JP2018095081A - スタッドピン、および空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】トレッド面のショルダー領域から抜け落ち難いスタッドピンを提供する。【解決手段】スタッドピンは、路面と接触する先端部と、先端部を支持する基部と、を有している。基部は、一方向に延び、先端部を支持する一方の端と、先端部と反対側に位置する他方の端とを両端に有している。一方の端は、先端部が飛び出す端面であって、一方向と直交する第1の平面に対して傾斜した第1の端面を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、スタッドピン、およびスタッドピンを備える空気入りタイヤに関する。
スタッドタイヤは、トレッド部にスタッドピンが装着され、氷雪路面においてグリップが得られるようになっている。
一般に、スタッドピンは、トレッド部に設けられた取付孔に埋め込まれる。取付孔にスタッドピンを埋め込むとき、孔径を拡張した状態の取付孔にスタッドピンを挿入することで、スタッドピンは取付孔にきつく埋め込まれ、タイヤ転動中に路面から受ける外力によるスタッドピンの抜け落ちを防いでいる。
スタッドピンは、基部と、基部の一端面から飛び出す先端部と、を備える。基部は、先端部がトレッド面から突出するように取付孔に嵌め込まれる。スタッドタイヤでは、転動時に路面に接触した先端部が氷雪を引っ掻くことによって、氷雪路面での制動性、駆動性等の走行性能が確保される。
従来のスタッドタイヤとして、ボディの端面から突出する先端部の端縁を通ってボディの外形線に接する仮想線が、ボディの軸線と45度未満の角度をなして交差するスタッドピンを打ち込んでなるタイヤが知られている(特許文献1参照)。特許文献1のタイヤによれば、ボディの端縁の近傍が早期に摩耗するのを抑制して、タイヤからスタッドピンが早期に脱落するのを抑制することができる、とされている。
特開2013−23111号公報
タイヤのトレッド面は、一般に、タイヤセンターラインからタイヤ幅方向外側に進むに連れてタイヤ径方向の内側に落ち込むように延在している。また、スタッドタイヤのトレッドゴムは、サマータイヤと比べ厚みが大きく、タイヤ幅方向外側の領域(ショルダー領域)において摩耗しやすい。このため、スタッドタイヤにおいて、ショルダー領域の摩耗が進行すると、トレッド面の落ち込みがさらに大きくなり、スタッドピンの基部がトレッド面から露出する場合がある。基部が露出した状態でスタッドピンが路面に接触すると、スタッドピンが傾くことで、露出した基部が路面と接触し、抜け落ちやすくなる。特許文献1のスタッドピンでは、ボディの外周側面にテーパー部が形成され、先端部の側にかけて先細りになっているため、取付孔の側壁によるボディの締め付けが十分でない。このため、スタッドピンが路面と接触したときに大きく傾き、露出した基部が路面と接触し、スタッドピンが抜け落ちやすい。
また、胴体部が路面と接触すると、先端部の路面との接触が阻害され、氷雪路面での走行性能が低下する場合がある。また、胴体部が路面と接触すると、削られた基部の一部が粉塵となって、周辺環境を汚染することが懸念される。
そこで、本発明は、トレッド面のショルダー領域から抜け落ち難いスタッドピンを提供することを目的とする。また、本発明は、トレッド面のショルダー領域に配置されたスタッドピンの抜け落ちを抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、スタッドピンであって、
路面と接触する先端部と、
前記先端部を支持する基部と、を有し、
前記基部は、一方向に延び、前記先端部を支持する一方の端と、前記先端部と反対側に位置する他方の端とを両端に有し、
前記一方の端は、前記先端部が飛び出す端面であって、前記一方向と直交する第1の平面に対して傾斜した第1の端面を有していることを特徴とする。
前記先端部の先端は、前記第1の平面に対して傾斜した第2の端面を有し、
前記基部は、前記他方の端において前記一方向と直交するフランジ状の底部を有し、
前記第2の端面において前記底部から最も離れた位置から前記底部に最も接近した位置に向かう傾斜方向と、前記1の端面において前記底部から最も離れた位置から前記底部に最も接近した位置に向かう傾斜方向とは、前記一方向と平行な前記スタッドピンの軸線を基準として同じ側を向いていることが好ましい。
前記第1の端面は、前記第1の平面に対して2〜15度傾斜していることが好ましい。
前記基部は、前記一方向と平行な前記スタッドピンの軸線との距離が、前記スタッドピンの延在方向に沿って一定である外周側面を有し、
前記外周側面は前記第1の端面と接していることが好ましい。
本発明の別の一態様は、前記スタッドピンと、前記スタッドピンが取り付けられる取付孔が設けられたトレッド部と、を備える空気入りタイヤであって、
前記トレッド部の表面は、タイヤセンターラインからタイヤ幅方向の外側に向かうに連れて、タイヤ径方向の外側からタイヤ幅方向の外側を向くように傾斜しており、
前記スタッドピンは、前記トレッド部の接地領域のタイヤ幅方向の接地端と、タイヤセンターラインとの間の領域をタイヤ幅方向に二等分した領域のうち、前記接地端を含む第1の領域の前記取付孔に取り付けられ、
前記基部は、前記他方の端において前記一方向と直交するフランジ状の底部を有し、
前記第1の端面は、タイヤ幅方向の外側に向かうに連れて前記底部に接近するように傾斜していることを特徴とする。
タイヤ径方向に沿って切断したタイヤ断面において、前記第1の端面が傾斜する方向と、当該第1の端面を有する前記スタッドピンが取り付けられた位置におけるトレッド表面の接線とのなす角度は2〜15度であることが好ましい。
本発明のスタッドピンは、トレッド面のショルダー領域から抜け落ち難い。また、本発明の空気入りタイヤによれば、氷上性能の低下を抑えつつ、トレッド面のショルダー領域に配置されたスタッドピンの抜け落ちを抑制することができる。
本実施形態の空気入りタイヤの断面を示すタイヤ断面図である。 スタッドピンの外観斜視図である。 スタッドピンの側面図である。 (a)〜(c)は、従来のスタッドピンの作用を示す図である。 (a)〜(c)は、スタッドピンの作用を説明する図である。 スタッドピンの変形例を示す図である。 本実施形態の空気入りタイヤをスタッドピンに注目して示す拡大断面図である。
以下、本発明の空気入りタイヤおよびスタッドピンを詳細に説明する。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)10の、タイヤ径方向に沿って切断した断面を示すタイヤ断面図である。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で説明するタイヤ周方向とは、タイヤ回転軸線を中心にタイヤ10を回転させたとき、トレッド面の回転する方向(両回転方向)をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸線に対して直交して延びる放射方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸線からタイヤ径方向に離れる側をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸線に向かってタイヤ径方向に近づく側をいう。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸線の方向に平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ10のタイヤセンターラインCLから離れる両側をいう。タイヤ幅方向内側とは、タイヤ10のタイヤセンターラインCLに向かってタイヤ幅方向に近づく側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、一対のビードコア11と、カーカスプライ層12と、ベルト層14とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
一対のビードコア11は円環状であり、タイヤ幅方向の両端部であって、タイヤ径方向内側端部に配置されている。
カーカスプライ層12は、有機繊維をゴムで被覆した1又は複数のカーカスプライ材12a、12bからなる。カーカスプライ材12a、12bは、トロイダル形状をなすよう一対のビードコア11の間に巻き回されている。
ベルト層14は複数のベルト材14a、14bからなり、カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側にタイヤ周方向に巻き回されている。タイヤ径方向内側のベルト材14aのタイヤ幅方向の幅は、タイヤ径方向外側のベルト材14bの幅に比べて広い。
ベルト材14a、14bは、スチールコードにゴムを被覆した部材である。ベルト材14aのスチールコード、および、ベルト材14bのスチールコードは、タイヤ周方向に対して所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配置されている。ベルト材14aのスチールコードと、ベルト材14bのスチールコードとは、タイヤ周方向に対して互いに逆方向に傾斜し、互いに交錯する。ベルト層14は充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられる。トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されている。トレッドゴム部材18は、タイヤ径方向外側に設けられる上層トレッドゴム部材18aと、タイヤ径方向内側に設けられる下層トレッドゴム部材18bとの2層のゴム部材からなる。上層トレッドゴム部材18aには、周方向溝、ラグ溝や、スタッドピンの取付孔40が設けられる。取付孔40は、上層トレッドゴム部材18aの表面(トレッド面)のうち、接地端E1,E2の間の領域である接地領域に設けられている。
接地端E1,E2は、タイヤ10を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、正規荷重の88%を負荷荷重とした条件において水平面に接地させたときの接地面のタイヤ幅方向の両端である。正規リムとは、JATMAに規定される「測定リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
接地領域には、接地端E1,E2とタイヤセンターラインCLとの間の半トレッド領域のそれぞれをタイヤ幅方向に二等分したショルダー領域Sh(第1の領域)およびセンター領域Ce(第2の領域)が含まれる。取付孔40は、ショルダー領域Shおよびセンター領域Ceに形成され、トレッド面の法線方向に沿って延びるよう形成されている。図1には、代表してショルダー領域Shの取付孔40が示されている。なお、図1において、スタッドピンの図示は省略されている。
トレッド面は、タイヤセンターラインCLからタイヤ幅方向外側に向かうに連れて、タイヤ径方向外側からタイヤ幅方向外側を向くように傾斜している。つまり、トレッド面は、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて、タイヤ幅方向に対する傾斜角度が徐々に大きくなっている。タイヤ断面において、トレッド面上の、タイヤセンターラインCLと、接地端E1,E2のそれぞれとを結ぶ直線のタイヤ幅方向に対する傾斜角度(落ち角)は、例えば5〜10度である。
サイドゴム部材20のタイヤ幅方向外側の面には、タイヤの回転方向、サイズ、型番、標章、製造国等の情報を表示する領域が設けられている。
サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられる。リムクッションゴム部材24はタイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア11のタイヤ径方向外側には、ビードコア11の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側面を覆うベルトカバー層28を備える。ベルトカバー層28は、有機繊維と、この有機繊維を被覆するゴムとからなる。
(スタッドピン)
次に、本実施形態のスタッドピンについて説明する。
図2は、スタッドピンの外観斜視図である。図3は、スタッドピンの側面図である。
本実施形態のスタッドピン50は、ショルダー領域Shの取付孔40に取り付けられる。
スタッドピン50は、基部53と、先端部60と、を主に有する。
基部53は、装着される空気入りタイヤの取付孔40内に埋設される。基部53は、取付孔40を構成するトレッドゴム部材18と接触していることが好ましい。基部53は、取付孔40の孔径より大きい径を有しており、基部53が取付孔40の側面(内壁面)によってトレッドゴム部材18に押圧されることによりスタッドピン50がトレッド部に固定される。スタッドピン50は、基部53及び先端部60が、方向Xに沿ってこの順に形成されている。なお、方向Xは、先端部60に向けて延びる基部53の延在方向であり、スタッドピン50の軸線C(図3参照)が延びる方向と平行である。
基部53は、底部54と、シャンク部56と、胴体部58と、を有し、底部54、シャンク部56、および胴体部58が、方向Xに沿ってこの順に形成されている。胴体部58は、基部53の方向X側の端(一方の端)をなし、底部54は、基部53の方向Xと反対側の端(他方の端)をなす。
底部54は、方向Xと直交するフランジ状であり、路面から受ける力によりスタッドピン50が取付孔40内で回転することを防止する機能を有している。
シャンク部56は、胴体部58と底部54とを接続する部分である。シャンク部56は、図2に示す例において、胴体部58の外周側面から底部54の上面(図2において上方を向く端面)にかけて、湾曲しながら軸線Cに向かって延在する外周側面を有し、シャンク部56の径は底部54および胴体部58の最大外径よりも小さい。このため、シャンク部56は胴体部58および底部54の間に凹部を形成し、底部54および胴体部58がフランジ形状を成している。
胴体部58は、シャンク部56と先端部60との間に位置し、先端部60と接続されたフランジ状の部分である。胴体部58は、図3に示すように、タイヤ10に装着されるとき、上端面58a(第1の端面)を露出させた状態でトレッドゴム部材18内に埋設される。図3には、上端面58aをトレッド面と面一に露出させた状態で胴体部58が埋設された例が示されている。
先端部60は、上端面58aから柱状に飛び出すよう、基部53に支持されている。先端部60は、図3に示すように、トレッド部に装着された状態でトレッド面から突出し、路面と接触し、または氷を引っ掻く部分である。図3に示される例において、先端部60の先端(方向X側の端)は方向Xと直交する先端面60aを形成している。図2においては、先端部60は円柱状であるが、先端部60の形状は任意であり、例えば多角柱状であってもよい。
先端部60は、基部53と同じ金属材料で作られてもよく、異なる金属材料で作られてもよい。例えば、基部53および先端部60がアルミニウムで作られてもよい。また、基部53がアルミニウムで作られ、先端部60がタングステンで作られてもよい。基部53と先端部60とが異なる金属材料で作られている場合、例えば、先端部60を、胴体部58の上端面58aに形成された図示されない穴に打ち込んで嵌合させることにより、先端部60を基部53に固定することができる。
胴体部58の上記上端面58aは、方向Xと直交する第1の平面P(図3参照)に対して傾斜している。また、スタッドピン50が取付孔40に取り付けられた状態で、上端面58aは、タイヤ断面において、タイヤ幅方向の外側に向かうに連れて底部54に接近するように傾斜している。このため、スタッドピン50が路面と接触して倒れたときに胴体部58が露出し難く、路面と接触し難い。このため、スタッドピン50とトレッドゴム部材18の接触面積が確保され、スタッドピン50は抜け落ち難くなる。
ここで、図4及び図5を参照して、スタッドピン50の作用を説明する。
図4(a)〜図4(c)は、従来のスタッドピン150の作用を示す図である。図5(a)〜図5(c)は、スタッドピン50の作用を説明する図である。図4および図5において、傾斜したトレッド表面は、摩耗したショルダー領域Shを表している。図4および図5の上下方向は、タイヤ径方向である。
従来のスタッドピン150では、上端面158aは、スタッドピン150の軸線と直交している。このため、トレッド部の摩耗が進行してトレッド面の傾斜が急になる(傾斜角度が大きくなる)と、図4(a)に示すように、胴体部153の先端部160側の端部が露出する。この状態で、外力として、タイヤ幅方向内側に向かう横力Fを受けると、図4(b)に示すように、スタッドピン150は、先端部160が路面と接触することによって傾く。横力Fは、旋回時等にトレッド面が氷雪路面に対してタイヤ10の回転方向と交差する方向に滑った(横滑りした)場合に生じる。このような横力Fを受けて傾いたスタッドピン150は、胴体部153の先端部160側の端部(図4(c)において円で囲んだ部分)がさらに露出し、路面に接触しやすくなる。胴体部153が路面と接触すると、図4(c)に示すように、スタッドピン150はさらに傾き、スタッドピン150とトレッドゴム部材18との接触面積が減る。このため、スタッドピン150とトレッドゴム部材18との摩擦が小さくなり、露出した胴体部153が路面に接触したときに、スタッドピン150は抜け落ちやすくなる。
一方、本実施形態のスタッドピン50では、上端面58aは、第1の平面Pに対して傾斜し、タイヤ幅方向外側に向かうに連れて底部54に接近するよう傾斜している。このため、トレッド部の摩耗が進行しトレッド面の傾斜が急になっても、図5(a)に示すように、胴体部58の先端部60側の端部の露出は抑制される。この状態で、横力Fを受けると、図5(b)に示すように、スタッドピン50は、先端部60が路面と接触することで傾くが、上端面58aが第1の平面Pに対して傾斜していることで、胴体部58の先端部60側の端部がさらに露出することは抑制される。このため、胴体部58は路面と接触し難く、胴体部58が路面と接触してスタッドピン50がさらに傾くことは抑えられている。このため、スタッドピン150とトレッドゴム部材18との接触面積が確保され、スタッドピン50とトレッドゴム部材18との摩擦が大きく、スタッドピン50は抜け落ち難い。したがって、タイヤ10では、先端部60が氷雪を引っ掻く機能が確保され、使用開始時から長い距離を走行する間も氷雪路面での走行性能が確保される。
このようなスタッドピン50の作用は、トレッド面の傾斜が緩やかな(傾斜角度が小さい)新品のタイヤ10においても得られる。例えば、図4(a)に示すように、スタッドピン150の軸線が、取付孔の延在方向に対し傾斜している場合、タイヤが新品で、ショルダー領域の傾斜が緩やかな場合であっても、上端面が傾斜する方向と、トレッド面の接線とのなす角の大きさは小さい。このため、スタッドピン150が傾いたときに、スタッドピン150の軸線が取付孔の延在方向と一致している場合と比べて、胴体部が露出しやすい。本実施形態では、上端面58aは第1の平面Pに対して傾斜しているため、胴体部58の先端部60側の端部の露出は抑制される。スタッドピン50は、取付孔の延在方向に対して傾斜して(例えばタイヤ径方向に)打ち込まれる場合があるため、上端面58aが第1の平面Pに対して傾斜していることは有効である。
上端面58aは、第1の平面Pに対して2〜15度傾斜していることが好ましい。すなわち、図3に示す角αの大きさは、2〜15度であることが好ましい。2度未満では、スタッドピン50が横力を受けてスタッドピン50が傾いたときに、胴体部58の先端部60側の端部の露出を抑制できず、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。また、15度を超えていると、スタッドピン50とトレッドゴム部材18の接触面積が小さいため、スタッドピン50とトレッドゴム部材18との摩擦が小さく、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。角αの大きさは、好ましくは5〜10度である。
先端部60の先端(方向X側の端)は、第1の平面Pに対して傾斜した先端面60a(第2の端面。図6参照)を有し、先端面60aにおいて底部54から最も離れた位置S3から底部54に最も接近した位置S1に向かう傾斜方向D1と、上端面58aにおいて底部54から最も離れた位置S4から底部54に最も接近した位置S2に向かう傾斜方向D2とは、スタッドピン50の軸線Cを基準として同じ側を向いていることが好ましい。言い換えると、軸線Cの延在方向にスタッドピン50を上面視したとき、傾斜方向D1および傾斜方向D2は、軸線Cに対する方位、すなわち、軸線Cを通って延びる向きが等しいことが好ましい。図6は、スタッドピン50の変形例を示す図である。このような形態の先端面60aを有していることで、スタッドピン50が横力を受けて傾いたときの先端部60と路面との接触面積が大きくなる。このため、タイヤ10が氷雪路面に対して横滑りした場合に、先端部60が氷雪を十分に引っ掻くことができ、タイヤ10の氷雪路面での走行性能が向上する。また、先端部60が路面と面接触しやすく、先端部60が路面と面接触してスタッドピン50を支持することによって、スタッドピン50の傾きが大きくなることを抑制できる。
ここで、傾斜方向とは、先端面60aあるいは上端面58aが、第1の平面Pに対して傾斜する角度が最大となる向き、すなわち、最大傾斜角度に沿った向きをいう。また、上記した同じ側を向く2つの傾斜方向は、軸線Cを含む断面において、互いに平行であってもよく、交差してもよい。図6に示す例において、先端面60aの傾斜方向と、上端面58aの傾斜方向とは、互いに平行である。すなわち、先端面60aの第1の平面Pに対する傾斜角度は、上端面58aの第1の平面Pに対する傾斜角度と等しい。また、2つの傾斜方向が交差する場合、先端面60aの第1の平面Pに対する傾斜角度は、上端面58aの第1の平面Pに対する傾斜角度よりも小さいことが好ましい。
胴体部58は、軸線Cとの距離が方向Xに沿って一定である外周側面を有し、この外周側面は上端面58aと接していることが好ましい。このような形態の胴体部58には、トレッドゴム部材18の締め付け力が大きく作用するので、スタッドピン50が抜け落ち難い。軸線Cとの距離が方向Xに沿って一定である外周側面は、図2に示すような円筒形状を有する胴体部58の外周側面であってもよく、スタッドピン50の周方向に軸線Cとの距離が変化する形状(例えば、多角柱形状)を有する胴体部の外周側面であってもよい。なお、胴体部58の外周側面と、上端面58aとの間には、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できる範囲で、方向Xに対して傾斜した面取りが施されていてもよい。
タイヤ断面において、上端面58aが傾斜する方向Qと、この上端面58aを有するスタッドピン50が取り付けられた位置におけるトレッド表面の接線Rとのなす角βの大きさは2〜15度であることが好ましい。スタッドピン50が取り付けられた位置におけるトレッド表面の接線Rとは、図7に示すように、タイヤセンターラインCLに最も接近した上端面58a上の位置S3におけるトレッド面の接線をいう。図7は、本実施形態の空気入りタイヤをスタッドピン50に注目して示す拡大断面図である。図7に示す例において、スタッドピン50の軸線Cはタイヤ径方向に延びている。角βの大きさが上記範囲にあると、スタッドピン50は抜け落ち難い。特に、角βが2度以上であることで、トレッド面が摩耗してショルダー領域Shの落ち込みが大きくなっても、胴体部58の先端部60の端部が露出し難い。また、角βが15度以下であることで、スタッドピン50とトレッドゴム部材18の接触面積が確保される。角βの好ましい大きさは、5〜10度である。
角βの大きさが2度未満であると、上端面58aが傾斜する方向Qと、トレッド面の接線Rとの角度差が小さいため、スタッドピン50が横力を受けて傾いたときに胴体部58の先端部60側の端部が露出し、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。また、角βの大きさが2度未満であると、図示される先端部60のように、スタッドピン50の軸線が取付孔の延在方向に対して傾斜している場合に、胴体部58の先端部60側の端部が露出しやすく、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。
角βの大きさが15度を超えていると、スタッドピン50とトレッドゴム部材18の接触面積が小さいため、スタッドピン50とトレッドゴム部材18との摩擦が小さくなる。このため、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。また、角βの大きさが15度を超えていると、スタッドピン50の軸線が取付孔の延在方向に対して、図示される側と反対側(図7において時計回りの側)に傾斜している場合に、胴体部58の先端部60側の端部のうちタイヤセンターラインCL側の端部が露出しやすく、スタッドピン50の抜け落ちを抑制できない場合がある。
なお、タイヤ断面において上端面58aが傾斜する方向Qは、上述した上端面58aの傾斜方向と一致していなくてもよい。具体的に、上端面58aが傾斜する方向Qは、図7に示す例において、上端面58aの最大傾斜角度に沿った向きと一致しているが、この向きと一致していなくてもよい。言い換えると、上端面58aの最大傾斜角度に沿った向きは、タイヤ断面と交差していてもよい。
また、本実施形態において、上端面58aの傾斜方向と先端面60aの傾斜方向は、軸線Cを基準として互いに異なる側を向いていてもよい。すなわち、これら2つの傾斜方向は、軸線Cの延在方向にスタッドピン50を上面視したとき、軸線Cを通って延びる向きが互いに異なっていてもよい。
また、本実施形態において、胴体部58の上端面58aは、図示される例において平面であるが、曲面であってもよい。曲面は、路面との接触を防止する観点から、先端部60と反対側に凹んだ凹形状であることが好ましい。
センター領域Ceの取付孔40に取り付けられるスタッドピンは、例えば、上記説明したスタッドピン50と異なるスタッドピンであってもよく、上記説明したスタッドピン50であってもよい。スタッドピン50と異なるスタッドピンとして、例えば、胴体部58の上端面58aが第1の平面Pと平行であるスタッドピンを用いることができる。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、以下の実施例1〜6、および比較例のスタッドピンを、図1に示すタイヤ10と同様のタイヤのショルダー領域Shに取り付けた。なお、センター領域Ceには、スタッドピンを取り付けなかった。また、スタッドピンの軸線Cがタイヤ径方向と平行になるように、スタッドピンを取り付けた。トレッド面の落ち角は6°とした。タイヤのタイヤサイズは、205/55R16とした。
実施例1〜6のスタッドピンには、表1に示す点を除いて、上記実施形態および図2に示される形態のものを用いた。実施例4のスタッドピンには、図6に示される形態のものを用い、先端部の先端面の傾斜角を、胴体部の上端面の傾斜角と等しくした。
比較例のスタッドピンは、胴体部の上端面を第1の平面と平行な面としたほかは、実施例4以外の実施例と同様とした。
なお、表1において、「上端面の傾斜の有無」は、胴体部の上端面の第1の平面に対する傾斜の有無を意味する。「上端面の傾斜角αの大きさ」は、胴体部の上端面の第1の平面に対する傾斜角度を意味する。「先端面の傾斜の有無」は、先端部の先端面の第1の平面に対する傾斜の有無を意味する。
〔耐ピン抜け性能〕
トレッド部のショルダー領域Shに100本スタッドピンを打ち込んだタイヤを装着した車両(排気量2000ccの前輪駆動車)で乾燥路面(アスファルト路面およびコンクリート路面を含む)を10,000km走行させた。その後、トレッド部のショルダー領域Shに残存したスタッドピンの数を数えた。比較例のタイヤのショルダー領域Shに残存したスタッドピンの数を100としたときのタイヤのショルダー領域Shに残存したスタッドピンの数の相対値を耐ピン抜け性能の指数とした。結果を表1に示す。
〔氷上操縦安定性能〕
半径30mの氷上旋回路を5周したときのラップタイムを測定した。平均ラップタイムが速いほど、氷上操縦安定性能に優れることを示す。
Figure 2018095081
比較例と、実施例1〜6とを対比すると、スタッドピンの胴体部の上端面が第1の平面に対して傾斜していることで、タイヤに打ち込まれたスタッドピンが抜け落ちにくくなることがわかる。また、実施例2〜5と、実施例1、6を対比すると、上端面の傾斜角αが2°以上15°以下であることで(実施例2〜5)、スタッドピンがさらに抜け落ちにくいことがわかる。また、実施例3と、実施例4とを対比すると、先端部の先端面が第1の平面に対して傾斜していることで(実施例4)、スタッドピンがさらに抜け落ちにくいことがわかる。また、実施例4では、比較例および他の実施例と比べラップタイムが速く、氷上操縦安定性能に優れることがわかった。
以上、本発明のスタッドピンおよび空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
18 トレッドゴム部材
40 取付孔
50 スタッドピン
53 基部
54 底部
58 胴体部
58a 上端面(第1の端面)
60 先端部
60a 先端面(第2の端面)

Claims (6)

  1. 路面と接触する先端部と、
    前記先端部を支持する基部と、を有し、
    前記基部は、一方向に延び、前記先端部を支持する一方の端と、前記先端部と反対側に位置する他方の端とを両端に有し、
    前記一方の端は、前記先端部が飛び出す端面であって、前記一方向と直交する第1の平面に対して傾斜した第1の端面を有していることを特徴とするスタッドピン。
  2. 前記先端部の先端は、前記第1の平面に対して傾斜した第2の端面を有し、
    前記基部は、前記他方の端において前記一方向と直交するフランジ状の底部を有し、
    前記第2の端面において前記底部から最も離れた位置から前記底部に最も接近した位置に向かう傾斜方向と、前記1の端面において前記底部から最も離れた位置から前記底部に最も接近した位置に向かう傾斜方向とは、前記一方向と平行な前記スタッドピンの軸線を基準として同じ側を向いている、請求項1に記載のスタッドピン。
  3. 前記第1の端面は、前記第1の平面に対して2〜15度傾斜している、請求項1または2に記載のスタッドピン。
  4. 前記基部は、前記一方向と平行な前記スタッドピンの軸線との距離が、前記スタッドピンの延在方向に沿って一定である外周側面を有し、
    前記外周側面は前記第1の端面と接している、請求項1から3のいずれか1項に記載のスタッドピン。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のスタッドピンと、前記スタッドピンが取り付けられる取付孔が設けられたトレッド部と、を備える空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部の表面は、タイヤセンターラインからタイヤ幅方向の外側に向かうに連れて、タイヤ径方向の外側からタイヤ幅方向の外側を向くように傾斜しており、
    前記スタッドピンは、前記トレッド部の接地領域のタイヤ幅方向の接地端と、タイヤセンターラインとの間の領域をタイヤ幅方向に二等分した領域のうち、前記接地端を含む第1の領域の前記取付孔に取り付けられ、
    前記基部は、前記他方の端において前記一方向と直交するフランジ状の底部を有し、
    前記第1の端面は、タイヤ幅方向の外側に向かうに連れて前記底部に接近するように傾斜していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. タイヤ径方向に沿って切断したタイヤ断面において、前記第1の端面が傾斜する方向と、当該第1の端面を有する前記スタッドピンが取り付けられた位置におけるトレッド表面の接線とのなす角度は2〜15度である、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023094922A1 (en) * 2021-11-26 2023-06-01 Pirelli Tyre S.P.A. Stud and studded tyre for vehicle wheels
WO2023094920A1 (en) * 2021-11-26 2023-06-01 Pirelli Tyre S.P.A. Stud and studded tyre for vehicle wheels

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