JP6011845B2 - 分散型電源の自立運転システム - Google Patents
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Description
これにより、例えばコンピュータのような電力品質(電圧・周波数の変動)に比較的敏感な機器を含め、マイクログリッド系統内では、外部の停電の影響を内部の電力供給に全く受けることなく建物の継続運用が可能となる。
このため、商用系統の電源と連系して運転する連系運転時に、確実なピークカットを行うためには、変動に応じて蓄電池(バッテリ)の出力を制御する必要がある。
例えば、特許文献1には、1台の蓄電池電源によって電力ピークカットと系統安定化を図り、しかも蓄電池の寿命を延ばす分散電源システムが開示されている。
図5に示す電源システム90においては、商用系統との連系運転時は、第1遮断器191とACSW(交流半導体スイッチ)120が投入状態、第2遮断器192が開放状態となっており、太陽光発電や電力負荷の変動に応じて蓄電池130の出力制御を行うことにより、ピークカット運転を行う。
一方、停電時は第1遮断器191を開放し、第1遮断器191の状態信号によって非常用発電機190の起動を開始し、ACSWは電圧低下を検出して開放する。非常用発電機190の起動後は、第2遮断器192と交流スイッチ120とを投入することによって太陽光発電出力を活用しながら自立運転を行う。
この構成により、制御部が受電点における電力に応じて蓄電池からの充放電を制御するので、蓄電地への充電は夜間のみではなく、昼間のピークカット運転時においても行なわれる。そのため、蓄電池の設備容量を過大とする必要はなくなり、蓄電池を導入するコストを低減することができる。
この構成により、例えば、昼間に1回目のピークカット放電の後に蓄電池の充電を行い、さらに2回目のピークカット放電を行なうことも可能となるため、蓄電池の設備容量を過大とする必要はなくなり、蓄電池を導入するコストを低減することができる。
図1は、この発明の一実施形態による分散型電源の自立運転システム(以下、自立運転システム10とする)の構成例を示す概略ブロック図である。図1において、100は無停電電源装置、101は入力部、111は電力検出部、102は出力部、110は制御部、120は交流スイッチ(ACSW)、130は蓄電池、131は電力検出部、135はINV(インバータ)、140は太陽電池、をそれぞれ示す。また、145はPCS(パワーコンディショナ)、150は重要負荷、160は保安負荷、170は防災負荷、180は一般負荷、181は電力検出部、190は非常用発電機、191は第1遮断器、192は第2遮断器、をそれぞれ示す。また、200は商用電源、201は受電点遮断器、P1は受電点、400は給電ライン、をそれぞれ示す。なお、図1において、重要負荷150を含み、停電直後と非常用発電機190が燃料枯渇により発電不能となった後との第1の自立範囲(A)、停電時に非常用発電機190の運転中に自立する範囲である第2の自立範囲(B)が定義される。第1の自立範囲(A)は、自立運転システム10のうち、商用電源200側からみて入力部101を含み、当該入力部101よりも後段側に接続される各構成を含んでいる。また、第2の自立範囲(B)は、第1遮断器191を含み、当該第1遮断器191よりも後段側に接続される各構成を含んでいる。
一般負荷180は、商用系統である商用電源200による給電ラインに受電点P1を介して接続され、給電ラインが停電その他の異常状態に陥った時には、受電点遮断器201により給電が遮断される。
保安負荷160、及び防災負荷170は、保安用途の負荷や防災用途の負荷などであり、重要度の高い負荷であって、給電ライン400に接続されている。給電ライン400は、第1遮断器191を介して一般負荷180と同様に、受電点P1に接続される。
第2遮断器192は、第1遮断器191が投入されて商用電源200の給電ラインが給電状態にあるとき開放され、商用電源200の給電ラインが停電状態となって非常用発電機190の電圧が確立すると投入される。この第2遮断器192が投入されると、非常用発電機190の発電出力が保安負荷160、防災負荷170、及び重要負荷150に給電される。また、非常用発電機190が停止すると第2遮断器192は開放される。
さらに、電力検出部181は、受電点P1において、重要負荷150を含む総負荷(ただし、蓄電池130、太陽電池140、非常用発電機190からの電力供給分は除く)による消費電力を検出する総負荷消費電力検出手段として機能する。電力検出部181は、検出した検出値(受電点電力とする)を制御部110に送信する。
一方、商用電源200が停電状態になると、交流スイッチ120が遮断状態になり、商用電源200からの交流電力の供給が停止される。また、商用電源200に異常が発生すると、停電状態と同様に交流スイッチ120が遮断状態になり、商用電源200からの交流電力の供給が停止される。この場合、蓄電池130からの電力が出力部102を介して重要負荷150に対して供給される。その後、非常用発電機190が発電を開始すると、非常用発電機190からの電力が第2遮断器192、交流スイッチ120を介して重要負荷150に対して一旦供給される。また、第2の自立範囲(B)における保安負荷160、及び防災負荷170には、非常用発電機190からの電力が供給される。その後、非常用発電機190が発電を停止すると、交流スイッチ120が遮断され、再び蓄電池130からの電力が出力部102を介して重要負荷150に対して供給される。
インバータ135と交流スイッチ120との間には、電力検出部131が設けられる。電力検出部131は、蓄電池130における充放電電力を検出し、検出した検出値(蓄電池出力とする)を制御部110に送信する。
また、パワーコンディショナ145と交流スイッチ120との間には電力検出部111が設けられる。電力検出部111は、太陽電池140と重要負荷150との合算の電力量を検出し、検出した検出値を制御部110に送信する。
制御部110は、交流スイッチ120、パワーコンディショナ145、インバータ135の充放電制御回路に対して、制御信号、制御指令値を出力し、それぞれを制御する。
制御部110は、加算器21、減算器22、BPF(バンドパスフィルタ)23、LPF(ローパスフィルタ)24、リミッタ(制限器)25、加算器26、及びリミッタ27を含んで構成される。
減算器22は、加算器21の加算結果から買電目標値(目標電力値)を減算して、減算結果をLPF24に対して出力する。
BPF23は、高域遮断周波数FHと低域遮断周波数FLとが予め設定され、これらの周波数の範囲にある周波数成分を抽出し、抽出後の信号を加算器26に対して出力する。高域遮断周波数FHと低域遮断周波数FLとの間の周波数帯域が、受電点P1におけるLFC帯域の周波数である。BPF23による抽出後の信号に応じて生成される蓄電池指令値が、蓄電池130の充放電制御回路に入力される。充放電制御回路は、この蓄電池指令値に応じて蓄電池130を構成する二次電池の充放電をコントロールし、受電点P1におけるLFC帯域の周波数の変動を補償する。なお、高域遮断周波数FHは、例えば10mHzであり、低域遮断周波数FLは、例えば1mHzである。
リミッタ(制限器)25は、上限値と下限値が設定され、入力信号であるLPF24による抽出後の信号に対して上限値と下限値との間で制限をかけて出力信号を生成し、生成した出力信号を加算器26に対して出力する。ここで、リミッタ25の上限値、及び下限値は、蓄電池130の充電量(State Of Charge;以下SOCとする)が以下の値となるように設定される。
すなわち、リミッタ25の上限値は、満充電状態(SOC100%)に対して、充電時における蓄電池130のSOCが70〜100%の間の予め設定される値(第2の充電量)となるように設定される。この上限値に応じて生成される蓄電池指令値が、インバータ135の充放電制御回路に入力される。インバータ135の充放電制御回路は、この蓄電池指令値に応じて蓄電池130を構成する二次電池の充電をコントロールし、蓄電池130のSOCが第2の充電量以上となり、蓄電池130が過充電状態となることを防止する。
リミッタ27は、上限値と下限値が設定され、加算器26による加算結果に対して上限値と下限値との間で制限をかけて蓄電池指令値を生成し、生成した蓄電池指令値をインバータ135の充放電制御回路に対して出力する。ここで、リミッタ27の上限値、及び下限値は、次のように設定される。
すなわち、上限値は、(交流スイッチ120の上限値)−(太陽電池140出力)+(重要負荷150消費電力)、下限値は、(交流スイッチ120の下限値)−(太陽電池140出力)+(重要負荷150消費電力)と設定される。ここで、(交流スイッチ120の上限値)、及び(交流スイッチ120の下限値)は交流スイッチの規格に応じて予め設定される。また、(太陽電池140出力)、及び(重要負荷150消費電力)は電力検出部111により得られる検出値(合算の電力量)が用いられる。
図3において、縦軸は負荷電力、受電点電力などの電力量を表し、横軸は時刻tを表す。負荷電力は、一般負荷180、防災負荷170、保安負荷160、重要負荷150において消費される電力の総電力量を示し、受電点電力は、受電点P1で電力検出部181により検出される電力量を示す。また、図3において、目標電力は買売目標値を示す。
時刻t1以前においては、受電点電力は目標電力未満であるが、このとき蓄電池130は満充電の状態にあるので、蓄電池130への充電は行われない。また、受電点電力と負荷電力とが等しい状態で推移する。
時刻t2において、負荷電力が目標電力以上となり受電点電力も目標電力以上となる傾向があるが、制御部110がインバータ135の充放電制御回路に対して蓄電池指令値を送信し、蓄電池130を構成する二次電池からの放電をコントロールする。これにより、時刻t1〜時刻t2において、受電点電力は潮流一定制御により一定に維持され、その結果、ピークカット運転が実行される。なお、この潮流一定制御と併せて、受電点電力のLFC帯域の電力変動についても蓄電池からの放電制御により補償される。
時刻t4において、蓄電池130が満充電状態になると、制御部110がインバータ135の充放電制御回路に対して蓄電池指令値を送信し、蓄電池130への充電を停止する。この時刻t4から時刻t5にかけては、受電点電力と負荷電力とが等しい状態で推移する。
つまり、時刻t2〜時刻t4において蓄電池130に充電された電力を、時刻t5〜時刻t6におけるピークカット運転に用いることが出来る。
8:00において買電目標値が375kWとなり、8:00過ぎの時刻t1において、負荷電力が目標電力以上となり受電点電力も目標電力以上となる傾向がある。しかし、制御部110がインバータ135の充放電制御回路に対して蓄電池指令値を送信し、蓄電池130を構成する二次電池からの放電をコントロールする。これにより、時刻t1〜時刻11:00において、受電点電力は潮流一定制御により一定に維持され、また、蓄電池130からの放電電力により負荷電力と受電点電力との差分を補償するピークカット運転が実行される。なお、この潮流一定制御と併せて、受電点電力のLFC帯域の電力変動についても蓄電池からの放電制御により補償される。
時刻t2(12:00)になると、負荷電力<受電点電力の関係になり、受電点電力と負荷電力との差分の電力が、蓄電池130への充電電力となる。なお、この潮流一定制御と併せて、受電点電力のLFC帯域の電力変動についても蓄電池への受電制御により補償される。
時刻t3において、蓄電池130のSOCの値が上限値(90%)になると蓄電池130への充電が終了する。
この後、蓄電池130の放電分を充電する動作が、22:00〜23:00の間に行われ、蓄電池130のSOCが満充電状態である90%まで回復する。
また、本発明の自立運転システム10によれば、受電点P1のLFC帯域の周波数変動を蓄電池130の充放電により補償するため、電力会社の需給バランス調整のための負担を軽減できる。
Claims (2)
- 商用系統からの電力を軽減する分散型電源の自立運転システムであって、
前記商用系統と系統連系して、前記商用系統からの電力の受電点における電力変動の補償を、蓄電池を用いて行う電力変換部と、
前記受電点における電力が予め設定された目標電力値以上の場合、前記電力変換部を制御して前記蓄電池から電力を放電させ、前記受電点における電力が前記目標電力値未満の場合、前記電力変換部を制御して前記蓄電池に電力を充電する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記蓄電池が補償するべき前記受電点における電力変動の周波数帯域が予め設定され、前記受電点における受電点電力、及び前記蓄電池の出力電力の加算結果が入力され、前記蓄電池の前記周波数帯域における制御を行なうための信号を出力するバンドパスフィルタと、
前記蓄電池が補償するべき前記受電点における電力変動の周波数帯域を構成する高い側の周波数が予め設定され、前記加算結果から前記目標電力値を減算した減算結果が入力されるローパスフィルタであり、前記蓄電池の放電時において充電量が予め設定された第1の充電量以下になると放電を停止し、前記蓄電池の充電時において充電量が予め設定された第2の充電量以上になると充電を停止する制御を行なうための信号を出力するリミッタに対して、前記高い側の周波数以下にある周波数成分が抽出された信号を出力するローパスフィルタと、を有し、
前記リミッタの出力信号と前記バンドパスフィルタの出力信号との加算値に応じて前記電力変換部を制御する蓄電池指令値を出力することを特徴とする分散型電源の自立運転システム。 - 前記目標電力値が複数の時間帯毎に変更される、
ことを特徴とする請求項1に記載の分散型電源の自立運転システム。
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