JP6012340B2 - Led素子を有する灯体 - Google Patents
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図1は実施例1のLED素子を有する灯体であるフォグランプを備えた車両を表す概略図である。フォグランプ1は、図1(a)に示すように車両前方のフロントバンパー30に設けられている。このフロントバンパー30は、図1(b)の上面図に示すように、車両前方から後方に向けて概ねθの角度をもって形成され、このθの角度をもって形成された斜面30aに、車両進行方向と略平行な円筒軸(以下、光軸と記載する。)を有する円筒状のフォグランプ1が埋め込まれている。よって、フォグランプ1の車両前方側端部はフロントバンパー30の形状に沿って斜めにカットされている。
フォグランプ1は、円環状のLED基板7に取り付けられた複数のLED素子8と、霧発生時等にメインの光源として機能する白熱光源としてのフォグランプバルブ4と、を有する。フォグランプバルブ4は、光源として光を発する光源部4aと、光源部4aをハウジング10に対して固定支持すると共に配線が接続されるブラケット部4bとを有する。フォグランプバルブ4の光源部4a外周には、表面にメッキ処理が施されたリフレクタ5がスプリング6を介して弾性的に支持されている。また、フォグランプ1は、最外周において円筒状に形成され一端がフロントバンパー30の表面形状に一致するように斜めに切り取られたハウジング10と、ハウジング10の内周においてLED素子8の光をインナーレンズ11に導くと共にフォグランプバルブ4の光を遮断するサイドシールド9と、を有する。
図5は実施例1のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。実施例1のフォグランプ1では、LED素子8が基板上の均等な円周方向位置に合計8個配置されており、近接部11aに対応する位置に素子8aが配置され、最遠部11bに対応する位置に素子8eが配置されている。
図6は実施例1のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED輝度との関係を表す特性図である。すなわち、実施例1では、LED素子8からインナーレンズ11までの距離が遠いほど、輝度を明るく設定し、距離が近いほど輝度を暗く設定することとした。具体的には、輝度は距離の二乗で低下するため、線形な関係で変化することで離間する距離に対し、二乗の関係で輝度を明るく設定する。これにより、インナーレンズ11に到達する光の強度を均一化することができ、インナーレンズ11における光の拡散によって光の濃淡を排除することができる。
(1)LED基板7(基板)に配置された複数のLED素子8と、LED素子8の光を拡散すると共に、任意のLED素子8aとの間の距離と、他のLED素子8eとの間の距離が異なるインナーレンズ11(レンズ)と、インナーレンズ11における複数のLED素子8の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、を備えた。
よって、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離がばらついたとしても、光の拡散を均一化することで、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避できる。
よって、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避することができる。
すなわち、フォグランプバルブ4の外周にLED素子8を配置するため、LED基板7の位置は、光源部4aによる発熱の関係上、ブラケット部4b側に配置せざるを得ず、インナーレンズ11までの距離が変わったとしても、LED基板7の位置をインナーレンズ11との関係に基づいて変更することは極めて困難である。このとき、インナーレンズ11において光の拡散が均一化される調整手段を備えたことで、デザイン性の向上を図ることができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図7は実施例2のLED素子とインナーレンズまでの距離L及びLED配光角度との関係を表す特性図である。すなわち、LED素子8からインナーレンズ11までの距離が遠いほど配光角度を小さくすることで指向性を高め、光の輝度を確保する。一方で、インナーレンズ11までの距離が近いほど配光角度を大きくすることで拡散性を高め、光の輝度を低減する。これらの組み合わせにより、インナーレンズ11における光の拡散を均一化することで、インナーレンズ11において光の濃淡が生じることを回避できる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は実施例3のフォグランプに設けられたLED素子の配置を表す概略図である。実施例3のフォグランプ1では、LED素子8が基板上の均等な円周方向位置に合計8個配置されており、近接部11aに対応する位置に素子8aが配置され、最遠部11bに対応する位置に素子8eが配置されている。そして、更に、LED素子8aと8bとの間にLED素子8iを、LED素子8aと8hとの間にLED素子8jを設けたものである。
次に、実施例4について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図9は実施例4のインナーレンズにおいてLED素子の光が拡散される様子を表す概略図である。LED素子8から発光した光は、インナーレンズ11の内面に形成された凹凸11cによって拡散され、インナーレンズ外面側に均一に光を拡散する。仮に、ある配光角を持った光が凹凸11cにより照射範囲δに拡散すると定義した場合、図10(a)に示すように凹凸11cが大きいほど照射範囲δは大きくなる、すなわち拡散しやすくなる傾向を有する。よって、図10(b)に示すように、LED素子8とインナーレンズ11との距離が近いほどインナーレンズ11のLED素子側面の面粗さを大きくすることで、より光を拡散することができ、インナーレンズ11における光の拡散を均一化できる。
次に、実施例5について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図11は実施例5のLED基板からインナーレンズまでの距離Lとインナーレンズ厚さとの関係を表す特性図である。インナーレンズ11は厚みが厚いほど光が拡散しやすく、また輝度を抑制する傾向が強い。そこで、距離Lが短いほどインナーレンズ11の厚みを厚くすることで、より光を拡散しつつ輝度の均一化を図ることができる。
次に、実施例6について説明する。図12は実施例6のフォグランプ1の断面図である。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例6のフォグランプ1は、光軸方向においてLED素子8とインナーレンズ11との間であって、かつ、ハウジング10及びサイドシールド9との間には、LED素子8からの光を拡散する拡散板13が設けられている。この拡散板13は、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離Lに応じて光軸方向の位置が設定されている。具体的には、距離Lが短い部分では、図12のx1の位置に拡散板13aが設定され、距離Lが長い部分では、図12のx2の位置に拡散板13bが設定されている。これにより、拡散板13とインナーレンズ11との間の距離を比較的均一化することができ、拡散後の光を均一にインナーレンズ11に届けることができる。
次に、実施例7について説明する。図13は実施例7のフォグランプ1の断面図である。具体的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例7のフォグランプ1は、光軸方向においてLED素子8とインナーレンズ11との間におけるハウジング10の内周面及びサイドシールド9の外周面に、LED素子8の光を乱反射させるローレット14を有する。尚、ローレットとは、錐形状のギザギザの凹凸面を意味し、ローレットピッチとは、この錐形状の頂点間距離を意味する。ハウジング10の内周面はメッキ処理が施され、その表面にローレット14aが所定ローレットピッチで形成されている。同様に、サイドシールド9の外周面はメッキ処理が施され、その表面にローレット14bが所定ローレットピッチで形成されている。このとき、LED素子8とインナーレンズ11との間の距離Lが短いほど、ローレットピッチを大きくする。ローレットピッチが大きいほど、光の拡散が積極的に行われるからである。
すなわち、距離Lが短い場合、LED素子8の光がインナーレンズ11に照射されたときに、十分に拡散する余裕がないため、光の濃淡が生じてしまう。これに対し、ローレットピッチを大きくすることで、光の拡散を積極的に行うことができ、インナーレンズ11における光の濃淡を均一化することができる。
2 アウターレンズ
3 リヤプレート
4 フォグランプバルブ
4a 光源部
4b ブラケット部
5 リフレクタ
7 LED基板
8 LED素子
9 サイドシールド
10 ハウジング
11 インナーレンズ
11a 近接部
11b 最遠部
11c 凹凸
13 拡散板
14 ローレット
30 フロントバンパー
Claims (9)
- 基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の配光角度が広い手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど、前記レンズの厚さを厚くする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 基板に配置された複数のLED素子と、
前記LED素子の光を拡散すると共に、前記任意のLED素子との間の距離と、他のLED素子との間の距離が異なるレンズと、
前記レンズにおける前記複数のLED素子の光の拡散量を均一となるように調整する調整手段と、
を備え、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの間であって、前記LED素子と前記レンズとの距離が短いほど前記LED素子から近い位置に拡散板を設けたことを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし3いずれか一つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の輝度を小さくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし4いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど前記LED素子の配置間隔を狭くする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし5いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほど、前記レンズの前記LED素子側面の面粗さを大きくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし6いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記LED素子と前記レンズとの間の壁面をメッキ処理すると共に、前記壁面に前記LED素子の光を乱反射させるローレットを設け、
前記調整手段は、前記LED素子と前記レンズとの距離が近いほどローレットピッチを大きくする手段であることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし7いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体において、
前記LED素子は、白熱光源の外周であってリフレクタの裏面側に配置された素子であり、
前記レンズは、前記白熱光源のレンズであるアウターレンズより白熱電球側であって前記白熱光源の外周に環状に配置されたインナーレンズであることを特徴とするLED素子を有する灯体。 - 請求項1ないし8いずれか1つに記載のLED素子を有する灯体は、車両のフロントバンパー内に装着されたフォグランプであることを特徴とするLED素子を有する灯体。
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