JP7360017B2 - 全窒素・全りん分析装置 - Google Patents
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Description
近年諸外国でも水質汚染に対する規制の強化が進み、これらの装置の需要が高まっている。
JIS K 0102:2016の45、及び中国の規格「HJ/ T 102-2003」、「GB 11894-89」でも同様の方法が採用されている。
JIS K 0102:2016 46.3、及び中国の規格「HJ/ T 103-2003」、「GB 11893-89」でも同様の方法が採用されている。
また、試薬の使用量を少なくするため、反応槽の小型化が進むのに対応して、反応槽に挿入される試薬配管を複数種類の試薬で共用することが行われている。
例えば非特許文献1の装置では、水酸化ナトリウム溶液と塩酸溶液を同じ試薬配管で反応槽に注入している。また、モリブデン酸アンモニウム溶液とL-アスコルビン酸溶液を同じ試薬配管で反応槽に注入している。
本発明者らが、その原因を検討したところ、全りん濃度の測定に使用した試薬が、全窒素濃度を求めるための加熱分解液に混入してしまうことが原因であることがわかった。
すなわち、全りん濃度の測定に使用するL-アスコルビン酸溶液とモリブデン酸アンモニウム溶液は、共に全窒素濃度を求めるための測定波長である紫外領域に吸収を持つ。特にモリブデン酸アンモニウム溶液の吸収は大きく、少量の混入でも測定値に与える影響が大きい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、全窒素濃度の測定と全りん濃度の測定を同じ反応槽を使用して行っても、試薬の混入による妨害を回避して、全窒素濃度を正確に求めることが可能な全窒素・全りん分析装置を提供することを課題とする。
[1]試料液にペルオキソ二硫酸カリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を加えて加熱分解した後、得られた加熱分解液を塩酸溶液でpH調整して吸光度を測定することにより前記試料液の全窒素濃度を求めると共に、
試料液にペルオキソ二硫酸カリウム溶液を加えて加熱分解した後、得られた加熱分解液にL-アスコルビン酸溶液とモリブデン酸アンモニウム溶液を加えて得られた発色液の吸光度を測定することにより前記試料液の全りん濃度を求める全窒素・全りん分析装置であって、
反応槽と、下流端が前記反応槽に液を吐出可能な位置に配置された複数の試薬吐出配管と、下流端が前記複数の試薬吐出配管のいずれかの途中における接続点に接続して前記接続した試薬吐出配管に各試薬を供給する複数の試薬供給配管を備え、
前記複数の試薬供給配管は、水酸化ナトリウム溶液を供給する配管Aと、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を供給する配管Bと、L-アスコルビン酸溶液を供給する配管Cと、塩酸溶液を供給する配管Dと、モリブデン酸アンモニウム溶液を供給する配管Eからなり、
前記配管Aと前記配管Cは共通の試薬吐出配管に接続し、前記配管Dと前記配管Eとは各々他の試薬供給配管が接続した試薬吐出配管とは異なる試薬吐出配管に接続しており、
前記複数の試薬供給配管のいずれかから、前記接続点を超えて前記複数の試薬吐出配管のいずれかに供給された試薬の全量が前記反応槽に吐出されるように構成されていることを特徴とする、全窒素・全りん分析装置。
[2]前記配管Cの前記共通の試薬吐出配管への接続点は、前記配管Aの前記共通の試薬吐出配管への接続点よりも下流側である、[1]に記載の全窒素・全りん分析装置。
[3]前記配管Aと前記配管Cが接続した前記共通の試薬吐出配管に、さらに前記配管Bが接続している、[1]又は[2]に記載の全窒素・全りん分析装置。
[4]前記配管Bの前記共通の試薬吐出配管への接続点は、前記配管Aの前記共通の試薬吐出配管への接続点よりも下流側である、[3]に記載の全窒素・全りん分析装置。
[5]前記複数の試薬吐出配管の上流側に、エア供給手段が接続されている、[1]~[4]のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
[6]さらに、前記反応槽との間で液が移動可能な加熱分解部を備える、[1]~[5]のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
[7]さらに、前記反応槽との間で液が移動可能な吸光度検出部を備える、[1]~[6]のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
本実施例の分析装置は、反応槽10、加熱槽13、吸光度検出部20、液を移動させるための配管及びポンプ等、及び装置全体を制御する制御部30を備えている。
すなわち、反応槽10のサンプルカップ11と吸光度検出部20との間は、検出配管L1で接続され、検出用ポンプP1により、液が移動可能とされている。
なお、図1には、フローセル部分のみ示しているが、吸光度検出部20は、フローセルに光を照射する光源とフローセルを透過した光を検出する光検出部と、光源と光検出部との間に設けられたレンズ等の光学部材を備えている。
バッファータンク15は内径が上流から下流に向けて漸増しその後漸減するように形成された部分を有している。すなわち、下流から見ても、下流から上流に向けて漸増しその後漸減するように形成されている。
また、下流から上流に向けて漸増した後に漸減する部分があるため、検出配管L1の途中に接続することが可能となっている。
本実施形態の検出用ポンプP1は、ペリスタル型ポンプである。ペリスタル型ポンプは、軟質チューブをローラーでしごいて送液ないし送気するもので、チューブポンプ、ローラーポンプとも呼ばれる。ローラーでしごく方向を逆転させることにより、送液ないし送気の方向を逆転させることができるようになっている。ペリスタル型ポンプの市販品としてはペリスタポンプ(登録商標)が利用できる。
本発明の検出配管L1に設けるポンプとしては、吐出口側に三方弁等の流路切り替え手段を設けたシリンジポンプを使用してもよい。
一方、各々の試薬吐出配管の上流端には加圧用配管L10が接続されており、加圧用配管L10にはエアポンプP10が設けられている。エアポンプP10は停止時に加圧用配管L10を閉塞しない構造とされており、加圧用配管L10の上流端は大気開放とされている。
本実施形態では、加圧用配管L10とエアポンプP10により、本発明のエア供給手段が構成されている。
第2試薬吐出配管L4には、加圧用配管L10に接続された上流側に第6常閉弁V6が設けられ、その下流側には配管Dが接続されている。
第3試薬吐出配管L5には、加圧用配管L10に接続された上流側に第7常閉弁V7が設けられ、その下流側には配管Eが接続されている。
配管Bは、上流端がペルオキソ二硫酸カリウム溶液を収容する第2試薬タンクT2に挿入されており、下流端は接続点bにおいて第1試薬吐出配管L3に接続しており、途中に第2試薬ポンプP4が設けられている。
配管Cは、上流端がL-アスコルビン酸溶液を収容する第3試薬タンクT3に挿入されており、下流端は接続点cにおいて第1試薬吐出配管L3に接続しており、途中に第3試薬ポンプP5が設けられている。
配管Eは、上流端がモリブデン酸アンモニウム溶液を収容する第5試薬タンクT5に挿入されており、下流端は接続点eにおいて第3試薬吐出配管L5に接続しており、途中に第5試薬ポンプP7が設けられている。
試薬供給配管に設けられた試薬ポンプとしては、逆止弁を有するシリンジポンプやペリスタル型ポンプを好適に使用できる。
なお、本明細書における「全量が吐出される」とは、実質的に全量が吐出されることを意味し、不可避的に僅かな残液が配管に付着して残る場合も、「全量が吐出される」に該当する。
例えば、第5常閉弁V5をON(開)とし、エアポンプP10を動作させた状態で第1試薬ポンプP3を動作させると、第1試薬タンクT1内の試薬は、配管Aから接続点aを超えて第1試薬吐出配管L3に至った分の全量が、直ちにエアによりサンプルカップ11へと吐出されるようになっている。
そして、第5常閉弁V5、第6常閉弁V6、第7常閉弁V7の総てをOFF(閉)、エアポンプP10をOFFの状態で、いずれかの試薬供給配管に接続された試薬ポンプを動作させると、その試薬吐出配管の接続点に向けて所定量の液体試薬が移動する。接続点を超えて試薬吐出配管に至った液体試薬は、上流側が常閉弁により閉塞されているため、試薬吐出配管の下流側に入る。
なお、接続点と下流端の間に接続点よりも高い部分がある場合は、その高い部分を超えて、接続点より低くなる部分(自重落下点)まで液体試薬を導入してから、試薬ポンプを停止することが必要である。自重落下点まで液が充填されていないと、接続点が大気開放状態となっても、自重による落下が生じない。
そして、その後、ON(開)とした弁をONのままエアポンプP10を動作させると、試薬吐出配管の各接続点の下流側に僅かに残った残液をサンプルカップ11に噴き出すことができる。
そして、その後第5常閉弁V5をON(開)としたままエアポンプP10を動作させると、接続点aの下流側に僅かに残った残液をサンプルカップ11に噴き出すことができる。
また、サンプルカップ11に試薬を導入した後は、試薬が各試薬供給配管の接続点から試薬ポンプまでの間に充填された状態で保持されるので、次回の試薬供給に対応できる。
全窒素用分解配管L6と全りん用分解配管L7の下流端は、各々サンプルカップ11の底部まで挿入されている。
同様に、全りん用分解配管L7における加熱分解部の反応槽10側には第3常閉弁V3が、反応槽10と反対側には第4常閉弁V4が設けられている。
また、全窒素分解液排出管L13の上流端側は全窒素用分解配管L6の加熱分解部と第1常閉弁V1との間に接続しており、全窒素分解液排出管L13には、第9常閉弁V11が設けられている。
加圧用配管L10の共通配管L12が接続されている箇所と、第1試薬吐出配管L3、第2試薬吐出配管L4、及び第3試薬吐出配管L5が接続されている部分の間には、第8常閉弁V8が設けられている。
純水配管L8には、上流側から順に第1三方弁V9、第2三方弁V10が設けられている。
第1三方弁V9は、純水ポンプP8の吐出口側が共通ポート、純水タンクT8側が常閉ポート、第2三方弁V10側が常開ポートとされている。
第2三方弁V10は、第1三方弁V9側が共通ポート、純水配管L8の下流端側が常閉ポート、加熱槽洗浄用配管L11側が常開ポートとされている。
なお、加熱分解部への吸い上げのための純水ポンプP8の吸引動作の前には、純水ポンプP8のプランジャは吐出した位置とされている。
全りん用分解配管L7への吸い上げ時における純水ポンプP8の吸引動作は第1常閉弁V1、第2常閉弁V2、第9常閉弁V11はOFF(閉)、第3常閉弁V3、第4常閉弁V4はON(開)、第8常閉弁V8はOFF(閉)、第1三方弁V9はOFF(T8側が閉)、第2三方弁V10はOFF(L11側が開)の状態で行われる。
全窒素用分解配管L6の加熱分解部を加圧する際は、第1常閉弁V1、第9常閉弁V11、第3常閉弁V3、及び第4常閉弁V4はOFF(閉)、第2常閉弁V2はON(開)、第8常閉弁V8はON(開)、第2三方弁V10はON(V8側が閉)とされる。
全りん用分解配管L7の加熱分解部を加圧する際は、第1常閉弁V1、第2常閉弁V2、第9常閉弁V11、及び第3常閉弁V3はOFF(閉)、第4常閉弁V4はON(開)、第8常閉弁V8はON(開)、第2三方弁V10はON(V8側が閉)とされる。
そして、エアポンプP10を停止し、第1常閉弁V1~第4常閉弁V4、及び第1三方弁V9を総てOFF(閉)とした状態で、加熱槽13によって加熱分解部が加熱され、各加熱分解部に導入された液の加熱分解がされるようになっている。
その後、全窒素用分解配管L6と全りん用分解配管L7の各々における加熱分解部の圧抜きと液(加熱分解液)をサンプルカップ11に戻すタイミングは、別々とされる。
なお、全窒素測定用の加熱分解液を全窒素分解液排出管L13を介して戻すのは、全窒素用分解配管L6に残留する未加熱のペルオキソ二硫酸カリウム溶液が加熱分解液に混入することを防ぐためである。未加熱のペルオキソ二硫酸カリウム溶液は、全窒素測定の妨害成分となる。
なお、洗浄や希釈の作業前には、第1三方弁V9をON(純水タンクT8側が開)の状態で、純水ポンプP8の吸引動作が行われ、純水ポンプP8に純水が充填した状態とされている。
排液配管L9の途中には、排液ポンプP9が設けられている。
1.全窒素サンプル調整
まず、試料液配管L2により、所定量の試料液をサンプルカップ11に導入する。ここで、必要に応じて、純水配管L8から純水をサンプルカップ11に導入して試料液を希釈する。次いで、全窒素測定用の加熱分解試薬である第1試薬タンクT1の水酸化ナトリウム溶液と第2試薬タンクT2のペルオキソ二硫酸カリウム溶液をサンプルカップ11に導入し、試料液と加熱分解試薬を混合し、全窒素サンプル液とする。
そして、全窒素サンプル液の全量を全窒素用分解配管L6の加熱槽13(予熱状態)に収容されている部分(加熱分解部)まで吸引し、第1常閉弁V1と第2常閉弁V2をOFF(閉)の状態で、全りんサンプル調整を行っている間待機する。
サンプルカップ11内を洗浄した後、試料液配管L2により、所定量の試料液をサンプルカップ11に導入する。ここで、必要に応じて、純水配管L8から純水をサンプルカップ11に導入して試料液を希釈する。次いで、全りん測定用の加熱分解試薬である第2試薬タンクT2のペルオキソ二硫酸カリウム溶液をサンプルカップ11に導入し、試料液と加熱分解試薬を混合し、全りんサンプル液とする。
そして、全りんサンプル液の全量を全りん用分解配管L7の加熱槽13(予熱状態)に収容されている部分(加熱分解部)まで吸引して、第3常閉弁V3と第4常閉弁V4を閉状態とする。
全窒素用分解配管L6の加熱分解部を加圧し、次いで、全りん用分解配管L7の加熱分解部を加圧する。
そして、加熱槽13の温度を120℃として、30分間、全窒素用分解配管L6の全窒素サンプル液と全りん用分解配管L7の全りんサンプル液を加熱分解し、各々全窒素測定用の加熱分解液と全りん測定用の加熱分解液とする。
加熱分解により、試料液中の窒素化合物はすべて酸化されて硝酸イオンとなる。また、試料液中のリン化合物はすべて酸化されてリン酸イオンとなる。
全窒素用分解配管L6の加熱分解液を、圧抜き後、全窒素分解液排出管L13を介してサンプルカップ11に戻す。ここに、第4試薬タンクT4の塩酸を導入してpHを2~3に調整し、全窒素測定用の測定対象液を得る。
次いで、以下の手順に従って、吸光度検出部20で全窒素測定用の測定対象液の吸光度を測定する。
共洗いの必要がなければ、以下のステップD3~ステップD4の手順で行われる。
ステップD2:検出用ポンプP1を逆方向に駆動して、フローセル内に吸引した測定対象液をサンプルカップ11内に戻す。
ステップD3:検出用ポンプP1を正方向に駆動して、サンプルカップ11内の測定対象液の一部を前記フローセル内に吸引する。
ステップD4:吸光度検出部20で測定対象液の吸光度を測定する。
例えば、日本の、昭和49年環境庁(現・環境省)告示第64号及びJIS K 0102:2016の45では、硝酸イオン濃度に対応する波長220nmと、硝酸イオンの吸収がなく、濁り成分の量に対応する波長254nmの各波長の吸光度を測定し、220nmの吸光度から254nmの吸光度を差し引いた値を、予め求めた検量線情報に基づき換算することで、試料液の全窒素濃度が求められる。
また、中国の規格「HJ/ T 102-2003」、「GB 11894-89」では、硝酸イオン濃度に対応する波長220nmと、硝酸イオンの吸収がなく、濁り成分等の量に対応する波長275nmの各波長の吸光度を測定し、220nmの吸光度から275nmの吸光度の2倍を差し引いた値を、予め求めた検量線情報に基づき換算することで、試料液の全窒素濃度が求められる。
これにより、全窒素用分解配管L6とサンプルカップ11と検出配管L1の総てを洗浄できる。
検出配管L1内を充分に洗浄した後に、検出配管L1のバッファータンク15等に残った洗浄水は、検出用ポンプP1を逆方向に駆動して、サンプルカップ11内に戻し、サンプルカップ11に残った洗浄水と共に、排液配管L9から排液することが好ましい。
全りん用分解配管L7の加熱分解液をサンプルカップ11に戻す。ここに、第3試薬タンクT3のL-アスコルビン酸溶液を加えたブランク液を測定対象液として得る。
次いで、吸光度検出部20でブランク液を測定対象液としてリン酸イオンに基づくモリブデン青に対応する波長(詳細は後述する。)における吸光度を測定する。
共洗いの必要がなければ、上記のステップD3~ステップD4の手順で行われる。
ただし、ブランク液は、再度サンプルカップ11に戻す必要があるので、ステップD3でフローセル内に吸引する測定対象液の量は、ステップD1と同様に、バッファータンク15まで至らないよう、共洗いのために必要な最小限の量とする。
次いで、吸光度検出部20で発色液を測定対象液としてリン酸イオンに基づくモリブデン青に対応する波長(詳細は後述する。)における吸光度を測定する。
共洗いの必要がなければ、上記のステップD3~ステップD4の手順で行われる。
また、中国の規格「HJ/ T 103-2003」、「GB 11893-89」では、モリブデン青に対応する波長として、波長700nmを採用しているので、波長700nmにおける発色液の吸光度からブランク液の吸光度を差し引いた値を、予め求めた検量線情報に基づき換算することで、試料液の全りん濃度が求められる。
吸光度測定後、サンプルカップ11内の液を廃液タンクT7に廃液し、その後図6を用いて説明した手順に従って検出配管L1を洗浄する。洗浄水としては、純水で全りん用分解配管L7を洗浄し、その後サンプルカップ11に吐出された水を用いることが好ましい。
これにより、全りん用分解配管L7とサンプルカップ11と検出配管L1の総てを洗浄できる。
検出配管L1内を充分に洗浄した後に、検出配管L1のバッファータンク15等に残った洗浄水は、検出用ポンプP1を逆方向に駆動して、サンプルカップ11内に戻し、サンプルカップ11に残った洗浄水と共に、排液配管L9から排液することが好ましい。
本発明者らは、全窒素濃度の測定に影響を与えるL-アスコルビン酸溶液とモリブデン酸アンモニウム溶液の内、L-アスコルビン酸溶液に着目した。全窒素濃度を求めるための測定波長である紫外領域の吸収自体は、L-アスコルビン酸溶液の方が、モリブデン酸アンモニウム溶液より小さい。
塩酸溶液は、全窒素測定用の加熱分解液に最後に加える試薬である。他のいずれの試薬とも、試薬吐出配管を共用しないことにより、塩酸溶液を添加する段階で他の試薬が混入することを防止できる。
他の試薬供給配管が接続していない試薬吐出配管に配管Bを接続すると、反応槽10に挿入する試薬吐出配管の数を増やさなければならない。配管Bを第1試薬吐出配管L3に接続することにより、反応槽10に挿入する試薬吐出配管の数を抑制できるので、反応槽10の小型化が容易となる。
また、本発明に係る全窒素・全りん分析装置は、エア供給手段が接続されていなくともよい。その場合は、各試薬吐出配管の上流端を大気開放とし、その高さ位置を、各試薬吐出配管の下流端の高さ位置より高くしておく。この場合は、各試薬吐出配管の上流端の高さ位置を、各接続点の高さ位置より高くしておくことが好ましい。また、各接続点の高さ位置は、各試薬吐出配管の下流端の高さ位置より高くしておくことが好ましい。
また、上記実施形態の第2の態様において、エアポンプP10を動作させることらによるエアブローは省略してもよい。
また、配管Bを第1試薬吐出配管L3に接続する場合、配管Bの第1試薬吐出配管L3への接続点bは、水酸化ナトリウム溶液を供給する配管Aの第1試薬吐出配管L3への接続点a及びL-アスコルビン酸溶液を供給する配管Cの接続点cよりも下流側であってもよいし、接続点aより上流側であってもよい。
また、本発明に係る全窒素・全りん分析装置は、さらに、COD(化学的酸素要求量)濃度を加えた3項目を1台で測定できる全窒素・全りん/COD測定装置としてもよい。
11 サンプルカップ
12 蓋材
13 加熱槽
15 バッファータンク
20 吸光度検出部
30 制御部
L1 検出配管
L2 試料液配管
L3 第1試薬吐出配管
L4 第2試薬吐出配管
L5 第3試薬吐出配管
L6 全窒素用分解配管
L7 全りん用分解配管
L8 純水配管
L9 排液配管
L10 加圧用配管
L11 加熱槽洗浄用配管
L12 共通配管
L13 全窒素分解液排出管
P1 検出用ポンプ
P2 試料液ポンプ
P3 第1試薬ポンプ
P4 第2試薬ポンプ
P5 第3試薬ポンプ
P6 第4試薬ポンプ
P7 第5試薬ポンプ
P8 純水ポンプ
P9 排液ポンプ
P10 エアポンプ
Claims (7)
- 試料液にペルオキソ二硫酸カリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を加えて加熱分解した後、得られた加熱分解液を塩酸溶液でpH調整して吸光度を測定することにより前記試料液の全窒素濃度を求めることと、
試料液にペルオキソ二硫酸カリウム溶液を加えて加熱分解した後、得られた加熱分解液にL-アスコルビン酸溶液とモリブデン酸アンモニウム溶液を加えて得られた発色液の吸光度を測定することにより前記試料液の全りん濃度を求めることとを同じ反応槽を用いて行う全窒素・全りん分析装置であって、
前記反応槽と、下流端が前記反応槽に液を吐出可能な位置に配置された複数の試薬吐出配管と、下流端が前記複数の試薬吐出配管のいずれかの途中における接続点に接続して前記接続した試薬吐出配管に各試薬を供給する複数の試薬供給配管を備え、
前記複数の試薬供給配管は、水酸化ナトリウム溶液を供給する配管Aと、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を供給する配管Bと、L-アスコルビン酸溶液を供給する配管Cと、塩酸溶液を供給する配管Dと、モリブデン酸アンモニウム溶液を供給する配管Eからなり、 前記配管Aと前記配管Cは共通の試薬吐出配管に接続し、前記配管Dと前記配管Eとは各々他の試薬供給配管が接続した試薬吐出配管とは異なる試薬吐出配管に接続しており、 前記複数の試薬供給配管のいずれかから、前記接続点を超えて前記複数の試薬吐出配管のいずれかに供給された試薬の全量が前記反応槽に吐出されるように構成されていることを特徴とする、全窒素・全りん分析装置。 - 前記配管Cの前記共通の試薬吐出配管への接続点は、前記配管Aの前記共通の試薬吐出配管への接続点よりも下流側である、請求項1に記載の全窒素・全りん分析装置。
- 前記配管Aと前記配管Cが接続した前記共通の試薬吐出配管に、さらに前記配管Bが接続している、請求項1又は2に記載の全窒素・全りん分析装置。
- 前記配管Bの前記共通の試薬吐出配管への接続点は、前記配管Aの前記共通の試薬吐出配管への接続点よりも下流側である、請求項3に記載の全窒素・全りん分析装置。
- 前記複数の試薬吐出配管の上流側に、エア供給手段が接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
- さらに、前記反応槽との間で液が移動可能な加熱分解部を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
- さらに、前記反応槽との間で液が移動可能な吸光度検出部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の全窒素・全りん分析装置。
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プロセス制御に適用が可能な全窒素・全りん自動測定装置,オートメーション,2000年,Vol.45, No.3,Page.37-41 |
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