JP2014068881A - 放射線画像撮影装置、放射線の線量検出方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画素に欠陥が生じている場合でも継続して使用することを可能とする。
【解決手段】電子カセッテ1は、照射された放射線の線量に応じた画素値を出力する複数の線量検出用画素60Bを含む。カセッテ制御部26は、複数の線量検出用画素60Bのうちの一部を各々が含む複数のブロックを編成し、編成されたブロックの各々に含まれる画素60Bの画素値に基づいてブロック毎に欠陥の有無を判定する。カセッテ制御部26は、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成し、また編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、被写体を透過した放射線により示される放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置、該放射線画像撮影装置を制御するためのプログラムおよび放射線の線量検出方法に関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化されており、この放射線検出器を用いて、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮影する電子カセッテ等の放射線画像撮影装置が実用化されている。放射線検出器には、放射線を電気信号に変換する方式として、放射線をシンチレータで光に変換した後にフォトダイオードによって電荷に変換する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等を含む半導体層で電荷に変換する直接変換方式等があり、各方式でも半導体層に使用可能な材料が種々存在する。
放射線検出器を用いて放射線画像を撮影する場合、被検体に照射される放射線の線量を最小にしながらも良好な画質を確保する必要がある。良好な画質の放射線画像を取得するためには、撮影対象部位に応じた適切な線量の放射線が曝射されるように放射線源における曝射制御条件を設定する必要がある。そこで、放射線検出器において、被検体を透過して照射された放射線の累積線量を検出し、その検出結果に基づいて放射線源からの放射線の照射停止のタイミングを制御する自動露出制御(AEC、Automatic Exposure Control)機能を備える放射線画像撮影システムが提案されている。この自動露出制御(AEC)を実現するために、放射線画像撮影するための画素とは別に、照射された放射線の線量を検出するための画素を放射線検出器に埋め込んだものが提案されている。
例えば、特許文献1には、放射線を検出する検出領域に、放射線画像撮影用の画素および放射線検出用の画素を含む複数の画素をマトリクス状に配置し、放射線検出用の画素に接続された信号配線を流れる電荷を検出することによって照射された放射線の線量を検出する放射線画像撮影装置が記載されている。
特開2012−15913号公報
上記した特許文献1に記載されているような複数の放射線検出用の画素を有する放射線検出器において、放射線検出用画素に欠陥が生じている場合、当該欠陥画素からは適正な画素値を得ることはできない。このような欠陥画素からの画素値に基づいて自動露光制御(AEC)を行うと、適切なタイミングで放射線の曝射を停止させることができず、被写体に照射される放射線の線量が過剰となり、あるいは、線量が不足して適切な放射線画像を得ることができなくなるおそれがある。一方、放射線検出器内において欠陥画素の発生を完全に防止することは困難であり、欠陥画素を含むもの全てを不適合品として廃棄してしまうことは現実的ではない。また、製品出荷後において市場で欠陥画素が発生する場合もあり、このような場合に当該放射線検出器を直ちに使用不可とすることは、ユーザの利便性を著しく損ねることとなり好ましくない。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、画素に欠陥が生じている場合でも、継続して使用することが可能な放射線画像撮影装置、該放射線画像撮影装置を制御するためのプログラムおよび放射線の線量検出方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、照射された放射線の線量に応じた画素値を各々が出力する複数の画素と、前記複数の画素のうちの一部を各々が含むように編成された複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいてブロック毎に欠陥の有無を判定する判定手段と、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記判定手段によって欠陥ありと判定された欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成する画像生成手段と、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する線量検出手段と、を含む。
このように本発明に係る放射線画像撮影装置では、前記画像生成手段が欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成する一方、前記線量検出手段が前記欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、前記画像生成手段によって生成された放射線画像に基づいて、編成されたブロックのうち放射線の累積線量の検出に使用する有効ブロックを選別するブロック選別手段を更に含んでいてもよく、この場合において、前記線量検出手段は、前記ブロック選別手段によって選別された前記有効ブロックのうちの前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出してもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置において、前記ブロック選別手段は、被写体を透過した放射線が照射されるブロックを前記有効ブロックとして定めてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置において、前記線量検出手段は、前記有効ブロックのうちの前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値の合算値が所定の閾値以上となったときに照射された放射線の累積線量が所定値に達したことを示す検出信号を出力してもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置において、前記有効ブロックに含まれる前記欠陥ブロックの数に応じて前記閾値を変化させる閾値調整手段を更に含んでいてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、入力情報に基づいて撮影対象部位を特定する特定手段を更に含んでいてもよく、この場合において、前記閾値調整手段は更に前記特定手段によって特定された撮影対象部位に応じて前記閾値を変化させてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、前記有効ブロックにおける前記欠陥ブロックの占める割合が所定値以上となった場合に、前記有効ブロックに隣接する前記正常ブロックを新たな有効ブロックとして定める有効ブロック再設定手段を更に含んでいてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、前記有効ブロックにおける前記欠陥ブロックの占める割合が所定値以上となった場合にその旨を報知する報知手段を更に含んでいてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、前記画像生成手段によって放射線画像を生成する第1のモードと、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値のみに基づいて放射線画像を生成する第2のモードと、のいずれか一方を選択し、選択したモードで放射線画像を生成する画像生成モード選択手段を更に含んでいてもよい。
また、本発明に係る放射線画像撮影装置は、前記欠陥ブロックの配置または前記正常ブロックの配置を示す配置情報を生成する配置情報生成手段を更に含んでいてもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記の放射線画像撮影装置における前記判定する判定手段、前記画像生成手段、前記線量検出手段として機能させるように構成されている。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る放射線の線量検出方法は、照射された放射線の線量に応じた画素値を出力する複数の画素のうちの一部を各々が含むように編成された複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいてブロック毎に欠陥の有無を判定する判定ステップと、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記判定ステップにおいて欠陥ありと判定された欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成する画像生成ステップと、前記画像生成ステップにおいて生成された放射線画像に基づいて編成されたブロックのうち放射線の累積線量の検出に使用する有効ブロックを選別するブロック選別ステップと、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記ブロック選別ステップにおいて選別された前記有効ブロックのうちの前記欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて、照射された放射線の累積線量を検出する線量検出ステップと、を含む。
本発明によれば、画像生成手段が欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成する。すなわち、放射線画像を生成する場合において、欠陥ブロックの画素値を有効なものとして扱うことにより、当該欠陥ブロックに対応する画像部分が完全に欠落することがなくなるので画質の劣化が抑制される。また、本発明によれば、線量検出手段が欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する。すなわち、照射された放射線の線量を測定する場合において、欠陥ブロックからの画素値が除外され、正常ブロックからの画素値のみを用いて放射線の累積線量の検出が行われるので、放射線の累積線量の検出をより正確に行うことが可能となる。このように、本発明によれば、画素に欠陥が生じている場合でも、当該放射線画像撮影装置を継続して使用することが可能となる。
本発明の実施形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る放射線画像撮影システムの放射線撮影室における各装置の配置状態の一例を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る電子カセッテの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の電気的な構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る線量検出用画素の放射線検出器上における配置を例示した平面図である。 本実施の形態に係る撮影システムの電気系の要部構成を示す図である。 信号処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電子カセッテ1による線量検出用画素のブロック編成の態様を例示した図である。 本発明の実施形態に係るブロック編成処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 撮影対象部位とブロック編成との対応関係を記憶した本発明の実施形態に係る参照テーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係るブロック選別処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第1の線量検出処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る欠陥マップ生成処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る欠陥マップ生成処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る配置情報報知処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図17(a)は、本発明の実施形態に係る欠陥ブロックの配置の表示形態を例示する図である。図17(b)は、本発明の実施形態に係る欠陥ブロックおよび推奨撮影エリアの配置の表示形態を例示する図である。 本発明の実施形態に係る第1のブロック再編成処理の内容を示す図である。 本発明の実施形態に係る第2のブロック再編成処理の内容を示す図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る第1の放射線画像撮影処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第2の線量検出処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 撮影対象部位と1画素ユニットあたりの閾値との対応関係を記憶した本発明の実施形態に係る参照テーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係る有効ブロック再設定処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、本発明を、病院における放射線科部門で取り扱われる情報を統括的に管理するシステムである放射線情報システムに適用した場合を例示する。
図1は、本発明の実施形態に係る放射線情報システム(以下、「RIS」(Radiology Information System)という。)100の構成を示す図である。
RIS100は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(以下、「HIS」(Hospital Information System)という。)の一部を構成する。
RIS100は、複数台の撮影依頼端末装置(以下、「端末装置」という。)102、RISサーバ104、および病院内の放射線撮影室(あるいは手術室)の個々に設置された放射線画像撮影システム(以下、「撮影システム」という。)200を有しており、これらが有線や無線のLAN(Local Area Network)等から成る病院内ネットワーク110に各々接続されて構成されている。なお、RIS100は、同じ病院内に設けられたHISの一部を構成しており、病院内ネットワーク110には、HIS全体を管理するHISサーバ(図示省略。)も接続されている。
端末装置102は、医師や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力、閲覧、放射線画像の撮影依頼や撮影予約を行うためのものである。各端末装置102は、表示装置を有するパーソナル・コンピュータを含んで構成され、RISサーバ104と病院内ネットワーク110を介して相互通信に接続されている。
RISサーバ104は、各端末装置102からの撮影依頼を受け付け、撮影システム200における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース104Aを含んで構成されている。
データベース104Aは、患者(被写体)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液型、体重、患者ID(Identification)等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等の患者に関する情報、撮影システム200で用いられる、後述する電子カセッテ1の識別番号(ID情報)、型式、サイズ、感度、使用開始年月日、使用回数等の電子カセッテ1に関する情報、および電子カセッテ1を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ1を使用する環境(一例として、放射線撮影室や手術室等)を示す環境情報を含んで構成されている。
撮影システム200は、RISサーバ104からの指示に応じて医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム200は、曝射条件に従った線量のX線等の放射線を患者(被写体)に照射する放射線源211(図2も参照)を有する放射線発生装置210を備えている。また、撮影システム200は、患者(被写体)の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器10(図3も参照)を内蔵する電子カセッテ1と、電子カセッテ1に内蔵されているバッテリを充電するクレードル220と、電子カセッテ1および放射線発生装置210を制御するコンソール230と、を備えている。
コンソール230は、RISサーバ104からデータベース104Aに含まれる各種情報を取得して後述するHDD236(図7参照。)に記憶し、必要に応じて当該情報を用いて、電子カセッテ1および放射線発生装置202の制御を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る撮影システム200を構成する各装置の放射線撮影室300における配置状態を例示した図である。
図2に示すように、放射線撮影室300には、立位での放射線撮影を行う際に用いられる立位台310と、臥位での放射線撮影を行う際に用いられる臥位台320とが設置されている。立位台310の前方空間は立位での放射線撮影を行う際の患者(被写体)の撮影位置312とされる。臥位台320の上方空間は臥位での放射線撮影を行う際の患者(被写体)の撮影位置322とされている。
立位台310には電子カセッテ1を保持する保持部314が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ1が保持部314に保持される。同様に、臥位台320には電子カセッテ1を保持する保持部324が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ1が保持部324に保持される。
また、放射線撮影室300には、放射線源211を、水平な軸回り(図2の矢印a方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印b方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印c方向)に移動可能に支持する支持移動機構214が設けられている。これにより、単一の放射線源211を用いて立位および臥位での放射線撮影が可能となっている。
クレードル220は、電子カセッテ1を収納可能な収容部220Aを有する。電子カセッテ1は、未使用時にはクレードル220の収容部220Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われる。
撮影システム200において、放射線発生装置210とコンソール230との間、および電子カセッテ1とコンソール230との間で、無線通信によって各種情報の送受信が行われる。
電子カセッテ1は、立位台310の保持部314や臥位台320の保持部324で保持された状態のみで使用されるものではなく、その可搬性から、腕部、脚部等を撮影する際には、保持部に保持されていない状態で使用される。
次に、本実施の形態に係る電子カセッテ1の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る放射線画像撮影装置としての電子カセッテ1の構成を示す斜視図である。
図3に示すように、電子カセッテ1は、放射線を透過させる材料からなる筐体2を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ1は、手術室等で使用されるとき、血液や雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ1を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ1を繰り返し続けて使用することができる。
筐体2の内部には、種々の部品を収容する空間Aが形成されており、当該空間A内には、放射線Xが照射される筐体1の照射面側から、患者(被写体)を透過した放射線Xを検出する放射線検出器10、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板3が順に配設されている。
放射線検出器10の配設位置に対応する領域が放射線を検出可能な撮影領域4Aとされている。筐体2の撮影領域4Aを有する面が電子カセッテ1における天板5とされている。本実施形態において、放射線検出器10は、後述するTFT基板20が天板5の内側面に貼り付けられている。一方、筐体2の内部の一端側には、放射線検出器10と重ならない位置(撮影領域4Aの範囲外)に、後述するカセッテ制御部26や電源部28(共に図7参照。)を収容するケース6が配置されている。
筐体2は、電子カセッテ1全体の軽量化を図るために、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)、アルミニウム、マグネシウム、バイオナノファイバ(セルロースミクロフィブリル)、または複合材料等で構成されている。
次に、電子カセッテ1に内蔵される放射線検出器10の構成について説明する。図4は、放射線検出器10の積層構造を概略的に示す断面図である。放射線検出器10は、絶縁性基板16上に、信号出力部12、センサ部13、透明絶縁膜14を順に形成することにより構成されるTFT基板20と、光吸収性の低い接着樹脂等を用いてTFT基板20上に接合されたシンチレータ30と、を含んでいる。
シンチレータ30は、センサ部13上に透明絶縁膜14を介して形成されており、入射する放射線を光に変換して発光する蛍光体を含む。すなわち、シンチレータ30は、患者(被写体)を透過した放射線を吸収して発光する。シンチレータ30が発する光の波長域は、可視光域(波長360nm〜830nm)であることが好ましく、放射線検出器10によってモノクロ撮影を可能とするためには、緑色の波長域を含んでいることがより好ましい。放射線としてX線を用いて撮像する場合、シンチレータ30に用いる蛍光体としては、ヨウ化セシウム(CsI)を含むものが好ましく、X線照射時の発光スペクトルが420nm〜700nmにあるCsI(Tl)(タリウムが添加されたヨウ化セシウム)を用いることが特に好ましい。なお、CsI(Tl)の可視光域における発光ピーク波長は565nmである。
センサ部13は、上部電極131、下部電極132、およびこれらの電極間に設けられた光電変換膜133を含んで構成されている。光電変換膜133は、シンチレータ30が発する光を吸収することにより電荷を発生させる有機光電変換材料により構成されている。
上部電極131は、シンチレータ30により生じた光を光電変換膜133に入射させる必要があるため、少なくともシンチレータ30の発光波長に対して透明な導電性材料で構成されることが好ましい。具体的には、可視光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting Oxide)を用いることが好ましい。なお、上部電極131としてAuなどの金属薄膜を用いることもできるが、透過率を90%以上得ようとすると抵抗値が増大し易いため、TCOの方が好ましい。例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO、TiO、ZnO等を好ましく用いることができ、プロセス簡易性、低抵抗性、透明性の観点からはITOが最も好ましい。なお、上部電極131は、全画素で共通の一枚構成としてもよく、画素毎に分割されていてもよい。
光電変換膜133は、有機光電変換材料を含み、シンチレータ30から発せられた光を吸収し、吸収した光の量に応じた電荷を発生する。有機光電変換材料を含む光電変換膜133は、可視域にシャープな吸収スペクトルを持ち、シンチレータ30による発光以外の電磁波が光電変換膜133に吸収されることが殆どない。従って、X線等の放射線が光電変換膜133で吸収されることによって発生するノイズを効果的に抑制することができる。
光電変換膜133を構成する有機光電変換材料は、シンチレータ30で発光した光を最も効率よく吸収するために、その吸収ピーク波長が、シンチレータ30の発光ピーク波長と近いほど好ましい。有機光電変換材料の吸収ピーク波長とシンチレータ30の発光ピーク波長とが一致することが理想的であるが、双方の差が小さければシンチレータ30から発された光を十分に吸収することが可能である。具体的には、有機光電変換材料の吸収ピーク波長と、シンチレータ30の放射線に対する発光ピーク波長との差が、10nm以内であることが好ましく、5nm以内であることがより好ましい。このような条件を満たすことが可能な有機光電変換材料としては、例えばキナクリドン系有機化合物およびフタロシアニン系有機化合物が挙げられる。例えばキナクリドンの可視域における吸収ピーク波長は560nmであるため、有機光電変換材料としてキナクリドンを用い、シンチレータ30の材料としてCsI(Tl)を用いれば、上記ピーク波長の差を5nm以内にすることが可能となり、光電変換膜133で発生する電荷量をほぼ最大にすることができる。
なお、暗電流の増加を抑制するため、電子ブロッキング膜134及び正孔ブロッキング膜135の少なくとも一方を設けることが好ましく、両方を設けることがより好ましい。電子ブロッキング膜134は、下部電極132と光電変換膜133との間に設けることができ、下部電極132と上部電極131との間にバイアス電圧を印加したときに、下部電極132から光電変換膜133に電子が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。電子ブロッキング膜134には、電子供与性有機材料を用いることができる。一方、正孔ブロッキング膜135は、光電変換膜133と上部電極131との間に設けることができ、下部電極132と上部電極131との間にバイアス電圧を印加したときに、上部電極131から光電変換膜133に正孔が注入されて暗電流が増加してしまうのを抑制することができる。正孔ブロッキング膜135には、電子受容性有機材料を用いることができる。
下部電極132は、間隔を隔てて格子状(マトリックス状)に複数形成されており、1つの下部電極132が1画素に対応している。各々の下部電極132は、信号出力部12を構成する電界効果型の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、単にTFTという)40及びキャパシタ50に接続されている。なお、信号出力部12と下部電極132との間には、絶縁膜15が介在しており、信号出力部12は、絶縁性基板16上に形成されている。絶縁性基板16は、シンチレータ30において放射線Xを吸収させるため、放射線Xの吸収性が低く、且つ、可撓性を有する電気絶縁性を有する薄厚の基板(数十μm程度の厚みを有する基板)、具体的には、合成樹脂、アラミド、バイオナノファイバ、あるいは、ロール状に巻き取ることが可能なフイルム状ガラス(超薄板ガラス)等であることが好ましい。
信号出力部12は、下部電極132に対応して、下部電極132に移動した電荷を蓄積するキャパシタ50と、キャパシタ50に蓄積された電荷を電気信号に変換して出力するスイッチング素子であるTFT40が形成されている。
キャパシタ50は、絶縁膜15を貫通して形成された導電配線を介して対応する下部電極132と電気的に接続されている。これにより、下部電極132で捕集された電荷をキャパシタ50に移動させることができる。TFT40は、図示しないゲート電極、ゲート絶縁膜、および活性層(チャネル層)が積層され、さらに、活性層上にソース電極とドレイン電極が所定の間隔を開けて形成されている。
放射線検出器10は、シンチレータ30側から放射線を照射して放射線画像を撮影する、いわゆる裏面読取方式(PSS(Pentration Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ30の表面側でより強い発光が得られる。一方、TFT基板20側から放射線を照射して放射線画像を撮影する、いわゆる表面読取方式(ISS(Irradiation Side Sampling)方式)とされた場合、シンチレータ30のTFT基板20との接合面側でより強い発光が得られる。放射線検出器10は、表面読取方式とされた場合の方が裏面読取方式とされた場合よりもシンチレータ30における発光位置とTFT基板20との間の距離が短くなるため、撮影によって得られる放射線画像の分解能が高い。
図5は、電子カセッテ1を構成する放射線検出器10の電気的な構成を示す図である。本実施形態に係る電子カセッテ1は、放射線画像を撮影する機能のみならず、被写体を介して電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量が所定値に達したことを示す線量検出信号を出力する線量検出機能を有する。本実施形態に係る放射線画像撮影システム200は、自動露出制御(AEC:Automatic exposure control)機能(以下、AEC機能と称する)を有しており、電子カセッテ1から出力された上記の線量検出信号に基づいて放射線源211からの放射線の照射停止のタイミングを制御する。このAEC機能を実現するために、放射線検出器10は、放射線画像を撮影するための複数の撮影用画素60Aに加えて、被写体を透過して電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を検出するための複数の線量検出用画素60Bを有する。
図5に示すように、撮影用画素60Aの各々は、上記した光電変換膜133を含んで構成されるセンサ部13の一部である放射線画像撮影用のセンサ13Aと、センサ13Aで生じた電荷を蓄積するキャパシタ50と、キャパシタ50に蓄積された電荷を読み出す際にオン状態とされるスイッチング素子としてのTFT40とを含んでいる。撮影用画素60Aは、TFT基板20の全面に行および列をなして二次元状に配列されている。
放射線検出器10には、撮影用画素60Aの配列に沿った一定方向(行方向)に延設され、各TFT40をオンオフさせるためのゲート信号を各TFT40に供給するための複数のゲート配線21と、ゲート配線21の伸長方向と交差する方向(列方向)に延設され、オン状態のTFT40を介してキャパシタ50に蓄積された電荷を読み出すための複数の信号配線22と、が設けられている。撮影用画素60Aの各々は、ゲート配線21と信号配線22との各交差部に対応して設けられている。
線量検出用画素60Bは、上記した光電変換膜133を含んで構成されるセンサ部13の一部である放射線の線量検出用のセンサ13Bにより構成される。線量検出用のセンサ13Bは、信号配線22に直接接続されており、センサ13Bで発生した電荷はそのまま信号配線22に流れ出すようになっている。線量検出用のセンサ13Bは、TFT基板20上の全域に亘り分散して配置されている。本実施形態において、センサ13Bの数は、放射線画像撮影用のセンサ13Aの数よりも少ないものとされている。換言すれば、TFT基板20上において線量検出用画素60Bは、撮影用画素60Aよりも低密度で形成されている。放射線画像撮影用のセンサ13Aと線量検出用のセンサ13Bには図示しないバイアス線を介してバイアス電圧が供給され、いずれも照射された放射線の線量に応じた量の電荷を発生させる。なお、放射線画像撮影用のセンサ13Aと線量検出用のセンサ13Bのサイズは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
図6は、線量検出用画素60Bの放射線検出器10上における配置を例示した平面図である。信号配線22の各々には、信号配線22の伸長する方向において互いに隣接する複数(図6に示す例では3つ)の線量検出用画素60Bが接続されており、線量検出用画素60Bが放射線検出器10内において略均一に分散するように配置されている。図6に示す例では、3つの線量検出用画素60B(線量検出用のセンサ13B)が同一の信号配線22に接続されているが、同一の信号配線22に接続される線量検出用画素60Bの数は適宜変更することが可能である。同一の信号配線22に接続された複数の線量検出画素60Bにより生成された電荷は、当該信号配線22上で合流することにより加算される。同一の信号配線22に接続された複数の線量検出用画素60Bにより画素ユニット61が形成され、1つまたは2つ以上の画素ユニット61により後述するブロック62が構成される。なお、図6に示す例では3つの線量検出用画素60B(センサ13B)により画素ユニット61が形成されている。
図7は、本実施の形態に係る撮影システム200の電気系の要部構成を示す図である。図7に示すように、電子カセッテ1に内蔵された放射線検出器10の隣り合う2辺の一辺側にゲート線ドライバ23が配置され、他辺側に信号処理部24が配置されている。ゲート配線21の各々はゲート線ドライバ23に接続され、信号配線22の各々は信号処理部24に接続されている。また、電子カセッテ1は、画像メモリ25、カセッテ制御部26、無線通信部27および電源部28を備えている。
撮影用画素60Aを構成するTFT40は、ゲート線ドライバ23からゲート配線21を介して供給されるゲート信号により行単位でオン状態とされる。TFT40がオン状態とされることによりセンサ13Aで生成されてキャパシタ50に蓄積された電荷が電気信号として各信号配線22を読み出され、信号処理部24に伝送される。一方、線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Bで生成された電荷は、ゲート線ドライバ23からのゲート信号にかかわらず、逐次信号配線22に流れ出し信号処理部24に供給される。
図8は、信号処理部24の構成を示す図である。信号処理部24は、信号配線22の各々に接続された複数のチャージアンプ241を含んでいる。チャージアンプ241の各々は、反転入力端子が対応する信号配線22に接続され、非反転入力端子が接地電位に接続されたオペアンプ(演算増幅回路)241Aと、オペアンプ241Aの反転入力端子に一方の端子が接続され、オペアンプ241Aの出力端子に他方の端子が接続されたキャパシタ241Bと、キャパシタ241Bに並列接続されたリセットスイッチ241Cとを含んでいる。
撮影用画素60Aまたは線量検出用画素60Bの各々において生成された電荷は、信号配線22を介してチャージアンプ241のキャパシタ241Bに蓄積される。チャージアンプ241は、キャパシタ241Bに蓄積された電荷の量に応じた信号レベルを有する電気信号を生成し、これをサンプルホールド回路242に供給する。キャパシタ241Bに蓄積された電荷はカセッテ制御部26から供給される制御信号に応じてリセットスイッチ92Cがオン状態となることにより放電され、これによりチャージアンプ241から出力される電気信号がリセットされる。
サンプルホールド回路242は、カセッテ制御部26から供給される制御信号に応じてチャージアンプ241の出力信号の信号レベルをサンプリングして保持し、その保持している信号レベルをマルチプレクサ243に供給する。
マルチプレクサ243は、サンプルホールド回路242に保持された信号レベルをカセッテ制御部26から供給される制御信号に応じて順次選択して出力する。すなわち、マルチプレクサ243は、サンプルホールド回路242からの電気信号をシリアルデータに変換してこれをA/D(アナログ/デジタル)変換器244に順次供給する。
A/D変換器244は、マルチプレクサ243から順次供給される電気信号の信号レベルをデジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器244は、撮影用画素60Aまたは線量検出用画素60Bの画素値をデジタル信号として出力する。
スイッチ部245は、カセッテ制御部26から供給される制御信号に応じてA/D変換器244からのデジタル信号を、合算処理部246を経由してカセッテ制御部26に伝送するか、直接カセッテ制御部26に伝送するかを選択するためのスイッチである。スイッチ部245のスイッチが接点a側に接続されることによりA/D変換器244からのデジタル信号は合算処理部246に供給され、接点b側に接続されることによりA/D変換器244からのデジタル信号はカセッテ制御部26に供給される。
合算処理部246は、スイッチ部245を介してAD変換器244から供給されるデジタル化された画素値を、カセッテ制御部26から供給される後述するブロック編成情報に基づいて合算する。後述するように、本実施形態に係る電子カセッテ1では、複数の線量検出用画素60Bからなるブロック62が編成される。合算処理部246は、同一のブロックに属する線量検出用画素60Bの画素値を合算する処理をブロック毎に行い、これによって得られた値を当該ブロックの画素値としてカセッテ制御部26に供給する。なお、本実施形態では、AD変換器244から供給されるデジタル化された画素値の合算によってブロック毎の画素値を取得する構成としたが、マルチプレクサ243から供給されるアナログ信号をブロック毎に収集することによりブロック毎の画素値をアナログデータとして取得し、その後、このアナログデータをデジタル化してもよい。
画像メモリ25は所定枚分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ25に順次記憶される。画像メモリ25はカセッテ制御部26と接続されている。
カセッテ制御部26は、電子カセッテ1全体の動作を統括的に制御する。カセッテ制御部26は、マイクロコンピュータを含んで構成され、CPU(中央処理装置)26A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ26B、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部26Cを備えている。カセッテ制御部26には無線通信部27が接続されている。
無線通信部27は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、外部機器との間での無線通信による各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部26は、無線通信部27を介して、放射線画像の撮影に関する制御を行うコンソール230などの外部装置と無線通信が可能とされており、コンソール230等との間で各種情報の送受信が可能とされている。
電子カセッテ1には電源部28が設けられており、各種回路や各素子(ゲート線ドライバ23、信号処理部24、画像メモリ25、無線通信部27、カセッテ制御部26として機能するマイクロコンピュータ)は、電源部28から供給された電力によって作動する。電源部28は、電子カセッテ1の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。なお、図7では、電源部28と各種回路や各素子を接続する配線を省略している。
コンソール230は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ231と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル232と、を備えている。
また、本実施の形態に係るコンソール230は、装置全体の動作を司るCPU233と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM234と、各種データを一時的に記憶するRAM235と、各種データを記憶して保持するHDD(ハードディスク・ドライブ)236と、ディスプレイ231への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ237と、操作パネル232に対する操作状態を検出する操作入力検出部238と、を備えている。また、コンソール230は、無線通信により、放射線発生装置210との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ1との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部239を備えている。
CPU233、ROM234、RAM235、HDD236、ディスプレイドライバ237、操作入力検出部238、および無線通信部239は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU233は、ROM234、RAM235、HDD236へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ237を介したディスプレイ231への各種情報の表示の制御、および無線通信部239を介した放射線発生装置210および電子カセッテ1との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU233は、操作入力検出部238を介して操作パネル232に対するユーザの操作状態を把握することができる。
放射線発生装置210は、放射線源211と、コンソール230との間で曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部213と、受信した曝射条件に基づいて放射線源211を制御する制御部212と、を備えている。制御部212はマイクロコンピュータを含んで構成されており、受信した曝射条件等を記憶する。コンソール230から受信する曝射条件には管電圧、管電流等の情報が含まれている。制御部212は、受信した曝射条件に基づいて放射線源211から放射線を出射させる。
[ブロック編成処理]
以下に、本実施形態に係る電子カセッテ1において実行される複数の線量検出用画素60Bにより構成される画素ブロックのブロック編成処理について説明する。図9は、放射線検出器10に設けられた線量検出用画素60Bにおけるブロック編成の態様を示す図である。電子カセッテ1は、同一の信号配線22に接続された互いに隣接する複数(図9に示す例では3つ)の線量検出用画素60Bからなる画素ユニット61を最小単位としてブロック編成を行い、編成された各ブロックを1つの画素(センサ)とみなして電子カセッテ1に照射された放射線の線量の検出を行う。図9(a)は、1つの画素ユニット61を1つのブロック62内に含むブロック編成を示している。すなわち、各々が3個の放射線検出用画素60Bを含む複数のブロック62が編成されている。図9(b)は、2つの画素ユニット61を1つのブロック62内に含むブロック編成を示している。すなわち、各々が6つの放射線検出用画素60Bを含む複数のブロック62が編成されている。図9(c)は、4つの画素ユニット61を1つのブロック62内に含むブロック編成を示している。すなわち、各々が12個の放射線検出用画素60Bを含む複数のブロック62が編成されている。図9(d)は、9つの画素ユニット61を1つのブロック62内に含むブロック編成を示している。すなわち、各々が27個の放射線検出用画素60Bを含む複数のブロック62が編成されている。このように、電子カセッテ1は、各々が1つまたは複数の画素ユニット61からなる複数のブロック62を編成し、1つのブロック62内に含まれる画素ユニット61の数(すなわち放射線検出用画素60Bの数)を適宜変化させることが可能となっている。つまり、本実施形態に係る放射線検出器10において、複数のブロック62の各々のブロックサイズは可変とされている。
電子カセッテ1によるブロック編成処理の実行に先だって、撮影者による放射線画像の撮影条件の設定入力がコンソール230の操作パネル232を介して行われる。すなわち、コンソール230のCUP233は、所定の初期情報入力画面をディスプレイ231により表示させるようにディスプレイドライバ237を制御する。この初期情報入力画面において、放射線画像の撮影を行う患者(被写体)の氏名、撮影対象部位、撮影時の姿勢、放射線を曝射する際の管電圧および管電流の入力を促すメッセージと、これらの情報の入力領域が表示される。初期情報入力画面がディスプレイ231に表示されると、撮影者は、撮影対象とする患者(被写体)の氏名、撮影対象部位、撮影時の姿勢、および曝射条件を、各々対応する入力領域に操作パネル112を介して入力する。撮影者が初期情報入力画面からの初期情報の入力操作が完了すると、CUP233は、初期情報入力画面において入力された初期情報を、無線通信部119を介して電子カセッテ1に送信する。
電子カセッテ1は、コンソール230から上記の初期情報を受信するとブロック編成処理を実行する。図10は、上記の初期情報を受信した際に電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行されるブロック編成処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。
ステップS11において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、コンソール230から受信した初期情報をメモリ26Bに格納し、ステップS12において、初期情報に含まれる撮影対象部位に関する情報をメモリ26Bから読み出す。
ステップS13において、CUP26Aは、ステップS12においてメモリ26Bから読み出した情報によって示される撮影対象部位に対応する放射線検出用画素20Bにおけるブロック編成(各ブロックのブロックサイズ)を導出する。カセッテ制御部26は、例えば、記憶部26Cに予め記憶されている図11に示すような参照テーブル500を参照することにより、当該撮影対象部位に対応したブロック編成(ブロックサイズ)を導出する。参照テーブル500において、撮影対象部位毎にブロック編成(ブロックサイズ)が対応付けられている。例えば、指などの比較的サイズの小さい部位には、比較的小さいブロックサイズが割り当てられ、胸部などの比較的サイズの大きい部位には比較的大きいブロックサイズが割り当てられている。
ステップS14において、CPU26Aは、ステップS13において導出したブロック編成をメモリ26Bに格納して、本ルーチンが終了する。このように撮影対象部位に応じて当該撮影対象部位の大きさ等に適したブロック編成(ブロックサイズ)を導出して記憶しておくことにより、放射線画像の撮影時において照射される放射線の線量の検出を撮影対象部位のサイズに応じた空間分解能で行うことが可能となる。
[ブロック選別処理]
ところで、適切な自動露出制御(AEC)を行うためには、放射線検出器10において放射線の累積線量の検出に使用する有効なブロック(以下有効ブロックという)の範囲を、放射線検出器10を被写体が覆う領域(以下、被写体領域という)に略一致させることが好ましい。換言すれば、放射線が被写体を透過することなく放射線検出器10に直接照射されるいわゆる素抜け領域に位置するブロックは放射線の線量の検出に使用しない無効なブロック(以下無効ブロックという)として扱うことが好ましい。本実施形態に係る電子カセッテ1は、線量検出用画素60Bを用いて被写体の簡易的な放射線画像を撮影して被写体領域を特定し、特定した被写体領域の直下に位置するブロックを放射線の線量の検出に使用する有効ブロックとして定め、それ以外のブロックを放射線の線量の検出に使用しない無効ブロックとして定めるブロック選別機能を有している。
図12は、上記のブロック選別機能を実現する電子カセッテ1により実行されるブロック選別処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。当該プログラムは、撮影用画素60Aを用いて診断用の放射線画像を撮影する際における所定のタイミングで実行される。なお、本ブロック選別処理プログラムの実行に先だって、上記のブロック編成プログラムが実行され、撮影対象部位に応じて導出されたブロック編成がメモリ26Bに格納されているものとする。
ステップS15において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、線量検出用画素60Bを用いて被写体の放射線画像を撮影する。このとき、CPU26Aは、スイッチ部245に制御信号を供給してスイッチを接点b側に接続する。また、CPU26Aは、ゲート線ドライバ23に制御信号を供給して撮影用画素60AのTFT40を全てオフ状態に駆動する。その後、放射線源211から出射された放射線が被写体を介して電子カセッテ1に照射される。各放射線画素60Aのセンサ13Aで発生した電荷は、キャパシタ50に蓄積される。一方、線量検出用画素60Bのセンサ13Bで発生した電荷は、各信号配線22を介して信号処理部24に供給される。なお、同一の信号配線22に接続された画素ユニット61を構成する複数の線量検出用画素60Bからの電荷は、当該信号配線22上で合流して信号処理部24に供給される。信号処理部24では、各信号配線22を介して供給される画素ユニット61毎の画素値がデジタル値に変換されカセッテ制御部26に供給される。カセッテ制御部26は、デジタル化された画素ユニット61毎の画素値に基づいて、放射線画像を生成して、これを画像メモリ25に格納する。
ステップS16において、CPU26Aは、画像メモリ25に格納された放射線画像を読み出して解析することにより、被写体を透過して放射線が放射線検出器10に照射される領域である被写体領域を特定する。なお、本実施形態においては線量検出用画素60Bの画素数は、撮影用画素60Aの画素数よりも少なく且つ画素ユニット61が1画素として機能するので、線量検出用画素60Bを用いた撮影では比較的解像度の低い画像が得られることとなるが、被写体領域を特定するのに十分な画素数が線量検出用画素60Bにおいて確保されている。
ステップS17において、CPU26Aは、例えば、上記のブロック編成処理(図10参照)によって編成されたブロックのうち、ステップS16において特定された被写体領域と少なくとも一部が重なるブロックを放射線の線量の検出に使用する有効ブロックとして定め、被写体領域と重なる部分を有しないブロックを放射線の線量の検出に使用しない無効ブロックとして定める。つまり、被写体を透過した放射線が照射されるブロックを有効ブロックとし、それ以外のブロックを無効ブロックとする。なお、特定された被写体領域と完全に重なるブロックまたはブロックの半分以上の部分が重なるブロックを有効ブロックとして定めてもよい。
ステップS18において、CPU26Aは、ステップS17において有効ブロックおよび無効ブロックとして定めたブロックの配置を示す配置情報をメモリ26Bに格納して本ルーチンが終了する。
[線量検出処理]
以下に、上記したブロック編成処理によってブロック編成された線量検出用画素60Bを用いて電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量の検出を行う第1の線量検出処理について説明する。
図13は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される第1の線量検出処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。当該プログラムは、撮影用画素60Aを用いて診断用の放射線画像を撮影する際における所定のタイミングで実行される。
ステップS21において、カセッテ制御部26のCPU26Aは信号処理部24のスイッチ部245に対して制御信号を供給する。スイッチ部245は、かかる制御信号を受信すると接点a側にスイッチを接続する。
ステップS22において、CPU26Aは、上記したブロック編成処理(図10参照)において導出したブロック編成の内容を示すブロック編成情報を信号処理部24の合算処理部246に供給する。
ステップS23において、CPU26Aは、信号処理部24のチャージアンプ241に制御信号を供給する。チャージアンプ241は、かかる制御信号を受信すると、リセットスイッチ241Cをオン状態とすることによりチャージアンプ241のリセットを行う。チャージアンプ241のリセットが完了するとリセットスイッチ241Cは、オフ状態に駆動される。
ステップS24において、CPU26Aは、サンプルホールド回路242およびマルチプレクサ243に制御信号を供給してこれらを同期駆動する。その後、放射線が電子カセッテ1に照射されると、撮影用画素60Aの各々および線量検出用画素60Bの各々は電荷を発生させる。放射線が電子カセッテ1に照射されている期間においては、TFT40は全てオフ状態とされ、撮影用画素60Aで生成された電荷はキャパシタ50に蓄積される。一方、線量検出用画素60Bで生成された電荷は、各信号配線22を介して各信号配線に接続されたチャージアンプ241に入力される。なお、同一の信号配線22に接続された画素ユニット61を構成する複数の線量検出用画素60Bからの電荷は、当該信号配線22上で合流して信号処理部24に供給される。
各チャージアンプ241は、信号配線22を介して供給される電荷の量に応じた出力信号を出力する。サンプルホールド回路242は、カセッテ制御部26のCPU26Aから供給される制御信号に応じたサンプリング周期でチャージアンプ241の出力信号のサンプリングを行う。マルチプレクサ243は、各サンプルホールド回路242の出力をサンプリング周期に同期して順次A/D変換器244に供給する。A/D変換器244は、マルチプレクサ243から順次供給されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器244は、各チャージアンプ241の出力をサンプリングした値をデジタル値として順次出力する。A/D変換器244の出力値は、スイッチ部245を介して合算処理部246に順次供給される。
合算処理部246は、ステップS22においてCUP26Aから供給されたブロック編成情報に基づいて放射線検出用画素60Bのブロック編成を把握し、A/D変換器244からの出力値のうち、同一ブロックに属するもの同士を合算する処理をブロック毎に行う。合算処理部246は、ブロック毎に算出した合算値を当該ブロックにおいて検出した放射線の累積線量を示す線量データ(画素値)としてCPU26Aに供給する。
ステップS25において、CPU26Aは、合算処理部246から供給されたブロック毎の線量データ(画素値)を受信する。
ステップS26において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、上記のブロック編成処理(図10参照)のステップS15においてメモリ26Bに格納された線量検出に使用しない無効ブロックの配置を示す配置情報を読み出すことにより、無効ブロックの配置を特定する。
ステップS27において、CPU26Aは、ステップS25において合算処理部246から供給されたブロック毎の線量データ(画素値)のうち、ステップS26において特定した無効ブロックに対応する線量データ(画素値)を除外または破棄する。
ステップS28において、CPU26Aは、残存する有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったか否かを判断する。かかる判断によって、電子カセッテ1は、被写体を透過して放射線検出器10に照射された放射線の累積線量が所定値に達したことを検出する。CPU26Aは、有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったと判断すると処理をステップS29に移行する。
ステップS29において、CPU26Aは、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量が所定値以上となったことを示す線量検出信号を生成し、これをコンソール230に供給して、本ルーチンが終了する。
コンソール230のCPU233は、この線量検出信号を受信すると、放射線の照射停止を指示する制御信号を放射線発生装置210に供給する。放射線発生装置210は、かかる制御信号を受信すると、放射線の照射を停止させる。このように、ブロック編成された線量検出用画素60Bを用いて電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量を検出することにより、放射線源211からの放射線の照射停止のタイミングを制御する自動露出制御(AEC)が実現される。また、本実施形態に係る電子カセッテ1によれば、撮影対象部位に対応したブロック編成がなされるので、撮影対象部位のサイズに応じた空間分解能で放射線の累積線量の検出を行うことが可能となる。また、放射線が被写体を透過することなく放射線検出器10に直接照射されるいわゆる素抜け領域に位置する無効ブロックの画素値を無効とすることで撮影対象部位に応じた自動露光制御(AEC)を適切に行うことが可能となる。なお、本実施形態では有効ブロックの各々における線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったときに放射線源211からの放射線の照射を停止させることとしたが、例えば、1つまたは2つ以上の有効ブロックにおける線量データ(画素値)が所定の閾値以上となったときに放射線源211からの放射線の照射を停止させることとしてもよい。
[欠陥マップ生成処理]
上記したように、本発明の実施形態に係る電子カセッテ1では複数の線量検出用画素60Bからなるブロック62が編成され、ブロック単位で放射線の線量検出が行われる。また電子カセッテ1では複数の線量検出用画素60Bからなるブロック62のブロックサイズは可変とされている。また、本実施形態に係る電子カセッテ1は、以下に説明するように、ブロック単位で欠陥の有無を判定して欠陥マップを生成する機能を有している
図14は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される欠陥マップ生成処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。当該プログラムは、例えば、電子カセッテ1に設けられた図示しないスイッチボタン等の操作入力部に対する操作入力またはコンソール230からの指示などに基づいて実行される。
ステップS31において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、信号処理部24のスイッチ部245に対して制御信号を供給する。スイッチ部245は、かかる制御信号を受信すると接点a側にスイッチを接続する。
ステップS32において、CPU26Aは、信号処理部24の合算処理部246に欠陥マップ生成用のブロック編成の内容を示すブロック編成情報を供給する。ここで欠陥マップ生成用のブロック編成とは、ブロックサイズが最小となるブロック編成をいう。すなわち、ブロック62の各々が、画素ユニット61を1つのみ含むブロック編成を示すブロック編成情報が合算処理部246に供給される。
ステップS33において、CPU26Aは、信号処理部24のチャージアンプ241に制御信号を供給する。チャージアンプ241は、かかる制御信号を受信すると、リセットスイッチ241Cをオン状態とすることにより、チャージアンプ241のリセットを行う。チャージアンプ241のリセットが完了するとリセットスイッチ241Cは、オフ状態に駆動される。
ステップS34において、CPU26Aは、サンプルホールド回路242およびマルチプレクサ243に制御信号を供給してこれらを同期駆動する。その後、放射線が電子カセッテ1に照射されると、撮影用画素60Aの各々および線量検出用画素60Bの各々は電荷を発生させる。放射線が電子カセッテ1に照射されている期間においては、TFT40は全てオフ状態とされ、撮影用画素60Aで生成された電荷はキャパシタ50に蓄積される。一方、線量検出用画素60Bで生成された電荷は、各信号配線22を介して各信号配線22に接続されたチャージアンプ241に入力される。なお、本実施形態に係る電子カセッテ1においては、同一の信号配線22に接続された複数の線量検出用画素60Bからなる画素ユニット61の単位で電荷の読み出しが行われることとなる。
各チャージアンプ241は、信号配線22を介して供給される電荷の量に応じた出力信号を出力する。サンプルホールド回路242は、カセッテ制御部26のCPU26Aから供給される制御信号に応じたタイミングでチャージアンプ241の出力信号のサンプリングを行う。マルチプレクサ243は、各サンプルホールド回路242の出力を順次A/D変換器244に供給する。A/D変換器244は、マルチプレクサ243から順次供給されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。すなわち、A/D変換器244は、各チャージアンプ241の出力のサンプリング値をデジタル値として順次出力する。A/D変換器244の出力値は、スイッチ部245を介して合算処理部246に順次供給される。
合算処理部246は、ステップS32においてCUP26Aから供給されたブロック編成情報に基づいてブロック編成を把握し、A/D変換器244からの出力値のうち、同一ブロックに属するもの同士を合算する処理をブロック毎に行う。ステップS32において供給されたブロック編成情報には、1ブロック内に画素ユニット61を1つのみ含むブロック編成が示されているので、本ステップにおいて合算処理部246は、A/D変換器244からの出力値を合算処理することなくそのままCPU26Aに供給することとなる。すなわち、合算処理部246は、画素ユニット61毎の画素値をCPU26Aに供給する。
ステップS35においてCPU26Aは、合算処理部246から画素ユニット61毎の画素値を受信し、これをメモリ26B内に格納する。
ステップS36においてCPU26Aは、メモリ26Bに格納した画素ユニット61毎の画素値に基づいて、ブロック毎の欠陥の有無を示す欠陥マップを、図9(a)〜図9(d)において例示すようなブロック編成毎に生成する。
図15は、上記ステップS36における処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS361においてCPU26Aは、ブロック編成番号iに1をセットする。ブロック編成番号とは、図9(a)〜図9(d)に示すようなブロック編成の各々を識別するために便宜的に付与された番号である。
ステップS362においてCPU26Aは、ブロック編成番号1に対応するブロック編成における各ブロック62の画素値Pを算出する。すなわち、CPU26Aは、メモリ26Bに格納された画素ユニット61毎の画素値のうち、同一ブロックに属するもの同士を合算して得た値を当該ブロック62の画素値Pとして算出する。例えば、ブロック編成番号1に対応するブロック編成が図9(a)に示すような、1ブロック内に1つの画素ユニット61を含むものである場合、メモリ26Bに格納された画素ユニット61毎の画素値をそのまま当該ブロック62の画素値Pとして算出する。一方、ブロック編成番号1に対応するブロック編成が図9(b)に示すような、1ブロック内に2つの画素ユニット61を含むものである場合、メモリ26Bに格納された画素ユニット61毎の画素値のうち、同一ブロックに属する2つの画素値を合算して得た値を当該ブロック62の画素値Pとして算出する。このようにして、CPU26Aは、メモリ26Bに格納された画素ユニット61毎の画素値に基づいて、ブロック編成番号1に対応するブロック編成における各ブロック62の画素値Pを算出する。
ステップS363において、CPU26Aは、ステップS362において算出されたブロック62毎の画素値Pの平均値Xを算出する。
ステップS363において、CPU26Aは、ステップS362において算出されたブロック62毎の画素値PとステップS363において算出された平均値Xとの比P/Xをブロック毎に算出する。そして、ブロック毎に算出されたP/Xについて、Tmin≦P/X≦Tmaxを満たすか否かを判定する。ここで、Tminは、例えば0.8であり、Tmaxは例えば1.2である。この場合、当該画素値Pが平均値Xの80%以上120%以下の範囲内にあるか否かが判定される。なお、TminおよびTmaxの値は適宜変更することが可能である。CPU26Aは本ステップ363において肯定判定を行った場合、当該ブロック画素を正常ブロックと判定し(ステップS365)、否定判定を行った場合、当該ブロックを欠陥ブロックと判定する(ステップS366)。つまり、平均値Xから大きく逸脱している画素値Pを出力するブロックが欠陥ブロックとして判定される。CPU26Aは、このような欠陥判定を全てのブロックに対して実施する。
ステップS367において、CPU26Aは、欠陥ブロックまたは正常ブロックの判定結果を当該ブロックの配置に対応付けてメモリ26Bに記憶する。これにより、ブロック編成番号1に対応するブロック編成における欠陥マップの生成が完了する。
ステップS368において、CPU26Aは、ブロック編成番号iの値を1つインクリメントし、ステップS369において、iの値が想定されるブロック編成の数imaxよりも小さいか否かを判断する。ステップS369において否定判定となった場合は、想定される全てのブロック編成について欠陥マップの生成が完了していないものとして処理はステップS362に戻される。その後、新たなブロック編成についての欠陥マップが、上記の手順で生成される。想定される全てのブロック編成について欠陥マップの生成が完了すると、ステップS369において肯定判定となって本ルーチンが終了する。
このように本実施形態に係る電子カセッテ1では、ブロック毎の欠陥の有無を示す欠陥マップを、想定される複数のブロック編成の各々について生成する。なお、本実施形態では、各ブロックの画素値Pを全ブロックの画素値の平均値Xと比較することによって当該ブロックの欠陥判定を行うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば隣接する周囲のブロックの画素値との差分に基づいて欠陥判定を行うこととしてもよいし、ブロック編成毎(ブロックサイズ毎)に予め定められた閾値を用いて欠陥判定を行うこととしてもよい。また、本実施形態では、放射線を照射した場合の画素値に基づいて欠陥判定を行う場合を例示したが、放射線を照射しない場合の画素値に基づいて欠陥判定を行うこととしてもよい。放射線を照射しない場合でも、線量検出画素60Bは暗電荷を発生させる為、リークや断線等の欠陥を適切に検出することが可能である。
[配置情報報知処理]
本実施形態に係る電子カセッテ1は、上記の欠陥マップ生成処理(図14、15参照)において生成された欠陥マップに基づいて、欠陥ブロックの配置をユーザに報知する機能を有している。
電子カセッテ1は、例えば、上記したブロック編成処理が終了したタイミングで、上記の欠陥マップ生成処理において欠陥と判定したブロックの配置を示す配置情報をコンソール230に送信する配置情報報知処理を実行する。図16は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される配置情報報知処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。なお、当該プログラムの実行に先だって、上記したブロック編成処理(図10参照)において、撮影対象部位に対応するブロック編成が導出されているものとする。
ステップS51において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、ブロック編成処理(図10参照)において導出したブロック編成に対応する欠陥マップをメモリ26Bから読み出す。
ステップS52においてCPU26Aは、ステップS51においてメモリ26Bから読み出した欠陥マップから欠陥ブロックの配置を抽出する。
ステップS53においてCPU26Aは、抽出した欠陥ブロックの配置を示す配置情報を生成してこれを無線通信部27を介してコンソール230に送信して、本ルーチンが終了する。
電子カセッテ1から送信された配置情報は、コンソール230の無線通信部239により受信される。コンソール230のCPU233は、ディスプレイドライバ237を駆動することにより、受信した配置情報によって示される欠陥ブロックの配置を例えば図17(a)に示すような態様でディスプレイ231に表示させる。撮影者は、電子カセッテ1に生じている欠陥ブロックの配置をディスプレイ231を通じて視認することができる。これにより、撮影者は、欠陥ブロックを回避して被写体である患者のポジショニングを行うなどの措置を講じることが可能となる。
なお、上記の実施形態ではカセッテ制御部26のCPU26Aは、欠陥ブロックの配置を示す配置情報をコンソール230に送信することとしたが、欠陥ブロック以外の正常ブロックの配置を示す配置情報、または欠陥ブロックを回避した推奨撮影エリアを示す配置情報をコンソール230に送信することとしてもよい。コンソール230のディスプレイ231において、図17(b)に示すように、欠陥ブロックを回避した推奨撮影エリアを、欠陥ブロックの配置表示に代えてまたは欠陥ブロックの配置表示と共に表示することとしてもよい。また、上記の実施形態では、コンソール230のディスプレイ231に欠陥ブロックの配置を表示することとしたが、電子カセッテ1に表示部を設けてこの表示部上に欠陥ブロック等の配置を表示することとしてもよい。また、放射線検出器の検出面を複数の領域に分割した分割エリア毎に欠陥ブロックの数を計数して、欠陥ブロックの数が比較的少ない1つまたは2つ以上の分割エリアを推奨撮影エリアとして定め、該推奨撮影エリアを示す配置情報をコンソール230に送信することとしてもよい。また、欠陥ブロック数が所定値よりも大きい1つまたは2つ以上の分割エリアを撮影禁止エリアとして定め、該撮影禁止エリアを示す配置情報をコンソール230に送信することとしてもよい。
[ブロック再編成処理]
本実施形態に係る電子カセッテ1では、上記したブロック編成処理(図10参照)において編成されたブロック62のいずれかに欠陥ブロックが存在する場合には、撮影者からの指示等に応じてブロックの編成を変更するブロック再編成機能を有している。
図18は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される第1のブロック再編成処理の内容を示す図であり、図18(a)は、再編成処理前の線量検出用画素60Bにおけるブロック編成の一例を示す図である。すなわち、図18(a)に示すブロック編成は、上記した電子カセッテ1によるブロック編成処理(図10参照)において撮影対象部位に基づいて編成されたものである。図18(b)は、図18(a)に示すブロック編成に対して再編成されたブロック編成の一例を示す図である。
図18(a)に示す例では、1つのブロック62内に4つの画素ユニット61を含むブロック編成が例示されている。また、この例では、ブロック62a内の画素ユニット61aにおいて欠陥画素が含まれおり、ブロック62a内における他の3つ画素ユニットは、正常であるものとする。そして、上記した欠陥マップ生成処理においてブロック62aは、欠陥ブロックと判定されているものとする。本実施形態に係る電子カセッテ1では、ブロック単位で放射線の線量の検出を行うところ、欠陥ブロックから得られる画素値は無効なものとして取り扱うので、欠陥ブロック上に被写体を配置することは適切な自動露光制御(AEC)を行う上で好ましくない。従って、放射線検出器10内に欠陥ブロックが存在する場合には、当該欠陥ブロックを回避するように被写体のポジショニングを行う等の措置が必要となるが、欠陥ブロックの配置によっては正常ブロックが欠陥ブロックによって分断されてしまい、欠陥ブロックを回避したポジショニングが困難となる場合がある。例えば、図18(a)に示す例では、欠陥ブロック62aに隣接するブロック62b、63c、62dは、事実上正常ブロックとして使用することは困難である。
そこで、カセッテ制御部のCPU26Aは、ブロック62の再編成を行うべき指示が例えばコンソール230から通知された場合には、図18(b)に示すようにブロックの再編成処理を実行する。図18(b)においては、図18(a)に示す当初のブロック編成に対してブロック62の各々のブロックサイズが拡大するようにブロック編成が変更されている。すなわち、1つのブロック62内に4つの画素ユニット61を含むブロック編成(図18(a))から1つのブロック62内に9つの画素ユニット61を含むブロック編成(図18(b))に変更されている。このようにブロックサイズの変更を伴うブロック再編成を行うことにより、放射線検出器10において欠陥ブロックの配置が移動するので、比較的面積の大きい連続した正常ブロックエリアが確保できる可能性があり、その結果、被写体のポジショニングが容易となる場合がある。図18に示す例では、当初のブロック編成においてブロック62aに属していた欠陥画素を含む画素ユニット61aは、新たに編成されたブロック62eに属することとなる。この場合、ブロック62eが欠陥ブロックと判定される可能性はあるものの、欠陥ブロックの位置が放射線検出器10のコーナ部に移動するので、比較的面積の大きい連続した正常ブロックエリアを確保することができる。これにより、欠陥ブロックを回避して正常ブロックのみを用いて線量検出を行うことが容易となる。
また、本実施形態に係る電子カセッテ1では、ブロック内の全ての画素ユニット61からの画素値を合算して得た値を当該ブロックの画素値Pとして算出し、この画素値Pに基づいて当該ブロックの欠陥判定を行うので、ブロックサイズを拡大するブロック再編成を行うことにより、欠陥画素を含む画素ユニット61のブロック内における影響は相対的に小さくなる。その結果、再編成後におけるブロックが欠陥ブロックと判定される可能性は低くなる。すなわち、ブロック再編成前において欠陥ブロックと判定されるブロックが存在する場合でも、ブロックサイズを拡大するブロック再編成を行うことにより、欠陥ブロックと判定されるブロックがなくなる若しくは減少する可能性がある。欠陥ブロックと判定されるブロックの数が減少することにより、欠陥ブロックを回避して正常ブロックのみを用いて線量検出を行うことが容易となる。なお、図18では、ブロックサイズを拡大する場合を示したが、ブロックサイズが縮小するようにブロック62の再編成を行うこととしてもよい。ブロックサイズを縮小場合でも、欠陥ブロックの配置を移動させることが可能であり、これによって欠陥ブロックを回避して正常ブロックのみを用いて線量検出を行うことが容易となる場合がある。
図19は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される第2のブロック再編成処理の内容を示す図であり、図19(a)は、再編成処理前の線量検出用画素60Bにおけるブロック編成の一例を示す図である。すなわち、図19(a)に示すブロック編成は、上記した電子カセッテ1によるブロック編成処理(図10参照)により撮影対象部位に基づいて編成されたものである。図19(b)は、図19(a)に示すブロック編成に対して再編成されたブロック編成の一例を示す図である。
図19(a)に示すブロック編成は、上記した図18(a)のブロック編成と同様である。この例においても、ブロック62a内の画素ユニット61aにおいて欠陥画素が含まれおり、ブロック62a内における他の3つ画素ユニットは、正常であるものとする。そして、上記した欠陥マップ生成処理においてブロック62aは、欠陥ブロックと判定されているものとする。
カセッテ制御部26のCPU26Aは、ブロックの再編成を行うべき指示が例えばコンソール230から通知された場合には、図19(b)に示すようにブロックの再編成処理を行う。すなわち、カセッテ制御部26のCPU26Aは、図19(a)に示すブロック編成に対してブロックサイズを変えることなく、ブロック62の各々を画定するブロック間の境界を移動させる。すなわち、CPU26Aは、互いに隣接するブロック間を隔てる境界線Lをずらすことによりブロックの再編成を行う。図19(b)に示す例では、ブロック62の境界線Lを画素ユニット1つ分だけ図の横方向にずらした場合が例示されているが、境界線Lをずらす方向やずらす量は適宜変更することが可能である。このようなブロックの再編成処理によれば、ブロックサイズを維持したまま欠陥ブロックの配置を移動することが可能となる。図19に示す例では、当初のブロック編成においてブロック62aに属していた欠陥画素を含む画素ユニット61aは、新たに編成されたブロック62fに属することとなる。このように欠陥ブロックの配置を移動させることにより、比較的面積の大きい連続した正常ブロックエリアを確保できる可能性があり、その結果、ポジショニングが容易となる可能性がある。なお、上記の説明では、理解を容易にするためにブロックの境界線Lを示しているが、現実には、CPU26Aは、同一ブロックに含める画素ユニット61の組み合わせを変更する処理を行う。
ここで、図19(b)に示すようにブロックの境界線Lをずらした場合には、放射線検出器10内におけるブロックの総数が変化するとともに、ブロック61gなどの放射線検出器10の外周部に位置するブロックのブロックサイズが変化する場合がある。このように、放射線検出器10内のブロック総数が変化したり、サイズの異なるブロックが混在しているとブロック単位に行われる線量検出、欠陥判定および後述する画像生成などの処理が煩雑となる。そこで、図20(a)に示すように、放射線検出器10の外周部に1つまたは複数の画素ユニット分の幅のバッファ領域63(ハッチングで示す)を設けておくことが好ましい。バッファ領域63には、複数の線量検出用画素60Bが形成されており、再編成が行われる前のブロック編成においては線量検出などに使用されない無効な領域とされ、バッファ領域63の内側が線量検出などに使用される有効領域R1とされている。ブロック再編成処理によってブロック62の境界線Lの位置をずらした場合には、図20(b)に示すように、バッファ領域63の一部が有効領域R1内に組み込まれる。このように放射線検出器10の外周部に通常は使用しないバッファ領域63を設けておき、ブロック再編成処理によってブロック62の境界線Lをずらした場合には、バッファ領域63を適宜使用することにより放射線検出器10内におけるブロック62の総数の変化や、サイズの異なるブロックの混在の発生を防止することが可能となる。
[放射線画像撮影処理]
以下に、電子カセッテ1において、撮影用画素60Aを用いて診断用の放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影処理について説明する。図21は、電子カセッテ1のカセッテ制御部26のCPU26Aにより実行される放射線画像撮影処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。なお、この放射線画像撮影処理プログラムの実行に先だって、上記した欠陥マップ生成処理プログラム(図14、15参照)が実行されてカセッテ制御部26のメモリ26Bには、想定されるブロック編成毎の欠陥マップが記憶されているものとする。
電子カセッテ1を用いて診断用の放射線画像の撮影を行う際、コンソール230のディスプレイ231には所定の初期情報を入力するための初期情報入力画面が表示される。初期情報入力画面において、例えば、放射線画像の撮影を行う患者(被写体)の氏名、撮影対象部位、撮影時の姿勢、放射線を曝射する際の管電圧および管電流等の曝射条件の入力を促すメッセージと、これらの初期情報の入力領域が表示される。撮影者は、この初期情報入力画面から所定の初期情報を操作パネル232を介して入力する。
上記の初期情報は、無線通信部239を介してコンソール230から電子カセッテ1に送信される。また、上記の初期情報に含まれる曝射条件は、無線通信部239を介して放射線発生装置210に送信される。これに応じて放射線発生装置210の制御部212は、受信した曝射条件での曝射準備を行う。
電子カセッテ1は、コンソール230から上記の初期情報を受信すると放射線画像撮影処理プログラムを実行する。
ステップS60において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、上記のブロック編成処理(図10参照)を実行する。このブロック編成処理において、コンソール230から供給された上記の初期情報によって示される撮影対象部位に応じたブロック編成が導出される。
ステップS61において、CPU26Aは、上記の配置情報報知処理(図16参照)を実行する。これにより、当該ブロック編成における欠陥ブロックの配置がコンソール230のディスプレイ231に表示される。撮影者は、コンソール230のディスプレイ231に表示された欠陥ブロックの配置を確認した上で、ブロック62の再編成を行うか否かの指示を操作パネル232を介して行うことができる。
そこで、カセッテ制御部26のCPU26Aは、ステップS62においてコンソール230からブロック再編成の要求がなされたか否かを判定する。コンソール230からブロック再編成の要求があった場合には、CPU26Aは、ステップS63において、図18および図19に例示したようなブロックの再編成処理を行う。一方、コンソール230からブロック再編成の要求がなかった場合には、CPU26Aは、ブロック62の再編成を行うことなく処理をステップS64に移行する。
ステップS64において、CPU26Aは、コンソール230から放射線の照射開始の指示待ちを行う。CPU26Aは、放射線の照射開始の指示を受信すると、処理をステップS65に移行する。
ステップS65において、CPU26Aは、撮影用画素60Aを用いた診断用の放射線画像の撮影を開始する。具体的は、CPU26Aは、全てのTFT40をオフ状態とすべくゲート線ドライバ23に制御信号を供給する。これにより、撮影用画素60Aでは、放射線の照射に応じて発生した電荷の蓄積が開始され、放射線画像の撮影動作に移行する。
かかる撮影用画素60Aを用いた診断用の放射線画像の撮影に並行してステップS66において、CPU26Aは、上記したブロック選別処理(図12参照)を実行する。これにより、線量検出画素60Bを用いた簡易的な放射線画像の撮影が行われ、得られた放射線画像に基づいて被写体領域が特定され、特定された被写体領域と有効ブロックの範囲が重なるように有効ブロックと無効ブロックの設定がなされる。
ステップS66におけるブロック選別処理が完了すると、ステップS67においてCPU26Aは、上記の線量検出処理(図13参照)を実行する。すなわち、撮影用画素60Aにおける電荷蓄積に並行して線量検出用画素60Bにおいて放射線の累積線量の検出が行われる。放射線の累積線量の検出は、ステップS60において編成されたブロックまたはステップS63において再編成されたブロック単位で行われる。ステップS67において、CPU26Aは、線量検出用画素60Bの有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値を超えたと判断すると、線量検出信号をコンソール230に送信する。コンソール230のCPU233は、この線量検出信号を受信すると放射線の照射停止を指示する指示情報を放射線発生装置210に供給する。放射線発生装置210は、かかる制御信号を受信すると放射線の照射を停止させる。なお本ステップが完了するまでの間、撮影用画素60Aにおける電荷蓄積は継続される。
ステップS68において、CPU26Aは、撮影用画素60Aに蓄積された電荷の読み出しを行って診断用の放射線画像を生成する。具体的にはCPU26Aは、信号処理部24のスイッチ部245に制御信号を供給してスイッチ部245のスイッチを接点b側に接続するとともにゲート線ドライバ23に制御信号を供給することによりゲート線ドライバ23から1ラインずつ順に各ゲート配線21にオン信号を出力させ、各ゲート配線21に接続された各TFT40を1ラインずつ順にオンさせる。これにより、各撮影用画素60Aのキャパシタ50に蓄積された電荷が各信号配線22に読み出され、信号処理部24でデジタル信号に変換されてCPU26Aに供給される。CPU26Aは、デジタル化された撮影用画素60Aの画素値に基づいて診断用の画像データを生成し、これを画像メモリ25に記憶する。
ステップS69において、CPU26Aは、画像メモリ25に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データを無線通信部27を介してコンソール230に送信した後、本ルーチンを終了する。
コンソール230では、電子カセッテ1から供給された画像データをHDD236に記憶し、この画像データにより示される放射線画像をディスプレイ231に表示させる。また、コンソール230は、この画像データを病院内ネットワーク110を介してRISサーバ104へ送信する。なお、RISサーバ104へ送信された画像データはデータベース104Aに格納される。
このように、本実施形態に係る電子カセッテ1によれば、撮影用画素60Aを用いて診断用の放射線画像を撮影している期間内に線量検出用画素60Bを用いて被写体領域を特定するための簡易的な放射線画像の撮影を行うことができので、1回の放射線の照射で有効ブロックの範囲の設定と診断用の放射線画像の生成とを行うことが可能である。
[欠陥ブロックの取り扱い]
本実施形態に係る電子カセッテ1において、ブロック編成された線量検出用画素60Bのブロック62内に欠陥ブロックを含む場合には、放射線の累積線量を検出する線量検出処理においては、欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を無効なものとして扱うこととしてもよい。
図22は、このような線量検出処理を実現するための第2の線量検出処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。なお、この第2の線量検出処理プログラムの実行に先だって、上記した欠陥マップ生成処理プログラム(図14、15参照)が実行されてカセッテ制御部26Bには、想定されるブロック編成の各々に対応する欠陥マップが記憶されているものとする。
なお、ステップS81〜S85における処理は、上記の第1の線量検出処理(図13参照)のステップS21〜S25における処理と同様であるので、これらの説明は省略する。
ステップS86において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、上記のブロック編成処理(図10参照)におけるステップS15においてメモリ26Bに格納された線量検出に使用しない無効ブロックの配置を読み出すとともに、上記の欠陥マップ生成処理(図14、15参照)におけるステップS36においてメモリ26Bに格納された当該ブロック編成に対応する欠陥マップをメモリ26Bから読み出す。これにより、CPU26Aは、無効ブロックおよび欠陥ブロックの配置を特定する。
ステップS87において、CPU26Aは、ステップS85において合算処理部246から供給されたブロック毎の線量データ(画素値)のうち、ステップS86において特定した無効ブロックおよび欠陥ブロックに対応する線量データ(画素値)を除外または破棄する。
ステップS88において、CPU26Aは、残存する有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったか否かを判断する。かかる判断によって、電子カセッテ1は、被写体を透過して放射線検出器10の撮影面に照射された放射線の累積線量が所定値に達したことを検出する。CPU26Aは、欠陥ブロックを除く有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったと判断すると処理をステップS89に移行する。
ステップS89において、CPU26Aは、電子カセッテ1に照射された放射線の累積線量が所定値以上となったことを示す線量検出信号を生成し、これをコンソール230に供給して、本ルーチンが終了する。なお、本実施形態では欠陥ブロックを除く有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったときに放射線源211からの放射線の照射を停止させることとしたが、例えば、欠陥ブロックを除く1つまたは2つ以上の有効ブロックからの線量データ(画素値)が所定の閾値以上となったときに放射線源211からの放射線の照射を停止させることとしてもよい。
このように、本実施形態に係る第2の線量検出処理によれば、放射線が被写体を透過することなく放射線検出器10に直接照射されるいわゆる素抜け領域に位置する無効ブロックおよび欠陥ブロックの画素値は、放射線の累積線量の検出を行うための判定の対象から除外されるので、有効ブロックのうちの正常ブロックのみを用いて放射線の累積線量の検出を行うことが可能となる。すなわち、欠陥ブロックの異常な画素値に基づいて放射線の累積線量の検出が行われることが防止されるので、自動露光制御(AEC)を適切に行うことが可能となる。
なお、電子カセッテ1は、欠陥ブロックからの画素値を無効とはせずにこれを放射線の累積線量の検出を行うための判定の対象に含める上記の第1の線量検出処理(図13参照)と、上記の第2の線量検出処理(図22参照)とのいずれか一方を選択可能に構成されていてもよい。すなわち、電子カセッテ1は、欠陥ブロックをも用いて放射線の累積線量の検出を行う第1のモードと、欠陥ブロックを用いることなく正常ブロックのみで放射線の累積線量の検出を行う第2のモードのいずれかを選択できるように構成されていてもよい。例えば、欠陥ブロックがリークや出力低下等の低度の欠陥を有するものである場合には、欠陥ブロックを含めて放射線の累積線量の検出を行うことでより適確な線量検出を行うことができる場合がある。一方、欠陥ブロックがショートまたはオープン等の高度の欠陥を有するものである場合には、欠陥ブロックを使用せずに正常ブロックのみを使用することでより適確な線量検出を行うことができる。上記した2つのモードを選択可能とすることで、欠陥ブロックの欠陥の程度に応じていずれかのモードを選択することができるので、より適切に放射線の累積線量の検出を行うことが可能となる。なお、上記2つのモードの選択は、例えばコンソール230から供給される選択指示を電子カセッテ1の無線通信部27が受信することにより行うことができる。
また、欠陥マップ生成処理(図14参照)において欠陥と判定された欠陥ブロックの画素値を当該欠陥ブロックに隣接する周囲の正常ブロックの画素値を用いて補正してもよい。例えば、欠陥ブロックの画素値を当該欠陥ブロックに隣接する正常ブロックの画素値に置換してもよい。また、欠陥ブロックの画素値を当該欠陥ブロックに隣接する複数のブロックの画素値の平均値に置換してもよい。また、このような補正処理を画素ユニット61の単位で行うこととしてもよい。すなわち、上記した欠陥マップ生成処理(図14参照)によれば、線量検出用画素60Bのブロック62の最小単位である画素ユニット61毎に欠陥の有無を判定することができるので、欠陥と判定された画素ユニット61をこれに隣接する正常な画素ユニット61の画素値を用いて補正した後、ブロック編成を行うこととしてもよい。
このように、本実施形態に係る電子カセッテ1では、欠陥ブロックの画素値のみを用いて放射線の線量の検出が行われることのないように欠陥ブロックの画素値は無効とされ、または補正される。
また、本実施形態に係る電子カセッテ1では、上記したように、線量検出用画素60Bは、照射された放射線の累積線量を検出するために用いられるだけでなく、被写体領域を特定するための簡易的な放射線画像の撮影にも用いられる。ここで、線量検出用画素60Bのブロック62に欠陥ブロックが存在する場合、欠陥ブロックの画素値からは適切な放射線の累積線量を得ることはできない。従って、上記した第2の線量検出処理(図22参照)のように、欠陥ブロックの画素値を無効なものとして扱うことが好ましい。つまり、線量検出用画素60Bを放射線の累積線量を検出するために用いる場合には欠陥ブロックを使用しないことが好ましい。一方、被写体領域を特定することを目的として線量検出用画素60Bを簡易的な放射線画像を撮影するために用いる場合においては、欠陥ブロックから適正な画素値が得られなかったとしても、これによる画質への影響は限定的であるので、被写体領域を特定する上では問題とならない場合が多い。
そこで、本実施形態に係る電子カセッテ1では、線量検出用画素60Bについて編成されたブロック62のいずれかに欠陥が生じている場合において、線量検出用画素60Bを簡易的な放射線画像の撮影に用いる場合には欠陥ブロックからの画素値を有効なものとして扱う一方、線量検出用画素60Bを放射線の累積線量の検出に用いる場合には欠陥ブロックからの画素値を無効なものとして扱う。具体的には、図21に示す放射線画像撮影処理プログラムのステップS66におけるブロック選別処理において被写体領域の特定を行うために行われる線量検出用画素60Bを用いた簡易的な放射線画像の撮影においては、欠陥ブロックからの画素値を破棄することなくこれを有効なものとして処理して放射線画像の生成を行う。仮に、欠陥ブロックの画素値を無効なものとして扱った場合には、当該欠陥ブロックに対応する画像部分が欠落してしまうことになり、画質が劣化して被写体領域の特定が困難となる場合ある。本実施形態のように欠陥ブロックの画素値を有効なものとして扱うことにより、適正な画素値を得ることはできないものの、当該欠陥ブロックに対応する画像部分が完全に欠落してしまうことがなくなるので、画質の劣化が抑制され、被写体領域の特定を容易とすることができる。一方、図21に示す放射線画像撮影処理プログラムのステップS67における線量検出処理において線量検出用画素60Bを用いて放射線の累積線量を検出する場合には、欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を除外または破棄し、正常ブロックからの線量データ(画素値)のみを用いて放射線の累積線量の検出を行う。このように、欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を無効なものとして扱うことで、放射線の累積線量の検出をより正確に行うことが可能となる。
なお、電子カセッテ1は、線量検出用画素60Bを用いて簡易的な放射線画像の撮影を行う際に、上記したように欠陥ブロックからの画素値を有効なものとして扱う第1のモードと、欠陥ブロックからの画素値を無効なものとして扱う第2のモードのいずれかを選択できるように構成されていてもよい。欠陥ブロックからの異常な画素値によって画質が著しく劣化して被写体領域の特定が困難となる場合に、第2のモードを選択して欠陥ブロックに対応する画像部分を欠落させることにより被写体領域の特定が可能となる場合ある。なお、上記2つのモードの選択は、例えばコンソール230から供給される選択指示を電子カセッテ1の無線通信部27が受信することにより行うことができる。
[閾値調整処理]
本実施形態に係る電子カセッテ1は、有効ブロック内に欠陥ブロックを含む場合には、図22に示す第2の線量検出処理において欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を無効なものとして扱う。一方、この線量検出処理におけるステップS88では欠陥ブロックを除く有効ブロックの各々からの線量データ(画素値)の合算値が所定の閾値以上となったか否かを判断するところ、有効ブロック内に欠陥ブロックが含まれる場合には欠陥ブロックの数に応じて上記合算値が変動するので、上記閾値を固定値とすると放射線の累積線量が所定値に達したことを適切に検出することができない。そこで、本実施形態に係る電子カセッテ1では、欠陥ブロックの発生状況に応じて上記の閾値を変化させる閾値調整機能を有している。
本実施形態に係る電子カセッテ1では、被写体を透過して放射線検出器10に照射された放射線の累積線量が所定値以上となったか否かを判定するための閾値を、欠陥ブロックの発生状況に応じて以下のようにして調整する。すなわち、カセッテ制御部26のCPU26Aは、図23に示すような参照テーブル501を参照して上記閾値の設定を行う。参照テーブル501において、線量検出用画素60Bの1つの画素ユニット61あたりの閾値tが撮影対象部位毎に定められている。参照テーブル501は、カセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に記憶されている。
カセッテ制御部26のCPU26Aは、例えばコンソール230から供給される初期情報または線量検出用画素60Bを用いて撮影される放射線画像に基づいて撮影対象部位を特定し、特定した撮影対象部位をキーとして参照テーブル501を検索することにより当該撮影対象部位に対応する1画素ユニットあたりの閾値tを抽出する。そして、ブロック編成処理(図10参照)において導出されたブロック編成におけるブロックサイズ(1ブロック内に含まれる画素ユニットの数)をS、有効ブロック数をNe、有効ブロックのうち欠陥マップ生成処理(図14参照)において欠陥と判定された欠陥ブロックの数をNdとすると、CPU26Aは、第2の線量検出処理(図22参照)のステップS88における閾値Tを下記の式(1)を演算することにより求める。
T=t×S×(Ne−Nd) ・・・(1)
このように、本実施形態に係る閾値設定処理によれば、欠陥ブロックの発生状況に応じた適切な閾値にて放射線の累積線量の検出を行うことが可能となり、その結果、適切な自動露光制御(AEC)を行うことが可能となる。
[有効ブロック再設定処理]
本実施形態に係る電子カセッテ1は、有効ブロック内に欠陥ブロックを含む場合には、図22に示すように線量検出処理において欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を無効なものとして扱う。従って、有効ブロックの大部分が欠陥ブロックである場合には、放射線の累積線量の検出を適切に行うことができなくなるおそれがある。そこで、本実施形態に係る電子カセッテ1では、有効ブロック内における欠陥ブロックの割合が所定値以上となった場合に、有効ブロックの再設定を行う有効ブロック再設定機能を有している。
図24は、カセッテ制御部26のCPU26Aによって実行される有効ブロック再設定処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはカセッテ制御部26の記憶部26Cの所定領域に予め記憶されている。当該プログラムは、例えば、ブロック編成処理プログラム(図10参照)に引き続いて実行される。
ステップS91において、カセッテ制御部26のCPU26Aは、上記のブロック選別処理(図12参照)において設定された有効ブロックの配置を示す情報をメモリ26Bから読み出す。
ステップS92においてCPU26Aは、上記の欠陥マップ生成処理(図14、15参照)において欠陥と判定された欠陥ブロックの配置を示す情報をメモリ26Bから読み出す。
ステップS93において、CPU26Aは、メモリ26Bから読み出した有効ブロックおよび欠陥ブロックの配置を示す情報に基づいて有効ブロックのうち欠陥ブロックが占める割合が所定値(例えば50%)よりも高か否かを判断する。本ステップにおいて、CPU26Aは有効ブロックのうち欠陥ブロックの占める割合が所定値よりも高いと判断すると、処理をステップS94に移行する一方、欠陥ブロックの占める割合が所定値未満であると判断した場合には本ルーチンが終了する。
ステップS94において、CPU26Aは有効ブロックに隣接する正常ブロックを新たな有効ブロックとして定め、当該新たな有効ブロックの配置をメモリ26Bに記憶すると、本ルーチンが終了する。
このように有効ブロック再設定を行うことにより、有効ブロックの大部分が無効ブロックとなった場合には、有効ブロックに隣接する正常ブロックが新たな有効ブロックとして設定されるので、有効ブロック内に欠陥ブロックを多く含む場合でも放射線の累積線量の検出を適切に行うことができる。なお、有効ブロックの全てが欠陥ブロックとなった場合に、有効ブロックに隣接する正常ブロックを新たな有効ブロックとして定めることしてもよい。
また、カセッテ制御部26のCPU26Aは、全ブロックまたは有効ブロックにおける欠陥ブロックの占める割合が所定値以上であるものと判定した場合には、放射線の累積線量の検出は不可である旨のメッセージを電子カセッテ1の表示部(図示せず)に表示するか、または無線通信部27を介してコンソール230に送信することとしてもよい。当該メッセージがコンソール230に送信された場合には、コンソール230のディスプレイ231に当該メッセージが表示される。撮影者は、このメッセージに基づいて例えば、イオンチャンバ等の従来の線量検出用のデバイスを本実施形態に係る電子カセッテ1と併用して放射線の累積線量の検出を行うなどの措置を講じることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態に係る電子カセッテ1では、線量検出用画素60Bを簡易的な放射線画像の撮影に用いる場合には欠陥ブロックからの画素値を有効なものとして扱う一方、線量検出用画素60Bを放射線の累積線量の検出に用いる場合には欠陥ブロックからの画素値を無効なものとして扱う。線量検出用画素60Bを用いた簡易的な放射線画像の撮影において欠陥ブロックの画素値を有効なものとして扱うことにより、適正な画素値を得ることはできないものの、当該欠陥ブロックに対応する画像部分が完全に欠落してしまうことがなくなるので、画質の劣化が抑制され、被写体領域の特定を容易とすることができる。一方、線量検出用画素60Bを用いて放射線の累積線量を検出する場合には、欠陥ブロックからの線量データ(画素値)を無効なものとして扱うことで、放射線の累積線量の検出をより正確に行うことが可能となる。このように、本発明の実施形態に係る電子カセッテ1によれば、画素に欠陥が生じている場合でも、当該放射線画像撮影装置を継続して使用することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Bを信号配線22に直接接続する構成を例示したが、撮影用画素60Aと同様、センサ13BにTFTを接続してセンサ13Bからの電荷の読み出しタイミングをゲート信号によって制御することができるように構成することも可能である。上記の実施形態では、同一の信号配線に接続された複数の線量検出用画素60Bによって画素ユニット61を構成して、画素ユニット61がブロックの最小単位とされたが、センサ13BにTFTを接続してセンサ13Bからの電荷の読み出しタイミングを自由に設定できるようにすることにより、ブロックの最小単位を線量検出用画素60Bの1つ分とすることができるので、ブロック編成をより柔軟に行うことが可能である。なお、この場合、撮影用画素60A内のTFT40を駆動するためのゲート配線21と、線量検出用画素60B内のTFTを駆動するためのゲート配線とを別系統として、これらの画素60Aおよび60Bから独立に電荷の読み出しを行うことができるように構成することが好ましい。また、上記の実施形態では、撮影用画素60Aおよび線量検出用画素60Bを共通の信号配線23に接続した構成を例示したが、撮影用画素60Aに接続される信号配線と、線量検出用画素60Bに接続される信号配線とを別系統とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、撮影用画素60Aおよび線量検出用画素60Bを構成するセンサ13Aおよび13Bが、シンチレータ30で発生した光を受光することにより電荷を発生させる有機光電変換材料を含んで構成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、センサ13Aおよび13Bとして有機光電変換材料を含まずに構成されたものを適用する形態としてもよい。例えば、センサ13Aおよび13Bにアモルファスセレン等の半導体を使用し、放射線を電荷に直接変換する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、電子カセッテ1とコンソール230との間、放射線発生装置2100とコンソール230との間で、無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの少なくとも一方を有線にて通信を行う形態としてもよい。
また、上記の実施形態では、線量検出用画素60Bを自動露出制御(AEC)に使用する場合を例示したが、放射線源211からの放射線の照射開始を検出するために使用することも可能である。これにより、電子カセッテ1は、外部装置から放射線の照射開始を指示する指示情報を受信しなくても自ら放射線の照射開始を検出することが可能となる。
また、上記実施の形態では、放射線としてX線を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、γ線等の他の放射線を適用する形態としてもよい。
1 電子カセッテ
10 放射線検出器
13A、13B センサ
20 TFT基板
21 ゲート配線
22 信号配線
23 ゲート線ドライバ
24 信号処理部
26 カセッテ制御部
26A CPU
26B メモリ
30 シンチレータ
40 TFT
50 キャパシタ
60A 撮影用画素
60B 線量検出用画素
210 放射線発生装置
211 放射線源
230 コンソール

Claims (13)

  1. 照射された放射線の線量に応じた画素値を各々が出力する複数の画素と、
    前記複数の画素のうちの一部を各々が含むように編成された複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいてブロック毎に欠陥の有無を判定する判定手段と、
    編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記判定手段によって欠陥ありと判定された欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて放射線画像を生成する画像生成手段と、
    編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する線量検出手段と、
    を含む放射線画像撮影装置。
  2. 前記画像生成手段によって生成された放射線画像に基づいて、編成されたブロックのうち放射線の累積線量の検出に使用する有効ブロックを選別するブロック選別手段を更に含み、
    前記線量検出手段は、前記ブロック選別手段によって選別された前記有効ブロックのうちの前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて照射された放射線の累積線量を検出する請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記ブロック選別手段は、被写体を透過した放射線が照射されるブロックを前記有効ブロックとして定める請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記線量検出手段は、前記有効ブロックのうちの前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値の合算値が所定の閾値以上となったときに照射された放射線の累積線量が所定値に達したことを示す検出信号を出力する請求項3に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記有効ブロックに含まれる前記欠陥ブロックの数に応じて前記閾値を変化させる閾値調整手段を更に含む請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 入力情報に基づいて撮影対象部位を特定する特定手段を更に含み、
    前記閾値調整手段は更に前記特定手段によって特定された撮影対象部位に応じて前記閾値を変化させる請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記有効ブロックにおける前記欠陥ブロックの占める割合が所定値以上となった場合に、前記有効ブロックに隣接する前記正常ブロックを新たな有効ブロックとして定める有効ブロック再設定手段を更に含む請求項2乃至6のいずれか1つに記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記有効ブロックにおける前記欠陥ブロックの占める割合が所定値以上となった場合にその旨を報知する報知手段を更に含む請求項2乃至7のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記画像生成手段によって放射線画像を生成する第1のモードと、編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値のみに基づいて放射線画像を生成する第2のモードと、のいずれか一方を選択し、選択したモードで放射線画像を生成する画像生成モード選択手段を更に含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
  10. 前記欠陥ブロックの配置または前記正常ブロックの配置を示す配置情報を生成する配置情報生成手段を更に含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
  11. 前記欠陥ブロックの画素値を、当該欠陥ブロックに隣接する正常ブロックの画素値を用いて補正する補正手段を更に含む請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置。
  12. コンピュータを、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線画像撮影装置における前記判定手段、前記画像生成手段および前記線量検出手段として機能させるためのプログラム。
  13. 照射された放射線の線量に応じた画素値を出力する複数の画素のうちの一部を各々が含むように編成された複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいてブロック毎に欠陥の有無を判定する判定ステップと、
    編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記判定ステップにおいて欠陥ありと判定された欠陥ブロックを含む複数のブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて、放射線画像を生成する画像生成ステップと、
    前記画像生成ステップにおいて生成された放射線画像に基づいて編成されたブロックのうち放射線の累積線量の検出に使用する有効ブロックを選別するブロック選別ステップと、
    編成されたブロックの単位で放射線を検出し且つ前記ブロック選別ステップにおいて選別された前記有効ブロックのうちの前記欠陥ブロック以外の正常ブロックの各々に含まれる画素の画素値に基づいて、照射された放射線の累積線量を検出する線量検出ステップと、
    を含む放射線の線量検出方法。
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