JP6011491B2 - 物品保管設備 - Google Patents
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Description
このように、物品が取り出された容器が増加していき、また、各容器に収容されている物品数が減少してくると、保管棚に保管されている各物品の種類の在庫数が減少してくる。
前記保管設備制御装置は、物品の種類及び数からなる物品の取出し要求に応じて、当該取出し要求に対応する種類の物品を収容している容器を前記容器搬出入装置により前記保管棚から搬出させる搬出管理部と、
前記保管棚に保管されている物品数を種類毎及び容器毎に管理すると共に、補充が必要と判定した種類の物品を収容している補充容器を、前記容器搬出入装置により前記保管棚に補充させる補充管理部と、を備え、
前記搬出管理部は、同じ種類の物品を収容している複数の容器の内、前記容器搬出入装置による搬出を許可する容器である引当許可容器を、物品の種類毎に決定すると共に、物品の種類毎に決定する前記引当許可容器の数を、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数で制限し、
前記補充管理部は、物品の種類毎に予め設定された物品の目標在庫数を確保できるように、前記保管棚に補充が必要な物品の種類及び数量を判定し、補充が必要と判定した種類の物品を予め設定された設定収容数だけ収容している前記補充容器を、当該種類の物品の補充必要数に対応した補充容器数だけ補充させる点にある。
また、物品の種類毎に決定される引当許可容器の数は、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数で制限されるので、引当要求数の数が無制限に増加することを防止し、引当要求数の数を設定引当許可数の設定値により管理することができる。
このため、補充された容器から無制限に物品が取り出され、在庫数を確保するために更に容器を補充する必要が生じ、保管棚に保管されている容器数が増加していくことを防止できる。各引当許可容器に収容されている物品数が減少していった場合に、目標在庫数を確保するために必要な、補充されたままの状態の容器の数が最大になり、その最大数は、目標在庫数の設定値により定まる。
よって、目標在庫数の設定値により、目標在庫数の確保のために、引当許可容器の他に、保管棚に保管されている補充されたままの容器の最大数を管理できる。
管理者は、例えば、最大合計容器数が最大保管容器数を超えないように、各物品の種類について設定された、設定引当許可数、目標在庫数、及び設定収容数などの値を調整することが容易になる。
上記の構成によれば、入荷単位数を用いて補充を判定するので、物品の入荷に則して物品を補充させることができる。そして、各物品の種類の在庫数を、目標在庫数から、目標在庫数より入荷単位数だけ少ない数との間に維持することができる。
また、各物品の種類の在庫数が、目標在庫数を超えないように管理でき、各物品の種類の最大容器数を、目標在庫数の設定値を用いて容易に把握できる。
前記補充管理部は、補充が必要と判定した物品の種類の前記補充容器数を、当該物品の種類に設定された前記配分容器数に決定すると好適である。
また、取出し量の多い物品の種類は、当該物品の種類を含む取出し要求が連続的に生じて、当該物品の種類を収容した容器が、同時期に複数保管棚から搬出される確率が高くなり、設定引当許可数を大きく設定する必要がある。
上記の構成によれば、各物品の種類の設定引当許可数は、目標在庫数に応じて設定されるので、容器が同時期に搬出される確率に応じた適正な数に自動的に設定される。
よって、同じ物品の種類を含む取出し要求が連続的に生じた場合でも、引当許可容器を同時期に複数保管棚から搬出させることができ、取出し要求に対応できる。
物品保管設備1は、同じ種類の物品30を複数個収容する容器40を保管する保管棚10と、容器40に収容されている物品30の取出しのために保管棚10に保管されている容器40を搬出すると共に物品30を収容した容器40を保管棚10に搬入する容器搬出入装置20と、容器搬出入装置20を制御する保管設備制御装置60と、を備えている。
搬出管理部61は、物品の種類及び数からなる物品の取出し要求に応じて、当該取出し要求に対応する種類の物品30を収容している容器40を容器搬出入装置20により保管棚10から搬出させる。
補充管理部62は、保管棚10に保管されている物品数を種類毎及び容器40毎に管理すると共に、補充が必要と判定した種類の物品を収容している補充容器を、容器搬出入装置20により保管棚10に補充させる。
また、保管設備制御装置60は、集合管理部63を備えている。集合管理部63は、物品の取出し要求に応じて、物品集合装置50を制御し、保管棚10から搬出された容器40から物品30を取り出させて特定の集合場所に集めさせる。
補充管理部62は、物品補充装置を制御し、補充が必要と判定した補充容器を容器搬出入装置20に供給させる。
以下、各構成について詳細に説明する。
保管棚10は、同じ種類の物品30を複数個収容する容器40を保管する棚である。本実施形態では、図1に示すように、容器40を収納する収納部11が縦横に複数並設された保管棚10が複数備えられている。各保管棚10は、収納部11における物品出し入れ口が対向するように、複数の対を為す状態で配置されており、各対の保管棚10の間には、容器搬出入装置20を構成するスタッカークレーン21が走行移動するための走行用空間が設けられ、走行用空間の床面側にはスタッカークレーン21を走行案内する走行レール22が敷設されている。
容器搬出入装置20は、容器40に収容されている物品30の取出しのために保管棚10に保管されている容器40を搬出すると共に物品30を収容した容器を保管棚10に搬入する装置である。
本実施形態では、容器搬出入装置20は、保管棚10から容器40を搬出すると共に保管棚10に容器40を搬入する搬出入部としてのスタッカークレーン21を備えている。また、容器搬出入装置20は、物品集合装置50との間で容器40の受け渡し及び受け取りを行う入出庫装置23を備えている。
容器搬出入装置20は、保管設備制御装置60から指令された容器40を保管棚10から搬出すると共に、保管設備制御装置60から指令された容器40を保管棚10の収納部11に搬入する。なお、保管設備制御装置60については後述する。
スタッカークレーン21は、保管棚10に沿って移動する台車などの移動体と、保管棚10から容器40を取り出す又は保管棚10に容器40を収容するフォークなどの搬出入機と、複数段の棚を有する保管棚10から容器40を搬出入させるための昇降機と、を備えている。
入出庫装置23は、スタッカークレーン21により保管棚10から搬出された容器40を物品集合装置50に受け渡す出庫部と、物品30が取り出された後の容器40を物品集合装置50から受け取ってスタッカークレーン21に受け渡す入庫部と、を備えている。
また、入出庫装置23は、保管棚10に補充する物品30を収容した補充容器をスタッカークレーン21に受け渡す補充部と、物品30が全て取り出されて空になった容器40(以下、空容器と称す)をスタッカークレーン21に受け渡さないように入出庫装置23の外に排出する排出部と、を備えている。
排出部は、入庫コンベヤ25aから空容器を受け取るように構成されている。空容器は、空容器コンベア27aにより排出部から物品補充装置に搬送される。
物品集合装置50は、容器搬出入装置20により搬出された容器40から、物品30を取り出して、特定の集合場所に集める装置である。
本実施形態では、物品集合装置50は、容器搬出入装置20により搬出された容器40から物品30を取り出す物品取出し部と、取出した物品30を特定の集合場所に集める物品集合部と、を備えている。
集品コンベア52cは、その物品30の載置部分が各切出コンベア52bを順番に通過するように配置されており、各切出コンベア52bから受け取った物品30を所定の搬送方向に搬送するように構成されている。すなわち、集品コンベア52cの載置部分は、各切出コンベア52bから順番に物品30を受け取り、搬送方向に搬送する。
集品容器コンベア52fは、空の集品容器52dを投入機52eに順番に送り出して、物品30が投入される集品容器52dを順番に切り替えるように構成されている。図1に示す例では、集品容器コンベア52fは、搬送方向に沿って一列に載置された集品容器52dが、投入機52eを順番に通過するように配置されており、物品30が投入された集品容器52dを所定の搬送方向に搬送するように構成されている。
物品補充装置は、保管棚10に補充する物品30を収容した補充容器を容器搬出入装置20に供給する装置である。
物品補充装置は、入荷した物品30を容器40に収容して補充容器を用意する。
保管設備制御装置60から補充の指示があった後、指示のあった種類の物品30を供給元に発注して、物品30を入荷させるように構成されてもよいし、ストックの確保のために、予め発注し入荷させた物品30を別の保管設備に保管させるように構成されてもよい。トラックなどの輸送手段により物品30を輸送して入荷させる場合には、補充指示後、物品30が入荷されるまでには、例えば数日単位のリードタイムが必要になる。別の保管設備に保管している場合も、別の保管設備から出庫させ、補充容器を用意するまでには、例えば数時間単位のリードタイムが必要になる。いずれにしても、保管設備制御装置60からの補充指示後、入荷した物品30から補充容器を用意するまでには、保管棚10からの容器40の搬出入に比べ比較的長いリードタイムが必要になる。
物品補充装置は、段ボールケース等に収容された状態で入荷単位数で入荷した物品30を、物品の種類毎に予め設定された配分容器数の容器に均等分配して、配分容器数の補充容器を用意するように構成されている。各補充容器に収容される物品の数である設定収容数は、入荷単位数を配分容器数で除算した数に設定される。なお、配分容器数が1に設定されている場合は、入荷した入荷単位数の物品30が、そのまま1つの補充容器に収容される。
入荷した物品30を補充容器に収容する作業は、作業者が行ってもよいが、ロボットアームなどの機械が行ってもよい。また、補充容器としては、樹脂製のトレーやコンテナ等を用いることが好ましい。なお、配分容器数が1に設定されている場合は、入荷した物品30を補充容器に収容する作業を省略して、入荷した段ボールケースをそのまま補充容器に流用してもよい。
保管設備制御装置60は、搬出管理部61と補充管理部62を備えている。
<搬出管理部61>
搬出管理部61は、上記のように、物品の種類及び数からなる物品の取出し要求に応じて、当該取出し要求に対応する種類の物品30を収容している容器40を容器搬出入装置20により保管棚10から搬出させる。
本実施形態では、搬出管理部61は、同じ種類の物品30を収容している複数の容器の内、容器搬出入装置20による搬出を許可する容器40である引当許可容器を、物品の種類毎に決定すると共に、物品の種類毎に決定する引当許可容器の数を、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数で制限するように構成されている。
各容器40には、容器40を相互に識別するための個体識別情報が割り当てられており、保管設備制御装置60は、各容器40の保管棚10おける位置、収容している物品の種類、収容数を、個体識別情報に関連付けて管理している。
搬出管理部61は、引当許可容器とする容器40の個体識別情報を決定するように構成されている。搬出管理部61は、各物品の種類について、設定引当許可数の個体識別情報を決定する。搬出管理部61は、引当許可容器に決定した容器40の個体識別情報を管理しており、取出し要求に応じて、引当許可容器に決定した個体識別情報を有する容器40を保管棚10から搬出させる。
搬出管理部61は、取出し要求に対応する種類の物品30を収容している全ての引当許可容器が保管棚10から搬出されている場合でも、取出し要求に対応する種類の物品30を収容している引当禁止容器を保管棚10から搬出させないように構成されている。
本実施形態では、搬出管理部61は、同じ種類の物品を収容した複数の引当許可容器が、複数の保管棚10に分散するように、引当禁止容器の1つを引当許可容器に決定するように構成されている。
具体的には、搬出管理部61は、ある種類の物品を収容している引当許可容器が空になり、当該種類の引当禁止容器を新たに引当許可容器に決定する場合は、各スタッカークレーン21に対応した保管棚10のまとまり(保管棚単位と称す)の内、当該種類の引当許可容器の保管数が少ない保管棚単位を判定し、判定された保管棚単位に保管されている引当禁止容器を引当許可容器に決定するように構成されている。
補充管理部62は、上記のように、保管棚10に保管されている物品数を種類毎及び容器40毎に管理すると共に、補充が必要と判定した種類の物品を収容している補充容器を、容器搬出入装置20により保管棚10に補充させる。
本実施形態では、補充管理部62は、物品の種類毎に予め設定された物品の目標在庫数を確保できるように、保管棚10に補充が必要な物品の種類及び数量を判定し、補充が必要と判定した種類の物品を予め設定された設定収容数だけ収容している補充容器を、当該種類の物品の補充必要数に対応した補充容器数だけ保管棚10に補充させるように構成されている。
保管棚10に補充された補充容器は、ひとまず引当禁止容器に設定される。
具体的には、搬出管理部61は、ある種類の物品を収容している補充容器を補充する場合は、各スタッカークレーン21に対応した保管棚単位の内、引当禁止容器の保管数が少ない保管棚単位を判定し、判定された保管棚単位に補充容器を補充させるように構成されている。
本実施形態では、上記のように、保管設備制御装置60は、集合管理部63を備えている。集合管理部63は、物品の取出し要求に応じて、物品集合装置50を制御し、保管棚10から搬出された容器40から物品30を取り出させ所定の集合場所に集めさせる。集合管理部63については、後で詳しく説明する。
<物品の取出し要求>
物品の取出し要求は、物品の種類及び数からなる。
物品の取出し要求は、例えば、顧客や生産ラインなどの要求元から、発送の要求があった物品の種類及び数のまとまりからなる。
例えば、顧客αから注文あった取出し要求Xは、下記のようになる。
・顧客αの取出し要求X
種類Aの物品を5個要求
種類Dの物品を2個要求
種類Hの物品を3個要求
・顧客βの取出し要求Y
種類Bの物品を5個要求
種類Cの物品を3個要求
種類Eの物品を4個要求
種類Fの物品を4個要求
種類Hの物品を4個要求
保管設備制御装置60は、このような物品の取出し要求を、作業者による入力や要求元からのデータ通信などにより受け付ける。
保管設備制御装置60は、要求を受けた複数の取出し要求を順番に処理する。
搬出管理部61は、処理する取出し要求に含まれる、各物品の種類を収容している引当許可容器を、容器搬出入装置20(スタッカークレーン21)により保管棚10から搬出させる。搬出管理部61は、各引当許可容器の保管棚10における位置、及び各引当許可容器に収容されている物品の種類及び数量を管理しており、取出し要求に応じて、搬出させる容器40の保管棚10における位置を決定して、容器搬出入装置20に指令する。容器搬出入装置20は、搬出管理部61から指令された保管棚10の位置にある容器40を搬出する。
搬出管理部61は、搬出効率を向上させるために、1つの取出し要求に含まれる複数種類の物品に対応した複数の引当許可容器を、複数のスタッカークレーン21に分散させて並列的に搬出させるように構成されている。また、搬出管理部61は、搬出効率を向上するために、取出し要求を次々と連続的に処理して、引当許可容器の搬出を複数のスタッカークレーン21に分散させるように構成されている。
搬出管理部61が、例えば、上記した、取出し要求X、取出し要求Yの順に処理する場合について説明する。
搬出管理部61は、図2に示すように、取出し要求Xに対応して、第1のスタッカークレーン21a(第1クレーン21aと称す、以下同様)に種類Dの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、第2クレーン21bに種類Aの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、第3クレーン21cに種類Hの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、取出し要求Yに対応して、第4クレーン21dに種類Bの物品を収納した引当許可容器を搬出させる。その後、搬出管理部61は、取出し要求Yに対応して、第1クレーン21aに種類Hの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、第2クレーン21bに種類Fの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、第3クレーン21cに種類Eの物品を収納した引当許可容器を搬出させ、第4クレーン21dに種類Cの物品を収納した引当許可容器を搬出させる。
<複数の引当許可容器の必要性>
顧客などから要求される取出し要求の内容は、予測困難であり、同じ種類の物品を含む取出し要求が連続的に発生する場合がある。
すなわち、保管棚10から搬出された引当許可容器は、物品集合装置50による物品30の取り出しのために、暫くの間、入出庫装置23に留まり、保管棚10に搬入されない。
具体的には、引当許可容器が保管棚10に搬入され戻ってくるまで搬出指令を与えることを待ったり、このような待ちが必要な取出し要求を処理せずスキップして、次の順番の取出し要求を処理したりする。このような待ちや取出し要求のスキップが生じると搬出効率が低下する。
一方、本実施形態に係る搬出管理部61は、同じ種類の物品30を収容している引当許可容器を、設定引当許可数の範囲内で複数決定するように構成されているので、同じ種類の物品を含む取出し要求が連続的にあった場合でも、同じ種類の物品を収容した引当許可容器を連続的に搬出させることができ、搬出効率が低下することを抑制できる。
<引当許可容器の数を制限する必要性>
しかし、本実施形態とは異なり、同じ物品の種類を含む取出し要求が連続的に多数生じた場合に、引当許可容器の数を制限なく増加させると、引当許可容器の数が増加し、保管棚10の容器保管容量が不足したり、物品30が相当数取り出された引当許可容器が増えて物品の在庫数が減少したりする恐れがある。同じ物品の種類を含む取出し要求が連続的に生じる確率は、予測困難であるため、予期せず、保管棚10の容器保管容量の不足が生じる恐れがある。
また、保管棚10の容器保管容量が不足すると、ある物品の種類について引当許可容器の数を増加させる必要が生じても、引当許可容器の数を増加させることができない。このため、ある物品の種類の引当許可容器の数が不足して、搬出効率が大幅に低下する恐れがある。
このように、引当許可容器の数を制限なく増加させると、短期的には搬出効率が向上するが、顧客からの取出し要求が予測困難である以上、長期的には、突然、在庫数が不足して取出し要求に対応できなくなったり、搬出効率が大幅に低下したりする事態が生じる可能性がある。
このように物品保管設備1の機能が突然低下する事態が生じるリスクを管理することが望まれる。
本実施形態に係る搬出管理部61は、上記のように、物品の種類毎に決定する引当許可容器の数を、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数で制限するように構成されている。よって、引当許可容器の数が際限なく増加することを防止できる。
本実施形態では、搬出管理部61は、同じ種類の物品30を収容している複数の容器40の内、引当許可容器を、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数だけ決定するように構成されている。
保管棚10に保管される引当許可容器の最大数は、各物品の種類の設定引当許可数を、全ての物品の種類について合計した数になる。よって、保管棚10に保管される引当許可容器の最大数を、各物品の種類の設定引当許可数の設定値を調整することで、管理することができる。
補充管理部62の指令により、物品補充装置に補充容器を用意させて、保管棚10に補充させるまでには、上記のように、リードタイムが必要になる。そのため、保管棚10に適切な在庫数の物品30を保管させていないと、在庫数が不足して取出し要求に対応できなくなる事態が生じる恐れがある。
本実施形態に係る補充管理部62は、上記のように、物品の種類毎に予め設定された物品の目標在庫数を確保できるように、補充が必要と判定した種類の物品を予め設定された設定収容数だけ収容している補充容器を、当該種類の物品の補充必要数に対応した補充容器数だけ補充させるように構成されている。
保管棚10に補充された補充容器は、ひとまず引当禁止容器に設定される。
5−5−1.目標在庫数による引当禁止容器の数の管理
以下で説明するように、各物品の種類について、保管棚10に保管される引当禁止容器の数を、目標在庫数の設定により管理することができる。
各物品の種類iについて、保管棚10に保管され得る引当禁止容器の最大容器数Cnpmxi(以下、最大禁止容器数Cnpmxi)は、次式に示すように、保管棚10に保管され得る最大在庫数Gmxiを、補充容器に収容される物品の設定収容数Gnfliで除算した容器数(以下、初期容器数Cniniと称す)から1を減算した容器数になる。ここで、各物品の種類iについて、保管棚10に保管され得る最大在庫数Gmxiは、目標在庫数Gtriに比例して定まる。
Cnpmxi=Gmxi/Gnfli−1
=Cnini−1 ・・・(1)
Gmxi=Gtri+Koff
ここで、Koffは、目標在庫数に基づく補充容器の補充判定方法の種類によって定まる所定のオフセット値であり、正又は負の整数又はゼロに定まる。
なお、Gmxi/Gnfliが割り切れない場合は、小数点以下が切り捨てられる。
Cnpmxi=Gtri/Gnfli−1=Cnini−1 ・・・(2)
各物品の種類iについて、保管棚10に保管される容器数は、引当許可容器の容器数と引当禁止容器の容器数との合計数となる。各物品の種類iについて、保管棚10に保管され得る最大容器数Cnmxiは、次式に示すように、引当許可容器の設定引当許可数Cnaliと、引当禁止容器の最大禁止容器数Cnpmxiとの合計数になる。
Cnmxi=Cnali+Cnpmxi ・・・(3)
ここで、最大禁止容器数Cnpmxiは、式(1)、式(2)で示したように、目標在庫数Gtriに比例し、設定収容数Gnfliに反比例する所定の容器数に定まる。
よって、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiを、引当許可容器の設定引当許可数Cnali、目標在庫数Gtri、及び補充容器の設定収容数Gnfliの設定値により管理することができる。
<最大容器数の第1の具体例>
次に、最大容器数の第1の具体例について説明する。
図3に示す例は、ある種類の物品について、下記のように設定されている場合の例である。
設定引当許可数=4
目標在庫数=400
設定収容数=100
入荷単位数=100
配分容器数=1
また、補充管理部62は、上記のように、入荷単位数を配分容器数で除算した数を、設定収容数に設定するように構成されている。具体例では、設定収容数は、入荷単位数の100を配分容器数の1で除算した100に設定されている。
なお、図3では、説明のため、容器を横一列に左側に寄せて並べているが、実際には、各容器は保管棚10において分散して保管されている。
式(2)に示したように、引当禁止容器の最大容器数は、目標在庫数を設定収容数で除算した初期容器数から1を減算した容器数になる。ここで、1を減算するのは、引当許可容器にいくつかの物品が収容されている状態で、物品の在庫数が目標在庫数以下になるためには、引当禁止容器の数が、目標在庫数を設定収容数で除算した初期容器数より1つだけ少なくなるためである。
次に、最大容器数の第2の具体例について説明する。
図4に示す例は、ある種類の物品について、下記のように設定されている場合の例である。
設定引当許可数=4
目標在庫数=400
設定収容数=50
入荷単位数=100
配分容器数=2
図3の場合と同様に、引当禁止容器の最大容器数は、式(2)に示したように、目標在庫数を設定収容数で除算した初期容器数から1を減算した容器数になる。ここで、1を減算するのは、引当許可容器にいくつかの物品が収容されている状態で、物品の在庫数が目標在庫数以下になるためには、引当禁止容器の数が、目標在庫数を設定収容数で除算した初期容器数より1つだけ少なくなるためである。
保管設備制御装置60は、各物品の種類iについて設定された、引当許可容器の設定引当許可数Cnali、目標在庫数Gtri、及び補充容器の設定収容数Gnfliに基づき、式(1)〜式(3)を用いて、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiを算出する。そして、保管設備制御装置60は、次式に示すように、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiを全ての物品の種類について合計した最大合計容器数Cnsmを算出するように構成されている。
Cnsm=ΣCnmxi ・・・(4)
本実施形態では、保管設備制御装置60は、最大合計容器数が、保管棚10が保管可能な最大の容器数である最大保管容器数を超えないように、各物品の種類iについて設定される、引当許可容器の設定引当許可数、目標在庫数、及び補充容器の設定収容数の設定値を調整するように構成されている。以下で詳細に説明する。
保管設備制御装置60は、各物品の種類の目標在庫数を、単位期間当たりの各種類の物品の取出し数に基づいて設定するように構成されている。
本実施形態では、保管設備制御装置60は、次式に示すように、各物品の種類iについて、単位期間当たりの物品の取出し数Gncsiに所定の係数Ktr(在庫調整係数と称す)を乗算した値を、各物品の種類iの目標在庫数Gtriに設定するように構成されている。
Gtri=Ktr×Gncsi ・・・(5)
単位期間は、例えば、1日、1週間などの所定の期間に設定され、単位期間当たりの取出し数は、複数の期間について平均処理などの統計処理されたものが用いられてもよい。
保管設備制御装置60は、各物品の種類iの目標在庫数Gtriを、各物品の種類iの入荷単位数Gnini又は設定収容数Gnfliで割り切れる値に調整するように構成されている。
保管設備制御装置60は、各物品の種類の設定引当許可数を、単位期間当たりの各物品の種類の取出し数、又は単位期間当たりの各物品の種類の容器の搬出回数、に基づいて設定するように構成されている。これは、ある種類の物品を収容した容器が同時に搬出される頻度は、単位期間当たりの物品の取出し数や容器の搬出回数に比例するためである。
以下で示す例では、次式に示すように、上記のように設定された目標在庫数Gtriを、入荷単位数Gniniで除算した数を、各物品の種類iの設定引当許可数Cnaliに設定するように構成されている場合を説明する。
Cnali=Gtri/Gnini
=Ktr×Gncsi/Gnini ・・・(6)
そして、次式に示すように、入荷単位数Gniniを配分容器数Cndsiで除算して各物品の種類iの設定収容数Gnfliが設定されるように構成されている。
Gnfli=Gnini/Cndsi ・・・(7)
式(3)に、式(2)、式(5)、式(6)、式(7)を代入して整理すると、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiは、次式に示すように、在庫調整係数Ktrに単位期間当たりの物品の取出し数Gncsiを乗算し入荷単位数Gniniで除算した値に、1と配分容器数Cndsiとの合計値を乗算した値から、1を減算した値になる。このように、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiは、在庫調整係数Ktrに比例する。
保管設備制御装置60は、式(8)に基づき、各物品の種類iの最大容器数Cnmxiを算出する。
Cnmxi=Cnali+Cnpmxi
=(Ktr×Gncsi/Gnini)
+(Ktr×Gncsi/Gnini×Cndsi−1)
=Ktr×Gncsi/Gnini×(1+Cndsi)−1
・・・(8)
Cnsm=ΣCnmxi
=Ktr×Σ{Gncsi/Gnini×(1+Cndsi)−1}
・・・(9)
ここで、各物品の種類iの単位期間当たりの物品の取出し数Gncsi、入荷単位数Gnini、及び配分容器数Cndsiは、予め定まる値である。最大合計容器数Cnsmは、在庫調整係数Ktrに比例する。
本実施形態では、保管設備制御装置60は、式(8)、式(9)(又は式(1)から式(4))に基づき、最大合計容器数Cnsmを算出するように構成されている。
保管設備制御装置60は、最大合計容器数Cnsmが、保管棚10が保管可能な最大の容器数である最大保管容器数を超えないように、在庫調整係数Ktrの値を調整するように構成されている。
例えば、保管設備制御装置60は、最大合計容器数Cnsmが、最大保管容器数より大きい場合は、最大合計容器数Cnsmが最大保管容器数以下になるまで、在庫調整係数Ktrの値を減少させるように構成されている。
また、保管設備制御装置60は、最大合計容器数Cnsmが、最大保管容器数より小さい場合は、最大合計容器数Cnsmが最大保管容器数より大きくなる直前まで、在庫調整係数Ktrの値を増加させるように構成されている。
なお、保管設備制御装置60は、調整後の在庫調整係数Ktrに基づき、式(5)、式(6)を用いて、各物品の種類iの各物品の種類iの目標在庫数Gtri、及び設定引当許可数Cnaliの値を再設定し、最大合計容器数Cnsmを算出する。
集合管理部63は、上記のように、物品の取出し要求に応じて、物品集合装置50を制御し、保管棚10から搬出された引当許可容器から物品30を取出させ特定の集合場所に集めさせる。
本実施形態では、集合管理部63は、取出し要求に応じて出庫用受渡位置24cに搬送された引当許可容器から、取出し要求に対応した数の物品を、物品取出し部(本例ではロボットアーム51a)に指令して取り出させる。
例えば、図5に示すように、上記した取出し要求Xに応じて、種類Aの物品を収容した引当許可容器が、第2クレーン21bに対応した出庫用受渡位置24cに搬送されると、集合管理部63は、当該引当許可容器から取出し要求Xに対応した3個の種類Aの物品を、物品取出し部に指令して取り出させ、バッファコンベア52aに載置させる。本例では、バッファコンベア52aは、各物品取出し部に対して3ライン設けられており、物品取出し部は、物品を一つずつ取出し、取り出した物品を各ラインに順番に載置していくように構成されている。
集合管理部63は、取出し要求に応じて順番に搬出された引当許可容器から、順番に物品を取り出させて、バッファコンベア52aに順番に載置させる。
集合管理部63は、集品コンベア52c上で、各取出し要求に対応した複数の物品がひとまとまりになるように、各切出コンベア52bから集品コンベア52cに受け渡すタイミングを計画し、当該計画に基づいて各切出コンベア52bに物品の受け渡しを指令する。
例えば、集合管理部63は、図10に示すように、集品コンベア52c上で取出し要求Xに対応してひとまとまりなった10個の物品30を、投入機52eにより、1つの集品容器52dに投入している。
集合管理部63は、物品が投入された集品容器52dを、集品容器コンベア52fにより次の工程に搬送して、各取出し要求の要求元に発送させる。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
物品集合装置50は、図11に示す例では、複数の物品取出し部(本例では2つのロボットアーム51a)を備えている。
入出庫装置23は、共通搬出入コンベア29から各物品取出し部(ロボットアーム51a)に容器40を搬送するための個別コンベア28を備えている。
搬出管理部61は、共通搬出入コンベア29及び個別コンベア28を制御して、各取出し要求に対応する物品の種類を収容した容器40を、共通搬出入コンベア29から個別コンベア28に受け渡させる。
共通搬出入コンベア29は、物品の取出しが終了した後の容器40を、基本的に、搬出したスタッカークレーン21に対応する入庫コンベヤ25aの位置まで搬送して入庫コンベヤ25aに受け渡す。入庫コンベヤ25aは、受け取った容器40をスタッカークレーン21に受け渡し、スタッカークレーン21は容器40を保管棚10に搬入する。
また、物品30が全て取り出されて空になった空容器を排出する排出部(空容器コンベア27a)も、全てのスタッカークレーン21に共通して1つ設けられており、空容器を共通搬出入コンベア29から受け取って、外部に排出する。
集合管理部63は、取出し要求に応じて出庫用受渡位置24cに搬送された引当許可容器から、取出し要求に対応した数の物品を、物品取出し部に指令して取り出させる。
物品が投入された後の集品容器52dは、集品容器コンベア52fにより、所定の搬送方向に搬送される。
20 :容器搬出入装置
30 :物品
40 :容器
60 :保管設備制御装置
61 :搬出管理部
62 :補充管理部
Claims (9)
- 同じ種類の物品を複数個収容する容器を保管する保管棚と、容器に収容されている物品の取出しのために前記保管棚に保管されている容器を搬出すると共に物品を収容した容器を前記保管棚に搬入する容器搬出入装置と、前記容器搬出入装置を制御する保管設備制御装置と、を備えた物品保管設備であって、
前記保管設備制御装置は、物品の種類及び数からなる物品の取出し要求に応じて、当該取出し要求に対応する種類の物品を収容している容器を前記容器搬出入装置により前記保管棚から搬出させる搬出管理部と、
前記保管棚に保管されている物品数を種類毎及び容器毎に管理すると共に、補充が必要と判定した種類の物品を収容している補充容器を、前記容器搬出入装置により前記保管棚に補充させる補充管理部と、を備え、
前記搬出管理部は、同じ種類の物品を収容している複数の容器の内、前記容器搬出入装置による搬出を許可する容器である引当許可容器を、物品の種類毎に決定すると共に、物品の種類毎に決定する前記引当許可容器の数を、物品の種類毎に予め設定された設定引当許可数で制限し、
前記補充管理部は、物品の種類毎に予め設定された物品の目標在庫数を確保できるように、前記保管棚に補充が必要な物品の種類及び数量を判定し、補充が必要と判定した種類の物品を予め設定された設定収容数だけ収容している前記補充容器を、当該種類の物品の補充必要数に対応した補充容器数だけ補充させる物品保管設備。 - 前記保管設備制御装置は、各物品の種類について設定された、前記設定引当許可数、前記目標在庫数、及び前記設定収容数に基づき、各物品の種類について前記保管棚に保管され得る最大容器数を算出し、各物品の種類の最大容器数を全ての物品の種類について合計した最大合計容器数を算出する請求項1に記載の物品保管設備。
- 前記保管設備制御装置は、各物品の種類について、前記設定引当許可数と、前記目標在庫数に応じて定まる最大在庫数を前記設定収容数で除算した値から1を減算した値と、を加算した値を、各物品の種類の前記最大容器数として算出する請求項2に記載の物品保管設備。
- 前記保管設備制御装置は、前記最大合計容器数と、前記保管棚が保管可能な最大の容器数である最大保管容器数と、の比較結果を表示装置に表示させる、又は前記最大合計容器数と前記最大保管容器数とを比較可能に前記表示装置に表示させる請求項2又は3に記載の物品保管設備。
- 前記保管設備制御装置は、前記最大合計容器数が、前記保管棚が保管可能な最大の容器数である最大保管容器数を超えないように、各物品の種類について設定される、前記設定引当許可数、前記目標在庫数、及び前記設定収容数の値を調整する請求項2から4のいずれか一項に記載の物品保管設備。
- 前記補充管理部は、前記保管棚における物品の在庫数が、前記目標在庫数から物品の入荷単位数を減算した補充判定数以下になった物品の種類を、補充が必要な物品の種類であると判定し、補充が必要と判定した種類の物品を収容している前記補充容器を、前記入荷単位数に対応した前記補充容器数だけ前記保管棚に補充させる請求項1から5のいずれか一項に記載の物品保管設備。
- 各物品の種類の前記設定収容数は、各種類の物品の入荷単位数を、物品の種類毎に予め設定された配分容器数の容器に均等分配した場合に各容器に収容される物品の数に設定されており、
前記補充管理部は、補充が必要と判定した物品の種類の前記補充容器数を、当該物品の種類に設定された前記配分容器数に決定する請求項1から6のいずれか一項に記載の物品保管設備。 - 各物品の種類の前記設定引当許可数は、各物品の種類の前記目標在庫数に応じた数に設定されている請求項1から7のいずれか一項に記載の物品保管設備。
- 各物品の種類の前記設定引当許可数は、各物品の種類の前記目標在庫数を、各物品の種類の入荷単位数又は前記設定収容数で除算した数に設定されている請求項8に記載の物品保管設備。
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