以下、この発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に被記録材の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
この画像形成装置1は、例えば、記録用紙5に形成すべき原稿画像を入力する画像入力装置60を追加して装備させた場合にはカラー複写機として構成することができる。図中の1aは画像形成装置の筐体を示し、この筐体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の一点鎖線は、筐体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
<画像形成装置の要部の構成>
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像と特別色S1,S2の2種類のトナー像とをそれぞれ専用に形成する6つの作像装置10Y,10M,10C,10K,10S1,10S2で構成されている。この6つの作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、筐体1aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。上記特別色(S1,S2)の現像剤4(S1,S2)としては、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成されるものが使用され、具体的には、上記4色以外の色のトナー、上記4色のトナーと同一の色であって彩度が異なるトナー、光沢を向上させる透明トナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー等である。また、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、扱う現像剤の種類が異なる点を除けば、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、回転する感光ドラム11を備えており、この感光ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光LBを照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像を対応する色(S1,S2,Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を帯電させる清掃前帯電装置16と、その再帯電された付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置17、感光ドラム11の清掃後における像保持面を除電する除電器18等である。
感光ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12は、その放電部材に対して帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光(矢付き点線)LBを、帯電された後の感光ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光ドラム11と向き合う2箇所の現像領域までそれぞれ搬送する2つの現像ロール141,142と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール142を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材143,144と、現像ロール142に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材145などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141,142と感光ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141,142や攪拌搬送部材143,144は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)と前記2つの特別色の現像剤4(S1,S2)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15は、感光ドラム11の周面に接触して回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置17は、図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体170と、一次転写後の感光ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板171と、清掃板171よりも感光ドラム11の回転方向上流側で感光ドラムの周面に接触して回転するよう配置される回転ブラシロール172と、清掃板171で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材173等で構成されている。清掃板171としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜27と、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,25,27は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール26は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト31の外周面部分である二次転写位置を通過しながら矢印Cで示す方向に回転する二次転写ベルト31と、二次転写ベルト31をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール32〜36とで構成されている。二次転写ベルト31としては、例えば前述した中間転写ベルト21とほぼ同じ構成で製作される無端状のベルトが使用される。ベルト支持ロール32は、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面に対して二次転写ベルト31を所要の圧力で押し当てるように配置される。ベルト支持ロール32は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール36は張力付与ロールとして構成されている。また、二次転写装置30のベルト支持ロール32又は中間転写装置20の支持ロール26には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された筐体41の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される定着ベルトを備えた加熱回転体42と、この加熱回転体42の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転するドラム形態の加圧用回転体43などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱回転体42と加圧用回転体43が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部になる。
給紙装置50は、中間転写装置20及び二次転写装置30の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、筐体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する複数の用紙搬送ロール対53〜57や図示しない搬送ガイド材で構成される給紙搬送路が設けられている。給紙搬送路において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対57は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30の二次転写ベルト31から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するためのベルト形態等の用紙搬送装置58が設けられている。さらに、筐体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から送り出される定着後の記録用紙5を筐体1aの外部に排出するための用紙排出ロール対59が設けられている。
なお、前述したカラー複写機として構成する場合において装備される画像入力装置60は、プリント対象の画像情報を有する原稿の画像を読み取る画像読取装置であり、例えば、図1に示されるように筐体1aの上部に配置される。この画像入力装置60は、読み込むべき画像の情報を有する原稿6を載せる透明ガラス板等からなる原稿載せ板(プラテンガラス)61と、原稿載せ板61上に置かれた原稿6を移動しながら照明する光源62と、光源62と共に移動しながら原稿6からの反射光を受光して所定の方向に反射させる反射ミラー63と、反射ミラー63に対して所定の速度でかつ所定の距離を移動する第1反射ミラー64及び第2反射ミラー65と、原稿6からの反射光を受光して読み取って電気信号に変換するCCD等からなる画像読取素子66と、画像読取素子66に反射光を結像させる結像レンズ67等で主に構成されている。図1中の符号68は、原稿載せ板61を塞ぐ開閉カバーである。
また、画像入力装置60で読み取られて入力される原稿の画像情報は、画像処理装置70により必要な画像処理が施される。まず、画像入力装置60では、読み取った原稿の画像情報を例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色の画像データ(例えば、各8bitのデータ)として画像処理装置70に送信する。一方、画像処理装置70は、画像入力装置60から送信された画像データについて、シェーディング補正、位置ずれ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠けし、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す。また、画像処理装置70では、画像処理した画像信号を前記4色(Y,M,C,K)の各画像信号にそれぞれ変更した後、露光装置13に送信する。また、画像処理装置40では、前記2つの特別色(S1,S2)のための画像信号も生成する。
<画像形成装置の全体及び要部の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、最初に、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を代表して説明する。
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光LBを照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141,142からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、清掃前帯電装置16が一次転写後の感光ドラム11の表面に残留するトナー等の付着物を再帯電した後、ドラム清掃装置17が再帯電された付着物を掻き取るように除去して感光ドラム11の表面を清掃し、最後に、除電器18が清掃後の感光ドラム11の表面を除電する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路に送り出す。給紙搬送路では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対57が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ベルト31から剥離された後に搬送装置58により定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱回転体42と加圧回転体43との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、用紙排出ロール対59により、例えば筐体100の外部に設置される図示しない排出収容部にむけて排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙9が出力される。
次に、画像形成装置1において、例えば上記した通常の画像形成を行う際に、前記特別色S1,S2の現像剤で構成される特別色トナー像を併せて形成するときの動作について説明する。
この場合は、まず、作像装置10S1,10S2において前述した作像装置10(Y,M,C,K)の場合と同様の作像動作が行われ、これにより作像装置10S1,10S2における各感光ドラム11に特別色トナー像(S1,S2)がそれぞれ形成される。続いて、作像装置10S1,10S2で形成された各特別色トナー像は、前述した4色のトナー像に関する画像形成動作の場合と同様に、中間転写装置20の中間転写ベルト21に一次転写された後に、二次転写装置30により中間転写ベルト21から記録用紙9に(他の色のトナー像と併せて)二次転写される。最後に、特別色トナー像と他の色のトナー像が二次転写された記録用紙5は、定着装置40において定着処理がなされた後、筐体1aの外部に排出される。
以上の動作により、前述した4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像の全面又は一部に対して2つの特別色トナー像が重なり合って存在するように形成された記録用紙9が出力される。
この他、画像形成装置1が画像入力装置60を装備するカラー複写機である場合は、その基本的な画像形成動作が次のように行われる。
すなわち、この場合は、画像入力装置60に原稿6がセットされ、その画像形成動作(コピー)の要求の指令情報を受けると、画像入力装置60において原稿6の原稿画像が読み取られた後、その読み取られた原稿画像の情報が画像処理装置70において前述したような画像処理を施されて画像の信号として生成され、しかる後、その画像の信号が各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)における露光装置13に送信される。これにより、各作像装置10では、その原稿6の画像情報に基づいた静電潜像の形成とトナー像の形成がそれぞれ行われる。それ以後は、前述した画像形成動作(プリント)の場合と同様の動作が行われ、最終的に、そのトナー像からなる画像が記録用紙5に形成されて出力される。
<画像形成装置の要部の詳細な構成>
次に、画像形成装置1の要部(主に作像装置の帯電装置)の詳細について説明する。
<帯電装置の詳細な構成>
はじめに、帯電装置12の構成について詳しく説明する。
帯電装置12は、図2から図5等に示されるように、感光ドラム11の軸方向(座標軸Zにほぼ沿う方向)に沿って一方向に長い形態であって少なくとも感光ドラム11と向き合う下面部を開口させた形状のシールドケース120と、シールドケース120の長手方向の両端部に装着される2つの端部支持体121,122と、2つの端部支持体121,122にシールドケース120の内部空間でほぼ直線状に張り渡された状態になるよう取り付けられる2本のコロナ放電ワイヤ123A,123Bと、シールドケース120の下部開口部にその開口部を覆いコロナ放電ワイヤ123A,123Bと感光体ドラム11の外周面との間に存在した状態になるよう取り付けられる板状の部材からなるグリッド電極124とを備えた、いわゆるスコロトロン型の帯電装置である。
図4、図5等における符号128はコロナ放電ワイヤ123A,123Bを清掃する清掃装置(の一部:移動体128aと移動体128aを往復移動させる移動推進軸128b)、符号129は清掃装置127の移動推進軸127b等を支持する支持部材とシールドケース120(帯電装置12)の作像装置10への装着時に使用される装着補助部材とを兼ねる付属部材をそれぞれ示す。
シールドケース120は、被帯電体である感光ドラム11の外周面における軸方向に沿って向き合う状態で配置され、コロナ放電が被帯電体以外のものに及ぶのを遮断する構造物である。実施の形態1におけるシールドケース120は、感光ドラム11の軸方向に長いほぼ長方形状の天板部120aと、その天板部120aの長辺部から垂下するほぼ長方形状の2枚の側板部120b,120cと、天板部120aと2枚の側板部120b,120dで囲まれる内部空間を長手方向において2つの空間に分割する仕切り板120dとで構成されている。このシールドケース120は、天板部120aと向き合う下部が、感光ドラム11の外周面に軸方向に沿って向き合う部分であり、ほぼ長方形状に似た形状に開口された下部開口部になっている(図4、図5参照)。また、このシールドケース120は、天板部120aの中央部に、長手方向に沿って開口する開口部120eが設けられている(図4参照)。このようなシールドケース120は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属、ポリカーボネート、ナイロン、アクリル等の合成樹脂にカーボンブラック等の導電性材料を混ぜて半導電性に調製された樹脂又はこの樹脂の上に例えばテトラヘデラルアモルファスカーボン(ta−C)等の表面層を塗布形成した複合材料等の材料で形成されている。
端部支持体121,122は、シールドケース120の長手方向における両端部の内部空間にそれぞれ嵌め入れて装着され、その装着された状態でコロナ放電ワイヤ123A,123Bとグリッド電極124を取り付けて支持するために使用される構造体である。端部支持体121,122は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の電気絶縁性を示す材料で形成されている。
端部支持体121は、例えば、シールドケース120の一方の端部に装着して使用されるものであり、ここでは第1端部支持体と称する。この第1端部支持体121は、図5、図6等に示すように、2本のコロナ放電ワイヤ123A,123Bの一方の各端部を固定する本体部130を有している。
また、第1端部支持体121は、本体部130のうちシールドケース120の下部開口部に対応する部位(下面部)に、グリッド電極124の一方の端部を接触させて湾曲した状態に規制する湾曲規制部131が設けられているとともに、グリッド電極124の一方の端部を接触させて通電させる給電金具132が取り付けられている。湾曲規制部131は、感光ドラム11の帯電させるべき外周面部分の湾曲した面形状(所定の曲率からなる円弧の面形状)に対応した面形状からなる湾曲基準面131aを有する形態で形成されている。給電金具132には、グリッド電極124の一方の端部に設けられる後述の支持部を引掛けて支持する突起132aが形成されている。突起132aは、例えば金具の一部を折り曲げた部分として形成されている。
さらに、第1端部支持体121は、本体部130のうちシールドケース120の端部とは反対側の部位に、端部カバーを兼ねた取付け部133が設けられている。取付け部133は、帯電装置12を画像形成装置1(作像装置10)等の装着部に取り付ける際に、後述する支持バネの自由端が接触する接触支持面133aが形成されている。図6等における符号133bは、帯電装置12(のシールドケース120)の一端部を、例えば感光ドラム11を回転自在に支持する支持部材(ドラム支持フレーム)に設けられた装着部に差し込んで装着するための部位(装着部)である。
一方、端部支持体122は、例えばシールドケース120の他方の端部に装着されて使用されるものであり、ここでは第2端部支持体122と称する。この第2端部支持体122は、図5、図7等に示されるように、2本のコロナ放電ワイヤ1234A,123Bの他方の各端部を固定する本体部140を有している。
また、第2端部支持体122は、本体部140のうちシールドケース120の下部開口部に対応する部位(下面部)に、グリッド電極124の他方の端部を接触させて湾曲した状態に規制する湾曲規制部141が設けられているとともに、グリッド電極124の他方の端部側に相当する部位に配置される支持部材142が取り付けられている。湾曲規制部141は、第1反部支持体122における湾曲基準面131aと同様に、感光ドラム11の帯電させるべき外周面部分の湾曲した面形状に対応した面形状からなる湾曲基準面142aを有する形態で形成されている。
また、第2端部支持体122は、本体部1220のうちシールドケース120の端部とは反対側の部位に、取付け部143が設けられている。取付け部143は、第1反部支持体122における取付け部133と同様に、後述する支持バネの自由端が接触する接触支持面143aが形成されている。図7等における符号143cは、帯電装置12(のシールドケース120)の他端部を、例えば感光ドラム11を回転自在に支持する支持部材(ドラム支持フレーム)に設けられた装着部(突起部)と結合して装着するための部位(装着部)である。
さらに、第2端部支持体122は、その取付け部143に、グリッド電極124の長手方向における端部に感光ドラム11の軸方向(これは、コロナ放電ワイヤ123の張り方向又はシールドケース120の長手方向とも同じ方向になる。)に沿って作用する張力(F)を付与する張力付与バネ125を装備している。
張力付与バネ125としては、例えば、一対のコイル部を有する弦巻バネを使用している。この弦巻バネからなる張力付与バネ126は、その一対のコイル部125aを取付け部143の両側面部にそれぞれ突出させた状態で設けた取付け部143bにそれぞれ嵌め入れたうえで、一対のコイル部125aからそれぞれ対称的に延びて固定側の端部となる一方の自由端部125bを取付け部143の一部に引っ掛けた状態で取り付けている。また、この張力付与バネ125は、一対のコイル部125aからそれぞれ対称的に延びて作用側になる他方の自由端部125cを、グリッド電極124の取り付け部分167(例えば後述の引掛け孔167d)に取り付けて、張力(F)としてのバネ力を発生させて機能させ得る位置に配置させるように形成している。
張力付与バネ125の他方の自由端部125cは、例えば、その末端部を外側に向く方向に折り曲げた形状になっている。また、他方の自由端部125cは、グリッド電極124の取り付け部分167に接触して張力を作用させる位置が、端部支持体122における湾曲規制部141の湾曲基準面141aの対応する部位の高さとほぼ同じ位置になるように設定されている。さらに、この張力付与バネ125により付与する張力の大きさについては、例えば、バネ定数が9.5gf/mm程度の大きさになるよう設定されている。
この他、第1端部支持体121及び第2端部支持体122においては、図3、図5から図6等に示されるように、グリッド電極124の長手方向における両端部の少なくとも一部分を、各湾曲規制部131,141の湾曲基準面131a,141aにそれぞれ押し付けて保持するための湾曲保持部材126A,126Bを併用している。
湾曲保持部材126A,126Bとしてはいずれも、湾曲基準面131a,141aの面形状と対応した面形状からなる押付け面部126aと、押付け面部126aの両端部から垂下して各湾曲規制部131,141の側壁部に接触させて嵌め入れる形状の取付け面部126b,126cとを有する形状(断面がほぼM字状の形状)からなる板バネを適用している。また、湾曲保持部材126A,126Bにはいずれも、取付け面部126b,126cに取付け孔126dが形成されている。ちなみに、この湾曲保持部材126A,126Bを併用する各湾曲規制部131,141の側壁部には、湾曲保持部材126A,126Bの取り付けを行う際に、その取付け孔129dに入りこんで引っ掛かる取付け突起131b、141bがそれぞれ設けられている(図5から図7等参照)。
また、第2端部支持体122には、最終的に、その取付け部143と張力付与バネ126及びグリッド電極124の端部を覆い隠す図示しない端部カバーが取り付けられるようになっている。
コロナ放電ワイヤ123A,123Bは、コロナ放電を発生して被帯電体である感光ドラム11の外周面(作像可能領域)を所要の極性に帯電させることができる線材である。この放電ワイヤ123A,123Bとしては、例えば、断面の外径が30〜60μmφのタングステン等の金属線が使用される。
また、この放電ワイヤ123A,123Bは、その各端部が端部支持体121,122の各本体部1210,1220に所要の張力が付与される状態で固定され、その全体がシールドケース120の内部空間で感光ドラム11の軸方向に沿ってほぼ直線状に張り渡された状態になるよう取り付けられる。さらに、放電ワイヤ123A,123Bには、例えば、第1端部支持体121の本体部130に設ける図示しない接続端子が、帯電装置12を画像形成装置1に装着したときに図示しない帯電用の電源装置における給電端子と電気的に接続される仕組みになっており、これにより帯電用の電圧が供給される。
グリッド電極124は、図5、図8から図10等に示されるように、複数の開口151が所要の配置パターンに従って設けられた開口部150とその開口部150を取り囲むよう設けられた枠部160とを備えた板状の部材である。本例のグリッド電極124は、その全体が感光ドラム11の軸方向に沿って細長い長方形に似た形状を有した板状の部材になっている。
開口部150は、図9等に示されるように、開口151として、互いに対向する4辺を残りの対向する2辺に比べて相対的に長くして全体が一方向に引き伸ばされたように変形させた六角形の開口形状(基本パターン)を、感光ドラム11の軸方向に対して斜めに交差する状態で連続して規則的に配置するよう設けた網目パターンになるよう構成されている。また、開口部150は、その全体が、シールドケース120の下部開口部の形状に対応して、感光ドラム11の軸方向に沿って長いほぼ長方形の形状からなる領域を有している。さらに、実施の形態1における開口部150は、枠部160の一部により感光ドラム11の軸方向に沿って細長い2つの長方形の形状からなる領域150A,150Bに分割された形態になっている。
枠部160は、開口部150の長手方向(感光ドラム11の軸方向)の外側をそれぞれ囲むように設けられる直線状の2つの長辺外枠部161,162と、開口部150の長手方向における両端部の外側をそれぞれ囲むととともに開口部150の短手方向(座標軸X又は感光ドラム11の回転方向に沿う方向)に所要の幅をもって設けられる2つの短辺外枠部164,165と、各短辺外枠部164,165の外側(開口部150の長手方向の外側)にそれぞれ設けられるグリッド電極124の取り付け時に使用される取付け枠部166,167とで構成されている。
実施の形態1では、枠部160として、グリッド電極124の取り付けに付与する張力に対する強度を確保する等の観点から、2つの長辺外枠部161,162の中間になる位置に中央枠部163を更に設けている。また、短辺外枠部164,165は、端部支持体121,122における各湾曲規制部131,141の湾曲基準面131a,141aとほぼ同じ面積の形状(長方形)からなるものであり、グリッド電極124の取り付けの際、その湾曲基準面131a,141aに接触し得る部位になるよう構成されている。ちなみに、中央枠部163は、例えば張力に対する十分な強度を確保できる場合には省略しても差し支えない。
第1端部支持体121の湾曲基準面131aに接触させる第1短辺外枠部164の外側に設けられる第1取付け枠部166は、図8等に示されるように、第1短辺外枠部164の外側になる端部のうち開口部150の短手方向に見たときの両端部に近い部位からその短手方向の中央部側にむけて斜めに対称的に延びる2つの斜め腕部166a,166bと、その2つの斜め腕部166a,166bがその中央部において最終的に結合して引掛ける形状に形成された引掛け部166cとで構成されている。引掛け部166cは、第1端部支持体121における電極金具132の前記突起132aに引掛けることができる形状に形成されている。
第2端部支持体122の湾曲基準面141aに接触させる第2短辺外枠部165の外側に設けられる第2取付け枠部167は、図8等に示されるように、第2短辺外枠部165の外側になる端部のうち開口部150の短手方向に見たときの両端部に近い部位から開口部150の長手方向に沿ってそれぞれ平行して延びる平行腕部167a,167bと、その平行腕部167a,167bがその末端部において接続される引っ張り部167cとで構成されている。引っ張り部167cは、第2端部支持体122の第1短辺外枠部165とほぼ同じ長方形状に形成された末端部分であり、開口部150の短手方向における両端部となる近くに部位に前記張力付与部材125における他方の自由端部125cの引掛け部を引っ掛ける引掛け孔167dが形成されている。
そして、このグリッド電極124は、その電極124(実際には開口部150)を感光ドラム11の軸方向においてもその感光ドラム11の外周面の湾曲した面形状に追従して湾曲した状態に安定して配置することを可能にする観点から、その開口部150と枠部160の一方又は双方の一部分を、それ以外の部分の厚さよりも相対的に厚い部位として構成している。これに対し、従来のグリッド電極(1240)は、後述するように、その全体が同じ厚さの部材として構成されている(図25、図27参照)。
実施の形態1に係るグリッド電極124は、図10に模式的に示されるように、枠部160の短辺外枠部164,165及び取付け枠部166,167の厚さd1を、枠部160の長辺外枠部161,162及び中央枠部163と開口部150の全域との厚さd2よりも相対的に大きい値(d1>d2)に設定し、その枠部160の短辺外枠部164,165及び取付け枠部166,167を「相対的に厚い部位」として構成している。この場合、その厚い部位に対して、枠部160のそれ以外の部位である長辺外枠部161,162及び中央枠部163と開口部150の全域は「相対的に薄い部位」になる。また、厚い部位は、グリッド電極124を感光ドラム11の外周面の面形状(所要の半径からなる円筒又は円柱の周面の形状)に対応した面形状に湾曲させた状態に設置する必要があるため、その面形状に弾性的に変形させることが可能な厚さに設定される。具体的には、厚い部位の厚さは、例えば相対的に薄い部位の厚さの1.5〜5倍の値になるように設定することが好ましい。
このような部分的に厚さが異なる板状のグリッド電極124は、例えば、金属等の材料からなる平板状の電極素材を用いてエッチング法により製作される。ちなみに、このグリッド電極124は、帯電装置12の端部支持体121,122に取り付けられていない段階では、平板状の部材になっている。
また、このグリッド電極124は、次のようにして帯電装置12の所要の部位に取り付けられる。
すなわち、まず、グリッド電極124は、図11、図12a等に示されるように、その短辺枠部164,165が、シールドケース120の長手方向の両端部に装着された2つの端部支持体121、122の湾曲規制部131、141における湾曲基準面131a,141aに向き合う状態にする。この際、グリッド電極124は、その全体がほぼ平板状の状態になっている(図12a参照)。
続いて、図11等に示されるように、グリッド電極124は、第1端部支持体121側に配置される取付け枠部166の引掛け部166cを第1端部支持体121における電極金具132の突起132aに引っ掛けた状態にする一方で、第2端部支持体122側に配置される取付け枠部167の引掛け孔167dに張力付与バネ125の自由端部125cを引っ掛けた状態にする。
これにより、グリッド電極124は、図7、図11、図12a等に示されるように、その一方の端部となる取付け枠部166が第1端部支持体121に固定された電極金具132の突起132aに引っ掛けられた状態に保たれたうえで、その他方の端部となる取付け枠部165が第2端部支持体122に固定された張力付与バネ125により感光ドラム11の軸方向に沿う張力F1が付与され、取付け枠部166のある端部とは反対側の方向に引っ張られた状態に保たれる。
このとき張力付与バネ125の張力F1は、取付け枠部167における2つの引掛け孔167dを作用点として取付け枠部167の引っ張り部167dに及んだ後、2本の平行腕部167a,167bを介して短辺枠部165に及び、しかる後、その短辺枠部165から2つの平行する長辺外枠部161,162とそれらに平行する中央枠部163を介して開口部150A,150Bと短辺枠部164に及ぶ。
またこのときグリッド電極124は、枠部160の短辺外枠部164,165及び取付け枠部166,167がそれ以外の部位である長辺外枠部161,162及び中央枠部163と開口部150に対して相対的に厚い部位として構成されているので、電極の長手方向の構造線の強度(変形に対する抵抗力)に対して短手方向の構造線の強度が、その短手方向の構造線を有する部位を薄くしていることで弱められることになる。これにより、張力付与バネ125の張力F1は、グリッド電極124の相対的に薄い部位である長辺外枠部161,162、中央枠部163及び開口部150A,150Bにほぼ均等に配分されて及ぶ。
この結果、グリッド電極124は、図7、図11、図12b等に示されるように、張力付与バネ125の張力F1が付与されることで短辺枠部164,165が端部支持体121、122の湾曲規制部131、141における湾曲基準面131a,141aにそれぞれ接触し、その湾曲基準面131a,141aの面形状に規制された状態になる。このため、グリッド電極124は、最終的に、その端部支持体121、122の間にある開口部150の部分も、その一部分が異なった曲率で湾曲して例えば反り返ったような形状になることがなく、その全域がほぼ一律に湾曲基準面131a,141aの面形状に倣った面形状に湾曲して、感光ドラム11の湾曲した外周面にほぼ対応するような面形状に湾曲した状態になる。ちなみに、グリッド電極124は、この段階(湾曲保持部材125A,125Bを装着する前)においても、感光ドラム11の湾曲した外周面にほぼ追従して湾曲した状態に保たれる。
最後に、図12c等に示されるように、湾曲保持部材126A,126Bを、端部支持体121、122の湾曲規制部131、141に、グリッド電極124の短辺枠部164,165が介在している状態で取り付ける。これにより、グリッド電極124は、図3等に示されるように、帯電装置12におけるシールドケース120の下部開口部に、その開口部を塞ぐ状態で取り付けられる。また、このときのグリッド電極124は、その取付け部166が第1端部支持体121の給電金具132に接触するとともに、その短辺外枠部165に近い長辺外枠部161,162や開口部150の端部などが第2端部支持体122の給電金具142に接触し、通電可能な状態になる。
このとき、湾曲保持部材126A,126Bは、その取付け面部126b、126cの取付け孔126dが湾曲規制部131、141における取付け突起131b、141bにそれぞれ引っ掛けされることで固定される。これにより、湾曲保持部材126A,126Bは、その押付け面部126aがグリッド電極124の短辺枠部164,165を湾曲規制部131、141の湾曲基準面131a,141aに押し付けた状態になる。
この結果、グリッド電極124Bは、張力付与バネ125の張力F1が付与されることで短辺枠部164,165が端部支持体121、122の湾曲規制部131、141における湾曲基準面131a,141aにそれぞれ接触し、その湾曲基準面131a,141aの面形状に規制された状態になる。このため、グリッド電極124は、最終的に、その端部支持体121、122の間にある開口部150の部分も、湾曲基準面131a,141aの面形状に倣った面形状に湾曲して、感光ドラム11の湾曲した外周面にほぼ対応するような面形状に湾曲した状態になる。また、このときのグリッド電極124Bは、その湾曲した状態が感光ドラム11の軸方向においても同様に形成されている。
このようなグリッド電極124を備える帯電装置12は、そのグリッド電極124が上記したように全体にわたって良好に湾曲した状態に取り付けられることで、図15等に示されるように、その湾曲した状態のグリッド電極124と2本のコロナ放電ワイヤ123A,123Bとの距離m1、m2が所要の値に保たれるようになる。m1、m2は、グリッド電極124の開口部150とコロナ放電ワイヤ123との最短距離を示す。
そして、この帯電装置12は、図14に示されるように、感光ドラム11を回転自在に支持するドラム支持フレーム19に形成された帯電装置装着部分に装着される。
この場合、ドラム支持フレーム19の帯電装置装着部分には、帯電装置12を感光ドラム11から遠ざける方向に弾性的に押すバネ95が取り付けられている。このため、帯電装置12は、ドラム支持フレーム19の帯電装置装着部分に装着する際、そのバネ95の自由端が端部支持体の取付け部における接触支持面133a,143に当たり、そのバネ95のバネ力(加圧力)に抗した状態で装着作業を行うこととなり、最終的に帯電装置12とドラム支持フレーム19との間で配分されて設けられた図示しない装着突部と装着孔部とが嵌め合わされて引っ掛かることにより、その装着する位置が決定される。このとき帯電装置12は、バネ95の加圧力より感光ドラム11から遠ざける方向に押され続けられるので、上記装着突部と装着孔部との間に存在する嵌め合い時における隙間(緩み/ガタ)が出現しない状態に保たれる。この結果、帯電装置12は、感光ドラム11に対して所要の間隔をあけた適切な状態で装着されることになる。ここで、所要の間隔とは、帯電措置12におけるグリッド電極124と感光ドラム11との間の最短距離であり、例えば0.8〜1.2mmの値になる。
また、この装着された帯電装置12は、グリッド電極124が前述したように感光ドラム11の湾曲した外周面に追従して湾曲した状態で取り付けられているので、図14や図15に示されるように、その感光ドラム11の外周面に対する間隔h(h1,h2,h3)が感光ドラム11の回転方向Aにおいてほぼ同じに保たれるとともに、感光ドラム11の軸方向においてもほぼ同様に保たれることになる。図14及び図15における符号hは、グリッド電極124の開口部150A,150Bと感光ドラム11の外周面との最短距離を示し、h1は開口部150Aの長辺枠部161に近い部分における最短距離、h2は開口部150Aの中央枠部163に近い部分における最短距離、h3は開口部150Bの中央枠部163に近い部分における最短距離、h4は開口部150Bの長辺枠部162に近い部分における最短距離をそれぞれ示す。
帯電装置12は、画像形成装置1に装備された段階ではコロナ放電ワイヤ123A,123Bが帯電用電圧を供給する電源部に接続され、グリッド電極124が電位調整用電圧を供給する電源部に接続された状態になる。そして、帯電装置12は、作像時(画像形成動作時)になると、コロナ放電ワイヤ123A,123Bに帯電用の電圧が供給され、グリッド電極124に電位調整用の電圧が供給される。これにより、各コロナ放電ワイヤ123は、感光ドラム11の外周面との間に電界を形成した状態でコロナ放電を発生し、その結果、感光ドラム11の外周面に所定の電荷を付着させてその外周面を帯電させる。この際、感光ドラム11の帯電電位は、グリッド電極124による電位調整機能により調整される。
そして、この帯電措置12が装備された作像装置10(S1,S2,Y,M,C,k)を有する画像形成装置1においては、帯電装置12におけるグリッド電極12が前述したように感光ドラム11の外周面に対してほぼ同じ間隔をあけた状態で対峙するので、帯電時におけるグリッド電極124の電位制御がむらなく良好になされ、この結果、感光ドラム11をその軸方向における帯電むらの発生が抑制された状態で良好に帯電させることができる。しがたって、この画像形成装置1では、感光ドラム11の軸方向に相当する方向における帯電むらに起因した濃度むらの発生が抑制され、この結果、その濃度むらの発生が抑制された良好な画像の形成を行うことができる。
[実施の形態2]
図16及び図17は、実施の形態2に係るグリッド電極154Bを示すものである。図16はそのグリッド電極124Bの一部を平面的に示し、図17は図16(及び図8)のQ1−Q1Q線及びQ2−Q2線に沿う模式的な断面状態を示している。
実施の形態2に係るグリッド電極124Bは、枠部160の全体(長辺外枠部161,162、中央枠部163、短辺外枠部164,165及び取付け枠部166,167)と開口部の一部領域150tの厚さd3を、開口部150の一部領域150t以外の残り領域の厚さd4よりも相対的に大きい値(d3>d4)に設定し、その枠部160の全域と開口部の一部領域150tとを「相対的に厚い部位」として構成している。開口部の厚い部位150tは、感光ドラム11の軸方向とほぼ平行する直線的な帯状の領域が複数並んで存在するパターン(ストライプパターン)になっている。
この場合、開口部の厚い部位である一部領域150t以外の部位は、相対的に薄い部位になる。ちなみに、開口部150の相対的に薄い部位も、感光ドラム11の軸方向とほぼ平行する直線的な帯状の領域が複数並んで存在するパターンになる。
このグリッド電極124Bは、実施の形態1に係るグリッド電極124の場合と同様に帯電装置12の所要の部位に取り付けた場合、特に、枠部160の全体と開口部150の一部領域150tをそれ以外の部位(開口部の残りの領域)に対して相対的に厚い部位として構成しているので、その開口部150(150A,150B)は、その軸方向における梁(厚い部位150t)が実施の形態1におけるグリッド電極124における開口部150(150A,150B)に比べて多くなり、薄い領域の面積が小さくなる。これにより、張力付与バネ125により付与される張力F1は、グリッド電極124の枠部160及び開口部の一部領域150tを介して主に伝達されるが、開口部150の相対的に薄い部位には、その部位を挟むように囲む長辺外枠部161,162、中央枠部163及び開口部の一部領域150tからほぼ均等に配分された状態で及ぶようになる。
この結果、グリッド電極124Bは、その短辺枠部164,165が、湾曲規制部131、141における湾曲基準面131a,141aと湾曲保持部材126A,126Bにおける押付け面部126aとの間に挟まれた状態になって湾曲基準面131a,141aに密着し、感光ドラム11の湾曲した外周面に追従して湾曲した状態に保たれる。また、開口部150の薄い部位には、上記したように厚い枠部160と開口部の厚い部位150tに挟まれた状態で張力F1がほぼ均等に配分されて付与される。このため、グリッド電極124Bは、その開口部150A,150Bも、その開口151が網目状のパターン(換言すれば、複数の開口151が感光ドラム11の軸方向と斜めに交差する部分が存在する開口形状の配置パターン)で形成されているにもかからず、感光ドラム11の湾曲した外周面により忠実に追従して湾曲した状態で取り付けられることになる。また、このときのグリッド電極124Bは、その良好に湾曲した状態が感光ドラム11の軸方向においても同様に形成されている。さらに、このグリッド電極124Bは、湾曲したときのたわみや、薄いことによる振動の発生が抑制される。
<評価試験>
以下、実施の形態1,2に係るグリッド電極124,124B等を用いて行った評価試験について説明する。
評価試験は、試験対象のグリッド電極124,124B等を帯電装置12に同様の条件(張力付与バネ125により付与する張力はバネ定数が9.5gf/mmになる値に設定した。)で取り付け、そのときの各グリッド電極の湾曲した面形状の状態について調べた。湾曲した面形状の状態については、図14及び図15に示すように、グリッド電極の感光ドラム11の軸方向における3つの測定位置(Out側、Center、In側)で感光ドラム11の回転方向Aに沿う実際の状態を、レーザー変位計により計測した。この各測定位置で調べたグリッド電極124,124Bの湾曲した状態(結果)を図18(b)と図19(b)に実線(Grid)で示した。
図18(a)等においては、開口パターンを示す一部部分について白黒を反転させた状態で表示している(白線が開口パターンを形成している部分であり、黒塗部分がその各開口した部分を示している。以後も同様。)。図18(b)等においては感光ドラム11の外周面の状態を二点鎖線(P/R面)で示すとともに、グリッド電極の理想の湾曲した面形状の状態(理想)(感光ドラム11の外周面と同じ曲率からなる湾曲状態)を点線で示した。また、図18(b)等における「周方向位置」とは感光ドラム11の回転方向に沿う外周面の位置であり、また、「ROS側」とは露光装置13が配置されている側を示し、「EL側」とは除電器18が配置されている側を示す。そして、図18(b)等に示す結果については、実際のグリッド電極124,124Bの湾曲した状態を示す測定結果(実線)が理想の湾曲した状態を示す点線に近づいた場合になっているほど、良好な結果であることになる。
実施の形態1に係るグリッド電極124としては、その全体が図8〜図10に示すような形状からなるものであり、枠部160の両端部(短辺外枠部164、165と取付け部166,167)の厚さd1を0.1mm、枠部の他の部位(長辺外枠部161,162と中央枠部163)と開口部150の全域の厚さd2を0.05mmとしたステンレス(SUS304)製の平板状の電極を用意した。開口部150A,150Bは、感光ドラム11の軸方向の長手方向の長さLが約337mm、感光ドラム11の回転方向Aに沿う短手方向の長さSが約14mmの寸法からなる長方形状の領域として形成した。また、開口部150の開口151のパターンとしては、図9等に示すような変形六角形の形状からなり、その長手方向の長さが約3.6mm、その短手方向の長さが約1.4mmとなる変形六角形の開口を、その長手方向に沿う線分が感光ドラム11の軸方向に対して交差角が約10度になるよう斜めに交差させた状態で複数連続して存在するように配置し、全体の開口率が約86%になる開口パターンを採用した。このグリッド電極124の測定結果を図18に示した。
実施の形態2に係るグリッド電極124Bとしては、その全体が図10、図16、図17等に示すような形状からなるものであり、枠部160の全体と開口部の一部領域150tの厚さd3を0.1mm、開口部の一部領域150t以外の部位の厚さd4を0.05mmとしたステンレス(SUS304)製の平板状の電極を用意した。開口部の厚い部位である一部領域150tについては、図20に示すように、その幅(感光ドラム11の回転方向Aに沿う方向の長さ)w1を約2.5mmにした。また、開口部の一部領域150t以外の薄い部位の幅w2を約3.0mmとした。なお、開口部150A,150Bの寸法形状と開口パターンについては、実施の形態1に係るグリッド電極124の場合と同様にした。このグリッド電極124Bの測定結果を図19に示した。
図18及び図19の示す結果から、グリッド電極124,124Bはいずれも感光ドラム11の軸方向においても感光ドラム11の外周面に追従して湾曲した面形状になることがわかる。特に実施の形態2に係るグリッド電極124Bの方が、より良好な結果が得られることがわかる(図19)。ちなみに、本発明者らの実験によれば、この2つのグリッド電極124,124Bを取り付けた帯電装置12を適用した画像形成装置1において、帯電能力を向上させる観点から、グリッド電極124,124Bの感光ドラム11の外周面との距離h(図15)を小さくして(例えば1mm程度)近づけた状態に設置して帯電を行ったところ、張力付与バネ125による張力を強くしなくても、グリッド電極が振動する現象がほとんど発生しないことが確認されている。
なお、比較のため、図25に示すように、開口部150及び枠部160の全域の厚さd10がいずれも0.1mmである構成のグリッド電極1240Aを用いて同様の評価試験(比較例1)を行った。グリッド電極1240Aの他の構成内容は、実施の形態1等のグリッド電極124と同様である(この点はこれ以降の比較例も同様である。)。この結果を図26に示す。
図26に示す結果から、比較例1のグリッド電極1240Aの場合には、その全体が感光ドラム11の外周面に対応して湾曲した面形状にならないことがわかる。特にグリッド電極1240Aの感光ドラム11の回転方向における中央部では、平らな形状に戻るような状態になることが確認された。
また、比較のため、図27に示すように、開口部150及び枠部160の全域の厚さd20がいずれも0.05mmである構成のグリッド電極1240Bを用いて同様の評価試験(比較例2)を行った。つまり、このグリッド電極1240Bは、前記比較例1のグリッド電極1240Aについてその厚さd20を全体に薄くしたものになる(d20<d10)。この結果を図28に示す。
図28に示す結果から、比較例2のグリッド電極1240Bの場合には、比較例1のグリッド電極1240Aの場合に比べると、Centerの測定位置を除く部位が感光ドラム11の外周面に対応して湾曲した面形状になることがわかる。また、このグリッド電極1240Bの場合は、2つの湾曲保持部材126を取り付ける前の段階において、その一端部(短辺外枠部164を含む部分)が、湾曲規制部131の湾曲基準面131aの両端から離れるように反り返って座屈した状態になってしまうことが確認された。
さらに比較のため、図29に示すように、開口部150及び枠部160の全域の厚さがいずれも0.1mmであって、感光ドラム11の軸方向に沿う直線状の開口154が複数平行して並んだストライプパターンからなる開口部155A,155bとした構成のグリッド電極1240Cを用いて同様の評価試験(比較例3)を行った。つまり、このグリッド電極1240Cは、前記比較例1のグリッド電極1240Aについてその開口部の開口パターンを変更(網目状パターンから変更)したものになる。この結果を図30に示す。
図30に示す結果から、比較例3のグリッド電極1240Cの場合には、前記比較例1,2の各グリッド電極1240A,1240Bの場合に比べると、その全体が感光ドラム11の外周面に対応して湾曲した面形状になって改善されていることがわかる。しかし、このグリッド電極1240Cの場合は、帯電能力を向上させる観点から、グリッド電極1240Cの感光ドラム11の外周面との距離hを小さくして(例えば1mm程度)近づけた状態に設置して帯電を行ったところ、グリッド電極1240Cが振動する現象が発生することが確認された。そこで、この振動の発生を防止するために張力付与バネ125による張力を強くした(例えば張力をバネ定数が15gf/mm程度になる値にした)ところ、グリッド電極の振動現象は抑制される傾向にあるが、グリッド電極1240Cの湾曲した状態がその電極1240Cに供給する電圧を高めると振動現象が発生してしまい湾曲形状を維持できなくなることが確認されている。
[他の実施の形態]
グリッド電極124は、図21に示すように、開口部150のうちコロナ放電ワイヤ123A,123Bの直下に存在させる領域154A,154Bを、同じ厚さdxの部位として構成するとよい。
この場合、直下に存在させる領域154A,154Bとは、各コロナ放電ワイヤ123A,123B(の中心)と感光ドラム11の回転の中心点Oとを結ぶ直線J1,J2がグリッド電極124の開口部150A,150Bでそれぞれ交差する交点Kを中心にして、感光ドラム11の回転方向Aに沿う幅w4が、例えば各コロナ放電ワイヤ123A,123Bとグリッド電極124の距離m1、m2(m1=m2)となる領域である。また、その領域154A,154Bの厚さdxは、相対的に厚い部位の厚さ又は相対的に薄い部位の厚さであっても、あるいは、それ以外の異なる厚さであってもよく、その領域154A,154Bではすべて同じ厚さになればよい。
このようなグリッド電極124を取り付けた帯電装置12においては、その開口部の領域154A,154ではコロナ放電ワイヤ123A,123Bとの距離が極端に異なる関係にならない。このため、その距離が異なる場合におけるコロナ放電ワイヤの放電むらの発生を抑制することが可能になり、これにより良好な帯電を行うことができる。
また、グリッド電極は、実施の形態2に係るグリッド電極124Bのように、図22に示すように、その片面124aに相対的に厚い部位(150t)とそれ以外の薄い部位とで形成される段差124cを有する場合、その段差124cを有する片面124aを感光ドラム11の外周面に向き合わせた状態で取り付けて使用するとよい。図22中において符号124bは、段差124cを有しない面(平滑な面)を示す。
このような段差124cを有する片面124aのあるグリッド電極124を取り付けた帯電装置12においては、そのグリッド電極124の段差124cを有する片面124aでは感光ドラム11の外周面との距離hが開口部の厚い部位150tでの距離haと薄い部位での距離hbとで異なる値になってしまうが(ha<hb)、その段差124cを有しない片面124bではコロナ放電ワイヤ123A,123Bとの距離mが頻繁に異なる値になることがなくなる。このため、グリッド電極124とコロナ放電ワイヤ123A,123Bとの距離mが段差124cの存在で異なることで発生し得る電界集中に起因した帯電むらを回避することが可能になり、これにより良好な帯電を行うことができる。
実施の形態2に係るグリッド電極124Bにおいては、開口部の厚い部位である一部領域150tの幅w1や、その本数、その間隔(相対的に薄い部位の幅w2となる)を他の条件に変更することができる。
また、このグリッド電極124Bの場合、図23に例示するように、開口部の厚い部位150tの厚さd5を枠部160の厚さd3よりも薄い値(d5<d3)に設定しても構わない。ただし、この厚い部位150tの厚さd5は、開口部の相対的に薄い部位の厚さd4よりも厚くなる値にする(d5>d4)。このように構成した場合であっても、そのグリッド電極124Bは、帯電装置12に取り付けた際、感光ドラム11の湾曲した外周面により忠実に追従して湾曲した状態で取り付けられることになる。また、このグリッド電極124Bは、その良好に湾曲した状態が感光ドラム11の軸方向においても同様に形成されている。
さらに、このグリッド電極124Bの場合、開口部の厚い部位150tは、図24に例示するように、連続して存在しない点状の領域のものであってもよい。この場合でも、その点状の厚い部位150tは、感光ドラム11の軸方向に沿って直線状に並ぶ状態に存在するように配置することが望ましい。これにより、感光ドラム11の軸方向に沿って直線状に並ぶ状態の点状の厚い部位150t(群)の間には、感光ドラム11の軸方向に沿って直線状に連続して存在する相対的に薄い部位が形成されることになる。
実施の形態1,2等では、グリッド電極124、124Bの両端部の枠部160における取付け部をいずれも、第2端部支持体122の側に配置される取付け部167のように複数の点で張力を付与する形態にすることもできる。このような取付け部167を双方の端部に採用したグリッド電極では、その全体を感光ドラム11の外周面の形状に追従して湾曲する面形状に保持した状態で取り付けることができる。また、その取付け部167の厚さを比較的薄くした場合でも、湾曲保持部126を使用せずに、そのグリッド電極を感光ドラム11の外周面の形状に追従して湾曲する面形状の状態で取り付けることが可能になる。
グリッド電極の開口部150の開口パターンについては、コロナ放電ワイヤ124A,124Bのコロナ放電により感光ドラム11の外周面をほぼ同じ電位に帯電できるように制御することに適した複数の開口151が所要の規則的又はランダムな配置パターンに従って存在するものであればよい。この発明では、特に開口どうしの接続部が感光ドラム11の軸方向と斜めに交差するような開口パターンを採用したグリッド電極に対して良好な効果が得られ有効である。また、グリッド電極の枠部160についても、中央枠部163がない構成のものでも、他の構成のものでもよい。
実施の形態1,2等では、グリッド電極124、124Bとして、帯電装置12に取り付けない段階では平板状の電極になるものを適用した場合を例示したが、感光ドラム11の外周面の形状に追従して湾曲する面形状に容易かつ良好に保持して取り付けることができれば、あらかじめ感光ドラム11の外周面の形状に近い湾曲した形状に成形したグリッド電極を適用しても構わない。
帯電装置12は、グリッド電極を湾曲形状に保持する湾曲規制部材として、端部保持体121,122の本体部に一体化して成形したもの(湾曲規制部131a,141a)を例示したが、端部保持体121,122とは別体の部材として構成することも可能である。また、帯電装置12は、湾曲保持部126を使用せずにグリッド電極124(124B)を感光ドラム11の外周面の形状に追従して湾曲する面形状の状態で取り付けることができる場合には、その湾曲保持部126を使用しなくともよい。さらに、帯電装置12は、2本のコロナ放電ワイヤ123A,123Bを備えたものでなく、1本の放電ワイヤを備えたものであっても、あるいは3本以上の放電ワイヤを備えたものであってもよい。
この他、この発明の帯電装置12を用いる画像形成装置1は、その帯電装置12を使用することが可能なものであれば、その形式等の各構成については特に限定されるものでなく、従来公知の構成からなる画像形成装置として構成することも可能である。例えば、感光ドラム11に代えて、ベルト形態の感光ベルトを使用する画像形成装置であっても構わない。この場合、帯電装置12は、その感光ベルトのうちベルト支持ロールに支持されて湾曲した状態になる外周面部分に対峙した状態で設置される。感光ドラム11としては、帯電装置12による高速帯電が可能である場合、その耐久性等を付与する観点から、表面保護層を形成したものを適用することが望ましい。また、帯電装置12で帯電する非帯電体は、湾曲した外周面部分を有する回転物であれば、他の構造物であってもよい。