上面と原稿押さえ部材63との間を通過する。このとき、コンタクトガラス62上のシートSに、密着イメージセンサモジュール61のLED光源から光が照射される。そして、シートSでの反射光が密着イメージセンサモジュール61のイメージセンサに受けられることにより、シートSの裏面に描かれている画像が読み取られる。
その後、シートSの先端部は、第1LFローラ47および第1従動ローラ46から付与される搬送力により、上経路34から湾曲経路36に送り込まれる。第2LFローラ49は、前側から見て反時計回りに回転される。第2従動ローラ50および第3従動ローラ51は、前側から見て時計回りに回転する。シートSの先端部が第2LFローラ49および第2従動ローラ50の各周面の当接部分に到達すると、第2LFローラ49および第2従動ローラ50からシートSに搬送力が付与される。その後、シートSの先端部が第2LFローラ49および第3従動ローラ51の各周面の当接部分に到達すると、第2LFローラ49および第3従動ローラ51からシートSに搬送力が付与され、湾曲経路36から下経路35に送り込まれる。なお、第2従動ローラ50から第3従動ローラまでの間は第2LFローラ49と対向する側部22の内壁面、及び下フレーム32の内壁面が湾曲形状を成し、湾曲経路36を形成することで、シートSが下経路35に向けて搬送される。
下経路35に送り込まれたシートSは、コンタクトガラス65の左端部の上面と原稿押さえ部材66との間を通過する。このとき、コンタクトガラス65の左端部上のシートSに、密着イメージセンサモジュール64のLED光源から光が照射される。そして、シートSでの反射光が密着イメージセンサモジュール64のイメージセンサに受けられることにより、シートSの表面に描かれている画像が読み取られる。
上側の排出ローラ53は、前側から見て反時計回りに回転される。下側の排出ローラ53は、上側の排出ローラ53の回転に伴って、前側から見て時計回りに回転している。シートSの先端部が1対の排出ローラ53の各周面の当接部分に到達すると、1対の排出ローラ53からシートSに搬送力が付与され、排出部54に排出される。
<支持部材>
画像読取装置3は、図5に示されるように、コンタクトガラス62を支持する支持部材の一例としての第1支持板101および第2支持板102を備える。第1支持板101および第2支持板102は、内部フレーム31と一体的に形成されている。
第1支持板101は、前側板11に対して後側に間隔を空けて設けられている。第1支持板101は、上部103、中央部104および下部105を備える。
上部103は、前側板11の上端部に対して後側に間隔を空けた位置から下側に延びている。
中央部104は、上部103の下端から後方に延出している。
下部105は、中央部104の後端から下側に延びている。下部105には、差込部の一例としての差込口108が形成されている。言い換えれば、下部105の後面である第1支持面114は、差込口108を備える。差込口108は、下部105を前後方向に貫通し、左右方向に延びている。
前側板11と第1支持板101の下部105との間には規制部111が設けられている。規制部111は、図5および図7に示されるように、本体部112および先端部113を備えている。本体部112は、第1支持板101の中央部104の下面から下側に延びている。本体部112の下端部は、上下方向において差込口108の中央に位置している。先端部113は、本体部112の下端部から後側に突出している。
コンタクトガラス62の前端部は、差込口108に差し込まれている。規制部111の先端部113は、コンタクトガラス62の前面に当接している。また、コンタクトガラス62の前端部における上面は、差込口108の上側で左右方向に延びる当接面115に下側から当接している。
第2支持板102は、図5に示されるように、後側板12に対して前側に間隔を空けて設けられている。第2支持板102の前面である第2支持面120は、下スリット123、上スリット122、撓み部125および突起124を備えている。
下スリット123は、第2延部の一例であり、図8に示されるように、コンタクトガラス62の後面の後側の位置に、第2支持板102を貫通して形成されている。下スリット123は、左右方向に延びている。下スリット123の左右方向の長さは、コンタクトガラス62の左右方向の長さよりも小さい。
上スリット122は、第1延部の一例であり、下スリット123の上側に間隔を空けた位置に、第2支持板102を貫通して形成されている。上スリット122は、下スリット123と平行をなして、左右方向に延びている。上スリット122の左右方向の長さは、下スリット123の左右方向の長さと同じである。
撓み部125は、上スリット122と下スリット123とに上下から挟まれる部分である。これにより、撓み部125は、第2支持板102における上スリット122および下スリット123の左右両側の部分で第2支持板102に接続され、第2支持板102における上スリット122および下スリット123の上下両側の部分で第2支持板102と分離している。そのため、撓み部125は、左右方向の中央部が前後方向に移動(揺動)するように撓み変形可能である。
突起124は、図8および図9に示されるように、撓み部125の左右方向の中央部から前側に突出している。突起124は、傾斜面126、延出面127および下面128を有する。
傾斜面126は、下側ほど前側に位置するように傾斜している。
延出面127は、傾斜面126の下端縁から下側に延びている。
下面128は、延出面127の下端縁から後側に延びている。下面128は、図5に示されるように、差込口108の上側の当接面115と同一の仮想平面F上に位置している。すなわち、下面128は、当接面115と同じ高さの位置に位置している。コンタクトガラス62の後端部における上面は、下面128に下側から当接している。
また、図10および図14に示されるように、ADF筐体6は、対向面131を有している。対向面131は、コンタクトガラス62の左端部および右端部、すなわち各長辺の下側に形成されている。各対向面131は、前後方向に延びており、支持部133および離間部134を有している。
支持部133は、対向面131の前側半分以上の部分である。支持部133は、コンタクトガラス62の下面に下側から当接している。
離間部134は、支持部133の後側の部分である。離間部134は、支持部133よりも下側に位置している。そのため、離間部134は、コンタクトガラス62の下面から下側に離間しており、コンタクトガラス62の下面と離間部134との間には、空間が生じている。
<カバー>
画像読取装置3は、図5および図10に示されるように、駆動伝達部145を備える。駆動伝達部145は、ギヤ機構を含み、板金からなる駆動フレーム140に支持されている。駆動フレーム140は、後側板12の左側部分17の前側に配置されている。駆動伝達部145は、非図示のモータからの駆動力を供給ローラ43、分離ローラ44、第1LFローラ46、第2LFローラ49および上側の排出ローラ53に伝達する。
また、画像読取装置3は、図3、図4および図5に示されるように、カバー141を備える。カバー141は、突起124および駆動伝達部145を一括して覆う。
具体的には、カバー141は、第1カバー部142、第2カバー部143および第3カバー部144を備える。
第1カバー部142は、駆動伝達部145および駆動フレーム140の上方に配置されている。第1カバー部142は、前後方向に延びている。
第2カバー部143は、第1カバー部142の前側において、前後方向に延びている。第2カバー部143は、第1カバー部142の前端縁から上側に延び、前側に屈曲して延び、さらに下側に屈曲して延びている。
第3カバー部144は、第2カバー部143の前側に形成されている。第3カバー部144は、上壁部146、左側壁部147、右側壁部148および連結壁部149を一体的に有している。
上壁部146は、第2カバー部143の前端部の下端縁から前側に延びている。上壁部146の左側部分151は、コンタクトガラス62の後端部の上方に位置している。上壁部146の右側部分152は、左側部分151よりも前側に延びている。
左側壁部147は、上壁部146の左側部分151の前端縁から下側に、コンタクトガラス62の上面と間隔を空けた位置まで延びている。これにより、左側壁部147は、突起124に前側から間隔を空けて対向している。
右側壁部148は、上壁部146の右側部分152の前端縁から下側に延びている。右側壁部148は、左側壁部147よりも上下方向の寸法が小さい。
連結壁部149は、左側壁部147の右端縁と右側壁部148の左端縁とに接続され、それらの間で前後方向に延びている。
<コンタクトガラスの取り付け>
コンタクトガラス62がADF筐体6に取り付けられるときには、まず、コンタクトガラス62の前端部が第1支持面114の差込口108に差し込まれる。コンタクトガラス62の後端部は、図11Aに示されるように、突起124の上側に位置する。
次に、コンタクトガラス62の後端部が下側に移動される。この移動の途中で、図11Bに示されるように、コンタクトガラス62の後端部が突起124の傾斜面126に当接する。
コンタクトガラス62の後端部が突起124の傾斜面126に当接した後、コンタクトガラス62の後端部が下側に押し下げられると、コンタクトガラス62から傾斜面128に加えられる力が突起124を後側に移動させる力に変換される。その力により、図11Cに示されるように、撓み部125が後方に撓み、突起124が後側に移動し、コンタクトガラス62の後端部が傾斜面126上を摺動しつつ突起124の下側に移動する。
コンタクトガラス62の後端部が延出面127の下端縁よりも下側に位置するまで移動されて、コンタクトガラス62の後端部が延出面127から離れると、撓み変形している撓み部125が前方に復元する。この復元により、図11Dに示されるように、突起124の下面128は、コンタクトガラス62の後端部の上面に配置される。
ここで、コンタクトガラス62の下面は、対向面131の支持部133に接触し、コンタクトガラス62が支持部133に下側から支持されている。また、対向面131の離間部134が支持部133よりも下側に位置しているので、コンタクトガラス62における離間部134と対向する後端部は、押し下げられることにより、コンタクトガラス62の後端部の下面が対向面131の支持部133よりも下側に位置するように撓む。そのため、コンタクトガラス62の後端部の上面は、突起124の下面128よりも下側に位置する。よって、撓み部125が復元するときに、突起124がコンタクトガラス62に引っかかることが抑制される。
その後、コンタクトガラス62の後端部の押し下げが解除されると、密着イメージセンサモジュール61の下側に設けられた弾性部材の弾性により、コンタクトガラス62の後端部の上面が突起124の下面128に押し当てられる。また、コンタクトガラス62の前端部の上面が差込口108の上側の当接面115に押し当てられる。これにより、コンタクトガラス62が第1支持板101および第2支持板102に支持され、コンタクトガラス62のADF筐体6への取り付けが完了する。下面128と当接面115とは、同じ高さに位置していることで、コンタクトガラス62を水平に支持することができる。
<作用効果>
この構成によれば、第1支持板101および第2支持板102は、第1支持面114および第2支持面120を有している。第1支持面114および第2支持面120は、前後方向に間隔を空けて設けられている。第1支持面114は、差込口108を備える。第2支持面120は、撓み部125、突起124、上スリット122および下スリット123を備える。突起124は、撓み部125から前側に突出している。撓み部125は、上スリット122および下スリット123により、突起124が前後方向に変位するように撓むことができる。
コンタクトガラス62が第1支持板101および第2支持板102に支持されるときには、まず、コンタクトガラス62の前端部が差込口108に差し込まれる。次に、突起124が後方に移動するように、撓み部125が変形される。この変形により、突起124が後方に退避するので、コンタクトガラス62の後端部を突起124の下面128の下方に潜り込ませることができる。その後、変形した撓み部125が復元すると、突起124が上方からコンタクトガラス62の後端部の上面に当接する。その結果、コンタクトガラス62の前端部が差込口108に差し込まれ、その後端部の上方への移動が突起124の下面128によって規制された状態で、コンタクトガラス62が第1支持板101および第2支持板102に支持される。
このように、第1支持板101および第2支持板102以外の部材を用いずに、コンタクトガラス62を第1支持板101および第2支持板102に支持させることができる。また、第1支持板101および第2支持板102の構成が簡素である。よって、画像読取装置3の小型化および軽量化を図ることができる。
上スリット122および下スリット123は、左右方向において、突起124よりも長く延びている。
これにより、突起124を前後方向に良好に変位させることができる。
スリットは、左右方向に延びる上スリット122と、上下方向に上スリット122と間隔を空けて平行に延びる下スリット123とを含んでいる。
上スリット122と下スリット123との間を撓み部125として、その撓み部125を容易に撓ませることができる。
突起124は、コンタクトガラス62に近づくほど前方に突出するように傾斜する傾斜面126を有している。
コンタクトガラス62が傾斜面126に当接されて、コンタクトガラス62から傾斜面126に下方への力が加えられると、その力が突起124を後方へ移動させる力に変換される。その力により、突起124が後方に移動するように、撓み部125を撓ませることができる。そのため、コンタクトガラス62を第1支持板101および第2支持板102に楽に組み付けることができる。
上スリット122および下スリット123は、左右方向において、コンタクトガラス62よりも短く形成されている。
これにより、コンタクトガラス62が上スリット122および下スリット123を通って抜け落ちることを抑制できる。
ADF筐体6は、コンタクトガラス62に下方から対向する対向面131を有し、対向面131は、コンタクトガラス62に接触し、コンタクトガラス62を下方から支持部133と、コンタクトガラス62の後端部に対して離間する離間部134とを有している。
これにより、コンタクトガラス62の後端部は、下側に撓むことができる。その結果、コンタクトガラス62の後端部を突起124の下面128の下方に潜り込ませることが容易になる。
差込口108は、コンタクトガラス62に上方から当接する当接面115を有し、当接面115および突起124におけるコンタクトガラス62に当接する面は、同一の仮想平面上に配置されている。
これにより、コンタクトガラス62の前端部および後端部をそれぞれ当接面115および突起124の下面128に良好に当接させることができる。そのため、第1支持板101および第2支持板102によるコンタクトガラス62の支持状態を安定させることができる。
画像読取装置3は、駆動フレーム140に支持され、シートSの搬送のための駆動力を伝達する駆動伝達部145を備えている。また、突起124および駆動伝達部145を一括して覆うカバー141を備えている。
カバー141によって突起124および駆動伝達部145が覆われるため、使用者が突起124および駆動伝達部145に触れることを防止できる。使用者が突起124に触れることを防止することで、コンタクトガラス62が第2支持板102から外れることを防止できる。
上読取部48は、第1支持板101および第2支持板102に対して位置決めされている。
コンタクトガラス62が第1支持板101および第2支持板102に支持されているので、読取部が第1支持板101および第2支持板102に対して位置決めされることにより、コンタクトガラス62とコンタクトガラス62との位置関係を一定に保つことができる。その結果、シートSの画像を良好に読み取ることができる。
搬送経路33は、相対的に上側に位置する上経路34および相対的に下側に位置する下経路35を有するU字状に形成され、上読取部49は、上経路34の下側に配置されて、上経路34を搬送されるシートSの画像を読み取るように設けられ、画像読取装置3は、下経路35の下側に配置されて、下経路35を搬送されるシートSの画像を読み取る下読取部52を備える。
これにより、画像読取装置3は、1回のシートSの搬送で、シートSの両面を読み取ることができる。
<第2実施形態>
前述の構成に代えて、図12および図13に示される構成が採用されてもよい。図12および図13において、前述した各部に相当する部分については、同一の参照符号が付されている。
第2支持板102の前面である第2支持面120は、図12および図13に示されるように、第1スリット201、第2スリット202、第3スリット203、撓み部204および突起124を備える。
第1スリット201および第2スリット202は、互いに左右方向に間隔を空けて、上下方向に延びている。
第3スリット203は、第1スリット201および第2スリット202の各下端部に接続されている。
撓み部204は、第1スリット201、第2スリット202および第3スリット203に囲まれる部分である。撓み部204は、下端部が前後方向に移動するように撓み変形可能である。
突起124は、撓み部204の自由端となる下端部から前側に突出している。
図12および図13に示される構成によっても、前述の構成と同様の作用効果を奏することができる。
<変形例>
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、差込口108が第1支持板101を前後方向に貫通する構成を取り上げた。しかしながら、これに限らず、差込口108は、第1支持板101の後面に形成される凹部であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。