JP2016140206A - 電力供給機器、電力供給システム、および電力供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電池を長寿命化することができる電力供給機器、電力供給システム、および電力供給方法を提供する。【解決手段】系統40に連系して、分散型電源11,12,13が出力する電力を負荷30に供給する電力供給機器20は、分散型電源11,12,13が系統に連系して運転している間に、分散型電源11,12,13のうち蓄電池13以外のものが出力可能な電力が負荷30の消費電力よりも大きい時、蓄電池13がその負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるように制御する制御部25を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、電力供給機器、電力供給システム、および電力供給方法に関するものである。より詳細には、本発明は、蓄電池を含む分散型電源が出力する電力を負荷に供給可能な電力供給機器、このような電力供給機器を含む電力供給システム、および、このような電力供給システムによる電力供給方法に関するものである。
近年、例えば太陽電池などの発電装置および蓄電池の双方に対応して電力変換を行うパワーコンディショナ(インバータ)を含む電力供給システムの研究が進みつつある。このようなシステムは、発電装置および蓄電池のような分散型電源の出力を、系統および負荷の少なくとも一方に供給することにより、連系運転または自立運転を行うことができる。また、このようなシステムは、発電装置の出力を蓄電池に充電することもできる。
負荷に電力を供給する電源として蓄電池を採用する場合、蓄電池の残容量(SOC:State of Charge)を測定することにより、当該蓄電池の蓄電量を把握することができる(例えば特許文献1参照)。
蓄電池の充放電を制御する際は、当該蓄電池の特性によっては満充電に近い状態を長時間維持しないようにするのが望ましい。蓄電池を使用する際の残容量の望ましい範囲は当該蓄電池の特性によって異なるが、例えばリチウムイオン二次電池のような蓄電池は、満充電付近の状態を長時間維持すると、寿命に悪影響を与えることがある。
本発明の目的は、蓄電池を長寿命化することができる電力供給機器、電力供給システム、および電力供給方法を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る発明は、
系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器であって、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるように制御する制御部を備えるものである。
系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器であって、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるように制御する制御部を備えるものである。
また、前記制御部は、前記蓄電池の残量を設定された値以上に保ちつつ、前記蓄電池が前記負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させてもよい。
また、前記制御部は、前記蓄電池の残量に応じて、当該蓄電池が前記負荷の少なくとも一部に電力を供給してもよい。
また、前記負荷は、前記制御部、自機器を冷却するファン、および自機器を操作するリモコンのうち少なくとも一つを含んでもよい。
本発明の第2の観点に係る発明は、
蓄電池を含む分散型電源と、
系統に連系して、前記分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器と、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給機器は、前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるものである。
蓄電池を含む分散型電源と、
系統に連系して、前記分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器と、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給機器は、前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるものである。
本発明の第3の観点に係る電力供給方法の発明は、
系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給するステップと、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるステップと、
を含むものである。
系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給するステップと、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるステップと、
を含むものである。
本発明によれば、蓄電池を長寿命化することができる電力供給機器、電力供給システム、および電力供給方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。
まず、本発明の実施形態に係る電力供給システムについて説明する。本実施形態に係る電力供給システムは、系統(商用電源系統)40から供給される電力の他に、売電可能な電力を供給する分散型電源および売電不可能な電力を供給する分散型電源の少なくとも一方を備える。売電可能な電力を供給する分散型電源は、例えば太陽光発電などによって電力を供給するシステムである。一方売電不可能な電力を供給する分散型電源は、例えば電力を充放電することができる蓄電池システム、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)などの燃料電池を含む燃料電池システム、およびガス燃料により発電するガス発電機システムなどである。本実施形態においては、売電可能な電力を供給する分散型電源として太陽電池、ならびに売電不可能な電力を供給する分散型電源として蓄電池および燃料電池とを備える例を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る電力供給システム1は、太陽電池11と、燃料電池12と、蓄電池13と、電力供給機器20(パワーコンディショナ)とを含んで構成される。図1に示すように、電力供給システム1は、負荷30と、系統40とに接続される。さらに、電力供給システム1は、適宜、分電盤などの要素とも接続されるが、それらの図示は省略する。
電力供給システム1は、通常は系統40との連系運転を行い、系統40から供給される電力と、各分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)からの電力とを負荷30に供給する。また、電力供給システムは、停電時など系統40からの電力供給がない場合は自立運転を行い、各分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)からの電力を負荷30に供給する。なお、電力供給システム1が自立運転を行う場合には、各分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)は系統40から解列した状態であり、電力供給システム1が連系運転を行う場合には、各分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)は系統40と並列した状態となる。
図1において、各機能ブロックを結ぶ実線は主として電力の流れる配線を表し、各機能ブロックを結ぶ破線は主として制御信号または通信される情報の流れる配線を表す。ここで、制御部25と多くの機能ブロックとの間には制御信号または通信される情報の流れがあるが、これらについては後述する。制御信号および情報の通信は、有線通信としてもよいし、無線通信としてもよい。制御信号および情報の通信には、各階層含め、様々な方式を採用可能である。例えば、ZigBee(登録商標)などの近距離通信方式による通信を採用することができる。また、赤外線通信、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)など、様々な伝送メディアを使用することができる。またそれぞれの通信に適した物理層を含む下位の層の上で、各種プロトコル、例えばZigBee SEP2.0(Smart Energy Profile 2.0)、ECHONET Lite(登録商標)などのような論理層だけ規定される通信プロトコルを動作させてもよい。
太陽電池11は、太陽光のエネルギーを直流の電力に変換するものである。太陽電池11は、例えば光電変換セルを有する発電部がマトリクス状に接続され、所定の直流電流(たとえば10A)を出力するように構成される。太陽電池11は、シリコン系多結晶太陽電池、シリコン系単結晶太陽電池、またはCIGS等薄膜系太陽電池等、光電変換可能なものであればその種類は制限されない。
燃料電池12は、水素を用いて空気中の酸素との化学反応により直流の電力を発電するセルと、その他補機類とを備える。燃料電池12は、対応する電流センサが順潮流(買電方向の電流、本発明の所定の電流に対応)を検出する間発電を行うものであり、発電時には負荷30の消費電力に追従する負荷追従運転または所定の定格電力値による定格運転を行う。負荷追従運転時の追従範囲は、例えば0.5〜3.0kWであり、定格運転時の定格電力値は、例えば3.0kWである。なお、燃料電池12は、連系運転時は負荷30の消費電力に追従する負荷追従運転(例えば0.5〜3.0kW)を行い、自立運転時に、負荷追従運転または定格電力値による定格運転を行うものとしてもよい。
また、燃料電池12に代えて、例えば所定のガスなどを燃料とするガスエンジンで発電するガス発電機を備えるようにしてもよい。
蓄電池13は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の蓄電池から構成される。蓄電池13は、充電された電力を放電することにより、電力を供給可能である。また、蓄電池13は、系統40、太陽電池11から供給される電力に加え、燃料電池12から供給される電力を充電可能である。
電力供給機器20(パワーコンディショナ(またはインバータ))は、太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13から供給される直流の電力と、系統40から供給される交流の電力との変換を行うとともに、連系運転および自立運転の切り替え制御を行うものである。電力供給機器20は、DC/DC部21〜23と、インバータ24と、電力供給機器20全体を制御する制御部25とを備える。
DC/DC部21〜23は、インバータ24の前段で直流電力を昇圧または降圧するものである。例えば、DC/DC部21は、太陽電池11からの直流電力を一定の電圧まで昇圧してインバータ24に供給する。DC/DC部22は、燃料電池12からの直流電力を一定の電圧まで昇圧してインバータ24に供給する。DC/DC部23は、蓄電池13からの直流電力を一定の電圧まで昇圧してインバータ24に供給する。また、DC/DC部23は、インバータ24、DC/DC部21あるいはDC/DC部22からの直流電圧を降圧して蓄電池13に供給する。
インバータ24は、双方向インバータであって、太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13から供給される直流の電力を交流の電力に変換し、また、系統40から供給される交流の電力を直流の電力に変換する。
制御部25は、例えばマイクロコンピュータで構成され、系統電圧の上昇や停電等の状態等に基づいて、インバータ24、連系運転スイッチ22、23、自立運転スイッチ24、DC/AC部26、DC/DC部21〜23等の各部の動作を制御する。制御部25は、連系運転時には、連系運転スイッチ22、23をオン、自立運転スイッチ24をオフに切り替える。また、制御部25は、自立運転時には、連系運転スイッチ22、23をオフ、自立運転スイッチ24をオンに切り替える。
電源リレー26は、任意のリレーまたはトランジスタなどにより構成され、オン/オフ制御される。図1に示すように、電源リレー26は、オン/オフ制御により、接点A、接点B、接点Cの開閉を切り替える。また、本実施形態において、電源リレー26は、接点A、接点B、接点Cのうち、閉状態の接点からの電力を引き込んで、制御部25、リモコン27、ファン28に適宜供給することができるものとして説明する。
リモコン27は、電力供給機器20の制御に際して、需要家などのユーザの操作入力を検出する要素である。このリモコン27には、例えば電力供給機器20の制御内容が表示される表示部、および操作入力を受け付けるキーまたはボタンのような要素を含む。リモコン27は、電力供給機器20の一部に備え付けられているものとしてもよいし、電力供給機器20と有線または無線によって通信するものとしてもよい。リモコン27が電力供給機器20と無線通信を行う場合は、リモコン27および電力供給機器20は、それぞれに対応する通信部などを適宜備えるものとする。また、このようなリモコン27は、1つの電力供給機器20に少なくとも1つが対応するものとし、2つ以上のリモコン27が対応するようにしてもよい。このように、リモコン27は、若干の電力を消費するような動作を行うものとする。
ファン28は、電力供給機器20の全体、または電力供給機器20が備える各部を冷却する要素である。電力供給機器20が動作中は、電力供給機器20を構成する各部が発熱することにより、電力供給機器20の全体が熱を有するようになる。電力供給機器20が高温の状態になるのは電子制御を行う上で好ましくないため、このファン28によって、電力供給機器20の全体または電力供給機器20が備える各部を冷却する。このファン28は、電力供給機器20の構成態様および仕様に応じて、任意の態様のものを任意の個数設置することができる。このファン28も、当然ながら電力を消費する。
電力供給システム1においては、連系運転時は、系統40よりAC100V(あるいは200V)の電力が供給されて、負荷30に給電される。電力供給機器20は、蓄電池13の充電が完了していない場合、系統40からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池13を充電する。また、電力供給機器20は、太陽電池11の発電電力を交流電力に変換して系統40に逆潮流したり、余剰電力を売電したりすることができる。また、電力供給機器20は、系統40からの電力および分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)の電力を負荷30に出力してもよい。
自立運転時には、電力供給機器20により、分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)の電力が負荷30に供給される。燃料電池12は、負荷追従運転または定格運転で発電を行うことができる。
上述した制御部25、リモコン27、およびファン28は、電力供給システム1が通常の連系運転を行っている最中は、系統40、太陽電池11、および燃料電池12のうち少なくとも1つから給電させて動作しているものとする。
ここで、電力供給システムが備える太陽電池11と燃料電池12とを、環境への負担という観点から比較する。太陽電池11は、太陽光がある限り実質的に無尽蔵に発電することができる。一方で、燃料電池12は、例えば燃料電池であれば水素を取り出すためにガスを使用し、また例えばガス発電機であればガスエンジンの燃料としてガスを使用する。つまり、燃料電池12はガスという資源を使用する必要がある。そのため、環境への負担を考慮して、系統40に売電可能であるか不可能であるかにかかわらず、太陽電池11からの電力を優先して負荷30に供給したいというユーザの要望がある。以下に説明する本実施形態の電力供給システムの制御では、太陽電池11からの電力を優先して負荷30に供給することが可能である。なお、以下では自立運転時を例に説明するが、連系運転時にも同様の手法によって太陽電池11からの電力供給を優先することが可能である。
次に、本実施形態に係る電力供給システム1が実行可能な動作について説明する。
図2は、電力供給システム1において、太陽電池11の発電および蓄電池13の充放電について説明する図である。
図2においては、縦軸は電力の大きさを表し、横軸に沿って負荷30の電力の消費が増大する様子を表している。図2において、負荷30の消費電力の変化の様子は、破線により示してある。図2に示す例においては、現在の太陽電池11の発電電力は3kWとし、蓄電池13は3kWまで出力可能とした場合の例を示す。
図2に示すように、区間(a)において、負荷30の消費電力が3kWまで上昇しているが、これは全て太陽電池11により賄うことができるため、太陽電池11の発電電力3kWの余剰分は売電することができる。したがって、この区間(a)において、蓄電池13は充放電の待機状態、すなわち充電も放電も行わない状態にしておくことができる。
区間(b)においては、負荷30の消費電力が3kWよりも多くなり、太陽電池11の発電電力では賄うことができなくなる。このため、この区間においては、太陽電池11を最大の3kWで出力しつつ、足りない電力は蓄電池13を負荷追従で放電させることにより賄う。
区間(c)においては、負荷30の消費電力が、太陽電池11の発電電力および蓄電池13の放電電力の合計よりも大きくなっている。このため、この区間においては、太陽電池11を最大で出力し、蓄電池13を一定の出力で放電しつつ、それでも足りない電力は、系統40から買電することにより賄う。
図3は、電力供給システム1において、太陽電池11の発電および蓄電池13の充放電について説明するフローチャートである。
本実施形態に係る電力供給システム1において、電力供給機器20は、連系運転を行う時、蓄電池13の残量レベルを設定することができる。このような設定は、例えばリモコン27により需要家である操作者が入力を行うようにしてもよいし、その他の手段より設定してもよい。このように、連系運転時に蓄電池13の残量レベルを設定し、蓄電池13の残容量が設定したレベルよりも下がらないようにすることで、電力供給システム1が自立運転を行う場合においても、所定の電力を確保することができる。
図3に示す動作が開始すると、電力供給機器20の制御部25は、負荷30の消費電力の大きさが、太陽電池11の出力電力の大きさを超えているか否か判定する(ステップS11)。
ステップS11において太陽電池11の出力の方が大きい時、制御部25は、太陽電池11が電力を出力するように制御する(ステップS12)。ステップS12ではさらに、制御部25は、蓄電池13の充放電が待機状態となるように制御する。また、ステップS12では、太陽電池11が出力する電力が余るようであれば、制御部25は、その余剰電力を系統40に売電するように制御する。この状態は、図2で説明した区間(a)において行う動作に相当する。
ステップS11において太陽電池11の出力の方が大きくない(負荷30の消費電力の方が大きい)時、制御部25は、蓄電池13に充電された電力の大きさが、蓄電池13の残量レベルとして設定された電力の大きさを超えているか否か判定する(ステップS13)。
ステップS13において蓄電池13に充電された電力が残量レベルとして設定された電力以下の時、制御部25は、太陽電池11が電力を出力するように制御する(ステップS14)。ステップS14ではさらに、制御部25は、蓄電池11の充放電は待機させつつ、不足する電力は系統40から買電するように制御する。
ステップS13において蓄電池13に充電された電力が残量レベルとして設定された電力を超えている時、制御部25は、負荷30の消費電力が、太陽電池11および蓄電池13の出力電力の合計を超えているか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において負荷30の消費電力が太陽電池11および蓄電池13の出力電力の合計を超えている時、制御部25は、太陽電池11が電力を出力するように制御する(ステップS16)。ステップS16ではさらに、制御部25は、蓄電池13が定電圧で出力するように制御しつつ、それでも不足する電力は系統40から買電するように制御する。この状態は、図2で説明した区間(c)において行う動作に相当する。
ステップS15において負荷30の消費電力が太陽電池11および蓄電池13の出力電力の合計を超えていない時、制御部25は、太陽電池11が電力を出力するように制御する(ステップS17)。ステップS17ではさらに、制御部25は、蓄電池13が負荷追従で電力を出力するように制御する。この状態は、図2で説明した区間(b)において行う動作に相当する。
以上説明したような電力の供給制御においては、蓄電池13に充電された電力量が、設定された残量レベルを下回らないように制御して、残量レベルとして設定された電力を確保している。このような電力供給制御においては、電源としては、蓄電池13よりも太陽電池11の方が使用する優先度が高い。電力供給システム1において、さらに燃料電池12も電源として使用する場合、電源として使用する優先順位は、燃料電池12、太陽電池11、蓄電池13の順となる。したがって、このような電力の供給制御においては、燃料電池12および太陽電池11の発電する電力の合計が負荷の消費電力よりも大きい限り、蓄電池13の蓄電量が設定されたレベル以下に減ることはない(ただし自然放電の場合は除く)。
このような電力供給制御においては、例えばユーザが蓄電池13の残量レベルを高いレベルから低いレベルに変更した場合でも、負荷30の消費電力が太陽電池11および燃料電池12の出力電力を超えない限り、蓄電池13の放電は行われない。ユーザが蓄電池13の残量レベルを高いレベルから低いレベルに変更する場面としては、例えば翌日の天気予報が大雪の時のため停電に備えて残量90%に設定したが、その後雪が止んだため残量50%に設定変更するようなことが想定される。
一方、上述したように、リチウムイオン二次電池のような充電池は、満充電付近で長時間保存すると、電池寿命に悪影響が及ぶことが知られている。各蓄電池の種類および特性などにより最適な使用範囲は異なるが、例えば理想とする残量が50%のようなものもある。そこで、本発明に係る電力制御システム1のより好適な実施形態においては、蓄電池13の充放電を適切に制御することで、蓄電池に悪影響が及ばないようすることで、蓄電池を長寿命化する。
以下、本発明に係る電力制御システム1のより好適な実施形態を説明する。
図4は、本実施形態に係る電力制御システム1の動作を説明するフローチャートである。
図4に示す動作が開始すると、電力供給機器20の制御部25は、負荷30の消費電力が太陽電池11および燃料電池12の発電する電力の合計よりも大きいか否か判定する(ステップS21)。
ステップS21において負荷30の消費電力が太陽電池11および燃料電池12の発電する電力の合計よりも大きい時、制御部25は、蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きいか否か判定する(ステップS22)。
ステップS22において蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きい時、制御部25は、蓄電池13を放電するように制御する(ステップS23)。この場合、制御部25は、蓄電池13が放電した電力を、負荷30に供給するように制御する。また、この場合、制御部25は、蓄電池13が放電した電力を、電力を消費する負荷として、制御部25、リモコン27、ファン28に適宜供給して消費させてもよい。
ステップS22において蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きくない時、制御部25は、系統40から電力を買電するように制御する(ステップS24)。この場合、制御部25は、系統40から買電した電力を、適宜、負荷30に供給したり、蓄電池13が残量レベルとして設定された電力に達するまで供給したりすることができる。
ステップS21において負荷30の消費電力が太陽電池11および燃料電池12の発電する電力の合計よりも大きくない時、制御部25は、蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きいか否か判定する(ステップS25)。
ステップS25において蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きくない時、制御部25は、蓄電池13に電力を充電するように制御する(ステップS26)。この場合、制御部25は、太陽電池11および燃料電池12の発電する電力の少なくとも一方を、適宜、蓄電池13に充電するように制御する。
ステップS25において蓄電池13に充電された電力の大きさが残量レベルとして設定された電力よりも大きい時、制御部25は、蓄電池13に充電された電力を放電するように制御する(ステップS27)。ステップS27においては、制御部25は、蓄電池13が放電した電力を、負荷30に供給してもよいが、制御部25、リモコン27、ファン28に適宜供給して消費させるのが好適である。
以下、ステップS27において行う蓄電池13の放電制御の一例を説明する。
図5は、図4のステップS27において行う蓄電池13の放電制御の一例を説明するフローチャートである。
図5に示す動作が開始すると、制御部25は、電源リレー26を制御して、接点Cを開いて、接点Aおよび接点Bを閉じる(ステップS31)。ステップS31の次に、制御部25は、蓄電池13が放電する電力をファン28に供給するように制御する(ステップS32)。
ステップS32の次に、制御部25は、蓄電池13に充電された電力を、残量レベルとして設定された電力と比較して、蓄電池13の電力の残量にまだ余裕があるか否か判定する(ステップS33)。ステップS33において蓄電池13の電力の残量にまだ余裕がある時、制御部25は、電源リレー26を制御して、接点Cを開いて、接点Aおよび接点Bを閉じる(ステップS34)。ステップS34の次に、制御部25は、蓄電池13が放電する電力をリモコン27に供給するように制御する(ステップS35)。
ステップS33において蓄電池13の電力の残量に余裕がない時、制御部25は、ステップS34およびステップS35の処理をスキップする。
図5に示した制御はあくまでも一例であり、電力供給機器20に接続される制御部25、リモコン27、ファン28などの各種機器に応じて、種々の制御を想定することができる。例えば、図5に示した制御においては、蓄電池13が放電する電力を制御部25に供給することについては述べていないが、制御部25にも適宜電力を供給するように制御してもよい。制御部25は、電力供給機器20が動作している間は、常に給電する必要があると想定される。このため、蓄電池13が制御部25に給電していない間は、適宜、系統40または太陽電池11および燃料電池12の少なくとも一方が制御部25に給電するように、電源リレー26を制御してもよい。
図6は、本実施形態に係る電力供給システム1の動作を説明する図である。
図6は、電力供給機器20による蓄電池13の充放電制御の一例を示している。図6においては、蓄電池13に充電された電力の残量が、時間的に変化する様子を表している。また、図6において、蓄電池13に充電された電力の残量は、実線により示してある。
図6に示す例においては、時点(b)において、例えば需要家とするユーザが、蓄電池13の残量レベルを80%から50%に変更した状況を示している。
図6に示すように、時点(a)までの期間は、蓄電池13の残量が、残量レベルとして設定された80%を超えている。このため、時点(a)までの期間においては、蓄電池13を放電させることができ、このようにして放電した電力は、例えば負荷30などに供給することができる。
時点(a)〜時点(b)の期間は、負荷30の消費電力が減少しているが、太陽電池11の発電電力が増大している。したがって、この期間においては、余剰電力を蓄電池13に充電することができる。
時点(b)の時点において、蓄電池13の残量レベルは80%から50%に変更されている。このため、時点(b)〜時点(c)の期間においては、蓄電池13の電力を放電して、電力供給機器20に内蔵された例えば制御部25、リモコン27、ファン28などに給電することにより、自己消費させることができる。
時点(c)〜時点(d)の期間は、太陽電池11の発電がなくなり、負荷30の消費電力が増大している。しかしながら、蓄電池13の電力はまだ残量レベルを下回っていないため、この期間においては、蓄電池13を放電して、負荷30の消費電力を賄うことができる。
時点(d)から先は、これ以上蓄電池13を放電すると、設定された残量レベルを下回ってしまうため、これ以上の電力が必要な場合は、系統40から買電することにより賄う。
このように、本発明に係る電力供給機器(パワーコンディショナ(インバータ))20は、系統40に連系して、分散型電源(太陽電池11、燃料電池12、蓄電池13)が出力する電力を負荷30に供給する。また、本発明に係る電力供給機器20は、分散型電源11,12,13が系統40に連系して運転している間に、分散型電源11,12,13のうち蓄電池13以外のものが出力可能な電力が負荷30の消費電力よりも大きい時、蓄電池13が負荷30の少なくとも一部に電力を供給するように放電させる。
また、電力供給機器20は、蓄電池13の残量を(例えばリモコン等により)設定された値以上に保ちつつ、蓄電池13が負荷30の少なくとも一部に電力を供給するように放電させてもよい。また、電力供給機器20は、図5で説明したように、蓄電池13の残量に応じて、蓄電池13が負荷30の少なくとも一部に電力を供給してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る電力供給機器20によれば、電力を自己消費することにより、蓄電池13の保存に適切なレベルまで確実に放電することができる。このため、本実施形態に係る電力供給機器20によれば、蓄電池13の長寿命化をはかることができる。また、本実施形態に係る電力供給機器20によれば、本来であれば系統40から給電する電力を自己の発電電力で賄うため、電力使用料金において経済的なメリットを期待することもできる。さらに、上述の電力供給システム1のように、燃料電池12を含む場合、負荷30が減少する時には燃料電池12の出力も低減させるため、ガス使用料金においても経済的なメリットを期待することができる。
これらの本発明に係る電力供給機器20を、コンピュータを含めて構成した場合、各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、そのコンピュータの内部または外部の記憶部に格納しておき、そのコンピュータの中央演算処理装置(CPU)によってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。また、このようなプログラムは、例えばDVDまたはCD−ROMなどの可搬型記録媒体の販売、譲渡、貸与等により流通させることができるほか、そのようなプログラムを、例えばネットワーク上にあるサーバの記憶部に記憶しておき、ネットワークを介してサーバから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、流通させることができる。また、そのようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に記憶することができる。また、このプログラムの別の実施態様として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、更に、このコンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。従って、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において組み合わせたり一部削除したりするなどして種々変更可能である。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。
上述した実施形態においては、制御部25は、電力供給機器20の全体を制御することを想定して説明した。ここでは、電源リレー26は、ファン28およびリモコン27などの電力供給を切り替えるために用いるリレーにより構成されるものとして説明した。この場合、制御部25が、電源リレー26の制御(リレーのオン/オフ制御)を行うことを想定している。
しかしながら、本発明は、このような実施形態に限定されない。例えば、制御部25は、電力供給機器20の全体を制御するものとして、電源リレー26は、ファン28およびリモコン27などの電力供給を切り替えるために用いるリレーと、リレーのオン/オフ制御のみを行うリレー制御部から構成されるものとしてもよい。この場合、制御部25の消費電力はリレー制御部の消費電力よりも大きくなることが想定されるため、上述した実施形態に係る構成よりも、外部の電源から供給する電力を、さらに抑制することが期待できる。
また、上述した実施形態においては、本発明を電力供給機器20の発明として実施する形態について説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、例えば電力供給機器20のような機器を含む電力供給システムの発明としても実施することができる。また、本発明は、このような電力供給システムによる電力供給方法の発明としても実施することができる。
1 電力供給システム
11 太陽電池
12 燃料電池
13 蓄電池
20 電力供給機器(パワーコンディショナ)
21,22,23 DC/DCコンバータ
24 (DC/AC)インバータ
25 制御部
26 電源リレー
27 リモコン
28 ファン
30 負荷
40 系統
11 太陽電池
12 燃料電池
13 蓄電池
20 電力供給機器(パワーコンディショナ)
21,22,23 DC/DCコンバータ
24 (DC/AC)インバータ
25 制御部
26 電源リレー
27 リモコン
28 ファン
30 負荷
40 系統
Claims (6)
- 系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器であって、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるように制御する制御部を備える、電力供給機器。 - 前記制御部は、
前記蓄電池の残量を設定された値以上に保ちつつ、前記蓄電池が前記負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させる、請求項1に記載の電力供給機器。 - 前記制御部は、
前記蓄電池の残量に応じて、当該蓄電池が前記負荷の少なくとも一部に電力を供給する、請求項1または2に記載の電力供給機器。 - 前記負荷は、
前記制御部、自機器を冷却するファン、および自機器を操作するリモコンのうち少なくとも一つを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力供給機器。 - 蓄電池を含む分散型電源と、
系統に連系して、前記分散型電源が出力する電力を負荷に供給する電力供給機器と、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給機器は、前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させる、電力供給システム。 - 系統に連系して、分散型電源が出力する電力を負荷に供給するステップと、
前記分散型電源が前記系統に連系して運転している間に、当該分散型電源のうち蓄電池以外のものが出力可能な電力が前記負荷の消費電力よりも大きい時、前記蓄電池が当該負荷の少なくとも一部に電力を供給するように放電させるステップと、
を含む電力供給方法。
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