JP2019519725A - 高圧導管 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高圧下にある流体を内燃機関へ移送するため、特に噴射圧下にある燃料を内燃機関の1つ又は複数のインジェクタ(14)へ供給するための、高圧導管に関する。その高圧導管は、第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を有し、それらの導管セクション(1、2、3)は意図された高圧導管の駆動において次々と貫流され、かつ金属からなる一体的構成部品(4)によって一緒に形成されており、その場合に第1の導管セクション(1)と第3の導管セクション(3)がそれぞれそれらの間に配置された第2の導管セクション(2)よりも小さい流れ横断面を有している。本発明に係る高圧導管によって、コモンレール噴射システムを形成することが可能となり、それは、内蔵され、あるいは取り付けられた個別貯蔵器を有するインジェクタなしで、かつシリンダヘッドの領域内の各インジェクタ用のスペース需要をそれに応じて減少させて、専用のインジェクタ近傍の貯蔵器を形成し、その貯蔵器からインジェクタに供給されるので、システム内の圧力振動を大幅に阻止することができ、かつきわめて良好な噴射品質と長い寿命を達成することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、独立請求項の前文に記載された高圧下にある流体を移送するための高圧導管、この種の高圧導管を形成する方法及び、燃料導管としてのこの種の高圧導管を有する内燃機関、特にディーゼルエンジン又はガスエンジンに関する。
排出に関してますます厳しくなる規制を満足させることができるようにするために、最近のディーゼルエンジンは、いわゆるコモンレール噴射システムを有している。それは高圧噴射システムであって、それは高圧ポンプ、高圧貯蔵器及び接続する導管、インジェクタ並びに噴射を制御及びコントロールするための電子コントロールユニットからなる。したがって一般的に、電子ディーゼル噴射も話題となる。コモンレール噴射のわかりやすい利用は、煤の排出の削減にある。それは、ディーゼルの微細な噴射によって達成される。その場合の前提は、噴射の間噴射圧も噴射率も一定なことである。これらの特性は、本質的に貯蔵器内の一定の圧力により支えられ、そしてそれも貯蔵器内の充分に大きい容積によって支えられる。
コモンレールシステム内の貯蔵器機能を実現するために、原則的に2つの異なるバリアントが知られている:
(1)個々のインジェクタ内もしくはインジェクタに取り付けられた貯蔵容器内に個別貯蔵器を形成し、あるいは
(2)貯蔵器を、比較的大きい導管直径を有する収集導管の形式で実現し、その収集導管からそれぞれ個々の供給導管がインジェクタへ出ている。
第1のバリアントは、各インジェクタがそれ自体のために専用の貯蔵器を有しており、そこから供給を受けるので、個々のインジェクタが相互に影響されることが少ない、という利点を有している。しかしこのバリアントは欠点も有しており、シリンダヘッドの領域内に比較的大きい組み込み空間を必要とし、かつ少なくとも個別貯蔵器が取り付けられる場合に付加的な構成部分と密閉箇所を必要とする。
第2のバリアントは、シリンダヘッドの領域内に比較的わずかな組み込み空間しか必要とせず、この領域内で付加的な構成部分と密閉箇所を必要としない、という利点を有している。しかしそれは欠点を有し、収集導管内に、それがインジェクタのための貯蔵器として共通に利用されることにより、はっきりとした圧力振動がもたらされ、それが噴射品質にとって不利となり、噴射設備の種々のコンポーネントの寿命を短縮する。
したがって、従来技術の上述した欠点をもたず、あるいは少なくとも部分的に回避する技術的解決を提供する課題が設定される。
この課題は、独立した特許請求項の対象によって解決される。
それによれば、本発明の第1の視点は、高圧下にある流体を負荷へ移送するための、特に噴射圧下にあるディーゼル燃料をディーゼルエンジンの1つ又は複数のインジェクタへ供給するための、高圧導管に関する。
高圧導管は、第1、第2及び第3の導管セクションを有しており、それらの導管セクションは意図された高圧導管の駆動において次々と貫流され、かつ、金属からなる一体的構成部品によって一緒に形成されている。その場合に第1の導管セクションと第3の導管セクションはそれぞれ、それらの間に配置された第2の導管セクションよりも小さい流れ横断面もしくは導管直径を有している。
本発明に係る高圧導管によって、コモンレール噴射システムを形成することが可能となり、それは内蔵され、あるいは取り付けられた個別貯蔵器を備えたインジェクタなしでも、かつ、各インジェクタのためのシリンダヘッドの領域内のスペース需要をそれに応じて減少させて、専用のインジェクタ近傍の貯蔵器を提供し、その貯蔵器からインジェクタが供給を受けるので、システム内の圧力振動を大幅に防止することができ、かつきわめて高い噴射品質と寿命を達成することができる。
好ましくは高圧導管の横断面は、第2の導管セクションの領域内では、第1の導管セクション内及び/又は第3の導管セクション内の少なくとも2倍の大きさであり、好ましくは少なくとも3倍の大きさである。
第2の導管セクションの容積が、第1及び第3の導管セクションを合わせた容積の少なくとも5倍、さらに好ましくは少なくとも10倍の大きさであることも、効果的である。
同様に、導管が第2の導管セクションの領域内で、1.5よりも大きい、特に2.5よりも大きい、内径に対する外径の比を有していると、効果的である。
この種の横断面比、容積比及び直径比は、特に実際的であることが、明らかにされている。
好ましくは、高圧導管の第1、第2及び第3の導管セクションを形成する、導管の一体的構成部品が、900MPaより大きい、さらに好ましくは1100MPaより大きい引っ張り強度を有する金属材料からなる。
ここでは、熱処理された鋼、低合金の鋼、あるいは、X5CrNi18−10(AISI 304)、X2CrNiMo17−12−2(AISI 316)、X15CrMnNiN17−7−5(AISI 201)、X15CrMnNiN18−8−5(AISI 202)、X19CrMnNiCuN17−8−3−3(AISI 204)、X2CrNiMnMoNbN21−9−4−3又はX4CrNiMnMo21−9−4のタイプのオーステナイトのステンレススチールが、特に好ましいことが明らかにされている。
優先されることであるが、高圧導管の第1、第2及び第3の導管セクションを形成する、導管の一体的構成部品が、接合箇所をもたず、特に溶接継目をもたない場合に、この構成部分の特に高い圧力震動強度を達成することができる。
高圧導管の好ましい実施形態において、高圧導管の第1、第2及び第3の導管セクションを形成する、導管の一体的構成部品が、少なくとも第2の導管セクションの領域内で、同一又は異なる材料からなる、好ましくは異なる金属からなる、1つ又は複数のアウターケーシングによって包囲されている。
このようにして本発明に係る高圧導管は、改良された機能性をもって、たとえば導管内部の向上した耐腐食性をもって、あるいは向上した圧力振動強度をもって、提供することができる。
その場合に好ましい変形例によれば、高圧導管の第1、第2及び第3の導管セクションを形成する、導管の一体的構成部品とアウターケーシングとの間に、場合によっては生じる漏れを管理して排出させるために、高圧導管を包囲する空間が形成されている。この空間は、たとえば簡単なやり方で、一体的構成部品の外周にまずプロフィールが設けられてから、ケーシングが設けられることによって、形成される。
その場合に、高圧導管の第1、第2及び第3の導管セクションを形成する、一体的構成部品を包囲するアウターケーシングの外径が、第2の導管セクションの領域内で、導管の内径の2倍よりも大きく、好ましくは3倍よりも大きいことも、効果的である。この種の直径比は、特に実際的であることが明らかにされている。
高圧導管の他の好ましい実施形態において、第1の導管セクション、第2の導管セクション及び/又は第3の導管セクションの内部に、導管内の圧力震動を緩衝するために、テーパー部が設けられている。
好ましくは、第1の導管セクション及び/又は第3の導管セクション及び/又は第1、第2又は第3の導管セクション内に場合によっては設けられるテーパー部が、回転冷間鍛造加工(ロータリースウェージング加工)によって、あるいは回転冷間鍛造加工を適用して、成形されている。この冷間変形によって、変形されたセクションが増大された強度を有しており、それは望ましいことである。
その場合に、高圧導管の第1、第2及び第3のセクションを形成する一体的構成部品が、好ましくは冷間引抜され、あるいは深い孔あけによって形成された、第2の導管セクションの横断面を有する母材から、回転冷間鍛造加工によって、あるいは回転冷間鍛造加工を適用して成形されていると、特に効果的である。この種の構成部分は、コスト的に好ましいやり方で、接合箇所なしで形成される。
さらに他の好ましい実施形態において、高圧導管は1つだけの供給開口部と、1つだけの排出開口部とを有している。
その場合に第1の導管セクションと第3の導管セクションは、好ましくは高圧導管の端部に配置されており、かつ、高圧流体を供給及び排出する構成部分に高圧導管を圧密に接続するための接続セクションとして形成されており、好ましくはそれに形成され、あるいはその上に冷間鍛造加工されたシールリングを有している。
この種の導管は、特に共通の収集導管から出ている、個々のインジェクタ用の供給導管として、あるいはモジュラーブリッジ導管として適しており、そのブリッジ導管は、エンジンの直接互いに連続するシリンダのインジェクタを互いに接続し、そのようにして一緒につながった燃料高圧導管を形成する。
その場合に高圧導管の外径が、第1の導管セクション及び/又は第3の導管セクションの領域内で、第2の導管セクションの領域におけるよりも小さい場合に、付加的に、接続箇所の領域内でより少ないスペースしか必要とされない、という利点が生じる。
さらに他の好ましい実施形態において、高圧導管はその長手方向の延びに沿って相前後して交互に配置された、より小さい導管横断面もしくは導管直径を備えた導管セクションと、より大きい導管横断面もしくは導管直径を備えた導管セクションとを有しており、したがってより狭いセクションを介して互いに接続された複数の貯蔵器領域を有している。より大きい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクションが、それぞれ径方向の排出開口部を有している場合に、この種の本発明に係る高圧導管は、緩衝セクションを介して相前後して接続された複数の貯蔵器を有する収集導管として使用され、その場合に各貯蔵器がインジェクタに対応づけられ、そのインジェクタに貯蔵器が、その径方向に排出開口部に連続する個々の供給導管を介して燃料を供給する。それによって、共通の収集導管とそこから出ている個々の供給導管とを有するコモンレールシステムにおいて知られた圧力振動の問題は、著しく軽減することができ、それによって噴射品質及び噴射設備の種々のコンポーネントの寿命を著しく改良することができる。
その場合に好ましくは、この種の高圧導管は、唯一の軸方向の供給開口部を有している。それによって、製造を容易にすることができ、かつシール箇所の数を低く抑えることができる。
さらに他の好ましい実施形態において、本発明に係る高圧導管は、特に第2の導管セクションの領域内で、曲げられている。この種の導管は、構造的条件に良好に適合する、という利点を有している。
本発明の第2の視点は、本発明の第1の視点に基づく高圧導管を形成する方法に関する。その場合にそのパイプ長さにわたって実質的に統一されたパイプ導管セクションを有する金属パイプは、少なくとも2つの互いに離隔したパイプセクションにおいて、このセクションの領域内で回転冷間鍛造加工によってそのパイプ導管横断面が減少されている。
本発明に係る方法によって、コスト的に好ましいやり方で本発明に係る高圧導管が形成され、その高圧導管はさらに、変形された領域内で強度が高くなる、という利点を有している。
この方法の好ましい実施形態において、回転冷間鍛造加工は少なくとも金属パイプの端部の領域内で行われる。このようにしてパイプ端部が同時に、このように形成された高圧導管を高圧流体を供給及び排出する構成部分に、たとえばそれに形成され、あるいはその上に冷間鍛造加工された圧力リングによって、圧密に接続するための接続セクションとしても形成することができ、その圧力リングを用いて、それぞれのパイプ導管端部において固定手段による軸方向の形状結合の作用が可能である。
方法の他の好ましい実施形態において、回転冷間鍛造加工は1つ又は複数のパイプセクション内で次のように、すなわちそれぞれのパイプ導管セクションが所望の横断面削減を介して縮小されて、次に特に孔あけによって、所望の横断面寸法に拡大されるように、行われる。
方法のさらに他の好ましい実施形態において、回転冷間鍛造加工が1つ又は複数のパイプセクション内で次のように、すなわちそれぞれのパイプ導管セクションがインナー工具の回りで、特にアーバの回りで、材料が完全に工具に添接するまで冷間鍛造加工されて、その後工具が除去されて、残るパイプ導管セクションがこの領域内で工具横断面に実質的に相当するように、行われる。
本発明に係る方法の最後に挙げた2つの実施形態によって、変形された領域内で正確に寸法決めされたパイプ導管セクションが得られる。
本発明の第3の視点は、駆動中に噴射圧下にある燃料を恒久的に準備する燃料高圧ポンプを有する内燃機関、特にディーゼルエンジン又はガスエンジンに関するものであって、その燃料高圧ポンプが高圧導管を介してエンジンの個々のシリンダに対応づけられたインジェクタと接続されている。その場合に高圧導管の少なくとも一部が、本発明の第1の視点に基づいて形成されている。
本発明に係る高圧導管を内燃機関のコモンレール噴射システム内の高圧導管として使用する場合に、本発明に係る利点が特に著しく効力を発する。
エンジンの第1の好ましい実施形態において、燃料ポンプが高圧収集導管内へ給送し、その収集導管からそれぞれインジェクタについて、個々の高圧供給導管がそれぞれのインジェクタへ通じている。
その場合に好ましくは、インジェクタへ通じるそれぞれの高圧供給導管が、本発明の第1の視点に従って形成されており、かつ1つだけの供給開口部と1つだけの排出開口部とを有しており、さらに好ましくは、第1の導管セクションと第3の導管セクションが高圧導管の端部に配置されており、かつ高圧流体を供給及び排出する構成部分に導管を、好ましくはそれに形成され、あるいはその上に冷間鍛造加工された圧力リングによって、圧密に接続する接続セクションとして形成されている。同様に好ましくは、高圧導管の外形が、第1の導管セクション及び/又は第3の導管セクションの領域内で、第2の導管セクションの領域内におけるよりも小さい。
その場合にさらに好ましくは、高圧収集導管が本発明の第1の視点に基づいて形成されており、その長手方向の延びに沿って相前後して交互に配置された、より小さい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクションと、より大きい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクションとを有しており、その場合により大きい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクションがそれぞれの径方向の排出開口部を有しており、その排出開口部にそれぞれのインジェクタへの高圧供給導管が連続している。その場合にさらに好ましくは、高圧収集導管が唯一の軸方向の供給開口部を有している。
エンジンの第2の好ましい実施形態において、エンジンの直接互いに連続するシリンダのインジェクタが、それぞれそれらの間に配置されている、好ましくは同一に形成された、本発明の第1の視点に基づく高圧ブリッジ導管を介して互いに、ブリッジ導管が一緒になってつながった高圧導管を形成するように、接続されている。その場合に燃料高圧ポンプが高圧導管内へ給送し、その高圧導管がインジェクタの1つへ通じており、かつそこから、このインジェクタから離れるように案内されるブリッジ導管内へ通じている。
その場合に好ましくは、ブリッジ導管がそれぞれ1つだけの供給開口部と1つだけの排出開口部とを有しており、さらに好ましくは、第1の導管セクションと第3の導管セクションがそれぞれの高圧導管の端部に配置されており、かつ高圧流体を供給及び排出する構成部分に導管を、好ましくはそれに形成された、あるいはその上に冷間鍛造加工された圧力リングによって、圧密に接続するための接続セクションとして形成されている。その場合に同様に好ましくは、ブリッジ導管の外形が第1の導管セクション及び/又は第3の導管セクションの領域内で、第2の導管セクションの領域内におけるよりも小さい。
この種の内燃機関によって、傑出した排ガス値と噴射コンポーネントの長い寿命とが得られる。
本発明の他の好ましい形態が、従属請求項から、そして図面を用いて行う以下の説明から明らかにされる。
第1の本発明に係る高圧供給導管を示す縦断面図である。 第2の本発明に係る高圧供給導管を示す縦断面図である。 第3の本発明に係る高圧供給導管を示す縦断面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 第1の本発明に係る高圧ブリッジ導管を示す縦断面図である。 第2の本発明に係る高圧ブリッジ導管の半分を示す縦断面図である。 本発明に係る高圧供給導管の接続端部とその上に冷間鍛造された圧力リングとを示す縦断面図である。 第1の本発明に係る高圧収集導管の部分セクションを示す縦断面図である。 第2の本発明に係る高圧収集導管の部分セクションとそれに接続された本発明に係る高圧供給導管を示す縦断面図である。 図8のB−B線に沿って示す断面図である。 インジェクタに接続された第2の本発明に係る高圧ブリッジ導管を示す断面図である。 第3の本発明に係る高圧収集導管の部分セクションを示す縦断面図である。
図1は、インジェクタを噴射システムの高圧収集導管と接続するための、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムの第1の本発明に係る高圧インジェクタ供給導管を縦断面で示している。
見てわかるように、高圧インジェクタ供給導管は3の導管セクション1、2、3を有しており、それらが所定の駆動において次々と、供給開口部7において導管内へ流入し、かつ排出開口部8を介してインジェクタへ流出するディーゼル燃料によって貫流され、かつ一体的なパイプボディ4と共にタイプ42CrMo4の低合金化された熱処理鋼から形成されている。パイプボディ4は、接合箇所を有していない。
高圧インジェクタ供給導管の端部に形成され、かつまっすぐなパイプセクションとして形成されている第1の導管セクション1と第3の導管セクション3は、それぞれそれらの間に配置された、90°パイプ屈曲部として形成されている第2の導管セクション2よりも小さい導管直径を有している。第2の導管セクション2内の導管直径は、第1の導管セクション1もしくは第3の導管セクション3内の導管直径の約2.5倍に相当する。
第2の導管セクション2は、第1の導管セクション1及び第3のそれ3をまとめたものとほぼ同一の長さであって、その容積は第1の導管セクション1と第3のそれ3とをまとめた容積の5倍よりも大きい。
第1の導管セクション1と第3の導管セクション3は、回転冷間鍛造加工によって成形されており、回転冷間鍛造加工前には、第2の導管セクション2と等しい横断面を有していた。同様に第1の導管セクション1と第3の導管セクション3の領域内の高圧導管の外径は、第2の導管セクション2の領域内よりも小さく、かつ内径に対する外径の比は、第2の導管セクション2内では約1.6であり、第1の導管セクション1と第3の導管セクション3の領域内では約3.4である。
図2は、コモンレール噴射システムの第2の本発明に係る高圧インジェクタ供給導管を縦断面で示しており、その高圧インジェクタ供給導管は、図1に示すものから、第3の導管セクション3が排出開口部8の領域内に、導管内の圧力振動を緩衝するためのテーパー部6を有していることのみが異なる。
図3は、コモンレール噴射システムの第3の本発明に係る高圧インジェクタ供給導管を縦断面で示しており、図3aは図3のA−A線に沿って導管の横断面を示している。この高圧インジェクタ供給導管は、図1に示すものから、3つの導管セクション1、2、3を形成する一体的構成部品4がより肉薄に形成され、熱処理鋼から形成されており、かつその延び全体にわたって隙間なしに、オーステナイトのステンレススチールからなるアウターケーシング4aによって包囲されていることにより、区別される。このようにして得られた肉厚全体は、個々の導管セクション1、2、3内で、図1に示す高圧インジェクタ供給導管におけるそれとほぼ比較可能である。ここでも第1の導管セクション1と第3の導管セクション3は、回転冷間鍛造加工によって成形されている。それらは、回転冷間鍛造加工前は、第2の導管セクション2と同一の横断面を有していた。
図4は、エンジンの2つのインジェクタを接続するための、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムの第1の本発明に係る高圧ブリッジ導管(ジャンパー導管とも称される)を縦断面で示している。
この高圧ブリッジ導管は、図1に示す高圧インジェクタ供給導管から単に、鏡対称の形状を有することによって区別され、それにおいて終端側の第1と第3の導管セクション1、3が同一に形成されて、同じ方向に方位づけされており、かつ弓形の中央の第2の導管セクション2によって互いに結合されている。その場合に第2の導管セクション2が、図1に示す高圧インジェクタ供給導管におけるよりもずっと長く、それによりその容積もそれに伴って増大されている。その他においては、図1に示す高圧インジェクタ供給導管について前に説明したすべてが、この高圧ブリッジ導管についても当てはまる。
図5は、第2の本発明に係る高圧ブリッジ導管の半分を縦断面で示しており、それは、図4に示す高圧ブリッジ導管と等しい鏡対称の基本形状を有している。ここに示すブリッジ導管は、図4に示す導管から単に次のことにおいて、すなわちその長手方向の延びに沿って相前後して交互に配置された、より小さい導管直径を有する導管セクション3、3aとより大きい導管直径を有する導管セクション2a、2bとを、特に全部で5つの、より小さい導管直径を有する導管セクション(導管の半分のみの表示により2つ(3、3a)と第3のものの一部のみが見える)と、全部で4つの、より大きい導管直径を有する導管セクション(導管の半分のみの表示により、2つだけ(2a、2b)が見える)を有していることにおいて、区別される。終端側の導管セクション1、3(導管の半分のみに表示により、左の導管セクション1のみが見える)は、図4に示す高圧ブリッジ導管におけるのと同一である。
図6は、本発明に係る高圧導管の、排出開口部8を有する終端側の導管セクション3を、先行する図と同様にその上に冷間鍛造加工された圧力リング11と共に縦断面で示している。
図7は、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムの、第1の本発明に係る高圧収集導管の一部を縦断面で示しており、その高圧収集導管によって噴射システムのインジェクタのための複数の高圧供給導管に供給が行われる。
見てわかるように、高圧収集導管は供給開口部7を備えた供給導管セクション1、分配セクション2及び分配セクション2から出る複数の排出通路3を有しており、それらの排出通路が、それに接続すべきインジェクタ用の供給導管に供給するために、それぞれ収集導管の排出開口部8を形成する。
供給導管セクション1、分配セクション2及び排出通路3は、意図された駆動において次々と、供給開口部7において収集導管内へ流入して、排出開口部8を介してインジェクタ用の供給導管へ流出するディーゼル燃料によって貫流され、かつ一体的なパイプボディ4と共に、900MPaより大きい引っ張り強度を有する熱処理された低合金の鋼から形成されている。
供給導管セクション1と分配セクション2は、相前後して配置された、一致する中心軸を備えたまっすぐなパイプセクションとして形成されており、排出通路3は分配セクション2から径方向に分岐している。
供給導管セクション1は、分配セクション2よりも小さい導管直径を有しており、排出通路3は、供給導管セクション1よりも小さい導管直径を有している。分配セクション2の導管直径は、供給導管セクション1の導管直径のほぼ2倍に相当し、供給導管セクションの導管直径が排出通路3の導管直径のほぼ3倍に相当する。
供給導管セクション1は、回転冷間鍛造加工によって形成されており、回転冷間鍛造加工前には分配セクション2の横断面と同一の横断面を有していた。同様に第1の供給導管セクション1の領域内の収集導管の外径は、第2の分配セクション2の領域内よりも小さい。内径に対する外径の比は、分配セクション2の領域内で約2.0であり、供給導管セクション1の領域内では約3.6である。
排出開口部8を有する排出通路3は、分配セクション2の壁の孔によって形成されている。
図8は、第2の本発明に係る高圧収集導管12の部分セクションを、それに接続されている本発明に係る高圧供給導管13と共に縦断面で示しており、図8aは、図8のC−C線に沿った断面を示している。
ここに図示される高圧収集導管12は、図7に示す収集導管とは異なり、(図示されない)供給導管セクション、分配セクション2及び流出開口部を備えた排出通路3を形成する一体的なパイプボディ4が、高圧供給導管13の接続部9、10の間の領域内で金属からなるアウターケーシング4bによって包囲されており、そのアウターケーシングがパイプボディ4と共に、場合によっては生じる漏れを管理して排出するための、パイプボディ4を取り巻く空間5を形成している。
ここに図示される高圧供給導管13は、図3に示す供給導管とは異なり、導管13の接続端部にケーシング4aが設けられておらず、その代わりに冷間鍛造加工されたシールリング11が設けられており、そのシールリングは、高圧収集導管12を把持する固定ボディ10に設けられたカラーフランジ9によってそれぞれの導管端部を固定するために用いられる。
図9は、インジェクタ14に接続された2つの本発明に係る高圧ブリッジ導管15(それぞれ一部だけ示されている)を断面で示している。
ここに示される高圧ブリッジ導管15は、図4に示すブリッジ導管とは異なり、接続端部に至るまでケーシング4aを有しており、接続端部にそれぞれ冷間鍛造加工されたシールリング11が設けられており、そのシールリングはそれぞれの導管端部をユニオンナット9によってインジェクタ14の接続ブロック10に固定するために用いられる。
図10は、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムの、第3の本発明に係る高圧収集導管の一部を縦断面で示しており、その高圧収集導管によって噴射システムのインジェクタのための複数の高圧供給導管が供給を受ける。
この高圧収集導管は、図7に示す収集導管とは少しだけ異なり、供給導管セクション1、分配セクション2及び排出開口部8を備えた排出通路3を形成する、一体的なパイプボディ4が、分配セクション2の領域内でその長手方向の延びに沿って相前後して交互に配置された、より小さい導管直径を備えた導管セクション6と、より大きい導管直径を備えた導管セクション2a、2b、2cとを有している。このようにして貯蔵器セクション2は、より狭いセクションを介して互いに接続された複数の貯蔵領域を形成し、その貯蔵領域からそれぞれ、排出開口部8を備えた径方向の排出通路3が出ている。したがってこの高圧収集導管が規定通りに使用された場合に、これらの貯蔵領域2a、2b、2cの各々は、正確にインジェクタに対応づけられ、そのインジェクタに、その径方向の排出開口部8に接続された個々の供給導管を介して燃料を供給する。
より小さい導管直径を有するテーパーの導管セクション6は、回転冷間鍛造加工によって形成されている。
この出願において本発明の好ましい形態が記述されているが、本発明はこれらに限定されず、以下の特許請求項の範囲内で他のやり方で形成することもできることを、はっきりと指摘しておく。

Claims (31)

  1. 高圧下の流体を移送するための、特に、内燃機関の1つまたは複数のインジェクタ(14)に注入圧力下の燃料を供給するための、高圧導管であって、第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を有し、それらの導管セクション(1、2、3)が意図された高圧導管の駆動において次々と貫流され、かつ金属からなる一体的構成部品(4)によって一緒に形成されており、
    第1の導管セクション(1)と第3の導管セクション(3)がそれぞれそれらの間に配置された第2の導管セクション(2)よりも、より小さい流れ横断面を有し、特に、より小さい導管直径を有している、高圧導管。
  2. 導管の導管横断面が、第2の導管セクション(2)の領域内で、第1(1)及び/又は第3の導管セクション(3)内におけるよりも少なくとも2倍の大きさ、特に少なくとも3倍の大きさである、請求項1に記載の高圧導管。
  3. 第2の導管セクション(2)の容積が、第1(1)と第3の導管セクション(3)を合わせた容積の少なくとも5倍、特に少なくとも10倍の大きさである、請求項1または2に記載の高圧導管。
  4. 第2の導管セクション(2)の領域内で、1.5より大きい、特に2.5よりも大きい、内径に対する外径の比を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の高圧導管。
  5. 900MPaより大きい、特に1100MPaより大きい引っ張り強度を有する材料からなる一体的構成部品(4)が形成されている、請求項1か4のいずれか1項に記載の高圧導管。
  6. 第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を形成する一体的構成部品(4)が、熱処理された鋼、特に低合金の鋼、あるいは、X5CrNi18−10(AISI 304)、X2CrNiMo17−12−2(AISI 316)、X15CrMnNiN17−7−5(AISI 201)、X15CrMnNiN18−8−5(AISI 202)、X19CrMnNiCuN17−8−3−3(AISI 204)、X2CrNiMnMoNbN21−9−4−3又はX4CrNiMnMo21−9−4のタイプのオーステナイトのステンレススチールから形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の高圧導管。
  7. 第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を形成する一体的構成部品(4)が、接合箇所をもたず、特に溶接継目をもたない、請求項1から6のいずれか1項に記載の高圧導管。
  8. 第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を形成する一体的構成部品(4)が、少なくとも第2の導管セクション(2)の領域内で、同一の材料又は他の材料からなる、特に他の金属からなる、1つ又は複数のアウターケーシング(4a、4b)によって包囲されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の高圧導管。
  9. アウターケーシング(4b)が設けられており、前記アウターケーシングが、第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を形成する一体的構成部品(4)と共に、場合によっては生じる漏れを管理して排出するために、この一体的構成部品(4)を包囲する空間(5)を形成している、請求項8に記載の高圧導管。
  10. 高圧導管の第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクション(3)を形成する一体的構成部品(4)を包囲するアウターケーシング(4a、4b)の外径が、第2の導管セクション(2)の領域内で、導管の内径の2倍より大きい、特に3倍より大きい、請求項8から9のいずれか1項に記載の高圧導管。
  11. 第1(1)、第2(2)及び/又は第3の導管セクション(3)の内部に、導管内の圧力震動を緩衝するために、導管セクションのテーパー部(6)が設けられている、請求項1から10のいずれか1項に記載の高圧導管。
  12. 第1(1)及び/又は第3の導管セクション(3)、及び/又は、第1、第2又は第3の導管セクション内に場合によっては設けられるテーパー部(6)が、回転冷間鍛造加工により、あるいは回転冷間鍛造加工を適用して成形されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の高圧導管。
  13. 第1(1)、第2(2)及び第3の導管セクションを形成する一体的構成部品(4)が、特に冷間引抜又は深くり抜きによって形成された、第2の導管セクションの横断面を有する母材から、回転冷間鍛造加工により、あるいは回転冷間鍛造加工を適用して成形されている、請求項12に記載の高圧導管。
  14. 高圧導管が、ただ1つの供給開口部(7)と、ただ1つの排出開口部(8)とを有する、請求項1から13のいずれか1項に記載の高圧導管。
  15. 第1(1)と第3の導管セクション(3)が、前記高圧導管の端部に配置されており、かつ、高圧導管を、燃料を供給及び排出する構成部分(9、10)に圧密に接続するための、特にそれに形成され、あるいはその上に鍛造形成された圧力リング(11)を有する、接続セクションとして形成されている、請求項14に記載の高圧導管。
  16. 前記高圧導管の外径が、第1(1)及び/又は第3の導管セクション(3)の領域内で、第2の導管セクション(2)の領域内よりも小さい、請求項14から15のいずれか1項に記載の高圧導管。
  17. 高圧導管が、その長手方向の延びに沿って相前後して交互に配置された、より小さい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクション(1、3、3a)と、より大きい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクション(2、2a)とを有し、特に、より大きい導管横断面もしくは導管直径を有する導管セクションが、それぞれ径方向の排出開口部を有している、請求項1から16のいずれか1項に記載の高圧導管。
  18. 導管が、唯一の軸方向の供給開口部(7)を有している、請求項17に記載の高圧導管。
  19. 高圧導管が、特に第2の導管セクション(2)の領域内で、曲げられている、請求項1から18のいずれか1項に記載の高圧導管。
  20. 請求項1から19のいずれか1項に記載の高圧導管を形成する方法であって、
    a)パイプ長さにわたって実質的に統一的なパイプ導管横断面を有する金属パイプを準備するステップと、
    b)少なくとも2つの互いに離隔したパイプセクションにおいて、このセクションの領域内でパイプ導管横断面を減少させるために、金属パイプを回転冷間鍛造加工するステップとを、含む、方法。
  21. 回転冷間鍛造加工が、金属パイプの端部の領域内で行われる、請求項20に記載の方法。
  22. 回転冷間鍛造加工によって金属パイプのそれぞれの端部に圧力リングが形成され、あるいは鍛造加工され、前記圧力リングによって、構成部分にパイプ導管を接続するための固定手段によるそれぞれのパイプ導管端部における軸方向の形状結合作用が可能である、請求項21に記載の方法。
  23. 回転冷間鍛造加工が、金属パイプの端部の間の領域内で、特に互いに均一に離隔した複数のパイプセクションにおいて行われる、請求項20から22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 回転冷間鍛造加工が少なくとも1つのパイプセクション内で次のように、すなわちパイプ導管横断面が所望の横断面減少を超えて縮小されて、次に、特に孔をあけることによって所望の横断面寸法に拡大されるように、行われる、請求項20から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 回転冷間鍛造加工が少なくとも1つのパイプセクション内で次のように、すなわちパイプ導管横断面がインナー工具を取り巻いて、特にマンドレルを取り巻いて、材料が完全に工具に添接するまで冷間鍛造加工され、その後工具が除去されて、この領域内に残るパイプ導管横断面が実質的に工具横断面に相当するように、行われる、請求項20から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 駆動中に噴射圧下にある燃料を永続的に準備する燃料高圧ポンプを有し、前記燃料高圧ポンプが高圧導管を介して、エンジンの個々のシリンダに対応づけられたインジェクタ(14)と接続されている、内燃機関、特にディーゼルエンジン又はガスエンジンであって、前記高圧導管が、請求項1から19のいずれか1項に記載の高圧導管を含む、内燃機関。
  27. 前記高圧燃料ポンプが高圧収集導管(12)に燃料を供給し、該高圧収集導管(12)から、インジェクタ毎の単一の高圧供給導管(13)がそれぞれインジェクタに繋がっている、請求項26に記載の内燃機関。
  28. 前記インジェクタに繋がる高圧供給導管(13)が、請求項14から16のいずれか1項に記載の高圧導管として形成された、請求項27に記載の内燃機関。
  29. 前記高圧収集導管が、請求項17から18のいずれか1項に記載の高圧導管として形成された、請求項24から28のいずれか1項に記載の内燃機関。
  30. エンジンの直接互いに連続するシリンダのインジェクタ(14)が、それぞれそれらの間に配置された、特に同一に形成された高圧ブリッジ導管(15)を介して、ブリッジ導管(15)が一緒になってつながった高圧導管を形成するように、互いに接続されており、かつ燃料高圧ポンプがインジェクタ(14)の1つへ通る高圧導管内へ給送し、かつそこから、このインジェクタ(14)から離れるように案内されるブリッジ導管(15)内へ供給する、請求項26に記載の内燃機関。
  31. 前記ブリッジ導管(15)が、請求項14から16のいずれか1項に記載の高圧導管として設計された、請求項30に記載の内燃機関。
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