JP6011033B2 - 信号分離装置及び信号分離方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、衛星通信における帯域利用率向上のため、同一周波数で双方向通信する方法が提案されている。この通信方法では、2つの地上局が同一の通信衛星に同帯域の信号を送信し、通信衛星が2つの信号を混信して受信する。通信衛星によって、混信信号は、そのまま周波数変換されて地上局に送信されるので、地上局では到来方向に基づく信号分離は不可能である。そのため、地上局では自局の送信信号を混信信号中の一方の信号のレプリカとし、これを受信信号から差し引くことで他局の信号を分離している。
そこで、混信信号の分離に必要となる情報を受信側で推定する手段を提供し、信号分離を実現する信号分離装置及び方法を提供することを目的とする。
第1のシンボルレート推定部は、前記混信信号に含まれる最も強度の高い第1の信号のシンボルレートを推定する。第1の変調方式推定・復調部は、前記第1の信号のシンボルレートに基づいて、前記第1の信号を復調した復調結果から第1の変調方式を推定する。第1の復号部は、前記第1の変調方式によって前記第1の信号を復調し、復調された第1の信号の情報系列を推定する。レプリカ生成部は、前記第1の信号の情報系列から第1の信号のレプリカ信号を生成する。適応キャンセラ部、前記第1の信号のレプリカ信号を前記混信信号から差し引いて第2の信号を出力する。第2のシンボルレート推定部は、前記第2の信号のシンボルレートを推定する。第2の変調方式推定・復調部は、前記第2の信号のシンボルレートに基づいて、前記第2の信号を復調した復調結果から第2の変調方式を推定する。第2の復号部は、前記第2の変調方式によって前記第2信号を復調し、復調された第2の信号の情報系列を推定する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態において、信号分離装置は、シンボルレート推定部(第1のシンボルレート推定部)11、復調器(第1の復調器)12、変調方式推定部(第1の変調方式推定部)13、復号器(第1の復号器)14、符号器(第1の符号器)15、変調器(第1の変調器)16、適応キャンセラ17、シンボルレート推定部(第2のシンボルレート推定部)18、復調器(第2の復調器)19、変調方式推定部(第2の変調方式推定部)20、及び復号器(第2の復号器)21から構成される。
復調器12は、混信信号に含まれる第1の信号を、設定された変調方式により復調する。設定された変調方式は、任意の、または、変調方式推定部13が推定した変調方式である。具体的には、復調器12は、第1のシンボルレート推定部11によって抽出された第1の信号を受けると、まず始めに任意の変調方式(予め設定された変調方式)を用いて第1の信号を復調し、変調方式推定部13へ出力する。次に、変調方式推定部13が推定する変調方式(第1の変調方式)を用いて第1の信号を復調することを繰り返す。ここで、復調器12が任意の変調方式を予め保持していることを前提とする。あるいは、復調器12が信号分離装置内の記憶領域に保持された任意の変調方式を参照して用いてもよい。
復号器14は、復調器12によって復調された第1の信号を復号して第1の信号の情報系列を推定する。
ここで、復調器12と変調方式推定部13とは第1の変調方式推定・復調部31を構成する。第1の変調方式推定・復調部31は、第1の信号のシンボルレートに基づいて、第1の信号を復調した復調結果から第1の変調方式を推定する機能を実現する。
変調器16は、符号器15が符号化した第1の信号の情報系列を再変調してレプリカ信号(第1の信号のレプリカ信号)を生成する。
ここで、符号器15と変調器16とは、レプリカ生成部32を構成する。レプリカ生成部32は、第1の信号の情報系列から第1の信号のレプリカを生成する機能を実現する。
適応キャンセラ17は、混信信号からレプリカ信号を差し引く。具体的には、適応キャンセラ17は、混信信号と第1の信号のレプリカ信号とを受け、混信信号からレプリカ信号を差し引いて第2の信号として出力する。
復調器19は、第2の信号を、設定された変調方式により復調する。設定された変調方式は、任意の、または、変調方式推定部20が推定する変調方式である。具体的には、復調器19は、第2のシンボルレート推定部18から第2の信号を受けると、まず始めに任意の変調方式(予め設定された変調方式)を用いて第2の信号を復調し、変調方式推定部20へ出力する。次に、変調方式推定部20が推定する変調方式を用いて第2の信号を復調することを繰り返す。復調器19は、任意の変調方式を予め保持する。あるいは、信号分離装置内の記憶領域に保持された任意の変調方式を参照して用いてもよい。任意の変調方式は、復調器12が用いる任意の変調方式と同じ方式であっても異なる方式であってもよく、信号分離装置に応じて予め設定されていればよい。
復号器21は、復調器19によって復調された第2の信号を復号して第2の信号の情報系列を推定する。
ここで、復調器19と変調方式推定部20とは、第2の変調方式推定・復調部33を構成する。第2の変調方式推定・復調部33は、第2の信号のシンボルレートに基づいて、第2の信号を復調した復調結果から第2の変調方式を推定する機能を実現する。
本実施形態では、混信信号に含まれる信号に十分な強度差があることを前提にしている。まず、シンボルレート推定部11は、最も強度の高い第1の信号のシンボルレートを推定する(S11)。復調器12は、シンボルレート推定部11によって推定されたシンボルレートから、初回は任意の変調方式(予め適当な変調方式を設定する)により第1の信号を復調する(S12)。変調方式推定部13は、復調された受信信号(第1の信号)と、受信機(信号分離装置)で設定しておいた理想的な信号点配置との平均二乗誤差を求める(S13)。復調器12と変調方式推定部13とは、ステップS12とS13との処理を、変調方式を変更させながら繰り返す(S14、NO)。変調方式推定部13は、平均二乗誤差を比較してゆき、最も誤差が小さかった変調方式を正しく変調方式が推定された変調方式として、第1の変調方式として決定する(S14、YES)。復調器12は、適切な第1の変調方式が推定されると、復調した第1の信号を復号器14へ出力する。
適応キャンセラ17は、混信信号中の第1の信号成分とレプリカ信号との振幅及び位相の差異を推定し、これらが最小になるようにレプリカ信号を補正する(S17)。補正後のレプリカ信号を混信信号から差し引くことにより、第2の信号成分が抽出される(S18)。
図3は、シンボルレート推定部11の構成を示すブロック図である。ここでは、線形変調の場合を例として説明する。図3において、シンボルレート推定部11は、混信信号を二乗させる乗算器22と、乗算した結果に対してフーリエ変換を行うFFT部(高速フーリエ変換部)23と、フーリエ変換した結果のピーク検出を行うピーク検出部24で構成される。
乗算器22は、混信信号を二乗させ、FFT部23は二乗させた混信信号にフーリエ変換を行う。これにより、シンボルレートに相当する周波数のピークが現れる。その後ピーク検出部24は、適切な手法でピーク検出を行うことにより、シンボルレートを検出する。
シンボルレート推定部18も図3と同様の構成により実現することができる。
図4は、変調方式推定部13の変調方式を推定する手段に関して説明した図である。図4は復調器12による復調後の受信信号と、あらかじめ受信機に設定しておいた信号点配置の一つを示したものである。図4では、一例としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)信号の信号点配置を挙げている。変調方式推定部13は、復調された受信信号と理想的な信号点の平均二乗誤差を求め、その値を保存し、変調方式を変更しながら比較していく。図4において、誤差を黒塗りの丸と矢印で示している。誤差が最も小さかったときの変調方式による信号を最終的な信号として決定し、復号器14に入力する。
なお、変調方式推定部20についても、変調方式推定部13と同様である。
図5は本発明の第2の実施形態を説明する図である。本実施形態では、シンボルレート推定部11、18の機能を説明する。図5は混信信号を二乗し、フーリエ変換をした結果を示したものである。また、横軸を周波数、縦軸を信号レベルとして示している。
PSK(Phase-Shift Keying)のような線形変調の場合、上記のような処理(二乗、フーリエ変換)をされた混信信号は、シンボルレートに相当する周波数のピークが現れる。つまり、2つ以上の信号が混信している場合はそれぞれに対応した複数のピークが現れる。本発明の実施形態ではこのピークの信号レベルとピークの位置を検出することで混信信号数を判定することができる。これにより、複数且つ未知の信号に対しても、混信信号の分離が可能になる。
以上のように、先行技術では、何かしらの信号パラメータが受信側で必要になるという問題があるが、上記各実施形態では通信分野に限らず、電波監視業務等の信号の持っているパラメータが未知の場合においても適用することができるという有利な効果を生じさせる。
12 復調器(第1の復調部)
13 変調方式推定部(第1の変調方式推定部)
14 復号器(第1の復号器)
15 符号器(第1の符号器)
16 変調器(第1の変調器)
17 適応キャンセラ
18 シンボルレート推定部(第2のシンボルレート推定手段)
19 復調器(第2の復調器)
20 変調方式推定部(第2の変調方式推定部)
21 復号器(第2の復号器)
22 乗算器
23 FFT部
24 ピーク検出部
31 第1の変調方式推定・復調部
32 レプリカ生成部
33 第2の変調方式推定・復調部
Claims (6)
- 同一周波数に複数の信号を混在させた混信信号を分離する信号分離装置であって、
前記混信信号に含まれる最も強度の高い第1の信号のシンボルレートを推定する第1のシンボルレート推定手段と、
前記第1の信号のシンボルレートに基づいて、前記第1の信号を復調した復調結果から第1の変調方式を推定する第1の変調方式推定・復調手段と、
前記第1の変調方式によって前記第1の信号を復調し、復調された第1の信号の情報系列を推定する第1の復号手段と、
前記第1の信号の情報系列から第1の信号のレプリカ信号を生成するレプリカ生成手段と、
前記第1の信号のレプリカ信号を前記混信信号から差し引いて第2の信号を出力する適応キャンセラ手段と、
前記第2の信号のシンボルレートを推定する第2のシンボルレート推定手段と、
前記第2の信号のシンボルレートに基づいて、前記第2の信号を復調した復調結果から第2の変調方式を推定する第2の変調方式推定・復調手段と、
前記第2の変調方式によって前記第2信号を復調し、復調された第2の信号の情報系列を推定する第2の復号手段と、
を有する信号分離装置。 - 前記第1のシンボルレート推定手段及び前記第2のシンボルレート推定手段とは、
前記混信信号を二乗させる乗算手段と、
前記乗算手段が乗算した結果に対してフーリエ変換を行う高速フーリエ変換手段と、
前記高速フーリエ変換手段がフーリエ変換した結果のピークを検出するピーク検出手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の信号分離装置。 - 前記第1のシンボルレート推定手段は、信号レベルとピーク数により前記混信信号の数を抽出することを特徴とする請求項1または2記載の信号分離装置。
- 第1の変調方式推定・復調手段は、
設定された複数の変調方式によって前記第1の信号を復調する第1の復調手段と、
前記第1の復調手段によって復調された複数の第1の信号から前記第1の変調方式を推定する第1の変調推定手段と、を有し、
前記第1の復号手段は、前記第1の変調推定手段が推定した前記第1の変調方式を用いて前記第1の信号を復調することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の信号分離装置。 - 同一周波数に複数の信号を混在させた混信信号を分離する信号分離装置が実現する信号分離方法であって、
前記混信信号に含まれる最も強度の高い第1の信号のシンボルレートを推定し、
前記第1の信号のシンボルレートに基づいて、前記第1の信号を復調した復調結果から第1の変調方式を推定し、
前記第1の変調方式によって前記第1の信号を復調し、復調された第1の信号の情報系列を推定し、
前記第1の信号の情報系列から第1の信号のレプリカ信号を生成し、
前記第1の信号のレプリカ信号を前記混信信号から差し引いて第2の信号を出力し、
前記第2の信号のシンボルレートを推定し、
前記第2の信号のシンボルレートに基づいて、前記第2の信号を復調した復調結果から第2の変調方式を推定し、
前記第2の変調方式によって前記第2信号を復調し、復調された第2の信号の情報系列を推定する信号分離方法。 - 前記混信信号に含まれる最も強度の高い第1の信号のシンボルレートの推定は、
信号レベルとピーク数により前記混信信号の数を抽出し、
抽出した信号レベルの最も高い信号を前記第1の信号として抽出することを特徴とする請求項5記載の信号分離方法。
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