(第1実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10(以下、単に「遊技機10」と示す場合もある)が略示されている。パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられている。また、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ遊技機10の機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。
また、前枠Y3は、中央部に窓口Y3aを有するとともに、当該窓口Y3aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)Y4を一体形成した構成とされている。前枠Y3の裏側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、且つ窓口Y3aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。なお、遊技盤YBは、中枠Y2に装着される。
また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)Y5が装着されている。また、中枠Y2の前面側であって下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される発射装置Y6が装着されている。遊技者が発射装置Y6の発射ハンドルY6aを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1個ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。また、発射装置Y6の発射ハンドルY6aの回動操作する回動量に応じて、遊技盤YBに向けて遊技球を発射させる強さ(遊技球を打ち出す方向)が変化するようになっている。このため、遊技者は、発射ハンドルY6aを回動操作する回動量を調節して、遊技盤YBにおいて遊技球を打ち出す方向を調節することができる。
次に、遊技盤YBの構成を詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、発射ハンドルY6aの回動操作によって発射された遊技球を誘導し、かつ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域YBaを形成する誘導レールYRが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レールYRによって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の発射レールとしての誘導路YRaが形成されるとともに、誘導レールYRの内側にほぼ円形の遊技領域YBaが形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レールYRの外側となる遊技領域YBa外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域YBbとされている。
なお、誘導路YRaの最下流には、誘導路YRaから遊技領域YBaに発射された遊技球が誘導路YRaに逆戻りすることを防止する逆戻り防止弁YRbが設けられている。逆戻り防止弁YRbは、誘導路YRaの最下流に位置する誘導レールYRの先端に固定されている。
また、遊技盤YBの遊技領域YBaのほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特図表示装置12が配設されている。特図表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態において特図表示装置12には、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、演出表示装置11には、特図表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも大当りの図柄組み合わせ(特別表示結果)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、特図表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にもはずれの図柄組み合わせ(非特別表示結果)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、演出表示装置11と、特図表示装置12に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特図表示装置12における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口としての入賞口18を有する始動入賞口19が配設されている。そして、始動入賞口19の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動入賞手段としての始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。本実施形態では、始動口スイッチSW1で、始動入賞口19に入賞した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では、3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
なお、遊技盤YBにおける第1打出方向UH1に向けて遊技球が発射されたときには、遊技盤YBにおける第2打出方向UH2に向けて発射されたときよりも、始動入賞口19に遊技球が入賞し易くなるように、遊技球の転動方向を変更する障害釘等の障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24等が遊技盤YBに配設されている。更に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技盤YBにおける第2打出方向UH2に向けて遊技球が発射されたときには、始動入賞口19に遊技球が入賞し得ないように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24等が遊技盤YBに配設されている。
具体的には、第1打出方向UH1に遊技球が発射された場合には、遊技領域YBaを転動する遊技球が、始動入賞口19が配置されている位置よりも上方部へと転動するように障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。一方で、第2打出方向UH2に遊技球が発射された場合には、遊技領域YBaを転動する遊技球が、始動入賞口19が配置されている位置よりも上方部へと転動しないように(始動入賞口19が配置されている位置よりも下方部へと転動するように)障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。
また、特図表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では、2個)の特図保留発光部を備えた特図保留記憶表示装置13が配設されている。特図保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動入賞口19に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口19へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における2個の特図保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。具体的には、保留記憶数が「0」の場合、2個の特図保留発光部は消灯し、保留記憶数が「1」の場合、左方の特図保留発光部が点灯して、右方の特図保留発光部が消灯するようになっている。また、保留記憶数が「2」の場合、2個の特図保留発光部が点灯し、保留記憶数が「3」の場合、左方の特図保留発光部が点滅して、右方の特図保留発光部が点灯するようになっている。また、保留記憶数が「4」の場合、2個の特図保留発光部が点滅するようになっている。なお、保留記憶数は、実行が保留されている図柄変動ゲームの数を示す。
また、始動入賞口19の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた特別入賞手段としての大入賞口24が配設されている。大入賞口24の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口24は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、13個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口24は、大当り遊技中に大入賞口扉23の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。また、遊技盤YBの遊技領域YBaにおける最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口29が配設されている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、発射ハンドルY6aが回動操作されて、遊技盤YBにおける第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れの方向に遊技球が発射された(打ち出された)場合であっても、大入賞口24に遊技球が入賞するように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24等が遊技盤YBに配設されている。一方で、第1打出方向UH1に向けて遊技球を発射する場合には、第2打出方向UH2に向けて遊技球を発射する場合よりも、遊技球が発射されてから遊技領域YBaを転動して大入賞口24に到達するまでの平均時間が長くなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。
詳しく説明すると、遊技領域YBaに遊技球が発射されてから第1打出方向UH1へと遊技球が転動するには、発射された遊技球が一度障害部材SBに衝突しなければならない。その一方で、遊技領域YBaに遊技球が発射されてから第2打出方向UH2へと遊技球が転動するには、発射された遊技球が障害部材SBに衝突する必要がない。このため、遊技球が遊技領域YBaに発射されてから第1打出方向UH1へと遊技球が転動を開始する時点での遊技球が転動する速度は、遊技球が遊技領域YBaに発射されてから第2打出方向UH2へと遊技球が転動を開始する時点での遊技球が転動する速度よりも、遅いことが多い。更に、第2打出方向UH2に遊技球を発射させるときには、第1打出方向UH1に遊技球を発射させるときよりも、遊技球が強く(速く)遊技領域YBaに発射されることが多い。これら構成による結果、第1打出方向UH1に遊技球が発射される場合には、第2打出方向UH2に遊技球が発射される場合よりも、遊技球が発射されてから大入賞口24に到達するまでの時間が遅くなりやすい。
また、第1打出方向UH1に遊技球が発射された場合には、第2打出方向UH2に遊技球が発射された場合よりも、大入賞口24に到達するまでに遊技球が障害部材SB等に衝突する回数が多くなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配置されている。遊技球が障害部材SBに衝突すると、遊技領域YBaを遊技球が転動して落下する速さも遅くなる(速くならない)ため、第1打出方向UH1に遊技球が発射される場合には、第2打出方向UH2に遊技球が発射される場合よりも、遊技球が発射されてから大入賞口24に到達するまでの時間が遅くなりやすい。なお、遊技球が発射されてから遊技領域YBaを転動して大入賞口24に到達するまでの平均時間は、実際に所定個数の遊技球を遊技領域YBaに発射させたときに、各遊技球が遊技領域YBaに発射されてから大入賞口24に到達するまで(又は大入賞口24が配置されている高さに到達するまで)に要する時間を平均した時間である。
また、演出表示装置11の右下方には、発光により発光演出を行う主発光装置25が配設されている。また、主発光装置25の上方部には第1副発光装置26aが配設され、主発光装置25の右方部には第2副発光装置26bが配設されている。また、主発光装置25の下方部には第3副発光装置26cが配設され、主発光装置25の左方部には第4副発光装置26dが配設されている。以下の説明においては、第1副発光装置26a、第2副発光装置26b、第3副発光装置26c及び第4副発光装置26dを纏めて、副発光装置26と示す。
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、確変状態は、次に大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。このように確変状態が付与された場合は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示され、該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定個数の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
前述したように、遊技盤YBにおける第1打出方向UH1に向けて遊技球を発射する場合には、遊技盤YBにおける第2打出方向UH2に向けて遊技球を発射する場合よりも、遊技球が発射されてから大入賞口24に到達するまでの平均時間が長くなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。このため、第1打出方向UH1に向けて遊技球を発射する場合には、第2打出方向UH2に向けて遊技球を発射する場合と比較して、入球上限個数の遊技球が大入賞口24に入賞するまでに要する平均時間が長くなりやすいため、大当り遊技が開始してから終了するまでに要する遊技時間が長くなりやすくなっている。換言すると、第2打出方向UH2に向けて遊技球を発射する場合には、第1打出方向UH1に向けて遊技球を発射する場合よりも、短時間で大当り遊技を終了させることができるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、前述したように、始動入賞口19に1個の遊技球が入賞する毎に「3個」の遊技球が賞球として払い出されるようになっており、大入賞口24に1個の遊技球が入賞する毎に「13個」の遊技球が賞球として払い出されるようになっている。そして、同じ大当り遊技が付与されたのであれば、第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れの方向に遊技球を打ち出した(発射させた)場合であっても、大当り遊技の開始時から終了時までに遊技者が所持する遊技球の増加個数が同等となるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。
具体的には、本実施形態のパチンコ遊技機10において、大当り遊技中に第1打出方向UH1へ遊技球を発射させた場合に始動入賞口19及び大入賞口24に遊技球が入賞することによって賞球として払い出される遊技球の平均個数から、大当り遊技中に第1打出方向UH1へ発射させた遊技球の平均個数を差し引いた個数を「第1賞球数」とする。その一方で、大当り遊技中に第2打出方向UH2へ遊技球を発射させた場合に始動入賞口19及び大入賞口24に遊技球が入賞することによって賞球として払い出される遊技球の平均個数から、大当り遊技中に第2打出方向UH2へ発射された遊技球の平均個数を差し引いた個数を「第2賞球数」とする。この場合、付与された大当り遊技の種類が同一であれば、第1賞球数と第2賞球数は同等の個数(第1賞球数≒第2賞球数)となるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。
このため、大当り遊技が付与された場合、遊技者は、大当り遊技終了後までに獲得する遊技球の個数の多さを気にすることなく、第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れか一方を、遊技球を打ち出す方向として選択することができるようになっている。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10において「同等の個数」とは、第1賞球数が、第2賞球数よりも10%多い個数から10%少ない個数までの範囲をいう。
また、遊技盤YBにおいては、第1打出方向UH1に遊技球が発射された場合、第2打出方向UH2に遊技球が発射された場合と比較して、遊技領域YBaを転動する遊技球が、大入賞口24が配置されている位置まで到達(転動)し難いように、障害部材SB等が配設されている。つまり、所定個数の遊技球を第1打出方向UH1に発射させた場合には、同じ所定個数の遊技球を第2打出方向UH2に発射させた場合と比較して、大入賞口24に入賞する遊技球の個数が少なくなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。但し、第1打出方向UH1に遊技球が発射された場合には、当該遊技球が始動入賞口19へ入賞し得るため、当該入賞によって遊技者に賞球として払い出される遊技球の個数も第2打出方向UH2に遊技球が発射された場合よりも多くなる。このため、第1打出方向UH1に遊技球が発射されたときは、第2打出方向UH2に遊技球が発射されたときと比較して、大入賞口24に入賞しないでアウト口29に入賞する遊技球の個数が多くなる一方で、始動入賞口19に遊技球が入賞することによって賞球として払い出される遊技球の個数も多くなる。
なお、大当り遊技中に第1打出方向UH1(又は、第2打出方向UH2)へ遊技球を発射させた場合に始動入賞口19に入賞する遊技球の個数を測定して、当該測定値の平均に始動入賞口19への入賞で払い出される遊技球の個数を乗算した個数が、「大当り遊技中に始動入賞口19への入賞によって払い出される遊技球の平均個数」となる。また、大当り遊技中に第1打出方向UH1(又は、第2打出方向UH2)へ遊技球を発射させた場合に大入賞口24に入賞する遊技球の個数を測定して、当該測定値の平均に大入賞口24への入賞で払い出される遊技球の個数を乗算した個数が、「大当り遊技中に大入賞口24への入賞によって払い出される遊技球の平均個数」となる。そして、「大当り遊技中に始動入賞口19への入賞によって払い出される遊技球の平均個数」と「大当り遊技中に大入賞口24への入賞によって払い出される遊技球の平均個数」の合計個数が、「大当り遊技中に始動入賞口19及び大入賞口24に遊技球が入賞することによって賞球として払い出される遊技球の平均個数」となる。また、大当り遊技が開始してから終了するまで第1打出方向UH1(又は、第2打出方向UH2)へ発射させ続けたときに発射される遊技球の個数を測定し、その測定値の平均が「大当り遊技中に第1打出方向UH1(又は、第2打出方向UH2)へ発射された遊技球の平均個数」となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特図表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図柄A、図柄Bに分類される。具体的には、図柄Aには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち70種類の大当り図柄が振り分けられ、図柄Bには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。
図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定され、該遊技終了後から次に大当り遊技が付与されるまでの間、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「15R確変大当り」と示す)である。また、図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定され、該遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当り遊技(以下、「15R非確変大当り」と示す)である。
15R確変大当り及び15R非確変大当りでは、オープニング時間として「10(秒)」が、エンディング時間として「11(秒)」がそれぞれ設定されている。また、15R確変大当り及び15R非確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。また、15R確変大当り及び15R非確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2(秒)」にそれぞれ設定されている。
そして、本実施形態において、15R確変大当りが付与されたことを報知する昇格演出が実行されない限り、確変状態が付与されたか否かが図柄変動ゲームの演出内容などから判断できない(又は判断しにくい)ように構成されている。すなわち、大当り遊技の演出内容や図柄変動ゲームの演出内容などは、いずれも付与される大当り遊技にかかわらず、共通化されており、確変状態が付与されたか否かが秘匿されるようになっている。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を説明する。
図3に示すように、機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW2が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置12、特図保留記憶表示装置13が接続されている。また、主制御用CPU30aには、賞球払出手段としての球払出装置50が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選に当選した場合に、付与する大当り遊技の種類を決定する際に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で非当選の場合に、図柄変動ゲームにてリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出時間(変動時間)を特定し得る。
変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせ(リーチ図柄)が表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り、はずれの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、はずれ通常演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される。
主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、確変状態が付与されているときの大当り判定値(確変状態時の大当り判定値)は、少なくとも確変状態が付与されていないときの大当り判定値(非確変状態時の大当り判定値)を含むように定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
次に、演出制御基板31について説明する。
図3に示すように、演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、主発光装置25及び副発光装置26が接続されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出表示装置11には、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されており、演出制御用CPU31aの指示により、画像が表示されるようになっている。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動入賞口19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各乱数の値も取得しない。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、つまり、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に特別図柄入力処理において取得された各種乱数の値が設定されているか否かを判定する。当該判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かの大当り判定をする。このとき、確変状態が付与されている場合には確変状態時の大当り判定値と、確変状態が付与されていない場合には非確変状態時の大当り判定値と、取得した当り判定用乱数の値が一致するか否かの大当り判定を行う。なお、確変状態時の大当り判定値の個数は、非確変状態時の大当り判定値の個数よりも多い個数が設定されている。この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。このとき主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値に基づいて、図柄A、図柄Bのうち何れか1つの図柄を決定する。
また、大当り変動処理において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないではずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力するとともに、特別図柄を変動表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(飾り図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。以上のように、本実施形態では、確変状態の有無によって図柄変動ゲームの演出内容が変更されるわけではない。このため、図柄変動ゲームの演出内容によって確変状態の有無を判定できず、確変状態が秘匿されるようになっている。
次に、大当り抽選に当選した場合に主制御用CPU30aが実行する当り遊技処理を説明する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合には、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御用CPU31aに出力するとともに、大入賞口24の開放及び閉鎖を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技を終了させる。以上のように、本実施形態では、確変状態の有無によって大当り遊技の演出内容が変更されるわけではない。このため、遊技者は、大当り遊技の演出内容によって確変状態の有無を判定できず、確変状態が秘匿されるようになっている。
また、主制御用CPU30aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、主制御用RAM30cに記憶されている各種主制御用設定フラグの値を設定する。主制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための主制御用確変フラグがある。そして、主制御用CPU30aは、図柄Aを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定する。一方で、主制御用CPU30aは、図柄Bを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を決定した場合、主制御用確変フラグに新たな値を設定しない。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技中は、主制御用確変フラグに、「0」を設定する。このように、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様(遊技状態)を特定することができる。
次に、賞球としての遊技球を払い出すための制御について説明する。
主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1からの検知信号を入力すると、「3個」の遊技球を賞球として払い出すように、球払出装置50を制御する。また、主制御用CPU30aは、カウントスイッチSW2からの検知信号を入力すると、「13個」の遊技球を賞球として払い出すように、球払出装置50を制御する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。以下、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の決定について説明する。
演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、数字図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][777][888])を確定停止表示させる飾り図柄として決定する。一方、演出制御用CPU31aは、図柄Bが指定された場合、予め決められた数字図柄「7」以外の数字図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][888])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。このため、予め決められた数字図柄「7」により構成された大当りの図柄組み合わせ([777]、以下、確変図柄と示す)が確定停止表示された場合には、図柄変動ゲーム終了時に確変状態が付与されることを認識できるようになっている。一方で、予め決められた数字図柄「7」以外の数字図柄により構成された大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][888]、以下、非確変図柄と示す)が確定停止表示された場合には、図柄変動ゲーム終了時に確変状態が付与されるか否か判断できないようになっている。
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323])の中から図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から図柄変動ゲーム終了時に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、演出制御用RAM31cに記憶されている各種演出制御用設定フラグの値を設定する。演出制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための演出制御用確変フラグがある。そして、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定する。一方で、演出制御用CPU31aは、図柄Bが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、演出制御用確変フラグに新たな値を設定しない。演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様を特定することができる。
以上のことから、主制御基板30及び演出制御基板31は、メイン制御手段となる。また、演出表示装置11及び主発光装置25は、演出実行手段となる。また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームにて特別表示結果(大当り図柄)が表示されるか否かを判定する結果判定手段となる。また、主制御用CPU30aは、第1特別遊技(確変状態)を付与する特別遊技付与手段となる。主制御用CPU30aは、演出時間決定手段となる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御手段となる。また、主制御用CPU30a及び演出制御用CPU31aは、特別遊技演出実行手段となる。また、主制御用CPU30a及び演出制御用CPU31aは、表示結果決定手段となる。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図柄変動ゲーム又は大当り遊技中、15R確変大当りが付与される(又は付与されている)か否かについて示唆する昇格演出(示唆演出)を実行可能に構成されている。本実施形態における昇格演出は、主発光装置25にて行われるようになっている。そして、本実施形態における昇格演出では、付与される(又は付与されている)大当り遊技が遊技者にとって有利度の高い15R確変大当りである場合には主発光装置25が点灯(発光)する一方で、遊技者にとって有利度の低い15R非確変大当りである場合には主発光装置25が非点灯となる(発光しない)ようになっている。つまり、昇格演出において、主発光装置25が点灯した場合には、付与される(又は付与されている)大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを認識できるようになっている。また、昇格演出が実行されて、確変状態が付与されることを報知する場合(つまり、主発光装置25が点灯する場合)には、演出表示装置11にて昇格演出に伴う演出、具体的には確変図柄の表示が行われるようになっている。また、本実施形態において、確変状態が付与される場合、昇格演出により、図柄変動ゲーム中、ラウンド遊技中、又はエンディング演出中のいずれかにおいて確変状態が報知されるようになっている。
また、本実施形態において、大当りとなる図柄変動ゲームでは、必ず再抽選演出(再変動演出)が実行されるようになっている。再抽選演出とは、仮図柄として設定される大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示された後、全列の図柄が再び変動表示され、その後、最終停止図柄として設定される大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される演出である。
以下、昇格演出及び再抽選演出を実行させるための処理について説明する。
図4に示すように、演出制御用CPU31aは、まず、確変状態が付与されることを示す図柄Aが大当り図柄として指定されているか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、確定停止表示させる最終停止図柄として決定した大当りの図柄組み合わせが、確変図柄([777])であるか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中、つまり、再抽選演出中に昇格演出を実行させることを決定する(ステップS103)。そして、演出制御用CPU31aは、再抽選演出前において、図柄変動ゲームが大当りとなることを示すために一旦停止表示させる仮図柄を、確変図柄([777])及び非確変図柄([111][222][333][444][555][666][888])の中から決定する(ステップS104)。その後、演出制御用CPU31aは、再抽選演出中における昇格演出の実行を指定する図柄遷移指定コマンドCOM8〜COM15の中から、決定した仮図柄及び最終停止図柄を指定する図柄遷移指定コマンドを特定する(ステップS105)。そして、演出制御用CPU31aは、特定した図柄遷移指定コマンドを出力し(ステップS105)、昇格処理を終了する。
図5に示すように、図柄遷移指定コマンドは、再抽選前に一旦停止表示される仮図柄を構成する数字図柄と、再抽選後に確定停止表示される最終停止図柄を構成する数字図柄を特定できるコマンドである。また、昇格演出を実行させる場合には、再抽選演出中、ラウンド遊技中、エンディング演出中のうち、いずれのタイミングで実行させるかを特定できるコマンドとなっている。なお、図5では、実行させるタイミングを「○」で図示している。また、仮図柄として確変図柄が決定された場合、再抽選演出で、非確変図柄が表示されることはないため、遊技者は、再抽選演出及び昇格演出の結果を見るまでもなく、確変状態が付与されることを認識することができる。
一方、ステップS102の判定結果が否定の場合(最終停止図柄が確変図柄でない場合)、演出制御用CPU31aは、予め決められたラウンド遊技中(本実施形態では、7R目のラウンド遊技中)に、昇格演出を実行させるか否かを判定する(ステップS106)。この判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に表示させる仮図柄として、最終停止図柄と同じ図柄を決定する(ステップS107)。その後、演出制御用CPU31aは、ラウンド遊技中における昇格演出の実行を指定する図柄遷移指定コマンドCOM16〜COM22の中から、決定した仮図柄及び最終停止図柄を指定する図柄遷移指定コマンドを特定する(ステップS108)。そして、演出制御用CPU31aは、特定した図柄遷移指定コマンドを出力し(ステップS108)、昇格処理を終了する。
一方、ステップS106の判定結果が否定の場合(再抽選演出中及びラウンド遊技中には昇格演出を実行しない場合)、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に表示させる仮図柄として、最終停止図柄と同じ図柄を決定する(ステップS109)。その後、演出制御用CPU31aは、エンディング演出中における昇格演出の実行を指定する図柄遷移指定コマンドCOM23〜COM29の中から、決定した仮図柄及び最終停止図柄を指定する図柄遷移指定コマンドを特定する(ステップS110)。そして、演出制御用CPU31aは、特定した図柄遷移指定コマンドを出力し(ステップS110)、昇格処理を終了する。
また、ステップS101の判定結果が否定の場合(確変状態が付与されない場合、つまり、昇格演出が実行されない場合)、演出制御用CPU31aは、再抽選演出において、仮図柄として最終停止図柄と同じ非確変図柄を表示させることを決定すると共に、昇格演出を実行しないことを決定する(ステップS111)。そして、演出制御用CPU31aは、昇格演出を実行しないことを示す図柄遷移指定コマンドCOM1〜COM7の中から決定した仮図柄及び最終停止図柄に応じた図柄遷移指定コマンドを特定して、特定した図柄遷移指定コマンドを出力し(ステップS112)、昇格処理を終了する。
次に、演出制御用CPU31aが出力した図柄遷移指定コマンドを入力した演出表示装置11及び主発光装置25による処理について説明する。
演出表示装置11は、大当りとなる図柄変動ゲームにおいて、再抽選演出前に、入力した図柄遷移指定コマンドにより指定される仮図柄を一旦停止表示する。そして、演出表示装置11は、変動パターンに従って、再抽選演出を実行した後、入力した図柄遷移指定コマンドにより特定される最終停止図柄を確定停止表示する。また、演出表示装置11は、入力した図柄遷移指定コマンドにより昇格演出を実行させることを特定した場合、入力した図柄遷移指定コマンドにより特定される実行タイミングで、昇格演出に伴う表示上の演出、すなわち、確変図柄の表示を行う。つまり、演出表示装置11は、再抽選演出中に昇格演出を実行させることを特定した場合、最終停止図柄として確変図柄を確定停止表示する。また、演出表示装置11は、ラウンド遊技中に昇格演出を実行させることを特定した場合、予め決められたラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)の所定期間経過後(より詳しくは、昇格演出終了後)、確変図柄を表示する。また、演出表示装置11は、エンディング演出中に昇格演出を実行させることを特定した場合、エンディング演出の所定期間経過後(より詳しくは、昇格演出終了後)、確変図柄を表示する。
そして、主発光装置25は、入力した図柄遷移指定コマンドにより昇格演出を実行させることを特定した場合、入力した図柄遷移指定コマンドにより特定される実行タイミングで、昇格演出を実行する。つまり、主発光装置25は、再抽選演出中に昇格演出を実行させることを特定した場合、再抽選演出中に、昇格演出を実行する(すなわち、発光する)。また、主発光装置25は、ラウンド遊技中に昇格演出を実行させることを特定した場合、予め決められたラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)開始から所定期間経過するまでの間に、昇格演出を実行する(すなわち、発光する)。また、主発光装置25は、エンディング演出中に昇格演出を実行させることを特定した場合、エンディング演出開始から所定期間経過するまでの間に、昇格演出を実行する(すなわち、発光する)。
そして、本実施形態では、大当りとなる図柄変動ゲームにおいて、確変状態が付与されることを報知する昇格演出の実行タイミング(実行時期)を予告する昇格予告演出が実行されるようになっている。この昇格予告演出は、いずれの昇格演出が実行されるよりも前に予め設定されたタイミングで実行されるようになっている。具体的には、大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示された後(仮図柄が表示された後)、再抽選演出が実行される前に、昇格予告演出が実行されるようになっている。そして、演出制御用CPU31aは、昇格処理において決定した図柄遷移指定コマンドにより特定される昇格演出の実行タイミングに応じて、昇格予告演出の内容を決定し、決定した内容の昇格予告演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。
具体的には、昇格予告演出が実行される際、演出表示装置11には、3種類のキャラクタK1,K2,K3のうちいずれかが出現すると共に、昇格演出が実行される主発光装置25の位置(右下)を指し示すように構成されている。なお、キャラクタK1は、再抽選演出中に実行される昇格演出に対応し、再抽選演出中に昇格演出が実行されることを現すキャラクタである。また、キャラクタK2は、ラウンド遊技中に実行される昇格演出に対応し、ラウンド遊技中に昇格演出が実行されることを現すキャラクタである。キャラクタK3は、エンディング演出中に実行される昇格演出に対応し、エンディング演出中に昇格演出が実行されることを現すキャラクタである。
また、本実施形態においては、昇格演出が実行されない場合(確変状態が付与されない場合)であっても、昇格予告演出は、実行されるように構成されている。つまり、ガセ(偽物)の昇格予告演出が実行されるようになっている。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、入力した図柄遷移指定コマンドにより昇格演出が実行されないと特定した場合、昇格予告演出の内容を抽選により決定する。すなわち、演出制御用CPU31aは、3種類のキャラクタK1,K2,K3のうち抽選により、出現させるキャラクタを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した内容の昇格予告演出を実行させるように演出表示装置11を制御する。これにより、遊技者に対して、確変状態が付与されない場合であっても、いずれかのタイミングで昇格演出が実行され、確変状態が付与されるのではないかと期待させることができる。
以上のことから、本実施形態では、演出制御用CPU31aは、演出制御コマンド(図柄遷移指定コマンド)を出力する出力手段となる。また、主発光装置25は、昇格演出(示唆演出)を実行する示唆演出実行手段となる。また、演出表示装置11は、昇格予告演出(予告演出)を実行する予告演出実行手段となる。
次に、昇格演出と、昇格予告演出が実行されるタイミングを、その作用と共に説明する。
図6では、図柄変動ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせ(仮図柄)が表示されてから、大当り遊技が終了するまでの演出の実行タイミングについて図示している。図6(a)では、再抽選演出中に、昇格演出が実行される場合について説明している。なお、図6では、仮図柄として[111]が表示されるものとする。
図6(a)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄としての[111])を一旦停止表示する(時点T1)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、再抽選演出が実行されているときに昇格演出が実行されることを示すキャラクタK1を表示する(時点T1〜T2)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、再抽選演出中に、昇格演出が実行される可能性があることを認識し、再抽選演出中に主発光装置25に対して注目することとなる。なお、昇格予告演出には、ガセの昇格演出(つまり、実際には昇格演出が実行されないにもかかわらず予告すること)を報知する場合があるため、この時点では、遊技者は可能性があると認識して、注目することとなる。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T2〜T3)。その際、主発光装置25は、点灯して昇格演出を実行する(時点T2〜T3)。演出表示装置11は、再抽選演出において、最終停止図柄として確変図柄[777]を確定停止表示して(時点T3)、図柄変動ゲームを終了する(時点T4)。これにより、遊技者は、昇格演出を見て、確変状態が付与されることを容易に認識することができる。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を実行する(時点T4〜T5)。
次に、予め決められたラウンド遊技において昇格演出を実行する場合について説明する。図6(b)では、ラウンド遊技中に、昇格演出が実行される場合について説明している。
図6(b)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄となる[111])を一旦停止表示する(時点T11)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、ラウンド遊技が実行されているときに昇格演出が実行されることを示すキャラクタK2を表示する(時点T11〜T12)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、ラウンド遊技中に、昇格演出が実行される可能性があることを認識し、ラウンド遊技中に主発光装置25に対して注目することとなる。なお、昇格予告演出には、ガセの昇格演出(つまり、実際には昇格演出が実行されないにもかかわらず予告すること)を報知する場合があるため、この時点では、遊技者は可能性があると認識して、注目することとなる。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T12〜T13)。その際、主発光装置25は、点灯しない(時点T12〜T13)。演出表示装置11は、再抽選演出において、最終停止図柄として非確変図柄[111]を確定停止表示して(時点T13)、図柄変動ゲームを終了する(時点T14)。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を開始する(時点T14〜)。そして、主発光装置25は、所定のラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)において、点灯して昇格演出を実行する(時点T15〜T16)。また、演出表示装置11は、所定のラウンド遊技において、所定時間経過後(つまり、昇格演出実行後)に、確変図柄[777]を表示する(時点T16)。これにより、遊技者は、昇格演出を見て、確変状態が付与されることを容易に認識することができる。そして、演出表示装置11は、残りの大当り遊技に関する演出を実行する(時点T16〜T17)。
次に、エンディング演出において昇格演出を実行する場合について説明する。図6(c)では、エンディング演出中に、昇格演出が実行される場合について説明している。
図6(c)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄となる[111])を一旦停止表示する(時点T21)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、エンディング演出が実行されているときに昇格演出が実行されることを示すキャラクタK3を表示する(時点T21〜T22)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、エンディング演出中に、昇格演出が実行される可能性があることを認識し、エンディング演出中に主発光装置25に対して注目することとなる。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T22〜T23)。その際、主発光装置25は、点灯しない(時点T22〜T23)。演出表示装置11は、再抽選演出において、最終停止図柄として非確変図柄[111]を確定停止表示して(時点T23)、図柄変動ゲームを終了する(時点T24)。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を開始する(時点T24〜)。また、主発光装置25は、所定のラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)においても、点灯することがない(時点T25〜T26)。そして、主発光装置25は、エンディング演出において、点灯して昇格演出を実行する(時点T27〜T28)。また、演出表示装置11は、エンディング演出において、所定時間経過後(つまり、昇格演出実行後)に、確変図柄[777]を表示する(時点T28)。これにより、遊技者は、昇格演出を見て、確変状態が付与されることを容易に認識することができる。その後、演出表示装置11は、残りのエンディング演出を実行し、大当り遊技に関する演出を終了する(時点T28〜T29)。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)15R確変大当りが付与されることを示す昇格演出の実行タイミングを予告する昇格予告演出が図柄変動ゲーム開始から大当り遊技(特別遊技)が終了するまでの間のうち、予め決められた期間(大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示された後)に実行され、昇格演出が実行される実行タイミングを報知する。その一方で、昇格演出は、昇格予告演出終了後から大当り遊技が終了するまでの間のうち、いずれかのタイミングにおいて実行される。このため、昇格予告演出により予告された昇格演出の実行タイミングに注目すれば、遊技者にとって予想しにくい昇格演出の実行タイミングを予想して、昇格演出を容易に見ることができる。従って、遊技者の興趣を向上することができる。また、図柄遷移指定コマンドにより指定された実行タイミングに基づき、昇格予告演出の実行タイミング及び昇格演出の演出内容が決定されるため、昇格予告演出と、昇格演出の演出毎に制御コマンドを出力する場合と比較して、効率的に通知を行うことができる。
(2)昇格演出の実行タイミングは、予め決められた所定のラウンド演出中、エンディング演出中、又は大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから図柄変動ゲームが終了するまでの間(つまり、再抽選演出中)のいずれかであるため、予想がしやすく、また、注目しやすい。また、確変状態は、大当り遊技終了後に付与されるため、昇格演出の実行タイミングは、予め決められた所定のラウンド遊技中、エンディング演出中、又は大当りの図柄組み合わせが表示されてから図柄変動ゲームが終了するまでの間のいずれに行われても、遊技者に不都合はない。
(3)15R確変大当りが付与される(付与されている)場合には、昇格演出終了後、演出表示装置11に確変図柄(第1特別表示結果)が表示される。また、15R非確変大当りが付与される場合には、演出表示装置11に非確変図柄が表示され続ける。これにより、大当りの図柄組み合わせに基づき、遊技者は、演出表示装置11の表示内容に基づき、確変状態が付与されるか否かについて容易に判断することができる。
(4)演出制御用CPU31aが出力する図柄遷移指定コマンドは、再抽選演出実行前に表示させる大当りの図柄組み合わせ(仮図柄)の種類と、再抽選演出実行後に最終的に表示させる大当りの図柄組み合わせ(最終停止図柄)の種類に関する情報を含ませて出力される。これにより、遊技者は、再抽選演出中に、大当りの図柄組み合わせの種類がどのように変化するか、すなわち、確変図柄が表示されるか否かについて注目させることができる。そして、確変図柄に基づき、遊技者は、15R確変大当りが付与されるか否かについて容易に判断することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
本実施形態において昇格演出は、所定の有効期間において、所定個数(本実施形態では、2個)の遊技球が始動入賞口19に入賞したことを契機に実行されるようになっている。また、昇格演出は、2個目の遊技球の入賞に応じて(入賞に応じたタイミングで)、実行が開始されるようになっている。また、本実施形態では、残り何個の遊技球が始動入賞口19に入賞したことを契機に昇格演出が実行されるかを特定することができる入賞数報知演出を行うようになっている。この入賞数報知演出は、副発光装置26にて行われるようになっており、昇格演出が実行されるまでに始動入賞口19に入賞させなければならない遊技球の個数を副発光装置26の発光態様から特定できるようになっている。
具体的には、有効期間中に、始動入賞口19に入賞した遊技球の個数が「0」、つまり、昇格演出が実行されるまでに始動入賞口19に入賞させなければならない遊技球の個数が「2」のとき、第1副発光装置26a〜第4副発光装置26dの全てが点灯(発光)しない。また、入賞した遊技球の個数が「1」、つまり、昇格演出が実行されるまでに始動入賞口19に入賞させなければならない遊技球の個数が「1」のとき、第1副発光装置26a及び第2副発光装置26bが点灯する一方で、第3副発光装置26c及び第4副発光装置26dが点灯しない。また、入賞した遊技球の個数が「2」に達した場合には、有効期間が終了するまでの間、第1副発光装置26a〜第4副発光装置26dの全てが点灯する(発光する)。
また、有効期間が開始してから始動入賞口19に入賞した遊技球の個数が「2」に達した場合、所定時間(本実施形態では、0.5(秒))経過後に、確変状態が付与されるならば、昇格演出が実行される。つまり、15R確変大当りが付与される(付与されている)場合には主発光装置25が点灯する一方で、15R確変大当りが付与されない(付与されていない)場合には主発光装置25が点灯しない(非点灯を維持する)。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、前述したように、第2打出方向UH2に遊技球が発射させる(打ち出される)場合には、始動入賞口19へ遊技球が入賞し得ないように構成されている。このため、大当り遊技中、第1打出方向UH1に遊技球が発射される場合には昇格演出が実行され得る一方で、第2打出方向UH2に遊技球が発射される場合には昇格演出は実行され得ないようになっている。
以下、昇格演出及び入賞数報知演出を実行するための処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、第1実施形態と同様に、昇格処理を実行し、図柄遷移指定コマンドを決定すると共に、演出表示装置11に出力する。演出表示装置11は、図柄遷移指定コマンドを入力すると、指定された仮図柄及び最終停止図柄に基づき、再抽選演出を実行し、図柄変動ゲームを行う。なお、図柄遷移指定コマンドにより昇格演出の実行タイミングを特定できるようになっているが、後述する実行指示コマンドを入力することにより、昇格演出に伴う確変図柄の表示を実行するようになっている。つまり、演出表示装置11及び主発光装置25は、実行指示コマンドを入力しない限り、昇格演出を実行しないようになっている。
また、演出制御用CPU31aは、昇格処理にて決定した図柄遷移指定コマンドにより特定される昇格演出の実行タイミングを特定し、特定した実行タイミングに対応する有効期間を特定する。本実施形態では、昇格演出の実行時期と、有効期間は、同一となっている。すなわち、昇格演出の実行タイミングが、再抽選演出中であれば、再抽選演出中に有効期間が設定される。また、昇格演出の実行タイミングが、ラウンド遊技中であれば、ラウンド遊技中に有効期間が設定される。昇格演出の実行タイミングが、エンディング演出中であれば、エンディング演出中に有効期間が設定される。
そして、演出制御用CPU31aは、特定した有効期間に応じて、昇格予告演出の内容を決定する。具体的には、昇格演出の実行タイミング及び有効期間が、再抽選演出中であれば、キャラクタK1を表示させることを決定する。昇格演出の実行タイミング及び有効期間が、ラウンド遊技中であれば、キャラクタK2を表示させることを決定する。昇格演出の実行タイミング及び有効期間が、エンディング演出中であれば、キャラクタK3を表示させることを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定した内容の昇格予告演出を実行させるように、演出表示装置11を制御する。なお、昇格演出が実行されない場合(確変状態が付与されない場合)、演出制御用CPU31aは、昇格予告演出の内容をランダムに決定して、決定した内容の昇格予告演出を実行させる。
また、主制御基板30の主制御用CPU30aは、遊技球を入賞検知した場合(つまり、始動口スイッチSW1から検知信号を入力した場合)、入賞したことを示す入賞検知信号を演出制御基板31に出力するようになっている。この入賞検知信号は、保留記憶数の上限にかかわらず、遊技球を入賞検知した場合に出力されるようになっている。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、特定した有効期間において、所定回数の入賞検知信号を入力した場合、昇格演出の実行及び確変図柄の表示を指示する実行指示コマンドを出力する。主発光装置25は、この実行指示コマンドを入力すると、点灯し、昇格演出を実行する。また、演出表示装置11は、この実行指示コマンドを入力すると、確変図柄を表示する。これにより、遊技者は、昇格演出が実行され、確変状態が付与されることを認識することができる。なお、演出表示装置11は、有効期間中に、実行指示コマンドを入力しなかった場合(昇格演出が実行されなかった場合)、確変図柄を表示させることなく、仮図柄を最終停止図柄として、表示させるようになっている。
以上のことから、本実施形態では、演出制御用CPU31aは、入賞個数判定手段となる。
次に、昇格演出と、昇格予告演出が実行されるタイミングを、その作用と共に説明する。
図7では、図柄変動ゲームにおいて、大当りの図柄組み合わせ(仮図柄)が表示されてから、大当り遊技が終了するまでの演出の実行タイミングについて図示している。図7(a)では、再抽選演出中に、昇格演出の有効期間が設定される場合について説明している。なお、図7では、仮図柄として[111]が表示されるものとする。
図7(a)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄となる[111])を一旦停止表示する(時点T31)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、再抽選演出が実行されているときに昇格演出の有効期間が設定されることを示すキャラクタK1を表示する(時点T31〜T32)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、再抽選演出中に、昇格演出の有効期間が設定されることを認識し、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射させるように意識させることができる。また、始動入賞口19に遊技球が所定個数入賞したか、及び所定個数入賞したときに主発光装置25が点灯するか否かに対して注目させることができる。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T32〜T33)。その際、昇格演出の有効期間が設定される(時点T32〜T33)。このとき、確変状態が付与されるか否かについて認識したいと思う遊技者は、大入賞口24が開放されなくても、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射させる。そして、始動入賞口19に遊技球が入賞すると、入賞検知される毎に、副発光装置26は、所定個数(2個)ずつ点灯して、入賞数報知演出を実行する。そして、遊技球が2球入賞検知されると、主発光装置25は、点灯して昇格演出を実行する(時点T33〜T34)。演出表示装置11は、昇格演出後、再抽選演出において、最終停止図柄として確変図柄[777]を確定停止表示して(時点T34)、図柄変動ゲームを終了する(時点T35)。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を実行する(時点T35〜T36)。このとき、遊技者は、昇格演出を実行させるために、始動入賞口19に遊技球を入賞させる必要はないことから、第1打出方向UH1と、第2打出方向UH2のうち、いずれの方向に遊技球を発射させても遊技者に与える興趣は同じとなる。なお、昇格演出が実行されなかった場合、演出表示装置11は、再抽選演出において確変図柄を表示することなく、仮図柄を最終停止図柄として、確定停止表示する。
次に、予め決められたラウンド遊技において昇格演出を実行する場合について説明する。図7(b)では、ラウンド遊技中に、昇格演出の有効期間が設定される場合について説明している。
図7(b)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄となる[111])を一旦停止表示する(時点T41)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、ラウンド遊技が実行されているときに昇格演出の有効期間が設定されることを示すキャラクタK2を表示する(時点T41〜T42)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、ラウンド遊技中に、昇格演出の有効期間が設定されることを認識し、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射させるように意識させることができる。また、始動入賞口19に遊技球が所定個数入賞したか、及び所定個数入賞したときに主発光装置25が点灯するか否かに対して注目させることができる。また、有効期間以外の期間においては、大当り遊技中、昇格演出を実行させるために、始動入賞口19に遊技球を入賞させる必要はないことから、第1打出方向UH1と、第2打出方向UH2のうち、いずれの方向に遊技球を発射させても問題がない。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T42〜T43)。その際、有効期間は設定されない。このため、遊技球が始動入賞口19に入賞したとしても、主発光装置25及び副発光装置26は、点灯しない(時点T42〜T43)。演出表示装置11は、再抽選演出において、最終停止図柄として非確変図柄[111]を確定停止表示して(時点T43)、図柄変動ゲームを終了する(時点T44)。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を開始する(時点T44〜)。
そして、演出制御用CPU31aは、所定のラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)において、昇格演出の有効期間を設定する(時点T45〜T46)。このとき、確変状態が付与されるか否かについて認識したいと思う遊技者は、時間効率を考えて、大入賞口24への賞球到達時間が短い第2打出方向UH2に遊技球を発射させていたとしても、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射させることとなる。そして、始動入賞口19に遊技球が入賞すると、入賞検知される毎に、副発光装置26は、所定個数(2個)ずつ点灯して、入賞数報知演出を実行する。そして、遊技球が2球入賞検知されると、主発光装置25は、点灯して昇格演出を実行する(時点T46〜T47)。演出表示装置11は、昇格演出後、確変図柄[777]を表示する(時点T47)。そして、演出表示装置11は、残りの大当り遊技に関する演出を実行する(時点T47〜T48)。なお、昇格演出が実行されなかった場合、演出表示装置11は、確変図柄を表示させることなく、仮図柄を大当り遊技が終了するまで表示する。
次に、エンディング演出において昇格演出を実行する場合について説明する。図7(c)では、エンディング演出中に、昇格演出の有効期間が設定される場合について説明している。
図7(c)に示すように、演出表示装置11は、図柄変動ゲームが大当りとなることを示す一方で、確変状態が付与されることを報知しない非確変図柄(仮図柄となる[111])を一旦停止表示する(時点T51)。その後、演出表示装置11は、昇格予告演出を実行し、エンディング演出が実行されているときに昇格演出の有効期間が設定されることを示すキャラクタK3を表示する(時点T51〜T52)。このため、遊技者は、昇格予告演出を見ることにより、エンディング演出中に、昇格演出の有効期間が設定されることを認識し、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射する必要があると意識することができる。また、始動入賞口19に遊技球が所定個数入賞したか、及び所定個数入賞したときに主発光装置25が点灯するか否かに対して注目させることができる。
昇格予告演出終了後、演出表示装置11は、全列の図柄を再変動表示させ、再抽選演出を実行する(時点T52〜T53)。その際、有効期間は設定されない。このため、遊技球が始動入賞口19に入賞したとしても、主発光装置25及び副発光装置26は、点灯しない(時点T52〜T53)。演出表示装置11は、再抽選演出において、最終停止図柄として非確変図柄[111]を確定停止表示して(時点T53)、図柄変動ゲームを終了する(時点T54)。その後、演出表示装置11は、大当り遊技に関する演出を開始する(時点T54〜)。また、演出制御用CPU31aは、所定のラウンド遊技(7R目のラウンド遊技)においても、有効期間を設定しない。このため、遊技球が始動入賞口19に入賞したとしても、主発光装置25及び副発光装置26は、点灯しない(時点T55〜T56)。このように、大当り遊技中、昇格演出を実行させるために始動入賞口19に遊技球を入賞させる必要はないことから、第1打出方向UH1と、第2打出方向UH2のうち、いずれの方向に遊技球を発射させても問題がない。
そして、演出制御用CPU31aは、エンディング演出において、昇格演出の有効期間を設定する(時点T57〜T58)。このとき、確変状態が付与されるか否かについて認識したいと思う遊技者は、大入賞口24が開放されなくても、有効期間中において、第1打出方向UH1に遊技球を発射させる。そして、始動入賞口19に遊技球が入賞すると、入賞検知される毎に、副発光装置26は、所定個数(2個)ずつ点灯して、入賞数報知演出を実行する。そして、遊技球が2球入賞検知されると、主発光装置25は、点灯して昇格演出を実行する(時点T58〜T59)。演出表示装置11は、昇格演出後、確変図柄[777]を表示する(時点T59)。そして、演出表示装置11は、残りのエンディング演出を実行し、大当り遊技に関する演出を終了する(時点T59〜T60)。なお、昇格演出が実行されなかった場合、演出表示装置11は、確変図柄を表示させることなく、仮図柄を大当り遊技が終了するまで表示する。
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)〜(4)に加えて、以下の効果を有する。
(5)第1打出方向UH1(第1方向)に遊技球が発射された(打ち出された)ときには、第2打出方向UH2(第2方向)に遊技球が発射されたときよりも、始動入賞口19に遊技球が入賞し易くなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24(特別入賞手段)等が遊技盤YBに配設されている。また、第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れの方向に遊技球が発射された(打ち出された)場合であっても、大入賞口24に遊技球が入賞するように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24等が遊技盤YBに配設されている。一方で、第1打出方向UH1に遊技球を発射する場合には、第2打出方向UH2に遊技球を発射する場合よりも、遊技球が発射されてから遊技領域YBaを転動して大入賞口24に到達するまでの平均時間が長くなるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設されている。
そして、昇格演出は、有効期間中に始動入賞口19に遊技球が所定個数入賞した際に実行され得るようにした。このため、昇格演出の実行を体験することを優先する遊技者は、大入賞口24が開放していない期間(図柄変動ゲーム中又はエンディング演出中)であっても、又は時間効率が第2打出方向UH2と比較して悪くなっても、第1打出方向UH1に遊技球を発射させることとなる。これにより、遊技者自らの操作により、昇格演出を実行させたという実感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
(6)また、昇格演出の実行を体験することよりも短時間で大当り遊技を終了させることを優先する遊技者は、ラウンド遊技中に有効期間が設定された場合であっても、第2打出方向UH2に遊技球を発射させれば、大当り遊技を短時間で終了させることが可能となる。したがって、遊技者自身の好みに合わせて遊技球を発射させる方向を変更することで、自身の好みにあった大当り遊技を楽しむことができる。つまり、昇格演出の実行が必要と考える遊技者と、昇格演出の実行が必要ないと考える遊技者の何れの遊技者も、大当り遊技を楽しむことができる。また、大当り遊技の付与中に第1打出方向UH1に遊技球を発射させる場合には、大入賞口24だけでなく始動入賞口19へ遊技球が入賞するか否かについても注目させることができ、遊技者を楽しませることができる。
(7)副発光装置26により、有効期間中に始動入賞口19に入賞した遊技球の数を報知する(又は昇格演出が実行されるまでに必要な入賞数を報知する)入賞数報知演出が実行されるようになっている。このため、遊技者は、有効期間中に、遊技球が入賞検知されたか否かを容易に認識することができ、どれだけ入賞させなくてはいけないかについて把握することができる。また、昇格演出が実行されるのに必要な個数は、複数個となっているため、有効期間中に入賞した遊技球の個数について注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
(8)有効期間を報知する昇格予告演出を実行する。このため、第1打出方向UH1に打ち出す期間を特定することができ、無駄に遊技球を発射することや、無駄に第1打出方向UH1に打ち出すことにより大当り遊技の時間効率が悪くなることを防止することができる。
(9)昇格演出が実行されない場合であっても、昇格予告演出が実行される。このため、遊技者は、昇格演出が実行されることを期待して、昇格予告演出が示した有効期間中に、第1打出方向UH1に遊技球を発射させることができる。また、確変状態が付与されないとき、昇格予告演出が示した有効期間中に、所定個数の遊技球が始動入賞口19に入賞しなかった場合には、確変状態が付与されるのでないかという期待を遊技者に持たせて遊技を継続させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、図柄変動ゲームの変動内容及び変動時間は、それぞれ任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技の種類及び種類数は、任意に変更しても良い。例えば、ラウンド数が異なる大当り遊技や、ラウンド遊技時間が異なる大当り遊技を設けても良い。また、ラウンド数、開放時間、開放回数を任意に変更しても良い。
・上記実施形態において、確変状態が付与される図柄変動ゲーム数(確変回数)を設定しても良い。また、大当り遊技の種類によって、確変回数を異ならせても良い。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、遊技機に供給される電源電圧が遮断される際、復電後に電源遮断時の遊技状態を再現するために、遊技に関する情報をバックアップする際、バックアップ情報として決定した図柄遷移指定コマンドを記憶してもよい。そして、演出制御用CPU31aは、復電時にバックアップ情報として記憶した図柄遷移指定コマンドにより基づき、表示させていた仮図柄若しくは最終停止図柄を再現しても良い。また、演出制御用CPU31aは、復電時にバックアップ情報として記憶した図柄遷移指定コマンドにより基づき、昇格予告演出及び昇格演出を実行させても良い。このようにすれば、電源断時より前に実行していた昇格予告演出の内容と、昇格演出の実行タイミングに矛盾を生じさせなくなる。また、昇格演出が実行されていないにもかかわらず、確変図柄が表示されることもない。なお、主制御用CPU30aが、昇格処理を実行して図柄遷移指定コマンドを決定、及び管理する場合には、当該図柄遷移指定コマンドを主制御基板用のバックアップ情報として記憶し、復電時に記憶した図柄遷移指定コマンドを再び出力すればよい。
・上記第2実施形態では、入賞数報知演出を実行させていたが、実行しなくても良い。
・上記実施形態において、第1打出方向UH1と、第2打出方向UH2の2方向に打出し可能となっていたが、始動入賞口19及び大入賞口24へ遊技球を入賞させることができるのであれば、どちらか1方向のみであってもよい。また、第1打出方向UH1と、第2打出方向UH2以外の打出し方向を設けても良い。
・上記実施形態において、第2打出方向UH2に遊技球を発射させたときであっても、始動入賞口19へ遊技球を入賞させることができるように構成しても良い。
・上記実施形態では、第1打出方向UH1に打ち出したときにおける獲得賞球数(第1賞球数)と、第2打出方向UH2に打ち出したときにおける獲得賞球数(第2賞球数)は、ほぼ同じになるように設定していたが、同じでなくても良い。例えば、第2打出方向UH2に打ち出したときにおける獲得賞球数(第2賞球数)の方が多くても良い。また、第1打出方向UH1に打ち出したときには、大入賞口24へ遊技球を入賞させることができなくなる一方で、第2打出方向UH2に打ち出したときには大入賞口24へ入賞可能となるように構成しても良い。
・上記実施形態において、第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れの方向に遊技球を打ち出した場合でも、同等の確率で大入賞口24に遊技球が入賞するように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24を遊技盤YBに配設しても良い。具体的には、所定個数の遊技球を第1打出方向UH1に発射した場合に大入賞口24が入賞する個数の平均個数と、同じ所定個数の遊技球を第2打出方向に発射した場合に大入賞口24に入賞する個数の平均個数と、が同等の個数となるように、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24が遊技盤YBに配設すれば良い。なお、「同等の個数」とは、その誤差が、何れか一方の平均個数を基準として、もう一方の平均個数が基準とする平均個数の10%多い個数から10%少ない個数までの範囲をいう。このように構成する場合、遊技者は、大入賞口24に遊技球が入賞することによって賞球として獲得可能な遊技球の個数(利益)の多さを考慮することなく、遊技球を打ち出す方向を選択することができる。このため、第1打出方向UH1(第1方向)と第2打出方向UH2(第2方向)のうち何れか一方を選択せざるを得ないような状況をなってしまうようなことを防ぐことができる。また、障害部材SB、始動入賞口19及び大入賞口24を配置する位置を変更することに限らず、第1打出方向UH1と第2打出方向UH2のうち何れの方向に遊技球を打ち出した場合でも、同等の確率で大入賞口24に遊技球が入賞するように、例えば、大入賞口24の大きさを変更しても良い。
・上記実施形態では、確変状態が付与されるときのみ、昇格演出を実行させたが、確変状態が付与されないときであっても、昇格演出を実行させても良い。この場合、昇格演出にて、確変状態が付与されないことを報知するようになっている。このように構成する場合には、非有利結果が導出された場合であっても、大当り遊技終了後に確変状態が付与されていることを期待させて、遊技を継続させることができる。
・上記第2実施形態では、所定個数の遊技球が有効期間中に入賞したとき、昇格演出を実行させたが、所定個数を大当り遊技毎又は図柄変動ゲーム毎に変更しても良い。このようにした場合、有効期間中に、遊技球が入賞したにもかかわらず、昇格演出が実行されなかったとしても、所定個数の遊技球が入賞しなかったのかも知れないと遊技者に思わせて確変状態への期待度を有しつつ、遊技を継続させることができる。
・上記第2実施形態において、有効期間中に始動入賞口19に入賞させなければならない遊技球の個数(上記実施形態では、「2」)を変更しても良い。例えば、「1個」や「10個」としても良い。また、その個数は、有効期間中に、第1打出方向UH1に遊技球を発射させ続けた際に始動入賞口19に遊技球が入賞する平均個数又はその平均個数に近い個数(例えば、1個多い又は1個少ない)としても良い。なお、「有効期間中に始動入賞口19に遊技球が入賞する平均個数」は、何回かの有効期間において実際に測定した個数を平均することで求められる。
・上記第2実施形態において、有効期間中に入賞した遊技球に基づき、所定回数の図柄変動ゲームが保留されたときに、昇格演出を実行させても良い。
・上記第2実施形態において、始動入賞口19に遊技球が入賞したことを契機に昇格演出を実行するように構成したが、始動入賞口19でなくても良い。例えば、遊技盤YBの遊技領域YBaにおいて第1打出方向UH1に遊技球を発射させる場合には入賞し得る一方で、第2打出方向UH2に遊技球を発射させる場合には入賞し得ない位置に新たな特別入賞口を配置して、当該特別入賞口に入賞したことを契機に昇格演出を実行するように構成しても良い。更に、特別入賞口は、大当り遊技が付与されているときにのみ遊技球が入賞可能となるような構成でも良い。また、特別入賞口に遊技球が入賞したことによって賞球としての遊技球を払い出しても良いし、払い出さなくても良い。
・上記実施形態において、始動入賞口19に遊技球が入賞した際に賞球として払い出される遊技球の個数を変更しても良い。また、始動入賞口19に遊技球が入賞しても、賞球としての遊技球が払い出されないように構成しても良い。
・上記第2実施形態において、有効期間は、昇格演出の実行タイミングと同じとしたが、異ならせても良い。例えば、6回目のラウンド遊技において有効期間を設け、7回目のラウンド遊技において昇格演出を実行させても良い。有効期間は、昇格演出の実行タイミングよりも早いタイミング又は同一のタイミングで設定されていればよい。
・上記実施形態において、昇格演出を主発光装置25にて実行する必要はない。例えば、演出表示装置11にて昇格演出を実行するように構成しても良い。
・上記第2実施形態において、入賞数報知演出を副発光装置26にて実行する必要はない。例えば、演出表示装置11にて入賞数報知演出を実行するように構成しても良い。
・上記実施形態において、確変状態の有無にかかわらず、昇格演出を必ず行うようにすると共に、昇格演出では必ず主発光装置25が必ず点灯するように構成し、主発光装置25が点灯する色(発光色)に応じて15R確変大当りが付与されていることへの期待度を示唆する内容で昇格演出を実行するように構成しても良い。例えば、15R確変大当りの付与中には昇格演出にて主発光装置25が赤色に点灯しやすくする一方で、15R非確変大当りの付与中には昇格演出にて主発光装置25が白色に点灯しやすくするように構成しても良い。
・上記実施形態では、昇格演出に伴い、確変図柄を表示したが、表示しなくても良い。この場合、確変状態が付与される(又は付与されている)ことを報知するだけでも良い。
・上記実施形態では、昇格演出は、同じ主発光装置25により実行させたが、昇格演出が実行されるタイミングに応じて、実行する装置を変更しても良い。例えば、主発光装置25を複数設けて、再抽選演出中と、ラウンド遊技中において実行させる装置を変更しても良い。また、発光装置と、可動装置を設けて、再抽選演出中と、ラウンド遊技中において実行させる装置を変更しても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技中における大入賞口24の開放時間が異なる大当り遊技を複数備えても良い。例えば、1回のラウンド遊技において大入賞口24が開放する時間は同一である一方、大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が異なる大当り遊技として、大当り遊技中のラウンド遊技の回数が5回の5R大当りと、大当り遊技中のラウンド遊技の回数が15回の15R大当りを備えても良い。そして、5R大当りの付与中には非有利結果を導出する昇格演出が実行される一方で、15R大当りの付与中には有利結果を導出する昇格演出が実行されるように構成しても良い。この場合、「15R大当り」が遊技者にとって有利度の高い大当り遊技となり、「5R大当り」が遊技者にとって有利度の低い大当り遊技となる。
・上記実施形態において、大当り遊技の終了後、確変状態が付与されている場合には、確変状態が付与されていることを報知する演出(確変報知演出)を実行するように構成しても良い。例えば、大当り遊技の終了後から所定回数の図柄変動ゲームの実行が終了した際に、先の確変報知演出を実行するように構成しても良い。
・上記実施形態において、保留記憶数が上限数(上記実施形態では、「4」)に達したことを契機に昇格演出を実行するように構成しても良い。例えば、大当り遊技の開始前に保留記憶数が上限数に達している場合にはオープニング演出の開始とともに昇格演出を実行するように構成しても良い。
・上記実施形態において、昇格予告演出は、昇格演出前に実行されるのであれば、図柄変動ゲーム開始から大当り遊技終了時までのいずれかのタイミングで実行させても良い。
・上記実施形態では、昇格演出は、再抽選演出、ラウンド遊技、エンディング演出のいずれかのタイミングで行われていたが、大当りの図柄組み合わせが表示されてから大当り遊技が終了するまでのいずれかのタイミングで実行させても良い。
・上記実施形態では、主発光装置25により、昇格演出を実行させていたが、他の演出実行手段に昇格演出を実行させても良い。例えば、演出表示装置11が、昇格演出を実行しても良い。
・上記実施形態では、再抽選演出、ラウンド遊技、エンディング演出のいずれか1つのタイミングにおいてだけ昇格演出が実行されていたが、複数のタイミングで昇格演出を実行させても良い。例えば、再抽選演出とラウンド遊技において、昇格演出を実行させても良い。複数のタイミングで実行した場合、1回見逃したとしても、再び見ることができ、遊技の興趣が向上する。その際、昇格予告演出では、実行させるタイミングのうち、いずれか1つのタイミングだけを予告しても良い。このようにした場合、予告されていないタイミングで実行される昇格演出を見逃したとしても、予告されているタイミングで実行された昇格演出を見ることができる。逆に、予告されていたタイミングで実行される昇格演出を見逃したとしても、予告されていないタイミングで実行された昇格演出を見ることができる場合もある。また、全ての昇格演出の実行タイミングを予告しても良い。
・上記実施形態において、昇格演出は、確変状態が付与されることを示唆していたが、確変状態が付与される可能性や、確変状態が付与されるか否かについての情報を報知するようにしても良い。この場合、複数のタイミングで異なる演出内容の昇格演出を実行させても良い。
・上記実施形態では、確変状態が付与されることを昇格演出にて示唆したが、他の特別状態が付与されることを示唆しても良い。例えば、ラウンド遊技数が多い大当り遊技が付与されることを示唆しても良い。また、始動入賞口19への遊技球が入賞される確率が高くなる入球率向上状態が付与されることを示唆しても良い。また、入球率向上状態が付与される図柄変動ゲームの回数(入球率向上状態付与回数)が異なる(複数ある)場合において、入球率向上状態付与回数や、入球率向上状態付与回数の多少を示唆しても良い。また、確変状態が付与される図柄変動ゲームの回数(確変回数)が異なる(複数ある)場合において、確変回数や、確変回数の多少を示唆しても良い。演出態様が異なる演出モードが複数ある場合において、移行する演出モードを示唆しても良い。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aが、昇格処理を行い、図柄遷移指定コマンドを決定していたが、演出制御用CPU31aの代わりに主制御用CPU30aが実行しても良い。この場合、主制御用CPU30aが図柄遷移指定コマンドを出力し、当該図柄遷移指定コマンドに基づき、演出制御用CPU31aが、昇格演出などを実行させることとなる。
・上記実施形態において、図柄変動ゲームは、液晶式の演出表示装置11により実行されていたが、複数の発光手段から構成されるドット式の表示装置で実行させても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄変動ゲームの表示結果の種類を決定する表示結果決定手段を備え、前記演出制御手段は、表示結果決定手段が決定した表示結果を表示させるように構成されており、前記表示結果決定手段は、第1特別遊技が付与される場合には、最終的な表示結果としての第1特別表示結果を決定し、第1特別遊技以外の第2特別遊技が付与される場合には、第1特別表示結果とは異なる第2特別表示結果を最終的な表示結果として決定する。
(ロ)前記表示結果決定手段は、前記結果判定手段の判定結果と、成立条件の成否に応じて最終的に表示させる表示結果の種類を決定し、前記演出制御コマンドは、示唆演出実行前に表示させる表示結果の種類と、示唆演出実行後に最終的に表示させる表示結果の種類に関する情報を含ませて出力される。
(ハ)前記演出制御コマンドには、図柄変動ゲームの表示結果に関する情報が含まれており、遊技機に供給される電源電圧が遮断される際、前記出力手段が出力した演出制御コマンドをバックアップ情報として記憶する遊技情報記憶手段を備え、前記演出制御手段は、復電時において、バックアップ情報として記憶された演出制御コマンドに基づき、遮断前の特別表示結果を表示させる。