JP6006622B2 - 工具交換装置および工具交換方法 - Google Patents
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Description
なお、加工室内で主軸から直接工具を交換する場合には、工具の交換時に加工を停止しなければならないという問題がある。
また、加工室内に工具を交換するための装置を配置した場合には、加工スペースが小さくなるため、加工室内に切粉が溜まり易くなるという問題がある。
また、加工室の外部に工具交換領域を設けることで、加工室内の加工スペースが大きくなるため、加工室内に切粉を溜まり難くすることができる。
また、一つの工具ポットを工具交換領域と工具マガジンとの間で往復動させており、工具マガジンに工具ポットを保持させておく必要がないため、工具マガジンの構成を簡素化することができる。
本実施形態では、マシニングセンタの工具マガジンに保持された工具を、新しい工具に交換するための工具交換装置について説明する。
保持具7bは、前後方向に開口するとともに、マガジン本体7aの径方向に開口しており、保持具7bに対してマガジン本体7aの径方向から工具Tが出入可能となっている。この保持具7bに対して工具Tは刃部T1が前側となる向きで保持される。
本実施形態の工具交換装置10は、一つの工具ポットPをマガジン収容室9の内外に往復動させ、工具ポットPに取り付けられた工具Tを、マガジン収容室9および加工室4の外部に設けられた工具交換室6(特許請求の範囲における「工具交換領域」)で交換するように構成されている。
工具ポット着脱装置20では、通常時は両係合レール21の間に工具ポットPが保持され、両係合レール21が後側に配置されている。
そして、図3(b)に示すように、両係合レール21を前方に移動させ、工具ポットPの装着穴P1に工具TのシャンクT2を挿入することで、工具マガジン7に保持された工具Tに、工具ポットPを取り付けることができる。
なお、工具Tに工具ポットPが取り付けられた状態では、両係合レール21は後記する工具搬送装置30のスライドレール41(図2参照)に連結される。
また、工具ポット着脱装置20では、工具Tに工具ポットPが取り付けられた状態から、図3(a)に示すように、両係合レール21を後方に移動させることで、工具Tから工具ポットPを取り外すことができる。
両係合レール21の間に保持された工具ポットPが、両係合レール21から両スライドレール41の間に移動して、両スライドレール41の間で左右方向にスライド可能となっている。
工具ポット保持部材50の前端部には、左側に開口した工具ポット保持具51が形成されている。工具ポット保持部材50が工具交換室6の上部に配置されたときには、工具ポット保持具51が両スライドレール41の間に連通する。これにより、両スライドレール41の間に保持された工具ポットPが、工具ポット保持具51内に移動可能となる(図4参照)。
図7に示すように、ロッド63bが収縮すると、工具ポット保持部材50は昇降レール61に沿って下降する。そして、ロッド63bが最も収縮したときは、工具ポット保持部材50は工具交換室6の下部に配置され、交換室カバー5の開口部5bを通じて、工具ポット保持部材50が外部に露出した状態となる。
位相決めピン75eは、工具Tの外周面に形成された位相決め穴T3に左右方向から係脱するピンである。図11(a)に示すように、位相決めピン75eが工具Tの位相決め穴T3に係合されることで、工具Tの軸回りの位相が固定される。
位置決めピン75fは、図10(b)に示すように、位置決め部材77に形成された前後の位置決め穴77a,77bのいずれかに左右方向から係脱するピンである。位置決めピン75fが位置決め穴77a,77bに係合することで、工具着脱用レバー75が工具交換室6内に固定される。
図11(a)に示すように、工具着脱用レバー75を工具保持部材70に対して右側に引き出すと、位置決めピン75fが位置決め穴77a,77bから離脱し、工具保持部材70が前後方向に移動可能となる。また、位相決めピン75eが工具Tの位相決め穴T3に係合され、工具Tの軸回りの位相が所定の位相に固定される。
このように、本実施形態では、位相決めピン75eが工具Tの位相決め穴T3に係合され、工具Tが所定の位相で工具保持部材70に保持されていないと、工具保持部材70を前後方向に移動させることができないように構成されている。
工具保持部材70を前方に移動させ、図11(d)に示すように、位置決めピン75fを前側の位置決め穴77aに係合させると、図12に示すように、工具保持部材70に保持された工具Tが、工具ポット保持部材50に保持された工具ポットPから取り外された状態で、工具保持部材70が工具交換室6内に固定される。
解除用レバー80では、当接部材82の回動半径よりも、操作ロッド83の回動半径が大きく形成されている。また、操作ロッド83は、後部に対して前部が上下方向に屈曲自在となっている。
図9(b)に示すように、操作ロッド83の前端部を右側に回動させ、回動ロッド81を軸回りに回動させると、工具ポットPの解除ピンP2に当接部材82が当接し、解除ピンP2が押される。これにより、工具ポットPによる工具Tの保持が解除され、工具Tを工具ポットPに対して前方に移動させることで、工具Tを工具ポットPから取り外すことができる。
なお、当接部材82の回動半径よりも、操作ロッド83の回動半径が大きいため、梃子の原理により、操作ロッド83を回動させたときに、当接部材82によって解除ピンP2を大きな力で押すことができる。
図12に示すように、作業者が工具着脱用レバー75の把持部76を把持して、工具着脱用レバー75および工具保持部材70を、工具ポット保持部材50に対して前方に移動させ、工具ポットPから工具Tを取り外す。
このとき、図10(a)に示すように、位相決めピン75eは工具Tの位相決め穴T3から離脱しているため、工具保持部材70から工具Tを取り外し可能となっている。
工具ポットPに工具Tが取り付けられると、図8(a)に示すように、ロック部材90が左側に移動し、第二ロックピン92が解除用レバー80に係合されるとともに、第三ロックピン93が工具保持部材70に係合し、第一ロックピン91は工具ポット保持部材50から離脱する。これにより、解除用レバー80および工具保持部材70はロック部材90に固定され、工具ポット保持部材50は昇降可能となる。
スライド駆動装置42によって、工具ポットPがスライドレール41に沿ってマガジン収容室9内に移動し、図2に示すように、工具ポットPが両係合レール21の間に保持されるとともに、工具Tが工具マガジン7の保持具7bに保持される。
そして、図3(a)に示すように、工具ポット着脱装置20によって、新しい工具Tから工具ポットPが取り外され、工具Tの交換が完了する。
また、工具交換室6内には、図7に示すように、工具ポットPを昇降させる昇降装置60が設けられているため、主軸2(図1参照)の上方に配置された工具マガジン7(図1参照)に保持されていた工具Tを、作業者が作業し易い低い位置で交換することができる。
2 主軸
3 加工室カバー
3a 右側面
4 加工室
5 交換室カバー
5b 開口部
5c 交換用扉
6 工具交換室(工具交換領域)
7 工具マガジン
7a マガジン本体
7b 保持溝
8 マガジンカバー
8a 右側面
8b 連通口
9 マガジン収容室
10 工具交換装置
20 工具ポット着脱装置
21 係合レール
30 工具搬送装置
40 ガイド装置
41 スライドレール
42 スライド駆動装置
50 工具ポット保持部材
51 工具ポット保持溝
60 昇降装置
62 昇降駆動装置
70 工具保持部材
71 工具保持溝
75 工具着脱用レバー
75e 位相決めピン
75f 位置決めピン
77 位置決め部材
77a 前側の位置決め穴
77b 後側の位置決め穴
80 解除用レバー
81 回動ロッド
82 当接部材
83 操作ロッド
90 ロック部材
91 第一ロックピン
92 第二ロックピン
93 第三ロックピン
P 工具ポット
P2 解除ピン
T 工具
T3 位相決め穴
Claims (4)
- 工具マガジンに保持された工具を交換するための工具交換装置であって、
前記工具に着脱自在な工具ポットと、
前記工具マガジンに保持された前記工具に、前記工具ポットを着脱させる工具ポット着脱装置と、
加工室の外部に設けられた工具交換領域と前記工具マガジンとの間で前記工具ポットを往復動させる工具搬送装置と、を備え、
前記工具搬送装置は、
前記工具マガジンと前記工具交換領域の上部との間に延設されたスライドレールと、
前記工具交換領域において前記工具ポットを保持する工具ポット保持部材と、
前記工具ポット保持部材を昇降させる昇降装置と、を備え、
前記工具ポットは、前記スライドレールに沿ってスライド可能であり、
前記工具ポット保持部材は、前記工具交換領域の上部において前記スライドレールに連通し、前記スライドレールと前記工具ポット保持部材との間で前記工具ポットが移動可能であることを特徴とする工具交換装置。 - 前記工具搬送装置は、
前記工具交換領域において前記工具を保持し、前記工具を前記工具ポットに着脱する方向に移動可能な工具保持部材を備え、
前記工具保持部材には、前記工具交換領域に設けられた位置決め部材および前記工具に係脱自在な工具着脱用レバーが設けられており、
前記工具着脱用レバーを前記工具に係合させると、前記工具着脱用レバーが前記位置決め部材から離脱することを特徴とする請求項1に記載の工具交換装置。 - 前記工具搬送装置は、
前記工具交換領域において前記工具ポット保持部材および前記工具保持部材に係脱自在なロック部材を備え、
前記ロック部材を前記工具ポット保持部材に係合させると、前記ロック部材が前記工具保持部材から離脱することを特徴とする請求項2に記載の工具交換装置。 - 工具マガジンに保持された工具を、工具交換装置を用いて交換する工具交換方法であって、
前記工具交換装置は、
前記工具に着脱自在な工具ポットと、
前記工具マガジンに保持された前記工具に、前記工具ポットを着脱させる工具ポット着脱装置と、
加工室の外部に設けられた工具交換領域と前記工具マガジンとの間で前記工具ポットを往復動させる工具搬送装置と、を備え、
前記工具搬送装置は、
前記工具マガジンと前記工具交換領域の上部との間に延設されたスライドレールと、
前記工具交換領域において前記工具ポットを保持する工具ポット保持部材と、
前記工具ポット保持部材を昇降させる昇降装置と、を備え、
前記工具ポットは、前記スライドレールに沿ってスライド可能であり、
前記工具ポット保持部材は、前記工具交換領域の上部において前記スライドレールに連通し、前記スライドレールと前記工具ポット保持部材との間で前記工具ポットが移動可能となるように構成されており、
前記工具マガジンに保持された前記工具に、前記工具ポット着脱装置によって前記工具ポットを取り付ける段階と、
前記工具ポットおよび前記工具を、前記工具搬送装置によって前記工具交換領域に移動させる段階と、
前記工具交換領域において前記工具ポットから前記工具を取り外し、他の工具を前記工具ポットに取り付ける段階と、
前記工具ポットおよび前記他の工具を、前記工具搬送装置によって前記工具マガジンに移動させ、前記他の工具を前記工具マガジンに保持させる段階と、
前記工具ポット着脱装置によって、前記他の工具から前記工具ポットを取り外す段階と、
を備えていることを特徴とする工具交換方法。
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