JP6007959B2 - 水銀自動測定システム及びその前処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水銀自動測定システム及びその前処理装置に関する。さらに詳しくは、試料液中の水銀及び水銀化合物を水銀ガスに変換して測定する水銀自動測定システム及びその前処理装置に関する。
環境汚染問題に対処するためには、汚染物質の測定を的確に行うことが必要である。汚染物質の中でも、水銀は水俣病の原因として注目を集めた。
水銀の測定方法としては、試料中の水銀化合物を水銀(II)イオンに分解後、還元気化法により水銀ガスに変換して測定する方法が知られている。水銀化合物を水銀ガスに変換するためには、複数の試薬を順次反応させる必要があり、また、加熱工程も伴うことから、手作業で行うことは煩雑である。
そこで、ターンテーブルに配置した多数の試料に対して、試薬添加や加熱を自動的に行う水銀測定装置が提案されている(特許文献1)
特開2013−64715号公報
特許文献1に記載された水銀測定装置は、実験室用の装置である。そのため、水銀を測定しようとする試料は、水銀測定装置を備えている分析センターなどに持ち込む必要があった。そのため、試料の採取から、水銀含有量の結果を得る迄に時間を要していた。
しかし、工業廃水や河川水等、水銀汚染が懸念される現場においては、迅速かつ継続的に水銀含有量を監視すべきである。そのため、測定すべき試料が存在する現場に設置して、自動的に水銀を測定できる自動測定装置が求められていた。
また、一般に現場設置型の自動測定装置では、保守工数を抑えながら正確な測定を継続可能とする観点から、装置内部を清浄に保ちやすい設計とすることが求められている。また、試薬費用や試薬補充の保守工数を抑え、環境負荷低減に貢献する観点から、試薬の消費量を最小限に抑えることも求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、測定すべき試料が存在する現場において自動的に水銀を測定でき、しかも、装置内部を清浄に保って正確な測定を継続しやすく、かつ試薬の消費量を抑制しやすい水銀自動測定システム及びその前処理装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]試料液中の水銀及び水銀化合物を水銀ガスに変換して測定する水銀自動測定システム用の前処理装置であって、
計量反応槽と、
前記計量反応槽に、試料液を導入する試料液導入手段と、
前記計量反応槽に、少なくとも過マンガン酸カリウム溶液を含む一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液を順次導入する分解試薬等導入手段と、
前記計量反応槽に、塩化スズ(II)溶液を導入する水銀還元試薬導入手段と、
これら各手段を制御する制御部と、を備え、
前記分解試薬等導入手段は、
前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の各々が流通する複数の試薬流通管と、
前記複数の試薬流通管の各々に設けられた送液ポンプと、
下流端が前記計量反応槽に挿入された分解試薬等注入管と、
前記分解試薬等注入管の上流端側から加圧気体を供給する送気手段と、を有し、
前記複数の試薬流通管の下流端は、各々前記分解試薬等注入管の途中に合流しており、
前記塩酸ヒドロキシルアミン溶液が流通する試薬流通管の下流端は、前記過マンガン酸カリウム溶液が流通する試薬流通管の下流端よりも上流側で、前記分解試薬等注入管に合流しており、
前記分解試薬等導入手段が、前記計量反応槽に前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の何れかの試薬を導入する際は、該試薬が流通する前記試薬流通管に設けられた前記送液ポンプを前記試薬流通管の下流端方向に送液するように動作させて、該試薬を分解試薬等注入管に導入し、その後前記送気手段を動作させて分解試薬等注入管に導入された該試薬を前記計量反応槽に吐出するように構成され、
前記試料液導入手段が試料液を前記計量反応槽に導入する試料液導入ステップと、
前記分解試薬等導入手段が前記一以上の分解試薬を前記計量反応槽に導入する分解試薬導入ステップと、
前記計量反応槽に導入された試料液及び前記一以上の分解試薬を加熱して分解液を得る分解ステップと、
前記分解試薬等導入手段が塩酸ヒドロキシルアミン溶液を前記計量反応槽に導入して余剰の過マンガン酸カリウムを還元する分解試薬還元ステップと、
前記水銀還元試薬導入手段が塩化スズ(II)溶液を前記計量反応槽に導入して分解液中の水銀(II)イオンを還元して金属水銀とする水銀還元ステップとを、順次行うように構成されていることを特徴とする前処理装置。
[2]前記分解試薬等導入手段が、前記計量反応槽に前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の何れかの試薬を導入する際は、前記送気手段を動作させて分解試薬等注入管に導入された前記試薬を前記計量反応槽に吐出した後、前記送気手段を動作させつつ、前記送液ポンプを前記試薬流通管の上流端方向に送液するように動作させて、前記試薬流通管の下流端近傍に気体を吸引するように構成されている[1]に記載の前処理装置。
[3]さらに、前記分解ステップが行われる分解槽と、
該分解槽と前記計量反応槽との間で液体の移送を行う分解槽移送手段とを備え、
前記分解槽移送手段は、分解試薬導入ステップの後に、前記計量反応槽に導入された試料液及び前記一以上の分解試薬を前記分解槽に移送し、前記分解槽で分解液が得られた後に前記分解液を前記計量反応槽に戻すように構成されている[1]または[2]に記載の前処理装置。
[4]さらに、前記計量反応槽で発生した金属水銀をガス化させるガス化手段を備え、
前記ガス化手段が、前記分解液内にバブリングをして水銀ガスを発生させるガス化ステップを行うように構成されている[1]〜[3]の何れか一項に記載の前処理装置。
[5]さらに、発生した水銀ガスを前記計量反応槽の外部に導出する水銀ガス導出手段を備える[4]に記載の前処理装置。
[6][4]または[5]に記載の前処理装置と、前記前処理装置で発生した水銀ガスを検出する検出器と、を備えることを特徴とする水銀自動測定システム。
[7]前記検出器が、原子吸光分析装置または原子蛍光分析装置である[6]に記載の水銀自動測定システム。
本発明の水銀自動測定システム及びその前処理装置によれば、測定すべき試料が存在する現場において自動的に水銀を測定できる。しかも、装置内部を清浄に保ちやすいため正確な測定を継続しやすく、かつ試薬の消費量も抑制しやすい。
本発明の一実施形態に係る水銀自動測定システムの概略構成図である。
以下、図1に沿って本発明の一実施形態に係る水銀自動測定システムについて説明する。なお、以下の説明においては、水銀含有量が4ppb以下の試料液を測定する場合を例として容積、濃度、時間その他の数値を挙げるが、これらはあくまで一例であり、これらの数値によって、本発明が限定されるものではない。また、図1に示す装置構成はあくまで一例であり、図1に示す具体的な配管の配置等によって、本発明が限定されるものではない。
本実施形態の水銀自動測定システムは、計量反応槽1、分解槽2、除湿器3、検出器4、配管L1〜L7、配管L10〜L14、配管L21〜L29、弁V1〜V10、ポンプP1〜P10と、これら全体を制御する制御部(図示せず)とから概略構成されている。
本実施形態の水銀自動測定システムの内、前処理装置は、本発明における前処理装置の必須構成要素を含み、検出器4を含まない部分である。たとえば除湿器3は、前処理装置の一部であるとみなしてもよいし、前処理装置に接続された水銀自動測定システムの他の構成部材であるとみなしてもよい。
計量反応槽1は、略逆円錐状の本体1aとその上面を気密に閉塞する蓋体1bとからなり、蓋体1bには、複数の配管が気密に挿入されている。内容量は約20mLとされている。
分解槽2は、計量反応槽1よりも上方に設けられており、その内部に導入された液体を100℃に加熱できるようになっている。
除湿器3としては、たとえば電子冷却方式のものが使用できる。
検出器4は、原子吸光分析装置である。検出器4の光源としてとは低圧水銀放電管を使用できる。また、検出器4の受光器としてはフォトダイオードを使用できる。検出波長は、230〜270nmとすることが好ましい。たとえば253nmとすることができる。
配管L1〜L7、配管L10〜L14、配管L21〜L29は、いずれも軟質チューブで構成することが好ましい。各配管の材質は、耐熱性、耐薬品性等を考慮して適切なものが選択される。たとえば配管L1〜L6としてはファーメッド(登録商標)チューブ等の熱可塑性樹脂を用いることができ、配管L7、L10〜L14及びL21〜L29としては四フッ化エチレン性のチューブを用いることができる。各配管の太さは、送液量と配管抵抗を考慮して適宜決定できるが、たとえば、外径3mm、内径2mmのものが使用できる。
弁V1〜V10の内、弁V1、V4、V6,V7は三方弁であり、他は二方弁である。弁V1、V4、V6,V7の白の三角で示した部分は常開ポート、黒の三角で示した部分は常閉ポート、半分が白で半分が黒の三角で示した部分は共通ポートである。
二方弁の内、2つの白の三角で示した弁V5、V8は常開弁であり、2つの黒の三角で示した弁V2、V3、V9、V10は常閉弁である。
ポンプP1〜P10は、いずれもペリスタル型ポンプである。ペリスタル型ポンプは、軟質チューブをローラーでしごいて送液ないし送気するもので、チューブポンプ、ローラーポンプとも呼ばれる。ローラーでしごく方向を逆転させることにより、送液ないし送気の方向を逆転させることができる。ペリスタル型ポンプの市販品としてはペリスタポンプ(登録商標)が利用できる。
配管L21は、大気解放された一端を上流端とし、下流端が三方弁である弁V4の常開ポートに接続している。配管L21の途中にはポンプP8が設けられている。ポンプP8の下流側には、分岐点fが設けられている。
本発明における送気手段は、配管L21の上流端から分岐点f迄の部分及びポンプP8で構成されている。なお、ポンプP8は、本発明における分解槽移送手段としての役割も果たす。
配管L10は本発明における分解試薬等注入管に該当する。配管L10は、配管L21の途中における分岐点fを上流端とし、下流端は計量反応槽1に挿入されている。配管L10の下流端は、計量反応槽1内に試料液を導入した際、その液面下となる位置に配置されている。
配管L10は、その下流端近傍において、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L10の上流端近傍には、常閉弁である弁V10が設けられている。
配管L10の弁V10が設けられている位置より下流側には、上流側から順に、分岐点a、分岐点b、分岐点c、分岐点d、分岐点eが順次設けられている。
分岐点aには配管L1が、分岐点bには配管L2が、分岐点cには配管L4が、分岐点dには配管L5が、分岐点eには配管L3が、各々接続している。
配管L1は、本発明における試薬流通管の1つに該当する。配管L1は、上流端がタンクT1内に収容された試薬1に挿入され、分岐点aを下流端とする。試薬1は、本発明における分解試薬の1つである硫酸溶液であり、具体的には(1+1)硫酸溶液である。
配管L1の途中には、本発明における送液ポンプに該当するポンプP1が設けられている。
配管L2は、本発明における試薬流通管の1つに該当する。配管L2は、上流端がタンクT2内に収容された試薬2に挿入され、分岐点bを下流端とする。試薬2は、本発明における分解試薬の1つである硝酸溶液であり、具体的には(1+3)硝酸溶液である。
配管L2の途中には、本発明における送液ポンプに該当するポンプP2が設けられている。
配管L3は、本発明における試薬流通管の1つに該当する。配管L3は、上流端がタンクT3内に収容された試薬3に挿入され、分岐点eを下流端とする。試薬3は、本発明における分解試薬の1つである過マンガン酸カリウム溶液であり、具体的には50g/L過マンガン酸カリウム溶液である。
配管L3の途中には、本発明における送液ポンプに該当するポンプP3が設けられている。
配管L4は、本発明における試薬流通管の1つに該当する。配管L4は、上流端がタンクT4内に収容された試薬4に挿入され、分岐点cを下流端とする。試薬4は、本発明における分解試薬の1つであるペルオキソ二硫酸カリウム溶液であり、具体的には50g/Lペルオキソ二硫酸カリウム溶液である。
配管L4の途中には、本発明における送液ポンプに該当するポンプP4が設けられている。
配管L5は、本発明における試薬流通管の1つに該当する。配管L5は、上流端がタンクT5内に収容された試薬5に挿入され、分岐点dを下流端とする。試薬5は、塩酸ヒドロキシルアミン溶液であり、具体的には80g/L塩酸ヒドロキシルアミン溶液である。
配管L5の途中には、本発明における送液ポンプに該当するポンプP5が設けられている。
本発明における分解試薬等導入手段は、配管L21の上流端から分岐点f迄の部分、配管L10、配管L1〜L5、ポンプP8、ポンプP1〜P5、弁V10によって構成されている。
配管L6は、上流端がタンクT6内に収容された試薬6に挿入され、下流端が計量反応槽1に挿入されている。配管L6の下流端は、計量反応槽1内に試料液と試薬1〜5の合計容量の液体を導入した際、その液面より上となる位置に配置されている。
配管L6は、その下流端近傍において、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
試薬6は、塩化スズ(II)溶液であり、具体的には100g/L塩化スズ(II)溶液である。
配管L6の途中には、ポンプP6が設けられている。
本発明における水銀還元試薬導入手段は、配管L6及びポンプP6によって構成されている。
配管L7は、上流端が三方弁である弁V7の共通ポートに接続され、下流端は計量反応槽1に挿入されている。配管L7の下流端は、計量反応槽1内に試料液と試薬1〜5の合計容量の液体を導入した際、その液面より上となる位置に配置されている。
配管L7は、その下流端近傍において、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L7の途中には、ポンプP7が設けられている。
配管L11は、上流端が三方弁である弁V1の共通ポートに接続され、下流端が三方弁である弁V7の常開ポートに接続している。配管L12は、上流端がタンクT7内に収容された試料液に挿入され、下流端が弁V1の常開ポートに接続している。タンクT7は受水槽であり、新しい試料液が常に流入してくるようになっている。
配管L13は、上流端がタンクT8内に収容された純水に挿入され、下流端が弁V1の常閉ポートに接続している。配管L14は、上流端がタンクT9内に収容された洗浄液に挿入され、下流端が弁V7の常閉ポートに接続している。洗浄液としては、アルカリ性の溶液が用いられる。アルカリ性の溶液としては、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液が好ましい。本実施形態では水酸化ナトリウム溶液であり、具体的には4g/L水酸化ナトリウム溶液である。
本発明における試料液導入手段は、配管L12、L11、L7、ポンプP7、及び弁V1、V7によって構成されている。
配管L23は、上流端が三方弁である弁V4の共通ポートに接続され、下流端は計量反応槽1に挿入されている。配管L23の下流端は、計量反応槽1の最下部近傍に配置されている。
配管L23は、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L23の途中には分解槽2が設けられている。また、分解槽2を挟むように、上流側に弁V3が、下流側に弁V2が設けられている。
配管L22は、大気解放された一端を上流端とし、下流端が三方弁である弁V4の常閉ポートに接続している。
本発明における分解槽移送手段は、配管L21、L23、L22、弁V2、V3、V4、及びポンプP8で構成されている。
配管L25は、上流端が計量反応槽1に挿入され、下流端が排気口とされている。配管L25の上流端は、計量反応槽1内に試料液と試薬1〜5の合計容量の液体を導入した際、その液面より上となる位置に配置されている。
配管L25は、その上流端近傍において、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L25の途中には、上流側から順に、除湿器3、常閉弁である弁V9、検出器4、ポンプP10が設けられている。弁V9と検出器4との間には分岐点gが設けられている。
配管L26は、大気解放された一端を上流端とし、下流端が分岐点gに接続している。配管L26の途中には、常開弁である弁V8が設けられている。
配管L24は、一端が大気解放され、他端が計量反応槽1に挿入されている。配管L24の他端は、計量反応槽1内に試料液と試薬1〜5の合計容量の液体を導入した際、その液面より上となる位置に配置されている。
配管L24は、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L24の途中には、常開弁である弁V5が設けられている。
配管L27は、一端が三方弁である弁V6の常開ポートに接続され、他端が計量反応槽1に挿入されている。配管L27の他端は、計量反応槽1の最下部近傍に配置されている。
配管L27は、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
配管L28は、一端が弁V6の共通ポートに接続され、他端が排水口とされている。配管L28の途中には、ポンプP9が設けられている。
配管L29は、一端が弁V6の常閉ポートに接続され、他端が計量反応槽1に挿入されている。配管L29の他端(下端)は、計量反応槽1内に試料液と試薬1〜5の合計容量の液体を導入した際、その液面より下となる位置であって、配管L10の下流端よりも上となる位置に配置されている。
配管L29は、計量反応槽1の蓋体1bを、気密を保って貫通している。
本発明における水銀ガス導出手段は、主として、検出器4に水銀ガスを吸引するための配管L25、弁V8、V9、及びポンプP10により構成されている。また、弁V5、V6(配管L29に接続する常閉ポート)は、発生した水銀ガスが配管L25以外に漏出することを防ぐ役割を担っており、これらも、本発明における水銀ガス導出手段の一部であると言える。
本発明におけるガス化手段は、主として、配管L22、L23、弁V2、V3及び弁V4、並びに配管L25、弁V8、V9、及びポンプP10により構成されている。また、弁V5、V6(配管L29に接続する常閉ポート)は、ポンプP10による陰圧を保ち、配管L22から空気を吸引して配管L23の下端からバブリングすることを可能とする役割を担っており、これらも、本発明におけるガス化手段の一部であると言える。
なお、配管L24と弁V5は、常時においては計量反応槽1内の圧力を大気圧に保つ役割を果たしている。また、配管L27、配管L28、ポンプP9、弁V6は、ポンプP9を動作させたときに、計量反応槽1の液体を排出する役割を果たしている。
また、配管L26は、常時は、検出器4に空気を流通させるために設けられている。
本実施形態の水銀自動測定システムは、試料液導入ステップ、分解試薬導入ステップ、分解ステップ、分解試薬還元ステップ、水銀還元ステップ、ガス化ステップ、洗浄ステップを順次行う。
以下各ステップの具体的動作について詳述する。
以下の説明において、特に言及しない限り、ポンプP1〜P9は動作していない。ポンプP10は常時動作している。
また、以下の説明において、ポンプP1〜P8を動作させるとは、計量反応槽1に向けて送液ないし送気することを意味し、ポンプP1〜P6、P8を逆転動作させるとは、計量反応槽1と反対方向に向けて送液ないし送気することを意味する。また、ポンプP9を動作させるとは、計量反応槽1と反対方向に向けて送液することを意味する。ポンプP10は、計量反応槽1と反対方向に向けて常時送気している。
なお、ポンプP1〜P9は、動作していないときは気体も液体も流通させず、気密ないし液密を保持している。
また、以下の説明において、特に言及しない限り、弁は動作させていない。また、三方弁を動作させるとは、三方弁の共通ポートと常閉ポート間を流通可能とすることを意味し、三方弁の動作を停止するとは、三方弁の共通ポートと常開ポート間が流通可能な状態に復帰することを意味する。また、常開弁を動作させるとは、両ポート間を流通不能とすることを意味し、常開弁の動作を停止するとは、両ポート間が流通可能な状態に復帰することを意味する。また、常閉弁を動作させるとは、両ポート間を流通可能とすることを意味し、常閉弁の動作を停止するとは、両ポート間が流通不能な状態に復帰することを意味する。
<試料液導入ステップ>
試料液導入ステップは、試料液導入手段によって、試料液を計量反応槽1に導入するステップである。
試料液導入ステップでは、まず、ポンプP7を動作させてタンクT7の試料液を計量反応槽1に導入する。ポンプP7の流量及び動作時間は、計量反応槽1に導入された試料液の液面が配管L29の下端の高さよりも上となるのに充分な流量及び動作時間である。
その後、ポンプP7を停止し、弁V6とポンプP9を動作させ、計量反応槽1内の試料液を配管L29の下端から吸引し配管L28から排出させて、計量反応槽1の試料液の液面を、配管L29の下端の高さまで下げる。これにより、一定量の試料液を計量反応槽1に計量することができる。
<分解試薬導入ステップ>
分解試薬導入ステップは、分解試薬である試薬1〜試薬4を、順次計量反応槽1に導入するステップである。導入する各試薬の液量は、試料液中に存在しうる水銀化合物を水銀(II)イオンに分解するのに充分な所定の量とする。
試薬1を導入するためには、まず、ポンプP1を動作させる。これにより、試薬1が、配管L1から押し出されて、配管L10に充填される。ポンプP1の流量及び動作時間は、配管L10に試薬1が上記所定の量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP1の動作を停止し、弁V10を動作させた状態でポンプP8を動作させる。これにより、配管L10に充填された試薬1が、加圧空気により計量反応槽1に吐出される。
次に、ポンプP8と弁V10の動作を維持したまま、ポンプP1を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、分岐点a近傍の配管L1に空気を吸引し空気層を形成できる。
分岐点a近傍の配管L1に空気層を形成するのは、配管L10に充填された他の試薬(試薬2〜5)をポンプP8により計量反応槽1に吐出する際、分岐点a近傍の試薬1が引きずられて計量反応槽1に吐出されないようにするためである。
他の試薬(試薬2〜5)導入時にも、同様に各試薬が流通する配管が接続された分岐点近傍に空気層を形成するが、その目的は、同様である。
試薬2を導入するためには、まず、ポンプP2を動作させる。これにより、試薬2が、配管L2から押し出されて、配管L10に充填される。ポンプP2の流量及び動作時間は、配管L10に試薬2が上記所定の量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP2の動作を停止し、弁V10を動作させた状態でポンプP8を動作させる。これにより、配管L10に充填された試薬2が、加圧空気により計量反応槽1に吐出される。
次に、ポンプP8と弁V10の動作を維持したまま、ポンプP2を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、分岐点b近傍の配管L2に空気を吸引し空気層を形成できる。
試薬3を導入するためには、まず、ポンプP3を動作させる。これにより、試薬3が、配管L3から押し出されて、配管L10に充填される。ポンプP3の流量及び動作時間は、配管L10に試薬3が上記所定の量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP3の動作を停止し、弁V10を動作させた状態でポンプP8を動作させる。これにより、配管L10に充填された試薬3が、加圧空気により計量反応槽1に吐出される。
次に、ポンプP8と弁V10の動作を維持したまま、ポンプP3を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、分岐点e近傍の配管L3に空気を吸引し空気層を形成できる。
試薬4を導入するためには、まず、ポンプP4を動作させる。これにより、試薬4が、配管L4から押し出されて、配管L10に充填される。ポンプP4の流量及び動作時間は、配管L10に試薬4が上記所定の量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP4の動作を停止し、弁V10を動作させた状態でポンプP8を動作させる。これにより、配管L10に充填された試薬4が、加圧空気により計量反応槽1に吐出される。
次に、ポンプP8と弁V10の動作を維持したまま、ポンプP4を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、分岐点c近傍の配管L4に空気を吸引し空気層を形成できる。
<分解ステップ>
分解ステップは、試料液中の水銀及び水銀化合物を水銀(II)イオンとするように、計量反応槽1に導入された試料液及び試薬1〜4の混合液を加熱して分解液を得るステップである。
分解ステップでは、まず、弁V2、V3を動作させた状態でポンプP8を逆転動作させる。これにより、分解槽2に試料液及び試薬1〜4の混合液のほぼ全量が吸引される。
次に、弁V2、V3の動作とポンプP8の動作を停止し、分解槽2の混合液を100℃に加熱する。加熱時間は、20〜30分とする。
なお、分解槽2に導入された試料液及び試薬1〜4の混合液は、充分に混合されていなくとも、加熱時の熱対流により充分に混合される。
分解ステップで分解槽2の混合液を加熱している間、平行して計量反応槽1の洗浄が行われる。具体的には、弁V1を動作させた状態でポンプP7を動作させてタンクT8の純水を計量反応槽1に導入する。ポンプP7の動作は、計量反応槽1に導入された純水の液面が試料液及び試薬1〜4の混合液の液面の高さよりも上となるのに充分な時間だけ継続する。
その後、ポンプP7と弁V1の動作を停止した後、ポンプP9を動作させ、計量反応槽1の純水をほぼ全量排出する。
これにより、計量反応槽1内を洗浄された状態で空にすることができる。
<分解試薬還元ステップ>
分解試薬還元ステップは、塩酸ヒドロキシルアミン溶液である試薬5により、余剰の過マンガン酸カリウムを還元するステップである。導入する試薬5の液量は、余剰の過マンガン酸カリウムを還元する量よりも過剰量とする。
空にされた計量反応槽1に試薬5を導入するためには、まず、ポンプP5を動作させる。これにより、試薬5が、配管L5から押し出されて、配管L10に充填される。ポンプP5の流量及び動作時間は、配管L10に試薬5が上記過剰量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP5の動作を停止し、弁V10を動作させた状態でポンプP8を動作させる。これにより、配管L10に充填された試薬5が、加圧空気により計量反応槽1に吐出される。
次に、ポンプP8と弁V10の動作を維持したまま、ポンプP5を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、分岐点d近傍の配管L5に空気を吸引し空気層を形成できる。
その後、弁V2、V3と弁V4を動作させることにより、分解槽2で得られた分解液を計量反応槽1に落下させて戻す。
落下した分解液中に残存する過マンガン酸カリウムは、計量反応槽1に導入されている試薬5と反応して還元される。
分解液は、試薬5と混合されることにより、ある程度冷却するが、その後さらにファンを用いて冷却し、50℃程度まで冷却する。
<水銀還元ステップ>
水銀還元ステップは、塩化スズ(II)溶液である試薬6を計量反応槽1に導入して分解液中の水銀(II)イオンを還元して金属水銀とするステップである。導入する試薬6の液量は、分解液中に存在しうる水銀(II)イオンを還元する量よりも過剰量とする。
試薬6を導入するためには、まず、ポンプP6を動作させる。これにより、試薬6が、配管L6から押し出されて、計量反応槽1に吐出される。ポンプP6の流量及び動作時間は、計量反応槽1に試薬6が上記過剰量だけ充填されるように設定されている。
次に、ポンプP6を短時間(たとえば1秒間)逆転動作させる。これにより、配管L6の下流端近傍に計量反応槽1内の空気を吸引し空気層を形成できる。
配管L6の下流端近傍に空気層を形成するのは、試薬6の液滴が意図しないタイミングで計量反応槽1に落下してしまうことを防止するためである。
<ガス化ステップ>
ガス化ステップは、分解液内で発生した金属水銀をガス化して水銀ガスを発生させるステップである。本実施形態では、水銀ガスを発生させると共に、発生した水銀ガスを計量反応槽1の外部にある検出器4に送るステップであり、ガス化手段と水銀ガス導出手段を機能させてガス化ステップを行うようになっている。
具体的には、弁V2〜V5、V8、V9を動作させると共に、ポンプP10を動作させる。これにより、計量反応槽1内を陰圧として、配管L22の大気解放された上流端から空気を引き入れ、分解液内に気泡をバブリングして、金属水銀を水銀ガスとして気相に移行させることができる。また、気相に移行した水銀ガスは、計量反応槽1外部の除湿器3で除湿された後、検出器4に導入されるようになっている。その結果、試料液内に存在した水銀または水銀化合物を、水銀ガスとして検出できる。
<洗浄ステップ>
洗浄ステップでは、残溶液による洗浄、すすぎ(1)、洗浄液による洗浄、すすぎ(2)を順次行う。
残溶液による洗浄では、まず、弁V1、ポンプP7を動作させる。これにより、タンクT8内の純水が計量反応槽1に残った残溶液に添加される。
その後、ポンプP7を停止し、弁V2、V3を動作させた状態でポンプP8を逆転動作させる。これにより、分解槽2に残溶液と、残溶液に添加された純水のほぼ全量が吸引される。
その後、弁V2、V3と弁V4を動作させることにより、純水が添加された残溶液を計量反応槽1に落下させて戻す。その後、戻した残溶液をポンプP9を動作させて計量反応槽1から排出する。
すすぎ(1)では、弁V1とポンプP7を動作させて計量反応槽1に純水を入れる。その後、ポンプP7を停止し、弁V2、V3を動作させた状態でポンプP8を逆転動作させる。これにより、分解槽2に純水が吸引される。
その後、弁V2、V3と弁V4を動作させることにより、純水を計量反応槽1に落下させて戻す。そして、ポンプP9を動作させて計量反応槽1から排出することにより、純水による分解槽2と計量反応槽1のすすぎを行う。
洗浄液による洗浄では、弁V7とポンプP7を動作させて計量反応槽1に洗浄液を入れる。その後、ポンプP7を停止し、弁V2、V3を動作させた状態でポンプP8を逆転動作させる。これにより、分解槽2に洗浄液が吸引される。
その後、弁V2、V3と弁V4を動作させることにより、洗浄液を計量反応槽1に落下させて戻す。そして、ポンプP9を動作させて計量反応槽1から排出することにより、洗浄液による分解槽2と計量反応槽1の洗浄を行う。
すすぎ(2)では、すすぎ(1)と同様の操作を行うことにより、純水による分解槽2と計量反応槽1のすすぎを行う。
残溶液には、過剰の試薬5が残っているので、残溶液による洗浄で分解槽2に残溶液を吸引すると、分解槽2や配管L23に付着している過マンガン酸カリウムを還元して除去することができる。また、残溶液の液量は純水の添加により、分解ステップにおける試料液及び試薬1〜4の混合液の液量よりも多くなっている。そのため、分解ステップにおける混合液の液面よりも高い位置まで残溶液が入るため、混合液の液面の上まで洗浄できる。
残溶液には、試薬6が酸化されることにより生じる塩化スズ(IV)が含まれていることが多い。この塩化スズ(IV)は、水に溶解しにくいため、すすぎ(1)だけで除去することは難しい。アルカリ性の洗浄液により、この塩化スズ(IV)を溶解させて除去することができる。
すすぎ(2)が終われば、分解槽2、計量反応槽1、及び配管が清浄となり、かつ残液がない状態となるので、次の試料液の測定が可能となる。
本実施形態では、試薬1〜5を、一つの配管L10で計量反応槽1に注入している。そのため、計量反応槽1の蓋体1bに挿入する配管の本数を少なくできるので、蓋体1bの面積を小さくでき、計量反応槽1の容積を小さくできる。その結果、試薬の消費量を最小限に抑えることができる。
また、配管L23を分解槽移送手段として使用するだけでなく、ガス化手段としても使用するので、この点からも計量反応槽1の蓋体1bに挿入する配管の本数を少なくでき、ひいては試薬の消費量を最小限に抑えることができる。
また、試薬5(塩酸ヒドロキシルアミン溶液)が流通する配管L5の下流端である分岐点dが、試薬3(過マンガン酸カリウム)が流通する配管L3の下流端である分岐点eよりも上流側とされている。そのため、分解試薬還元ステップにおいて試薬5を吐出すると、分岐点eよりも下流側に付着した試薬3を還元して除去することができる。したがって、装置内部を清浄に保って正確な測定を継続しやすい。
さらに、本実施形態では、残溶液を利用して分解槽2と配管L23に付着した過マンガン酸カリウムを除去できる。したがって、装置内部を清浄に保って正確な測定を継続しやすい。しかも、残溶液を利用して洗浄ができるため、廃液量を抑えることができる。
本実施形態では試薬5が流通する配管L5の下流端である分岐点dを、試薬1、試薬2、試薬4の各々が流通する配管L1、L2、L4の下流端である分岐点a〜cより下流側としたが、分岐点dは、分岐点a〜cの何れか1以上より上流側であってもよい。
また、本実施形態では、ポンプP1〜P5により押し出される各試薬は、配管L10に充填され、その後加圧空気により計量反応槽1に吐出される態様としたが、ポンプP1〜P5により押し出された各試薬の一部は、加圧空気の供給を待たずに、計量反応槽1に吐出される態様としてもよい。
また、本実施形態では、分解試薬として試薬1〜4を用いたが、試薬3(過マンガン酸カリウム溶液)以外の分解試薬は、試料液の性状や、測定対象とする水銀化合物の範囲等に応じて一部または全部を省略してもよい。
また、試薬1〜4を計量反応槽1に導入する順番にも特に限定はない。
また、本実施形態では、ポンプとしてペリスタル型ポンプを使用したが、たとえば、シリンジポンプでもよい。シリンジポンプも、適宜の弁と組み合わせることより、送液や送気の方向を逆転できるため、好ましい。
また、本実施形態では、加圧気体を供給する送気手段を、ポンプを用いる態様としたが、計装エアなどを用いる態様としてもよい。
また、本実施形態では、分解試薬等導入手段における送気手段、分解槽移送手段においてポンプP8を共用したが、各々の手段において、別個のポンプを用いてもよい。
また、本実施形態では、検出器4として原子吸光分析装置を用いたが、原子吸光分析装置に代えて、原子蛍光分析装置を用いてもよい。原子蛍光分析装置の場合、その検出波長は、たとえば253.7nmとすることができる。
また、金アマルガム法により、水銀ガスを濃縮した形で検出器4に導入してもよい。金アマルガム法とは、水銀ガスを金アマルガム捕集管で捕集して濃縮する方法である。
1 計量反応槽
2 分解槽
3 除湿器
4 検出器
L1〜L7、L10〜L14、L21〜L29 配管
V1〜V10 弁
P1〜P10 ポンプ
T1〜T8 タンク
a〜g 分岐点

Claims (7)

  1. 試料液中の水銀及び水銀化合物を水銀ガスに変換して測定する水銀自動測定システム用の前処理装置であって、
    計量反応槽と、
    前記計量反応槽に、試料液を導入する試料液導入手段と、
    前記計量反応槽に、少なくとも過マンガン酸カリウム溶液を含む一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液を順次導入する分解試薬等導入手段と、
    前記計量反応槽に、塩化スズ(II)溶液を導入する水銀還元試薬導入手段と、
    これら各手段を制御する制御部と、を備え、
    前記分解試薬等導入手段は、
    前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の各々が流通する複数の試薬流通管と、
    前記複数の試薬流通管の各々に設けられた送液ポンプと、
    下流端が前記計量反応槽に挿入された分解試薬等注入管と、
    前記分解試薬等注入管の上流端側から加圧気体を供給する送気手段と、を有し、
    前記複数の試薬流通管の下流端は、各々前記分解試薬等注入管の途中に合流しており、
    前記塩酸ヒドロキシルアミン溶液が流通する試薬流通管の下流端は、前記過マンガン酸カリウム溶液が流通する試薬流通管の下流端よりも上流側で、前記分解試薬等注入管に合流しており、
    前記分解試薬等導入手段が、前記計量反応槽に前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の何れかの試薬を導入する際は、該試薬が流通する前記試薬流通管に設けられた前記送液ポンプを前記試薬流通管の下流端方向に送液するように動作させて、該試薬を分解試薬等注入管に導入し、その後前記送気手段を動作させて分解試薬等注入管に導入された該試薬を前記計量反応槽に吐出するように構成され、
    前記試料液導入手段が試料液を前記計量反応槽に導入する試料液導入ステップと、
    前記分解試薬等導入手段が前記一以上の分解試薬を前記計量反応槽に導入する分解試薬導入ステップと、
    前記計量反応槽に導入された試料液及び前記一以上の分解試薬を加熱して分解液を得る分解ステップと、
    前記分解試薬等導入手段が塩酸ヒドロキシルアミン溶液を前記計量反応槽に導入して余剰の過マンガン酸カリウムを還元する分解試薬還元ステップと、
    前記水銀還元試薬導入手段が塩化スズ(II)溶液を前記計量反応槽に導入して分解液中の水銀(II)イオンを還元して金属水銀とする水銀還元ステップとを、順次行うように構成されていることを特徴とする前処理装置。
  2. 前記分解試薬等導入手段が、前記計量反応槽に前記一以上の分解試薬及び塩酸ヒドロキシルアミン溶液の何れかの試薬を導入する際は、前記送気手段を動作させて分解試薬等注入管に導入された前記試薬を前記計量反応槽に吐出した後、前記送気手段を動作させつつ、前記送液ポンプを前記試薬流通管の上流端方向に送液するように動作させて、前記試薬流通管の下流端近傍に気体を吸引するように構成されている請求項1に記載の前処理装置。
  3. さらに、前記分解ステップが行われる分解槽と、
    該分解槽と前記計量反応槽との間で液体の移送を行う分解槽移送手段とを備え、
    前記分解槽移送手段は、分解試薬導入ステップの後に、前記計量反応槽に導入された試料液及び前記一以上の分解試薬を前記分解槽に移送し、前記分解槽で分解液が得られた後に前記分解液を前記計量反応槽に戻すように構成されている請求項1または2に記載の前処理装置。
  4. さらに、前記計量反応槽で発生した金属水銀をガス化させるガス化手段を備え、
    前記ガス化手段が、前記分解液内にバブリングをして水銀ガスを発生させるガス化ステップを行うように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の前処理装置。
  5. さらに、発生した水銀ガスを前記計量反応槽の外部に導出する水銀ガス導出手段を備える請求項4に記載の前処理装置。
  6. 請求項4または5に記載の前処理装置と、前記前処理装置で発生した水銀ガスを検出する検出器と、を備えることを特徴とする水銀自動測定システム。
  7. 前記検出器が、原子吸光分析装置または原子蛍光分析装置である請求項6に記載の水銀自動測定システム。
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