JP7243213B2 - スタッドピン、及びスタッドタイヤ - Google Patents

スタッドピン、及びスタッドタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP7243213B2
JP7243213B2 JP2019009152A JP2019009152A JP7243213B2 JP 7243213 B2 JP7243213 B2 JP 7243213B2 JP 2019009152 A JP2019009152 A JP 2019009152A JP 2019009152 A JP2019009152 A JP 2019009152A JP 7243213 B2 JP7243213 B2 JP 7243213B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stud pin
protrusion
central axis
body portion
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019009152A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020117041A (ja
Inventor
崇司 木出嵜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2019009152A priority Critical patent/JP7243213B2/ja
Publication of JP2020117041A publication Critical patent/JP2020117041A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7243213B2 publication Critical patent/JP7243213B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤのスタッドピン取付用孔に装着されるスタッドピン、及びスタッドタイヤに関する。
従来、氷雪路用タイヤでは、タイヤのトレッド部にスタッドピンが装着され、氷上路面においてグリップが得られるようになっている。
一般に、スタッドピンは、トレッド部に設けられた取付孔に埋め込まれる。取付孔にスタッドピンを埋め込むとき、孔径を拡張した状態の取付孔にスタッドピンを挿入することで、スタッドピンが取付孔にきつく埋め込まれ、タイヤ転動中に路面から受ける制駆動力や横力によるスタッドピンの取付孔からの抜け落ちを防いでいる。
スタッドピンは、埋設基部と、埋設基部の一端面より突出する先端部とを備える。埋設基部はタイヤのトレッド面に形成された取付孔に、先端部がトレッド面から突出するように嵌め込まれる。
従来、スタッドピン取付用孔から抜け落ちにくいスタッドピンとして、例えば、特許文献1に記載されたスタッドピンが知られている。特許文献1のスタッドピンにおいて、埋設基部は、先端部側の端に設けられる胴体部と、先端部と反対側の端に設けられるフランジ状の底部と、を備える。胴体部には、スタッドピン取付用孔の側面と接触する外周側面に、周方向に沿って延在する1又は複数の溝が設けられている。
特開2017-128149号公報
スタッドピンの抜け落ち難さは、より一層高いものであることが求められている。この点で、特許文献1のスタッドピンの抜け落ち難さは、十分ではない。
そこで、本発明は、従来と比べ、スタッドピン取付用孔から抜け落ちにくいスタッドピンおよびスタッドタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤのトレッド部のスタッドピン取付用孔に装着されるスタッドピンである。
当該スタッドピンは、
一方向に延在し、前記トレッド部内に埋設される埋設基部と、
前記埋設基部の一方の端面から突出し、路面と接触する先端部と、
を有し、
前記埋設基部は、
前記先端部側に位置する胴体部と、
前記先端部と反対側に位置するフランジ状の底部と、
前記底部と前記胴体部とを接続するシャンク部と、
を備え、
前記一方向に前記埋設基部を見たとき、前記シャンク部は、前記底部及び前記胴体部の断面形状の輪郭の内側に位置し、
前記埋設基部は、前記一方向と平行な中心軸を有し、
前記スタッドピン取付用孔の側面と接触する前記胴体部の外周側面には、前記外周側面の周を一周する凹部が形成され、前記凹部を境として両側に位置する前記外周側面の領域のそれぞれには、前記外周側面が前記中心軸から離れるよう突出した凸部が形成され、
前記凸部のうち、前記先端部側に形成された第1の凸部は、前記底部側に形成された第2の凸部よりも前記中心軸からの突出高さが高く、
前記中心軸から最も離れた前記第2の凸部の端は、前記スタッドピン取付用孔の前記側面と接触する前記底部の外周側面よりも、前記中心軸に接近して位置
前記中心軸から最も離れた前記第1の凸部の端は、前記底部の外周側面よりも、前記中心軸から離れて位置している、ことを特徴とする。
前記第2の凸部の前記突出高さに対する前記第1の凸部の前記突出高さの比は、1.1~2.0であることが好ましい。
前記中心軸と直交する方向に沿った、前記凹部の凹み深さが最大となる最大深さ位置と前記中心軸との距離Bに対する、前記第1の凸部の前記突出高さが最大となる最大高さ位置と前記中心軸との距離Aの比A/Bは、1.3~2.0であることが好ましい。
前記第1の凸部は、
前記胴体部の前記先端部側の端に、前記突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、
前記胴体部の外周側面上を当該最大高さ位置から前記底部側へ向かうに連れて前記中心軸に近づくよう前記一方向に対して傾斜した第1傾斜面を備えることが好ましい。
前記第2の凸部は、
前記胴体部の前記底部側の端に、前記突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、
前記胴体部の外周側面上を当該最大高さ位置から前記先端部側へ向かうに連れて前記中心軸に近づくよう前記一方向に対して傾斜した第2傾斜面を備えることが好ましい。
本発明の別の一態様は、スタッドタイヤであり、
当該スタッドタイヤは、
トレッド部にスタッドピン取付用孔を有する空気入りタイヤと、前記スタッドピンと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来と比べ、スタッドピン取付用孔からのスタッドピンの抜け落ちを抑制することができる。
空気入りタイヤの断面を示すタイヤ断面図である。 スタッドピン50の外観斜視図である。 取付孔40に装着されたスタッドピン50の側面図である。 スタッドピン50の動きを説明する図である。 スタッドピン50の形態を説明する図である。 スタッドピン50の形態を説明する図である。 スタッドピンの変形例を示す外観斜視図である。 図7のスタッドピン50の形態を説明する図である。 (a)から(c)は、スタッドピンの他の変形例を説明する図である。 スタッドピンの他の変形例を説明する図である。 スタッドピンの他の変形例を説明する図である。 スタッドピンの他の変形例を説明する図である。
以下、本実施形態のスタッドピン及びスタッドタイヤを詳細に説明する。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
(タイヤの全体説明)
以下、本実施形態のスタッドタイヤについて説明する。図1は、本実施形態のスタッドタイヤ(以降、タイヤという)10の断面を示すタイヤ断面図である。
タイヤ10は、例えば、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で説明するタイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心にタイヤ10を回転させたとき、トレッド面の回転する方向(両回転方向)をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に対して直交して延びる放射方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸からタイヤ径方向に離れる側をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に向かってタイヤ径方向に近づく側をいう。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸の方向に平行な方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ10のタイヤセンターラインCLから離れる両側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、一対のビードコア11と、カーカスプライ層12と、ベルト層14とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
一対のビードコア11は円環状であり、タイヤ幅方向の両端部であって、タイヤ径方向内側端部に配置されている。
カーカスプライ層12は、有機繊維をゴムで被覆した1又は複数のカーカスプライ材12a、12bからなる。カーカスプライ材12a、12bは、トロイダル形状をなすよう一対のビードコア11の間に巻き回されている。
ベルト層14は複数のベルト材14a、14bからなり、カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側にタイヤ周方向に巻き回されている。タイヤ径方向内側のベルト材14aのタイヤ幅方向の幅は、タイヤ径方向外側のベルト材14bの幅に比べて広い。
ベルト材14a、14bは、スチールコードにゴムを被覆した部材である。ベルト材14aのスチールコード、および、ベルト材14bのスチールコードは、タイヤ周方向に対して所定の角度、例えば20~30度傾斜して配置されている。ベルト材14aのスチールコードと、ベルト材14bのスチールコードとは、タイヤ周方向に対して互いに逆方向に傾斜し、互いに交錯する。ベルト層14は充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられる。トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されている。トレッドゴム部材18は、タイヤ径方向外側に設けられる上層トレッドゴム部材18aと、タイヤ径方向内側に設けられる下層トレッドゴム部材18bとの2層のゴム部材からなる。上層トレッドゴム部材18aには、周方向溝、ラグ溝や、スタッドピンの取付孔40が設けられる。取付孔40は、上層トレッドゴム部材18aの表面(トレッド面)のうち、接地端E1,E2の間の領域(図1中、Wで示すタイヤ幅方向領域)である接地領域に設けられている。取付孔40は、トレッド面の法線方向に沿って延びるよう形成されている。図1において、スタッドピンの図示は省略されているが、タイヤ10の取付孔40には、スタッドピン50が装着されている。
接地端E1,E2は、タイヤ10を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、正規荷重の88%を負荷荷重とした条件において水平面に接地させたときの接地面のタイヤ幅方向の両端である。正規リムとは、JATMAに規定される「測定リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
サイドゴム部材20のタイヤ幅方向外側の面には、タイヤの回転方向、サイズ、型番、標章、製造国等の情報を表示する領域が設けられている。
サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられる。リムクッションゴム部材24はタイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア11のタイヤ径方向外側には、ビードコア11の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ベルト層14のタイヤ径方向外側面を覆うベルトカバー層28を備える。ベルトカバー層28は、有機繊維と、この有機繊維を被覆するゴムとからなる。
(スタッドピン)
次に、本実施形態のスタッドピンについて説明する。
図2は、本実施形態のスタッドピン50の外観斜視図である。図3は、取付孔40に装着されたスタッドピン50の側面図である。
スタッドピン50は、基部53と、先端部60と、を主に有する。
基部53は、装着される空気入りタイヤの取付孔40内に埋設される。基部53は、取付孔40を構成するトレッドゴム部材18と接触していることが好ましい。基部53は、取付孔40の孔径より大きい径を有しており、基部53が取付孔40の側面(内壁面)によってトレッドゴム部材18に押圧されることによりスタッドピン50がトレッド部に固定される。スタッドピン50は、基部53及び先端部60が、方向Xに沿ってこの順に形成されている。なお、方向Xは、先端部60に向けて延びる基部53の延在方向である。
基部53は、底部54と、シャンク部56と、胴体部58と、を有し、底部54、シャンク部56、および胴体部58が、方向Xに沿ってこの順に形成されている。基部53は、方向Xと平行な中心軸Cを有している。中心軸Cは仮想の直線である。中心軸Cは、先端部60の先端部60の中心を通る。
底部54は、先端部60と反対側の基部53の端部に位置している。底部54はフランジ状であり、路面から受ける力によりスタッドピン50が取付孔40内で回転することを防止する機能を有している。
シャンク部56は、胴体部58と底部54とを接続する部分である。シャンク部56は、方向Xに前記埋設基部を見たとき、底部54及び胴体部58の断面形状の輪郭の内側に位置している。このため、シャンク部56は胴体部58および底部54の間に凹部空間を形成し、底部54および胴体部58がフランジ形状を成している。図2に示す例において、シャンク部56は円筒形状であり、シャンク部56の径は底部54および胴体部58の最大外径よりも小さい。
胴体部58は、シャンク部56と先端部60との間に位置し、先端部60と接続されたフランジ状の部分である。胴体部58は、図3に示すように、タイヤ10に装着されるとき、上端面58aを露出させた状態でトレッドゴム部材18内に埋設される。図3には、上端面58aをトレッド面と略面一に露出させた状態で胴体部58が埋設された例が示されている。胴体部58は、取付孔40の側面と接触する外周側面58Aを有している。
先端部60は、上端面58aから柱状に突出するよう、基部53に支持されている。先端部60は、図3に示すように、スタッドピン50がトレッド部に装着された状態でトレッド面から突出し、路面と接触し、または氷を引っ掻く部分である。図示される例において、先端部60の先端(方向X側の端部)は基部53の延在方向(図2の方向X)に対して垂直な先端面60aを形成している。図2において、先端部60は円柱状であるが、先端部60の形状は任意であり、例えば多角柱状であってもよい。
先端部60は、基部53と同じ金属材料で作られてもよく、異なる金属材料で作られてもよい。例えば、基部53および先端部60がアルミニウムで作られてもよい。また、基部53がアルミニウムで作られ、先端部60がタングステンで作られてもよい。基部53と先端部60とが異なる金属材料で作られている場合、例えば、先端部60を、胴体部58の上端面58aに形成された図示されない穴に打ち込んで嵌合させることにより、先端部60を基部53に固定することができる。
本実施形態において、胴体部58の外周側面58Aには、外周側面58Aの周を一周する凹部(溝)71が形成されている。凹部71は環状である。凹部71の延在方向と直交する方向に沿った凹部71の断面形状は、図2に示す例において、コ字形状である。凹部71が形成されていることにより、凹部71を境として両側に位置する外周側面58Aの領域のそれぞれには、外周側面58Aが基部53の中心軸Cから離れるように突出した第1の凸部57及び第2の凸部59が形成されている。第1の凸部57は、先端部60側に形成され、第2の凸部59は、底部54側に形成される。なお、各領域に形成される凸部の数は1つである。このように、胴体部58の外周側面58Aに、凹部71の両側に凸部57,59が形成されているため、スタッドピン1が取付孔40に装着された状態では、トレッドゴム部材18aのゴムが凹部71内に入り込んでいる。このため、路面から外力が先端部60に入力したときに、胴体部58の外周側面58Aに凸部57,59が形成されていない場合と比べ、スタッドピン1が取付孔40内で回転する動きを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の凸部57は、第2の凸部59よりも中心軸Cからの突出高さが高い。ここで、図4を参照して、スタッドピン50の動きを説明する。
第1の凸部57と接触するゴムの締付け力は、第2の凸部59と接触するゴムの締付け力より大きく、第1の凸部57は、強い力で取付孔40内に拘束される。このため、スタッドピン1が取付孔40内で回転するときの回転中心は、第1の凸部57の突出高さと第2の凸部59の突出高さが等しい場合と比べ、第1の凸部57の側に寄っている(偏心している)。このため、路面から外力Fが先端部60に作用してスタッドピン1に剪断力が作用したとき、取付孔40内での第1の凸部57の動きは小さく、取付孔40の側壁との間に隙間があきにくい。このように、スタッドピン50の抜け落ちに発展しやすい、胴体部58の先端部60側の部分と取付孔40との間の隙間があくことが抑制されていることで、スタッドピン50の取付孔40からの抜け落ちが抑制される。図4において、スタッドピン50とゴムとの隙間は、誇張して表されている。
一方、本実施形態では、上述したように、外力Fが作用したときの回転中心が第1の凸部57側に寄っているため、第1の凸部57と第2の凸部59の突出高さが等しい場合と比べ、底部54の動きが大きくなることが考えられる。しかし、シャンク部56と、底部54及び胴体部58に囲まれた凹部空間内に入り込んだゴムが、スタッドピン1の回転の抵抗となることで、底部54の動きは抑制されやすい。また、スタッドピン1の抜け落ちに対する底部54の動きの寄与は、胴体部58の寄与と比べ小さい。このため、スタッドピン50の抜け落ちは生じにくい。
なお、第1の凸部の突出高さが、第2の凸部の突出高さより低い場合は、スタッドピン1の取付孔40内での回転中心は、強く拘束された第2の凸部の側に寄っているため、スタッドピン1に剪断力が作用すると、第1の凸部の動きが大きくなり、取付孔40の側壁との間に隙間があきやすくなる。胴体部58と取付孔40との間に隙間があくと、胴体部58が取付孔40の側壁に沿って転動するような回転が生じやすくなり、スタッドピン1は取付孔40から抜け落ちやすくなる。
スタッドピン1の重量は、タイヤ10の重量増加を抑制する観点から、制限されることが多い。このため、タイヤ10の重量増加を抑制しつつ、スタッドピン1の抜け落ちを抑制する点でも、第1の凸部の突出高さを第2の突出高さより大きくすることは、第1の凸部と第2の凸部の突出高さを等しくした、同じ体積のスタッドピンと比べ、有利である。
また、本実施形態では、スタッドピン1の中心軸Cから最も離れた第2の凸部59の端(最大外径位置)は、底部54の外周側面よりも、中心軸Cに接近して位置している。これにより、スタッドピン1を装着したときに取付孔40の側壁にクラックが発生することを抑制できる。このため、ゴムの締付け力が低下してスタッドピン1が抜け落ちやすくなることを抑制できる。
一実施形態によれば、第2の凸部59の突出高さに対する第1の凸部57の突出高さの比は、1.1~2.0であることが好ましい。言い換えると、図5に示すように、第1の凸部57の直径D1は、第2の凸部59の直径D2の1.1~2.0倍であること、すなわち、比D1/D2が1.1~2.0であることが好ましい。比D1/D2が1.1未満であると、スタッドピン1の回転中心を第1の凸部57の側に偏心させる効果が小さく、スタッドピン1の抜け落ちを十分に抑制できない。また、比D1/D2が2.0を超えると、路面と接触する上端面58aの面積が大きいため、路面が損傷しやすい。比D1/D2は、好ましくは1.3~1.8である。図5に示す例において、第1の凸部57及び第2の凸部59それぞれの外周側面は、最大突出高さが方向Xに沿って一定な部分を有している。
一実施形態によれば、図5に示すように、中心軸Cから最も離れた第1の凸部57の端(最大外径位置)は、取付孔40の側壁と接触する底部54の外周側面よりも、中心軸Cから離れて位置していることが好ましい。このような形態によれば、第1の凸部57はより強い力で拘束され、スタッドピン1の回転中心を第1の凸部57の側に偏心させる効果が大きくなる。また、底部54の外径が第1の凸部57の外径より小さいことで、スタッドピン1を装着したときに取付孔40の側壁にクラックが発生することを抑制できる。
一実施形態によれば、図6に示すように、中心軸Cと直交する方向に沿った、凹部71の凹み深さが最大となる最大深さ位置と中心軸Cとの距離Bに対する、第1の凸部57の突出高さが最大となる最大高さ位置と中心軸Cとの距離Aの比A/Bは、1.3~2.0であることが好ましい。比A/Bが1.3未満であると、スタッドピン1の回転中心を第1の凸部57の側に偏心させる効果が小さく、スタッドピン1の抜け落ちを十分に抑制できない場合がある。また、比A/Bが2.0を超えると、路面と接触する上端面58aの面積が大きいため、路面が損傷しやすい。比A/Bは、好ましくは、1.5~1.8である。
[変形例]
図7から図12に、スタッドピン1の変形例を示す。図7から図12に示したスタッドピン1の各部の符号には、上記説明したスタッドピン1の対応する各部と同じ符号を用いている。
一実施形態によれば、第1の凸部57は、図7及び図8に示すように、胴体部58の先端部60側の端に、突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、胴体部58の外周側面58A上を当該最大高さ位置から底部54側へ向かうに連れて中心軸Cに近づくよう方向Xに対して傾斜した第1傾斜面57aを備えることが好ましい。このような第1傾斜面57aを備えていると、中心軸Cに対して外周側面58Aが傾斜していない場合と比べ、外周側面58Aとゴムとの接触面積が大きくなり、胴体部58とゴムとの間の摩擦が大きくなる。これにより、スタッドピン1の取付孔40からの抜け落ちが抑制される。
また、一実施形態によれば、第2の凸部59は、図7及び図8に示すように、胴体部58の底部54側の端に、突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、胴体部58の外周側面58A上を当該最大高さ位置から先端部60側へ向かうに連れて中心軸Cに近づくよう方向Xに対して傾斜した第2傾斜面59aを備えることが好ましい。このような第2傾斜面59aを備えていると、中心軸Cに対して外周側面58Aが傾斜していない場合と比べ、外周側面58Aとゴムとの接触面積が大きくなり、胴体部58とゴムとの間の摩擦が大きくなる。これにより、スタッドピン1の取付孔40からの抜け落ちが抑制される。
図7及び図8に示す例の胴体部58は、鼓形状を有している。
一実施形態によれば、図8に示すように、中心軸Cを含むスタッドピン1の切断面において、第1傾斜面57aの長さは、第2傾斜面59aの長さより大きいことが好ましい。このような形態によれば、第1傾斜面57aとゴムとの間の摩擦力が大きく、第1の凸部57はより強く拘束されるため、スタッドピン1の回転中心を第1の凸部57の側に偏心させる効果が大きい。
また、一実施形態によれば、第1傾斜面57aと第2傾斜面59aとが互いに接続する、方向Xにおける接続位置は、方向Xに沿った胴体部58の高さ範囲の中点よりも底部54側に位置することが好ましい。例えば、接続位置は、方向Xに沿った胴体部58の高さ範囲のうち、底部54側の端から、方向Xに沿った胴体部58の長さの25~45%の範囲に位置していることが好ましい。
図9(a)から図9(c)は、スタッドピンの他の変形例を説明する図である。図9(a)から図9(c)に示す例では、方向Xに沿った、胴体部58の長さとシャンク部56の長さとの比が互いに異なっている。
一実施形態によれば、方向Xに沿った、胴体部58の長さとシャンク部56の長さとの比は、9:1~6:4であることが好ましく、8:2~7:3であることがより好ましい。これにより、胴体部58の外周側面58Aとゴムとの接触面積が大きくなり、胴体部58とゴムとの摩擦力が大きくなる。これにより、スタッドピン1の取付孔40からの抜け落ちが抑制される。
なお、シャンク部56の形状は、円筒形状に制限されず、例えば、図9(a)に示すように、胴体部58側から底部54側に向かって先細りに形成された円錐台形状であってもよい。
また、方向Xと直交する方向に沿った胴体部58の断面形状は、円形状に制限されず、図10から図12に示すように、多角形状であってもよい。多角形状は正多角形状であることが好ましい。胴体部58の方向Xと直交する断面形状は、図10に示す例では正方形状であり、図11に示す例では正五角形状であり、図12に示す例では正六角形状である。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、以下の実施例1~6、比較例、および従来例1,2のスタッドピンを、図1に示すタイヤ10の接地領域に取り付けた。タイヤのタイヤサイズは、205/55R16 94Tとした。
実施例1~6、比較例、及び従来例1,2のスタッドピンには、表1及び下記に示した点を除いて、図2に示すスタッドピンの形態を採用した。
実施例1~6、比較例、及び従来例1,2のいずれも、シャンク部の断面形状は円筒形状とした。
実施例1~6、比較例、及び従来例1,2のいずれも、方向Xに沿った、シャンク部の長さと胴体部の長さとの比は、3:7とした。
実施例5の第1傾斜面には、図7に示す形態を採用し、図3に示す形態の第2の凸部及び凹部を採用した。
実施例6の第1傾斜面及び第2傾斜面には、図7に示す形態を採用した。実施例6の凹部の最大深さ位置は、方向Xに沿った胴体部の高さ範囲のうち、底部側の端から、胴体部の長さの35%の位置とした。
表中、「凹部」の欄には、胴体部の外周側面の周を一周する凹部の有無を示す。従来例1の胴体部には凹部を設けず、2つの凸部は形成されていないが、表1では、胴体部の外周側面の突出高さを、互いに等しい凸高さD1及び凸高さD2で示す。
「凸高さD1」とは、第1の凸部の直径D1を意味し、「凸高さD2」とは、第2の凸部の直径D2を意味する。
「第1傾斜面」及び「第2傾斜面」の欄には、第1傾斜面の有無、及び第2傾斜面の有無を示す。
「底部高さ」とは、底部の直径を意味する。
〔耐ピン抜け性能〕
トレッド部の接地領域に100本スタッドピンを打ち込んだタイヤを装着した車両(排気量2000ccの前輪駆動車)で乾燥路面(アスファルト路面およびコンクリート路面を含む)を10,000km走行させた。その後、トレッド部の接地領域に残存したスタッドピンの数を数えた。従来例1の接地領域に残存したスタッドピンの数を100としたときのタイヤの接地領域に残存したスタッドピンの数の相対値を耐ピン抜け性能の指数とした。指数が104以上の場合を耐ピン抜け性能に優れると評価した。
〔耐路面損傷性能〕
花崗岩を路面に埋め込み、上記車両で花崗岩の上を通過し、通過前後における花崗岩の重量差を摩耗量として測定した。測定値の逆数を用い、従来例1を100とする指数により示し、値が大きいほど耐路面損傷性能が高いと評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0007243213000001
従来例1,2及び比較例と、実施例1~6とを対比すると、底部と胴体部を接続するシャンク部を備え、スタッドピンの胴体部に、外周側面を一周する凹部が形成され、凹部を境とした両側に位置する外周側面の領域のそれぞれに凸部を有し、そのうち、第1の凸部の突出高さが第2の凸部の突出高さより高く、さらに、第2の凸部の端が底部の外周側面よりも中心軸Cに接近して位置していることによって、タイヤに打ち込まれたスタッドピンが抜け落ちにくくなることがわかる。
また、実施例1~3と実施例4~6とを対比すると、比D1/D2が1.1~2.0を満たす、あるいは、比A/Bが1.3~2.0を満たすことで、凸高さD1が凸高さD2より高くても、耐路面損傷性が向上することがわかる。
また、実施例4と実施例5の対比、及び、実施例5と実施例6の対比から、凸部が傾斜面を有していることで、スタッドピンがさらに抜け落ちにくくなることがわかる。
以上、本発明のスタッドピン、及びスタッドタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 スタッドタイヤ
18 トレッドゴム部材
40 取付孔
50 スタッドピン
53 基部
54 底部
56 シャンク部
58 胴体部
58A 外周側面
60 先端部
60a 先端面
57 第1の凸部
57a 第1傾斜面
59 第2の凸部
59a 第2傾斜面
71 環状の凹部

Claims (6)

  1. 空気入りタイヤのトレッド部のスタッドピン取付用孔に装着されるスタッドピンであって、
    一方向に延在し、前記トレッド部内に埋設される埋設基部と、
    前記埋設基部の一方の端面から突出し、路面と接触する先端部と、
    を有し、
    前記埋設基部は、
    前記先端部側に位置する胴体部と、
    前記先端部と反対側に位置するフランジ状の底部と、
    前記底部と前記胴体部とを接続するシャンク部と、
    を備え、
    前記一方向に前記埋設基部を見たとき、前記シャンク部は、前記底部及び前記胴体部の断面形状の輪郭の内側に位置し、
    前記埋設基部は、前記一方向と平行な中心軸を有し、
    前記スタッドピン取付用孔の側面と接触する前記胴体部の外周側面には、前記外周側面の周を一周する凹部が形成され、前記凹部を境として両側に位置する前記外周側面の領域のそれぞれには、前記外周側面が前記中心軸から離れるよう突出した凸部が形成され、
    前記凸部のうち、前記先端部側に形成された第1の凸部は、前記底部側に形成された第2の凸部よりも前記中心軸からの突出高さが高く、
    前記中心軸から最も離れた前記第2の凸部の端は、前記スタッドピン取付用孔の前記側面と接触する前記底部の外周側面よりも、前記中心軸に接近して位置
    前記中心軸から最も離れた前記第1の凸部の端は、前記底部の外周側面よりも、前記中心軸から離れて位置している、ことを特徴とするスタッドピン。
  2. 前記第2の凸部の前記突出高さに対する前記第1の凸部の前記突出高さの比は、1.1~2.0である、請求項1に記載のスタッドピン。
  3. 前記中心軸と直交する方向に沿った、前記凹部の凹み深さが最大となる最大深さ位置と前記中心軸との距離Bに対する、前記第1の凸部の前記突出高さが最大となる最大高さ位置と前記中心軸との距離Aの比A/Bは、1.3~2.0である、請求項1又は2に記載のスタッドピン。
  4. 前記第1の凸部は、
    前記胴体部の前記先端部側の端に、前記突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、
    前記胴体部の外周側面上を当該最大高さ位置から前記底部側へ向かうに連れて前記中心軸に近づくよう前記一方向に対して傾斜した第1傾斜面を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のスタッドピン。
  5. 前記第2の凸部は、
    前記胴体部の前記底部側の端に、前記突出高さが最大となる最大高さ位置を有し、
    前記胴体部の外周側面上を当該最大高さ位置から前記先端部側へ向かうに連れて前記中心軸に近づくよう前記一方向に対して傾斜した第2傾斜面を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のスタッドピン。
  6. トレッド部にスタッドピン取付用孔を有する空気入りタイヤと、請求項1からのいずれか一項に記載のスタッドピンと、を備えることを特徴とするスタッドタイヤ。
JP2019009152A 2019-01-23 2019-01-23 スタッドピン、及びスタッドタイヤ Active JP7243213B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019009152A JP7243213B2 (ja) 2019-01-23 2019-01-23 スタッドピン、及びスタッドタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019009152A JP7243213B2 (ja) 2019-01-23 2019-01-23 スタッドピン、及びスタッドタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020117041A JP2020117041A (ja) 2020-08-06
JP7243213B2 true JP7243213B2 (ja) 2023-03-22

Family

ID=71891034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019009152A Active JP7243213B2 (ja) 2019-01-23 2019-01-23 スタッドピン、及びスタッドタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7243213B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017128149A (ja) 2016-01-18 2017-07-27 横浜ゴム株式会社 スタッドピンおよび空気入りタイヤ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4418321Y1 (ja) * 1964-05-25 1969-08-07
JPS564906U (ja) * 1979-06-26 1981-01-17
JPS58116404U (ja) * 1982-02-03 1983-08-09 富士商事株式会社 スノ−・スパイク・タイヤ用スパイク・ピン
KR101890373B1 (ko) * 2016-12-23 2018-08-21 넥센타이어 주식회사 타이어

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017128149A (ja) 2016-01-18 2017-07-27 横浜ゴム株式会社 スタッドピンおよび空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020117041A (ja) 2020-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5983731B2 (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP3158061B2 (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JP5849600B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6589885B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6844544B2 (ja) スタッドピン及びスタッドタイヤ
JP5831646B2 (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP6946641B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2015136942A (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP5910527B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6304399B2 (ja) 空気入りタイヤ及びスタッドピン
JP7243213B2 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ
WO2015107864A1 (ja) スタッドピン及び空気入りタイヤ
JP6729375B2 (ja) スタッドピンおよび空気入りタイヤ
WO2018158799A1 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ
JP2018095081A (ja) スタッドピン、および空気入りタイヤ
JP7035778B2 (ja) スタッドピン、および空気入りタイヤ
WO2018158800A1 (ja) スタッドピン、およびスタッドタイヤ
JP2017213960A (ja) 空気入りタイヤ、スタッドピン
WO2020012893A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2022168420A (ja) 空気入りタイヤ
JP2018140703A (ja) スタッドピン、および空気入りタイヤ
JP2017206099A (ja) 空気入りタイヤ
JPWO2018158798A1 (ja) スタッドピン、及びスタッドタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7243213

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350