以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図面において、実質的に同一または等価な構成要素および部分には、同一の参照符号を付与している。
図1は、本発明の実施形態に係る放射線情報システム(以下、「RIS」(Radiology Information System)という。)100の構成を示す図である。
RIS100は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(以下、「HIS」(Hospital Information System)という。)の一部を構成する。
RIS100は、複数台の撮影依頼端末装置(以下、「端末装置」という。)102、RISサーバ104、および病院内の放射線撮影室(あるいは手術室)の個々に設置された放射線画像撮影システム(以下、「撮影システム」という。)200を有しており、これらが有線や無線のLAN(Local Area Network)等から成る病院内ネットワーク110に各々接続されて構成されている。なお、RIS100は、同じ病院内に設けられたHISの一部を構成しており、病院内ネットワーク110には、HIS全体を管理するHISサーバ(図示省略。)も接続されている。
端末装置102は、医師や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力、閲覧、放射線画像の撮影依頼や撮影予約を行うためのものである。各端末装置102は、表示装置を有するパーソナル・コンピュータを含んで構成され、RISサーバ104と病院内ネットワーク110を介して相互通信に接続されている。
RISサーバ104は、各端末装置102からの撮影依頼を受け付け、撮影システム200における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース104Aを含んで構成されている。
データベース104Aは、患者(被写体)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液型、体重、患者ID(Identification)等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等の患者に関する情報、撮影システム200で用いられる、後述する電子カセッテ1の識別番号(ID情報)、型式、サイズ、感度、使用開始年月日、使用回数等の電子カセッテ1に関する情報、および電子カセッテ1を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ1を使用する環境(一例として、放射線撮影室や手術室等)を示す環境情報を含んで構成されている。
撮影システム200は、RISサーバ104からの指示に応じて医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム200は、電子カセッテ1、放射線発生装置210、インターフェースボックス220、コンソール230を含んで構成されている。
放射線発生装置210は、コンソール230から通知される曝射条件に従った線量のX線等の放射線を患者(被写体)に照射する放射線源211(図2も参照)を有する。
電子カセッテ1は、患者(被写体)の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器10(図3も参照)を内蔵している。また、電子カセッテ1は、放射線発生装置210から照射された放射線を検出し、検出した放射線の単位時間あたりの線量を示す線量情報を出力する機能を有している。本実施形態に係る撮影システム200は、自動露出制御(AEC)機能を有しており、電子カセッテ1から出力された上記の線量情報に基づいて放射線発生装置210からの放射線の照射停止のタイミングが制御される。本実施形態において、上記の線量情報は電子カセッテ1から無線送信され、インターフェースボックス220により受信される。
インターフェースボックス220は、電子カセッテ1と放射線発生装置210との間に介在し、電子カセッテ1から無線送信された上記の線量情報を受信し、これを放射線発生装置210において認識可能な信号形式に変換するためのインターフェース装置である。このようなインターフェースボックス220を設けることにより、イオンチャンバ等の従来の放射線検出用デバイスを用いて自動露出制御(AEC)を実現する既存のシステムをそのまま使用することが可能となる。本実施形態において、インターフェースボックス220は、電子カセッテ1から受信した線量情報に基づいて電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を示すアナログの電圧信号である累積線量信号Vaを生成し、これを放射線発生装置210に供給する。放射線発生装置210は、インターフェースボックス220から供給される累積線量信号Vaの電圧レベルが所定値に達したことを検出した場合に放射線の照射を停止する。
コンソール230は、RISサーバ104からデータベース104Aに含まれる各種情報を取得して後述するHDD236(図7参照。)に記憶し、必要に応じて当該情報を用いて、電子カセッテ1および放射線発生装置210の制御を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る撮影システム200を構成する各装置の放射線撮影室300における配置状態を例示した図である。
図2に示すように、放射線撮影室300には、立位での放射線画像の撮影を行う際に用いられる立位台310と、臥位での放射線画像の撮影を行う際に用いられる臥位台320とが設置されている。立位台310の前方空間は立位での放射線画像の撮影を行う際の患者(被写体)の撮影位置312とされる。臥位台320の上方空間は臥位での放射線画像の撮影を行う際の患者(被写体)の撮影位置322とされている。
立位台310には電子カセッテ1を保持する保持部314が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ1が保持部314に保持される。同様に、臥位台320には電子カセッテ1を保持する保持部324が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ1が保持部324に保持される。
また、放射線撮影室300には、放射線発生装置210を構成する放射線源211を、水平な軸回り(図2の矢印a方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印b方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印c方向)に移動可能に支持する支持移動機構214が設けられている。これにより、単一の放射線源211を用いて立位および臥位での放射線撮影が可能となっている。
クレードル310は、電子カセッテ1を収納可能な収容部310Aを有する。電子カセッテ1は、未使用時には収容部310Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われる。
撮影システム200において、放射線発生装置210とコンソール230との間、および電子カセッテ1とコンソール230との間で各種情報の送受信が行われる。また、本実施形態に係る撮影システム200では、自動露出制御(AEC)を実現するために電子カセッテ1からインターフェースボックス220に対して線量情報が無線によって送信される。
次に、本実施の形態に係る放射線画像撮影装置としての電子カセッテ1の構成について説明する。図3は、電子カセッテ1の構成を示す斜視図である。図3に示すように、電子カセッテ1は、放射線を透過させる材料からなる筐体2を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ1は、手術室等で使用されるとき、血液や雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ1を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ1を繰り返し続けて使用することができる。
筐体2の内部には、種々の部品を収容する空間Aが形成されており、当該空間A内には、放射線Xが照射される筐体1の照射面側から、患者(被写体)を透過した放射線Xを検出する放射線検出器10、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板3が順に配設されている。
放射線検出器10の配設位置に対応する領域が放射線を検出可能な撮影領域4Aとされている。筐体2の撮影領域4Aを有する面が電子カセッテ1における天板5とされている。本実施形態において、放射線検出器10は、後述するTFT基板20が天板5の内側面に貼り付けられている。一方、筐体2の内部の一端側には、放射線検出器10と重ならない位置(撮影領域4Aの範囲外)に、後述するカセッテ制御部26や電源部28(共に図7参照。)を収容するケース6が配置されている。
筐体2は、電子カセッテ1全体の軽量化を図るために、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)、アルミニウム、マグネシウム、バイオナノファイバ(セルロースミクロフィブリル)、または複合材料等で構成されている。
次に、電子カセッテ1に内蔵される放射線検出器10の構成について説明する。図4は、放射線検出器10の積層構造を概略的に示す断面図である。放射線検出器10は、絶縁性基板16上に、信号出力部12、センサ部13、透明絶縁膜14を順に形成することにより構成されるTFT基板20と、光吸収性の低い接着樹脂等を用いてTFT基板20上に接合されたシンチレータ30と、を含んでいる。
シンチレータ30は、センサ部13上に透明絶縁膜14を介して形成されており、入射する放射線を光に変換して発光する蛍光体を含む。すなわち、シンチレータ30は、患者(被写体)を透過した放射線を吸収して発光する。シンチレータ30が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、放射線検出器10によってモノクロ撮影を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。放射線としてX線を用いて撮像する場合、シンチレータ30に用いる蛍光体としては、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
センサ部13は、上部電極131、下部電極132、およびこれらの電極間に設けられた光電変換膜133を含んで構成されている。光電変換膜133は、シンチレータ30が発する光を吸収することにより電荷を発生させる有機光電変換材料により構成されている。
上部電極131は、シンチレータ30により生じた光を光電変換膜133に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ30の発光波長に対して透明な導電性材料で構成されることが好ましい。具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極131としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO2、TiO2、ZnO2等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極131は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割されていてもよい。
光電変換膜133は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ30から発せられた光を吸収し、吸収した光の量に応じた電荷を発生する。有機光電変換材料を含む光電変換膜133は、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ30による発光以外の電磁波が光電変換膜133に吸収されることが殆どない。従って、X線等の放射線が光電変換膜133で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜133を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ30で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ30の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ30の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ30から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ30の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ30の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜133で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
なお、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜134及び正孔ブロッキング膜135の少なくとも一方を設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。電子ブロッキング膜134は、下部電極132と光電変換膜133との間に設けることができ、下部電極132と上部電極131との間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極132から光電変換膜133に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。電子ブロッキング膜134には、電子供与性有機材料を用いることができる。一方、正孔ブロッキング膜135は、光電変換膜133と上部電極131との間に設けることができ、下部電極132と上部電極131との間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極131から光電変換膜133に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。正孔ブロッキング膜135には、電子受容性有機材料を用いることができる。
下部電極132は、間隔を隔てて格子状(マトリックス状)に複数形成されており、1つの下部電極132が1画素に対応している。各々の下部電極132は、信号出力部12を構成する電界効果型の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単にTFTという)40及びキャパシタ50に接続されている。なお、信号出力部12と下部電極132との間には、絶縁膜15が介在しており、信号出力部12は、絶縁性基板16上に形成されている。絶縁性基板16は、シンチレータ30において放射線Xを吸収させるため、放射線Xの吸収性が低く、且つ、可撓性を有する電気絶縁性を有する薄厚の基板(数十μm程度の厚みを有する基板)、具体的には、合成樹脂、アラミド、バイオナノファイバ、あるいは、ロール状に巻き取ることが可能なフイルム状ガラス(超薄板ガラス)等であることが好ましい。
信号出力部12は、下部電極132に対応して、下部電極132に移動した電荷を蓄積するキャパシタ50と、キャパシタ50に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力するスイッチング素子であるTFT40が形成されている。
キャパシタ50は、絶縁膜15を貫通して形成された導電配線を介して対応する下部電極132と電気的に接続されている。これにより、下部電極132で捕集された電荷をキャパシタ50に移動させることができる。TFT40は、図示しないゲート電極、ゲート絶縁膜、および活性層(チャネル層)が積層され、さらに、活性層上にソース電極とドレイン電極が所定の間隔を開けて形成されている。
放射線検出器10は、シンチレータ30側から放射線を照射して放射線画像を撮影する、いわゆる裏面読取方式(PSS(Pentration Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ30の表面側でより強い発光が得られる。一方、TFT基板20側から放射線を照射して放射線画像を撮影する、いわゆる表面読取方式(ISS(Irradiation Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ30のTFT基板20との接合面側でより強い発光が得られる。放射線検出器10は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもシンチレータ30における発光位置とTFT基板20との間の距離が短くなるため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
図5は、電子カセッテ1を構成する放射線検出器10の電気的な構成を示す図である。本実施形態に係る電子カセッテ1は、放射線画像を撮影する機能のみならず、被写体を介して電子カセッテ1に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を生成して出力する線量検出機能を有する。本実施形態に係る撮影システム200は、自動露出制御(AEC)機能を有しており、電子カセッテ1から出力された上記の線量情報に基づいて放射線発生装置210からの放射線の照射停止のタイミングを制御する。このAEC機能を実現するために、放射線検出器10は、放射線画像を撮影するための複数の撮影用画素60Aに加えて、被写体を透過して電子カセッテ1に照射された放射線の線量を検出するための複数の線量検出用画素60Bを有する。
図5に示すように、撮影用画素60Aの各々は、上記した光電変換膜133を含んで構成されるセンサ部13の一部である放射線画像撮影用のセンサ13Aと、センサ13Aで生じた電荷を蓄積するキャパシタ50と、キャパシタ50に蓄積された電荷を読み出す際にオン状態とされるスイッチング素子としてのTFT40とを含んでいる。撮影用画素60Aは、TFT基板20の全面に行および列をなして二次元状に配列されている。
放射線検出器10には、撮影用画素60Aの配列に沿った一定方向(行方向)に延設され、各TFT40をオンオフさせるためのゲート信号を各TFT40のゲート端子に供給するための複数のラインG1〜Gnからなるゲート配線21と、ゲート配線21の伸長方向と交差する方向(列方向)に延設され、オン状態のTFT40を介してキャパシタ50に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線22とが設けられている。撮影用画素60Aの各々は、ゲート配線21と信号配線22との各交差部に対応して設けられている。
線量検出用画素60Bは、光電変換膜133を含んで構成されるセンサ部13の一部である放射線の線量検出用のセンサ13Bにより構成される。線量検出用のセンサ13Bは、信号配線22に直接接続されており、センサ13Bで発生した電荷はそのまま信号配線22に流れ出すようになっている。センサ13Bは、TFT基板20上の全域に亘り分散して配置されている。本実施形態において、センサ13Bの数は、放射線画像撮影用のセンサ13Aの数よりも少ないものとされている。換言すれば、TFT基板20上において線量検出用画素60Bは、撮影用画素60Aよりも低密度で形成されている。放射線画像撮影用のセンサ13Aと線量検出用のセンサ13Bには図示しないバイアス線を介してバイアス電圧が供給され、いずれも照射された放射線の線量に応じた量の電荷を発生させる。なお、放射線画像撮影用のセンサ13Aと、線量検出用のセンサ13Bのサイズは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図6は、線量検出用画素60Bの放射線検出器10上における配置を例示した平面図である。信号配線22の各々には、信号配線22の伸長する方向において互いに隣接する複数(図6に示す例では3つ)の線量検出用画素60Bが接続されており、線量検出用画素60Bが放射線検出器10内において略均一に分散するように配置されている。図6に示す例では、3つの線量検出用画素60B(線量検出用のセンサ13B)が同一の信号配線22に接続されているが、同一の信号配線22に接続される線量検出用画素60Bの数は適宜変更することが可能である。同一の信号配線22に接続された複数の線量検出画素60Bにより生成された電荷は、当該信号配線22上で合流することにより加算される。同一の信号配線22に接続された複数の線量検出用画素60Bにより画素ユニット61が形成される。図6に示す例では3つの線量検出用画素60B(センサ13B)により画素ユニット61が形成されている。なお、線量検出用画素60Bの配置は図6に例示されたものに限定されるものではなく、放射線検出器10上のどの部分にどのように配置するかは適宜変更することが可能である。
図7は、本実施形態に係る撮影システム200の電気系の要部構成を示す図である。図7に示すように、電子カセッテ1に内蔵された放射線検出器10の隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ23が配置され、他辺側に信号処理部24が配置されている。ゲート配線21の各ラインG1〜Gnは、ゲート線ドライバ23に接続され、信号配線22の各々は信号処理部24に接続されている。また、電子カセッテ1は、画像メモリ25、カセッテ制御部26、無線通信部27および電源部28を備えている。
撮影用画素60Aを構成するTFT40は、ゲート線ドライバ23からゲート配線21の各ラインG1〜Gnを介して供給されるゲート信号によりライン単位でオン状態に駆動される。TFT40がオン状態とされることによりセンサ13Aで生成されてキャパシタ50に蓄積された電荷が電気信号として各信号配線22に読み出され、信号処理部24に伝送される。一方、線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Bで生成された電荷は、ゲート線ドライバ23からのゲート信号にかかわらず、電荷が生成されると同時に信号配線22に流れ出し信号処理部24に供給される。
図8は、信号処理部24の構成を示す図である。信号処理部24は、信号配線22の各々に接続されたチャージアンプ241を含んでいる。チャージアンプ241の各々は、反転入力端子が対応する信号配線22に接続され、非反転入力端子が接地電位に接続されたオペアンプ(演算増幅回路)241Aと、オペアンプ241Aの反転入力端子に一方の端子が接続され、オペアンプ241Aの出力端子に他方の端子が接続されたキャパシタ241Bと、キャパシタ241Bに並列接続されたリセットスイッチ241Cとを含んでいる。
撮影用画素60Aまたは線量検出用画素60Bの各々において生成された電荷は、信号配線22を介してチャージアンプ241のキャパシタ241Bに蓄積される。チャージアンプ241は、キャパシタ241Bに蓄積された電荷の量に応じた信号レベルを有する電気信号を生成し、これをサンプルホールド回路242に供給する。キャパシタ241Bに蓄積された電荷はカセッテ制御部26から供給される制御信号に応じてリセットスイッチ92Cがオン状態となることにより放電され、これによりチャージアンプ241から出力される電気信号がリセットされる。
サンプルホールド回路242は、カセッテ制御部26から供給される制御信号に応じてチャージアンプ241の出力信号の信号レベルをサンプリングして保持し、その保持している信号レベルをマルチプレクサ243に供給する。
マルチプレクサ243は、サンプルホールド回路242に保持された信号レベルをカセッテ制御部26から供給される制御信号に応じて順次選択して出力する。すなわち、マルチプレクサ243は、サンプルホールド回路242からの電気信号をシリアルデータに変換してこれをA/D(アナログ/デジタル)変換器244に順次供給する。
A/D変換器244は、マルチプレクサ243から順次供給される電気信号の信号レベルをデジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器244は、撮影用画素60Aまたは線量検出用画素60Bの画素値をデジタル信号として出力する。
画像メモリ25は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ25に順次記憶される。画像メモリ25はカセッテ制御部26と接続されている。
カセッテ制御部26は、電子カセッテ1全体の動作を統括的に制御する。カセッテ制御部26は、マイクロコンピュータを含んで構成され、CPU(中央処理装置)26A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ26B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部26Cを備えている。カセッテ制御部26には無線通信部27が接続されている。
無線通信部27は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、外部機器との間での無線通信による各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部26は、無線通信部27を介してコンソール230およびインターフェースボックス220と無線による通信が可能とされている。
電子カセッテ1には電源部28が設けられており、各種回路や各素子(ゲート線ドライバ23、信号処理部24、画像メモリ25、無線通信部27、カセッテ制御部26として機能するマイクロコンピュータ)は、電源部28から供給された電力によって作動する。電源部28は、電子カセッテ1の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図7では、電源部28と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
コンソール230は、放射線画像の撮影に関する制御を行うサーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ231と、複数のキーを含んで構成され各種の情報や操作指示が入力される操作パネル232と、を備えている。また、コンソール230は、装置全体の動作を司るCPU233と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM234と、各種データを一時的に記憶するRAM235と、各種データを記憶して保持するHDD(ハードディスク・ドライブ)236と、ディスプレイ231への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ237と、操作パネル232に対する操作状態を検出する操作入力検出部238と、を備えている。また、コンソール230は、無線通信により電子カセッテ1との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部239と、放射線発生装置210に対して曝射条件等を送信するための通信ポート240と、を備えている。
CPU233、ROM234、RAM235、HDD236、ディスプレイドライバ237、操作入力検出部238、無線通信部239および通信ポート240は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU233は、ROM234、RAM235、HDD236へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ237を介したディスプレイ231への各種情報の表示の制御、無線通信部239を介した電子カセッテ1との各種情報の送受信および通信ポート240を介した放射線発生装置210への曝射条件の供給を行うことができる。また、CPU233は、操作入力検出部238を介して操作パネル232に対するユーザの操作状態を把握することができる。
放射線発生装置210は、X線を発生させる放射線源211と、コンソール230から送信された曝射条件を受信するための通信ポート213と、インターフェースボックス220から供給された累積線量信号VaをAEC制御入力として受信するためのAEC入力端子214と、受信した曝射条件および累積線量信号Vaに基づいて放射線源211を制御する制御部212と、を備えている。コンソール230から供給される曝射条件には管電圧、管電流等の情報が含まれている。制御部212は、この曝射条件に応じた管電圧および管電流で放射線を照射するように放射線源211を制御する。また制御部212は、インターフェースボックス220から供給された累積線量信号Vaの電圧レベルが所定の閾値に達したことを検出すると放射線の照射を停止させる。なお、本実施形態に係る撮影システム200では、放射線発生装置210とコンソール230およびインターフェースボックス220とは有線によって通信可能とされているが、これらの通信を無線により行うこととしてもよい。
インターフェースボックス220は、電子カセッテ1と放射線発生装置210との間に介在し、電子カセッテ1から無線送信された線量情報を受信し、これを放射線発生装置210において認識可能な信号形式に変換するためのインターフェース装置である。より具体的には、インターフェースボックス220は、電子カセッテ1から線量情報として供給される線量検出用画素60Bの画素値に基づいて、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を示す累積線量信号Vaを生成して、これを放射線発生装置210に供給する。
無線通信部221は、電子カセッテ1から無線送信された線量情報を受信する機能を有する。CPU222は、電子カセッテ1から断続的に供給される線量情報としての画素値に基づいてインターフェースボックス220の出力信号である累積線量信号Vaの傾きを制御するための傾き制御信号θを生成し、これをD/A変換器223に供給する。D/A変換器223は、CPU222から供給されるデジタル信号である傾き制御信号θをアナログ信号に変換する。すなわち、D/A変換器223は、傾き制御信号θの信号値に応じた電圧レベルのアナログ信号を生成する。積分器224は、D/A変換器223から供給されるアナログ信号を時間積分して出力する。かかる積分器224の出力信号は電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を示す累積線量信号Vaとして出力端子225を介して放射線発生装置210に供給される。
図9は、本発明の実施形態に係る撮影システム200を構成する各装置における放射線画像を撮影する際の撮影準備動作を示した図である。
本実施形態に係る撮影システム200において放射線画像の撮影を開始すべき操作がなされると、コンソール230のディスプレイ231には所定の初期情報を入力するための初期情報入力画面が表示される。初期情報入力画面において、例えば、放射線画像の撮影を行う患者(被写体)の氏名、撮影対象部位、撮影時の姿勢、放射線を曝射する際の管電圧および管電流等の曝射条件等を含む初期情報の入力を促すメッセージと、これらの初期情報の入力領域が表示される。
撮影者が、操作パネル232を介して初期情報を入力すると、コンソール230は、初期情報に含まれる曝射条件を通信ポート240を介して放射線発生装置210に送信する(ステップS11)。
コンソール230から送信された曝射条件は通信ポート213を介して放射線発生装置210に受信される。制御部212は、受信した曝射条件での曝射準備を行い曝射準備が完了すると、曝射準備完了の旨を通知する信号をコンソール230に送信する(ステップS12)。
その後、例えば、放射線発生装置210に設けられた2段スイッチ(図示せず)の1段目が押下されると、コンソール230は、放射線発生装置210からの放射線の照射を予告する予告信号を電子カセッテ1に送信する(ステップS13)。
電子カセッテ1のカセッテ制御部26は、この予告信号を受信すると、各撮影用画素60Aのキャパシタ50に蓄積された暗電荷の排出を行うリセット動作を開始させる。具体的には、CPU26Aは、ゲート線ドライバ23に制御信号を供給することによりゲート線ドライバ23から1ラインずつ順に各ゲート配線21にオン信号を出力させ、各ゲート配線21に接続された各TFT40を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、各キャパシタ50に蓄積された電荷が各信号配線22上に排出され、各撮影用画素60Aがリセットされる。電子カセッテ1は、各撮影用画素60Aのリセットが完了すると、撮影準備完了の旨を通知する信号をコンソール230に送信する(ステップS14)。
電子カセッテ1は、リセット動作の完了後、インターフェースボックス220との間で無線通信を行うための接続確立要求を示す信号を無線通信部27を介してインターフェースボックス220に送信する(ステップS15)。この接続確立要求がインターフェースボックス220において正常に受信されると、インターフェースボックス200は、接続確立を許可する応答信号を無線通信部221から電子カセッテ1に送信する(ステップS16)。これにより、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で接続が確立される。なお、電子カセッテ1は、無線アクセスポイントとして機能するインターフェースボックス220の無線通信部221から出力される制御信号(ビーコン)から利用可能な周波数(チャンネル)を検索してもよい。そして、電子カセッテ1は、検出した利用可能なチャンネルを通じてインターフェースボックス220に予め設定された識別符号(ID)を上記の接続確立要求とともに送信してもよい。この場合、インターフェースボックス220は、電子カセッテ1から送信された識別符号が自身に設定された識別符号と一致する場合にのみ接続を許可することとしてもよい。また、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で接続を確立するための処理が既に実施されている場合には、電子カセッテ1は、インターフェースボックス220との間の接続が維持されている否かを確認してもよい。
電子カセッテ1は、インターフェースボックス220との間で接続が確立されると、放射線の照射許可を示す信号をコンソール230に送信する(ステップS17)。これに応じてコンソール230のディスプレイ231には放射線の照射開始を促すメッセージが表示される。その後、放射線発生装置210に設けられた2段スイッチ(図示せず)の2段目が押下されると、放射線発生装置210から放射線が照射され放射線画像の撮影が開始される。
[放射線画像撮影処理]
以下に、電子カセッテ1において実行される放射線画像撮影処理について説明する。図10は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される放射線画像撮影処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。この放射線画像撮影処理プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。
ステップS21において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、コンソール230から供給される、放射線の照射開始を予告する上記の予告信号(図9のステップS13参照)の受信待ちを行い、予告信号を受信すると処理をステップS22に移行する。
ステップS22において、CPU26Aは、各撮影用画素60Aのキャパシタ50に蓄積された暗電荷の排出を行うリセット動作を開始させる。具体的には、CPU26Aは、ゲート線ドライバ23に制御信号を供給することによりゲート線ドライバ23から1ラインずつ順に各ゲート配線21にオン信号を出力させ、各ゲート配線21に接続された各TFT40を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、各キャパシタ50に蓄積された電荷が各信号配線22上に排出され、各撮影用画素60Aがリセットされる。電子カセッテ1は、各撮影用画素60Aのリセットが完了すると、撮影準備完了の旨を通知する信号をコンソール230に送信する。かかる処理は、図9のステップS14に対応する。
ステップS23において、CPU26Aは、無線通信部27からインターフェースボックス220に向けて接続確立要求を示す信号を無線通信によって送信する。かかる処理は、図9のステップS15に対応する。この接続確立要求がインターフェースボックス220において正常に受信されると、インターフェースボックス220は接続確立を許可する応答信号を無線通信部221から電子カセッテ1に送信する。これにより、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で無線通信を行うための接続が確立される。なお、インターフェースボックス220との間で既に接続を確立するための処理が完了している場合には、CPU26Aは本ステップにおいて接続が維持されている否かを確認する。このとき、当該通信チャンネルにおける電波状態やインターフェースボックス220のステータスの確認を行うこととしてもよい。CPU26Aは、インターフェースボックス220との間の接続が維持されていないと判断した場合には、再度接続確立要求をインターフェースボックス220に送信することによって接続を回復させる。
電子カセッテ1は、インターフェースボックス220との間で接続が確立されたことを確認すると、ステップS24において放射線の照射許可を示す信号をコンソール230に送信する。その後、放射線発生装置210に設けられた2段スイッチ(図示せず)の2段目が押下されると、放射線発生装置210から放射線が照射される。
ステップS25において、CPU26Aは、全てのTFT40をオフ状態とすべくゲート線ドライバ23に制御信号を供給する。これにより、撮影用画素60Aでは放射線の照射に応じて発生した電荷の蓄積が可能な状態となる。
ステップS26において、CPU26Aは、線量検出処理を実行する。この線量検出処理では、線量検出用画素60Bの画素ユニット61毎の画素値がサンプリングされ、サンプリングされた画素値に基づいて電子カセッテ1に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報が逐次生成される。生成された線量情報は所定の送信周期Tでインターフェースボックス220に無線送信される。線量検出処理の詳細については後述する。インターフェースボックス220は、電子カセッテ1から供給された線量情報に基づいて、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を示す累積線量信号Vaを生成してこれを放射線発生装置210に供給する。放射線発生装置210は、累積線量信号Vaの信号レベルが所定の閾値に達したことを検出すると放射線の照射を停止する。
ステップS27において、CPU26Aは、撮影用画素60Aに蓄積された電荷の読み出しを行って診断用の放射線画像を生成する。具体的にはCPU26Aは、ゲート線ドライバ23に制御信号を供給することによりゲート線ドライバ23から1ラインずつ順に各ゲート配線21にオン信号を出力させ、各ゲート配線21に接続された各TFT40を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、各撮影用画素60Aのキャパシタ50に蓄積された電荷が各信号配線22に読み出され、信号処理部24でデジタル信号に変換されてCPU26Aに供給される。CPU26Aは、デジタル化された撮影用画素60Aの画素値に基づいて診断用の画像データを生成し、これを画像メモリ25に記憶する。
ステップS28において、CPU26Aは、画像メモリ25に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データを無線通信部27を介してコンソール230に送信した後、本ルーチンを終了する。
コンソール230では、電子カセッテ1から供給された画像データをHDD236に記憶し、この画像データにより示される放射線画像をディスプレイ231に表示させる。また、コンソール230は、この画像データを病院内ネットワーク110を介してRISサーバ104へ送信する。なお、RISサーバ104へ送信された画像データはデータベース104Aに格納される。
[線量検出処理]
以下に、電子カセッテ1が自身に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を生成する線量検出処理について説明する。
図11は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される線量検出処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されており、上記した放射線画像撮影処理におけるステップS26において実行される。
ステップS31において、CPU26Aは、信号処理部24のチャージアンプ241に制御信号を供給する。チャージアンプ241は、かかる制御信号を受信すると、リセットスイッチ241Cをオン状態とすることによりチャージアンプ241のリセットを行う。チャージアンプ241のリセットが完了するとリセットスイッチ241Cは、オフ状態に駆動される。
ステップS32において、CPU26Aは、サンプルホールド回路242およびマルチプレクサ243に制御信号を供給してこれらを同期駆動する。その後、放射線発生装置210から照射された放射線が電子カセッテ1に照射されると、撮影用画素60Aの各々および線量検出用画素60Bの各々は電荷を発生させる。放射線が電子カセッテ1に照射されている期間においては、TFT40は全てオフ状態とされ、撮影用画素60Aで生成された電荷はキャパシタ50に蓄積される。一方、線量検出用画素60Bで生成された電荷は、各信号配線22を介して各信号配線に接続されたチャージアンプ241に入力される。なお、同一の信号配線22に接続された画素ユニット61を構成する複数の線量検出用画素60Bからの電荷は、当該信号配線22上で合流して信号処理部24に供給される。
各チャージアンプ241は、信号配線22を介して供給される電荷の量に応じた出力信号を出力する。各チャージアンプ241に接続されたサンプルホールド回路242の各々は、チャージアンプ241の出力信号のサンプリングを行う。マルチプレクサ243は、各サンプルホールド回路242の出力をサンプリング周期に同期して順次A/D変換器244に供給する。A/D変換器244は、マルチプレクサ243から順次供給されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器244は、各チャージアンプ241の出力をサンプリングした値をデジタル化された画素値として順次出力する。
ステップS33において、CPU26Aは信号処理部24から各画素ユニット61毎のデジタル化された画素値を受信する。
ステップS34において、CPU26Aは受信した画素ユニット61毎の画素値に基づいて、電子カセッテ1に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を画素ユニット61毎に生成する。線量情報は、例えば信号処理部24から受信した画素ユニット毎の画素値をチャージアンプ241の蓄積時間で除した値を示すものであってもよい。
ステップS35において、CPU26Aは、線量検出用画素60B(画素ユニット61)の画素値に応じた線量情報を無線通信部27を介してインターフェースボックス220に無線送信する。なお、線量情報の送信に先立って、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で無線通信を行うための接続が既に確立されているので(図10のステップS23)、電子カセッテ1からインターフェースボックス220に線量情報の供給を確実に行うことができる。
ステップS36において、CPU26Aは放射線発生装置210からの放射線の照射が停止したか否かの判断を行う。CPU26Aは、例えば信号処理部24から供給される画素ユニット61毎の画素値が所定の閾値以下となった場合に放射線発生装置210からの放射線の照射が停止したことを検出する。CPU26Aは、放射線の照射が停止していないと判断した場合には、処理をステップS31に戻す。すなわち、放射線発生装置210から放射線が照射されている間ステップS31〜S35の処理が繰り返し実行され、線量情報が電子カセッテ1からインターフェースボックス220に向けて断続的に無線送信される。カセッテ制御部26は、ステップS31〜S35の処理を繰り返し実行することにより、線量情報を一定間隔(例えば1msec周期)で生成してこれを逐次インターフェースボックス220に無線送信する。ステップS36においてCPU26Aが放射線発生装置210からの放射線の照射が停止したものと判断すると、本ルーチンが終了する。
このように、本実施形態に係る電子カセッテ1は、自動露出制御(AEC)を実現するために、放射線画像の撮影時において自身に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を断続的にインターフェースボックス220に無線送信する。
図12は、電子カセッテ1からインターフェースボックス220への線量情報の送信態様を示した図である。上記したように、電子カセッテ1は、線量情報の送信に先立ってインターフェースボックス220に接続確立要求を送信し、インターフェースボックス220がこれを許可することで電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で無線通信を行うための接続が確立される。電子カセッテ1は、インターフェースボックス220との間で接続が確立された後、自身に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報Pnを断続的にインターフェースボックス220に供給する。電子カセッテ1は、例えば、複数の線量検出用画素60Bからなる画素ユニット61毎の画素値をサンプリングする度に当該サンプリングした画素値に対応した線量情報を生成してこれをインターフェースボックス220に無線送信する。すなわち、電子カセッテ1は、画素値のサンプリング周期と一致した送信周期T(例えば1msec)で最新の線量情報Pnをインターフェースボックス220に供給する。
インターフェースボックス220は、線量情報Pnの各送信に対する受信確認を電子カセッテ1に送信しない。すなわち、インターフェースボックス220は、電子カセッテ1から線量情報Pnを正常に受信した場合でも、線量情報を正常に受信したことを示す受信確認信号(Ack信号)を電子カセッテ1に返信しない。従って、電子カセッテ1は、インターフェースボックス220において線量情報Pnが正常に受信されたか否かにかかわらず、所定の送信周期Tで最新の線量情報をインターフェースボックス220に一方的に送信する。このように線量情報Pnの受信確認処理を排除することにより、電子カセッテ1において生成された最新の線量情報Pnを遅滞なくインターフェースボックス220に供給することができ、線量情報Pnのリアルタイム性の確保が容易となる。また、線量情報Pnの受信確認処理を排除することにより電子カセッテ1およびインターフェースボックス220の処理負担を軽減することも可能である。
また、電子カセッテ1は、放射線を検出しない場合には、放射線の単位時間当たりの線量がゼロであることを示すゼロ信号を線量情報としてインターフェースボックス220に送信してもよい。図12に示す例では、線量情報P3の送信時点と線量情報P4の送信時点の間の時点において放射線発生装置210から放射線の照射が開始された場合が示されている。この場合、放射線照射前の線量情報P1〜P3はゼロ信号となる。電子カセッテ1は、画素ユニット61毎の画素値が所定の閾値よりも小さい場合にゼロ信号を生成および送信してもよい。このように放射線の未検出時にゼロ信号を送信することで、インターフェースボックス220において放射線の照射前から累積線量信号Vaの傾き制御を行うことが可能となり、累積線量信号Vaに及ぶノイズの影響等を軽減することができる。
[インターフェースボックスの作用]
以下に、電子カセッテ1から線量情報を受信したインターフェースボックス220の作用について説明する。図13は、インターフェースボックス220によって生成される累積線量信号Vaの時間推移の一例を示す図である。電子カセッテ1は、上記したように線量検出用画素60B(画素ユニット61)の画素値に応じた値を自身に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報として一定の送信周期Tでインターフェースボックス220に無線送信する。電子カセッテ1から送信された線量情報は、インターフェースボックス220の無線通信部221において受信される。図13における各プロットは、インターフェースボックス220における線量情報Pnの受信時点を示している。
インターフェースボックス220のCPU222は、線量情報Pnを受信すると、当該受信した線量情報Pnによって示される画素値(または画素値に応じた値)に所定の係数αを乗じることによって傾き制御信号θnを生成する。CPU222は、生成した傾き制御信号θnをD/A変換器223に供給する。
D/A変換器223は、デジタル信号である傾き制御信号θnをアナログ信号に変換する。すなわち、D/A変換器223は、傾き制御信号θnの信号値に応じた電圧レベルのアナログ信号を生成する。D/A変換器223は、生成したアナログ信号を積分器224に供給する。積分器224は、D/A変換器223から供給されたアナログ信号を時間積分する。すなわち積分器224は、傾き制御信号θnの値に対応した傾きで電圧レベルが上昇するアナログの累積線量信号Vaを出力する。
このように、インターフェースボックス220は電子カセッテ1から断続的に無線送信される線量情報を受信すると、当該受信した最新の線量情報に基づいて累積線量信号Vaの傾きを更新する。なお、インターフェースボックス220は、上記したように、線量情報Pnの各受信に対して受信確認信号(Ack信号)を電子カセッテ1に送信しないので線量情報のリアルタイム性が確保され、これによって、累積線量信号Vaのリアルタイム性も確保される。累積線量信号Vaは、インターフェースボックス220の出力端子225を介して放射線発生装置210に供給される。
図13に示す例では、線量情報P1〜P3がゼロ信号である場合が例示されている。この場合、インターフェースボックス220のCPU220は、線量情報P1〜P3に基づいて傾きゼロを示す傾き制御信号θ1〜θ3を生成する。これにより、線量情報P4を受信するまでの期間において累積線量信号Vaはゼロレベルとなる。
放射線発生装置210の制御部212は、AEC入力端子214を介して供給される累積線量信号Vaの電圧レベルが所定の閾値に達したことを検出すると放射線源211からの放射線の照射を停止させる。これにより、本実施形態に係る撮影システム200において自動露出制御(AEC)が実現される。
図14は、インターフェースボックス220のCPU222において実行される累積線量信号Vaの傾き制御を行うための傾き制御プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはインターフェースボックス220の図示しない記憶部の所定領域に予め記憶されている。当該プログラムは、撮影用画素60Aを用いて診断用の放射線画像を撮影する際における所定のタイミングで実行される。
ステップS41においてCPU222は、無線通信部221において電子カセッテ1から線量情報を受信したか否かを判断し、線量情報の受信を検出した場合には処理をステップS42に移行する。なお、インターフェースボックス220は、線量情報を正常に受信した場合でも、線量情報を受信したことを示す受信確認信号(Ack信号)を電子カセッテ1に送信しない。
ステップS42において、CPU222は、ステップS41において受信した線量情報としての画素値に所定の係数αを乗算することにより当該線量情報に対応した傾き制御信号θを導出して、これをD/A変換器223に供給する。D/A変換器223は、当該傾き制御信号θをアナログ信号に変換して積分器224に供給する。積分器224は、D/A変換器223から供給されたアナログ信号を時間積分する。すなわち積分器224は、傾き制御信号θの値に対応した傾きで電圧レベルが上昇するアナログの累積線量信号Vaを出力する。
ステップS43において、CPU222は、放射線発生装置210からの放射線の照射が停止したか否かを判断する。CPU222は、例えば、電子カセッテ1から供給される放射線の照射停止を示す制御信号を受信することによって放射線の照射停止を検出することができる。CPU222が放射線の照射停止を検出した場合には、本ルーチンが終了し、放射線の照射停止を検出しない場合には処理をステップS41に戻す。すなわち、CPU222は、放射線発生装置210から放射線が照射されている間、ステップS41〜S42の処理を繰り返し実行することによって最新の線量情報に基づいて傾き制御信号θを更新して累積線量信号Vaの出力を継続させる。
このように、本発明の実施形態に係る電子カセッテ1は、自身に照射された放射線の線量を検出するための線量検出用画素60Bを有し、線量検出用画素60Bにおける画素値に基づいて電子カセッテ1に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を生成する。電子カセッテ1は、線量情報を所定のサンプリング周期で生成してインターフェースボックス220に逐次無線送信する。インターフェースボックス220は、受信した線量情報に基づいて傾き制御信号θを生成し、この傾き制御信号θによって累積線量信号Vaの傾きを制御する。放射線照射装置210は、インターフェースボックス220から供給される累積線量信号Vaの電圧レベルが所定値に達したことを検出すると、放射線の照射を停止する。このようにして本発明の実施形態に係る撮影システムにおいて自動露出制御(AEC)が実現される。
本実施形態に係るインターフェースボックス220は、電子カセッテ1から逐次無線送信される線量情報の各受信に対して受信確認信号(Ack信号)を電子カセッテ1に送信しない。従って、電子カセッテ1は、インターフェースボックス220において線量情報が正常に受信されたか否かにかかわらず所定の送信周期Tで最新の線量情報を逐次送信する。このように、線量情報の受信確認処理を排除することにより電子カセッテ1において生成された最新の線量情報を遅滞なくインターフェースボックス220に供給することができ、線量情報のリアルタイム性を確保することができる。これにより、インターフェースボックス220において生成される累積線量信号Vaのリアルタイム性も確保され、累積線量信号Vaの誤差を抑制することができる。その結果、放射線発生装置210における放射線の照射停止のタイミングを適切に制御することが可能となる。このように本発明の実施形態に係る撮影システムによれば、線量情報のリアルタイム性を損なうことなく線量情報の伝送を行うことにより、適切な自動露出制御(AEC)を行うことが可能となる。
また、線量情報は、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で接続が確立された後に送信されるので、線量情報のインターフェースフェースボックス220への供給をより確実に行うことができる。
また、電子カセッテ1において放射線が未検出のときは、電子カセッテ1は放射線の線量がゼロであることを示すゼロ信号を線量情報としてインターフェースボックス220に供給する。これにより、インターフェースボックス220において放射線の照射前から累積線量信号Vaの傾き制御を行うことが可能となり、累積線量信号Vaに及ぶノイズの影響等を軽減することができる。
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態に係る撮影システムについて説明する。本実施形態に係る撮影システムでは、上記した第1の実施形態の場合と同様、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で線量情報の受信確認は行われない。すなわち、電子カセッテ1は、インターフェースボックス220において線量情報が正常に受信されたか否かにかかわらず所定の送信周期Tで線量情報の送信を繰り返す。従って、インターフェースボックス220において線量情報が正常に受信されない場合には、当該線量情報が欠落したまま累積線量信号Vaが生成されることとなる。図15には、線量情報P5が欠落した場合における累積線量信号Vaの時間推移が示されている。この場合、インターフェースボックス220は欠落した線量情報P5に基づく傾き制御を行うことができないので、累積線量信号Vaに誤差が生じ、その結果、放射線の照射停止のタイミングが不適切となるおそれがある。
そこで、本発明の第2の実施形態に係る撮影システムにおいては、電子カセッテ1から同一内容の線量情報を複数回に亘りインターフェースボックス220に送信することにより線量情報の欠落を防止している。図16は、本発明の第2の実施形態に係る電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間の線量情報の送受信の態様を示した図である。
電子カセッテ1は、複数の線量検出用画素60Aからなる画素ユニット61毎の画素値をサンプリングし、当該サンプリングした画素値に対応した線量情報を生成する。電子カセッテ1は、線量情報Pnを生成するための画素値のサンプリン時点から、次の線量情報Pn+1を生成するための画素値のサンプリング時点までの間に、同一内容を示す線量情報Pnを複数回連続してインターフェースボックス220に送信する。すなわち、本実施形態においては、線量情報の送信周期Tは画素値のサンプリング周期よりも短い。インターフェースボックス220は、同一内容の線量情報を複数回に亘り受信することとなるが、同一内容の線量情報のうち最初に受信した線量情報に基づいて累積線量信号Vaの傾き制御を行う。
このような線量情報の送受信の態様によれば、例えば図16に示すように、電子カセッテ1から複数回に亘り送信された線量情報P2のうち1回目に送信されたものがインターフェースボックス220において正常に受信されなかった場合でも、2回目に送信された線量情報P2に基づいて累積線量信号Vaの傾き制御を行うことができる。すなわち、本実施形態に係る撮影システムによれば、インターフェースボックス220における線量情報の欠落を防止することができるので、累積線量信号Vaの精度を確保することができる。その結果、放射線の照射停止のタイミングを適切に保つことができる。
[第3の実施形態]
以下に、本発明の第3の実施形態に係る撮影システムについて説明する。上記した第1および第2の実施形態に係る撮影システムにおいて、インターフェースボックス220は、電圧レベルが時間とともに連続的に変化するアナログの電圧信号を累積線量信号Vaとして出力するものであった。これに対して本実施形態に係るインターフェースボックス220では、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量に対応した信号値を有するデジタル形式の累積線量信号Vaを出力するものである。
図17は、本発明の第3の実施形態に係る電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間の線量情報の送受信およびインターフェースボックス220と放射線発生装置210との間の累積線量信号Vaの送受信の態様を示した図である。電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間の線量情報の送受信の形態は、上記した第1の実施形態または第2の実施形態と同様である。すなわち、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で線量情報の受信確認は行われず、電子カセッテ1は、自身に照射された放射線の単位時間当たりの線量を示す線量情報を所定の送信周期Tにてインターフェースボックス220に一方的に送信する。
インターフェースボックス220は、受信した線量情報に基づいて電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を算出し、算出した累積線量に応じた信号値を有するデジタル形式の累積線量信号Vaを放射線発生装置210に供給する。インターフェースボックス220は、例えば、電子カセッテ1における線量情報の送信周期Tよりも長い間隔tで、累積線量信号Vaを更新してこれを放射線発生装置210に供給してもよい。なお、累積線量信号Vaの送信間隔tを線量情報の送信周期Tに一致させてもよい。放射線発生装置210は、インターフェースボックス220から断続的に送信されるデジタル形式の累積線量信号Vaの信号値が所定の閾値よりも大きいことを検出すると放射線の照射を停止する。
このように、インターフェースボックス220から出力される累積線量信号Vaの信号形式をデジタル形式にすることにより累積線量信号Vaを離散的に出力することができ、インターフェースボックス220における電力消費量を削減することが可能となる。なお、インターフェースボックス220から出力される累積線量信号Vaの信号形式を、放射線発生装置210に適合するように適宜選択可能とするように構成してもよい。
また、上記の各実施形態では、電子カセッテ1に照射された放射線の単位時間当たりの線量を線量情報としてインターフェースボックス220に無線送信する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を線量情報としてインターフェースボックス220に断続的に無線送信してもよい。この場合、インターフェースボックス220は、受信した線量情報を放射線発生装置210に適合する信号形式に変換した累積線量信号Vaを出力する。この場合において、インターフェースボックス220は、図17に示すように電子カセッテ1から受信した線量情報の受信間隔よりも長い間隔で(すなわち、線量情報を間引くように)累積線量信号Vaを放射線発生装置220に供給してもよい。このように電子カセッテ1側で累積線量を求めておくことによりインターフェースボックス220において累積線量を推定する必要がなくなるので、線量情報の欠落に起因する累積線量信号Vaの誤差を防止することができる。また、なんらかの理由によってインターフェースボックス220に未処理の線量情報が滞留してしまった場合には、最新の線量情報に基づいて生成した累積線量信号Vaを放射線発生装置210に供給してもよい。また、インターフェースボックス220は、線量情報によって示される累積線量に変化が生じた場合にのみ累積線量信号Vaを放射線発生装置210に供給してもよい。また、インターフェースボックス220は、線量情報としてゼロ信号を受信した場合は、当該ゼロ信号に基づく累積線量信号Vaの生成および送信を省略することとしてもよい。これにより、インターフェースボックス220における処理を簡略化することができる。
また、上記の各実施形態では、電子カセッテ1は、放射線を検出しない期間においては、線量がゼロであることを示すゼロ信号を線量情報としてインターフェースボックス220に供給することとしたが、放射線を検出しない期間は、線量情報の送信を停止させてもよい。換言すれば、電子カセッテ1は、放射線を検出している期間のみ線量情報をインターフェースボックスに送信してもよい。これにより、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間の通信量を減らすことができるとともにこれらの各装置における処理を簡略化することができる。なお、この場合、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で接続が確立された後、所定期間が経過しても線量情報が受信されない場合には、インターフェースボックス220から電子カセッテ1に問い合わせを行うこととしてもよい。この問い合わせに対して電子カセッテ1から応答がない場合には、インターフェースボックス220は、電子カセッテ1との接続が切断されたものと判断して、接続を回復させるべく接続確立要求を電子カセッテ1に送信してもよい。また、電子カセッテ1との通信が不可であることを報知するなどの処理を行ってもよい。
また、上記の各実施形態では、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間の通信チャンネルが1つである場合について説明したが、図18に示すように、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間で複数の通信チャンネルを介して線量情報の送受信を行ってもよい。図18に示す例では、電子カセッテ1は、第1の無線通信部27aおよび第2の無線通信部27bを有し、インターフェースボックス220は、第1の無線通信部239aおよび第2の無線通信部239bを有している。電子カセッテ1の第1の無線通信部27aは、インターフェースボックス220の第1の無線通信部239aとの間に形成された第1の通信チャンネルch1を介して線量情報を送信する。一方、電子カセッテ1の第2の無線通信部27bは、インターフェースボックス220の第2の無線通信部239bとの間に形成された第2の通信チャンネルch2を介して線量情報を送信する。なお、第1の通信チャンネルch1において使用される周波数帯と、第2の通信チャンネルch2において使用される周波数帯とを互いに異ならせておくことが好ましい。これにより、チャンネル間における電波の干渉を防止することができる。電子カセッテ1は、同一内容の線量情報を、第1の通信チャンネルch1および第2の通信チャンネルch2を介して同時に送信してもよい。これにより、一方の通信チャンネルが使用できなくなった場合や通信遅延が著しい場合でも他方の通信チャンネルを介して線量情報の送受信を行うことが可能となる。インターフェースボックス220は、より早い時刻に到来した線量情報に基づいて累積線量信号Vaを生成することとしてもよい。これにより、線量情報の受信時点の遅延による累積線量信号への影響を軽減することができる。
なお、電子カセッテ1とインターフェースボックス220との間に3つ以上の通信チャンネルを形成してもよい。この場合、電子カセッテ1は、少なくとも2つ以上の通信チャンネルにおける接続の確立がなされた場合に、放射線の照射許可を示す信号をコンソール230に送信してもよい(図9におけるステップS17)。これにより、複数の通信チャンネルが形成された状態の下で線量情報の送受信が行われることが確実となるので、自動露出制御(AEC)の信頼性を高めることができる。
また、放射線の照射開始後にインターフェースボックス220において線量情報が全く受信できなくなるなど、自動露出制御(AEC)が適切に機能しない場合に備えて放射線発生装置210にバックアップタイマーを設けておくことが好ましい。バックアップタイマーは、放射線の照射が開始されてから所定期間が経過した後、放射線の照射を強制的に停止させるための手段である。
また、上記の各実施形態では、線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Bを信号配線22に直接接続する構成を例示したが、撮影用画素60Aと同様、センサ13BにTFTを接続してセンサ13Bからの電荷の読み出しタイミングをゲート信号によって制御することができるように構成することも可能である。また、上記の実施形態では、撮影用画素60Aおよび線量検出用画素60Bを共通の信号配線23に接続した構成を例示したが、撮影用画素60Aに接続される信号配線と、線量検出用画素60Bに接続される信号配線とを別系統とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、CPU26Aによってゲートドライバ制御やブロック編成処理等のカセッテ制御を行っているが、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプログラマブルなゲートIC等の情報処理装置に所定のプログラムを読み込ませることによって、カセッテ制御部26として機能させることもできる。
また、上記の実施形態では、撮影用画素60Aおよび線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Aおよび13Bが、シンチレータ30で発生した光を受光することにより電荷を発生させる有機光電変換材料を含んで構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、センサ13Aおよび13Bとして有機光電変換材料を含まずに構成されたものを適用する形態としてもよい。例えば、センサ13Aおよび13Bにアモルファスセレン等の半導体を使用し、放射線を電荷に直接変換する形態としてもよい。
また、上記の実施形態では、線量検出用画素60Bを自動露出制御(AEC)に使用する場合を例示したが、放射線源211からの放射線の照射開始を検出するために使用することも可能である。これにより、電子カセッテ1は、外部装置から放射線の照射開始を指示する指示情報を受信しなくても自ら放射線の照射開始を検出することが可能となる。
また、上記実施の形態では、放射線としてX線を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、γ線等の他の放射線を適用する形態としてもよい。