JP5655384B2 - 凹凸基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池や平面発光体の基板材料として有用な凹凸基板に関する。
透明または不透明な基板上に、発電層を電極で挟んだ積層物を製膜することで得られる薄膜太陽電池は、材料利用効率が高い太陽電池として知られている。発電層の半導体は、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、化合物半導体などが知られている。この薄膜太陽電池に於いて、スーパーストレート型太陽電池では、ガラス基板上に製膜する透明電極層の表面を凹凸形状とすること、すなわちテクスチャリングによって発電効率が向上することが知られている。また、サブストレート型太陽電池では金属フォイル基板上にシリコーン系塗料を塗布し焼成した太陽電池基板が知られており、このシリコーン系塗料にシリカ粒子を添加することで表面を凹凸形状にすることで太陽電池の発電効率が高められることが知られている(特許文献1、2)。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板においては、基板の発光層を形成する側の表面近傍に凹凸構造を形成することで発光効率を向上させることが提案されている(特許文献3)。
一方、基板上に微細パターンを製造する方法として、樹脂製型に加水分解しうる有機金属化合物を含む溶液を塗布して基板に転写し縮重合体とする方法が知られている(特許文献4)。また、表面に微細な凹凸を形成した光学的情報記録媒体や平板マイクロレンズなどの光学部品において、凹凸をオルガノアルコキシシランの加水分解・重縮合物で成形することで耐熱性に優れた部品を得られることが知られている(特許文献5)。さらに、凹凸パターンを有する樹脂型にオルガノアルコキシシランの加水分解・重縮合物を含む溶液を塗布して得た膜状物を基板に転写する際、フェニルトリアルコキシシランとメチルトリアルコキシシランの共加水分解・重縮合物とすることで正確な形状転写、厚膜化できることが知られている(特許文献6)。
特許第2663414号公報 特開2002−97365号公報 特開2007−287486号公報 特開平6−114334号公報 特開平11−314927号公報 特開2000−216417号公報
太陽電池では、受光した光束エネルギーを、できるだけ多くの電気エネルギーに変換せしめること、すなわち発電効率の向上が求められている。このため、光学的な工夫として、受光した光束を有効に発電層に導入することが必要である。一方、発光層を内部に持つ有機エレクトロルミネッセンス素子では、光束をできるだけ外部に取り出すこと、すなわち発光効率の向上が求められる。ここで、光は吸収されない限り可逆的な経路で進行するものであることを考えれば、太陽電池における発電層への光束導入技術と、有機エレクトロルミネッセンス素子における発光層からの光束取り出し技術は、類似の技術が適用できることがあることがわかる。
基板背面で受光するスーパーストレート型の薄膜太陽電池では、透光性の基板と透光性の電極が必要であり、その透過率が高いほど発電層への光の導入効率が高まり、発電効率が高くなるため好ましい。一方、表面に凹凸を設けるなどによって光を散乱させると、発電層内部での光束進行角度が変化することで、吸収しきれなかった光束が反射しやすくなり、再度、発電層内を進行させることができ、この結果、光束の有効利用が図られるため発電効率が向上する。したがって、強い光散乱を高い透過率で達成することが有効であるが、従来の技術では、光散乱特性と透過特性を十分に両立したものとは言えなかった。
すなわち本発明は、特にスーパーストレート型の太陽電池に用いると高い発電効率が得ることができる高い光散乱性と透過特性をもつ透光性基板を得ることを目的とするものである。
上述した目的を達成する本発明の凹凸基板は、ガラス基板と、該ガラス基板上に粒子を含有する凹凸層を有する凹凸基板であって、該粒子は直径10〜100nmであり、該凹凸層は、表面が、複数のドーム状突起またはボウル状窪みが分布した凹凸形状であり、前記ドーム状突起または前記ボウル状窪みの平均サイズが4161619nmで、頂点傾斜角が21°以上27°以下、中間点傾斜角が34°以上53°以下、かつ頂点傾斜角と中間点傾斜角の差が13°以上28°以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、微細な凹凸形状を作製することで、高い光散乱性と透過特性を併せ持つ基板を製造することができる。さらに光透過性の高いガラス基板上にポリシロキサンにより微細凹凸を形成することで耐熱性と光学特性に優れた凹凸基板とすることができるため、太陽電池基板として用いると、光を閉じこめることができ、光の有効利用が可能となる。
ガラス基板とガラス基板上に形成した凹凸層からなる凹凸基板の断面概略図である。 図1に示した凹凸基板を凹凸層側から見た概略図である。 ガラス基板表面とドーム状突起またはボウル状窪みのなす頂点傾斜角および中間点傾斜角を示した概念図である。 型フィルム/ポリシロキサンゲル/ガラス基板からなる積層体の断面概略図である。 実施例2の凹凸基板の表面をSEMで撮像した写真である。 実施例2の凹凸基板をAFMで観察した断面プロファイルである。
以下、図面等を参照しながら、本発明の凹凸基板およびその製造方法についてさらに詳しく説明する。
本発明の凹凸基板は、少なくとも、ガラス基板と、該ガラス基板上に粒子を含有する凹凸成形層が配置されたものである。
本発明に用いられるガラス基板は、透光性であればよく、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸系ガラス、リン酸系ガラス等の酸化物ガラス等を使用できる。これらの中で、ガラス基板中に含まれるアルカリ成分溶出による半導体の損傷を防止できるという理由から、アルカリ成分を含まない、いわゆる無アルカリガラスを使用することが好ましい。一方、アルカリ成分を含むガラスを使用する際には、凹凸成形する面にアルカリ成分を遮断することを目的としてとしてシリカなどからなる層が形成されたものを用いることができる。本発明においては、ガラス基板とは、単層のガラスのみならず、全体として透光性を有していればシリカなどからなる層がガラスの表面に形成されたものもガラス基板と呼ぶものとする。また、ガラス基板と凹凸成形層の密着性を向上させるために、ガラス基板表面(シリカなどからなる層が形成されたものの場合はその表面)を処理することもできる。かかるガラス基板の表面処理としては、例えばシランカップリング剤コーティング、UV処理、オゾン処理、プラズマ処理、酸・アルカリ処理等が挙げられる。
前記ガラス基板上に配置された粒子を含有する凹凸層は、空気側の表面に微細な凹凸形状を有するものをいう(凹凸形状については、後述する)。そして、含有する粒子は直径10〜100nmであり、かかる直径の粒子を含有することにより、加熱処理における凹凸層の微細形状のダレを防止することができるためである。粒子の直径が10nm未満であると、加熱処理における形状ダレの防止効果が低くなり、100nmを超えると光の散乱により透光性が低下する場合がある。これらの点から粒子の直径は10〜70nmが、好ましい。ここでいう直径とは、ガラス基板に平行な面を観察したときの長径をいい、粒子の直径が10〜100nmとは含有する粒子の直径の分布がこの範囲内に、あることをいう。なお、ガラス基板に平行な面の観察は、常法により薄切片を作成し透過型電子顕微鏡で20万倍で観察した像上で測定できる。凹凸層の厚さは、適宜設定できるが、一般に凹凸形状の1〜100倍の範囲にすることが好ましい。凹凸層の厚さが形状の1倍に満たないと、凹凸層が正確に成形でき無くなる場合がある。一方、100倍を超える場合は、凹凸層を形成する材質によっては、加熱処理の際に凹凸層にクラックが発生する場合がある。
凹凸層は光透過性の材料であること、電極薄膜や太陽電池薄膜に加工するために必要な耐熱性、低脱ガス性が求められること、太陽電池として使用する際の耐久性として、耐紫外線性、長期耐熱性が求められること、等が求められる。光透過性の材料としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、ガラス、および、ポリシロキサン等の有機無機ハイブリッド架橋体が挙げられるが、光透過性以外の前記諸特性をバランス良く満たすことから、ポリシロキサンからなることが好ましい。本発明において、ポリシロキサンとは、下記一般式(1)で表されるオルガノシランの1種類以上を加水分解・重縮合反応させることによって合成される、シロキサン骨格をもつものである。
(R1)−Si−(OR2)4−n (1)
式中、R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のR1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。R2は水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。nは0から3の整数を表す。
一般式(1)で表されるオルガノシランにおいて、R1は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のR1はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプルピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、[(3−エチル3−オキセタニル)メトキシ]プロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−イソシアネートプロピル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、p−ヒドロキシフェニル基、1−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチル基、4−ヒドロキシ−5−(p−ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)ペンチル基、ナフチル基が挙げられる。
一般式(1)で表されるオルガノシランにおいてR2は水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基、炭素数6〜15のアリール基のいずれかを表し、複数のR2はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらのアルキル基、アシル基、アリール基はいずれも無置換体、置換体のどちらでもよく、組成物の特性に応じて選択できる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基が挙げられる。アシル基の具体例としては、アセチル基が挙げられる。アリール基の具体例としてはフェニル基が挙げられる。
一般式(1)のnは0から3の整数を表す。n=0の場合は4官能性シラン、n=1の場合は3官能性シラン、n=2の場合は2官能性シラン、n=3の場合は1官能性シランである。
一般式(1)で表されるオルガノシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラフェノキシシランなどの4官能性シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリn−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルとりエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリn−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルとりメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの3官能性シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジn−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどの2官能性シラン、トリメチルメトキシシラン、トリn−ブチルエトキシシランなどの1官能性シランが挙げられる。
これらのオルガノシランは単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて使用してもよいが、硬化した凹凸層のクラック防止と、樹脂型押圧時の柔軟性の観点から3官能性シランと2官能性シランを組み合わせることが好ましい。
凹凸層が、含有する粒子は、シリカ粒子であることが好ましく、特に、前述のポリシロキサンにはシリカ粒子を組み合わせることが好ましい。ポリシロキサン中にシリカ粒子を含ませることで、加熱処理における凹凸層の微細形状のダレをより効果的に防止できる。
凹凸層のポリシロキサン骨格は、前記オルガノシランの加水分解・重縮合反応により得るものである。オルガノシランからなる反応溶液としてのポリシロキサンゾルは、前記オルガノシランのポリマーからなるものであり、必要に応じてシランカップリング剤、界面活性剤、架橋剤、反応促進剤等の添加剤を含むことができる。シランカップリング剤を含有する場合、ガラス基板と凹凸層の密着性が向上する。界面活性剤を含有した場合は、後述する表面凹凸を形成させるために使用する型フィルムと該凹凸層の離型性が向上するため好ましい。
本発明における該凹凸層の表面の凹凸形状は、例えば図1(a)に示すような複数のドーム状突起または図1(b)に示すような複数のボウル状窪みが分布したものであり、ドーム状突起またはボウル状窪みの配置は規則的でもよいし、図2に示すように不規則でもよい(図1(a)(b)ともに、表面の概略図は図2で共通である)。
本発明で形成するドーム状突起またはボウル状窪みとは、突起または窪みが次のサイズを有するものをいう。まず、突起の場合を例にサイズについて説明する。サイズとは、1つの突起について極大値を挟む2つの極小値間の採りうる水平距離のうち最大の距離であり、そのサイズが、20nm以上10000nm未満であるものをドーム状突起と定義する。そして、平均サイズが50〜1800nmであるとは、それぞれの突起の内20nm以上10000nm未満であるものの平均サイズが50〜1800nmの範囲に含まれていることを示す。窪みの場合は前記突起を反転させたものとして同様の定義とする。ドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズが50nm未満である場合には、後述する型フィルムの樹脂凹凸形成層の表面形状にポリシロキサンゾル/またはゲルが充填されず、正確に成形できない可能性がある。一方、ドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズが1800nmよりも大きい場合は、透過光が散乱して透過性が低下することがある。かかる観点から、ドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズは、400〜1650nmであることが好ましく、さらに好ましくは300〜1000nmである。なお、ドーム状突起またはボウル状窪みのサイズが上記範囲に含まれていることは、原子間力顕微鏡(以降、AFMと略記することもある)にて次の手順で像を得て、確認することができる。2千倍、1万倍、5万倍、20万倍の各倍率で表面形状のデータを取得し、15cm四方の測定用の画像(倍率により取得面積は異なる)を準備し、2千倍ではサイズが2000nm以上10000nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みを、1万倍ではサイズが500nm以上2000nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みを、5万倍ではサイズが100nm以上500nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みを、20万倍ではサイズが20nm以上100nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みを測定する。このとき、20nm未満や10000nm以上の突起または窪みについては、前述の通りドーム状突起またはボウル状窪みでないものと見なす。上記測定用の画像における上記範囲の各ドーム状突起またはボウル状窪みについてサイズと個数を測定し、上記範囲の各ドーム状突起またはボウル状窪みのサイズが、異なる測定倍率の写真で測定する必要がある場合は、同一の面積当たりに換算して平均を計算するものとする。例えば、2000倍の視野中に5000nmの突起が100個、1万倍の視野中に1000nmの突起が80個その他の倍率には突起が観察されなかった場合には、(5000×100)+1000×80×(10000/2000)÷(100+80×(10000/2000))=1190、となる。この場合、[(10000/2000)]の項は、観察倍率である1万倍と2000倍の視野の面積を考慮し、同一面積当たりの突起の個数に換算するための補正項である。
本発明で形成するドーム状突起またはボウル状窪みにおける突起または窪みの形状を規定する傾斜角は、頂点傾斜角は20°以上60°以下、中間点傾斜角は30°以上70°以下である。ここで典型的な突起を例として図3(a)で説明する。頂点傾斜角とは、AFMで測定される表面の突起の断面曲線(詳細は後述する)において、突起の断面の極大値と極小値を結ぶ直線と、ガラス表面と平行で極小値を通る直線とよりなる角のうち突起の内側の角3である。中間点傾斜角とは、前記頂点傾斜角の高さの1/2の点と極小値を結ぶ直線とガラス表面と平行で極小値を通る直線とよりなる角のうち突起または窪みの内側の角4である。図3(a)では、単純化するために断面が左右対称な突起を例に説明したが、図3(c)のように左右非対称である場合には左右それぞれについて中間点傾斜角の候補となる角度4’および4”を測定し、これらの内、より大きな角度の方を中間点傾斜角として採用する。頂点傾斜角については中間点傾斜角として採用した側の角度を採用する。すなわち、4’>4”であったならば、中間点傾斜角は、3’と3”の大小関係にかかわらず3’を採用するものとする。かかるドーム状突起またはボウル状窪みの傾斜角の代表値としては、上記のように求めたドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズにより、測定に供する写真を次のように選択して求めるものとする。平均サイズが、2000nm以上10000nm未満の場合2千倍、500nm以上2000nm未満の場合1万倍、500nm以上2000nm未満の場合5万倍、100nm以上500nm未満の場合5万倍、20nm以上100nm未満の場合20万倍の写真を選択し、選択した写真の縦横を各4等分する線の交点上にある9つのドーム状突起またはボウル状窪みについてドーム状突起またはボウル状窪みの中心点を通るラインに沿った断面のデータをAFMにより得、各断面について頂点傾斜角と中間点傾斜角を測定し、それぞれの傾斜角の平均値を頂点傾斜角、中間点傾斜角とする。なお、上記交点がドーム状突起またはボウル状窪みを外れる場合には、交点に最も外縁が近接したドーム状突起またはボウル状窪みについて測定するものとする。頂点傾斜角が20°未満または中間傾斜角が30°未満の場合は、積層する発電層に対して十分な突起とならず、頂点傾斜角が60°を超える場合または、中間傾斜角が70°を超える場合は基板面とドーム状突起またはボウル状窪みのなす角が小さくなり、発電層を積層した際に欠陥を生じやすくショートする原因となるためである。かかる観点から、頂点傾斜角は、20°以上30°以下が、中間傾斜角は、30°以上50°以下が好ましい。窪みの場合は前記突起の形状を反転させたものとして同様の定義とする。また、本発明で形成するドーム状突起またはボウル状窪みを定義する該凹凸層の表面のドーム状突起またはボウル状窪みの頂点傾斜角と中間点傾斜角の差は10°以上50°以下である。10°未満の場合、突起の頂角が発電層積層の際に欠点となり、50°を超える場合、形状がなだらかなため平面に近くなり、十分な光閉じこめ効果が得られないおそれがある。かかる観点から、凹凸層の表面のドーム状突起またはボウル状窪みの頂点傾斜角と中間点傾斜角の差は、10°以上30°以下が好ましい。窪みの場合は前記突起の形状を反転させたものとして同様の定義とする。
該凹凸層は、その表面全体がゆがんだり、うねったりせずに明確なボウル状窪みまたはドーム状突起を有することが好ましい。凹凸層がゆがんだりうねったりしている場合には、凹凸層に入射した光が凹凸層上に形成された膜との界面に光が入射する際の角度が変わり、効果的に光りを閉じこめられないおそれがある。ゆがみやうねりがないということは、具体的には、該凹凸層の断面形状において、断面プロファイルの平面距離方向をx軸、深さ方向をy軸とし、y値の最大値と最小値の中点を通る水平線をy=0と設定した場合に、極大値20個、極小値20個において、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計数が9個以下であることが好ましい。10個以上の場合、ドーム状突起またはボウル状窪みの深さが形成されていなかったり、凹凸層の表面にうねりがあったりして、光閉じこめ効果が低下する場合がある。
本発明の凹凸基板は、支持フィルム表面に、粒子とバインダー樹脂とからなる樹脂凹凸形成層を形成した表面凹凸フィルムを型フィルムとして、該型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させ、その間隙にポリシロキサンゾルを挟んだ積層体を構成した上で、全体を加熱および/または加圧してポリシロキサンゾルを固化せしめポリシロキサンゲルの凹凸層を形成した後、前記型フィルムを剥離することにより製造される。
まず、型フィルムについて説明する。前記型フィルムは、支持フィルム表面に、粒子とバインダー樹脂とからなる樹脂凹凸形成層を形成した表面凹凸フィルムである。樹脂凹凸形成層の形状は、本発明の凹凸基板の凹凸層の表面形状の反転形状とすることにより、該型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させ、その間隙にポリシロキサンゾルを挟んだ積層体を構成した上で、全体を加熱および/または加圧してポリシロキサンゾルを固化せしめて、本発明の凹凸基板におけるポリシロキサンゲルの凹凸層の形状を得ることが出来る。
かかる型フィルムに用いられる支持フィルムの厚さは、5〜490μmが好ましく40〜290μmがより好ましい。厚さが5μmより薄い場合、樹脂凹凸形成層を形成する際によれてしまい、正確な形状を作製できないおそれがある。一方、厚さが490μmを超える場合は、型フィルムが剛直になり、ガラス基板に追従できなくなる。該支持フィルムは、樹脂凹凸成形層を形成するバインダー樹脂と十分に密着することが必要であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂等を用いることができる。中でも、比較的各種樹脂との密着がよく、柔軟性があり、形状転写の際の加熱耐久性が良いという点から、ポリエステル系、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、凹凸層を積層する面には、支持フィルムとバインダー樹脂の密着性を向上させるために、下地調整材や下塗り材などの処理を施してもよい。
支持フィルムの表面に樹脂凹凸形成層を形成するバインダー樹脂としては、添加粒子を分散でき、均一に塗工できればよく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂等を用いることができる。中でも凹凸層を作製する際、ガラス基板と凹凸形状の型フィルムとの間隙にポリシロキサンゲルを挟み込んで加熱および/または加圧することから、耐熱性、耐溶剤性に優れるポリオレフィン系、アクリル系樹脂が好ましい。
かかるバインダー樹脂は、支持フィルムに塗膜を形成した後に硬化せしめることで、樹脂凹凸形成層となる。塗工方法としては、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディップコートなど特に規制はされない。塗膜の硬化反応が加熱により開始されるものは加熱により、硬化反応が紫外線によるものである場合は、溶媒を乾燥させた後に紫外線を照射することにより塗膜を硬化させる。バインダー樹脂により形成された塗膜の厚みt(nm)と、塗膜に含有される粒子の数平均粒径r(nm)の比r/tは0.3〜10が好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。r/tが10より大きい場合、粒子がバインダー樹脂に埋没して露出できずに凹凸形状が十分に形成できない。一方、r/tが0.3未満である場合は粒子がバインダー樹脂から脱落しやすくなる。
前記樹脂凹凸形成層を形成する粒子としては、バインダー樹脂への分散性が良好で、加熱加圧による変形が小さいことが好ましく、例えば、材質としてはガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機粒子、またはアクリル系樹脂、有機シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物、フッ素樹脂等の有機粒子などが好適に用いられる。形状としては、真球状粒子、凝集粒子、数珠状粒子、コンペイトウ状粒子、鱗片状粒子等を用いることができ、中でも、形状サイズ制御と転写の正確性の点から真球状粒子が好ましい。粒子サイズとしては、形成したドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズを50〜1800nmに制御しやすいという観点から、50〜1500nmが好ましく、100〜1000nmがより好ましく、光散乱性が高いという観点から300〜800nmが最も好ましい。粒子のバインダー樹脂への添加量は、15〜90質量%が好ましく、50〜80質量%がさらに好ましい。15質量%未満であると、凹凸層表面に粒子が露出できずに平滑になり、凹凸層を形成できなくなる。一方、90質量%を超えると、凹凸層の強度が低下し、擦過などにより粒子が脱落してしまう可能性がある。
樹脂凹凸形成層と支持フィルムからなる型フィルムの厚さは、10〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。厚さが10μm未満の場合、該型フィルムを用いて凹凸層を形成する際に型フィルムがよれてしまい、型として使用することができなくなる。一方、厚さが500μmを超える場合は、ガラス基板の厚みムラに該型フィルムが追従できず、均一に大面積の凹凸層を形成できない。また、型フィルムは、凹凸層を形成する際にゲルとの離型性を向上させるために、例えば、シリコーン系やフッ素系の離型剤を、その表面にコーティングしたり、バインダー樹脂に練り込んだり、また金やプラチナといった貴金属をその表面にスパッタリング処理したりといった、離型処理が施されていていることが好ましい。なお、本発明の型フィルムは、粒子が露出したフィルムの凹凸形状を反転させた形状転写フィルムを用いることも好ましい。形状転写による凹凸形状型フィルムの製法は特に限定されず、熱インプリント法、UVインプリント法、塗工、電鋳作製などの既知の製法を適用することが可能である。
本発明の凹凸基板は、前述の型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させ、その間隙にポリシロキサンゾルを挟んだ積層体を構成した上で全体を加熱および/または加圧してポリシロキサンゾルを固化せしめた後、前記型フィルムを剥離することにより、製造される。
本発明において、型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させた間隙に挟むポリシロキサンゾルは、前記一般式(1)で表されるオルガノシランの1種類以上を加水分解・重縮合反応させることによって合成される、シロキサン骨格をもつポリマー溶液であり、加熱、または加圧によって固化してポリシロキサンゲルとなるものである。
前述の型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させ、その間隙にポリシロキサンゾルを挟んだ積層体は、加熱、または加圧によってポリシロキサンゾルを固化した後に図4に示すように型フィルム/ポリシロキサンゲル/ガラス基板の積層体とできればよく、例えばガラス基板にポリシロキサンゾルを塗工した後、型フィルムを被覆させても、型フィルムにポリシロキサンゾルを注いだ後、ガラス基板と積層してもよい。ガラス基板に塗工する場合の塗工方法は、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディップコート、ダイコートなどが挙げられるが、薄膜塗工ができる点からスピンコートやディップコートが好ましい。一方、型フィルムにポリシロキサンゾルを注ぐ場合、型フィルム表面の凹凸形状の凹みを埋めるように満たすことができる方法であればよく、ポリシロキサンゾルを型フィルムに注ぐ他、例えばポリシロキサンゾルの浴に型フィルムを浸責させたり、刷毛で塗布したりして充填する方法も用いることができる。
図4に示す積層体は、ポリシロキサンゲル膜に型フィルムの凹凸形状を賦形するために、全体を加熱および/または加圧して膜を固化させる。その際の加熱温度は60〜180℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、80〜100℃が最も好ましい。60℃よりも低温の場合、ポリシロキサンゲルを形成するポリシロキサンゾルの加水分解・重縮合反応が十分に進行せず硬化不足になり、型フィルムの凹凸形状を転写できない可能性がある。一方、180℃を超える温度で加熱した場合、熱によって型フィルムの形状が崩れたり、熱膨脹差によってガラス基板が割れたりする可能性がある。また、型フィルムの形状を十分に賦形するために積層体に加圧することもでき、その方法は例えば、ニップロールや、プレス機によるものなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。積層体に加圧する圧力は0.1MPa〜20MPaが好ましい。0.1MPa未満であると、ポリシロキサンゾルがフィルム型の表面凹凸形状に十分に充填されず、20MPaを超えると、型フィルムの凹凸形状が崩れたり、ガラス基板が破損されたりする可能性がある。また、加圧する際には、該積層体の支持フィルムと加圧プレートや加圧ロール等との間に緩衝材を用いることもできる。緩衝材を使用することによって空気等を噛み込むことなく精度よく凹凸層を作製できる。緩衝材としては、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソブチレンイソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどが使用できる。
このようにしてポリシロキサンゾルを固化せしめた後、前記型フィルムを剥離することにより本発明の凹凸基板が得られる。
本発明の凹凸基板における凹凸層は型フィルムを離型した後に、さらに高温で処理することにより、凹凸層を形成するポリシロキサンゾルがポリシロキサンゲルへと反応する割合が増し、耐久性が向上する。高温処理の加熱温度は100〜600℃が好ましく、150〜400℃がより好ましく、200〜300℃が最も好ましい。100℃未満で処理すると、十分に固化できない可能性がある。一方、600℃を超える温度で処理すると、凹凸形状が崩れたり、凹凸層にクラックが発生したりする可能性がある。また、高温硬化処理の前に、処理温度よりも低い温度でプレベークすることで熱による形状の崩れを防止することができる。
本発明の凹凸基板の凹凸層には透明導電膜を積層することもできる。透明導電膜の作製方法は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、ゾル−ゲル法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。透明導電膜の材料は、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウムカドミウム、酸化カドミウムスズ、酸化亜鉛スズ、酸化インジウム亜鉛等の導電性金属酸化物を挙げることができる。また、導電性金属酸化物に不純物をドープしてもよい。例えば、酸化インジウムに錫や、モリブデン、チタンをドープしたり、酸化スズにアンチモン、フッ素をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウムをドープしたりすることもできる。
本発明の凹凸基板の用途としては、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子や太陽電池が挙げられる。太陽電池用透明導電膜は高い透明性、高い導電性、太陽光を有効利用するための表面凹凸形状を有することが好ましいとされている。ここでいう太陽光の有効利用とは、結晶シリコンは間接遷移型半導体でありバンドギャップ領域において光吸収係数が小さいために、光吸収が少なくなる透過ロスを減らす手段のことである。具体的には光吸収係数が小さい波長領域で光電変換層の中を光が伝播する光路長を延ばすこと、多層積層体である太陽電池の屈折率界面で反射されて光電変換層まで到達しない光量を減らすことによる光吸収量増加効果のことである。
ここで本発明の凹凸基板の、ドーム状突起および/またはボウル状窪みは50〜1800nmの平均サイズを有するため、凹凸基板の凹凸形成面に導電性金属酸化物薄膜を厚み100nm〜1000nmの範囲で積層した導電性凹凸基板表面は、光路長を延ばす光散乱性と反射ロスを減らす低反射性を合わせ持つため好適に太陽電池用透明導電膜に好ましく用いることができる。
導電性金属酸化物薄膜の材料は、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウムカドミウム、酸化カドミウムスズ、酸化亜鉛スズ、酸化インジウム亜鉛などを挙げることができる。また、導電性金属酸化物に不純物をドープしてもよい。たとえば、酸化インジウムに錫、モリブデン、チタンをドープしたり、酸化スズにアンチモン、フッ素をドープしたり、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウムをドープしたりすることができる。特に、次工程の光電変換層形成において導電性金属酸化物が水素プラズマに曝されて還元され透明性を損なわない観点で、酸化錫にフッ素をドープしたものと、酸化亜鉛にガリウムまたはアルミニウムをドープした還元雰囲気に強い材料が好ましい。
導電性金属酸化物薄膜の厚みは100nm〜1000nmの範囲が好ましく、更に好ましくは300nm〜800nmである。100nmより薄いと比抵抗が大きくなり太陽電池の効率を損ない、1000nmより厚いとガラス基板上に形成した凹凸層形状による導電性金属酸化物薄膜の表面形状の制御が良く発揮されず、光散乱性と低反射性を損ないやすくなる。
好適に用いることができる太陽電池の光電変換層を構成する材料は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン等による結晶シリコン系太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物シリコン太陽電池が挙げられる。また、太陽電池の光電変換層の積層数は特に限定されず、複数の異なるバンドギャップを持つ光電変換層を積み重ねたタンデム構造でも構わない。さらに、導電性凹凸基板が太陽電池で使われる位置は特に限定されず、上部電極側に用いるスーパーストレート型太陽電池でも、下部電極側に用いるサブストレート型太陽電池でも構わない。
また、導電性凹凸基板の用途は特に太陽電池に限定されることはなく、各種の導電性基板に用いることが可能であることは言うまでもない。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
(1)原子間力顕微鏡(AFM)による凹凸形状およびサイズの測定
原子間力顕微鏡を使用して下記条件で表面凹凸形状およびサイズを測定し、解析した。
システム:デジタルインスツルメンツ社製NanoScopeIIIa/MMAFM
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型 単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モード:タッピングモード
走査速度:0.3Hz
観察倍率:以下の通り
(1−1)ドーム状突起またはボウル状窪みのサイズ
2千倍、1万倍、5万倍、20万倍の各倍率で表面形状のデータを取得し、15cm四方の測定用の画像(倍率により取得面積は異なる)を準備し、2千倍ではサイズが2000nm以上10000nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みについて、1万倍ではサイズが500nm以上2000nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みについて、5万倍ではサイズが100nm以上500nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みについて、20万倍ではサイズが20nm以上100nm未満のドーム状突起またはボウル状窪みについて、サイズと数を測定し本文に説明した方法で平均サイズを算出した。
(1−2)ドーム状突起またはボウル状窪みの傾斜角
(1−1)で求めたドーム状突起またはボウル状窪みの平均サイズにより、(1−1)で用いた画像から測定に供する画像を次のように選択した。平均サイズが、2000nm以上10000nm未満の場合2千倍、500nm以上2000nm未満の場合1万倍、500nm以上2000nm未満の場合5万倍、100nm以上500nm未満の場合5万倍、20nm以上100nm未満の場合20万倍の画像を選択し、選択した画像の縦横を各4等分する線の交点上にある9つのドーム状突起またはボウル状窪みについてドーム状突起またはボウル状窪みの中心点を通るラインに沿った断面のデータをAFMにより得、各断面について頂点傾斜角と中間点傾斜角を測定し、それぞれの傾斜角の平均値を頂点傾斜角、中間点傾斜角とした。なお、上記交点がドーム状突起またはボウル状窪みを外れる場合には、交点に最も外縁が近接したドーム状突起またはボウル状窪みについて測定した。
(2)比抵抗の評価
JIS−K7194(1994)に準拠した4深針測定器(三菱化学製MCP−T610)にPSPプローブを取り付けて、抵抗率補正係数を4.438として、透明導電層の抵抗、抵抗率、比抵抗をサンプル毎に各3点計測した。
(3)太陽電池特性の評価
25℃の雰囲気中で、ソーラーシミュレーターによってAM1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を作り出し、これを各太陽電池サンプルに照射して、開放電圧、曲線因子、および短絡電流の3つの特性をサンプル毎に各3点測定した。
ここで短絡電流とは、抵抗値がゼロの時の電流値、すなわち太陽電池セル内での電荷の発生量である。そのため、この短絡電流値が大きくなれば、凹凸形状によって太陽電池セル内に効果的に光を閉じこめることができたといえる。
[実施例1]
支持フィルムの表面に樹脂凹凸形成層を有する型フィルムを用いて、以下に示す方法で凹凸基板を作製した。
まず、厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径200nmの日産化学工業株式会社製シリカ球状微粒子スラリーMEK−ST−2040を80質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.0μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起の凹凸形状を有するフィルムを得た。
次に、前記凹凸形状を有するフィルムの反転形状をもつ型フィルムを以下の方法で作製した。台紙に貼り付けた前記凹凸形状を有するフィルムの凹凸形状を有する表面に、DHM株式会社製の無溶剤型UV硬化アクリル樹脂XAFF701とXAFF713、およびチバ・ジャパン株式会社製IRGACURE184を50:50:5の比率で混合したものを滴下した。その上に東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”を支持フィルムとして被覆した状態でラミネーターを通すことにより加圧した。その後、支持フィルム面から1000mJ/cmの強度でUV照射した。照射後、支持フィルムを凹凸形状フィルムから剥離し、凹凸形状をもつアクリル樹脂層と支持フィルムからなる型フィルムを得た。型フィルム表面には離型剤としてダイキン化学工業株式会社製オプツールdsxをスピンコートして、離型処理を施した。
次に、得られた型フィルムを用いて凹凸基板を作製した。まず、厚さ1.1mmの低アルカリケイ酸塩ガラス基板に、平均粒径70nmのシリカ粒子(粒径分布60〜80nm)、メチルシロキサン、フェニルシロキサン、ジメチルシロキサンからなるポリシロキサンゾルをスピンコートで塗布した。ポリシロキサンゾルを塗布した後、150℃で5秒間加熱して乾燥しゲル化して、前記凹凸形状型フィルムの凹凸形状表面をポリシロキサンゲルに接合して型フィルム/ポリシロキサンゲル/ガラス基板から成る積層体とした。その後、更に積層体の型フィルムの、ポリシロキサンと反対側の面に緩衝材を重ねて、全体を80℃に加熱しながら、プレス機で10Mpaの圧力で加圧した後、型フィルムを離型して、凹凸層を作製した。得られた凹凸ガラス基板は120℃で5分間プレベークした後、220℃で1時間キュアすることによってビーズコートフィルムと同じ形状を有する凹凸基板を得た。得られた凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ450nm、頂点傾斜角21°、中間点傾斜角34°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は8個であった。
次に、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、ガラス基板の凹凸形成面上にアルミニウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を800nmの厚みで製膜して上部電極層を形成した。製膜時の基板温度は165℃とした。得られた透明導電膜付きガラス基板の比抵抗は、1.28E−03〔Ωcm〕であった。
次に、プラズマCVD装置を用いて、アルミニウムドープ酸化亜鉛透明導電膜上に、膜厚15nmのp型アモルファスシリコン層、膜厚400nmのi型アモルファスシリコン層、膜厚30nmのn型アモルファスシリコン層をこの順序で成膜し、p−i−n型の光電変換層を形成した。次に、スパッタ装置を用いて、膜厚100nmの酸化インジウム錫透明導電膜を成膜して下部透明電極を形成した。最後に、真空蒸着装置により、下部透明電極層の上に膜厚200nmの銀からなる金属電極を成膜して、下部透明電極と金属電極とからなる下部電極を形成して、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
[実施例2]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径300nmの日揮触媒化成株式会社製シリカ球状微粒子スラリーOSCALを80質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起の凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で型フィルムを作製し、凹凸基板を得た。得られた凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ581nm、頂点傾斜角22°、中間点傾斜角39°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は6個であった。
次に、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作成した。得られた透明導電膜付きガラス基板の比抵抗は、1.23E−03〔Ωcm〕であった。
[実施例3]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径800nmの綜研化学株式会社製架橋アクリル球状微粒子“ケミスノー(登録商標)”MX−80−H3wtを40質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起を有する凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で凹凸基板を得た。凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ1619nm、頂点傾斜角24°、中間点傾斜角40°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は5個であった。
次に、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.27E−03〔Ωcm〕であった。
[実施例4]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径300nmの日揮触媒化成株式会社製シリカ球状微粒子スラリーOSCALを80質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起の凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムから反転した型フィルムを作製することなく、そのまま型フィルムとして用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で凹凸基板を得た。凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ416nm、頂点傾斜角24°、中間点傾斜角46°のボウル状窪みの表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は4個であった。
次に、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.27E−03〔Ωcm〕であった。
[実施例5]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径800nmの綜研化学株式会社製架橋アクリル球状微粒子“ケミスノー(登録商標)”MX−80−H3wtを40質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起を有する凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムから反転した型フィルムを作製することなく、そのまま型フィルムとして用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で凹凸基板を得た。凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ724nm、頂点傾斜角25°、中間点傾斜角53°のボウル状窪みの表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は6個であった。
次に、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.27E−03〔Ωcm〕であった。
[実施例6]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、20質量部に対して、凹凸を形成する粒子として平均粒径300nmの日揮触媒化成株式会社製シリカ球状微粒子スラリーOSCALを80質量部混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥厚みが1.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起の凹凸形状を有するフィルムを得た。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起の凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で型フィルムを作製し、凹凸基板を得た。凹凸基板の表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ425nm、頂点傾斜角27°、中間点傾斜角41°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は11個であった。
次に、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.27E−03〔Ωcm〕であった。
[比較例1]
厚さ75μmの東レ株式会社製ポリエステルフィルム“ルミラー(登録商標)”タイプU34に、バインダー樹脂としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製SHC900、60質量部に対して、樹脂凹凸形成層を形成するために使用する粒子として平均粒径110nmの信越化学工業株式会社製X−24−9163Nシリカ球状微粒子スラリーを50質量部の割合で混合し、撹拌、分散させた塗剤を、乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗工した。塗工後、120℃で60秒間乾燥させることで、ポリエステルフィルム表面にドーム状突起を有する凹凸形状を有するフィルムを得た。前記凹凸形状を有するフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で凹凸基板を得た。得られた凹凸基板表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ377nm、頂点傾斜角17°、中間点傾斜角21°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は13個であった。
次に、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、ガラス基板の凹凸形成面上にアルミニウムドープ酸化亜鉛透明導電膜を800nmの厚みで製膜して上部電極層を形成した。製膜時の基板温度は165℃とした。得られた透明導電膜付きガラス基板の比抵抗は、1.28E−03〔Ωcm〕であった。
次に、プラズマCVD装置を用いて、アルミニウムドープ酸化亜鉛透明導電膜上に、膜厚15nmのp型アモルファスシリコン層、膜厚400nmのi型アモルファスシリコン層、膜厚30nmのn型アモルファスシリコン層をこの順序で成膜し、p−i−n型の光電変換層を形成した。最後に、真空蒸着装置により、n型アモルファスシリコン層の上に膜厚350nmの銀からなる金属電極を成膜して、「スーパーストレートタイプ」の太陽電池サンプルを作製した。
[比較例2]
平均サイズ3.0μm、ピッチ3.75μmの円状の凸型マイクロレンズアレイの反転形状型を準備し、この形状を賦形した以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.74E−03〔Ωcm〕であった。
[比較例3]
実施例3において、型フィルムをアスペクト比0.5、ピッチ2μm、頂点傾斜角45°のプリズム形状にした以外は、同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、凹凸基板の表面形状を(1)の方法で観察した結果、ピッチ2μm、頂点傾斜角40°、中間点傾斜角42°のプリズム形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものは存在しなかった。得られた凹凸基板を用いて実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は、1.25E−03〔Ωcm〕であった。
[比較例4]
基板表面の凹凸形状を作製するために、ガラス基板上に、平均粒径300nmの日揮触媒化成株式会社製シリカ球状微粒子スラリーOSCALを80質量部添加した、メチルシロキサン、フェニルシロキサン、ジメチルシロキサンからなるポリシロキサンゾルを、厚さ1.1mmの低アルカリケイ酸塩ガラス基板にスピンコートで塗布し、120℃で5分間プレベークした後、220℃で1時間キュアすることで、凹凸基板を得た。得られた凹凸基板表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ782nm、頂点傾斜角14°、中間点傾斜角18°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は17個であった。
また、得られた凹凸基板を用いて実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は、1.28E−03〔Ωcm〕であった。
[比較例5]
基板表面の凹凸層を作製するために、ガラス基板上に、平均粒径300nmの日揮触媒化成株式会社製シリカ球状微粒子スラリーOSCALを5質量部添加した、メチルシロキサン、フェニルシロキサン、ジメチルシロキサンからなるポリシロキサンゾルを、厚さ1.1mmの低アルカリケイ酸塩ガラス基板にスピンコートで塗布し、120℃で5分間プレベークした後、220℃で1時間キュアすることで、凹凸基板を得た。得られた凹凸基板表面を(1)の方法で観察した結果、平均サイズ426nm、頂点傾斜角24°、中間点傾斜角36°のドーム型凸状の表面凹凸形状が形成されていた。なお、極大値が負であるものと極小値が正であるものの合計個数は6個であった。
また、得られた凹凸基板を用いて実施例1と同様の方法で太陽電池サンプルを作製した。なお、透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は、1.24E−03〔Ωcm〕であった。
[比較例6]
表面に凹凸形状をもたないコーニング社製低アルカリガラス基板1737を用いた以外は、実施例1と同様にして太陽電池サンプルを作製した。透明導電膜付ガラス基板の比抵抗は1.23E−03〔Ωcm〕であった。
実施例1〜6および比較例1〜6で作製した太陽電池サンプルの特性測定実験を行った。太陽電池の特性を表1に示す。
実施例1〜6の太陽電池サンプルの短絡電流値は、比較例6の太陽電池サンプルと比較して大幅に大きくなり、平均サイズは50〜1800nmで、凹凸層は実質的に平均サイズが100nmを超える粒子を含まず、頂点傾斜角が20°以上60°未満、中間点傾斜角が30°以上70°未満、かつ頂点傾斜角と中間点傾斜角の差が10°以上の凹凸形状を作製することにより優れた光閉じ込めを示すことがわかる。
一方、比較例1の太陽電池サンプルは凹凸層表面のうねりが大きいため短絡電流値の増大は見られなかった。比較例2のマイクロレンズアレイ形状の太陽電池サンプルは、表面凹凸形状が平均サイズ3.0μmと十分に大きく、発電層であるアモルファスシリコン層の厚さに対して光が散乱しなかったため、短絡電流の増大を確認できなかった。比較例3のプリズム形状の太陽電池サンプルは表面凹凸形状の最大傾斜角が大きいため、太陽電池がショートする結果となった。比較例4の粒子添加サンプルは、凹凸層に含まれる粒子量が多く、粒子同士が凝集して大きな形状をなしたため、太陽電池がショートした。また、比較例5は粒子を塗布する際に気泡が入り込むため、ヘイズが高く、光透過性が低くなった。比較例5の凹凸基板で作製した太陽電池サンプルで短絡電流を測定すると、光散乱による光取り込み効率が悪いため、短絡電流値は非常に低い値を示した。
1:ガラス基板
2:凹凸層
3:頂点傾斜角
4:中間点傾斜角
5:ガラス表面と平行な、極小値(ドーム状突起の場合)または極大値(ボウル状窪みの場合)を通る直線
30:型フィルム/ポリシロキサンゲル/ガラス基板積層体
31:型フィルム
32:ポリシロキサンゲル

Claims (5)

  1. ガラス基板と、該ガラス基板上に粒子を含有する凹凸層を有する凹凸基板であって、
    該粒子は直径10〜100nmであり、該凹凸層は、表面が、複数のドーム状突起またはボウル状窪みが分布した凹凸形状を有し、前記ドーム状突起または前記ボウル状窪みの平均サイズが4161619nmで、頂点傾斜角が21°以上27°以下、中間点傾斜角が34°以上53°以下、かつ頂点傾斜角と中間点傾斜角との差が13°以上28°以下であることを特徴とする凹凸基板。
  2. 前記粒子を含有する凹凸層が、粒子を含有するポリシロキサンからなる請求項1の凹凸基板。
  3. 前記粒子がシリカ粒子である請求項1または2に記載の凹凸基板。
  4. 支持フィルム表面に、粒子とバインダー樹脂とからなる樹脂凹凸形成層を形成した表面凹凸フィルムを型フィルムとして、該型フィルムの凹凸面とガラス基板を対向させ、その間隙に粒子を含有するポリシロキサンゾルを挟んだ積層体を構成した上で全体を加熱および/または加圧してポリシロキサンゾルを固化せしめた後、前記型フィルムを剥離することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の凹凸基板の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の凹凸基板の凹凸形成面に、導電性金属酸化物薄膜を厚み100〜1000nmの範囲で積層した凹凸基板。
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