JP6013945B2 - 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法 - Google Patents

凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6013945B2
JP6013945B2 JP2013043784A JP2013043784A JP6013945B2 JP 6013945 B2 JP6013945 B2 JP 6013945B2 JP 2013043784 A JP2013043784 A JP 2013043784A JP 2013043784 A JP2013043784 A JP 2013043784A JP 6013945 B2 JP6013945 B2 JP 6013945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
electrode
sol
pattern
concavo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013043784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225492A (ja
Inventor
鳥山 重隆
重隆 鳥山
涼 西村
涼 西村
麻登香 ▲高▼橋
麻登香 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority to JP2013043784A priority Critical patent/JP6013945B2/ja
Publication of JP2013225492A publication Critical patent/JP2013225492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6013945B2 publication Critical patent/JP6013945B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、光の散乱や回折のための微細な凹凸パターンを有する基板を有するデバイスの製造方法に関する。
半導体集積回路のような微細パターンを形成する方法として、リソグラフィ法が知られている。リソグラフィ法で形成されるパターンの解像度は、光源の波長や光学系の開口数に依存しており、近年の微細化デバイスの需要に応えるために、より短波長の光源が要望されている。しかしながら、短波長光源は高価であり、その開発は容易ではなく、そのような短波長光を透過する光学材料の開発も必要である。また、従来のリソグラフィ法で大面積のパターンを製造することは、大型の光学素子を必要とし、技術的にも経済的な面でも困難を伴う。それゆえ、大面積を有する所望のパターンを形成する新規な方法が検討されていた。
従来のリソグラフィ装置を使わずに、微細パターンを形成する方法としてナノインプリント法が知られている。ナノインプリント法は、樹脂をモールド(型)と基板で挟み込むことでナノメートルオーダーのパターンを転写することができる技術であり、使用材料によって、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法などが検討されている。このうち、光ナノインプリント法は、i)樹脂層の塗布、ii)モールドによるプレス、iii)光硬化及びiv)離型の四工程からなり、このような単純なプロセスでナノサイズの加工を実現できる点で優れている。特に、樹脂層は、光照射により硬化する光硬化性樹脂を用いるためにパターン転写工程にかかる時間が短く、高スループットが期待できる。このため、半導体デバイスのみならず、有機EL素子やLEDなどの光学部材、MEMS、バイオチップなど多くの分野で実用化が期待されている。
例えば、有機EL素子(有機発光ダイオード)では、正孔注入層から入った正孔と、電子注入層から入った電子が、それぞれ、発光層へ運ばれて、発光層内の有機分子上でそれらが再結合して有機分子を励起して、それにより光が放出される。それゆえ、有機EL素子を表示装置や照明装置として使用するには、発光層からの光を素子表面から効率よく取り出す必要があり、このために、回折格子基板を有機EL素子の光取り出し面に設けることが特許文献1で知られている。
特開2006−236748 WO2011/007878A1
また、本出願人は、特許文献2において、有機EL素子用の回折格子基板の凹凸パターンを製造するために、所定の条件を満たすブロック共重合体を溶媒に溶解した溶液を基材上に塗布し、ブロック共重合体の自己組織化する現象を用いてブロック共重合体のミクロ相分離構造を形成することにより、微細で不規則な凹凸パターンが形成された母型(金属基板)を得る方法を開示している。得られた母型にシリコーン系ポリマーと硬化剤の混合液を滴下して硬化させてモールドとしての転写パターンを得た後、この転写パターンに硬化性樹脂を塗布したガラス基板を押しつけて紫外線により硬化性樹脂を硬化させることで、転写パターンが複製された回折格子が作製される。この回折格子上に、透明電極、有機層及び金属電極を積層することで有機EL素子が得られる。
しかし、上記のような有機EL素子用の回折格子を量産するには、モールドとしての転写パターンを用いて硬化性樹脂などの材料に効率良く転写を行う必要がある。
それゆえ、有機EL素子等に用いられる回折格子基板等の光学基板を高いスループットで量産することができる新しい転写プロセス及び転写装置が要望されていた。
ところで、上記のような光硬化性樹脂は一般に耐熱性が低く、高温で分解や黄変が発生する。したがって、後続する工程に高温処理があると微細パターンを有する膜が破壊してしまう恐れがある。また、光硬化性樹脂はガラス基板への密着性が低く、さらには、パターン転写された樹脂層を有機EL素子などの素子に用いた場合、樹脂層から不純物が溶出して素子に悪影響を与える恐れがある。従って、ナノインプリント法を用いて有機EL素子用の回折格子基板などの光学基板を高いスループットで量産するために、ガラス基板上に凹凸パターンを形成するための材料やモールド材料を最適化する必要もある。
そこで、本発明の目的は、基板に対して高い密着性を有すると共に耐熱性及び耐候性を有する微細凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスを高いスループットで製造する新規な製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法であって、
ゾルゲル材料を基板上に塗布し、塗布されたゾルゲル材料に所定の凹凸パターンを転写することで凹凸パターンが形成された基板を形成する基板形成工程と、
前記凹凸パターンが形成された基板を洗浄する洗浄工程と、
洗浄された基板上に第1電極をパターニングにより形成する第1電極形成工程と、
第1電極が形成された基板をアニールするアニール工程と、
第1電極上に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記薄膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程とを含むデバイスの製造方法が提供される。
本発明のデバイス製造方法において、基板は光学基板であってもよい。また、前記塗布されたゾルゲル材料に、可撓性の基材および該基材の一方の面に形成された凹凸層を有するフィルム状モールドを押し付けて凹凸パターンを形成し得る。
また、本発明のデバイス製造方法においては、凹凸パターンの被転写材料としてのゾルゲル材料が樹脂材料に比べて高強度であり耐食性を有するので、前記洗浄工程において、超音波洗浄、ブラシ洗浄、及び/またはUV/O洗浄を行ってもよい。
また、本発明のデバイス製造方法においては、前記パターニングが、酸またはアルカリ溶剤を用いて行うものであって、前記パターニングが、第1電極層の形成、レジスト塗布、露光及び現像、第1電極層のエッチング及びレジストの剥離を含んでもよい。ゾルゲル材料はそれらの処理に使用される溶剤に対しても耐食性を有する。
また、本発明のデバイス製造方法においては、凹凸パターンの被転写材料としてのゾルゲル材料が耐熱性を有するので、前記アニール処理の温度を160℃〜360℃にしてもよい。
本発明のデバイスの製造方法は、前記デバイスとして有機EL素子の製造に好適であり、この場合、第1電極は透明電極であり、薄膜層は有機層を含み、第2電極は金属電極になり得る。また、本発明のデバイスの製造方法は、前記デバイスとして太陽電池の製造に好適であり、この場合、第1電極は透明電極であり、薄膜層は半導体層を含み、第2電極は金属電極になり得る。
本発明のデバイスの製造方法に使用される前記凹凸パターンは、光の回折または散乱のために用いられる不規則な凹凸パターンであり、凹凸の平均ピッチが100〜1500nmの範囲であり、凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)が20〜200nmの範囲であってもよい。また、前記基板がガラス基板であり、前記ゾルゲル材料がシリカ前駆体を含んでもよい。本発明のデバイスの製造方法において、前記ゾルゲル材料を基板上に塗布し、塗布されたゾルゲル材料に所定の凹凸パターンを転写した後に、前記ゾルゲル材料を300℃以上で焼成することを含んでもよい。
本発明のデバイスを製造する方法においては、凹凸パターン形成材料としてゾルゲル材料を用いているので、凹凸パターンが形成された基板を洗浄する洗浄工程においてブラシ洗浄やUV/O洗浄に対して耐性を有し、また、第1電極形成工程において使用される酸またはアルカリ溶剤に対しても耐食性を有し、さらに後続のアニール工程における高温にも耐熱性を有する。それゆえ、凹凸パターンを有する基板の光学特性のような各種特性や基板上に形成される動作層としての薄膜との密着性を阻害することなくデバイスを製造することが可能となる。また、本発明の製造方法により製造されたデバイスそのものの耐熱性、耐候性(耐光性を含む概念である)及び耐食性にも貢献する。それゆえ、本発明の製造方法は、有機EL素子や太陽電池のなどの各種デバイスを高いスループットで製造する上で極めて有用となる。
本発明のデバイスの製造方法を示すフローチャートである。 本発明のデバイスの製造方法に用いる光学基板の製造工程を示すフローチャートである。 光学基板の製造に用いるフィルム状モールドを製造するためのロールプロセス装置の概念図である。 フィルム状モールドを用いたロールプロセスを説明するための概念図である。 図5(a)〜(f)はITO透明電極を製造するプロセスを説明する概念図である。 有機EL素子の断面構造を示す図である。 回折格子基板のムラを検査する装置の概念図である。 図8(a)は、実施例1で観測された基板表面から像を示す写真であり、図8(b)は、図8(a)の写真の直線L1上の画素位置とそのピクセル値のプロファイルを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法は、図1に示すように、ゾルゲル材料を基板上に塗布し、塗布されたゾルゲル材料に所定の凹凸パターンを転写することで凹凸パターンが形成された基板を形成する基板形成工程P1と、前記凹凸パターンが形成された基板を洗浄する洗浄工程P2と、洗浄された基板上に第1電極を、酸またはアルカリ溶剤を用いたパターニングにより形成する第1電極形成工程P3と、パターニングされた第1電極が形成された基板を所定温度でアニールするアニール工程P4と、アニールされた基板上に薄膜を形成する薄膜形成工程P5と、薄膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程P6を主に含む。以下、本発明のデバイスの製造方法を、デバイスとして図6に示すように凹凸パターンを形成したゾルゲル材料層42を有する基板(回折格子基板、光学基板)40上に積層構造を有する有機EL素子200の製造プロセスを例に挙げて説明するが、後述するように本発明のデバイスが備える基板は光学基板に限らず、種々の用途を有する基板を備えることが可能である。
<基板形成工程>
最初に、凹凸パターンを形成したゾルゲル材料層42を有する基板40を製造する方法について説明する。図2に示すように、主に、フィルム状モールドを用意する工程S0、ゾルゲル材料を調製する溶液調製工程S1、調製されたゾルゲル材料を基板に塗布する塗布工程S2、基板に塗布されたゾルゲル材料の塗膜を乾燥する乾燥工程S3、乾燥した塗膜に、フィルム状モールドを押し付ける転写工程S4、モールドを塗膜から剥離する剥離工程S5、及び塗膜を本焼成する本焼成工程S6を有する。以下、各工程について順に説明する。
[フィルム状モールドを用意する工程]
本発明の光学部材の製造に用いるフィルム状モールドは、長尺で可撓性のあるフィルムまたはシート状であり、表面に凹凸の転写パターンを有するモールドである。例えば、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレートのような有機材料で形成される。また、凹凸パターンは、上記材料に直接形成されていてもよいし、上記材料を基材(基板シート)として、その上に被覆された凹凸形成材料に形成してもよい。凹凸形成材料としては、光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用できる。
フィルム状モールドは、例えば、長さ10m以上の長尺なモールドであり、幅は、50〜3000mm、厚み1〜500μmにし得る。フィルム状モールドの寸法、特に長さは量産する光学基板の寸法や、1回の製造プロセスで連続的に製造する光学基板の数(ロット数)によって適宜設定することができる。基材と被覆材料の間には、密着性を高めるために表面処理や易接着処理を施してもよい。また、必要に応じて、それらの凹凸パターン面上に離型処理を施してもよい。凹凸パターンは、任意の形状を任意の方法で形成し得る。
フィルム状モールドは、金属などで形成されたロール状モールドと比べて次のような利点がある。金属や石英などから形成された硬質のモールドは、その凹凸パターンに欠陥が見つかった場合に、その欠陥部の洗浄やリペア(欠陥補修)が可能であり、それにより、欠陥部がゾルゲル材料層へ転写されることによる不良を防ぐことができる。しかし、フィルム状モールドの場合は、そのような洗浄・リペアが容易ではない。一方で、金属や石英などのモールドはロール状であり、モールドが目詰まりなどで欠陥が生じた際、直ぐに転写装置を止めてモールドの交換を行わなければならない。これに対して、フィルム状モールドでは枚葉でガラス基板に対応させながら転写するので、目詰まりなどの不良がある箇所は検査段階でマークしておき、その不良箇所がガラス基板を通過するまでガラス基板側の搬送を待機させることができる。このため、全体的に見ると不良品の発生を低減でき、それによりスループットを向上させることができる。さらに、金属や石英などの硬質モールドから直接ゾルゲル材料層へ凹凸パターンを転写しようとすると、次に示すように種々の制限が生じ、所望の性能を十分に引き出せないことがある。例えば、ゾルゲル材料層が形成される基板にガラスなどの硬質の基板を用いる場合、硬質同士のためモールドの押し圧を強めると基板が割れるなどのダメージが入り、逆に弱めると凹凸パターン転写が浅くなるなど押し圧の調整が難しい。そのため、基板に柔軟な材料を用いるか、モールドに柔軟な材料を用いることを強いられる。仮にフィルム状モールド(ソフトモールド)を用いた場合でも、フィルム状モールドに対しては離型しやすく、基板側には密着性が良く、かつ凹凸のパターン転写性も良好な材料が要求されるため、限定された材料を選定することになる。このため、金属モールドから一旦、フィルム状モールドを作製する工程と、これを用いてゾルゲル材料層へ転写するという工程の二工程に分け、それぞれの工程に適した材料を選定することで、所望の基板に、所望の材料を使用することができ、必要特性のみならず、パターン欠陥がなく離形性が良好な転写が行える。
フィルム状モールドの凹凸パターンは、最終的に得られる光学基板の用途により異なるが、例えば、凹凸のピッチが均一ではなく、凹凸の向きに指向性がないような不規則な凹凸パターンにしてよい。凹凸の平均ピッチとしては、例えば、光学基板を可視光の回折や散乱の用途に用いる場合には、100〜1500nmの範囲にすることができ、200〜1500nmの範囲であることがより好ましい。凹凸の平均ピッチが前記下限未満では、可視光の波長に対してピッチが小さくなりすぎるため、凹凸による光の回折が不十分になる傾向にあり、他方、上限を超えると、回折角が小さくなり、回折格子のような光学素子としての機能が失われてしまう傾向にある。同様な用途においては、凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)は、20〜200nmの範囲であることが好ましく、50〜150nmの範囲であることがより好ましい。
このような凹凸パターンから散乱及び/または回折される光は、単一のまたは狭い帯域の波長の光ではなく、比較的広域の波長帯を有し、散乱光及び/または回折される光は指向性がなく、あらゆる方向に向かう。但し、「不規則な凹凸パターン」には、表面の凹凸の形状を解析して得られる凹凸解析画像に2次元高速フーリエ変換処理を施して得られるフーリエ変換像が円もしくは円環状の模様を示すような、すなわち、上記凹凸の向きの指向性はないものの凹凸のピッチの分布は有するような疑似周期構造を含む。それゆえ、このような疑似周期構造を有する基板においては、その凹凸ピッチの分布が可視光線を回折する限り、有機EL素子のような面発光素子などに使用される回折基板や太陽電池の透明導電性基板など好適である。
本発明に用いる長尺状のフィルム状モールドの製造方法の一例について、図3を参照しながら説明する。図3に示したロールプロセス装置70は、長尺の基板フィルムに被覆された被膜上に凹凸パターンを形成することによりフィルム状モールドを製造するための装置であり、基板フィルム(基材)80の搬送系86と、搬送中の基板フィルム80に凹凸形成材料を塗布するダイコータ82と、ダイコータ82の下流側に位置してパターンを転写する転写ロール(金属モールド)90と、基板フィルム80を挟んで転写ロール90と対向して設けられ、基板フィルム80にUV光を照射するための照射光源85とを主に備える。基板フィルム80の搬送系86は、基板フィルム80を繰り出すフィルム繰り出しロール72と、基板フィルム80を挟んで転写ロール90に対向して配置されるニップロール74と、転写ロール90からの基板フィルム80の剥離を促す剥離ロール76と、パターンが転写された基板フィルム80a(フィルム状モールド)を巻き取るフィルム巻き取りロール87と、基板フィルム80の張力を維持しながら基板フィルム80を搬送する複数の搬送ロール78とを有する。
ロールプロセス装置70を用いて、以下のような製造プロセスによってフィルム状モールドが製造される。予めフィルム繰り出しロール72に巻き付けられている基板フィルム80は、フィルム繰り出しロール72及びフィルム巻き取りロール87などの回転により下流側に繰り出される。基板フィルム80がダイコータ82を通過するときに、ダイコータ82により凹凸形成材料84が基板フィルム80の一面に塗布されて所定の厚みの塗膜が形成される。次いで、基板フィルム80の塗膜がニップロール74にて転写ロール90の外周面に押し付けられて、転写ロール90の外周面のパターンが塗膜に転写される。それと同時またはその直後に照射光源85からのUV光が塗膜に照射されて凹凸形成材料84が硬化する。UV光の波長は、凹凸形成材料84により異なるが、一般に200〜450nmであり、照射量は10mJ/cm〜5J/cmにし得る。硬化したパターンを有する凹凸形成材料付き基板フィルム80は剥離ロール76で転写ロール90から引き離された後、フィルム巻き取りロール87により巻き取られる。こうして、長尺のフィルム状モールド80aが得られる。このような長尺のフィルム状モールド80aは、ロール状に巻き取られた形態で得られるため、後述する押圧ロールを用いた光学基板の量産プロセスに好適であり、この押圧ロールを用いた光学基板の量産プロセスを行う装置への搬送にも好適な形状である。また、フィルム状モールドを作製して一旦ロール状に巻取ることで、保管、エージング処理ができる。
上記製造プロセスにおいて、基板フィルム80は、例えば、ガラス等の無機材料からなる基材;シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の有機材料からなる基材が挙げられる。基板フィルムの厚みは、例えば、1〜500μmの範囲にし得る。
凹凸形成材料84としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系等の各種UV硬化性樹脂のような硬化性樹脂が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
上記製造プロセスにおいては、凹凸形成材料84を塗布するためにダイコータによるダイコート法を用いたが、これに代えて、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂のような凹凸形成材料84を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲であり、照射量は10mJ/cm〜5J/cmの範囲であることが好ましい。また、UV光に代えて電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させてもよい。
上記製造プロセスで用いた転写ロール90は、例えば、金属ロールなどのロール表面に直接パターンが形成されたものでも良いし、パターンを有する金属基板などの基板をロール上に巻き付け固定したものでも良いし、また、パターンを有する円筒状の基板を作製し、これをロールにはめ込んで固定したもの等でも良い。なお、転写ロール90は金属以外の硬質材料から形成されていてもよい。
ここで、転写ロール90の表面に設けられる凹凸パターンの形成方法について説明する。凹凸パターンは、例えば、本出願人らによる特願2011−006487号に記載されたブロック共重合体の自己組織化(ミクロ相分離)を利用する方法(以下、適宜「BCP(Block Copolymer)法」という)や、本出願人らによるWO2011/007878A1に開示された蒸着膜上のポリマー膜を加熱・冷却することにポリマー表面の皺による凹凸を形成する方法(以下、適宜「BKL(Buckling)法」という)を用いて形成することが好適である。BCP法及びBKL法に代えて、フォトリソグラフィ法で形成してもよい。BCP法でパターンを形成する場合、パターンを形成する材料は任意の材料を使用することができるが、ポリスチレンのようなスチレン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートのようなポリアルキルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピリジン、及びポリ乳酸からなる群から選択される2種の組合せからなるブロック共重合体が好適である。
パターンの凹凸のピッチ及び高さは、任意であるが、例えば、パターンを可視領域の光を散乱または回折する回折格子の用途に用いる場合には、凹凸の平均ピッチとしては、100〜1500nmの範囲にあることが好ましく、200〜1500nmの範囲であることがより好ましい。凹凸の平均ピッチが前記下限未満では、可視光の波長に対してピッチが小さくなりすぎるため、凹凸による光の回折が生じなくなる傾向にあり、他方、上限を超えると、回折角が小さくなり、回折格子のような光学素子としての機能が失われてしまう傾向にある。凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)は、20〜200nmの範囲であることが好ましく、50〜150nmの範囲であることがより好ましい。凹凸の深さ分布の平均値が前記下限未満では、可視光の波長に対して高さが低すぎるために必要な回折が生じなくなる傾向にあり、他方、上限を超えると、回折光強度にむらが生じ、この結果、例えば、この凹凸パターンを有機EL素子の光取り出し用の光学素子として利用した場合に、EL層内部の電界分布が不均一となって特定の箇所に電界が集中することによってリークが生じ易くなったり、寿命が短くなる傾向にある。
パターンの母型をBCP法やBKL法により形成した後、以下のようにして電鋳法などにより、パターンをさらに転写したモールドを形成することができる。最初に、電鋳処理のための導電層となるシード層を、無電解めっき、スパッタまたは蒸着等により形成するパターンを有する母型上に形成することができる。シード層は、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために10nm以上が好ましい。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。次に、シード層上に電鋳(電界めっき)により金属層を堆積させる。金属層の厚みは、例えば、シード層の厚みを含めて全体で10〜3000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層の材料として、シード層として用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。金属基板のモールドとしての耐摩耗性や、剥離性などの観点からは、ニッケルが好ましく、この場合、シード層についてもニッケルを用いることが好ましい。形成した金属層は、後続のモールドの形成のための樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層を、凹凸構造を有する母型から剥離して金属基板を得る。この剥離を容易に且つ確実にするために、電鋳を行う前にパターンの母型を加熱することによりアニール処理を施しておくことが好ましい。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、パターンを形成する材料を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。金属基板を母型から剥離するときに、残留している材料成分を洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、界面活性剤などを用いた湿式洗浄や紫外線やプラズマを使用した乾式洗浄を用いることができる。また、例えば、粘着剤や接着剤を用いて残留している材料成分を付着除去するなどしてもよい。こうして母型からパターンが転写された金属基板が得られる。こうして得られた金属基板をロール体の表面に巻きつけることで凹凸パターンを有する転写ロール90が得られる。この転写ロール90を用いて前述のような製造プロセスでフィルム状モールドを形成することができる。なお、長尺状のフィルム状モールドは、自ら製造する必要がなく、フィルムメーカなどの製造業者に作製させたものを使用してもよいことは言うまでもない。また、フィルム状モールドを用意する工程は、後述する転写工程S4の前であればよく、ゾルゲル材料調整工程S1の前に行う必要はない。
[ゾルゲル材料調製工程]
光学基板の製造方法において、ゾルゲル法によりパターンを転写する塗膜を形成するために用いるゾルゲル材料(ゾル溶液)を調製する(図2の工程S1)。例えば、基板上に、シリカをゾルゲル法で合成する場合は、金属アルコキシド(シリカ前駆体)のゾルゲル材料を調製する。シリカの前駆体として、テトラメトキシシラン(MTES)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ-i-プロポキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラ-i-ブトキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-t-ブトキシシラン等のテトラアルコキシドモノマーや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン等のトリアルコキシドモノマーや、これらモノマーを少量重合したポリマー、前記材料の一部に官能基やポリマーを導入したことを特徴とする複合材料などの金属アルコキシドが挙げられる。さらに、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、オキシ塩化物、塩化物や、それらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。また、金属種としては、Si以外にTi、Sn、Al、Zn、Zr、Inなどや、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上記酸化金属の前駆体を適宜混合したものを用いることもできる。
TEOSとMTESの混合物を用いる場合には、それらの混合比は、例えばモル比で1:1にすることができる。このゾルゲル材料は、加水分解及び重縮合反応を行わせることによって非晶質シリカを生成する。合成条件として溶液のpHを調整するために、塩酸等の酸またはアンモニア等のアルカリを添加する。pHは4以下もしくは10以上が好ましい。また、加水分解を行うために水を加えてもよい。加える水の量は、金属アルコキシド種に対してモル比で1.5倍以上にすることができる。ゾルゲル材料としてシリカ以外の材料を用いることができ、例えばTi系の材料やITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZrO、Al等を使用し得る。
ゾルゲル材料の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、2硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、エタノールおよびイソプロピルアルコールが好ましく、またそれらに水を混合したものも好ましい。
ゾルゲル材料の添加物としては、粘度調整のためのポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールや、溶液安定剤であるトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アセチルアセトンなどのβ―ジケトン、β―ケトエステル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどを用いることが出来る。
[塗布工程]
上記のように調製したゾルゲル材料を基板上に塗布する(図2の工程S2)。量産性の観点から、複数の基板を連続的に搬送させながら所定位置でゾルゲル材料を基板に塗布することが好ましい。塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基板にゾルゲル材料を均一に塗布可能であること、ゾルゲル材料がゲル化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、ダイコート法、バーコート法及びスピンコート法が好ましい。
基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板を用い得る。基板は透明でも不透明でもよいが、この基板上にゾルゲル材料層が形成され、さらには光学基板がデバイスに組み込まれるときにさらにその上に機能層が形成されることからすれば、比較的硬質の基板が好ましい。また、この基板から得られた凹凸パターン基板を後述する有機EL素子の製造に用いるのであれば、基板は耐熱性、UV光等に対する耐候性を備える基板が望ましい。これらの点で、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板がより好ましく、これらの無機材料からなる基板は、塗布されるゾルゲル材料が無機材料であることからすれば、基板とゾルゲル材料層との間で屈折率の差が少なく、光学基板内での意図しない屈折や反射を防止することができる点からも好ましい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、水分や酸素等の気体の浸入を防ぐ目的で、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。なお、後の工程でゾルゲル材料層による所望の凹凸パターンが形成されるため基板表面(表面処理や易接着層がある場合にはそれらも含めて)は平坦でよく、この基板自体は所望の凹凸パターンを有さない。ゾルゲル材料が塗布された各基板はそのまま後続の乾燥工程および転写工程のためにそのまま搬送されることが好ましい。
[乾燥工程]
塗布工程後、塗膜(以下、適宜、「ゾルゲル材料層」とも言う)中の溶媒を蒸発させるために基板を大気中もしくは減圧下で保持して乾燥する(図2の工程S3)。この保持時間が短いと塗膜の粘度が低すぎて後続の転写工程にてパターン転写ができず、保持時間が長すぎると前駆体の重合反応が進みすぎて転写工程にて転写ができなくなる。光学基板を量産する場合には、この保持時間は、ゾルゲル材料の塗布から後続のフィルム状モールドによる転写工程に付されるまでの基板の搬送時間で管理することができる。この乾燥工程における基板の保持温度として、10〜100℃の範囲で一定温度が望ましく、10〜30℃の範囲で一定温度がより望ましい。保持温度がこの範囲より高いと、転写工程前に塗膜のゲル化反応が急速に進行するために好ましくなく、保持温度がこの範囲より低いと、転写工程前の塗膜のゲル化反応が遅く、生産性が低下し好ましくない。ゾルゲル材料を塗布後、溶媒の蒸発が進むとともに前駆体の重合反応も進行し、ゾルゲル材料の粘度などの物性も短時間で変化する。溶媒の蒸発量は、ゾルゲル材料調製時に使用する溶媒量(ゾルゲル材料の濃度)にも依存する。例えば、ゾルゲル材料がシリカ前駆体である場合には、ゲル化反応としてシリカ前駆体の加水分解・縮重合反応が起こり、脱アルコール反応を通じてゾルゲル材料中にアルコールが生成する。一方、ゾルゲル材料中には溶媒としてアルコールのような揮発性溶媒が使用されている。つまり、ゾルゲル材料中には、加水分解過程に生成したアルコールと、溶媒として存在したアルコールが含まれ、それらを乾燥工程で除去することでゾルゲル反応が進行する。それゆえ、ゲル化反応と用いる溶媒も考慮して保持時間や保持温度を調整することが望ましい。なお、乾燥工程では、基板をそのまま保持するだけでゾルゲル材料中の溶媒が蒸発するので、必ずしも加熱や送風などの積極的な乾燥操作を行う必要がなく、塗膜を形成した基板をそのまま所定時間だけ放置したり、後続の工程のために所定時間の間に搬送するだけでも足りる。すなわち、基板形成工程において乾燥工程は必須ではない。
[転写工程]
上記のようにして設定された経過時間後に、前述の工程S0で用意したフィルム状モールドを押圧ロール(ラミネートロール)により塗膜に押し付けることでフィルム状モールドの凹凸パターンを基板上の塗膜に転写する(図2の工程S4)。例えば、図4に示すように押圧ロール22とその直下に搬送されている基板40との間にフィルム状モールド80aを送り込むことでフィルム状モールド80aの凹凸パターンを基板40上の塗膜(ゾルゲル材料)42に転写することができる。すなわち、フィルム状モールド80aを押圧ロール22により塗膜42に押し付ける際に、フィルム状モールド80aと基板40を同期して搬送しながらフィルム状モールド80aを基板40の塗膜42の表面に被覆する。この際、押圧ロール22をフィルム状モールド80aの裏面(凹凸パターンが形成された面と反対側の面)に押しつけながら回転させることで、フィルム状モールド80aと基板40が進行しながら密着する。なお、長尺のフィルム状モールド80aを押圧ロール22に向かって送り込むには、工程S0にて長尺のフィルム状モールド80aが巻き取られたフィルム巻き取りロール87(図3参照)からそのままフィルム状モールド80aを繰り出して用いるのが有利である。
このような押圧ロールを用いたロールプロセスでは、プレス式と比較して以下のような利点がある。i)モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基板及び基板を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができる。ii)ロールプロセスであるため生産性が向上し、さらに長尺のフィルム状モールドを用いることで生産性を一層向上することができる。iii)ゲル溶液中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ることを防止することができる。iv)基板(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易い。v)押圧時に気泡をかみ込むことがない。さらに、本発明の製造方法では、モールドとして可撓性のあるフィルム状モールドを用いているので、比較的硬質な基板40の上に形成されたゾルゲル材料層42にモールドの凹凸パターンを転写するときに、モールドのパターンを基板全面に渡ってゾルゲル材料層に均一に押圧することができる。これにより、ゾルゲル材料層に忠実にモールドの凹凸パターンが転写され、転写漏れや欠陥の発生を抑制することができる。
この転写工程において、塗膜を加熱しながらフィルム状モールドを塗膜に押し付けてもよい。塗膜を加熱する方法として、例えば、加熱を押圧ロールを通じて行ってもよく、或いは、塗膜の加熱を直接あるいは基板側から行ってもよい。加熱を押圧ロールを通じて行う場合には、押圧ロール(転写ロール)の内部に加熱手段を設けてもよく、任意の加熱手段を使用することができる。押圧ロールの内部に加熱ヒータを備えるものが好適であるが、押圧ロールとは別体のヒータを備えていてもよい。いずれにしても塗膜を加熱しながら押圧が可能であれば、どのような押圧ロールを用いてもよい。押圧ロールは、表面に耐熱性のあるエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)やシリコーンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴムなどの樹脂材料の被膜を有するロールが好ましい。また、押圧ロールで加えられた圧力に抗するために押圧ロールに対向して基板を挟むように支持ロールを設けてもよく、あるいは基板を支持する支持台を設置してもよい。
押圧の際の塗膜の加熱温度は、40℃〜150℃にすることができ、押圧ロールを用いて加熱する場合には押圧ロールの加熱温度は、同様に40℃〜150℃にすることができる。このように押圧ロールを加熱することにより、モールドにより押圧が行われた塗膜からモールドをすぐに剥離することができ、生産性を向上することができる。塗膜または押圧ロールの加熱温度が40℃未満では、塗膜からのモールドの速やかな剥離が期待できず、150℃を超えると、使用する溶媒が急激に蒸発し、凹凸パターンの転写が不十分になる恐れがある。また、塗膜を加熱しながら押圧することにより、後述するゾルゲル材料層の仮焼成と同様な効果が期待できる。
塗膜(ゾルゲル材料層)にモールドを押し付けた後、塗膜を仮焼成してもよい。塗膜を加熱しないで押圧する場合には、仮焼成を行うことが好ましい。仮焼成することにより塗膜のゲル化を進め、パターンを固化し、剥離の際に崩れにくくする。すなわち、仮焼成は、確実なパターン形成とモールドの剥離性の向上という二つの役割がある。仮焼成を行う場合には、大気中で40〜150℃の温度で加熱することが好ましい。
[剥離工程]
転写工程または仮焼成工程後の塗膜(ゾルゲル材料層)からモールドを剥離する(工程S5)。前述のようにロールプロセスを使用するので、プレス式で用いるプレート状モールドに比べて剥離力は小さくてよく、塗膜がモールドに残留することなく容易にモールドを塗膜から剥離することができる。特に、塗膜を加熱しながら押圧するので反応が進行し易く、押圧直後にモールドは塗膜から剥離し易くなる。さらに、モールドの剥離性の向上のために、剥離ロールを使用してもよい。図4に示すように剥離ロール23を押圧ロール22の下流側に設け、剥離ロール23によりフィルム状モールド80aを塗膜42に付勢しながら回転支持することで、フィルム状モールド80aが塗膜に付着された状態を押圧ロール22と剥離ロール23の間の距離だけ(一定時間)維持することができる。そして、剥離ロール23の下流側でフィルム状モールド80aを剥離ロール23の上方に引き上げるようにフィルム状モールド80aの進路を変更することでフィルム状モールド80aが塗膜42から引き剥がされる。なお、フィルム状モールド80aが塗膜に付着されている期間に前述の塗膜の仮焼成や加熱を行ってもよい。なお、剥離ロール23を使用する場合には、例えば40〜150℃に加熱しながら剥離することにより塗膜の剥離を一層容易にすることができる。
[本焼成工程]
基板40の塗膜(ゾルゲル材料層)42からモールドが剥離された後、塗膜を本焼成する(図2の工程S6)。本焼成により塗膜を構成するシリカのようなゾルゲル材料層中に含まれている水酸基などが脱離して塗膜がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。こうして塗膜は硬化してモールドの凹凸パターンに対応する凹凸パターン膜を有する基板、すなわち、平坦な基板上に凹凸パターンを有するゾルゲル材料層が直接形成された基板が得られる。この時、ゾルゲル材料層がシリカである場合は、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。
<洗浄工程>
上記のようにして凹凸パターンが形成されたゾルゲル材料層42が形成された基板40(光取り出し基板)を洗浄する。洗浄は、基板に付着している異物などを除去するために行うものであり、例えば、純水中で線状又は短冊状に加工されたポリプロピレンや塩化ビニールなどを回転シャフトの周囲に植えつけて構成されるロールブラシのようなブラシを用いて基板を機械的に洗浄し、次いで、アルカリ性洗浄剤および有機溶剤で有機物等を除去することが行われる。アルカリ洗浄剤として、例えば、セミコクリーンの商品名で市販されているアルカリ性有機化合物溶液、エチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、水酸化2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム(コリン)などを用い得る。有機溶剤として、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)等を使用することができる。
それらの洗浄方法に加えてまたはそれらの洗浄方法に代えて、超音波洗浄を行ってもよい。超音波洗浄は、基板をイソプロピルアルコール等のアルコール類や、アセトン、セミコクリーン等の商品名で知られるアルカリ性有機化合物溶液に浸漬して、例えば、数分から数十分行うことができる。上記洗浄方法に加えてまたはそれらの洗浄方法に代えてUV/O処理を行ってもよい。
本発明において、光学基板の凹凸パターンはゾルゲル材料から形成されているので、比較的硬質でありブラシによる機械的洗浄に対する耐性を有し、また、アルカリ性洗浄剤および有機溶剤に対する耐食性を有する。さらに、ゾルゲル材料層42は、硬化性樹脂に比べて、超音波洗浄やUV/O処理によっても凹凸パターンが影響を受け難い。
<第1電極形成工程>
次いで、洗浄された基板40のゾルゲル材料層42上に、第1電極としての透明電極92を、図6に示すようにゾルゲル材料層42の表面に形成されている凹凸構造が維持されるようにして積層する(図1の第1電極形成工程P2)。この透明電極92の形成プロセスを、図5を参照しながら説明する。最初に、図5(a)に示すように、基板40上に、透明電極92を形成する電極材料層32を成膜する。成膜方法としては、蒸着法、スパッタ法、CVD法、スプレー法等の公知の方法を適宜採用することができる。これらの方法の中でも、密着性を上げるという観点から、スパッタ法が好ましい。電極材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、金、白金、銀、銅が用いられる。これらの中でも、透明性と導電性の観点から、ITOが好ましい。電極材料層32(ひいては透明電極92)の厚みは20〜500nmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、導電性が不十分となり易く、前記上限を超えると、透明性が不十分となり発光したEL光を十分に外部に取り出せなくなる可能性がある。
スパッタ法等で電極材料層32を成膜した後、フォトリソグラフィプロセス(フォトエッチング法)を用いて所望の電極パターンを形成するために、図5(b)に示すように、電極材料層32上にフォトレジスト34を塗布する。次いで、図5(c)に示すように、電極用パターンが形成されたマスク44を介してUV光などで露光する。次いで、図5(d)に示すように、フォトレジスト34を現像液によりエッチングしてフォトレジスト34の一部を除去して電極材料層32の一部32aを露出させる。次に、図5(f)に示すように、露出した電極材料層32の一部32aを、塩酸などのエッチング液を用いてウェットエッチングにより除去してパターン化された電極材料層32bを得る。次いで、レジスト剥離液により電極材料層32b上に残留するフォトレジストを除去することにより、図5(e)に示すようなパターン化された透明電極92が得られる。なお、スパッタ時には基板が300℃程度の高温に曝されることになる。得られた透明電極をブラシで洗浄し、アルカリ性洗浄剤および有機溶剤で有機物等を除去した後、UVオゾン処理することが望ましい。なお、電極材料層32を成膜する工程を、図5(d)に示したフォトレジストの現像工程の後に行い、その後、リフトオフによりフォトレジスト層を除去することによりパターン化された透明電極92を得てもよい(リフトオフ法)。
上記のフォトリソグラフィプロセスを用いた透明電極形成工程において、フォトレジストを構成する組成物には、溶媒として乳酸エチルやプロピレングリコー ルモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などの有機物が含まれている。また、レジスト現像液として、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)、トリメチル(2‐ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドなどの有機塩基を主成分とする水溶液などが使用される。また、電極材料のウェットエッチングには塩酸、シュウ酸等の酸溶液が使用される。さらには、レジストの剥離剤には、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエタノールアミン等が使用される。このように透明電極形成工程においては、凹凸パターンが形成された光学基板が、現像液、エッチング液などの有機溶剤や酸溶剤に対して曝されるために、光学基板に形成された凹凸パターンはそれらに対して耐食性を有していなければならない。本発明では、凹凸パターンはゾルゲル材料から形成されているために、それらの有機溶剤や酸溶剤を電極形成工程に用いても腐食されることがなく、また退色することもない。なお、本発明において第1電極は透明電極に限らず、デバイスの種類や用途に応じて金属電極など可視光等に透過性のない電極であっても構わない。
<アニール工程>
上記のフォトリソグラフィプロセスの後、パターン化した透明電極は、結晶性を上げることで抵抗値を下げ、透過率を向上させる目的でアニールされる(図1のアニール工程P4)。アニールは一般に通常、加熱炉内で10分〜3時間ほど行われ、アニール温度は、通常、160〜360℃、例えば250℃である。アニール工程において、光学基板は250度ほどの高温のアニール処理に曝されるが、一般にゾルゲル材料層42は無機材料から形成されており耐熱性を有するので、アニール処理により影響を受けることはない。最後に、アニールされた基板を洗浄する。洗浄は、先の光学基板と同様の洗浄方法が用いられ、例えば、ブラシ洗浄とUV/O処理を用い得る。
<薄膜形成工程>
次に、透明電極92上に、図6に示すような有機層94を積層する(図1の薄膜形成工程P5)。このような有機層94は、有機EL素子の有機層に用いることが可能なものであれば特に制限されず、公知の有機層を適宜利用することができる。また、このような有機層94は、種々の有機薄膜の積層体であってもよく、例えば、図6に示すような正孔輸送層95、発光層96、及び電子輸送層97からなる積層体であってもよい。ここで、正孔輸送層95の材料としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、発光層96は、透明電極92から注入された正孔と金属電極98から注入された電子とを再結合させて発光させるために設けられている。発光層96に使用できる材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、アルミニウムキノリノール錯体(Alq3)などの有機金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ジスチリルアミン誘導体及び各種蛍光色素等を用いることができる。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を適宜混合して用いることも好ましい。また、スピン多重項からの発光を示す材料系、例えば燐光発光を生じる燐光発光材料、およびそれらからなる部位を分子内の一部に有する化合物も好適に用いることができる。なお、前記燐光発光材料はイリジウムなどの重金属を含むことが好ましい。上述した発光材料をキャリア移動度の高いホスト材料中にゲスト材料としてドーピングして、双極子−双極子相互作用(フェルスター機構)、電子交換相互作用(デクスター機構)を利用して発光させても良い。また、電子輸送層97の材料としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルミニウムキノリノール錯体(Alq3)などの有機金属錯体などが挙げられる。さらに上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。なお、正孔輸送層95もしくは電子輸送層97が発光層96の役割を兼ねていてもよい。この場合、透明電極92と金属電極98の間の有機層は2層となる。
さらに、金属電極98からの電子注入を容易にするという観点から、有機層94と金属電極98の間に電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)、Li等の金属フッ化物や金属酸化物、Ca、Ba、Cs等の活性の高いアルカリ土類金属、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。また、透明電極92からの正孔注入を容易にするという観点から、有機層94と透明電極92の間に正孔注入層として、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、または導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどからなる層を設けても良い。
また、有機層94が正孔輸送層95、発光層96、及び電子輸送層97からなる積層体である場合、正孔輸送層95、発光層96、及び電子輸送層97の厚みは、それぞれ1〜200nmの範囲、5〜100nmの範囲、及び5〜200nmの範囲であることが好ましい。有機層94を積層する方法としては、蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、ダイコート法等の公知の方法を適宜採用することができる。
<第2電極形成工程>
有機EL素子形成工程においては、次いで、図6に示すように有機層94上に第2電極としての金属電極98を積層する(図1の第2電極形成工程P6)。金属電極98の材料としては、仕事関数の小さな物質を適宜用いることができ、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、MgAg、MgIn、AlLiが挙げられる。また、金属電極98の厚みは50〜500nmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、導電性が低下し易く、前記上限を超えると、電極間の短絡が発生した際に、修復が困難となる可能性がある。金属電極98は、蒸着法、スパッタ法等の公知の方法を採用して積層することができる。こうして、図6に示すような構造の有機EL素子200が得られる。
第2電極工程の後に、有機EL素子200を水分や酸素による劣化を防止するために封止材料を用いて封止する工程、有機EL素子200のパネルを適宜切断する工程(スクライブ&ブレーク工程)、金属電極の鏡面反射対策として偏光板を張り付ける工程を行ってもよい。
上記実施形態では、有機EL素子の製造を例に挙げて説明してきたが、太陽電池などの別のデバイスの製造方法に適用することができる。例えば、太陽電池を製造する場合には、基板形成工程P1〜アニール工程P4までは、上記の有機ELの製造プロセスとほぼ同様の工程を採用することができるが、薄膜形成工程P5においては、太陽電池の種類に応じて多結晶シリコンや化合物半導体を用いた薄膜シリコン、有機半導体、半導体に電解質層を備えた色素増感構造などの薄膜が形成される。また、第2電極形成工程P6において、透明電極や金属電極が形成される。
なお、上記実施形態の光学基板の製造方法では、加熱により硬化するゾルゲル材料を用いたが、代わりに光硬化性ゾルゲル材料を用いてもよい。この場合、例えば、光によって酸を発生する6フッ化リン系芳香族スルホニウム塩などの光酸発生剤を用いたり、アセチルアセトンに代表されるβジケトンをゾル液に添加することで、化学修飾(キレート化)させ、光照射によって化学修飾を外したりするなどの方法を用いることができる。ゾルゲル材料層に光硬化性ゾルゲル材料を使用した場合、転写工程において、塗膜(ゾルゲル材料層)にモールドを押し付けた後、塗膜の仮焼成を行う代わりに光照射を行うことでゲル化(硬化)を進めてもよい。また本焼成工程において、基板の塗膜からモールドが剥離された後、塗膜を本焼成する代わりに光照射を行うことで塗膜を硬化させることができる。
本発明のデバイスの製造方法は、有機ELや太陽電池の製造以外に、基板形成工程P1〜第2電極形成工程P6を通じて製造されるデバイスであれば任意のデバイスに適用でき、例えば、液晶ディスプレイやタッチパネルが挙げられる。
以下、本発明のデバイスの製造方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
この実施例では、最初に回折格子基板を作製し、次いでこの回折格子基板を用いて有機EL素子を製造する。最初に回折格子基板を作製するために、BCP法を用いて凹凸表面を有するモールドを作製する。
<回折格子モールドの作製>
下記のようなポリスチレン(以下、適宜「PS」と略する)とポリメチルメタクリレート(以下、適宜「PMMA」と略する)とからなるPolymer Source社製のブロック共重合体を用意した。
PSセグメントのMn=868,000
PMMAセグメントのMn=857,000
ブロック共重合体のMn=1,725,000
PSセグメントとPMMAセグメントの体積比(PS:PMMA)=53:47
分子量分布(Mw/Mn)=1.30、PSセグメントのTg=96℃
PMMAセグメントのTg=110℃
ブロック共重合体における第1及び第2のポリマーセグメントの体積比(第1のポリマーセグメント:第2のポリマーセグメント)は、ポリスチレンの密度が1.05g/cmであり、ポリメチルメタクリレートの密度が1.19g/cmであるものとして算出した。ポリマーセグメント又はポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー(株)製、型番「GPC−8020」、TSK−GEL SuperH1000、SuperH2000、SuperH3000及びSuperH4000を直列に接続したもの)を用いて測定した。ポリマーセグメントのガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(Perkin−Elmer社製、製品名「DSC7」)を用いて、0〜200℃の温度範囲について20℃/minの昇温速度にて昇温しつつ測定した。ポリスチレン及びポリメチルメタクリレートの溶解度パラメータはそれぞれ9.0及び9.3である(化学便覧 応用編 改定2版参照)。
このブロック共重合体150mgとポリエチレンオキシドとして38mgの東京化成製ポリエチレングリコール4,000(Mw=3000、Mw/Mn=1.10)に、トルエンを、総量が10gになるように加えて溶解させた。この溶液を孔径0.5μmのメンブレンフィルターでろ過してブロック共重合体溶液を得た。得られたブロック共重合体溶液を、基材としてのポリフェニレンスルフィドフィルム(東レ(株)製トレリナ)上に、スピンコート法により200〜250nmの膜厚で塗布した。スピンコートは、回転速度500rpmで10秒間行った後、引き続いて800rpmで30秒間行った。スピンコート法で塗布された薄膜を室温で10分間放置して乾燥した。
次いで、薄膜が形成された基材を、170℃のオーブン中で5時間加熱した(第1アニール処理)。加熱後の薄膜の表面には、凹凸が観察されて、薄膜を構成するブロック共重合体がミクロ層分離していることが分かった。
上記のように加熱された薄膜を、以下のようにしてエッチング処理して基材上のPMMAを選択的に分解除去する。薄膜に、高圧水銀灯を用いて30J/cmの照射量(波長365nm)で紫外線を照射した。次いで、薄膜をアセトン中に浸漬し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥した。この結果、上記加熱処理により薄膜表面に現れた凹凸よりも明らかに深い凹凸パターンが基材上に形成された。
次いで、エッチング処理により形成された凹凸パターンを山形構造に変形(山形化処理)するために、基材を140℃のオーブン中で1時間の加熱処理(第2アニール処理)を行った。
上記山形化処理された薄膜の表面に、スパッタにより、電流シード層として10nm程度の薄いニッケル層を形成した。次いで、この薄膜付き基材をスルファミン酸ニッケル浴中に入れ、温度50℃で、電鋳(最大電流密度0.05A/cm)処理してニッケルを厚み250μmになるまで析出させた。こうして得られたニッケル電鋳体から薄膜付き基材を機械的に剥離した。次に、ニッケル電鋳体を日本シービーケミカル製ケミゾール2303中に浸漬し、50℃にて2時間攪拌しながら洗浄した。その後、ニッケル電鋳体に、アクリル系UV硬化樹脂を塗布して硬化し、剥離することを3回繰り返すことで、電鋳体の表面に一部付着していたポリマー成分を除去した。
次いで、ニッケル電鋳体をダイキン工業(株)社製オプツールHD−2100THに約1分浸し、乾燥した後、一晩静置した。翌日、ニッケル電鋳体を、ダイキン社製オプツールHD−TH中に浸漬して約1分間超音波処理洗浄を行った。こうして離型処理されたニッケルモールド(ニッケル基板)を得た。
次に、PET基板(東洋紡績(株)社製易接着PETフィルム、コスモシャインA−4100)上にフッ素系UV硬化性樹脂を塗布し、ニッケルモールドを押し付けながら、紫外線を600mJ/cmで照射することでフッ素系UV硬化性樹脂を硬化させた。樹脂が硬化後、ニッケルモールドを硬化した樹脂から剥離した。こうしてニッケルモールドの表面形状が転写された樹脂膜付きPET基板からなる回折格子モールドを得た。
<回折格子基板の作製>
エタノール24.3g、水2.16g及び濃塩酸0.0094gを混合した液に、テトラエトキシシラン(TEOS)2.5gとメチルトリエトキシシラン(MTES)2.1gを滴下して加え、23℃、湿度45%で2時間攪拌してゾルゲル材料を得た。このゾルゲル材料を、15×15×0.11cmのソーダライム製ガラス板上にバーコートした。バーコーターとしてドクターブレード(YOSHIMITSU SEIKI社製)を用いた。このドクターブレードは塗膜の膜厚が5μmとなるような設計であったがドクターブレードに35μmの厚みのイミドテープを張り付けて塗膜の膜厚が40μmとなるように調整した。ゾルゲル材料の塗布60秒後に、塗膜に上記のようにして作製した回折格子モールドを、80℃に加熱した押圧ロールを用いてガラス板上の塗膜に押し付けながら回転移動した。塗膜の押圧が終了後、モールドを手作業で剥離し、次いでオーブンを用いて300℃で60分加熱して本焼成を行った。こうして回折格子モールドのパターンがゾルゲル材料に転写された回折格子基板を得た。なお、押圧ロールは、内部にヒータを備え、外周が4mm厚の耐熱シリコーンが被覆されたロールであり、ロール径φが50mm、軸方向長さが350mmのものを用いた。
この回折格子基板について、表面の凹凸形状を原子間力顕微鏡(SIIナノテクノロジー社製の環境制御ユニット付走査型プローブ顕微鏡「NanonaviIIステーション/E−sweep」)を用いて解析画像を得た。原子間力顕微鏡の解析条件は、以下の通りである。
測定モード:ダイナミックフォースモード
カンチレバー:SI−DF40(材質:Si、レバー幅:40μm、チップ先端の直径:10nm)
測定雰囲気:大気中
測定温度:25℃
回折格子基板の任意の位置に3μm角(縦3μm、横3μm)の測定領域を測定して、上記のようにして凹凸解析画像を求めた。かかる凹凸解析画像中における、任意の凹部及び凸部との深さ方向の距離を100点以上測定し、その平均を算出して凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)とする。この例で得られた解析画像より凹凸パターンの深さ分布の平均値は56nmであった。
回折格子基板の任意の3μm角(縦3μm、横3μm)の測定領域を測定して上記のようにして凹凸解析画像を求める。得られた凹凸解析画像に対し、1次傾き補正を含むフラット処理を施した後に、2次元高速フーリエ変換処理を施すことによりフーリエ変換像を得た。フーリエ変換像は波数の絶対値が0μm−1である原点を略中心とする円状の模様を示しており、且つ前記円状の模様が波数の絶対値が10μm−1以下の範囲内となる領域内に存在することが確認された。
なお、フーリエ変換像の円状の模様は、フーリエ変換像において輝点が集合することにより観測される模様である。ここにいう「円状」とは、輝点が集合した模様がほぼ円形の形状に見えることを意味し、外形の一部が凸状又は凹状となっているように見えるものも含む概念である。輝点が集合した模様がほぼ円環状に見えることもあり、この場合を「円環状」として表現する。なお、「円環状」は、環の外側の円や内側の円の形状がほぼ円形の形状に見えるものも含み且つかかる環の外側の円や内側の円の外形の一部が凸状又は凹状となっているように見えるものも含む概念である。また、「円状又は円環状の模様が波数の絶対値が10μm−1以下(より好ましくは1.25〜10μm−1、更に好ましくは1.25〜5μm−1)の範囲内となる領域内に存在する」とは、フーリエ変換像を構成する輝点のうちの30%以上(より好ましくは50%以上、更により好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上)の輝点が波数の絶対値が10μm−1以下(より好ましくは1.25〜10μm−1、更に好ましくは1.25〜5μm−1)の範囲内となる領域内に存在することをいう。なお、凹凸構造のパターンとフーリエ変換像との関係について、次のことが分かっている。凹凸構造自体にピッチの分布や指向性もない場合には、フーリエ変換像もランダムなパターン(模様がない)で現れるが、凹凸構造がXY方向に全体として等方的であるがピッチに分布がある場合には、円または円環状のフーリエ変換像が現れる。また、凹凸構造が単一のピッチを有する場合には、フーリエ変換像に現れる円環がシャープになる傾向がある。
前記凹凸解析画像の2次元高速フーリエ変換処理は、2次元高速フーリエ変換処理ソフトウエアを備えたコンピュータを用いた電子的な画像処理によって容易に行うことができる。
得られたフーリエ変換像を画像解析した結果、波数2.38μm−1が最も強かった。すなわち平均ピッチは420nmであった。平均ピッチは以下のようにして求めることができる。フーリエ変換像の各点について、フーリエ変換像の原点からの距離(単位:μm−1)と強度を求める。続いて、同じ距離にある点については強度の平均値を求める。以上のようにして、求められたフーリエ変換像の原点からの距離と強度の平均値の関係をプロットし、スプライン関数によりフィッティングをかけ、強度がピークとなる波数を平均波数(μm−1)とした。平均ピッチについては別の方法、たとえば、回折格子の任意の3μm角(縦3μm、横3μm)の測定領域を測定して凹凸解析画像を求め、かかる凹凸解析画像中における任意の隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔を100点以上測定し、その平均を算出して凹凸の平均ピッチを求めるなどの方法から計算しても構わない。
<有機EL素子の製造>
上記のようにして得られた回折格子としてのゾルゲル材料層よりなるパターンが形成されたガラス基板について、付着している異物などを除去するために、純水中でブラシで洗浄した。次いで、アルカリ性洗浄剤としてのセミコクリーンおよび有機溶剤であるIPAを用いて超音波洗浄することでガラス基板に付着している有機物等を除去した。こうして洗浄した前記基板上に、透明電極を以下のようにしてパターニングにより形成した(図5参照)。まず、ITOをスパッタ法で300℃にて厚み120nmで成膜した。次いで、フォトレジスト(東京応化工業製:TFR−H)をスピンコート法で塗布して透明電極用マスクパターンを介して波長365nmの光で露光した。その後、現像液として2.5%濃度のTMAH水溶液を用いてフォトレジストの露光部をエッチング除去してITOの一部を露出した。次いで、エッチング液として18%濃度の塩酸を用いて露出したITOの領域を除去した。最後に剥離液としてDMSOとNMPの1:1混合溶液を用いて残留するフォトレジストを除去した。こうして所定のパターンの透明電極を得た。得られた透明電極付き基板をブラシで洗浄し、有機溶剤(IPA)を用いて超音波洗浄することで基板に付着している有機物等を除去した後、UV/O処理し、予め250℃にした加熱炉に基板を入れて大気雰囲気中で20分間アニール処理を行った。
このように処理された透明電極上に、正孔輸送層(4,4’,4’ ’トリス(9−カルバゾール)トリフェニルアミン、厚み:35nm)、発光層(トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III) 錯体をドープした4,4’,4’ ’トリス(9−カルバゾール)トリフェニルアミン、厚み15nm、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III) 錯体をドープした1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン、厚み15nm)、電子輸送層(1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン、厚み:65nm)、フッ化リチウム層(厚み:1.5nm)を蒸着法で積層した。さらに、最上層として金属電極(アルミニウム、厚み:50nm)を蒸着して図6に示すような有機EL素子を得た。
この実施例で得られた有機EL素子の発光の指向性を以下の方法で評価した。発光させた有機EL素子を全ての方向(全周囲360°の方向)から目視により観察した。この実施例で得られた有機EL素子においては、全周囲360°のいずれの方向から観察しても、特に明るい場所、又は特に暗い場所は観察されず、全ての方向に均等な明るさを呈していた。このように、本発明の有機EL素子は、発光の指向性が十分に低いことが確認された。
この実施例1では有機EL素子の透明電極(ITO)の成膜時の温度を300℃とした。透明電極の成膜時の温度は300℃よりも低い温度でも構わないが、透明電極は低抵抗率であることが望まれており、結晶性を高めるため高温での成膜が好ましい。なお、成膜時の温度が100℃程度と低い場合には、基板上に成膜されたITO膜は比較的非晶質で、比抵抗も劣り、基板とITO薄膜の密着性も乏しくなる。通常のUV硬化樹脂等で形成した凹凸パターンは高温成膜工程に耐えることが難しかったが、セラミックの一種であるゾルゲル材料を用いることで高温成膜工程にも適用できるため、本発明の方法は有機EL素子用の基板(回折格子)を作製する上でも好適である。さらに、上記のような硬化樹脂では発光時の発熱などで高温下に長期間置かれると劣化して黄変やガスの発生の可能性があり、樹脂基板を用いた有機EL素子の長期的な使用が難しいが、ゾルゲル材料を用いて作製された基板を備える有機EL素子では劣化が抑制される。
<実施例2>
150℃に加熱した押圧ロールを用いた以外は実施例1と同様にして、回折格子基板を作製した。その結果、実施例1と同様にパターン転写でき、回折格子基板の凹凸パターンの深さ分布の平均値は56nm、平均ピッチは420nmであることを確認した。
<実施例3>
この実施例では、凹凸パターンがゾルゲル材料で形成された回折格子基板(以下、「ゾルゲルパターン基板」と呼ぶ)と、同じ凹凸パターンが樹脂で形成された回折格子基板(以下、「樹脂パターン基板」という)をそれぞれ用意し、有機EL素子製造過程における回折格子基板の耐洗浄性、耐薬品性及び耐熱性について比較して検証した。「ゾルゲルパターン基板」として、実施例1において作製した回折格子基板を用いた。「樹脂パターン基板」は以下のようにして作製した。15×15×0.11cmのソーダライムガラス基板上にフッ素系UV硬化性樹脂を塗布し、実施例1にて作製した回折格子モールドを押し付けながら、紫外線を600mJ/cmで照射することでフッ素系UV硬化性樹脂を硬化させた。樹脂が硬化後、回折格子モールドを硬化した樹脂から剥離した。こうして回折格子モールドの表面形状が転写された樹脂パターン基板を得た。
このようにして用意したゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板について、有機EL素子の製造プロセスの薄膜形成工程前の洗浄工程、フォトリソグラフィ工程、ITOエッチング工程、フォトレジスト剥離工程及びアニール工程を想定した処理を行い、処理前後の基板の凹凸パターンを観察した。なお、実際の有機EL素子の製造プロセスでは透明電極層などが基板上に堆積されるが、以下の処理では各処理における薬品や環境温度による基板の影響を調べるために、基板上には層は堆積することなく、種々の環境に基板を露呈した。
(1)洗浄工程
薄膜形成工程前の洗浄工程における回折格子基板の耐性を評価するために、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板について、以下の3種類の洗浄実験を行った。
[超音波洗浄]
超音波洗浄機(株式会社国際電気エレテック社製)にイソプロピルアルコール(IPA)を充填し、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれ浸漬して、出力200Wにて20分間、室温下で洗浄した。次に、洗浄液としてイソプロピルアルコールをアセトンに代えて、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をイソプロピルアルコールの場合と同様の条件で超音波洗浄した。さらに、洗浄液としてイソプロピルアルコールをセミコクリーン56に代えて、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれ浸漬して、出力200Wにて10分間、室温下で超音波洗浄した。
[ブラシ洗浄]
ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板を、小型枚様式ブラシ洗浄機(株式会社今井製作所製)を用いて洗浄した。ブラシには100μm径のナイロンをロール表面に植え込んだロールブラシを用いた。ロールブラシの回転数500rpm、基板へのロールブラシの押圧0.2MPa、基板搬送速度1m/分の条件でブラシ洗浄した。洗浄水には純水を用い、ロールブラシは2本用いた。
[UV/O洗浄]
ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をUV/O洗浄機(PL16−110:セン特殊光源株式会社)に収容し、低圧水銀灯によるUV光(波長184.9nm、253.7nm)によりオゾンを発生させ15mW/cmで10分間照射した。
(2)フォトリソグラフィ工程
フォトリソグラフィ工程における耐性を調べるために、フォトレジストに含まれる乳酸エチルをビーカーに充填し、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれ乳酸エチルに室温にて20分間浸漬した。また、同様の実験を乳酸エチルに代えてPGMEAを用いて行った。また、フォトレジストの現像液に対する耐性を調べるために、現像液としての2.5%のTMAHにゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれ室温にて20分間浸漬した。
(3)ITOエッチング工程
ITO電極材料をエッチングしてパターニングする工程における基板の耐性を調べるために、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板を、18%の塩酸に常温で20分間浸漬した。
(4)レジスト剥離工程
リソグラフィ工程で残留したフォトレジストを剥離する工程に使用される剥離液に対する基板の耐性を調べるために、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれNMP中に常温で20分間浸漬した。同様の実験をNMPに代えてDMSOを用いて行った。
(5)アニール工程
透明電極のパターニング後に行われるアニール工程における基板の耐性を調べるために、ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板をそれぞれ大気雰囲気中で250℃の加熱炉内に20分間設置した。
<基板評価方法>
上記5つの工程の処理によるゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板の耐性を評価するために、それらの処理前後における基板についてムラ検査とSPM検査を行った。ムラ検査は、実験前後の基板表面の凹凸パターンの全体状態を観察するために以下のような方法を採用した。
図7に示した検査装置300を暗室内に設置し、上記5つの工程の処理前後における基板100(ゾルゲルパターン基板と樹脂パターン基板)を検査装置300に取り付けて以下のような条件で基板の散乱光強度分布を観測した。検査装置300は、基板100を配置するステージ装置104と、基板100に光を照射する高指向性LEDバー照明(CCS株式会社製LDL2−119×16BL)122と、基板からの反射光を撮影するデジタルカメラ124と、撮影された像を画像処理して分析する画像処理装置126を備える。30mm×30mm×0.7mm厚の基板100を、ステージ装置104の一対の黒色の直方体状ブロック102を跨ぐように配置した。ブロック高さは40mmであり、黒色のブロックの距離は27mmであった。LEDバー照明122は、発光中心波長470nm、発光部面積119mm×160mmであり、LEDバー照明122は水平より床面に向け10°傾けた状態で床面からの高さ160mmの位置に設置した。2本のLEDバー照明122の距離は307mmであった。デジタルカメラ124は基板表面からの距離770mmの位置に設置した。LED照明を最大出力(各5.7W)で発光させて撮影した。デジタルカメラ124の型式及び撮像条件は以下の通りである。
カメラ:Canon EOS Kiss X3
レンズ:EF−S18−55mm F3.5−5.6 IS
シャッター速度:1/100秒
ISO感度:3200
絞り値:F5.6
ホワイトバランス:スタンダード
ピクチャースタイル:スタンダード
ピクセル値 0〜255
得られたデジタルカメラからの像について青のピクセル値を抽出し、そのピクセル値をグレー階調表示した。また、図8(a)に示すように、画像のY方向の略中心位置におけるX方向に延在する直線L1上のピクセル値だけを抽出して、X方向の画素位置に対するピクセル値のプロファイルとして出力させた。なお、断面プロファイルは、有機EL素子として素子化される部分(図8(a)の波線枠内)のみを出力させた。ゾルゲルパターン基板から得られたX方向の画素位置に対するピクセル値のプロファイルの一例を図8(b)に示す。図8(b)に示す例では平均ピクセル値は113であった。上記耐性試験の前後において、平均ピクセル値が20%変化するとこの回折格子基板を有機EL素子に使用した場合に輝度ムラが著しくなることが予備試験により分かっている。それゆえ、耐性試験の前後で平均ピクセル値が20%未満である場合を○とし、20%以上変化した場合を×として評価した。結果を表1に示す。
SPM検査は、走査型顕微鏡を用いて基板表面の凹凸パターンの表面状態や凹凸深さを検査した。SPM検査は、実施例1で用いた原子間力顕微鏡(SIIナノテクノロジー社製の環境制御ユニット付走査型プローブ顕微鏡「NanonaviIIステーション/E−sweep」)を用いた。原子間力顕微鏡の解析条件は、実施例1と同様である。基盤の任意の位置に3μm角(縦3μm、横3μm)の測定領域を測定して、上記のようにして凹凸解析画像を求めた。かかる凹凸解析画像中における、任意の凹部及び凸部との深さ方向の距離を100点以上測定し、その平均を算出して凹凸の深さ分布の平均値(平均高さ)とする。かかる凹凸の深さ分布の平均値が、耐性試験前のものと比較して20%以内であれば合格、20%を超えて変化が見られた場合を不合格とした。また、評価画像にて、耐性試験前には見られなかった異常突起や表面荒れが存在した場合も不合格とした。評価画像上に異常が見られなかった場合は合格とした。凹凸の深さ分布の平均値及び評価画像の両方で合格の場合を○とし、それ以外を×として評価し、評価結果を表1に示す。
Figure 0006013945
洗浄工程におけるUV/O洗浄処理された樹脂パターン基板では、ムラ観察では平均ピクセル値が20%を超えており、またSPM観察では凹凸の深さ分布の平均値が20%を越えて低くなっていることが観察された。これは、UV/O洗浄により樹脂の凹凸パターンが浸食されたためであると考えられる。一方、ゾルゲルパターン基板ではUV/O洗浄の前後でそれらの観察結果に有意の差は見られなかった。ITOエッチング処理においても、樹脂パターン基板のSPM観察では凹凸表面に異常な突起があることが観察された。これは、ITOエッチング処理により樹脂が塩酸と反応し異常な析出物が発生したためであると考えられる。一方、ゾルゲルパターン基板ではITOエッチング処理の前後でそれらの観察結果に有意の差は見られなかった。また、アニール処理された樹脂パターン基板では、ムラ観察では平均ピクセル値が20%を超えており、またSPM観察では凹凸表面が凹凸の深さ分布の平均値が20%を越えて低くなっていることが観察された。これは、アニール処理の高温により樹脂の凹凸パターンが一部溶融したためであると考えられる。一方、ゾルゲルパターン基板ではアニール処理の前後でそれらの観察結果に有意の差は見られなかった。
<比較例1>
実施例3で作製した樹脂パターン基板を、回折格子基板として用いて実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
<有機EL素子の発光効率の評価>
実施例1及び比較例1で得られた有機EL素子の発光効率を以下の方法で測定した。得られた有機EL素子に電圧を印加し、印加電圧V及び有機EL素子に流れる電流Iを印加測定器(株式会社エーディーシー社製、R6244)にて、また全光束量Lをスペクトラ・コープ社製の全光束測定装置にて測定した。このようにして得られた印加電圧V、電流I及び全光束量Lの測定値から輝度値L’を算出し、電流効率については、下記計算式(F1):
電流効率=(L’/I)×S・・・(F1)
電力効率については、下記計算式(F2):
電力効率=(L’/I/V)×S・・・(F2)
をそれぞれ用いて、有機EL素子の電流効率及び電力効率を算出した。上記式において、Sは素子の発光面積である。
なお、輝度L’の値は、有機EL素子の配光特性がランバート則にしたがうものと仮定し、下記計算式(F3):
L’=L/π/S・・・(F3)
で換算した。
実施例1の有機EL素子は、輝度1000cd/mにおいて、111.1cd/Aの電流効率を示した。また、実施例1の有機EL素子は、輝度1000cd/mにおいて、97.7lm/Wの電力効率を示した。比較例1の有機EL素子は、ブラシ洗浄時の機械的なダメージ、UV/O洗浄時のダメージ、ITO成膜時の熱ダメージによって樹脂パターンが崩れ素子として評価できなかった。比較サンプルとして、パターンが無いガラス基板上に作製した有機EL素子を用意し、その電流効率と電力効率を測定したところ、輝度1000cd/mにおいて74.5cd/Aの電流効率を示し、同じく輝度1000cd/mにおいて58.4lm/Wの電力効率を示した。
以上のことより、本発明のデバイスの製造方法で用いる光学基板の凹凸パターンはゾルゲル材料から形成されているために、以下に説明するように種々の点で硬化性樹脂から凹凸パターンが形成されている基板に比べて有利となる。ゾルゲル材料は、機械的強度に優れるため、有機EL素子の製造プロセスにおいて基板及び透明電極形成後に凹凸パターン面にブラシ洗浄を行っても傷、異物の付着、透明電極上の突起などが発生しにくく、それらに起因する素子不良を抑制できる。それゆえ、本発明の方法により得られたデバイスとしての有機EL素子は、凹凸パターンを有する基板の機械的強度という点で硬化性樹脂基板を用いる場合に比べて優れる。
また、ゾルゲル材料から形成された基板は、耐薬品性に優れる。それゆえ、基板及び透明電極の洗浄工程に用いるアルカリ液や有機溶媒に対しても比較的耐食性があり、種々の洗浄液を使用することができる。また、前述のように透明基板のパターニング時にアルカリ性の現像液や酸性のエッチング液を用いることがあり、このような現像液やエッチング液に対しても耐食性がある。この点でアルカリ液や酸溶液に対して耐性が比較的低い硬化性樹脂基板に比べて有利となる。
また、ゾルゲル材料から形成された基板は、耐熱性に優れる。このため、有機EL素子の透明電極製造プロセスにおけるスパッタ工程の高温雰囲気にも耐えることができる。さらに、ゾルゲル材料から形成された基板は、硬化性樹脂基板に比べて、耐UV性、耐候性にも優れる。このため、透明電極形成後のUV/O洗浄処理に対しても耐性を有する。このため、ゾルゲル材料から形成された基板を用いれば、半導体や有機膜を形成するプロセスにおいて影響を受けることがない。
本発明の方法により製造されたデバイスとしての有機EL素子を屋外で使用した場合には、硬化性樹脂基板を用いる場合に比べて太陽光による劣化が抑制できる。さらに、上記のような硬化樹脂では発光時の発熱などで高温下に長期間置かれると劣化して黄変やガスの発生の可能性があり、樹脂基板を用いた有機EL素子の長期的な使用が難しいが、ゾルゲル材料を用いて作製された基板を備える有機EL素子では劣化が抑制される。
以上、本発明を実施例により説明してきたが、本発明のデバイスの製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲内で適宜改変することができる。例えば、上記実施例では、加熱により硬化するゾルゲル材料を用いたが、代わりに光硬化性ゾルゲル材料を用いてもよい。この場合、塗膜の焼成を行う代わりに光照射を行うことで塗膜(ゾルゲル材料)を硬化させることができる。
また、製造対象である「凹凸パターンを有する基板を備えたデバイス」として凹凸パターンを有する光学基板を備えたデバイスである有機ELを例に挙げて説明してきたが、本発明の製造方法は有機ELに限らず種々の用途を有する基板を備えるデバイスに適用することができる。例えば、マイクロレンズアレイ、ナノプリズムアレイ、光導波路などの光学素子、レンズなどの光学部品、太陽電池、反射防止フィルム、半導体チップ、パターンドメディア、データストレージ、電子ペーパー、LSIなどの製造、製紙、食品製造、免疫分析チップ、細胞培養シートなどのバイオ分野等における用途で使用されるデバイスにも適用することができる。
本発明のデバイスを製造する方法は、耐熱性、耐候性及び耐食性に優れる微細な凹凸パターン付き基板を用いているため、その基板を組み込んだ素子の製造プロセスにも耐性があり、また、それらの素子を長寿命化することができる。それゆえ、本発明の製造方法に耐熱性、耐候性及び耐食性に優れた有機EL素子や太陽電池などの各種デバイスを高いスループットで製造することができる。
22 押圧ロール、23 剥離ロール、32 電極材料層、
34 フォトレジスト、40 基板、 42 塗膜(ゾルゲル材料層)、
44 マスク、 70 ロールプロセス装置
72 フィルム繰り出しロール、74 ニップロール、
76 剥離ロール、 78、搬送ロール、 80 基板フィルム、80a フィルム状モールド、
82 ダイコータ、85 UV照射光源、86 基板フィルム搬送系
87 フィルム巻き取りロール、90 転写ロール、
92 透明電極、94 有機層、95 正孔輸送層
96 発光層、97 電子輸送層、98 金属電極
100 回折格子基板、102 ブロック、104 ステージ装置
122 LEDバー照明、124 デジタルカメラ
126 画像処理装置、200 有機EL素子
300 検査装置

Claims (10)

  1. 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法であって、
    ゾルゲル材料を基板上に塗布し、塗布されたゾルゲル材料に所定の凹凸パターンを転写することで凹凸パターンが形成された基板を形成する基板形成工程と、
    前記凹凸パターンが形成された基板を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄された基板上に第1電極をパターニングにより形成する第1電極形成工程と、
    第1電極が形成された前記基板をアニールするアニール工程と、
    第1電極上に薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    前記薄膜上に第2電極を形成する第2電極形成工程を含み、
    前記基板形成工程において、前記塗布されたゾルゲル材料に、可撓性の基材および該基材の一方の面に形成された凹凸層を有するフィルム状モールドを押し付けて、前記基板に前記凹凸パターンを形成するデバイスの製造方法。
  2. 前記基板が、光学基板であることを特徴とする請求項1に記載のデバイスの製造方法。
  3. 前記洗浄工程において、超音波洗浄、ブラシ洗浄及びUV/O 洗浄の少なくとも一つを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイスの製造方法。
  4. 前記パターニングが、酸またはアルカリ溶剤を用いて行うものであって、第1電極層の形成、レジスト塗布、露光及び現像、第1電極層のエッチング及びレジストの剥離を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  5. 前記アニールの温度が、160℃〜360℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  6. 前記デバイスが有機EL素子であり、第1電極が透明電極であり、前記薄膜層が有機層を含み、第2電極が金属電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  7. 前記デバイスが太陽電池であり、第1電極が透明電極であり、前記薄膜層が半導体層を含み、第2電極が金属電極であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  8. 前記凹凸パターンが光の回折または散乱のために用いられる不規則な凹凸パターンであり、凹凸の平均ピッチが100〜1500nmの範囲であり、凹凸の深さ分布の平均値が20〜200nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  9. 前記基板がガラス基板であり、前記ゾルゲル材料がシリカ前駆体を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
  10. 前記ゾルゲル材料を基板上に塗布し、塗布されたゾルゲル材料に所定の凹凸パターンを転写した後に、前記ゾルゲル材料を300℃以上で焼成すること含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイスの製造方法。
JP2013043784A 2012-03-21 2013-03-06 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法 Expired - Fee Related JP6013945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013043784A JP6013945B2 (ja) 2012-03-21 2013-03-06 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012064140 2012-03-21
JP2012064140 2012-03-21
JP2013043784A JP6013945B2 (ja) 2012-03-21 2013-03-06 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225492A JP2013225492A (ja) 2013-10-31
JP6013945B2 true JP6013945B2 (ja) 2016-10-25

Family

ID=49595393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013043784A Expired - Fee Related JP6013945B2 (ja) 2012-03-21 2013-03-06 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6013945B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6157391B2 (ja) * 2014-03-20 2017-07-05 Jxtgエネルギー株式会社 帯状のフィルム基材上に不連続な塗膜を形成するための塗布装置及び塗布方法
JP2015181981A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 帯状のフィルム基材上に不連続なパターンを有する塗膜を形成するための塗布装置及び塗膜形成方法
JP2015181979A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 帯状のフィルム基材の長手方向及び幅方向において不連続な塗膜を形成できる塗布装置及び塗膜形成方法
KR102117395B1 (ko) * 2013-12-16 2020-06-02 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 그 제조 방법
JP6237322B2 (ja) * 2014-02-21 2017-11-29 旭硝子株式会社 防眩膜付き物品の製造方法
CN107111019B (zh) * 2014-10-28 2020-11-20 大日本印刷株式会社 凹凸构造体及安全介质
JP6484505B2 (ja) * 2015-06-12 2019-03-13 Jxtgエネルギー株式会社 凹凸パターンを転写するための転写ロール、及びその転写ロールを有するフィルム部材の製造装置
CN109709766B (zh) 2017-10-25 2023-06-16 东芝机械株式会社 转印装置
JP6404436B1 (ja) * 2017-10-25 2018-10-10 東芝機械株式会社 転写装置および転写方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269163A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子
TW200950174A (en) * 2008-03-28 2009-12-01 Sumitomo Chemical Co Organic electroluminescent element
JP2010097883A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Suiko Yoshihara 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
US9059422B2 (en) * 2009-02-03 2015-06-16 Kaneka Corporation Substrate with transparent conductive film and thin film photoelectric conversion device
JP2011014361A (ja) * 2009-07-01 2011-01-20 Canon Inc 発光素子及びそれを利用した発光装置
JP5655384B2 (ja) * 2010-06-10 2015-01-21 東レ株式会社 凹凸基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225492A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013136844A1 (ja) フィルム状モールドを用いた凹凸パターンを有する光学基板の製造方法及び製造装置、並びにその光学基板を備えたデバイスの製造方法
JP6013945B2 (ja) 凹凸パターンを有する基板を備えたデバイスの製造方法
JP5695799B2 (ja) 微細パターン転写用のモールドの製造方法及びそれを用いた凹凸構造を有する基板の製造方法、並びに該凹凸構造を有する基板を有する有機el素子の製造方法
CA2886007C (en) Device for inspecting substrate having irregular rough surface and inspection method using same
CA2824148C (en) Method for producing mold for minute pattern transfer, method for producing diffraction grating using the same, and method for producing organic el element including the diffraction grating
EP2774743B1 (en) Method for producing concave-convex substrate using sol-gel method, method for producing organic el element using same, and organic el element obtained thereby
WO2012133414A1 (ja) 凹凸構造を有する基板の製造方法及びそれを用いた有機el素子の製造方法
JP5695608B2 (ja) ゾルゲル法を用いた凹凸基板の製造方法、それに用いるゾル溶液、及びそれを用いた有機el素子の製造方法並びにそれから得られた有機el素子
JP5695607B2 (ja) ゾルゲル法を用いた凹凸基板の製造方法、それに用いるゾル溶液、及びそれを用いた有機el素子の製造方法並びにそれから得られた有機el素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160923

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6013945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees