JP5809023B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明の空気入りタイヤは、タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、タイヤ径方向外方から内方に向けて設けられた空気入りタイヤであって、タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%〜90%の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向とは逆側に傾斜し、前記ショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαsとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるαsの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるαsと比較して、大きく、前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%〜60%の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴がD/L>0を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴がD/L<0を満たすことを特徴とする。
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、タイヤ径方向外方から内方に向けて設けられた空気入りタイヤであって、タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%〜90%の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向とは逆側に傾斜し、前記ショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてα s としたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるα s の方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるα s と比較して、大きく、前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道側に位置する前記穴のD/Lの値が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴のD/Lの値よりも大きいことを特徴とする。
このように、ショルダー領域において、タイヤ幅方向断面とは異なり、タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、穴の配設方向をその穴の位置における踏面に立てた法線方向に対して傾斜させることを特徴とする。
ショルダー領域では、径差により、タイヤを装着した車両の進行方向とは逆向きの摩擦力が生じる。従って、タイヤを上記構成とすることにより、該タイヤが有する穴にスパイクを打ち込んでスパイクタイヤとし、適切な回転方向で用いたときに、この摩擦力を更に高めることができる。また、この領域に設けられるスパイクの打ち込みが可能な穴の配設方向をタイヤ回転方向とは逆側(トレッド周方向他方側)に傾斜させることによって、ピンの引っ掻き効果を得ることができるため、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能を向上させることができる。また、装着方向外側となるショルダー領域において、タイヤ赤道側部分は、制動時でなくとも接地する可能性が高く、また、タイヤ幅方向外側部分は、制動時でなければ接地する可能性が小さい。そのため、上記構成とすれば、タイヤ赤道側部分に位置する穴では角度αを大きくする(α<0であるため、その絶対値は小さくなる)ことによって、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能の低下を抑制する効果を得つつ、タイヤ幅方向外側部分に位置する穴では角度αを小さく(α<0であるため、その絶対値は大きくなる)することによって、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能を更に向上させる効果を得ることができる。
なお、トレッドの踏面とは、タイヤを適用リムに装着し、所定空気圧とし、静止した状態で平板に対し垂直に置き、所定の荷重に対応する負荷を加えたときの平板との接触面を指す。因みに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyreand Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指し、「所定の荷重」とは、JATMA等の規格のタイヤ最大負荷を指し、「所定空気圧」とは、適用サイズのタイヤにおける所定の荷重に対応する空気圧(最高空気圧)を指す。
またなお、「タイヤ径方向外方から内方に向けて」とは、厳密にタイヤ径方向に沿う方向という限定的な意味ではなく、タイヤ径方向成分を有する方向をいう。
更になお、タイヤの回転方向とは、正転方向を指す。
更になお、トレッド接地半幅とは、トレッド接地幅の半分の値を指す。ここで、トレッド接地幅とは、トレッドの踏面のタイヤ軸方向最大直線距離を指す。
また、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%〜60%の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向側に傾斜し、タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、前記センター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαcとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるαcの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるαcと比較して、大きいことが好ましい。
空気入りタイヤのトレッドの踏面では、空気入りタイヤのトレッドの踏面では、センター領域において、特に接地圧が高い。そして、タイヤを上記構成とすることにより、該タイヤが有する穴にスパイクを打ち込んでスパイクタイヤとし、適切な回転方向で用いたときに、スパイクの先端をタイヤ回転方向側に傾斜させることができる。従って、スパイクが備えるピンの引っ掻き効果を高めることができる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能を向上させることができる。
上記構成とすれば、タイヤをネガティブキャンバーで用いた際、車両の装着方向内側部分となる踏面領域で、スパイクの先端が路面に対して直交する方向に近い向きとなる。従って、スパイクタイヤの制動性能を更に向上させることができる。また、旋回時に、装着方向外側部分となる踏面領域に荷重負荷がかかり、接地するようになった際、装着方向内側に向けた引っ掻き効果が生じるため、スパイクタイヤの旋回性能、すなわち操縦安定性能を向上させることができる。
装着方向外側部分となる踏面領域では、旋回時のコーナリングフォースが大きくなるほど、接地領域がタイヤ幅方向外側まで及ぶ。そのため、上記構成とすれば、タイヤ幅方向外側部分に位置する穴ほどβを大きくすることによって、コーナリングフォースの大きさに従って、装着方向内側に向けた引っ掻き効果を得ることができる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能、すなわち操縦安定性能を更に向上させることができる。
図3に、本発明に従う空気入りタイヤのトレッドの踏面の一部を示す。本発明に従う空気入りタイヤは、両トレッド接地端TG間に位置するトレッドの踏面1に、スパイクの打ち込みが可能な穴5(図3では、51、52、53、54、55、56、57、58。以下、単に「穴」とも称する。)が設けられている。この穴5は、踏面1からトレッド内部に向かって、すなわち、タイヤ径方向外方から内方に向けて設けられている。
なお、トレッド接地端とは、トレッドの踏面のタイヤ幅方向端を指す。
因みに、図3では、w3 <w 6<w2<w 7 <w1<w5<w8<w4の関係を満たしている。
同じくショルダー領域Rsに位置する穴51、55、58の配設方向についても同様であり、αs1、αs5、αs8<0°となる。
なお、スパイクの打ち込みが可能な穴の配設方向とは、該穴のトレッド内部に位置する端から該穴の踏面への開口端に向かう方向を指すものとする。
−5°<αs(<0°)とすれば、0°とする場合と比較して差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、αs<−20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
同じくセンター領域Rcに位置する穴52、53、56、57の配設方向についても同様であり、αc2、αc3、αc6、αc7<0°となる。
なお、スパイクの打ち込みが可能な穴の配設方向とは、該穴のトレッド内部に位置する端から該穴の踏面への開口端に向かう方向を指すものとする。
(0°<)αc<5°とすれば、0°とする場合と比較して差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における制動性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、αc>20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
同じくトレッドの踏面に設けられた穴51、52、53、55、56、57、58の配設方向についても同様であり、β1、β2、β3、β5、β6、β7、β8>0°となる。
なお、スパイクの打ち込みが可能な穴の配設方向とは、該穴のトレッド内部に位置する端から該穴の踏面への開口端に向かう方向を指すものとする。
また、車両の旋回時には、空気入りタイヤのもう片側、すなわち装着方向外側となる踏面領域に荷重負荷がかかるため、この領域において、接地面積が増大し、又は接地圧が高まる。このとき、この領域に位置するスパイク63、64、67、68の先端が、旋回時には、装着方向内側に向けた引っ掻き効果を生じさせる。そのため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能、すなわち操縦安定性能を向上させることができる。
(0°<)β<5°とすれば、0°とする場合と比較して差異がないため、スパイクタイヤの氷雪路面における旋回性能の向上という所望の効果を十分に得ることができない。また、β>20°とすれば、スパイク配設角度が大き過ぎて、スパイクが脱落しやすくなる、すなわちスパイク抜け性が高まる。
そして、このスパイクは、フランジからボディの一方の端面までがトレッド内部に埋設され、タイヤ表面からピンが突出するように、トレッドの踏面に形成した穴に打ち込まれる。また、ピンは、通常、スパイクの他方の端面から一方の端面に向けた方向に沿って、スパイクに圧入される。
またなお、図3では、陸部4の全て(図3では、陸部41、42、43、44、45、46、47、48の全て)に穴5(図3では、穴51、52、53、54、55、56、57,58)が設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、スパイクの打ち込みが可能な穴は、陸部の少なくとも一部に設けられていればよい。また、図3では、一つの陸部41、42、43、44、45、46、47、48にそれぞれ穴51、52、53、54、55、56、57,58が設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、一つの陸部に複数個のスパイクの打ち込みが可能な穴が設けられてもよい。
更になお、図3では、横溝2がトレッド接地端TG間に渡って設けられているが、本発明に従う空気入りタイヤでは、横溝2はトレッド接地端TG間を繋いでいなくてもよい。
また、−0.2>D/L及び/又はD/L>0.2とすると、打ち込まれたスパイクの周囲に生まれる非接地の踏面領域と、横溝の存在により非接地となる踏面領域とが近接して位置するようになるため、両非接地領域が一体化する可能性が高くなる。従って、接地面積の減少を招き、スパイクタイヤの氷雪路面における駆動性能や制動性能を低下させる虞が高まる。
この場合、センター領域Rcでは、タイヤ幅方向外側部分と比較して、タイヤ赤道側部分に位置する穴の方が、D/L>0を満たすD/Lの絶対値が大きく、また、ショルダー領域Rsでは、タイヤ赤道側部分と比較して、タイヤ幅方向外側部分に位置する穴の方が、D/L<0を満たすD/Lの絶対値が大きい。
また、ショルダー領域において、径差により生じる進行方向とは逆向きの摩擦力は、ショルダー領域の中でもタイヤ赤道側部分と比較して、タイヤ幅方向外側部分の方が大きい。
また、径差による摩擦力が大きいタイヤ幅方向外側部分に位置するスパイクのD/Lの値がより小さくなり、すなわち、この穴の位置がより回転方向とは逆側に位置するようになる。そのため、ショルダー領域において、駆動性能の低下を抑制する効果を得つつ、制動性能を向上させる効果を更に高めることができる。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いて、下記の走行性能評価を行った。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いて、実施例1と同様に下記の走行性能評価を行った。
空気入りタイヤ(195/65R15)を、JATMA規格に定める適用リム(6.5×15インチ)に装着して、空気入りタイヤを作製した。そして、上記空気入りタイヤを、内圧230kPa、荷重0.4tの条件下、車両に装着し、以下(1)〜(4)に示す試験を行い、空気入りタイヤの走行性能を評価した。
氷路面のコース上において、テストドライバーが、車両を初速度20km/時から急制動させた。そして、車両が静止状態になるまでの制動距離を測定し、該制動距離からスパイクタイヤの氷上制動性能を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほど氷路面における制動性能が高いことを示す。
(2)操縦安定性試験
氷路面のコース上において、テストドライバーが、様々な走行を行い、フィーリング評価を行った。複数のドライバーによるフィーリング評価の評点の平均値を算出することにより、スパイクタイヤの氷路面における操縦安定性を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が大きいほど氷路面における操縦安定性が高いことを示す。
(3)駆動性能試験
氷路面のコース上において、テストドライバーが、車両を停止状態から急発進させた。そして、車両の速度が20km/時に到達するまでの所要時間を計測し、該所要時間からスパイクタイヤの氷上駆動性能を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほど氷路面における駆動性能が高いことを示す。
(4)スパイク抜け性試験
氷路面主体のコース上において、テストドライバーが、車両を10,000km走行させた。そして、走行後に脱落したスパイクの本数を計測し、該脱落したスパイクの本数(A)の当初のスパイクの本数(B)に対する割合(A/B)を算出して、スパイクタイヤのスパイク抜け性を評価した。具体的には、従来例1の評価結果を100とした相対評価となる指数を算出した。指数が小さいほどスパイク抜け性が良好であることを示す。
表1に示す諸元のトレッドの踏面を有する空気入りタイヤを作製し、該空気入りタイヤを用いた以外は、実施例1と同様に上記の走行性能評価を行った。
2 横溝
3 周方向溝
4、41、42、43、44、45、46、47、48 陸部
5、51、52、53、54、55、56、57、58 スパイクの打ち込みが可能な穴(穴)
6、61、62、63、64、65、66、67、68 スパイク
CL タイヤ赤道
D、D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8 陸部中心から穴の中心までの距離
F、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7、F8 回転方向側の端
K、K1、K2、K3、K4、K5、K6、K7、K8 回転方向とは逆側の端
L、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8 陸部のトレッド周方向長さ
LL、LL2 トレッド周方向仮想線
M、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8 陸部のトレッド周方向中心
O、O1、O2、O3、O4、O5、O6、O7、O8 穴の中心
Rc センター領域
Rs ショルダー領域
TG トレッド接地端
TGw トレッド接地幅
TGv トレッド接地半幅
V、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8 法線
w、w1、w2、w3、w4、w5、w6、w7、w8 穴のタイヤ赤道からのタイヤ幅方向距離
α、αs、αc、αs1、αc2、αc3、αs4、αs5、αc6、αc7、αs8 タイヤ回転軸に垂直な方向の断面における穴の配設角度
β、β1、β2、β3、β4、β5、β6、β7、β8 タイヤ幅方向断面における穴の配設角度
Claims (9)
- タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、タイヤ径方向外方から内方に向けて設けられた空気入りタイヤであって、
タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%〜90%の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向とは逆側に傾斜し、
前記ショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαsとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるαsの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるαsと比較して、大きく、
前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%〜60%の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴がD/L>0を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴がD/L<0を満たすことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - タイヤのトレッドの踏面の少なくとも一部に、タイヤ幅方向に分布を有するスパイクの打ち込みが可能な穴が、タイヤ径方向外方から内方に向けて設けられた空気入りタイヤであって、
タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の60%〜90%の範囲内にあるショルダー領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向とは逆側に傾斜し、
前記ショルダー領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαsとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるαsの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるαsと比較して、大きく、
前記穴の中心Oを通るトレッド周方向仮想線LLと、前記穴が打ち込まれている陸部の回転方向側の端との交点F、回転方向とは逆側の端との交点Kからなる線分FKのトレッド踏面に沿う長さをLとし、線分FKの中点Mから前記穴の中心Oまでのトレッド踏面に沿う長さをDとし、前記線分FKの中点Mを基準点として、タイヤ回転方向を正の方向、タイヤ回転方向とは逆側を負の方向としたときに、タイヤ赤道側に位置する前記穴のD/Lの値が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴のD/Lの値よりも大きいことを特徴とする、空気入りタイヤ。 - タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%〜60%の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴が、0.05≦D/L≦0.2を満たし、前記ショルダー領域に位置する前記穴が、−0.2≦D/L≦−0.05を満たす、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、タイヤ赤道からトレッド接地半幅の30%〜60%の範囲内にあるセンター領域に位置する前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対して、タイヤ回転方向側に傾斜し、
タイヤ回転軸と直交する方向の断面において、前記センター領域に位置する前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度を、タイヤ回転方向側に向けた角度を正の角度としてαcとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるαcの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるαcと比較して、大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記センター領域に位置する前記穴において、前記αcが5°≦αc≦20°を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ幅方向断面において、前記穴の配設方向が、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向に対してタイヤ幅方向外側に傾斜することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ幅方向断面において、前記穴の配設方向と、前記穴の位置における前記踏面に立てた法線方向とのなす角度のうち小さい方の角度をβとしたときに、タイヤ幅方向に隣接する前記穴間において、タイヤ赤道側に位置する前記穴におけるβの方が、タイヤ幅方向外側に位置する前記穴におけるβと比較して、小さいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記βが、5°≦β≦20°を満たすことを特徴とする、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ショルダー領域に位置する前記穴において、前記αsが−20°≦αs≦−5°を満たすことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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