JP6007257B2 - 着色メタリック顔料および着色物 - Google Patents

着色メタリック顔料および着色物 Download PDF

Info

Publication number
JP6007257B2
JP6007257B2 JP2014538533A JP2014538533A JP6007257B2 JP 6007257 B2 JP6007257 B2 JP 6007257B2 JP 2014538533 A JP2014538533 A JP 2014538533A JP 2014538533 A JP2014538533 A JP 2014538533A JP 6007257 B2 JP6007257 B2 JP 6007257B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
colored
compound
metallic pigment
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014538533A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014050893A1 (ja
Inventor
勝信 久保
勝信 久保
聡史 小林
聡史 小林
健史 青木
健史 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA filed Critical TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Publication of JPWO2014050893A1 publication Critical patent/JPWO2014050893A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6007257B2 publication Critical patent/JP6007257B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/08Metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/62Metallic pigments or fillers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/62Metallic pigments or fillers
    • C09C1/64Aluminium
    • C09C1/644Aluminium treated with organic compounds, e.g. polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C3/00Treatment in general of inorganic materials, other than fibrous fillers, to enhance their pigmenting or filling properties
    • C09C3/08Treatment with low-molecular-weight non-polymer organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/60Optical properties, e.g. expressed in CIELAB-values
    • C01P2006/65Chroma (C*)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2335/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical, and containing at least one other carboxyl radical in the molecule, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Derivatives of such polymers
    • C08J2335/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/02Elements
    • C08K3/08Metals
    • C08K2003/0812Aluminium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、着色メタリック顔料および着色物に関する。
メタリック感覚の美粧効果を得るために、アルミニウム微粉末などのメタリック顔料が広く使用されている。また近年、種々の色調を有する着色メタリック顔料が開発されている。
このような着色メタリック顔料としては、一般にメタリック顔料の表面に着色顔料を含有した樹脂皮膜を形成したものが知られている。たとえば、二重結合を有するモノマーは可溶であるが、このモノマーを重合したポリマー(樹脂)は不溶であるような有機溶剤中に、モノマー、メタリック顔料および着色顔料を添加し混合した後、これに重合開始剤を加えてモノマーを重合させ、メタリック顔料の表面に着色顔料を含有する樹脂層を形成させたものが知られている。しかし、この方法で得られた着色メタリック顔料は、光沢レベルが良好なものや彩度の高いものは得られていない。
このため、これを解決するための技術として、たとえば特開平01−315470号公報(特許文献1)には、メタリック顔料の表面に、二重結合を有する1種以上のカルボン酸を熱重合した、1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸を介して着色顔料を化学吸着させてなる着色メタリック顔料が開示されている。
また、特開平09−124973号公報(特許文献2)には、分子中に2個のアミノ基を有し、カルボキシル基を持たないアミノ化合物で表面処理された着色顔料をアルミニウムフレークなどの基体粒子に付着させてなる着色メタリック顔料が開示されている。
特開平01−315470号公報 特開平09−124973号公報
特許文献1は予めメタリック顔料の表面を処理するものであり、特許文献2は予め着色顔料の表面を処理するものであるため、これら両者は全く異なったアプローチがとられていた。しかし、これら両技術は、互いに表面に他の化合物を予め付着させた状態で着色顔料をメタリック顔料に付着させるという点では共通していた。
しかしながら、このように他の化合物を予め付着させた状態で着色顔料をメタリック顔料に付着させる技術では、メタリック顔料と着色顔料間の付着力には限界があり、さらに強固な付着力が必要であると考えられていた。これら両者間の強固な付着力が着色メタリック顔料の良好な光沢または高い彩度を可能とするためである。
なお、上記両技術において予め表面に付着する化合物は、特許文献1ではカルボン酸が使用され、特許文献2ではアミンが使用されていたため、これら両技術を併用すると酸−塩基の塩形成による凝集が生じ、両技術を併用することは不可能と考えられていた。
そこで、本発明は、これら両技術とは全く異なったアプローチをとり、着色顔料がメタリック顔料の表面に強固に付着することにより、良好な光沢または高い彩度を有する着色メタリック顔料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特許文献1や特許文献2のように、メタリック顔料または着色顔料の各表面に予め他の化合物を付着させた状態で着色顔料をメタリック顔料の表面に付着させるのではなく、他の化合物の共存化で着色顔料をメタリック顔料の表面に直接付着させる方が強固な付着状態が得られるとの知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ねることにより本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の着色メタリック顔料は、メタリック顔料と着色顔料と第1化合物と第2化合物とを含み、該着色顔料は、該第1化合物および該第2化合物の共存下で該メタリック顔料の表面に付着しており、該第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、該第2化合物は、1個以上のアミノ基を有する化合物である、ことを特徴とする。
ここで、該第1化合物は、不飽和カルボン酸の重合体または二塩基酸であることが好ましく、不飽和カルボン酸の重合体であることがより好ましい。また、該第2化合物は、1個以上のアミノ基を有するアミンであることが好ましい。さらに、該第1化合物は、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸を重合した重合カルボン酸、または、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸であることが好ましく、該第2化合物は、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、脂環式ジアミン、脂環式トリアミン、脂環式テトラアミン、および脂環式多価アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミンであることが好ましい。
また、本発明の着色メタリック顔料は、表面に保護層が形成されていることが好ましい。
また、本発明は、着色メタリック顔料を含む、着色物にも係わる。
本発明の着色メタリック顔料は、着色顔料がメタリック顔料に強固に付着し、以って良好な光沢または高い彩度を有するという優れた効果を有する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<着色メタリック顔料>
本発明の着色メタリック顔料は、メタリック顔料と着色顔料と第1化合物と第2化合物とを含み、該着色顔料は、該第1化合物および該第2化合物の共存下で該メタリック顔料の表面に付着しており、該第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、該第2化合物は、1個以上のアミノ基を有する化合物であることを特徴とする。
このように本発明の着色メタリック顔料は、従来技術のようにメタリック顔料や着色顔料の表面に予め他の化合物を付着させた状態で、着色顔料をメタリック顔料の表面に付着させるというアプローチを採用するものではなく、全く異なったアプローチを採用するものである。すなわち、本発明で用いる着色顔料は、他の化合物が表面に予め付着した状態で使用するのではなく、本質的に他の化合物が付着していない状態で直接的にメタリック顔料の表面に付着している。また、この場合、本質的にメタリック顔料の表面にも予め他の化合物は付着していない。ただ、これら両者が付着する場合において、後述の第1化合物および第2化合物が共存しているのである。
第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、本質的に酸である。これに対して第2化合物は、1個以上のアミノ基を有する化合物であり、本質的に塩基である。このため、これらの第1化合物および第2化合物をそれぞれ予めメタリック顔料および着色顔料の表面に付着させた状態でこれらを混合すると、酸−塩基の塩形成による凝集が急激に発生し、着色顔料を選択的にメタリック顔料の表面に付着させることが不可能となる。
これに対し、着色顔料を第1化合物および第2化合物の共存下でメタリック顔料の表面に付着させると、驚くことに上記のような凝集は一切発生せず、着色顔料がメタリック顔料の表面に強固に付着することが見出された。この詳細なメカニズムは不明ながら、恐らく、第1化合物と第2化合物のミクロな状態での凝集が発生し、これがマクロな凝集状態となる前に個々のメタリック顔料表面に堆積し、この堆積が着色顔料を取り込みながら進行するため、結果的に第1化合物および第2化合物の作用により着色顔料がメタリック顔料の表面に強固に付着するものと推測される。
したがって、本発明において、着色顔料がメタリック顔料の表面に付着するという場合は、必ずしも着色顔料とメタリック顔料とが直接接触している場合のみを意味するものではなく、第1化合物および/または第2化合物が両者間に介在する状態で着色顔料がメタリック顔料に付着しているような態様をも意味するものである。よって、着色顔料が「第1化合物および第2化合物の共存下でメタリック顔料の表面に付着」するとは、物理的には、着色顔料とメタリック顔料とが直接接触して付着している態様ならびに第1化合物および/または第2化合物が両者間に介在する状態で着色顔料がメタリック顔料に付着している態様の両者を含むものとする。なお、本発明においては、通常、複数個の着色顔料が1個のメタリック顔料の表面に付着した態様を有し、第1化合物および第2化合物は、着色顔料を介して、または介さずに、メタリック顔料上に存在するものと考えられる。
このように本発明の着色メタリック顔料は、着色顔料がメタリック顔料に強固に付着しているため、良好な光沢または高い彩度を示す。
ここで、本発明の着色メタリック顔料の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜50μmである。平均粒径が1μm未満の場合、メタリック感が減退する場合があり、300μmを超えると塗膜表面の平滑性を損なう場合がある。なお、本発明において平均粒径とは、レーザー回折法などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布に基づき、その体積平均を算出して求められる体積平均粒径をいう。
<メタリック顔料>
本発明の着色メタリック顔料を構成するメタリック顔料は、メタリック感を呈するものであれば従来公知のメタリック顔料をいずれも用いることができ、特に限定されるものではない。
たとえば、このようなメタリック顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、鉄、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属により構成されるメタリック顔料およびこれらの金属を含む合金により構成されるメタリック顔料を挙げることができる。これらのメタリック顔料の中でもアルミニウムからなるアルミニウム顔料は、反射率が高く金属光沢に優れ、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。
なお、このようなメタリック顔料には、無機化合物粒子(ガラス、マイカ、およびアルミナまたはチタニアなどのセラミックス粒子等)、またはそれらの表面にめっき等により金属による被膜を形成することでメタリック感を呈するようにした粒子も含まれる。
以下、このようなメタリック顔料として特に好適なアルミニウム顔料について説明する。ここで、本発明に用いるアルミニウム顔料の組成としては、アルミニウムのみから構成されていてもよいし、またアルミニウム基合金から構成されていてもよく、アルミニウムの純度は特に限定されない。また、その表面には耐食性や意匠性を向上させるための金属酸化物被膜などの表面処理が施されていてもよい。
また、本発明に用いるアルミニウム顔料の形状は、粒状、板状、塊状、フレーク状(鱗片状)など種々の形状のものを用いることができるが、塗料として使用した場合、塗膜に優れたメタリック感および輝度を与えるためにはフレーク状であることが好ましい。
そして、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であればより好ましい。また、この平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であればより好ましい。
上記平均粒径が1μm以上である場合、製造工程での取り扱いが容易であり、アルミニウム顔料は凝集しにくい傾向を示し、平均粒径が100μm以下である場合、塗料として使用した場合に塗膜表面が荒れるのを防止でき、好ましい意匠を実現できる。
さらに、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均厚みは、特に限定されるものではないが、0.02μm以上であることが好ましく、特に0.1μm以上であることがより好ましい。また、平均厚みは、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であればより好ましい。この平均厚みが0.02μm以上である場合、製造工程の容易さの点で有利であり、平均厚みが5μm以下である場合、塗膜等の塗料組成物の外観の点で有利である。
ここで、本発明に用いるアルミニウム顔料の平均粒径は、レーザー回折法などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布に基づき、その体積平均を算出して求められる。また、平均厚みは、アルミニウム顔料の隠ぺい力と密度により算出される。
また、本発明に用いるアルミニウム顔料を得る方法としては、特に限定されず、たとえばボールミルやアトライターミルの中で粉砕媒体の存在下、原料となるアルミニウム粉末を脂肪酸等の粉砕助剤を用いて粉砕もしくは磨砕することにより製造されるものでもよいし、フィルム上にアルミニウムを蒸着させたアルミニウム蒸着箔を破砕することにより得られるものでもよい。上記粉砕媒体としては、ミネラルスピリット、ソルベントナフサなどの高引火点の鉱物油を使用することができる。
なお、以上の説明は、アルミニウム顔料以外のメタリック顔料についても同様である。
<着色顔料>
本発明の着色メタリック顔料を構成する着色顔料は、従来公知の顔料を特に限定することなく使用することができる。
本発明におけるメタリック顔料は、主として金属光沢を付与する作用を有するものであり、色彩的には無彩色となることが多いため、この着色顔料は、主として有彩色の色彩を付与する作用を有するものである。しかし、有彩色のみに限定されることはなく、たとえば白色や黒色等の無彩色を付与する作用を有していてもよい。
このような着色顔料としては、たとえば次のようなものを例示することができる。すなわち、ジケトピロロピロール系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、スレン系、ペリノン系、ペリレン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、等の有機顔料、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。
具体的にはフタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、アゾメチン金属錯体、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、縮合アゾ、トリフェニルメタン、キノフタロン、アントラピリミジン、酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、バナジウム酸ビスマス、複合酸化物焼成顔料、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、超微粒子酸化チタンなどを例示することができる。
また、本発明の着色メタリック顔料が化粧料に使用される場合には、皮膚への安全性を考慮して、各国で定められた化粧料用および医薬品用タール色素、化粧品原料基準を満たした顔料など化粧料で一般的に使用される着色顔料も使用できる。
メタリック顔料への付着性、耐候性および着色力の面から特に好ましい顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンゴールド、アントラキノン、インダンスレンブルー、ジケトピロロピロール、イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ、アントラピリミジンイエロー、ジオキサジンバイオレット、ペリレンマルーン、アゾメチン銅錯体、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料、透明酸化鉄、カーボンブラック、超微粒子酸化チタン等を挙げることができる。
このような着色顔料の一次粒子径については、特に限定されないが、好ましくは0.01〜1μmの範囲内、より好ましくは0.02〜0.2μmの範囲内のものが使用できる。一次粒子径が0.01μm以上の場合には顔料の分散が困難となる危険性が少なく、一次粒子径が1.0μm以下の場合にはメタリック顔料表面に均一に付着させることが困難となる危険性が少ない。
着色顔料の付着量は、メタリック顔料100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下、より好ましくは5質量部以上100質量部以下である。付着量は、メタリック顔料の比表面積に応じて適宜調整することが好ましい。付着量が1質量部未満の場合は最終的に得られる着色メタリック顔料について十分な彩度が得られず、また付着量が200質量部を超える場合は、最終的に得られる着色メタリック顔料の光輝感が低下する。
なお、本発明の着色顔料は、所定の条件下で粒子状態を保持する限り、染料として分類されるものも含まれる。
<第1化合物>
本発明の着色メタリック顔料を構成する第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物である。このような第1化合物は、後述の第2化合物と相乗的に作用することにより、着色顔料をメタリック顔料の表面に付着させる作用を有するものである。
このような第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物である限り、特に限定することなく使用することができ、1分子中のカルボキシル基数の上限は特に限定されない。
このような第1化合物としては、2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸が好ましく、少なくとも1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸またはその重合体、または二塩基酸がより好ましい。また、このような重合体としては、不飽和カルボン酸の重合体が好ましく、特に熱重合カルボン酸が好ましい。熱重合カルボン酸とは、二重結合を有する1種類以上のカルボン酸を熱重合して得られた1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸を意味する。
このような不飽和カルボン酸の重合体の出発原料の例としては、二重結合とカルボキシル基とを有する化合物である3−オクテン酸、10−ウンデセン酸、オレイン酸、リノール酸、エライジン酸、アクリル酸、リノレン酸や、工業的に供給されている脂肪酸混合物であるトール油脂肪酸、パーム油脂肪酸、米糠油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸等を挙げることができ、これらを各単独でまたは2種以上を組合わせて用いることができる。
このような不飽和カルボン酸の重合体のより好ましい例としては、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸を重合した重合カルボン酸、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸、トール油脂肪酸を重合した重合カルボン酸等を例示することができ、特に熱重合カルボン酸である、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸を熱重合した熱重合カルボン酸、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸とアクリル酸とを熱重合した熱重合カルボン酸等を例示することができる。
また、このような重合カルボン酸の市販品としては、ハリダイマー200、ハリダイマー300、ダイアシッド1550(以上各商品名、ハリマ化成社製)、プリポール1017(商品名、ユニケマ社製)、エンポール1008(商品名、コグニス社製)、ユニダイム27(商品名、アリゾナケミカル社製)、バーサダイム216(商品名、ヘンケルジャパン社製)などを挙げることができる。
二塩基酸の例としては、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アセトンジカルボン酸、ドデカン二酸、エイコサ二酸、エイコサジエン二酸、エチルオクタデカン二酸、ジメチルエイコサン二酸、オクダデカンジエンジ二酸、イソドコサジエンニ酸、イソドコサン二酸、イソエイコサジエン二酸、ブチルオクタン二酸、ジアルコキシカルボニルイソドコサジエン二酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の二塩基酸であることが好ましい。
ここで、着色メタリック顔料に含まれる第1化合物の量は、使用するメタリック顔料の表面積と使用する着色顔料の量により異なるが、メタリック顔料100質量部に対し、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、特に0.5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。0.1質量部未満であれば着色顔料をメタリック顔料の表面に十分に付着させることができず、30質量部を超えてもかかる効果に変わりがなく経済的に不利となる。
<第2化合物>
本発明の着色メタリック顔料を構成する第2化合物は、1個以上のアミノ基を有する化合物である。このような第2化合物は、上記の第1化合物と相乗的に作用することにより、着色顔料をメタリック顔料の表面に付着させる作用を有するものである。
このような第2化合物は、1個以上のアミノ基を有する化合物である限り、特に限定することなく使用することができ、1分子中のアミノ基数の上限は限定されない。このような第2化合物としては、特に1個以上のアミノ基を有するアミンが好ましい。着色顔料をメタリック顔料の表面に特に強固に付着させる作用を有するためである。なお、本発明でいうアミノ基とは、アンモニア、第一級アミンまたは第二級アミンから水素を除去した1価の官能基をいう。
そして、このような1個以上のアミノ基を有するアミンとしては、2個以上のアミノ基を有するアミンが好ましく、より具体的には、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、脂環式ジアミン、脂環式トリアミン、脂環式テトラアミン、および脂環式多価アミン(アミノ基の数が5個以上のもの)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミンを挙げることができる。
ここで、着色メタリック顔料に含まれる第2化合物の量は、使用するメタリック顔料の表面積と使用する着色顔料の量により異なるが、メタリック顔料100質量部に対し、0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、特に0.5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。0.1質量部未満であれば着色顔料をメタリック顔料の表面に十分に付着させることができず、30質量部を超えると凝集が発生し着色顔料をメタリック顔料の表面に十分に付着させることができなくなる。
<保護層>
本発明の着色メタリック顔料は、表面に保護層が形成されていることが好ましい。この保護層は、着色メタリック顔料を緻密に被覆することにより、着色顔料の付着性をさらに向上させるとともに、耐水性を付与する作用を有するものである。なお、ここでいう耐水性とは、着色メタリック顔料を水性塗料や水性インキ中に配合する等して水分と接触させた場合に、ガスの発生を抑制する作用をいう。また、保護層は、着色メタリック顔料の全表面を被覆していることが好ましいが、製造条件等により、着色メタリック顔料の表面の一部が保護層により被覆されていなくてもよい。
上記保護層は、少なくとも1個の重合性二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマーをラジカル重合させることにより得られる樹脂、または、Al、Si、Ti、Cr、Zr、Mo、およびCeからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物または水酸化物で構成されていることが好ましい。また、保護層は当該樹脂と当該酸化物または当該水酸化物との両方により構成されていてもよく、この場合、当該樹脂と当該酸化物または当該水酸化物との層形成の順序は特に限定されない。
保護層を構成する樹脂は、メタリック顔料表面に付着させた着色顔料を強固に固定することができ、着色顔料の剥落を防ぐことが可能となる。ここで、保護層を構成する樹脂は、少なくとも1個の重合性二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマーがラジカル重合することにより高分子化し、樹脂状となったものをいう。したがって、このような樹脂は、このように少なくとも1個の重合性二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマーをラジカル重合させることにより得られるため、上記の着色メタリック顔料上またはその周辺でこのようなラジカル重合を実行することにより、着色メタリック顔料の表面にラジカル重合性樹脂からなる保護層を形成することができる。このようなラジカル重合性樹脂の形成により着色メタリック顔料の表面に安定で緻密な被覆層が形成されるので、最終的に得られる着色メタリック顔料からの着色顔料の剥離を飛躍的に減少させることができる。
このような樹脂を形成する場合、ラジカル重合性樹脂の量は、メタリック顔料100質量部に対し、0.5〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部が適当である。ラジカル重合性樹脂の量は、メタリック顔料の比表面積、被覆するラジカル重合性樹脂の密度等を勘案して適宜決定することができる。
なお、このようなラジカル重合性樹脂で構成される樹脂の厚みは特に限定されないが、5nm以上200nm以下であれば着色メタリック顔料の耐水性(5nm未満では不十分)および塗膜等の塗料組成物の外観(200nmを超えると外観が損なわれる)の点で有利である。厚みの測定方法は、走査電子顕微鏡等による着色メタリック顔料の断面観察により測定できる。
着色メタリック顔料を樹脂で被覆する具体的な方法は、該着色メタリック顔料を炭化水素系あるいはアルコール系溶媒(好ましくは炭化水素系溶剤)に分散した分散体に、モノマーおよび/またはオリゴマーと過酸化ベンゾイル、過酸化イソブチル、アゾビスイソブチロニトリル等の重合開始剤とを添加し、撹拌させながら加熱してモノマーおよび/またはオリゴマーをラジカル重合させ、該着色メタリック顔料表面に析出させる方法が好ましい。
この場合、重合開始剤の添加量は、モノマーおよび/またはオリゴマー100質量部に対して1質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。重合反応は、無酸素雰囲気、たとえば窒素、アルゴン等の不活性ガス中で行なうことが望ましい。反応温度は50〜150℃、より好ましくは70〜110℃が適当である。また、反応時間は30分以上30時間以下が好ましい。
上記のモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、下記のものが例示される。すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、1,4ブタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,9ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ポリブタジエン、アマニ油、大豆油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジビニルベンゼンモノオキサイド、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジオクチル−2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、2−メタクリロイロキシプロピルアッシドフォスフェート、ビス(2−クロロエチル)ビニルホスホネート、ジ−2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、トリ−2−メタクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジ−2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、トリ−2−アクリロイロキシエチルアッシドフォスフェート、ジアリルジブチルホスホノサクシネート、アクリル変性ポリエステル(重合度2〜20程度)、アクリル変性ポリエーテル(重合度2〜20程度)、アクリル変性ウレタン(重合度2〜20程度)、アクリル変性エポキシ(重合度2〜20程度)、アクリル変性スピラン(重合度2〜20程度)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、当該モノマーおよび/またはオリゴマーとして、重合性二重結合を2個以上有するモノマーおよび/またはオリゴマーを使用した場合には、3次元架橋したラジカル重合性樹脂からなる樹脂が形成され、耐水性が一層向上する点で有利である。
なお、着色メタリック顔料において、保護層が樹脂で構成されているか否かの同定は、質量分析法、NMRなどによる重合開始剤残基の分析、より簡易的には分子量、分子量分布、ガラス転移点、有機溶剤への溶解性などにより確認することができる。
また、保護層を構成する酸化物または水酸化物は、Al、Si、Ti、Cr、Zr、Mo、およびCeからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物または水酸化物である。このような酸化物または水酸化物を用いることにより、着色メタリック顔料の表面に水に対して安定で緻密な被膜が形成されるため、最終的に得られる着色メタリック顔料の耐水性が飛躍的に向上する。なお、このような酸化物および水酸化物は、先に付着させる着色顔料の発色を阻害しないためにも無色であることが好ましい。
このような酸化物または水酸化物の具体例を挙げると、たとえば酸化珪素、ポリシロキサンの縮合物、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、水酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、水酸化セリウム等が例示できる。これらの中でも、酸化珪素および/またはポリシロキサンの縮合物(すなわち、酸化珪素のみ、ポリシロキサンの縮合物のみ、およびこれら両者の混合物)が透明性、安全性、生産コストの面で特に好ましい。
このような酸化物または水酸化物は、1種のみであるいは2種以上の混合物で保護層を構成することができる。なお、酸化珪素およびポリシロキサンの縮合物は、ともにSiの酸化物であり、ポリシロキサンの縮合物とは、有機珪素化合物がシロキサン結合で縮合した化合物を意味する。
このような酸化物または水酸化物の使用量は、メタリック顔料100質量部に対し、0.5質量部以上100質量部以下、より好ましくは5質量部以上30質量部以下が好ましい。使用量は、目的とする保護層の厚み、メタリック顔料の比表面積、被覆する酸化物または水酸化物の密度等を勘案して決定することができる。なお、このような酸化物または水酸化物で構成される保護層の厚みは特に限定されないが、5nm以上200nm以下であれば着色メタリック顔料の耐水性(5nm未満では不十分)および塗膜等の塗料組成物の外観(200nmを超えると外観が損なわれる)の点で有利である。厚みの測定方法は、走査電子顕微鏡等による着色メタリック顔料の断面観察により測定できる。
着色メタリック顔料を酸化物または水酸化物で被覆する方法は、特に限定されないが、該着色メタリック顔料を水および/または親水性溶媒に分散した分散体に、Al、Si、Ti、Cr、Zr、Mo、およびCeのいずれかの塩またはアルコキシド等の前駆体化合物を加え、さらにその前駆体化合物を中和させる中和剤または加水分解させる加水分解触媒を加えることにより、着色メタリック顔料の表面に酸化物または水酸化物を析出させる方法を挙げることができる。
上記の親水性溶媒の例としては以下のものが挙げられる:
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、アセトン。
上記の酸化物または水酸化物の前駆体化合物の例としては以下のものが挙げられる:硝酸アルミニウム、硝酸セリウム、酢酸セリウム、硫酸チタニル、モリブデン酸アンモニウム等の塩、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラブトキシジルコニウム、トリイソプロポキシアルミニウム等およびそれらの縮合物。
上記中和剤および加水分解触媒の例としては以下のものが挙げられる:
中和剤:アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等。
塩基性加水分解触媒:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、尿素、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等。
酸性加水分解触媒:蓚酸、酢酸、硝酸、硫酸、燐酸、ホスホン酸等。
このような酸化物または水酸化物としては、特に酸化珪素および/またはポリシロキサンの縮合物が好ましく、これらによる保護層の形成方法としては、酸化珪素の場合であれば、たとえば着色メタリック顔料と珪素化合物を含む溶液とを、塩基性または酸性に保ちながらスラリー状態またはペースト状態で撹拌または混練する方法等が採用でき、これにより着色メタリック顔料の表面に酸化珪素からなる保護層を形成することができる。また、ポリシロキサンの縮合物の場合であれば、たとえば着色メタリック顔料とアルコキシシランの共存下、アルコキシシランを加水分解および縮合することによって着色メタリック顔料の表面にポリシロキサンの縮合物からなる保護層を形成することができる。しかしながら、これらの方法のみに限定されるものではない。
<製造方法>
本発明の着色メタリック顔料は、上記のような構成、特に着色顔料が第1化合物および第2化合物の共存下でメタリック顔料の表面に付着していることを特徴とするが、着色顔料を第1化合物および第2化合物の共存下でメタリック顔料の表面に付着させる方法、すなわち本発明の着色メタリック顔料の製造方法は特に限定されない。
たとえば、メタリック顔料と第1化合物と第2化合物と着色顔料とを混合することにより、本発明の上記のような構成の着色メタリック顔料を製造することができる。このように、簡単な方法で製造できることも本発明の特徴である。
なお、上記の混合においても、メタリック顔料、第1化合物、第2化合物および着色顔料をどのような順序で混合しても差し支えなく、その順序は特に限定されない。たとえば、全ての成分を一度に加えて混合してもよいし、各成分を順番に加えながら混合してもよい。また、着色顔料は、そのまま加えてもよいし、加える前に予め分散機などで分散したものを用いてもよい。
なお、上記の混合に際しては、各成分を分散または溶解させるために溶媒を用いるのが好ましい。また、混合方法としては、スラリー状態で攪拌機などを用いて混合してもよいし、ペースト状態でニーダーミキサーなどの混練機を用いて混合してもよい。
また、この混合に際し、メタリック顔料と第1化合物との混合比は、メタリック顔料1質量部に対し、第1化合物を0.01〜0.3質量部とすることが好ましく、0.05〜0.2質量部とすることがより好ましい。同様に、メタリック顔料と第2化合物との混合比は、メタリック顔料1質量部に対し、第2化合物を0.01〜0.3質量部とすることが好ましく、0.05〜0.2質量部とすることがより好ましい。なお、第1化合物および第2化合物の混合比が0.01質量部未満では着色顔料の付着が十分に生じない場合があり、0.3質量部を超えても着色顔料の付着性に変化はない。しかしながら、第1化合物と第2化合物の混合比をこれらの範囲に限定するものではない。
一方、メタリック顔料と着色顔料の混合比は、メタリック顔料1質量部に対し、着色顔料を0.01〜3質量部とすることが好ましく、0.1〜1質量部とすることがより好ましい。
一方、スラリー状態またはペースト状態とする溶媒は、特に限定されない。水、アルコール、エーテルなどの極性溶媒を使用することもできるし、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの非極性溶媒を使用することもできる。しかし、メタリック顔料に対する溶媒による腐食の影響を避けるためには、非極性溶媒を使用することが好ましい。
このような非極性溶媒としては、沸点が100℃から250℃程度の範囲にある脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびそれらの混合物等を好適に使用できる。具体的には、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、灯油、ミネラルスピリット、石油ベンジン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
メタリック顔料と非極性溶媒との混合比は、特に限定されないが、メタリック顔料1質量部に対し、非極性溶媒を0.1〜5質量部とすることが好ましい。0.1質量部未満では各成分の分散または溶解が困難となる場合があり、5質量部を超えると最終的に得られた着色メタリック顔料と溶媒とを分離する濾過工程に長時間を要する場合があり、生産性が低下する場合がある。
混合時間も特に限定されないが、1分から2時間の範囲内で行なうのが好ましく、1分から1時間以内とすることがより好ましい。1分未満では着色顔料の付着が十分ではなく得られた着色メタリック顔料の意匠性が低下する場合があり、2時間を超えても着色顔料の付着性に変化はなく、生産性が低下する場合がある。また、混合時間を必要以上に長くするとメタリック顔料自体の変形が生じる場合がある。
混合時の温度も特に限定されないが、0℃から150℃の範囲内とすることが好ましい。0℃未満では着色顔料が十分に付着しない場合があり、150℃を超えても着色顔料の付着性に変化はなく、エネルギーのロスにつながる場合がある。
なお、上記の混合を行なう前に、使用するメタリック顔料の表面に付着した脂肪酸等を除去する工程として脱脂工程を行なうことが好ましい。特に、アルミニウム顔料のように脂肪酸等の粉砕助剤を用いて製造されたメタリック顔料の場合には、その表面に粉砕助剤である脂肪酸等が付着しており、これが着色顔料の付着を阻害するおそれがあるため、混合を行なう前に脱脂工程を行なうことが好ましい。
このような脱脂工程の方法は特に限定されないが、たとえばメタリック顔料を大量の溶媒中に分散して表面に付着した脂肪酸等を除去する方法や、メタリック顔料を他の化合物と接触または混合することによりその表面を処理し脂肪酸等を除去する方法などを挙げることができる。後者の方法の場合、たとえば、モリブデンを含む化合物でメタリック顔料の表面を処理したり、上述の保護層の一例であるAl、Si、Ti、Cr、Zr、MoおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物または水酸化物でメタリック顔料の表面を処理したり、上述の第1化合物でメタリック顔料の表面を処理したりすることにより、脂肪酸等を除去することができる。なお、このような脱脂工程において脂肪酸等が完全に除去されている必要はなく、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば脂肪酸等が付着していてもよい。
なお、本発明の着色メタリック顔料の表面に保護層が形成される場合は、上記のようにして得られた着色メタリック顔料の表面に、たとえば上述のような方法で保護層を形成することができる。
<着色物>
本発明は、着色メタリック顔料を含む着色物にも係わる。かかる着色物としては、たとえば、塗料組成物、インキ組成物、樹脂成形品、化粧料等を挙げることができる。
ここで、塗料組成物またはインキ組成物としては、通常、着色メタリック顔料と樹脂成分と溶剤とを含む組成物を挙げることができる。特に溶剤として親水性溶剤を使用した水性組成物は、耐水性に優れ安定で発色に優れたものとなる。
このような組成物に含まれる着色メタリック顔料の量は、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下、より好ましくは1質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。着色メタリック顔料が0.1質量部より少ないと目的とする意匠性が得られず、50質量部より多いと塗膜の鮮映性が低下する。
このような組成物中の溶剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下、より好ましくは5質量部以上50質量部以下とすることが好ましい。溶剤が1質量部より少ないと組成物中への着色メタリック顔料の分散性が不十分となり、100質量部より多いと組成物を乾燥および硬化させる際に蒸発する溶剤による環境汚染が問題となる。
このような組成物に配合される樹脂成分は、特に限定されないが、たとえば熱硬化型アクリル樹脂/メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂/CAB(セルロースアセテートブチレート)/メラミン樹脂、熱硬化型ポリエステル(アルキド)樹脂/メラミン樹脂、熱硬化型ポリエステル(アルキド)/CAB/メラミン樹脂、イソシアネート硬化型ウレタン樹脂/常温硬化型アクリル樹脂、水希釈型アクリルエマルジョン/メラミン樹脂等を例示することができる。
このような組成物に配合される溶剤は、特に限定されないが、水、アルコール系、グリコール系、ケトン系、エステル系等の親水性溶剤(たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸プロピル等)、芳香族系、脂環族系、炭化水素系溶剤等の油性溶剤(たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット等)を使用することができる。
また、このような組成物には、必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、沈降防止剤、硬化触媒等の添加剤や、他の着色顔料を配合することもできる。
一方、上記樹脂成形品としては、着色メタリック顔料を練り込んだ樹脂成形品を挙げることができる。なお、ここでいう樹脂成形品には、最終の成形品ばかりではなく、着色目的の母材樹脂に配合する目的として使用される着色メタリック顔料を含んだ合成樹脂着色用マスターバッチや、当該合成樹脂着色用マスターバッチと着色目的の母材樹脂とをペレット状に混練した着色ペレットのような中間仕掛品も含まれる。
このような樹脂成形品を構成する樹脂としては特に限定されないが、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ABS樹脂、AS樹脂等を挙げることができ、1種または2種以上を用いることができる。
このような樹脂成形品に含まれる着色メタリック顔料の量は、通常、樹脂100質量部に対して0.005〜80質量部程度、好ましくは10〜80質量部程度とすればよい。ただし、用いる着色メタリック顔料の性状、樹脂の種類、最終製品の用途によっては上記範囲外となる場合がある。
また一方、着色メタリック顔料を含んだ化粧料は、パール顔料を含んだ化粧料よりも優れた隠蔽力を有し、仮に水を含んでいても鮮やかな色合いを得ることができる。このような化粧料は、その種類が特に限定されるものではないが、たとえば口紅、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、ネイルエナメル、マスカラ等のメーキャップ化粧料、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアトリートメント、シャンプー、ヘアマニキュア等の毛髪化粧料、化粧水、下地クリーム、日焼け止め等の基礎化粧料等を挙げることができる。
このような化粧料において、着色メタリック顔料以外の構成成分としては、油脂(オリーブ油、ひまし油等)、ロウ類(ミツロウ、カルナバロウ、ラノリン等)、炭化水素油(流動パラフィン、スクワラン、ポリブデン酸)、脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル、2−エチルへキサン酸セチル、アジピン酸ジイソプロピル、トリミリスチン酸グリセリル等)、高級脂肪酸(オレイン酸、イソステアリン酸等)、高級アルコール(イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等)、シリコーン油(ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等)、フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル等)等を挙げることができる。
また、このような化粧料には、必要に応じて界面活性剤、保湿剤、多価アルコール、水溶性高分子、皮膜形成剤、非水溶性高分子、高分子エマルション、粉末、顔料、染料、レーキ、低級アルコール、紫外線吸収剤、ビタミン類、酸化防止剤、抗菌剤、香料等を含むことができる。
なお、化粧料に含まれる着色メタリック顔料の量は、0.1〜99質量%の範囲とすることができ、さらに好ましくは1〜80質量%である。また、化粧料に対する着色メタリック顔料の調合方法は、特に限定されず通常の化粧料の製造方法を適用することができる。また分散方法としては、ディスパー、ロールミル等が好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
三ツ口フラスコにミネラルスピリット300mlを入れ、これにメタリック顔料としてアルミニウム顔料(商品名:「アルミニウムペーストCS460」(金属分50%、平均粒径16μm)、東洋アルミニウム株式会社製)を200.0g、および第1化合物としてアクリル酸と大豆油脂肪酸とを熱重合した二重結合を有するカルボン酸(商品名:「ダイアシッド1550」、ハリマ化成株式会社製)20.0gを加え、加熱および攪拌した後、常温まで冷却し、これを濾過することにより、脱脂工程を行なった。これにより、第1化合物で脱脂処理されたメタリック顔料を得た。
次いで、溶媒としてミネラルスピリット400ml、着色顔料として黄色顔料(商品名:「IRGAZIN YELLOW 5GLT」、BASFジャパン株式会社製)70.0g、上記で脱脂処理したメタリック顔料200.0g、上記と同じ第1化合物20.0g、および第2化合物としてエチルアミン20.0gを混練機に入れ、0〜150℃で1分〜1時間攪拌することにより、着色顔料が第1化合物および第2化合物の共存下でメタリック顔料の表面に付着した着色メタリック顔料を含有するスラリーを得た。
引続き、上記で得られた着色メタリック顔料含有スラリー640gをミネラルスピリット1000mlが入った三ツ口フラスコに入れ、さらにアクリル酸1.0gを添加して攪拌した。次いでトリメチロールプロパントリメタクリレート30.0gおよびアゾビスイソブチロニトリル10.0gをそれぞれミネラルスピリット150mlに溶解したものを添加して、加熱(50〜150℃)および攪拌(30分〜30時間)した後、常温まで冷却し、これを濾過することにより、表面に樹脂からなる保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<実施例2>
第2化合物としてエチルアミン20.0gをトリエタノールアミン20.0gに置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<実施例3>
第2化合物としてエチルアミン20.0gをエチレンジアミン20.0gに置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<実施例4>
着色顔料である黄色顔料70.0gを赤色顔料(商品名:「IRGAZIN DPP RED BTR」、BASFジャパン株式会社製)100gに置き換えるとともに、第2化合物としてエチルアミン20.0gを脂環式多価アミン(商品名:「アデカスタブLA−67」、ADEKA社製)20.0gに置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<実施例5>
着色顔料である黄色顔料70.0gを青色顔料(商品名:「LONOL BLUE 7185−PM」、東洋インキ製造株式会社製)100gに置き換えるとともに、第2化合物としてエチルアミン20.0gをジプロピレントリアミン20.0gに置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<実施例6>
実施例1において、脱脂工程に次いで、着色顔料、脱脂処理したメタリック顔料、第1化合物および第2化合物を混練機に入れる工程に用いる第1化合物として、アクリル酸と大豆油脂肪酸とを熱重合した二重結合を有するカルボン酸(商品名:「ダイアシッド1550」、ハリマ化成株式会社製)20.0gを、二塩基酸であるアジピン酸(ヘキサン二酸)20.0gに置き換えることを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された本発明の着色メタリック顔料を得た。
<比較例1>
脱脂工程を行なわなかったこと、および着色顔料とメタリック顔料とを混合する際に、第1化合物のみを共存させ第2化合物を共存させなかったことを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された着色メタリック顔料を得た。このような着色メタリック顔料は、特許文献1に記載された着色メタリック顔料に相当する。
<比較例2>
脱脂工程を行なわなかったこと、および着色顔料とメタリック顔料とを混合する際に、第2化合物で表面処理された着色顔料(具体的には、黄色顔料(50.0g)、エチレンジアミン(25.0g)、ミネラルスピリット(400ml)をポットミルで分散した)を用い第1化合物および第2化合物を共存させなかったことを除き、他は全て実施例1と同様にして、保護層が形成された着色メタリック顔料を得た。このような着色メタリック顔料は、特許文献2に記載された着色メタリック顔料に相当する。
<評価試験>
上記のようにして得られた実施例1〜6および比較例1〜2の着色メタリック顔料を用いて以下の試験を行なった。
<試験1>
実施例1〜6および比較例1〜2で得られた各着色メタリック顔料4.0gを市販のアクリルラッカー(商品名:「アクリック#2000クリヤー」、関西ペイント(株)製)20gに分散して塗料組成物を作製し、両面アート紙上に150μmドクターブレードを用いてこの塗料組成物を塗布することにより塗板を作製した。
そして、このようにして作成された各塗板の光沢値を光沢計(商品名:「VG-2000」、日本電色工業社製)を用いて測定した。光沢値は、入射角60°における測定値である。光沢値は、数値が高い程、高光沢であることを示す。その結果を表1に示す。
<試験2>
上記で得られた各塗板の彩度値をマルチアングル分光測色計(商品名:「X-Rite MA-68II」、X-Rite社製)を用いて測定した。彩度値(C*)は、入射角45°、オフセット角15°における測定値であるa*値およびb*値を用い、次式により計算した。彩度値(C*)は、数値が高い程、高彩度であることを示す。その結果を表1に示す。
彩度値(C*)=(a*2+b*21/2
<試験3>
容量20mlの試験管に、実施例1〜6および比較例1〜2で得られた各着色メタリック顔料を固形分として0.2gおよび酢酸エチル20gを加え、よく振って分散させた後、3時間静置し、着色顔料の溶出状態を観察した。この試験において、着色顔料のメタリック顔料に対する付着力が不十分な場合には上澄み液が溶出した着色顔料によって着色し、付着力が良好な場合には上澄み液が透明となる。上澄み液の透明度を目視評価し、下記の4段階で示した。上澄み液が無色透明に近い程、安定した発色であること(すなわち着色顔料の付着性が高いこと)を表わす。その結果を表1に示す。
A:無色透明である。
B:透明であるが、僅かに着色している。
C:透明であるが着色している。
D:不透明で着色している。
Figure 0006007257
表1より明らかなように、各実施例の着色メタリック顔料は、比較例の着色メタリック顔料に比し、良好な光沢または高い彩度を有し、メタリック顔料に対する着色顔料の付着性にも優れていた。したがって、本発明の着色メタリック顔料は、着色顔料がメタリック顔料に強固に付着し、以って良好な光沢または高い彩度を有するという優れた効果を有することが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (5)

  1. メタリック顔料と着色顔料と第1化合物と第2化合物とを含み、
    前記着色顔料は、前記第1化合物および前記第2化合物の共存下で前記メタリック顔料の表面に付着しており、
    前記第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、
    前記第2化合物は、2個以上のアミノ基を有するアミン(ただし、ポリマー被覆となる場合を除く)である、着色メタリック顔料。
  2. メタリック顔料と着色顔料と第1化合物と第2化合物とを含み、
    前記着色顔料は、前記第1化合物および前記第2化合物の共存下で前記メタリック顔料の表面に付着しており、
    前記第1化合物は、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、
    前記第2化合物は、2個以上のアミノ基を有するモノマーであるアミンである、着色メタリック顔料。
  3. 前記第1化合物は、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸を重合した重合カルボン酸、または、アマニ油脂肪酸または大豆油脂肪酸とアクリル酸とを重合した重合カルボン酸であり、
    前記第2化合物は、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、脂環式ジアミン、脂環式トリアミン、脂環式テトラアミン、および脂環式多価アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミンである、請求項1または2に記載の着色メタリック顔料。
  4. 表面に保護層が形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の着色メタリック顔料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の着色メタリック顔料を含む、着色物。
JP2014538533A 2012-09-27 2013-09-25 着色メタリック顔料および着色物 Active JP6007257B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012214582 2012-09-27
JP2012214582 2012-09-27
PCT/JP2013/075917 WO2014050893A1 (ja) 2012-09-27 2013-09-25 着色メタリック顔料および着色物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014050893A1 JPWO2014050893A1 (ja) 2016-08-22
JP6007257B2 true JP6007257B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=50388288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014538533A Active JP6007257B2 (ja) 2012-09-27 2013-09-25 着色メタリック顔料および着色物

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20150252153A1 (ja)
EP (1) EP2902450B1 (ja)
JP (1) JP6007257B2 (ja)
KR (1) KR101726523B1 (ja)
CN (1) CN104685006B (ja)
ES (1) ES2671638T3 (ja)
WO (1) WO2014050893A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6059574B2 (ja) * 2013-03-26 2017-01-11 東洋アルミニウム株式会社 下地隠蔽塗料および塗装物
JP7205757B2 (ja) * 2019-01-11 2023-01-17 株式会社リコー 記録液、および印刷物
US20210178230A1 (en) * 2019-12-12 2021-06-17 Volvik Inc. Color golf ball with natural metallic gloss
US20230220221A1 (en) * 2020-06-25 2023-07-13 Dic Corporation Aluminum slurry
US20230257590A1 (en) 2020-07-02 2023-08-17 Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha Composite pigment, thermoplastic resin composition containing same, and molded body
WO2022255207A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 Dic株式会社 アルミニウム顔料組成物およびアルミニウムペースト、アルミニウムスラリー
JP7180825B1 (ja) * 2021-06-03 2022-11-30 Dic株式会社 アルミニウム顔料組成物およびアルミニウムペースト、アルミニウムスラリー

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0699281B2 (ja) * 1986-07-22 1994-12-07 ポーラ化成工業株式会社 メ−クアツプ化粧料
JPH0692546B2 (ja) * 1988-06-16 1994-11-16 昭和アルミパウダー株式会社 着色メタリック顔料およびその製造方法
JPH05156182A (ja) * 1991-12-03 1993-06-22 Nippon Paint Co Ltd メタリック塗料組成物およびメタリック塗膜の形成法
JPH06327419A (ja) * 1993-05-19 1994-11-29 Riken Vitamin Co Ltd 食品用消泡剤
JP3481372B2 (ja) 1995-10-27 2003-12-22 東洋アルミニウム株式会社 表面処理着色顔料、着色基体粒子およびその製造方法
JP3481360B2 (ja) * 1995-07-27 2003-12-22 東洋アルミニウム株式会社 表面処理着色顔料、着色基体粒子およびその製造方法
US5912283A (en) * 1995-07-19 1999-06-15 Toyo Aluminium Kabushiki Kaisha Surface-treated color pigment, colored substrate particles and production process thereof
JP3481365B2 (ja) * 1995-09-05 2003-12-22 東洋アルミニウム株式会社 粉体塗料用着色メタリック顔料および前記顔料を含有する粉体塗料組成物
JP3592439B2 (ja) * 1996-05-27 2004-11-24 東洋アルミニウム株式会社 着色アルミニウム顔料およびその製造方法
JPH10168339A (ja) * 1996-12-06 1998-06-23 Toyo Alum Kk 着色磁性金属フレーク
JP2000273349A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Nippon Paint Co Ltd 着色アルミニウムフレーク顔料、メタリック塗料および塗膜形成方法
CN101291996B (zh) * 2005-08-31 2012-10-03 卡伯特公司 制备改性颜料的方法
JP5081422B2 (ja) * 2006-10-03 2012-11-28 株式会社コーセー 白色複合粉体及びそれを配合した化粧料
US8129448B2 (en) * 2008-12-18 2012-03-06 Cabot Corporation Method of preparing polymer modified pigments
DE102010007147A1 (de) 2010-02-05 2011-08-11 Eckart GmbH, 91235 Mit SiO2 beschichtete Metalleffektpigmente, Verfahren zur Herstellung dieser Metalleffektpigmente und Verwendung
US8815982B2 (en) * 2010-07-20 2014-08-26 Silberline Manufacturing Company, Inc. Colored system
JP6059574B2 (ja) * 2013-03-26 2017-01-11 東洋アルミニウム株式会社 下地隠蔽塗料および塗装物

Also Published As

Publication number Publication date
EP2902450A1 (en) 2015-08-05
KR101726523B1 (ko) 2017-04-12
WO2014050893A1 (ja) 2014-04-03
CN104685006B (zh) 2017-03-29
CN104685006A (zh) 2015-06-03
JPWO2014050893A1 (ja) 2016-08-22
EP2902450A4 (en) 2016-09-07
US10150846B2 (en) 2018-12-11
EP2902450B1 (en) 2018-03-21
ES2671638T3 (es) 2018-06-07
US20180186945A1 (en) 2018-07-05
KR20150060891A (ko) 2015-06-03
US20150252153A1 (en) 2015-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6007257B2 (ja) 着色メタリック顔料および着色物
KR101925175B1 (ko) 착색 금속 안료 및 그 제조 방법
JP3592439B2 (ja) 着色アルミニウム顔料およびその製造方法
JP4216903B2 (ja) 着色金属顔料およびその製造方法、ならびに該着色金属顔料を含有するコーティング組成物および化粧料
JP5008226B2 (ja) 金属顔料組成物、その製造方法、その金属顔料組成物を含有する塗料組成物およびインキ組成物
EP3250644B1 (de) Beschichtete pigmente, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung, beschichtungsmittel und gegenstand
JP6258936B2 (ja) カラートラベル酸化アルミニウム顔料
JP2011525557A (ja) 顔料混合物
JPH05214257A (ja) 新規な薄片状顔料
WO2006090431A1 (ja) 着色フレーク顔料およびこれを含有する塗料組成物
JP2005255984A (ja) 着色フレーク顔料およびこれを含有する塗料組成物
JP7254774B2 (ja) 67°~78°の範囲の色相(h15)および90以上の彩度(c*15)を有する金色の効果顔料
JP5759764B2 (ja) 着色金属顔料およびその製造方法
JPH09124973A (ja) 表面処理着色顔料、着色基体粒子およびその製造方法
WO2022154001A1 (ja) 金属顔料、その用途、及び金属顔料の製造方法
JP5779384B2 (ja) 着色剤
BR112020005871B1 (pt) Pigmento de efeito dourado, métodos para fabricação de um pigmento de efeito dourado e para colorir uma composição de revestimento, combinação de pigmentos, uso de um pigmento de efeito dourado, artigo revestido com uma composição, e, revestimento automotivo

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6007257

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250