JP6012208B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの燃料供給装置に関する。詳しくは、2つの気筒群にそれぞれデリバリパイプを備えるエンジンの燃料供給装置に関する。
従来から、V型または水平対向等の一対の気筒群を有するエンジンでは、各気筒の燃料噴射弁に燃料を供給するための燃料を蓄えておくデリバリパイプを、気筒群毎に設ける構成が一般的である。
上記のようなデリバリパイプ内には、燃料噴射弁による燃料の噴射によって圧力の脈動が生じる。そのため、デリバリパイプに接続する接続管の端部にオリフィスを設けて、圧力の脈動を抑えることが行われる。
例えば、一方のデリバリパイプ(一方の高圧アキュムレータの第1の高圧アキュムレータ容積)と分岐部(一方の高圧アキュムレータの第2の高圧アキュムレータ容積)との接続部、分岐部と他方のデリバリパイプ(他方の高圧アキュムレータ)との接続部、分岐部と燃料供給管(圧力管路)との接続部、にそれぞれオリフィス(絞り)を設けている(特許文献1参照)。
特表2009−524761号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、各デリバリパイプと分岐部との接続部のオリフィスは、いずれも分岐部の一方側に設けられ、分岐部と燃料供給管との接続部のオリフィスは、分岐部の他方側に設けられる。
そのため、両デリバリパイプ間を伝わる圧力脈動を効果的に抑制することは困難である。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、2つのデリバリパイプ間を伝わる圧力脈動を効果的に抑制することのできる、エンジンの燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明のエンジンの燃料供給装置(例えば、後述のエンジン1の燃料供給装置10)は、それぞれ複数の気筒(例えば、後述の気筒3a、3b)からなる2つの気筒群(例えば、後述の気筒群2a、2b)と、前記気筒に対して燃料を噴射するための複数の燃料噴射弁(例えば、後述の燃料噴射弁11a、11b)と、対応する前記気筒群の複数の前記燃料噴射弁に対して燃料を送出するための2つのデリバリパイプ(例えば、後述のデリバリパイプ12a、12b)と、燃料供給源(例えば、後述の燃料タンク17)に接続された燃料供給管(例えば、後述の燃料供給管18)と、前記燃料供給管に接続すると共に、前記デリバリパイプへと燃料を分岐して送出する分岐部(例えば、後述の分岐部20)と、を有するエンジンの燃料供給装置であって、前記分岐部は内部にオリフィス(例えば、後述のオリフィス25)を有し、前記オリフィスの端部(例えば、後述の端部25b)に向けて、前記燃料供給管が接続することを特徴とする。
この発明によれば、2つのデリバリパイプは、分岐部を介して互いに接続しているため、燃料噴射弁の噴射によって生じる圧力の脈動が、両デリバリパイプ間を伝わり、それら脈動によって共振する共振周波数が存在する。
燃料供給管は、燃料供給管から、高圧燃料ポンプ、車両の床下配管、低圧燃料ポンプおよび燃料タンクに接続されている。すなわち、燃料供給管から燃料タンクに至る経路全体は、両デリバリパイプ間の容積と比較して、非常に大きな容積を有する。
そのため、分岐部にオリフィスを設けて、そのオリフィスの端部に燃料供給管の接続用管部を接続することで、両デリバリパイプ間を伝わる圧力脈動に対して、燃料供給管側が大容積のサイドブランチのごとく作用し、圧力の脈動を緩和する。
サイドブランチの入口部分をオリフィスにより絞ることによって、減衰させたい周波数(共振周波数)のチューニングが可能となり、一般的に絞りを強くすることによって、減衰させたい周波数が低周波側にシフトする。
したがって、2つのデリバリパイプ間を伝わる圧力脈動を効果的に抑制することができる。
この場合、前記オリフィスの燃料の流通方向と、前記燃料供給管の燃料の流通方向とが略直交することが好ましい。
この発明によれば、オリフィスの燃料の流通方向と、燃料供給管の燃料の流通方向とを略直交させることによって、上述のサイドブランチによる圧力脈動低減の効果をさらに高めることができる。
この場合、前記デリバリパイプへの燃料の流通方向は、それぞれの前記デリバリパイプの長手方向と略同一であることが好ましい。
この発明によれば、それぞれのデリバリパイプの燃料の流通方向を、デリバリパイプの長手方向と略同一方向にすることによって、両デリバリパイプ間を圧力の脈動が伝わりやすくなり、共振周波数を高周波側へとシフトすることができるため、共振による振動、騒音を防止することができる。
この場合、前記分岐部の前記オリフィスの端部側と一方の前記デリバリパイプ(例えば、後述のデリバリパイプ12a)とは接続管(例えば、後述の接続管40)を介して連通しており、前記接続管と一方の前記デリバリパイプとの接続部分(例えば、後述の接続部材15a)、および、前記接続管と前記分岐部との接続部分(例えば、後述の接続部材35)に、オリフィス(例えば、後述のオリフィス16a、36)をそれぞれ設けることが好ましい。
この発明によれば、接続管にオリフィスを設けることで、両デリバリパイプを伝わる圧力の脈動を緩和することができる。
この場合、前記分岐部は、他方の前記デリバリパイプ(例えば、後述のデリバリパイプ12b)の端部に一体的に設けられることが好ましい。
この発明によれば、分岐部を他方のデリバリパイプの端部に一体的に設けることで、デリバリパイプの内部に分岐部を設けることができるため、構成部品を削減することができる。
この場合、前記分岐部はジョイント部材(例えば、後述のジョイント部材21)で構成されていることが好ましい。
この発明によれば、分岐部をジョイント部材で構成することで、デリバリパイプ以外の他の構成部品に固定する必要がなくなり、余分な締結部を新たに設ける必要性がなくなる。
本発明によれば、2つのデリバリパイプ間を伝わる圧力脈動を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンの燃料供給装置を模式的に示す図である。 図1の燃料供給装置の要部を具体的に示す平面図である。 図2の分岐部を示す拡大断面図である。 図2の接続部分を示す拡大断面図である。 図1の燃料供給装置の周波数−圧力特性を示すグラフである。 比較のための燃料供給装置の一例を示す要部の平面図である。 図6の分岐部を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の燃料供給装置10を模式的に示す図である。図2は、燃料供給装置10の要部を具体的に示す平面図であり、図3、図4は、それぞれ、分岐部、接続部分の拡大断面図である。
本実施形態に係るエンジン1の燃料供給装置10は、分岐部20内にオリフィス25を挟んで2つのデリバリパイプ12a、12bへの流路を実質的に直線状に形成し、このオリフィス25の端部25bに向けて燃料供給管18を接続することにより、2つのデリバリパイプ12a、12bに対して1つの分岐部20のみを用いることができるものである。以下、詳細に説明する。
図1に示すように、エンジン1は、2つの気筒群2a、2bを備える。一方の気筒群2aは、複数の気筒3aを備える。他方の気筒群2bは、複数の気筒3bを備える。本実施形態では、気筒群2aの気筒3aの数および気筒群2bの気筒3bの数は、いずれも3つである。したがって、本実施形態では、エンジン1として、例えばV6エンジンを想定している。
燃料供給装置10は、気筒群2aの各気筒3aに対してそれぞれ燃料を噴射するための3つの燃料噴射弁11aと、気筒群2bの各気筒3bに対してそれぞれ燃料を噴射するための3つの燃料噴射弁11bと、を備える。
燃料供給装置10は、対応する気筒群2aの3つの燃料噴射弁11aに対して燃料を送出するためのデリバリパイプ12aと、対応する気筒群2bの3つの燃料噴射弁11bに対して燃料を送出するためのデリバリパイプ12bと、を備える。
燃料供給装置10は、燃料供給源としての燃料タンク17と、燃料タンク17に接続される燃料供給管18と、燃料供給管18および2つのデリバリパイプ12a、12bに接続されて、燃料供給管18からの燃料を両デリバリパイプ12a、12bへと分岐して送出する分岐部20と、を備える。
図2、図3に示すように、分岐部20は、ジョイント部材21を備える。ジョイント部材21は、デリバリパイプ12bの端部に一体的に取り付けられる端部22と、端部22の反対側に位置する端部23とを備える。
ジョイント部材21には、端部22から端部23まで貫通する流通路24が形成されている。流通路24の長手方向中間部には、内径を縮小したオリフィス25が形成されている。
オリフィス25は、ジョイント部材21の端部22に近い側の端部25aと、ジョイント部材21の端部23に近い側の端部25bと、後述する端部25cとを有する。流通路24の軸線と、オリフィス25の軸線とは、同一線上にある。
ジョイント部材21の端部23には、接続用管部30が一体に嵌合される。すなわち、ジョイント部材21の端部23側における流通路24には、端部23から所定深さまでの部分に、接続用管部30の端部31を嵌合するために内径を拡大した嵌合部26が形成されている。嵌合部26の軸線は、オリフィス25および流通路24の軸線と同一線上にある。接続用管部30については後述する。
ジョイント部材21には、オリフィス25の端部25b付近における側部27に、燃料供給管18の接続用管部18aが一体に嵌合される。すなわち、ジョイント部材21の側部27には、側面から所定深さまでの部分に、接続用管部18aを嵌合するための嵌合部28が形成されている。
嵌合部28の内径は、嵌合部26の内径と略同じである。
ジョイント部材21には、嵌合部28の奥側に、流通路29が形成されている。
流通路29の内径は、流通路24の内径と略同じである。
流通路29の軸線は、嵌合部28の軸線と同一線上にあり、オリフィス25および流通路24の軸線と略直交する。
流通路29と、オリフィス25および流通路24とは、略90°の角度をなして互いに連なる。
したがって、オリフィス25の燃料の流通方向と、燃料供給管18の接続用管部18aの燃料の流通方向とは、互いに略直交する。
流通路29の先端部(奥側端部)は、オリフィス25の端部25b側に開口している。そのため、オリフィス25の半径方向において流通路29と対向する側(図3において左側)では、オリフィス25の端部25bは、流通路29の影響を受けない本来の位置に存在する。
一方、流通路29側(図3において右側)では、図3において流通路29の上側の側面と略一致する位置に、オリフィス25の端部25cが存在する。
換言すれば、オリフィス25における燃料供給管18の接続用管部18aが接続する側の端部25cは、接続用管部18aにおけるオリフィス25に近接する側(端部25aに近い側)の側面から延びる仮想線18c上と略同じ位置に配置される。
一方、端部25cに対して、オリフィス25の半径方向において対向する側の端部25bは、上述の側面(仮想線18c)よりも接続用管部18aの半径方向内側に位置する。
図2〜図4に示すように、接続用管部30は、中間部32がわずかに屈曲した形状であり、端部31から中間部32までの接続用管部30の軸線は、流通路24およびオリフィス25の軸線と同一線上にある。
接続用管部30の反対側の端部には、接続部材35の基端部が嵌合される。接続部材35の先端部には、オリフィス36が形成されている。
デリバリパイプ12aの端部には、接続用管部13aの取付け端部が嵌合される。接続用管部13aは、接続用管部30と同様に、中間部14aがわずかに屈曲した形状であり、取付け端部から中間部14aまでの接続用管部13aの軸線は、デリバリパイプ12aの長手方向軸線と同一軸線上にある。
接続用管部13aの反対側の端部には、接続部材15aの基端部が嵌合される。接続部材15aの先端部には、オリフィス16aが形成されている。
デリバリパイプ12aの端部から接続用管部13aを介して延出する接続部材15aと、ジョイント部材21(分岐部20)の端部23から接続用管部30を介して延出する接続部材35とは、接続管40によって接続される。
そのため、接続管40とデリバリパイプ12aとの接続部分としての接続部材15aには、オリフィス16aが設けられる。接続管40とジョイント部材21(分岐部20)との接続部分としての接続部材35には、オリフィス36が設けられる。
接続管40とデリバリパイプ12aとの接続部分としての接続部材15aは、デリバリパイプ12aへの燃料の流通方向と略同一方向に延びる。接続管40とジョイント部材21(分岐部20)との接続部分としての接続部材35は、デリバリパイプ12bへの燃料の流通方向と略同一方向に延びる。
したがって、2つのデリバリパイプ12a、12bへの燃料の流通方向は、それぞれのデリバリパイプ12a、12bの長手方向と略同一である。
次に、上記のように構成されたエンジン1の燃料供給装置10の作用について説明する。
燃料タンク17から燃料供給管18を介して供給される燃料は、燃料供給管18の接続用管部18aから分岐部20のジョイント部材21に導入される。
ジョイント部材21に導入された燃料は、流通路29から一方はオリフィス25へ、他方は流通路24(図3の下側の流通路24)へと分岐して送出される。
オリフィス25へ送出された燃料は、オリフィス25および流通路24(図3の上側の流通路24)を通ってデリバリパイプ12b内へと送出される。
流通路24(図3の下側の流通路24)へ送出された燃料は、接続用管部30を通って接続部材35のオリフィス36を通り、続いて接続管40を通り、さらに接続部材15aのオリフィス16aを通り接続用管部13aを通って、デリバリパイプ12a内へと送出される。
図5は、図1の燃料供給装置10の周波数−圧力特性を示すグラフであり、横軸は周波数、縦軸は圧力を示す。
図5において、鎖線で示す波形1は、従来の周波数−圧力特性を示す。破線で示す波形2は、2つのデリバリパイプ12a、12bへの燃料の流通方向を、それぞれのデリバリパイプ12a、12bの長手方向と略同一にした場合の周波数−圧力特性を示す。実線で示す波形3は、波形2の条件に加えて、分岐部20(ジョイント部材21)のオリフィス25の端部25bに向けて、燃料供給管18の接続用管部18aを接続した場合の周波数−圧力特性を示す。
図5に示すように、2つのデリバリパイプ12a、12bへの燃料の流通方向を、それぞれのデリバリパイプ12a、12bの長手方向と略同一にした場合(波形2参照)は、従来(波形1参照)に比べて、圧力のピークが高周波方向にシフトする。
さらに、分岐部20(ジョイント部材21)のオリフィス25の端部25bに向けて、燃料供給管18の接続用管部18aを接続した場合(波形3参照)は、波形2に比べて、圧力のピークが低下し、脈動が減衰する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)2つのデリバリパイプ12a、12bは、分岐部20を介して互いに接続している。そのため、燃料噴射弁11a、11bの噴射によって生じる圧力の脈動が、両デリバリパイプ12a、12b間を伝わり、それら脈動によって共振する共振周波数が存在する。
燃料供給管18は、燃料供給管18から、高圧燃料ポンプ(図示省略)、車両の床下配管(図示省略)、低圧燃料ポンプ(図示省略)および燃料タンク17に接続されている。すなわち、燃料供給管18から燃料タンク17に至る経路全体は、両デリバリパイプ12a、12b間の容積と比較して、非常に大きな容積を有する。
そのため、分岐部20にオリフィス25を設けて、そのオリフィス25の端部25bに燃料供給管18の接続用管部18aを接続することで、両デリバリパイプ12a、12b間を伝わる圧力脈動に対して、燃料供給管18側が大容積のサイドブランチのごとく作用し、圧力の脈動を緩和する。
サイドブランチの入口部分をオリフィス25により絞ることによって、減衰させたい周波数(共振周波数)のチューニングが可能となり、一般的に絞りを強くすることによって、減衰させたい周波数が低周波側にシフトする。
したがって、2つのデリバリパイプ間を伝わる圧力脈動を効果的に抑制することができる。
(2)オリフィス25の燃料の流通方向と、燃料供給管18の接続用管部18aの燃料の流通方向とが略直交する。
これにより、上述のサイドブランチによる圧力脈動低減の効果をさらに高めることができる。
(3)2つのデリバリパイプ12a、12bへの燃料の流通方向は、それぞれのデリバリパイプ12a、12bの長手方向と略同一である。
これにより、両デリバリパイプ12a、12b間を圧力の脈動が伝わりやすくなり、共振周波数を高周波側へとシフトすることができるため、共振による振動、騒音を防止することができる。
(4)分岐部20のオリフィス25の端部25b側と、デリバリパイプ12aとは、接続管40を介して連通しており、接続管40と前記デリバリパイプ12aとの接続部分(接続部材15a)にオリフィス16aを設け、接続管40と分岐部20との接続部分(接続部材35)にオリフィス36を設けた。
これにより、両デリバリパイプ12a、12bを伝わる圧力の脈動を緩和することができる。
(5)分岐部20は、デリバリパイプ12bの端部に一体的に設けられる。
これにより、デリバリパイプ12bの内部に分岐部を設けることができるため、構成部品を削減することができる。
(6)分岐部20は、ジョイント部材21で構成されている。
これにより、デリバリパイプ12b以外の他の構成部品に分岐部20を固定する必要がなくなり、余分な締結部を新たに設ける必要性がなくなる。
なお、上記実施形態では、分岐部20のジョイント部材21を、デリバリパイプ12bの端部においてその外側に一体的に取り付けたが、これに限定されない。
例えば、デリバリパイプ12bの端部においてその内側に、分岐部20のジョイント部材21を取り付けてもよい。
また、例えば、接続管40を介してデリバリパイプ12aとジョイント部材21とを接続しているように、デリバリパイプ12bとジョイント部材21も、同様の接続管を介して接続してもよい。
次に、上記実施形態の燃料供給装置10と比較するための燃料供給装置110の一例について、図6、図7を参照して説明する。
図6に示すように、デリバリパイプ112bには、ジョイント部材121bが接続される。デリバリパイプ112aには、ジョイント部材121aが接続される。ジョイント部材121bから延びる接続部材115bと、ジョイント部材121aから延びる接続部材115aとが、燃料ホース140により連結されることによって、両デリバリパイプ112a、112bは互いに接続される。ジョイント部材121bには、燃料供給管118が接続される。
図7は、デリバリパイプ112bに接続されるジョイント部材121bの拡大断面を示す。
図7に示すように、ジョイント部材121bの内部には、圧力の脈動を抑える目的で、オリフィス125bが設けられる。すなわち、ジョイント部材121bには、デリバリパイプ112bと連通する流通路124bと、流通路124bの奥側端部から延びるオリフィス125bとが形成される。流通路124bの軸線およびオリフィス125bの軸線は、同一線上にある。
ジョイント部材121bには、接続部材115bと、燃料供給管118とが接続される。接続部材115bの先端側の内部には、圧力の脈動を抑える目的で、オリフィスが形成される。このオリフィスは、図示してないが、図4に示すオリフィスと同様のものである。そこで、このオリフィスを、以下、オリフィス(116b)で表す。
図7には、デリバリパイプ112aに接続されるジョイント部材121aの拡大断面が示されていない。しかし、ジョイント部材121aは、燃料供給管118が接続されない点を除き、ジョイント部材121bと略同様のものである。そこで、ジョイント部材121bの各部と同様の部分には、ジョイント部材121bで用いた符号のbをaに代えて括弧を付けて表す。
ジョイント部材(121a)の内部には、圧力の脈動を抑える目的で、オリフィス(125a)が設けられる。すなわち、ジョイント部材(121a)には、デリバリパイプ(112a)と連通する流通路(124a)と、流通路(124a)の奥側端部から延びるオリフィス(125a)とが形成される。流通路(124a)の軸線およびオリフィス(125a)の軸線は、同一線上にある。
ジョイント部材(121a)には、接続部材(115a)が接続される。接続部材(115a)の先端側の内部には、圧力の脈動を抑える目的で、オリフィス(116a)が形成される。
したがって、比較例の燃料供給装置110の場合、ジョイント部材121a、121b、接続部材115a、115bの合計4箇所に、オリフィス125a、125b、(116a)、(116b)がそれぞれ形成される。
しかしながら、上記のような比較例の燃料供給装置110には、以下のような問題点がある。
元来、デリバリパイプ112a、112bと接続部材115a、115bとの間のジョイント部材121a、121bは、燃料漏れや、応力集中による損傷等を防ぐために、高剛性および精密な加工を必要とする。
オリフィス125a、125b、(116a)、(116b)は、圧力脈動を緩和するという利点を有する一方で、加工工数の増加や、圧力抵抗増大による圧力損失、縮径による異物の咬み込み等の問題を生じる。
また、デリバリパイプ112a、112bへの燃料の流出入方向に対して、接続部材115a、115bを90°角度をもって取り付けているが、この構成では圧力損失が増大する。
1…エンジン
2a、2b…気筒群
3a、3b…気筒
10…燃料供給装置
11a、11b…燃料噴射弁
12a、12b…デリバリパイプ
15a…接続部材
16a…オリフィス
17…燃料タンク
18…燃料供給管
20…分岐部
21…ジョイント部材
25…オリフィス
25b…端部
35…接続部材
36…オリフィス
40…接続管

Claims (4)

  1. それぞれ複数の気筒からなる2つの気筒群と、
    前記気筒に対して燃料を噴射するための複数の燃料噴射弁と、
    対応する前記気筒群の複数の前記燃料噴射弁に対して燃料を送出するための第1のデリバリパイプおよび第2のデリバリパイプと、
    燃料供給源に接続された燃料供給管と、
    前記燃料供給管に接続すると共に、前記第1および第2のデリバリパイプへと燃料を分岐して送出する分岐部と、
    を有するエンジンの燃料供給装置であって、
    前記分岐部は、前記第1のデリバリパイプとは接続管を介して接続され、かつ、前記第2のデリバリパイプの端部に一体的に設けられるジョイント部材で構成され、
    前記ジョイント部材は、前記接続管側の端部から前記第2のデリバリパイプ側の端部まで貫通する流通路の中間部に、所定長さの単一のオリフィスを有し、
    前記オリフィスの一端部に向けて、前記燃料供給管が接続することを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  2. 前記オリフィスの燃料の流通方向と、前記燃料供給管の燃料の流通方向とが略直交することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 前記第1および第2のデリバリパイプへの燃料の流通方向は、それぞれの前記デリバリパイプの長手方向と略同一であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの燃料供給装置。
  4. 記接続管と前記第1のデリバリパイプとの接続部分、および、前記接続管と前記ジョイント部材との接続部分に、他のオリフィスをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃料供給装置。
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