JP6012461B2 - 回転圧入杭の施工方法 - Google Patents
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- E02D7/00—Methods or apparatus for placing sheet pile bulkheads, piles, mouldpipes, or other moulds
- E02D7/20—Placing by pressure or pulling power
Description
特許文献1に記載された装置は、回転圧入杭を着脱可能に把持する把持機構と、回転圧入杭を把持した状態で把持機構を回転させる回転機構と、回転圧入杭に推進力を付与すべく、把持機構を昇降自在に支持する昇降機構とを有する全旋回機を備えるものである。
そして、この装置を用いて回転圧入杭を回転圧入する場合には、把持機構により回転圧入杭を把持した状態で回転機構により把持機構を回転させ、かつ、昇降機構により把持機構を下降させることを、回転圧入杭の長さ方向に沿って把持機構による回転圧入杭への把持位置を変えながらつまり盛り替えながら、所定長ずつ繰り返す。
即ち、請求項1の回転圧入杭の施工方法は、先端に螺旋羽根を有する回転圧入杭を下方へ押圧しながら回転させることにより、該回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭の施工方法であって、前記回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭回転圧入装置と、先端に螺旋羽根を有し前記回転圧入杭よりも小型の反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入装置とが、共通の架台に取り付けられ、前記反力杭回転圧入装置が、前記回転圧入杭回転圧入装置を中心としてその周りに複数個取り付けられ、前記反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入工程と、前記反力杭の前記共通の架台に対する相対的な高さ位置を個々に変えることによって、前記共通の架台の傾きを調整する共通の架台傾き調整工程と、回転反力及び上方への押圧反力を前記反力杭によりとることによって前記回転圧入杭を回転圧入する回転圧入杭回転圧入工程と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図15を参照して説明する。
図1は本発明の回転圧入杭の施工方法の第1実施形態を示す概略側面図、図2は同第1実施形態を実施する施工装置の全体を示す斜視図、図3は同施工装置の要部を示す断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3のV−V線に沿う断面図である。
図1において符号1は回転圧入杭の施工装置であり、この回転圧入杭の施工装置1は、先端に螺旋羽根Paを備えた回転圧入杭Pを地盤に回転させながら圧入するものである(図3参照)。
回転圧入杭の施工装置1は、基盤10と、基盤10上の中央部に取り付けられて回転圧入杭Pを海底地盤Gに回転圧入するための全旋回機11と、基盤10を海底地盤Gの所定位置に固定するとともに全旋回機11により回転圧入杭Pを海底地盤Gに回転圧入するときにその反力を受けるための反力杭45を海底地盤Gに回転圧入する反力杭回転圧入装置12とを備える。圧力杭回転圧入装置12は、基盤10の周辺部に複数個(例えば、全旋回機11の周りに4個)周方向90度置きに取り付けられている。
すなわち、この実施形態では、全旋回機11と反力杭回転圧入装置12とが共通の架台である基盤10に取り付けられている。
水平下板24の上側には円筒体29が取り付けられ、円筒体29の上部内周は上方に向かうに従い漸次拡径するテーパー面29aが形成されている。一方、水平上板25の下側には複数のカラー支持ブロック30が水平上板25の中心から放射状に延びるように設けられており、これらカラー支持ブロック30はそれぞれリンク31を介して該リンク31の支持位置の真下よりも水平上板25の中心側(回転圧入杭Pが配置される側)に位置するように、しかも、鉛直面に沿って回転可能に取り付けられている。カラー支持ブロック30の外側(回転圧入杭Pに対向する側とは反対側)は傾斜面30aとされ、この傾斜面30aは前記円筒体のテーパー面29aに対応する。また、カラー支持ブロック30の内側(回転圧入杭Pに対向する側)にはメインチャックカラー32が取り付けられ、このメインチャックカラー32のさらに内側には複数の高摩擦部材32aが上下方向に間隔をあけて取り付けられている。
一方、チャックカラー昇降シリンダ26が伸長するように操作されると、各カラー支持ブロック30がそれぞれ上昇する。このとき、カラー支持ブロック30の傾斜面30aが円筒体29のテーパー面29aによる押圧を解除されるため、自重によって水平上板25の径方向外方へ移動する。したがって、カラー支持ブロック30に取り付けられているメインチャックカラー32もカラー支持ブロック30と一体になって同径方向外へ移動し、回転圧入杭Pへの把持を解除する。
すなわち、メインチャック22では、チャックカラー昇降シリンダ26が短縮操作あるいは伸長操作されることによって、メインチャックカラー32による回転圧入杭Pの把持及びその解除が行なえるようになっている。
上部サブチャック40または下部サブチャック41は、例えば、油圧シリンダまたはエアーシリンダにより構成される。
また、上部サブチャック40の内端、つまり把持対象となる回転圧入杭に対向する端部には、回転圧入杭を把持しながら同時に回転圧入杭Pの相対的な上下動を可能とするローラが取り付けられている。
図1に示すように、回転圧入杭の施工装置1を施工船2に積み込んだ後、施工船2によって海上の所定位置まで運搬する。そして、施工船2が海上の所定位置まで到達すると、施工船2に搭載したクレーン3により回転圧入杭の施工装置1をロープ4を介して海底まで吊り降ろす。ここで、回転圧入杭の施工装置1に予め回転圧入杭Pを組みつけておく。またこのとき、回転圧入杭Pの当該施工装置1への仮固定は、上部サブチャック40及び下部サブチャック41による把持、またはメインチャック22による把持によって行なっても良く、さらにはそれら上部サブチャック40及び下部サブチャック41による把持とメインチャック22による把持とを併用することにより行なっても良い。
図6〜図8は本発明の実施形態の基盤の定着方法を示す工程説明図である。
図6、図7に示すように、まず、反力杭回転圧入装置12によってそれぞれの反力杭45を海底地盤G中に回転圧入する(反力杭回転圧入工程)。反力杭45の回転圧入については、後述する全旋回機11を使用した方法とほぼ同様であり、ここではその説明を省略する。
なお、反力杭を回転する際の反力は、自重によりとってもよいが、回転方向を逆にすることによって反力を相殺する。
ここで、海底地盤Gの表面が図6、図7に示すように斜めに傾斜している場合には、反力杭45を海底地盤G中所定深さまで回転圧入した後、基盤10に予め搭載された水準器から発せられる傾斜情報に基づき、反力杭回転圧入装置12に組み込まれた昇降機構によって、基盤10に対する反力杭45の個々の相対的な高さ位置(深さ位置)を調整する。これにより、図8に示すように基盤10が水平面に沿うように調整する(共通の架台傾き調整工程)。この調整は、施工船からの遠隔操作によって行なう。
反力杭回転圧入装置12による基盤10の定着並びに基盤10の姿勢調整が完了した後、図9に示すように、全旋回機11を用いて回転圧入杭Pを海底地盤Gに回転圧入する。
具体的には、図10に示すように、まず、チャックカラー昇降シリンダ26を短縮操作し、円筒部材のテーパー面29aを介してカラー支持ブロック30を水平上板25の中心側、すなわち、回転圧入杭Pへ接近するように移動させ、最終的にメインチャックカラー32及び高摩擦部材32aを介して回転圧入杭Pを把持させる。
このとき、基盤10には回転圧入杭Pを回転圧入するときの反力が加わるが、反力杭回転圧入装置12によって回転圧入された反力杭45がその反力に対抗する。つまり、反力杭45によって、基盤10が海底地盤Gに定着されているので、基盤10が海底地盤Gから離間するのを、また、回転圧入杭Pの回転と逆方向へ回転するのをそれぞれ防止できる。
このとき、上部サブチャック40を油圧シリンダ21の出力側に取り付けている関係上、上部サブチャック40もメインチャックと一体的に上昇する。ここで、上部サブチャック40の先端の回転圧入杭Pに当接する部分にローラーを取り付けているので、上部サブチャック40の先端は、回転圧入杭Pの外周面にローラーを介して転がりながら、当該回転圧入杭Pを把持することとなる。つまり、上部サブチャック40は、回転圧入杭Pに対し、当接位置を変えながら回転圧入杭Pを把持することができる。
以下、図10、図11に示す回転圧入杭回転圧入工程と、図12〜図15に示す盛り替え工程を繰り返し行うことにより、回転圧入杭Pを所定深さまで到達させることができる。
また、クレーンを用いることなく回転圧入杭Pの回転圧入が行なえるので、従来行なわれたような、施工後に回転圧入杭からシャックルを取り外す手間も不要になる。
以下、本発明の第2実施形態を図16〜図20を参照して説明する。
前記第1実施形態では、回転圧入杭回転圧入装置である全旋回機11と反力杭回転圧入装置12とを共通の架台である基盤10に取り付けていたが、この第2実施形態では、全旋回機11と反力杭回転圧入装置12とをそれぞれ別々の架台に取り付け、それら架台を反力伝達バーで連結している。
すなわち、第2実施形態では、図18に示すように、全旋回機11を第1の架台51に取り付け、反力杭回転圧入装置12を第2の架台52に取り付け、第1の架台51と第2の架台52とを反力伝達バー53で連結している。
反力杭45の所定深さまでの回転圧入が完了すると、次に、図18に示すように、回転圧入杭Pが予め組み込まれた全旋回機11を備える第1の架台51を、クレーンから延びるロープにより海底地盤G上の所定位置に吊り降ろす。
第1の架台51の傾き調整が終了した後、前記第1実施形態で説明したように、回転圧入杭Pを、全旋回機11を用いて海底地盤Gに回転圧入する。
このとき、回転圧入杭Pを海底地盤Gに回転圧入する際の反力は、第2の架台52に取り付けた反力杭45の定着力によって反力伝達バー53を介して得ている。ここで、第1の架台51と第2の架台52との離間距離が長くなればなるほど、反力杭45に作用する回転反力は小さくなる。このため、第1の架台51と第2の架台52との離間距離を適宜設定することで、反力杭45の小型化や反力杭45の地盤への侵入深さを浅くすることができ、しかも、反力杭45の本数を少なくできる。例えば、第2実施形態のように、第2の架台52によって取り付ける反力杭45の本数をただ1本とすることができる。勿論、反力杭45を2本以上としても良い。
例えば、前記実施形態では、回転圧入杭の施工装置1を用いて海底に回転圧入杭を回転圧入する例を示したが、これに限られることなく、陸上の地盤に回転圧入杭Pを回転圧入する場合でも本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、共通の基盤10あるいは第1の架台51を水平面に沿うように、それら架台の傾きを調整しているが、これに限られることなく、傾斜地盤に対して、その地盤に直交するように架台の傾きを調整しても良い。
また、前記第2実施形態では、第2の架台52の上面にガイドピン55を植設するとともに、全旋回機11から延びる反力伝達バー53の先端にピン孔53aを設け、ガイドピン55をピン孔53aに挿入させる構成としているが、これに限られることなく、ガイドピン55に代わり例えば平面視多角形状(例えば6角形状)の棒を設けるとともに、ピン孔の代わりに多角形状(例えば6角形状)の嵌合穴を設け、これらを嵌合する構成にしてもよい。
また、前記第2実施形態では、一つの全旋回機に対して反力杭を有する反力杭回転圧入装置12を只一つ設けているが、これに限られることなく、一つの全旋回機に対して反力杭を有する反力杭回転圧入装置12を複数設けても良い。
2 施工船
3 クレーン
4 ロープ
10 基盤(共通の架台)
10a 孔
11 全旋回機(回転圧入杭回転圧入装置)
12 反力杭回転圧入装置
13 GPS装置
14 トランスポンダ(位置情報発信器)
15 レスポンダ(受信器)
20 支柱
21 油圧シリンダ(昇降機構)
22 メインチャック(把持装置)
24 水平下板
25 水平上板
26 チャックカラー昇降シリンダ
30 カラー支持ブロック
32 メインチャックカラー
35 回転機構
40 上部サブチャック
41 下部サブチャック
45 反力杭
45a 螺旋羽根
51 第1の架台
52 第2の架台
53 反力伝達バー
53a ピン孔
54 スパイク部材
55 ガイドピン(ピン)
58 カウンタ
P 回転圧入杭
Pa 螺旋羽根
G 海底地盤
Claims (4)
- 先端に螺旋羽根を有する回転圧入杭を下方へ押圧しながら回転させることにより、該回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭の施工方法であって、
前記回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭回転圧入装置と、先端に螺旋羽根を有し前記回転圧入杭よりも小型の反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入装置とが、共通の架台に取り付けられ、
前記反力杭回転圧入装置が、前記回転圧入杭回転圧入装置を中心としてその周りに複数個取り付けられ、
前記反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入工程と、
前記反力杭の前記共通の架台に対する相対的な高さ位置を個々に変えることによって、前記共通の架台の傾きを調整する共通の架台傾き調整工程と、
回転反力及び上方への押圧反力を前記反力杭によりとることによって前記回転圧入杭を回転圧入する回転圧入杭回転圧入工程と、を備えることを特徴とする回転圧入杭の施工方法。 - 前記回転圧入杭を水底地盤に回転圧入する回転圧入杭の施工方法であって、
前記共通の架台を搭載して水上の所定位置まで運搬する施工船にGPS装置を取り付けて該施工船の絶対的な位置を測定するとともに、所定位置まで運搬した前記施工船から水底地盤まで吊り下げられる前記共通の架台に位置情報発信器を取り付け、該位置情報発信器から発せられる信号を前記施工船に取り付けた受信器で受信することにより前記共通の架台の前記施工船に対する相対的な位置を測定して、前記共通の架台の絶対的な位置を測定することを特徴とする請求項1に記載の回転圧入杭の施工方法。 - 先端に螺旋羽根を有する回転圧入杭を下方へ押圧しながら回転させることにより、該回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭の施工方法であって、
先端に螺旋羽根を有し前記回転圧入杭よりも小型の反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入工程と、
回転反力及び上方への押圧反力を前記反力杭によりとることによって前記回転圧入杭を回転圧入する回転圧入杭回転圧入工程と、
前記回転圧入杭を地盤に回転圧入する回転圧入杭回転圧入装置を取り付けた第1の架台と前記反力杭を地盤に回転圧入する反力杭回転圧入装置を取り付けた第2の架台とを反力伝達バーで連結する連結工程と、を備え、
前記連結工程は、前記反力杭回転圧入工程の後で、かつ、前記回転圧入杭回転圧入工程の前に実施され、
前記連結工程は、前記第1の架台から延長するように設けた前記反力伝達バーの先端に複数のピン孔を形成しておき、該ピン孔に前記第2の架台に植設した複数のピンをそれぞれ挿入嵌合させるピン挿入嵌合工程を備えることを特徴とする回転圧入杭の施工方法。 - 前記第1の架台に設けた複数のジャッキによって該第1の架台の傾きを調整する第1の架台傾き調整工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の回転圧入杭の施工方法。
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