JP6006722B2 - 歯に白い外観を与えるための方法および材料 - Google Patents

歯に白い外観を与えるための方法および材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6006722B2
JP6006722B2 JP2013526129A JP2013526129A JP6006722B2 JP 6006722 B2 JP6006722 B2 JP 6006722B2 JP 2013526129 A JP2013526129 A JP 2013526129A JP 2013526129 A JP2013526129 A JP 2013526129A JP 6006722 B2 JP6006722 B2 JP 6006722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
tooth
casein
teeth
bfp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013526129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013536245A (ja
Inventor
スコット ジョセフ ブリッジマン
スコット ジョセフ ブリッジマン
リチャード シモン ブロディ
リチャード シモン ブロディ
トーマス ジョエル ズパンシック
トーマス ジョエル ズパンシック
Original Assignee
セーフホワイト インコーポレイテッド
セーフホワイト インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セーフホワイト インコーポレイテッド, セーフホワイト インコーポレイテッド filed Critical セーフホワイト インコーポレイテッド
Publication of JP2013536245A publication Critical patent/JP2013536245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6006722B2 publication Critical patent/JP6006722B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q11/00Preparations for care of the teeth, of the oral cavity or of dentures; Dentifrices, e.g. toothpastes; Mouth rinses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q11/00Preparations for care of the teeth, of the oral cavity or of dentures; Dentifrices, e.g. toothpastes; Mouth rinses
    • A61Q11/02Preparations for deodorising, bleaching or disinfecting dentures
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/40Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of particular ingredients
    • A61K2800/42Colour properties
    • A61K2800/43Pigments; Dyes
    • A61K2800/434Luminescent, Fluorescent; Optical brighteners; Photosensitizers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/40Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of particular ingredients
    • A61K2800/57Compounds covalently linked to a(n inert) carrier molecule, e.g. conjugates, pro-fragrances

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年8月24日に提出された米国特許仮出願第61/376,523号の恩典を請求する。先行する出願の開示は、本出願の開示の一部とみなされる(かつ参照により本出願の開示に組み入れられる)。
背景
1. 技術分野
本文書は、歯に白い外観を与えることに関与する方法および材料に関する。例えば、本文書は、一種または複数種の蛍光発光ポリペプチド(例えば、青色蛍光タンパク質)と歯を接触させ、歯により白い外観を与えるための方法および材料に関する。
2. 背景情報
一般に、白い歯は、美容上望ましいとされる。しかしながら、歯は、治療介入しないと変色してしまう可能性がある。着色した外観の一般的な原因となる歯の構造は、エナメル層である。複数種の因子が、エナメル質の変色に寄与しうる。例えば、歯の表面上のプラークおよび歯石の形成は、ステインを捕捉し、それによりエナメル質の変色をもたらしうる。
市販の歯のホワイトニング製剤は、多くの人の美容上の好みに応えるよう開発され、表面に捕捉される材料により、変色した歯のエナメル質に光沢を取り戻している。全ての歯磨剤および口内洗浄剤は、複数種の洗浄剤および研磨剤を含んでいるが、いくつかのエナメル質沈着物は、通常の使用条件下でこれらの剤により完全に取り除くことが困難になっている。吐き出されたタバコの煙中のタールおよび微粒子は歯の表面に集まるため、喫煙者はエナメル質の変色を生じることが多い。食事および飲料(例えば、紅茶)が歯のエナメル質を着色または変色しうる場合もある。
概要
本文書は、歯に白い外観を与えるための方法および材料を提供する。例えば、本文書は、一種または複数種の蛍光発光ポリペプチド(例えば、青色蛍光タンパク質(BFP))と歯を接触させ、歯により白い外観を与えるための方法および材料を提供する。本明細書に記載される、BFPポリペプチドなどの蛍光発光ポリペプチドは、蛍光発光ポリペプチドが歯に直接的にまたは間接的に付着または接着することを可能にする条件下で歯に塗布されうる。そのような場合、蛍光発光ポリペプチドは、特定の波長で蛍光を発しうる。BFPポリペプチドの場合、約440 nmから約500 nmの範囲(例えば、約450 nmから約490 nmの間)でBFPポリペプチドは蛍光を発することができ、これが歯から発せられると歯に白い外観を与える。この白い外観は、基となる歯が自然状態でそれほど白くなくても生じうる。例えば、本明細書で提供される方法および材料は、歯が着色されていたとしても、人が外観の白い歯を有することを可能にしうる。よって、外観の白い歯が、刺激の強い漂白(例えば、過酸化水素または過酸化カルバミドを伴う歯科漂白処置などの歯科漂白処置)または脱染色技術を行わずに、本明細書で提供される方法および材料を用いて得られうる。
概して、本文書の1つの局面は、歯の外観を変化させるための方法を特徴とする。方法は、蛍光発光ポリペプチドを歯に塗布する工程を含むか、または該工程から本質的になり、蛍光発光ポリペプチドから発せられた蛍光が歯の外観を変化させる。歯はヒトの歯でありうる。方法は、歯がより白く見えるように歯の外観を変化させる工程を含みうる。蛍光発光ポリペプチドはBFPポリペプチドでありうる。蛍光発光ポリペプチドは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子にコンジュゲートしうる。分子はポリペプチドでありうる。分子はカゼインポリペプチドでありうる。分子はスタテリンポリペプチドでありうる。分子は、エナメル質、ヒドロキシアパタイト、または歯の獲得被膜と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子でありうる。蛍光発光ポリペプチドは、カゼインポリペプチドのアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドでありうる。蛍光発光ポリペプチドは、スタテリンポリペプチドのアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドでありうる。蛍光発光ポリペプチドは練り歯磨き内に存在でき、塗布する工程は練り歯磨きを歯に塗布することを含みうる。蛍光発光ポリペプチドは、二種類またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドを含むポリマーの1単位でありうる。ポリマーをカゼインポリペプチドに付着させて複合体を形成でき、該複合体が歯に塗布される。
別の局面において、本文書は、蛍光発光ポリペプチドおよびカゼインポリペプチドを含むか、またはそれらから本質的になる、組成物を特徴とする。
別の局面において、本文書は、蛍光発光ポリペプチドおよびスタテリンポリペプチドを含むか、またはそれらから本質的になる、組成物を特徴とする。
別の局面において、本文書は、長さ20残基またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列と長さ20残基またはそれ以上のカゼインポリペプチドのアミノ酸配列とを含むか、またはそれらから本質的になる、キメラポリペプチドを特徴とする。キメラポリペプチドは、全長蛍光発光ポリペプチド、または全長蛍光発光ポリペプチドに対して少なくとも約90%同一であるその断片を含みうる。キメラポリペプチドは、全長カゼインポリペプチド、または全長カゼインポリペプチドに対して少なくとも約80%同一であるその断片を含みうる。キメラポリペプチドは、蛍光を発することができる能力、および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を含みうる。
別の局面において、本文書は、長さ20残基またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列と長さ20残基またはそれ以上のスタテリンポリペプチドのアミノ酸配列とを含むか、またはそれらから本質的になる、キメラポリペプチドを特徴とする。キメラポリペプチドは、全長蛍光発光ポリペプチド、または全長蛍光発光ポリペプチドに対して少なくとも約90%同一であるその断片を含みうる。キメラポリペプチドは、全長スタテリンポリペプチド、または全長スタテリンポリペプチドに対して少なくとも約80%同一であるその断片を含みうる。キメラポリペプチドは、蛍光を発することができる能力、および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を含みうる。
別に定義がない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似のまたは同等の方法および材料が、本発明の実施または試験において用いられうるが、適当な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、およびほかの参考文献は、それらの全体が参照により組み入れられる。相反する場合には、定義を含めて本明細書が支配する。加えて、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図するものではない。
[本発明1001]
蛍光発光ポリペプチドを歯に塗布する工程を含む、歯の外観を変化させるための方法であって、該蛍光発光ポリペプチドから発せられた蛍光が該歯の外観を変化させる、前記方法。
[本発明1002]
前記歯がヒトの歯である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記歯がより白く見えるように該歯の外観を変化させる工程を含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記蛍光発光ポリペプチドがBFPポリペプチドである、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記蛍光発光ポリペプチドが、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子にコンジュゲートする、本発明1001の方法。
[本発明1006]
前記分子がポリペプチドである、本発明1005の方法。
[本発明1007]
前記分子がカゼインポリペプチドである、本発明1005の方法。
[本発明1008]
前記分子がスタテリンポリペプチドである、本発明1005の方法。
[本発明1009]
前記分子が、エナメル質、ヒドロキシアパタイト、または歯の獲得被膜と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子である、本発明1005の方法。
[本発明1010]
前記蛍光発光ポリペプチドが、カゼインポリペプチドのアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドである、本発明1001の方法。
[本発明1011]
前記蛍光発光ポリペプチドが、スタテリンポリペプチドのアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドである、本発明1001の方法。
[本発明1012]
前記蛍光発光ポリペプチドが練り歯磨き内に存在し、前記塗布する工程が該練り歯磨きを前記歯に塗布することを含む、本発明1001の方法。
[本発明1013]
前記蛍光発光ポリペプチドが、二種類またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドを含むポリマーの1単位である、本発明1001の方法。
[本発明1014]
前記ポリマーがカゼインポリペプチドに付着して複合体を形成し、該複合体が前記歯に塗布される、本発明1013の方法。
[本発明1015]
蛍光発光ポリペプチドおよびカゼインポリペプチドを含む、組成物。
[本発明1016]
蛍光発光ポリペプチドおよびスタテリンポリペプチドを含む、組成物。
[本発明1017]
長さ20残基またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列と長さ20残基またはそれ以上のカゼインポリペプチドのアミノ酸配列とを含む、キメラポリペプチド。
[本発明1018]
全長蛍光発光ポリペプチド、または該全長蛍光発光ポリペプチドに対して少なくとも約90%同一であるその断片を含み、全長カゼインポリペプチド、または該全長カゼインポリペプチドに対して少なくとも約80%同一であるその断片を含み、蛍光を発することができる能力および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を含む、本発明1017のキメラポリペプチド。
[本発明1019]
長さ20残基またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列と長さ20残基またはそれ以上のスタテリンポリペプチドのアミノ酸配列とを含む、キメラポリペプチド。
[本発明1020]
全長蛍光発光ポリペプチド、または該全長蛍光発光ポリペプチドに対して少なくとも約90%同一であるその断片を含み、全長スタテリンポリペプチド、または該全長スタテリンポリペプチドに対して少なくとも約80%同一であるその断片を含み、蛍光を発することができる能力および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を含む、本発明1019のキメラポリペプチド。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
例示的なBFPポリペプチド(GenBank アクセッション番号U70497.1; GI番号1619752)をコードする核酸配列(SEQ ID NO:1)のリストである。 例示的なBFPポリペプチド(GenBank アクセッション番号AAB 16959.1; GI番号1619753)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)のリストである。 例示的なα-カゼインポリペプチド(GenBank アクセッション番号NM_181029.2; GI番号31341348)をコードする核酸配列(SEQ ID NO:3)のリストである。 例示的なα-カゼインポリペプチド(GenBank アクセッション番号NP_851372.1; GI番号30794348)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)のリストである。 例示的なβ-カゼインポリペプチド(GenBank アクセッション番号BC 111172.1 ; GI番号83406092)をコードする核酸配列(SEQ ID NO:5)のリストである。 例示的なβ-カゼインポリペプチド(GenBank アクセッション番号AAI11173.1; GI番号83406093)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)のリストである。 例示的なスタテリンポリペプチド(GenBank アクセッション番号AAH67219.1; GI番号45501309)をコードする核酸配列(SEQ ID NO:7)のリストである。 例示的なスタテリンポリペプチド(GenBank アクセッション番号BC067219.1; GI番号45501308)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:8)のリストである。 例示的なBFPポリペプチドのアミノ酸配列(SEQ ID NO:9)のリストである。 開始時(左側)、β-カゼイン/BFPポリペプチドコンジュゲートを塗布した後(中央)、および軽石で磨いた後(右側)の歯の写真を含む。歯は、開始時よりも、β-カゼイン/BFPポリペプチドコンジュゲートを投与した後に、より白い外観を示した。このより白い外観は、軽石で磨いた後に失われた。
詳細な説明
本文書は、歯に白い外観を与えるための方法および材料を提供する。例えば、本文書は、一種または複数種の蛍光発光ポリペプチド(例えば、青色蛍光タンパク質(BFP))と歯を接触させ、歯により白い外観を与えるための方法および材料を提供する。
本明細書に記載の蛍光発光ポリペプチドは、蛍光が歯から発せられるように歯に塗布されうる。任意の適当な蛍光発光ポリペプチドが歯に塗布されうる。例えば、より白い外観の歯を有することが望まれる場合、青色蛍光を発するポリペプチドが人間の歯に塗布されうる。そのような青色蛍光は、約440 nmから約500 nm(例えば、約450 nmから約500 nm、約460 nmから約500 nm、約470 nmから約500 nm、約480 nmから約500 nm、約440 nmから約490 nm、約440 nmから約480 nm、約440 nmから約470 nm、約440 nmから約460 nm、約450 nmから約490 nm、または約460 nmから約480 nm)の発光波長を有しうる。いくつかの場合において、約420 nmから約450 nm、約430 nmから約450 nm、約440 nmから約450 nm、約420 nmから約440 nm、または約485 nmから約505 nmの発光波長で蛍光を発する蛍光発光ポリペプチドが、本明細書に記載されたように歯に塗布されうる。
別の色の歯を有することが望まれる場合、赤色スペクトル、緑色スペクトルまたは黄色スペクトルの蛍光を発するポリペプチドが人間の歯に塗布されうる。赤色蛍光は、約555 nmから約655 nm(例えば、約565 nmから約645 nm、約575 nmから約635 nm、または約585 nmから約625 nm)の発光波長を有しうる。緑色蛍光は、約500 nmから約525 nm(例えば、約505 nmから約520 nmまたは約510 nmから約515 nm)の発光波長を有しうる。黄色蛍光は、約525 nmから約555 nm(例えば、約530 nmから約550 nmまたは535 nmから約545 nm)の波長を有しうる。いくつかの場合において、異なる蛍光発光ポリペプチドの組み合わせが人間の歯に塗布されうる。例えば、BFPポリペプチドと赤色蛍光タンパク質(RFP)ポリペプチドの組み合わせが人間の歯に塗布されうる。いくつかの場合において、RFPポリペプチドと緑色蛍光タンパク質(GFP)ポリペプチドの組み合わせが人間の歯に塗布されうる。
任意の適当なBFPポリペプチドが本明細書に記載されたように用いられうる。本明細書に記載されたように用いられうるBFPポリペプチドの例は、限定されないが、EBFP(例えば、460 nmの最大発光を有するEBFP)、蛍光タンパク質SBFP1(GenBank(登録商標)アクセッション番号ABM97856; GI番号124264536)、蛍光タンパク質SBFP2(GenBank(登録商標)アクセッション番号ABM97857, GI番号124264538)、EBFP2(GenBank(登録商標)アクセッション番号EF517318, GI番号145666498)、アジュライト(Azurite)(Mena et al., Nature Biotechnology, 24: 1569-1571 (2006) )、mKalamal(GenBank(登録商標)アクセッション番号EF517317, GI番号145666496)、Zincフィンガータンパク質383(GenBank(登録商標)アクセッション番号EDU39924.1, GI番号187972425)、米国特許第7,166,424号に記載のSEQ ID NO:445(GenBank(登録商標)アクセッション番号ABN30727.1; GI番号125148618)、可溶性に改変された青色蛍光タンパク質(smBFP)(GenBank(登録商標)アクセッション番号U70497.1; GI番号1619752)、GenBank(登録商標)アクセッション番号CAE00365.1 (GI番号32260521) に記載された配列を有するポリペプチド、GenBank(登録商標)アクセッション番号CAE00361.1 (GI番号32260509)に記載された配列を有するポリペプチド、GenBank(登録商標)アクセッション番号CAE00361.1 (GI番号32260509)に記載された配列を有するポリペプチド、ECFPポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACO48275.1; GI番号226331138)、青色(Cerulean)ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ADE48834.1; GI番号293612838)、蛍光タンパク質Cypetポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号3GEX_A; GI番号290789997)、MiCyポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ADE48830.1; GI番号293612833)、およびmTFP1蛍光タンパク質ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACO48263.1; GI番号226320339)を含む。いくつかの場合において、米国特許出願公報第2010/0062460号に記載されたBFPポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。
任意の適当なRFPポリペプチドおよびGFPポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。本明細書に記載されたように用いられうるRFPポリペプチドの例は、限定されないが、可溶性に改変された赤色シフト緑色蛍光タンパク質(smRSGFP)ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号U70496.1; GI番号1619750)、GenBank(登録商標)アクセッション番号AAG16224.1(GI番号10304307);ABO38175.1(GI番号133753343);またはAAU06852.1(GI番号51593130)に記載された配列を有する赤色蛍光タンパク質ポリペプチド、オレンジ色発光Gfp様タンパク質ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号2ZMW_D; GI番号209870302)、mOrange蛍光タンパク質ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACO48285.1; GI番号226331152)、NLS-dTomatoポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ADC42843.1; GI番号288188779)、赤色蛍光タンパク質tdTomatoポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACQ43939.1; GI番号228484713)、DsRedポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号BAE53441.1; GI番号83016748)、DsRed2ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号AAV73970.1; GI番号56119204)、DsRed-Expressポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACU30027.1; GI番号255689290)、DsRed-Monomerポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACF35425.1; GI番号194245628)、単量体オレンジ-赤色蛍光タンパク質ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号AAV52170.1; GI番号55420625)、単量体オレンジ-赤色蛍光タンパク質ポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号AAV52166.1; GI番号55420617)、mCherryポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACY24904.1 ; GI番号262089840)、米国特許第7,393,923号に記載されたSEQ ID NO:3のアミノ酸配列を有するポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACH06540.1; GI番号197013979)、および米国特許第7,393,923号に記載されたSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するポリペプチド(GenBank(登録商標)アクセッション番号ACH06541.1; GI番号197013980)を含む。
本明細書に記載されたように用いられうるGFPポリペプチドの例は、限定されないが、可溶性に改変された緑色蛍光タンパク質(smGFP)ポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号U70495.1; GI番号1619748)、改変緑色蛍光タンパク質GFP-ER(mfgp4-ER)ポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号U87625.1; GI番号1842446)、GFPポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号ACJ06700.1, GI番号210076685)、高感度GFPポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号ACV20892.1; GI番号256708579)、turboGFPポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号ADD23343.1; GI番号290131407)、VisGreen GFPポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号ABR26680.1; GI番号149393496)、アザミグリーン(Azami-Green)ポリペプチド(GenBank(登録商標) アクセッション番号BAD52001.1; GI番号52839539)を含む。
いくつかの場合において、Subach et al.(Chem. Biol., 15:1116-1124 (2008))により記載された蛍光発光ポリペプチドなどの蛍光発光ポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。GenBank(登録商標) アクセッション番号3M24_A (GI番号296863586)、GenBank(登録商標) アクセッション番号3M24_B (GI:296863587)、GenBank(登録商標) アクセッション番号3M24_C (GI:296863588)、およびGenBank(登録商標) アクセッション番号3M24_D (GI:296863589)も参照。本明細書に記載されたように用いられうる蛍光発光ポリペプチドのさらなる例は、限定されないが、他の文献(Alieva et al. PLoS ONE, 3(7):e2680 (2008)およびChudafov et al., Physiol. Rev., 90: 1103-1163 (2010) )に記載されたものを含む。例えば、Alievaらの参考文献の表1、ならびにChudafovらの参考文献の図5、10、12および14を参照。いくつかの場合において、サンゴの蛍光発光ポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。いくつかの場合において、図2もしくは9に記載されたアミノ酸配列、または図1に記載された配列によりコードされるアミノ酸配列を有する蛍光発光ポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。
任意の適当な方法が、蛍光発光ポリペプチドを作製するために用いられうる。例えば、ポリペプチド発現技術(例えば、細菌細胞、昆虫細胞または哺乳類細胞を用いる異種発現技術)が、蛍光発光ポリペプチドを作製するために用いられうる。いくつかの場合において、BFPポリペプチドなどの蛍光発光ポリペプチドが、他の文献(Yakhnin et al., Protein Expr. Purif., 14:382-386 (1998)およびJain et al., J. Chromatography A, 1035:83-86 (2004))に記載されたように作製されうる。いくつかの場合において、標準的なポリペプチド合成技術(例えば、液相ポリペプチド合成技術または固相ポリペプチド合成技術)が、蛍光発光ポリペプチドを合成的に作製するために用いられうる。
蛍光発光ポリペプチドは、歯または歯成分(例えば、エナメル質、ヒドロキシアパタイト、歯の獲得被膜、セメント質、歯冠、歯頸部、セメントエナメル境、または根尖)と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子(例えば、ポリペプチド)を介して歯に付着または接着されうる。例えば、蛍光発光ポリペプチドは、ポリペプチド(例えば、カゼインポリペプチド、スタテリンポリペプチド、またはそれらの断片)に共有結合的にまたは非共有結合的に付着されうる。本明細書に記載されたように用いられうるカゼインポリペプチドの例は、限定されないが、α-カゼインポリペプチド(例えば、α-S1カゼインポリペプチドおよびα-S2カゼインポリペプチド)、β-カゼインポリペプチド(例えば、A1 β-カゼインポリペプチドおよびA2 β-カゼインポリペプチド)、γ-カゼインポリペプチド(例えば、γ1-カゼインポリペプチド、γ2-カゼインポリペプチド、およびγ3-カゼインポリペプチド)、δ-カゼインポリペプチド、ならびにε-カゼインポリペプチドを含む。いくつかの場合において、図4または6に記載されたアミノ酸配列、または図3または5に記載された配列によってコードされるアミノ酸配列を有するカゼインポリペプチドが、本明細書に記載されたように用いられうる。
いくつかの場合において、カゼインポリペプチドは、全長カゼインポリペプチドの一部分でありうるが、ただし、そのような部分は歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する。例えば、本明細書に記載されたように用いられうるカゼインポリペプチドは、カゼインポリペプチドのアニオン性ドメイン(例えば、全長ウシα-S1カゼインポリペプチドのアミノ酸残基59から79、全長ウシα-S2カゼインポリペプチドのアミノ酸残基2から20、または全長ウシβカゼインポリペプチドのアミノ酸残基1から25)を含むポリペプチドでありうる。
いくつかの場合において、カゼインポリペプチドは、(a)全長ウシα-S1カゼインポリペプチドのアミノ酸残基59から79からなるポリペプチド、(b)長さ50アミノ酸残基以下(例えば、長さ45、40、35、30または25アミノ酸残基以下)のポリペプチドであって、ただし全長ウシα-S1カゼインポリペプチドのアミノ酸残基59から79を含む、ポリペプチド、あるいは(c)全長ウシα-S1カゼインポリペプチドのアミノ酸残基59から79と比べて0、1、2、3、4、5または6個のアミノ酸置換を有する、全長ウシα-S1カゼインポリペプチドのアミノ酸残基59から79を含むポリペプチドでありうる。いくつかの場合において、カゼインポリペプチドは、(a)全長ウシβカゼインポリペプチドのアミノ酸残基1から25からなるポリペプチド、(b)長さ50アミノ酸残基以下(例えば、長さ45、40、35または30アミノ酸残基以下)のポリペプチドであって、ただし全長ウシβカゼインポリペプチドのアミノ酸残基1から25を含む、ポリペプチド、あるいは(c)全長ウシβカゼインポリペプチドのアミノ酸残基1から25と比べて0、1、2、3、4、5または6個のアミノ酸置換を有する、全長ウシβカゼインポリペプチドのアミノ酸残基1から25を含むポリペプチドでありうる。いくつかの場合において、カゼインポリペプチドは、1つまたは複数のシステイン残基を含むように作製され(例えば、合成され)、カゼインポリペプチドの蛍光発光ポリペプチド(例えば、BFPポリペプチド)へのコンジュゲーションを促進しうる。
本明細書に記載のように用いられうるカゼインポリペプチドは、任意の種類の哺乳動物で天然に生じるアミノ酸配列を有しうる。例えば、本明細書に記載のように用いられうるカゼインポリペプチドは、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ネズミ、ラット、サル、イヌ、ネコ、オランウータン、チンパンジー、ブタ、ウマ、ゾウ、またはオポッサムで天然に生じるアミノ酸配列を有しうる。いくつかの場合において、ウシカゼインポリペプチドは蛍光発光ポリペプチドにコンジュゲートして、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するカゼインポリペプチド/蛍光発光ポリペプチドコンジュゲートを形成する。
本明細書に記載されたように用いられうるスタテリンポリペプチドの例は、限定されないが、ヒトスタテリンポリペプチド、ウシスタテリンポリペプチド、および唾液スタテリンポリペプチドを含む。いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、全長スタテリンポリペプチドの一部分でありうるが、ただし、そのような部分は歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する。例えば、本明細書に記載されたように用いられうるスタテリンポリペプチドは、スタテリンポリペプチドの強い負電荷を帯びたドメイン(例えば、全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から15)を含むポリペプチドでありうる。
いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、(a)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から15からなるポリペプチド、(b)長さ50アミノ酸残基以下(例えば、長さ45、40、35、30、25、または20アミノ酸残基以下)のポリペプチドであって、ただし全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から15を含む、ポリペプチド、あるいは(c)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から15と比べて0、1、2、3、4または5個のアミノ酸置換を有する、全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から15を含むポリペプチドでありうる。いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、(a)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から25からなるポリペプチド、(b)長さ50アミノ酸残基以下(例えば、長さ45、40、35、または30アミノ酸残基以下)のポリペプチドであって、ただし全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から25を含む、ポリペプチド、あるいは(c)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から25と比べて0、1、2、3、4、5または6個のアミノ酸置換を有する、全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基1から25を含むポリペプチドでありうる。いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、(a)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基19から43からなるポリペプチド、(b)長さ50アミノ酸残基以下(例えば、長さ45、40、35、30、または25アミノ酸残基以下)のポリペプチドであって、ただし全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基19から43を含む、ポリペプチド、あるいは(c)全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基19から43と比べて0、1、2、3、4、5または6個のアミノ酸置換を有する、全長ヒトスタテリンポリペプチドのアミノ酸残基19から43を含むポリペプチドでありうる。いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、1つまたは複数の負電荷を持つホスホセリン残基に代えて負電荷を持つ残基(例えば、アスパラギン酸)を用いて作製(例えば、合成)されうる。いくつかの場合において、スタテリンポリペプチドは、スタテリンポリペプチドの蛍光発光ポリペプチド(例えば、BFPポリペプチド)へのコンジュゲーションを促進するために、1つまたは複数のシステイン残基を含むように作製(例えば、合成)されうる。
本明細書に記載されたように用いられうるスタテリンポリペプチドは、任意の種類の哺乳動物で天然に生じるアミノ酸配列を有しうる。例えば、本明細書に記載されたように用いられうるスタテリンポリペプチドは、ヒト、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、オランウータン、チンパンジー、ブタ、ウマ、ゾウ、またはオポッサムで天然に生じるアミノ酸配列を有しうる。いくつかの場合において、ヒトスタテリンポリペプチドは蛍光発光ポリペプチドにコンジュゲートし、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するスタテリンポリペプチド/蛍光発光ポリペプチドコンジュゲートを形成する。いくつかの場合において、図8に記載されたアミノ酸配列、または図7に記載された配列によりコードされるアミノ酸配列を有するスタテリンポリペプチドが本明細書に記載されたように用いられうる。
任意の適当な方法が、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドを作製するために用いられうる。例えば、ポリペプチド発現技術(例えば、細菌細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞を用いる異種発現技術)が、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドを作製するために用いられうる。いくつかの場合において、カゼインポリペプチドまたはスタテリンポリペプチドなどの歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドが、他の文献(米国特許第7,666,996号、第6,797,810号、第6,558,717号、第6,121,421号、第6,080,844号、第5,834,427号、第5,391,497号、および第4,713,254号、ならびに米国特許出願公報第2009/0074680号および第2010/0144598号)に記載されたように作製されうる。いくつかの場合において、標準的なポリペプチド合成技術(例えば、液相ポリペプチド合成技術または固相ポリペプチド合成技術)が、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドを合成的に産生するために用いられうる。
任意の適当な方法が、蛍光発光ポリペプチドを歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子(例えば、ポリペプチド)に共有結合的にまたは非共有結合的に付着させるために用いられうる。例えば、BFPポリペプチドなどの蛍光発光ポリペプチドは、1つまたは複数の配位共有結合、共有結合、ジスルフィド結合、高エネルギー結合、水素結合、イオン結合、またはペプチド結合を介してカゼインポリペプチドおよび/またはスタテリンポリペプチドに化学的にコンジュゲートしうる。いくつかの場合において、蛍光発光ポリペプチドは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチド(例えば、カゼインポリペプチドおよび/またはスタテリンポリペプチド)上に存在するアミノ基に化学的にコンジュゲートしうる。そのようなアミノ基は、ポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、またはポリペプチドのN末端とC末端の間に位置しうる。
いくつかの場合において、コンジュゲートさせるポリペプチドは、コンジュゲーションの前に活性化されうる。例えば、ポリペプチド(例えば、カゼインポリペプチドまたはスタテリンポリペプチド)は、反応性チオール基の組込みによって活性化されうる。スタテリンポリペプチドに関して、例えばこれは、化学合成中のポリペプチドにシステイン残基を加えることにより達成されうる。カゼインポリペプチドに関して、カゼインポリペプチドは、他の文献(McCall et al., Bioconjugate Chem., 1:222-226 (1990))に記載されているように2-イミノチオラン(例えば、トラウト試薬(Traut's reagent))による反応によってチオール化されうる。α-カゼインポリペプチドおよびβ-カゼインポリペプチドの場合には、ポリペプチド上にトラウト試薬と反応しうる複数のアミン(例えば、N末端およびリジン)が存在しうる。反応条件は、1個または2個のチオールにより活性化された分子の収率を最大化して該コンジュゲーションが歯の結合を妨げる可能性を低減するように、変更されうる。チオール組込みの程度は、他の文献(Lacy et al., Analytical Biochemistry, 382:66-68 (2008))に記載されたような高感度蛍光アッセイを用いて測定されうる。
蛍光発光ポリペプチドは、マレイミド基および反応性N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを含む二機能性試薬を用いた該ポリペプチドのアミンの反応を介して、1つまたは複数のマレイミド基によって置換されうる。次いで、マレイミド置換蛍光発光ポリペプチドは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのチオール基にコンジュゲートしうる。蛍光発光ポリペプチドがマレイミド基で置換される程度は、他の文献(Singh, Bioconjugate Chem., 5:348-351 (1994))に記載されているように変動可能である。
歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子(例えば、ポリペプチド)に蛍光発光ポリペプチドをコンジュゲートさせるために用いられうるコンジュゲーション方法のさらなる例は、限定されないが、他の文献(例えば、Hermanson, G.T. Bioconjugate Techniques, Second Edition, 2008, Elsevier)に記載されているものを含む。たとえば、Part I, Section 4およびPart II, Section 5を参照。
いくつかの場合において、本明細書において提供される方法および材料を用いて得られる蛍光シグナルは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する1つの分子(例えば、ポリペプチド)に複数の蛍光発光ポリペプチドを連結させることにより増強されうる。立体効果のため、この増幅は、まず複数の蛍光発光ポリペプチドを含むポリマーを調製し、次いで、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子(例えば、カゼインポリペプチド)にこのポリマーを連結させることにより、効果的に達成されうる。複数の蛍光発光ポリペプチドを含むポリマーを形成するために用いられうる方法(例えば、重合方法)の例は、限定されないが、他の文献(例えば、Hermanson, G.T. Bioconjugate Techniques, Second Edition, 2008, Elsevier)に記載されたものを含む。例えば、Part II, Section 25を参照。
いくつかの場合において、蛍光発光ポリペプチドは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドとの融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドとして産生されうる。例えば、異種ポリペプチド発現技術または合成ポリペプチド合成技術を用いて、蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列、および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列を有する、単一ポリペプチド鎖を産生する。いくつかの場合において、単一ポリペプチド鎖は、(a)蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列、および続いて、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列、あるいは(b)歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列、および続いて、蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列を有しうる。いくつかの場合において、単一ポリペプチド鎖は、それぞれが蛍光発光ポリペプチドをコードする一種または複数種(例えば、1、2、3、4または5種)のアミノ酸配列、および、それぞれが歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドをコードする一種または複数種(例えば、1、2、3、4または5種)のアミノ酸配列を有しうる。
いくつかの場合において、本明細書で提供される融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、他のアミノ酸配列(例えば、スペーサーまたは結合残基)を含みうる。例えば、蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列、および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列を有する、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、グリシン、リジン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、バリン、セリン、チロシン、オルニチン、タウリン、ピロリジン、もしくはセレノシステイン残基、またはアミノ酸誘導体(例えば、5-ヒドロキシトリプトファン、L-ジヒドロキシフェニルアラニン、またはα-ジフルオロメチルオルニチン)などの一種または複数種のさらなるアミノ酸残基を含みうる。そのようなさらなるアミノ酸残基は、スペーサー(例えば、5個またはそれ以上のグリシン残基の鎖)となるように設計されうるか、あるいはポリペプチドまたは他の分子が融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドに化学的にコンジュゲート可能になるように設計されうる。例えば、蛍光発光ポリペプチドのアミノ酸配列、および歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列を有する、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドは、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する一種または複数種のポリペプチド(例えば、カゼインポリペプチドおよび/またはスタテリンポリペプチド)が該融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドに化学的にコンジュゲーションされうるように、1、2、3、4、5個またはそれより多い数のさらなるリジン残基を含みうる。
蛍光発光ポリペプチドを含む本明細書で提供される組成物(例えば、蛍光発光ポリペプチドを含む組成物、蛍光発光ポリペプチド/カゼインポリペプチドコンジュゲート、蛍光発光ポリペプチド/スタテリンポリペプチドコンジュゲート、蛍光発光ポリペプチド/カゼインポリペプチド融合ポリペプチド、および/または蛍光発光ポリペプチド/スタテリンポリペプチド融合ポリペプチド)を歯に塗布して、歯の外観を変化させることができる。例えば、BFPポリペプチドを含む本明細書で提供される組成物(例えば、BFPポリペプチド/スタテリンポリペプチドコンジュゲート)を歯に塗布して、歯により白い外観を与えることができる。任意の適当な方法が、本明細書で提供される組成物を歯に送達するために用いられうる。例えば、本明細書で提供される組成物は、練り歯磨き、口内洗浄剤、飲料、食品、ガム、ゲル、パウダー、またはクリームの中に組込まれうる。
いくつかの場合において、歯の外観を変化させる(例えば、歯の外観をより白くする)ように、本明細書で提供される組成物の有効量が、歯に送達されうる。本明細書で提供される組成物の有効量は、有意な毒性を誘発することなく歯の外観を変化させる任意の量でありうる。例えば、本明細書で提供される組成物は、練り歯磨き1グラム当たり約0.0001 mgから約100 mg(例えば、約0.001 mgから約100 mg、約0.01 mgから約100 mg、約0.1 mgから約100 mg、約0.5 mgから約100 mg、約0.5 mgから約50 mg、約0.5 mgから約25 mg、約1 mgから約100 mg、約1 mgから約50 mg、または約1 mgから約25 mg)の蛍光発光ポリペプチドをもたらす量で、練り歯磨き製品中に組込まれうる。
いくつかの場合において、本明細書で提供される組成物は、歯の外観を変化させる(例えば、歯の外観をより白くする)ように、歯に一定期間塗布された後に洗浄、嚥下または除去されうる。例えば、本明細書に記載の蛍光発光ポリペプチドを含むよう構成された練り歯磨きを歯に塗布して、洗浄せずに、30秒間から10分間(例えば、30秒間から5分間、30秒間から2.5分間、30秒間から2分間、1分間から10分間、2分間から10分間、または1分間から5分間)の間、該歯と接触したままにすることができる。
いくつかの場合において、人間の歯を、本明細書で提供される組成物が送達される前に準備することができる。例えば、人間の歯は、本明細書で提供される組成物が送達される前に、洗浄されうるか、ブラシで磨かれうるか、または磨かれうる(例えば、軽石で磨かれうる)。いくつかの場合において、処置される歯の表面は、リン酸カルシウム結合部位を露出させることができる能力を有する一種または複数種の剤で処置されうる。例えば、本明細書で提供される組成物で処置される歯を、EDTAまたはリン酸と接触させて、歯の表面に存在するリン酸カルシウム結合部位を露出させることができる。リン酸処置の場合には、歯エナメル質のみが該酸に曝露され、軟組織損傷の危険性を予防または低減できる。
いくつかの場合において、2工程またはそれ以上の工程からなる方法を用いて、蛍光発光ポリペプチドを歯に塗布することができる。例えば、1つの工程として、歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子(例えば、ポリペプチド)を含む組成物が処置される歯に送達され、次に、送達された分子と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する蛍光発光ポリペプチドを送達する工程を行う。いくつかの場合において、これら2つの工程は、蛍光発光ポリペプチドとは別の分子を含む単一の組成物を用いて、または、一方の組成物が該分子を含みかつもう一つの組成物が蛍光発光ポリペプチドを含む別々の組成物を用いて、同時に行われうる。
いくつかの場合において、本明細書で提供される組成物または本明細書で提供される組成物の成分(例えば、カゼインポリペプチド)が歯または歯成分に対して結合親和性を有していることを確認するために、アッセイが行われうる。例えば、試験される材料は、ヒドロキシアパタイト(HA)マトリックスと共にインキュベートされ、HA結合後の溶液中の材料の量が初期濃度と比較され、違いによって結合した材料の量が決定されうる。例えば、Raj et al., J. Biol. Chem., 267:5968-5976 (1992)を参照。いくつかの場合において、HA結合材料は、HAマトリックスをEDTAで溶解した後に直接測定されうる(Lamkin et al., J. Dent. Res., 75:803-808 (1996))。ポリペプチド材料の場合には、溶液中のポリペプチド濃度は、ビシンコニン酸アッセイおよび/またはオルトフタルアルデヒドアミンアッセイを用いて測定されうる。結合定数は、Langmuirモデルを用いて決定されうる(Bouropoulos and Moradian-Oldak, Calcif. Tissue Int., 72:599-603 (2003))。いくつかの場合において、アッセイは、他の文献(Lamkin et al., J. Dent. Res., 75:803-808 (1996))に記載されたように、ヒト唾液と共にプレインキュベートしてタンパク質でコーティングされたHAマトリックスによって、行われうる。そのような場合には、結合していない唾液タンパク質は、その存在がポリペプチド濃度決定を妨げる可能性があるため、洗浄によって除去されうる。
任意の適当な方法が、本明細書で提供される組成物の歯またはHAマトリックスに対する親和性を評価するために用いられうる。例えば、結合した組成物および結合していない組成物は、組成物の蛍光発光ポリペプチドの蛍光を測定することにより定量化されうる。定量化のために蛍光を利用できる能力によって、ヒト唾液の存在下における組成物のHAへの結合を測定することが可能になる。いくつかの場合において、本明細書で提供される組成物は、ヒトの歯にインビトロで結合できる能力について評価されうる。歯は、ブラシで磨かれるまたは軽石で磨かれるなど様々な程度で歯磨きされうる。次いで、歯は、ヒト唾液で処理されて歯の獲得被膜を形成し、唾液の存在下および非存在下において、本明細書で提供される組成物と共にインキュベートされうる。歯への結合は、結合した蛍光および結合していない蛍光の両者を測定することにより決定されうる。結合した蛍光発光ポリペプチドの歯からの抽出は、穏やかな手法を用いて完成されうる。例えば、他の文献(Siqueira and Oppenheim, Archives of Oral Biology, 54:437-444 (2009))に記載されているように、歯をろ紙収集片によって拭き取ることができ、該ポリペプチドを緩やかな条件下で紙から抽出することができる。いくつかの場合において、歯は、異なる条件下で結合させた蛍光発光ポリペプチドの相対量を評価するために、蛍光顕微鏡によって分析されうる。
任意の適当な方法を用いて、歯の外観を変化させることができる能力について本明細書で提供される組成物を評価することができる。例えば、目視検査技術を用いて、本明細書で提供される組成物が歯の外観を変化させうるか否かを判定することができる。そのような目視検査技術は、他の文献(Paravina et al., J. Esthet. Restor. Dent., 19:276-283 (2007))に記載されているような、比較用のシェードガイドの使用を含みうる。いくつかの場合において、本明細書で提供される組成物が歯の外観を変化させる(例えば、歯により白い外観を与える)ことができる能力は、反射分光光度法を用いて測定されうる。そのような場合には、歯は、白色光源によって照射され、反射分光光度法(比色定量)により異なる波長で吸収される光の量について分析されうる。次いで、これらの測定は、光源から分離されたUV光を用いて繰り返されうる。UV光の選択および除外により得られた反射率の違いが、歯表面のUV蛍光スペクトルである(例えば、Park et al., M. Dental Materials, 23:731-735 (2007)を参照)。
本明細書で提供される組成物は、該組成物を用いる人間に対する毒性のリスクが低い可能性があり、一種または複数種のヒト起源のポリペプチドを含む可能性があり、食品または飲料中に天然に存在する一種または複数種のポリペプチドを含む可能性があり、かつ/または潜在的に毒性を有する色素を有さない可能性がある。
本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、これは添付の特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:カゼインポリペプチド混合物を得るための方法
カゼイン、α-カゼイン、およびβ-カゼインをトリプシンと反応させ、それぞれカゼインホスホペプチド(カゼイン-PP、α-カゼイン-PP、およびβ-カゼイン-PP)を生成した。トリプシンおよび3種類のカゼインをSigma-Aldrichから購入した。これらの調製で用いた方法は、他の文献(Reynolds et al., Anal. Biochem., 217:277-284 (1994))に記載された方法を適合させた。簡単に説明すると、カゼイン、α-カゼイン、およびβ-カゼインのポリペプチドの加水分解を、60 mgのポリペプチド、0.05 M Tris緩衝液(pH 8)、および1.2 mg、0.6 mg、または0.3 mgいずれかのトリプシンを含む3 mL反応液中で行った。反応を室温(21℃)で一晩進行させ、この時、反応混合物のpHを1 M塩酸でpH 4.6に調整した。この段階での全ての沈殿物を遠心分離(12,000×g、15分間)により取り出した。次いで、10%塩化カルシウム水溶液を添加し、カルシウム濃度を1%に調整し、複数のホスホセリン基を含むポリペプチドを等量の100%エタノールの添加により沈殿させた。沈殿したポリペプチドを遠心分離(12,000×g、15分間)により収集した。解析のために、沈殿物を0.5 mLのリン酸緩衝生理食塩水中で再溶解した。
沈殿物中のポリペプチド濃度を、Pierce BCAアッセイキット中の試薬およびプロトコルを用いるビシンコニン酸アッセイにより決定した。トリプシン加水分解後のポリペプチドの大きさおよび相対濃度を、16.5%トリシン(Tricine)ゲル(BioRad)を用いるドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により決定した。試料(10 μL)を等量のトリシンサンプルバッファー(BioRad)と混合し、95℃で5分間加熱した後にゲル上にロードし、室温で100ボルト(定電圧)で100分間電気泳動した。ゲルを、40%メタノール/10%酢酸の溶液中で室温で1時間緩やかに攪拌することにより固定し、次いで、50%Coomassie Brilliant Blue(BioRad)と50%固定液との溶液中、室温で30分間のインキュベーションにより染色した。最後に、ゲルを、1%酢酸中で一晩緩やかに攪拌することにより脱染した。
60 mgのカゼインならびに1.2 mg、0.6 mgおよび0.3 mgのトリプシンを含む3 mL反応液中で、pH 8でカゼインを加水分解した。沈殿法により回収された、加水分解反応液により生成したポリペプチドのパーセンテージは、1.2 mg、0.6 mgおよび0.3 mgのトリプシンを含む反応液に対してそれぞれ9%、9%および13%であった。SDS-PAGE解析により、全ての場合において、カゼインがより小さなポリペプチドの混合物へと加水分解されたことを示した。沈殿後、3種類の反応液全てから回収された材料は主に、低分子量ポリペプチドであった。
α-カゼインおよびβ-カゼインを、60 mgのポリペプチドおよび1.2 mgのトリプシンを含むpH 8の3 mL反応液中で加水分解した。α-カゼインおよびβ-カゼインについての塩化カルシウム/エタノール沈殿物はそれぞれ、4%および7%の加水分解ポリペプチドを含んだ。SDS-PAGE解析により、沈殿した試料がポリペプチド混合物を含むことが示された。
実施例2:BFPポリペプチド、および歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有する分子のコンジュゲートの形成
未標識のβ-カゼイン(Sigma-Aldrich)、β-カゼイン-ホスホペプチド(実施例1にしたがって生成)、およびスタテリン(1〜25)-C(Biomatic)を、Biovisionから入手したBFPポリペプチドにコンジュゲートさせ、それぞれβ-カゼイン/BFPコンジュゲート、β-カゼイン-PP/BFPコンジュゲート、およびスタテリン(1〜25)C/BFPコンジュゲートを形成させた。本実施例はβ-カゼインのコンジュゲーションを説明するが、α-カゼインおよびβ-カゼインホスホペプチドのコンジュゲーションも同様の手法を用いて行われた。簡単に説明すると、マレイミド活性化BFPを、1 mg/mL BFP、0.33 mg/mL SM(PEG)4(Pierce、カタログ番号22104)、2 mM EDTA、0.05% Tween 20、および0.05 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.2)を含む3 mL反応液中で調製した。反応を室温で40分間進行させ、次いで、5 mM MESバッファー(pH 6)、2 mM EDTA、および0.05% Tween 20で平衡化させたG-25 Sephadexカラムによって脱塩した。
チオール活性化β-カゼインを、4.5 mg/mL β-カゼイン、5 mM 2-イミノチオラン、2 mM EDTA、0.05% Tween 20、および0.05 M ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.0)を含む2 mL反応液中で調製した。反応を室温で1時間進行させ、次いで、0.05 M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)、2 mM EDTA、および0.05% Tween 20で平衡化したG-25 Sephadexカラムによって脱塩した。この材料を、調製後直ちにコンジュゲーション反応で用いた。
β-カゼイン/BFPコンジュゲートを、0.37 mg/mLマレイミド活性化BFP、1.57 mg/mLチオール活性化β-カゼイン、2 mM EDTA、0.05% Tween 20、および0.05 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を含む3.825 mL反応液中で調製した。反応を室温で1時間進行させ、次いで、任意の残りのチオールを、0.038 mLの新規に調製した0.1 M N-メチルマレイミドの脱イオン水溶液の添加によりクエンチした。
コンジュゲートを遠心濃縮機により1.5 mLに濃縮し(10 kDa カットオフ)、次いで、0.05% Tween 20を含むリン酸緩衝生理食塩水で平衡化したHiLoad Superdex 200 16/600カラム(GE Healthcare)にアプライした。カラムを1.1 mL/分で溶出し、1.5 mL画分を収集し、蛍光(320 nm励起、445 nm発光)および総タンパク質濃度(ビシンコニン酸アッセイ)の両者により分析した。
β-カゼインおよびBFPの両者とも複数種の活性基を含んでいるため、様々な大きさのコンジュゲートが反応液中に形成された。異なる大きさのコンジュゲートの例は、β-カゼイン-BFP;β-カゼイン-BFP-β-カゼイン;β-カゼイン-BFP-β-カゼイン-BFPなどである。Superdex 200カラムは、分子の大きさに基づきコンジュゲートからより小さな出発材料を分離した。しかしながら、カラムはまた、反応液中に生成された異なる大きさのコンジュゲートも部分的に分離した。カラム生成物を以下の2つのプールに収集した:カラムから最初に溶出された高分子量生成物、および高分子量生成物の後だが未反応出発材料の前に溶出された低分子量生成物。2種類の生成物プールを分子ろ過により濃縮した後、低分子量プール(0.28 mg/mL BFP含量)は、高分子量プール(0.36 mg/mL BFP含量)よりも歯への強い結合を示した。より強く結合している低分子量画分を下記に示す実施例で用いた。
β-カゼインホスホペプチドを、β-カゼインについて記載した通りに、チオール化し、マレイミド活性化BFPに連結させ、Superdex 200カラムで精製し、濃縮した。β-カゼインホスホペプチド-BFPの高分子量画分は0.38 mg/mLの濃度を有し、低分子量画分は0.48 mg/mLの濃度を有した。
典型的なスタテリン(1〜25)C/BFPコンジュゲートを、1.1 mg/mLマレイミド活性化BFP、1.1 mg/mLスタテリン(l〜25)C、2 mM EDTA、0.05% Tween 20、および0.05 M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を含む1.4 mL反応液中で調製した。スタテリン(1〜25)Cは遊離チオールを含んでいて、活性化を必要としなかった。スタテリン1分子当たりの活性基は1つだけしかないが、複数種のスタテリン分子が単一の活性化BFPに付着でき、それにより生成物分布が生じる。生成物を、Superdex 200カラムでお互いから部分的に分離し、高分子量画分(0.22 mg/mL BFP含量)および低分子量画分(036 mg/mL BFP含量)を得た。高分子量画分を、下記に示す結合/抽出実施例で用いた。
実施例3:BFPポリペプチド含有コンジュゲートの歯への塗布
β-カゼイン/BFPコンジュゲート(約0.09 mg/mL)、β-カゼイン-PP/BFPコンジュゲート(約0.24 mg/mL)、およびスタテリン(l〜25)C/BFPコンジュゲート(約0.05 mg/mL)を、コーティングされていない歯または唾液でコーティングされた歯と共に約1時間インキュベートした。1時間インキュベートした後、歯を洗浄し、結合したタンパク質を0.4%EDTA、続いて2%SDSを用いて、歯から抽出した。各抽出溶媒中の抽出タンパク質の量を蛍光アッセイにより決定した(表1)。
Figure 0006006722
これらの結果は、β-カゼイン/BFPコンジュゲート、β-カゼイン-PP/BFPコンジュゲート、およびスタテリン(l〜25)C/BFPコンジュゲートが歯に結合できる能力を有することを実証している。
さらなる実験を、β-カゼイン/BFPコンジュゲートを用いて行い、結合時のpHおよび温度の効果を評価した。pH 6からpH 9ではβ-カゼイン/BFPコンジュゲートの歯への結合に有意な変化はなかった。加えて、β-カゼイン/BFPコンジュゲートの歯への結合に対する温度(21℃から37℃)の有意な影響もなかった。
別の実験で、β-カゼイン/BFPコンジュゲートを40%エタノールの存在下で歯と共にインキュベートした。いくつかの場合において、40%エタノールを含むバッファーは、エタノール非存在下でのβ-カゼイン/BFPコンジュゲートの使用と比べて、β-カゼイン/BFPコンジュゲートの歯への結合レベルを高めることが判明した。
2% EDTAによる1時間の歯の前処理は、β-カゼイン/BFPコンジュゲートおよびスタテリン(1〜25)C/BFPコンジュゲートの歯への結合のレベルの上昇をもたらした。
以下を歯の白さを評価するために行った。簡単に説明すると、軽石で磨いた歯を、2% SDSと共に30分間インキュベートし、続いて50%エタノールと共に10分間インキュベートした。50%エタノールと共に10分間インキュベートした後に、歯を、唾液塩類を含む結合バッファーに30分間曝露し、次いで、2% EDTAと共に1時間インキュベートした。EDTAと共に1時間インキュベートした後に、歯をBFP含有コンジュゲートに1時間接触させ、次いで洗浄した。結合したコンジュゲートを、2%SDSを用いて37℃で30分間抽出し、測定した。この時点で歯を軽石で磨き、任意で、次の実験に再び用いてもよい。試料は概して、(a)EDTA処理後およびコンジュゲート結合前、(b)1時間のコンジュゲート結合工程の後、(c)SDS抽出工程後、ならびに(d)軽石で磨いた後に、白さについて分析した。これらの各工程で、歯を、シェードガイド解析、蛍光イメージング、および/または写真(例えば、固定カメラ設定、照明(6500°K Bulbs)、および試料配置)を用いて分析した。SDS抽出試料を蛍光について分析した。
シェードガイド解析と写真比較(図10)の両者により特定されたとおり、40%エタノールを含むバッファーの存在下でのβ-カゼイン/BFPコンジュゲートは、歯を再現性よく白くした。バッファーのみの存在下でのβ-カゼイン/BFPコンジュゲートを、シェードガイド解析を用いて評価し、歯を白くしたことを見出した。40%エタノール存在下でのスタテリン(l-25)C/BFPコンジュゲートは、シェードガイド解析および写真比較の両者により特定されたとおり、歯を白くした。白さのレベルは、β-カゼイン/BFPコンジュゲートのものより低かった。バッファーのみの存在下でのスタテリン(l-25)C/BFPコンジュゲートは、シェードガイド解析および写真解析に基づき、ほとんどまたは全く白さを示さなかった。
いくつかの場合において、コンジュゲートが歯を白くすることができる能力を確認する白さの測定は、歯をバッファーで洗浄した後に行われた。これらの結果は、結合したコンジュゲートが容易には除去されなかったことを示す。軽石で磨いた後には、歯はその白さを失った。しかし、軽石で磨く前に、歯をバッファーで洗浄し、SDSで抽出して、コンジュゲートを取り除いた。このSDS処理の後に、歯は、バッファー洗浄とSDS抽出の前よりも少しだけ白さが低下した。これらの結果もまた、結合したコンジュゲートが容易には除去されなかったことを示す。
まとめると、本明細書で提供される結果は、β-カゼイン/BFPポリペプチドコンジュゲートなどのコンジュゲートが、歯に結合できかつその外観を適度により白くすることができる能力を有することを実証する。
実施例4:BFPポリペプチドを含む組成物のヒトの歯への塗布
標準的なブラッシング技術を用いてヒトの歯を磨くために、標準的な練り歯磨き組成物を使用する。歯を磨いたらすぐ、該ヒトは、磨いた歯にBFPポリペプチドを含むペースト状組成物を自分で塗布する。塗布したらすぐ、BFPポリペプチドを含む該組成物を少なくとも30秒間(例えば、約30秒から60分の間)該歯と接触したままにする。この期間の後に、歯をすすぐ。
他の態様
本発明はその詳細な説明とともに説明されているが、前記説明は例示を意図しており、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。他の局面、利点、および変更形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (19)

  1. 歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドにコンジュゲートした蛍光発光ポリペプチドを歯に塗布する工程を含む、歯により白い外観を与える方法であって、該蛍光発光ポリペプチドが青色蛍光タンパク質(BFP)ポリペプチドであり、該BFPポリペプチドから発せられた蛍光が該歯により白い外観を与える、前記方法。
  2. 前記歯がヒトの歯である、請求項1記載の方法。
  3. 前記ポリペプチドが歯に結合できる能力を有するポリペプチドである、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記ポリペプチドが歯成分に結合できる能力を有するポリペプチドである、請求項1または2記載の方法。
  5. 前記ポリペプチドがカゼインポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記ポリペプチドがスタテリンポリペプチドである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記ポリペプチドが、エナメル質、ヒドロキシアパタイト、または歯の獲得被膜と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドである、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記蛍光発光ポリペプチドが練り歯磨き内に存在し、前記塗布する工程が該練り歯磨きを前記歯に塗布することを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記蛍光発光ポリペプチドが、二種類またはそれ以上の蛍光発光ポリペプチドを含むポリマーの1単位である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記ポリマーがカゼインポリペプチドに付着して複合体を形成し、該複合体が前記歯に塗布される、請求項9記載の方法。
  11. 前記BFPポリペプチドが480 nmから500 nmの間の波長の蛍光を発する、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. 歯または歯成分と相互作用できるかまたはそれらに結合できる能力を有するポリペプチドに連結した複数の青色蛍光タンパク質(BFP)ポリペプチドを含むコンジュゲートを歯に塗布する工程を含む、歯により白い外観を与える方法であって、該BFPポリペプチドから発せられた蛍光が該歯により白い外観を与える、前記方法。
  13. 前記歯がヒトの歯である、請求項12記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが歯成分に結合できる能力を有するポリペプチドである、請求項12または13記載の方法。
  15. 前記ポリペプチドがカゼインポリペプチドである、請求項1214のいずれか一項記載の方法。
  16. 前記ポリペプチドがスタテリンポリペプチドである、請求項1214のいずれか一項記載の方法。
  17. 前記複数のBFPポリペプチドの一つのBFPポリペプチドが、チオール基を介して、前記ポリペプチドに連結する、請求項1216のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記コンジュゲートが練り歯磨き内に存在し、前記塗布する工程が該練り歯磨きを前記歯に塗布することを含む、請求項1217のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記BFPポリペプチドが480 nmから500 nmの間の波長の蛍光を発する、請求項1218のいずれか一項記載の方法。
JP2013526129A 2010-08-24 2011-08-24 歯に白い外観を与えるための方法および材料 Expired - Fee Related JP6006722B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US37652310P 2010-08-24 2010-08-24
US61/376,523 2010-08-24
PCT/US2011/048976 WO2012027477A1 (en) 2010-08-24 2011-08-24 Methods and materials for providing teeth with a white appearance

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013536245A JP2013536245A (ja) 2013-09-19
JP6006722B2 true JP6006722B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=44533236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013526129A Expired - Fee Related JP6006722B2 (ja) 2010-08-24 2011-08-24 歯に白い外観を与えるための方法および材料

Country Status (12)

Country Link
US (3) US8568698B2 (ja)
EP (1) EP2608761B1 (ja)
JP (1) JP6006722B2 (ja)
KR (1) KR20140005868A (ja)
CN (1) CN103179940B (ja)
AU (1) AU2011293349B2 (ja)
BR (1) BR112013004294A2 (ja)
CA (1) CA2808538A1 (ja)
ES (1) ES2593456T3 (ja)
MX (1) MX2013002113A (ja)
RU (1) RU2013112918A (ja)
WO (1) WO2012027477A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012027477A1 (en) * 2010-08-24 2012-03-01 Safewhite Llc Methods and materials for providing teeth with a white appearance
US20140271500A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Safewhite Llc Methods and materials for providing teeth with a white appearance
BR112015022442A2 (pt) * 2013-03-14 2017-10-24 Safewhite Inc métodos e materiais para fornecer dentes com uma aparência branca
RU2017113544A (ru) * 2014-09-24 2018-10-24 Зе Юниверсити Оф Вестерн Онтарио Пептиды статерина
US20180243286A1 (en) * 2015-01-24 2018-08-30 Wockhardt Limited Antibacterial compositions of a beta-lactamase inhibitor with a cephalosporin
AU2017245246A1 (en) 2016-03-29 2018-10-11 Safewhite, Inc. Polyelectrolyte dental adhesives for whitening teeth and teeth components
EP3962932A4 (en) * 2019-05-02 2023-05-10 Board of Regents, The University of Texas System SYSTEM AND METHODS FOR INCREASING THE STABILITY OF SYNTHETIC PROTEINS
WO2023058512A1 (ja) * 2021-10-07 2023-04-13 株式会社西尾 歯の表面処理用キット

Family Cites Families (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4713254A (en) 1980-10-30 1987-12-15 Schreiber Foods, Inc. Casein-soluble protein complex
US4657853A (en) 1984-09-14 1987-04-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company Immunoassays utilizing covalent conjugates of polymerized enzyme and antibody
US5391497A (en) 1992-10-13 1995-02-21 University Of Colorado Foundation, Inc. Human k-casein
KR0140248B1 (ko) 1995-03-23 1998-06-15 한상기 신규한 카제인 포스포펩티드, 그것을 포함하는 카제인 및 그 제조방법
US5876995A (en) 1996-02-06 1999-03-02 Bryan; Bruce Bioluminescent novelty items
AUPO566297A0 (en) * 1997-03-13 1997-04-10 University Of Melbourne, The Calcium phosphopeptide complexes
US5853704A (en) 1997-09-22 1998-12-29 Colgate-Palmolive Company Fluoride dentifrices of enhanced efficacy
US7166424B2 (en) 1998-02-02 2007-01-23 Odyssey Thera Inc. Fragments of fluorescent proteins for protein fragment complementation assays
US6506577B1 (en) 1998-03-19 2003-01-14 The Regents Of The University Of California Synthesis and crosslinking of catechol containing copolypeptides
US6080844A (en) 1998-04-23 2000-06-27 Abbott Laboratories Process for the recovery and purification of a recombinant protein from a cell
FI107116B (fi) 1998-04-29 2001-06-15 Jouko Savolainen Menetelmä proteiinien eristämiseksi ja muuntelemiseksi
US6121421A (en) 1998-08-21 2000-09-19 Abbott Laboratories Methods for isolating recombinant β-casein
GB9904401D0 (en) * 1999-02-25 1999-04-21 Fluorescience Ltd Assay method
US7250174B2 (en) * 1999-12-07 2007-07-31 Schott Ag Cosmetic, personal care, cleaning agent, and nutritional supplement compositions and methods of making and using same
US7666996B2 (en) 2000-03-01 2010-02-23 Peptera Pharmaceuticals Ltd Casein derived peptides and uses thereof
JP4830063B2 (ja) * 2000-03-15 2011-12-07 プロルーム・リミテッド Renillareniformis蛍光タンパク質、その蛍光タンパク質をコードする核酸、および診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテムにおけるその使用
US6558717B1 (en) 2000-12-04 2003-05-06 Campina B.V. Method for the sequential precipitation of casein and calcium phosphate from a milk source
GB0222091D0 (en) * 2002-09-24 2002-10-30 Boots Co Plc Dental compositions and methods
NZ522071A (en) * 2002-10-18 2005-07-29 Patrick Joseph Silcock Hydrolysed casein phosphoprotein preparations for bioactive metal ion delivery and teeth remineralisation
US20040136926A1 (en) * 2002-11-08 2004-07-15 Periathamby Antony Raj Intra-oral drug delivery system
US7393923B2 (en) 2004-11-08 2008-07-01 The Regents Of The University Of California Red-shifted fluorescent proteins mPlum and mRaspberry and polynucleotides encoding the same
GB0505975D0 (en) 2005-03-23 2005-04-27 Queen Mary & Westfield College Novel use of peptide
BRPI0611976B1 (pt) * 2005-06-24 2018-07-10 The University Of Melbourne Complexos iônicos
EP1957034A2 (de) * 2005-11-24 2008-08-20 Basf Se Chimäre keratinbindende effektorproteine
RU2009131033A (ru) 2007-01-16 2011-02-27 Юниверсити Оф Медсин Энд Дентистри Оф Нью Джерси (Us) Природные полипептиды для ухода за полостью рта
EP2201128B1 (en) 2007-10-22 2014-08-20 Pierce Biotechnology, Inc. Polymerized conjugates for biological applications
US8715944B2 (en) 2008-09-08 2014-05-06 Enzo Life Sciences, Inc. Fluorochromes for organelle tracing and multi-color imaging
US8481678B2 (en) 2009-03-30 2013-07-09 E I Du Pont De Nemours And Company Peptide-based tooth whitening reagents
WO2012027477A1 (en) 2010-08-24 2012-03-01 Safewhite Llc Methods and materials for providing teeth with a white appearance

Also Published As

Publication number Publication date
AU2011293349A1 (en) 2013-03-07
AU2011293349B2 (en) 2014-04-03
CN103179940B (zh) 2016-01-13
US8784783B2 (en) 2014-07-22
ES2593456T3 (es) 2016-12-09
EP2608761B1 (en) 2016-08-24
WO2012027477A1 (en) 2012-03-01
RU2013112918A (ru) 2014-09-27
JP2013536245A (ja) 2013-09-19
MX2013002113A (es) 2013-06-05
EP2608761A1 (en) 2013-07-03
US20140010767A1 (en) 2014-01-09
CA2808538A1 (en) 2012-03-01
KR20140005868A (ko) 2014-01-15
BR112013004294A2 (pt) 2016-05-31
US20130022555A1 (en) 2013-01-24
US8568698B2 (en) 2013-10-29
CN103179940A (zh) 2013-06-26
US20140286881A1 (en) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006722B2 (ja) 歯に白い外観を与えるための方法および材料
JP2017529352A (ja) 髪、皮膚、または爪に作用物質を送達するための方法および材料
US20160030323A1 (en) Methods and materials for providing teeth with a white appearance
US20040234609A1 (en) Repeat sequence protein polymer active agent congjugates, methods and uses
US20100158822A1 (en) Peptides that bind to silica-coated particles
JP2010529415A5 (ja)
US20110274639A1 (en) Peptide-based coloring reagents for personal care
JP2002363026A (ja) 化粧剤の吸着を増強させる方法および化粧料
Björkman et al. Fluorescence in dissolved fractions of human enamel
WO2020181334A1 (en) Compositions and methods for promoting mineralization
US20140271500A1 (en) Methods and materials for providing teeth with a white appearance
Booij et al. A fluorescent compound in bovine dental enamel matrix compared with synthetic dityrosine
US20200368136A1 (en) Polyelectrolyte dental adhesives for whitening teeth and teeth components
AU2020234299B2 (en) Compositions and methods for promoting mineralization
US20140314691A1 (en) Compositions for improving the appearance and/or health of teeth
Oweis et al. Disclosing Agent for Resin Composite Based on Adsorption Surface Treatment
JPH08157344A (ja) 染毛剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150520

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150910

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160208

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160708

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6006722

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees