JP2007270682A - エンジン側燃料配管およびタンク側燃料配管を備える燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両1に備えられる燃料供給装置3は、それぞれに燃料噴射弁10a,10bが接続される1対のデリバリパイプ11,12および該1対のデリバリパイプ11,12を互いに連通する連通管20から構成されるエンジン側燃料配管Peと、燃料タンク30の燃料を連通管20に導く供給管31から構成される車体側燃料配管Pbとを備える。供給管31は、連通管20において連通管20の管長を二等分する位置の中央部20cに接続される。
【選択図】図1
Description
請求項2記載の発明は、請求項1記載の燃料供給装置において、前記連通管には、前記中央部から等距離の位置に1対の絞り部が設けられるものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の燃料供給装置において、複数組の前記1対の絞り部が設けられるものである。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料供給装置において、前記エンジン側燃料配管の配管内燃料の固有振動数であるエンジン側固有振動数と前記タンク側燃料配管の配管内燃料の固有振動数であるタンク側固有振動数とが等しい場合の前記連通管の管長である第1管長および前記タンク側燃料配管の管長である第2管長をそれぞれ基本第1管長および基本第2管長とするとき、前記第1管長を前記基本第1管長とを異ならせ、かつ前記第2管長を前記基本第2管長に等しくすることにより、前記エンジン側固有振動数と前記タンク側固有振動数とを異ならせるものである。
請求項2記載の事項によれば、連通管に設けられる絞り部は、中央部から等距離にある1対の絞り部であるため、連通管における共鳴脈動の節の位置に影響を与えることなく、デリバリパイプ内および連通管内の共鳴脈動の脈動レベルを低減することができるので、タンク側燃料配管からの騒音低減効果が維持されたうえで、エンジン側燃料配管から発生する騒音が低減し、かつ燃料噴射弁から噴射される燃料量制御の精度が向上する。さらに、共鳴脈動の2倍、3倍など、倍数の周波数で発生する脈動(以下、「高次脈動」という。)がある場合には、その脈動レベルも低減することができるので、供給管内の脈動を一層低減できて、タンク側燃料配管からの騒音を一層低減できる。
請求項3記載の事項によれば、デリバリパイプ内および連通管20内の共鳴脈動の脈動レベルを一層低減することができて、エンジン側燃料配管Peおよび車体側燃料配管Pbからの騒音を一層低減でき、さらに燃料噴射弁から噴射される燃料量制御の精度が向上する。
請求項4記載の事項によれば、エンジン側固有振動数とタンク側固有振動数とが異なるため、デリバリパイプ内および連通管内での共鳴脈動が供給管内の燃料に伝播したとしても、エンジン側燃料配管のエンジン側固有振動数とタンク側燃料配管のタンク側固有振動数とが連成することがないので、タンク側燃料配管からの騒音が低減する。しかも、固有振動数を異ならせるために、連通管の管長を変更するので、大幅な構造変更を伴うことなく、容易にエンジン側固有振動数を変更できる。
図1〜図5は、第1実施形態およびそれに関連する実施形態を説明する図である。
図1を参照すると、本発明が適用された機械としての乗り物である車両1は、エンジンとしての多気筒内燃機関2と、該内燃機関2に燃料を供給するタンク側燃料供給装置としての車体側燃料供給装置3bとを備える。内燃機関2は、それぞれが1以上のシリンダから構成される第1気筒部および第2気筒部に分けられる複数のシリンダを形成するシリンダブロックを含む機関本体と、各シリンダに形成される燃焼空間に燃料を供給するエンジン側燃料供給装置3eとを備える。内燃機関2は、ここでは、V型多気筒4ストローク内燃機関としてのV型6気筒内燃機関であり、前記第1,第2気筒部はそれぞれ第1,第2バンク2a,2bを構成し、各バンク2a、2bは3つのシリンダから構成される。
1対の絞り部25a,25bは、それぞれ、第1,第2連通管21,22における中央部20c近傍から、各デリバリパイプ11,12に開放する下流端開口21e,22eを形成する下流端21b,22bまでの任意の位置に設けられる。1対の絞り部25a,25bにより、共鳴脈動を含めて燃圧脈動の脈動レベルが、各デリバリパイプ11,12内および各連通管20内の全体で低減する。
また、各絞り部25a,25b,26a,26bは、脈動レベルを低減する一方で、共鳴脈動の周波数および燃圧パターンには殆ど影響を与えないため、各絞り部25a,25b,26a,26bの配置に関わらず、連通管20における共鳴脈動の節は、1対の絞り部25a,25b;26a,26bがない場合と同様に中央部20cに位置する。
供給管31は、上流端開口31dを形成する上流端31aが燃料タンク30内に位置し、下流端開口31eを形成する下流端31bが中央部20c内に位置するように、燃料タンク30および連通管20の中央部20cに接続される。それゆえ、供給管31は連通管20内に生じる共鳴脈動の節となる部分に連通して、燃料タンク30の燃料を連通管20に導く。そして、中央部20cに導かれた燃料は、中央部20cで分岐して第1,第2連通管21,22内をそれぞれ流通して第1,第2デリバリパイプ11,12内に導かれる。
そして、各デリバリパイプ11,12内で発生した燃圧脈動が連通管20内の燃料に伝播して、連通管20内に燃圧脈動が発生したとき、供給管31は、各デリバリパイプ11,12内と連通管20内で生じる共鳴脈動の節の部分となる中央部20cに接続されるので、供給管31内の燃料に伝播する共鳴脈動の脈動レベルは極めて小さなものとなる。
このため、供給管31から構成されるタンク側燃料配管としての車体側燃料配管Pbの車体側固有振動数が、エンジン側固有振動数に等しい場合には、共鳴脈動でない燃圧脈動に比べて供給管31で大きな騒音が発生する。
具体的には、エンジン側固有振動数と車体側固有振動数とが等しい場合のエンジン側燃料配管Peの共鳴因子であるエンジン側共鳴因子および車体側燃料配管Pbの共鳴因子である車体側共鳴因子を、それぞれ基本エンジン側共鳴因子および基本車体側共鳴因子とするとき、エンジン側共鳴因子が基本エンジン側共鳴因子とは異なり、車体側共鳴因子が基本車体側共鳴因子と同じであるように設定される。
ここで、共鳴因子とは、固有振動数に関与する要素である。そして、エンジン側共鳴因子は、各デリバリパイプ11,12および連通管20の寸法・形状であり、より具体的には、各デリバリパイプ11,12の容積、エンジン側燃料配管Peの管長としての連通管20の管長(すなわち第1管長であり、下流端21bおよび下流端22b間の長さ。)および連通管20の通路断面積である。また、車体側共鳴因子は、供給管31の寸法・形状であり、より具体的には、車体側燃料配管Pbの管長としての供給管31の管長(すなわち第2管長であり、上流端31aおよび下流端31b間の長さ。)である。これに対応して、基本エンジン側共鳴因子は、各デリバリパイプ11,12の基本容積、連通管20の基本管長(すなわち基本第1管長)および基本通路断面積であり、基本車体側共鳴因子は、供給管31の基本管長(すなわち基本第2管長)である。
エンジン側固有振動数を異ならせるためには、エンジン側共鳴因子を構成する各デリバリパイプ11,12の容積、連通管20の管長および連通管20の通路断面積のうちの少なくとも1つが、基本エンジン側共鳴因子を構成する各デリバリパイプ11,12の基本容積、連通管20の基本管長および基本通路断面積とは異なるように設定される。
ここでは、単位管長に対する固有振動数の変更幅が大きい、エンジン側燃料配管Peにおける連通管20の管長を第1基本管長とは異なるように変更し、供給管31の管長を基本第2管長に等しくすることにより、エンジン側固有振動数と車体側固有振動数を異ならせている。このとき、各デリバリパイプ11,12の容積は基本容積に等しい。
Fe≦0.8×Fb、かつ1.2×Fb≦Fe
ここで、Fe:1次のエンジン側固有振動数
Fb:1次の車体側固有振動数
1対のデリバリパイプ11,12および連通管20から構成されて燃料噴射弁10a,10bに燃料を導くエンジン側燃料配管Peと、燃料タンク30の燃料を連通管20に導く供給管31から構成される車体側燃料配管Pbとを備える燃料供給装置3において、燃料噴射弁10a,10bの作動により各デリバリパイプ11,12内で発生する燃圧脈動に起因して、エンジン側燃料配管Pe内で発生する燃圧脈動が共鳴脈動になったとき、該共鳴脈動は連通管20の中央部20cで節になる。そして、供給管31はこの中央部20cに接続されることから、連通管20内の燃料から供給管31内の燃料に伝播する共鳴脈動の振動レベルが極めて小さくなるので、共鳴脈動が供給管31を伝播することにより車体側燃料配管Pbから発生する騒音が低減する。しかも、連通管20とは別個の部材である脈動低減装置が不要になるので、部品点数および組付工数が減少して、コストが削減される。
そして、エンジン側燃料配管Peの配管内燃料の固有振動数(すなわちエンジン側固有振動数)は、周波数が最も低い基本固有振動数と、その2倍、3倍など倍数の周波数の高次の固有振動数があるため、高次の固有振動数と等しい周波数の燃料脈動では高次共鳴脈動が発生する。
また、第1,第2デリバリパイプ41,42と連通管20での共鳴脈動に関して、基本(すなわち1次)共鳴脈動を含む奇数次数の高次共鳴脈動(例えば3次,5次共鳴脈動。)では、中央部20cが節となる一方、偶数次数の高次共鳴脈動(例えば2次,4次共鳴脈動。)では、中央部20cは腹となるので、高次共鳴脈動のうちで最も脈動レベルが大きい2次共鳴脈動が、中央部20cから供給管31内の燃料に伝播する。
一方、第1実施形態と同じく、車体側燃料配管Pbの配管内燃料の固有振動数(すなわち車体側固有振動数)は、周波数が最も低い基本固有振動数と、その2倍、3倍など倍数の周波数の高次の固有振動数がある。このため、供給管31から構成されるタンク側燃料配管としての車体側燃料配管Pbの固有振動数である車体側固有振動数が、エンジン側固有振動数に等しい場合には、高次共鳴脈動でも大きな騒音が発生する。
そこで、連通管20において、中央部20cから等距離の位置の1対の絞り部26a,26bは、図4に示される実施形態と同様に、中央部20c近傍から、各デリバリパイプ41,42に開放する第1,第2連通管21,22の下流端21b,22bまでの任意の位置に設けられる。特に、図6に示されるように下流端21b,22bに絞り部26a,26bが設けられることにより、中央部20cおよびその近傍を含め、各デリバリパイプ41,42内および連通管20内の全体で共鳴脈動の脈動レベルが大幅に低減する。
すなわち、1対の絞り部25a,25bにより、各デリバリパイプ41,42内および連通管20内の共鳴脈動の2次脈動の脈動レベルが低減することから、連通管20の中央部20cにおける2次共鳴脈動の脈動レベルを大幅に低減できる。
供給管は、単一の管から構成されてもよく、また管継手などを介して接続される複数の管から構成されてもよい。
燃料供給装置は、燃料リターン型など、燃料タンク内に燃圧レギュレータを備えないものでもよい。
内燃機関は、第1,第2デリバリパイプおよび連通管を備える直列多気筒内燃機関であってもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、車両以外の乗り物または機械であってもよく、また鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。
Pe…エンジン側燃料配管、Pb…車体側燃料配管。
Claims (4)
- それぞれに燃料噴射弁が接続される1対のデリバリパイプおよび前記1対のデリバリパイプを互いに連通する連通管から構成されて前記燃料噴射弁に燃料を導くエンジン側燃料配管と、燃料タンクの燃料を前記連通管に導く供給管から構成されるタンク側燃料配管とを備える燃料供給装置において、
前記供給管は、前記連通管において前記連通管の管長を二等分する位置の中央部に接続されることを特徴とする燃料供給装置。 - 前記連通管には、前記中央部から等距離の位置に1対の絞り部が設けられることを特徴とする請求項1記載の燃料供給装置。
- 複数組の前記1対の絞り部が設けられることを特徴とする請求項2記載の燃料供給装置。
- 前記エンジン側燃料配管の配管内燃料の固有振動数であるエンジン側固有振動数と前記タンク側燃料配管の配管内燃料の固有振動数であるタンク側固有振動数とが等しい場合の前記連通管の管長である第1管長および前記タンク側燃料配管の管長である第2管長をそれぞれ基本第1管長および基本第2管長とするとき、前記第1管長を前記基本第1管長とを異ならせ、かつ前記第2管長を前記基本第2管長に等しくすることにより、前記エンジン側固有振動数と前記タンク側固有振動数とを異ならせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の燃料供給装置。
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