JP6007805B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
このような上ケースの意匠面の質感向上ための手法としてまずは塗装という手段が考えられる。また、最近では成形材料である樹脂に意匠性を向上させる材料(例えば、光を反射して輝きを見せるアルミニウム等のメタリック材料など)を練り込み成形する手法(以下、練りみ成形)があり、低コストで塗装に近い質感(高級感)が得られる。
従って、上ケース全体を練り込み材で構成した電気掃除機をリサイクルする場合、リサイクル率が著しく低くなるという課題がある。
図1、2において、この掃除機本体1(以下、本体1)は、内部に収容される電動送風機2が駆動することで生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を集塵部13に集塵するものである。
尚、集塵部13の集塵方式は、例えば紙パック式やサイクロン式集塵ボックスのどちらでもよく、本実施の形態では紙パック式とする。
下ケース3は上側が開口し、電動送風機2、集塵部13、制御部14、電源コードを巻き取るコードリール(図示せず)、コードリールを動作させる電源コード巻き取りボタン12、運転状態を表示する表示灯であるLED18などの機能部品を搭載する。
更に、下ケース3の前端には、電動送風機2の吸込側に連通する本体吸込口4が形成されており、この本体吸込口4と電動送風機2の間に集塵部13が位置している。また、本体吸込口4の上方には、アーチ形状のハンドル16が設けられている。
この手元操作部5には、電動送風機2などを複数の動作モードに設定する複数の設定ボタンが設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する操作把持部6が基端側に向けて突設されている。
そして、この延長管7の先端には、例えば、室内の床面の絨毯などの上に載置させて操作把持部6により操作され、絨毯などの上の塵埃を吸い込む吸込口体8が着脱可能に連通接続されている。
右側面部20aと左側面部20bは、所定の曲面を成しており、本体1の意匠性の向上に寄与する部位である。
また、右側面部20aと左側面部20bの前端には、第1の上ケース20を下ケース3にネジ止めにより固定するための固定部位である固定用ボス21が形成されている。
また、接続部20cの上面には、上蓋11を開閉自在に保持する固定軸構造部23が形成されている。
次に、第2の上ケース30は、本体1の上面と後面を構成する部材であり、上面には、LED18が位置するLED用貫通穴33、電源コード巻き取りボタン12が臨む開口31が形成されている。
また、この開口31の両脇には、形成された第1の上ケース20の固定用爪24と係合する係合開口37が形成されている。
また裏側には、第2の上ケース30をネジにより下ケース3に固定する為の固定用ボス34、コードリールを固定するコードリール固定構造部36を設けており、第1の上ケースと重なる範囲のリブやボスは成形時にヒケが出てもよく、強度や機能を重視した寸法となっている。
尚、第2の上ケース30は、各機能部位を構成するため複雑な形状をなしていることから、練り込み材料は使用せず、通常の樹脂材料やリサイクル材料からなる樹脂材料、又は、リサイクル可能な樹脂材料により形成されている。
まず、図4及び図5を参照すると、第1の上ケース20の固定用爪24を第2の上ケース30の係合開口37に挿入させることで、第1の上ケース20に対して第2の上ケース30が固定される。
また、固定用爪24は、係合開口37に入り込むので、固定用爪24にできてしまうフローマークを隠すことができる。
ここで、上ケース20,30と下ケース3を固定した後、固定用ボス21が位置する部位を覆うように、ハンドル16を取り付ける。これにより、第1の上ケース20の前端に位置する固定用ボス21近傍に生じるフローマーク(外観不良)を隠すことができる。
また、上記のように組み立てられ結合した第1の上ケース20と第2の上ケース30は、掃除機を廃棄する際に再び分解することができ、材料が異なる樹脂ごとに分けることが可能に構成されている。更に、再生材料を使用している第2の上ケース30の方が練り込み材(リサイクルが困難な材料)を使用している第1の上ケース20よりも質量が大きいため、リサイクル率が高い掃除機が得られる。
また、本実施の形態では、集塵部13の上方に上蓋11を設け、集塵部開口20dを開閉自在に構成して、外部から集塵部13が見えないように構成しているが、集塵部13をサイクロン方式のものを採用した場合、上蓋11を設けず、集塵部自体が外部から見えるように構成しても良い。
但し、どうしても必要とされる下ケース3との固定用ボス21、リブ22、上蓋(集塵部)11との固定軸構造部23、第2の上ケース30固定用爪24においては、第1の上ケース20の端部に設けて、フローマークが発生しても目立たない位置となるように構成している。
更に、従来は、排気洩れや運転音洩れを抑制するために、金型開口26はウレタン材等の部品で埋めていたが、本構成では当該開口を上記の通り突起部38がふさぐ為の追加部品が発生することなく、また確実に穴や溝を隠すことができる。
成形された第1の上ケース20に位置する金型内に樹脂を流し込むゲートに対向する
ゲート位置25は、第2の上ケース30と接続したときに、この第2の上ケース30と重なる範囲に位置させると良い。
このように、第1の上ケース20が第2の上ケース30の下側となるように両ケースが重なり合っている範囲内にゲート位置25を形成することで、ゲート位置25を目立たなくする為の後処理加工やゲート位置25を隠す為の部品を追加する必要が無く、安価に上ケース20,30の外観意匠を綺麗にまとめることができる。
この様な構成により、相反する意匠性設計と機能、構造、強度確保設計各々を別々に分けて設計できるので、商品仕様やデザインに対する設計の自由度が向上できる。
また、製品のモデルチェンジ(特にマイナーチェンジ)の際は、形状を変更するケースの設計や金型の変更を行えばよいので、必要最小限の投資と労力にて、対応することが可能となる。
本実施の形態では、第1の上ケース20の意匠部面積より、第2の上ケース30の意匠部面積を小さく構成した。よって、第2の上ケース30においては、意匠面を構成するには適さない材料である再生材などを適用するなどしてリサイクル性を向上しつつコストダウンを図ることも可能となる。
また、第2の上ケース30は、この様な再生可能な樹脂材料から構成されているので、樹脂の再利用が容易となっている。
つまり、上ケースを意匠と機能・構造を兼ねた1つ部品で形成する従来の構造よりも、本発明のように意匠部品と機能・構造部品とに分けて構成した方が、リサイクル性に優れ外観意匠性を確保しながら、全体として軽量化およびコストダウンができる。
Claims (4)
- 本体の外殻となるケースと、
該ケース内部に搭載された機能部品を有し、
前記ケースは、下ケースと該下ケースを覆う上ケースを有し、
前記上ケースは複数の上ケース部品から構成され、
前記上ケース部品は、外観意匠を主とした第1の上ケースと、機能や構造を主とした第2の上ケースを有し、
前記第2の上ケースは、成形材料にリサイクル可能な材料、又は、リサイクル材料を適用し、
前記第1の上ケースは、成形材料に前記第2の上ケースとは異なる材料である練り込み材料を適用したことを特徴とする電気掃除機。 - 前記第1の上ケースは、成形材料に意匠性を向上させる材料を適用したことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
- 前記第1の上ケースに形成される他のケースと結合する為の固定部位は、該第1の上ケースの端側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記第1の上ケースに位置する金型内に樹脂を流し込むゲートに対向するゲート位置は、前記第2の上ケースと接続したときに、該第2の上ケースと重なる範囲であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気掃除機。
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