JP6013732B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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本発明の空気入りタイヤは、タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、前記トレッドの内部から前記トレッドの踏面に向かう所定の配設方向で設けられた空気入りタイヤであって、タイヤ回転軸を含む平面による断面(以下、「タイヤ幅方向断面」ともいう。)において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%以上60%未満の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβcとし、タイヤ幅方向断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%以上90%以下の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβsとしたときに、0≦βc<βsを満たし、前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、前記センター領域に位置する前記穴がD/L>0を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴がD/L<0を満たすことを特徴とする。
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、前記トレッドの内部から前記トレッドの踏面に向かう所定の配設方向で設けられた空気入りタイヤであって、タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%以上60%未満の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβ c とし、タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%以上90%以下の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβ s としたときに、0≦β c <β s を満たし、前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道側に位置する穴のD/Lの値が、タイヤ幅方向外側に位置する穴のD/Lの値よりも大きいことを特徴とする。
このように、本発明の空気入りタイヤは、トレッドの踏面において、タイヤ幅方向断面における穴の配設方向が、タイヤ幅方向の位置に従って、その穴の位置における踏面に立てた法線方向に対して所定の傾斜を有することを特徴とする。
上記構成とすれば、タイヤを一般的なネガティブキャンバーで用いた際、車両の装着方向内側部分となる踏面領域で、スパイクの先端が路面に対して直交する方向に近い向きとなる。従って、スパイクタイヤの制動性能を向上させることができる。また、旋回時に、装着方向外側部分となる踏面領域に荷重負荷がかかり、接地するようになった際、装着方向内側に向けた引っ掻き効果が生じるため、スパイクタイヤの旋回性能、すなわち操縦安定性を向上させることができる。
装着方向外側部分となる踏面領域では、旋回時のコーナリングフォースが大きくなるほど、接地領域がタイヤ幅方向外側まで及ぶ。そのため、上記構成とすれば、センター領域Rcよりもタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域Rsに位置する穴ほどβを大きくすることによって、コーナリングフォースの大きさに従って、装着方向内側に向けた引っ掻き効果を得ることができる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能、すなわち操縦安定性を更に向上させることができる。
なお、「トレッドの踏面」とは、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、静止した状態で平板に対し垂直に置き、所定の荷重に対応する負荷を加えたときの平板との接触面を指す。因みに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定の荷重」とは、JATMA等の規格のタイヤ最大負荷を指し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおける所定の荷重に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
なお、スパイクの打ち込みが可能な穴の「配設方向」とは、該穴のトレッド内部に位置する端から該穴の踏面への開口端に向かう方向を指すものとする。
更になお、「トレッド接地半幅」とは、トレッド接地幅の半分の値を指す。ここで、「トレッド接地幅」とは、トレッドの踏面のタイヤ軸方向最大直線距離を指す。上記トレッド接地半幅及びそれに対する所定割合の寸法は、上記平板との接触状態で測定するものとする。
また、本発明の空気入りタイヤは、前記センター領域に位置するタイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるβ c の方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるβ c と比較して小さく、前記ショルダー領域に位置するタイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるβ s の方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるβ s と比較して小さいことが好ましい。
上記構成とすれば、タイヤ幅方向外側部分に位置する穴ほどβを大きくすることによって、コーナリングフォースの大きさに従って、装着方向内側に向けた引っ掻き効果を得ることができる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能を更に向上させることができる。
空気入りタイヤのトレッドの踏面では、センター領域において、特に接地圧が高い。そして、タイヤを上記構成とすることにより、該タイヤが有する穴にスパイクを打ち込んでスパイクタイヤとし、適切な回転方向で用いたときに、スパイクの先端をタイヤ回転方向側に傾斜させることができる。従って、スパイクが備えるピンの引っ掻き効果を高めることができる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能を向上させることができる。
なお、「タイヤ回転方向」とは、正転方向を指す。
ショルダー領域では、径差により、タイヤを装着した車両の進行方向とは逆向き(タイヤの回転方向)の摩擦力が生じる。従って、タイヤを上記構成とすることにより、該タイヤが有する穴にスパイクを打ち込んでスパイクタイヤとし、適切な回転方向で用いたときに、この摩擦力を更に高めることができる。また、この領域に設けられるスパイクの打ち込みが可能な穴の配設方向をタイヤ回転方向とは逆側に傾斜させることによって、ピンの引っ掻き効果を得ることができるため、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能を向上させることができる。
センター領域では、タイヤ赤道側部分において、タイヤ幅方向外側部分と比較して、特に接地圧が高く、また、タイヤ幅方向外側部分において、タイヤ赤道側部分と比較して、特に制動時に特に接地圧が高まる。そのため、上記構成とすれば、氷雪路面における駆動性能を更に向上させる効果を得つつ、氷雪路面における制動性能の低下を抑制する効果を得ることができる。
装着方向外側となるショルダー領域において、タイヤ赤道側部分は、制動時でなくとも接地する可能性が高く、また、タイヤ幅方向外側部分は、制動時でなければ接地する可能性が小さい。そのため、上記構成とすれば、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能の低下を抑制する効果を得つつ、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能を更に向上させる効果を得ることができる。
上記構成とすれば、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能、すなわち操縦安定性の向上という所望の効果を十分に得つつ、スパイク抜け性の高まりを抑制することができる。
図3に、本発明に従う空気入りタイヤのトレッドの踏面の一部を示す。本発明に従う空気入りタイヤは、両トレッド接地端TG間に位置するトレッドの踏面1に、スパイクの打ち込みが可能な穴5(図3では、51、52、53、54、55、56、57、58。以下、単に「穴」とも称する。)が設けられている。この穴5は、該穴のトレッド内部に位置する端から該穴の踏面への開口端に向かう方向に設けられている。
なお、トレッド接地端とは、トレッドの踏面のタイヤ幅方向端を指す。
因みに、図3では、w3<w6<w2<w7<w1<w5<w8<w4の関係を満たしている。
以下、本発明に従う空気入りタイヤの構成について、図面を参照して詳細に説明する。
同じくセンター領域Rcに位置する穴53、56、57の配設方向についても同様であり、βc3、βc6、βc7≧0°となる。
同じくショルダー領域Rsに位置する穴51、55、58の配設方向についても同様であり、βs1、βs5、βs8>0°となる。
また、車両の旋回時には、空気入りタイヤのもう片側、すなわち装着方向外側となる踏面領域に荷重負荷がかかるため、この領域において、接地面積が増大し、又は接地圧が高まる。このとき、この領域に位置するスパイク63、64、67、68の先端が、旋回時には、装着方向内側に向けた引っ掻き効果を生じさせる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能、すなわち操縦安定性を向上させることができる。
(0°<)βc、βs<5°とすれば、0°とする場合と比較して実質上大きな差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、βc、βs>20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
同じくセンター領域Rcに位置する穴53、56、57の配設方向についても同様であり、αc3、αc6、αc7>0°となる。
(0°<)αc<5°とすれば、0°とする場合と比較して実質上大きな差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、αc>20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
同じくショルダー領域Rsに位置する穴51、55、58の配設方向についても同様であり、αs1、αs5、αs8<0°となる。
−5°<αs(<0°)とすれば、0°とする場合と比較して実質上大きな差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、αs<−20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
そして、このスパイクは、フランジからボディの一方の端面又はその近傍までがトレッド内部に埋設され、タイヤ表面からピンが突出するように、トレッドの踏面に形成した穴に打ち込まれる。また、ピンは、通常、スパイクの一方の端面から他方の端面に向けた方向に沿って、スパイクに圧入される。
またなお、図3では、周方向溝3は、トレッド周方向に沿って直線状に延在しているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、周方向溝は、トレッド周方向にジグザグ状、波状等をなして延びるものであってもよい。
更になお、図3では、陸部4の全て(図3では、陸部41、42、43、44、45、46、47、48の全て)に穴5(図3では、穴51、52、53、54、55、56、57,58)が設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、スパイクの打ち込みが可能な穴は、陸部の少なくとも一部に設けられていればよい。また、図3では、一つの陸部41、42、43、44、45、46、47、48にそれぞれ穴51、52、53、54、55、56、57、58が設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、一つの陸部に複数個のスパイクの打ち込みが可能な穴が設けられてもよい。
更になお、図3では、横溝2がトレッド接地端TG間に渡って設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、横溝2はトレッド接地端TG間を繋いでいなくてもよい。
また、−0.2>D/L及び/又はD/L>0.2とすると、打ち込まれるスパイクの周囲に生まれる非接地の踏面領域と、横溝の存在により非接地となる踏面領域とが近接して位置するようになるため、両非接地領域が一体化する可能性が高くなる。従って、接地面積の減少を招き、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能や制動性能を低下させる虞が高まる。
この場合、センター領域Rcでは、タイヤ幅方向外側部分と比較して、タイヤ赤道側部分に位置する穴の方が、D/L>0を満たすD/Lの絶対値が大きく、また、ショルダー領域Rsでは、タイヤ赤道側部分と比較して、タイヤ幅方向外側部分に位置する穴の方が、D/L<0を満たすD/Lの絶対値が大きい。
また、ショルダー領域において、径差により生じる進行方向とは逆向きの摩擦力は、ショルダー領域の中でもタイヤ赤道側部分と比較して、タイヤ幅方向外側部分の方が大きい。
また、径差による摩擦力が大きいタイヤ幅方向外側部分に位置するスパイクのD/Lの値がより小さくなり、すなわち、この穴の位置がより回転方向とは逆側に位置するようになる。そのため、ショルダー領域において、駆動性能の低下を抑制する効果を得つつ、制動性能を向上させる効果を更に高めることができる。
されるものではない。
なお、実施例1〜9は、参考例として記載するものである。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いて、下記の走行性能評価を行った。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いて、実施例1と同様に下記の走行性能評価を行った。
空気入りタイヤ(195/65R15)を、JATMA規格に定める適用リム(6.5×15インチ)に装着して、空気入りタイヤを作製した。そして、上記空気入りタイヤを、内圧230kPa、荷重0.4tの条件下、車両に装着し、以下(1)〜(4)に示す試験を行い、空気入りタイヤの走行性能を評価した。
氷路面のコース上において、テストドライバーが、様々な走行を行い、フィーリング評価を行った。複数のドライバーによるフィーリング評価の評点の平均値を算出することにより、スパイクタイヤの氷路面における操縦安定性を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が大きいほど氷路面における操縦安定性が高いことを示す。
(2)制動性能試験
氷路面のコース上において、テストドライバーが、車両を初速度20km/時から急制動させた。そして、車両が静止状態になるまでの制動距離を測定し、該制動距離からスパイクタイヤの氷上制動性能を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほど氷路面における制動性能が高いことを示す。
(3)駆動性能試験
氷路面のコース上において、テストドライバーが、車両を停止状態から急発進させた。そして、車両の速度が20km/時に到達するまでの所要時間を計測し、該所要時間からスパイクタイヤの氷上駆動性能を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほど氷路面における駆動性能が高いことを示す。
(4)スパイク抜け性試験
氷路面主体のコース上において、テストドライバーが、車両を10,000km走行させた。そして、走行後に脱落したスパイクの本数を計測し、該脱落したスパイクの本数(A)の当初のスパイクの本数(B)に対する割合(A/B)を算出して、スパイクタイヤのスパイク抜け性を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほどスパイク抜け性が良好であることを示す。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いた以外は、実施例1と同様に上記の走行性能評価を行った。
2 横溝
3 周方向溝
4、41、42、43、44、45、46、47、48 陸部
5、51、52、53、54、55、56、57、58 スパイクの打ち込みが可能な穴(穴)
6、61、62、63、64、65、66、67、68 スパイク
CL タイヤ赤道
D、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8 陸部中心から穴の中心までのトレッド周方向距離
F、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7、F8 回転方向側の端
K、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8 回転方向とは逆側の端
L、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8 陸部のトレッド周方向長さ
LL、LL2 トレッド周方向仮想線
M、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8 陸部のトレッド周方向中心
O、O1、O2、O3、O4、O5、O6、O7、O8 穴の中心
Rc センター領域
Rs ショルダー領域
TG トレッド接地端
TGw トレッド接地幅
TGv トレッド接地半幅
V、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8 法線
w、w1、w2、w3、w4、w5、w6、w7、w8 穴のタイヤ赤道からのタイヤ幅方向距離
α、αs、αc、αs1、αc2、αc3、αs4、αs5、αc6、αc7、αs8 タイヤ軸直方向断面における穴の配設角度
β、βs、βc、βs1、βc2、βc3、βs4、βs5、βc6、βc7、βs8 タイヤ幅方向断面における穴の配設角度
Claims (8)
- タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、前記トレッドの内部から前記トレッドの踏面に向かう所定の配設方向で設けられた空気入りタイヤであって、
タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%以上60%未満の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβcとし、
タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%以上90%以下の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβsとしたときに、
0≦βc<βs
を満たし、
前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、前記センター領域に位置する前記穴がD/L>0を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴がD/L<0を満たすことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、前記トレッドの内部から前記トレッドの踏面に向かう所定の配設方向で設けられた空気入りタイヤであって、
タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%以上60%未満の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβcとし、
タイヤ回転軸を含む平面による断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%以上90%以下の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ幅方向外側に向けた角度を正の角度としてβsとしたときに、
0≦βc<βs
を満たし、
前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道側に位置する穴のD/Lの値が、タイヤ幅方向外側に位置する穴のD/Lの値よりも大きいことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記センター領域に位置する前記穴が、0.05≦D/L≦0.2を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴が、−0.2≦D/L≦−0.05を満たす、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記穴の中心から前記陸部端までの長さL/2−|D|が、10mm〜20mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記センター領域に位置するタイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるβcの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるβcと比較して小さく、
前記ショルダー領域に位置するタイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるβsの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるβsと比較して小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - タイヤ回転軸に直交する平面による断面において、前記センター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαcとしたときに、
αc>0
を満たすことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - タイヤ回転軸に直交する平面による断面において、前記ショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαsとしたときに、
αs<0
を満たすことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの前記穴に、スパイクを有することを特徴とするスパイクタイヤ。
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