JP6006614B2 - 薄膜形成方法及び薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成方法及び薄膜形成装置 Download PDF

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Description

薄膜形成対象となる帯状基材(つまり、長尺フィルムシート)を搬送させながら、薄膜形成部を通過させることにより、フィルムシートの表面に薄膜を形成する方法及び装置に関するものである。
ロール状に巻かれた長尺フィルムシートの表面に薄膜を形成するために、真空蒸着,スパッタ,CVDなどの薄膜形成装置が用いられている。このような薄膜形成装置は、巻出ローラから巻き出して供給されたフィルムシートをメインロール(いわゆるキャンロール)と呼ばれる大径のドラム状ロールの表面に沿わせ、メインロールを回転させることによりフィルムシートを搬送させている。さらに、薄膜形成部がメインロールの搬送面と対向する位置に配置されており、メインロールに沿わせたフィルムシートを搬送させながら薄膜形成部を通過させることにより、フィルムシート表面上に薄膜を形成している。そして、薄膜の形成が済んだフィルムシートは、巻取りローラに巻き取ることにより回収される。このとき、フィルムシートに加わる張力を検出しつつ、巻出ロール及び巻取ロールをトルク制御により巻取方向に軽い張力(いわゆるバックテンション)を付与しつつ、メインロールの回転によりフィルムシートを搬送させている(例えば、特許文献1)。
また、フィルムシートの搬送を確実に行い、空滑りの発生を防ぐために、メインロールの形状を改良する技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2002−237028号公報 特開2011−94221号公報
従来の薄膜形成装置では、停止状態から回転始動、回転加速、一定速での回転、回転減速させ、再び回転停止状態となるまで、巻出ロール及び巻取ロールのトルク制御を行い、フィルムシートに所定の張力を付与し、フィルムシートがメインロール上で空滑りしない様にしていた。しかし、メインロールの加減速時のみならず、メインロールを一定速で回転させて薄膜を形成しているとき、所定の張力がフィルムシートに加わった状態になっていた。さらに、フィルムシートがメインロール上で空滑りすることを防ぐために、フィルムシートに付与する張力を高く設定すると、フィルムシートには必要以上の引っ張り力が加わることになり、形成した薄膜に微小なひび割れや剥離が生じる要因となっていた。
そこで本発明は、フィルムシートの搬送中にメインロール上で空滑りが発生することを防ぎつつ、形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる薄膜形成方法及び薄膜形成装置を提供することを目的としている。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
帯状基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で搬送しつつ表面処理を行うことにより帯状基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
帯状基材に加わる張力を測定しつつ調整をする張力調節ステップを有し、
メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力を
メインロールの回転加速時張力又は回転減速時張力よりも低く設定するステップを有することを特徴とする、薄膜形成方法である。
請求項2に記載の発明は、
メインロールを正回転方向に回転させて薄膜を形成するステップと、
メインロールを逆回転方向に回転させて薄膜を形成するステップとを有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜形成方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記メインロールを正回転方向に回転させて薄膜を形成するステップと、
前記メインロールを逆回転方向に回転させて薄膜を形成するステップとでは、
異なる薄膜を形成することを特徴とする、請求項2に記載の薄膜形成方法である。
請求項4に記載の発明は、
帯状基材が巻出ロールと巻取ロールとを備えたロールトゥロール方式で搬送され、
メインロールを一定速回転させて薄膜を形成しているときにメインロールの減速開始を通知する減速開始通知ステップと、
前記減速開始通知ステップにおける減速開始の通知に基づいて帯状基材に加わる張力を前記回転減速時張力に変更するステップと、
帯状基材に加わる張力が前記回転減速時張力に変更された後にメインロールの回転を減速させるステップとを有する
ことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の薄膜形成方法である。
請求項5に記載の発明は、
メインロールの回転が停止しているときに帯状基材に加わる張力を、
前記メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力より高く設定するステップを有する
ことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかにに記載の薄膜形成方法である。
請求項6に記載の発明は、
帯状基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で帯状基材を搬送しつつ表面処理を行うことにより帯状基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
帯状基材に加わる張力を測定する張力測定部と、
前記張力測定部で測定された張力に基づいて帯状基材に加わる張力を調節する張力調節部を備え、
メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力が
メインロールの回転加速時張力又は回転減速時張力よりも低く設定されていることを特徴とする、薄膜形成装置である。
請求項7に記載の発明は、
メインロールを正回転方向及び逆回転方向に回転させるメインロール回転制御部を備えた
ことを特徴とする、請求項6に記載の薄膜形成装置である。
請求項8に記載の発明は、
前記メインロールを正回転方向に回転させるときと、
前記メインロールを逆回転方向に回転させるときでは、
帯状基材上への薄膜の形成に用いる材料が異なる
ことを特徴とする、請求項7に記載の薄膜形成装置である。
請求項9に記載の発明は、
帯状基材が巻出ロールと巻取ロールとを備えたロールトゥロール方式で搬送されており、
帯状基材の搬送距離を計測する搬送距離計測部を備え、
前記張力調節部は前記搬送距離計測部の信号に基づいて前記帯状基材に加わる張力を前記回転減速時張力に変更し、
前記メインロール回転制御部は、帯状基材に加わる張力が前記回転減速時張力に変更されたことに基づいてメインロールの回転を減速させる
ことを特徴とする、請求項〜請求項8のいずれかに記載の薄膜形成装置である。
請求項10に記載の発明は、
メインロールの回転が停止しているときに帯状基材に加わる張力が、
前記メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力より高く設定されていることを特徴とする、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の薄膜形成装置である。
薄膜形成装置及び薄膜形成方法において、フィルムシートの搬送中にメインロール上で空滑りが発生することを防ぎつつ、形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる。
本発明を具現化する形態の一例を示す側面図である。 本発明を具現化する形態の一例を示すフローチャートである。 本発明を具現化する形態の一例を示すタイムチャートである。
図1は、本発明を具現化する形態の一例を示す側面図である。
本発明にかかる薄膜形成装置1は、薄膜形成部2と、メインロール3と、巻出ロール4と、巻取ロール5と、張力調節部6を備えている。
薄膜形成部2は、薄膜形成対象物となる帯状基材(つまり、長尺フィルムシート。以下、シートSという)の表面に薄膜を形成するものである。薄膜形成部2は、例えばプラズマCVDによる薄膜形成を行う形態を例示でき、下述のような装置構成にすることができる。より具体的には、薄膜形成部2は、3組みの成膜チャンバ20(20a,20b,20c)、原料ガス導入部21(21a,21b,21c)、高周波発生部22(22a,22b,22c)を備えている。
メインロール3は、シートSを矢印の方向に搬送させるものである。
メインロール3は、円筒状の大径ドラムロール(いわゆるキャンロールと呼ばれるもの)で、回転軸31に取り付けられた駆動モータ31mにより、矢印32の方向或いは、その逆方向に回転する構造をしている。さらに、シートSは、メインロールの外周面30に沿わせて配置されており、詳細は後述するが、シートSに付与された張力によりシートS裏面がメインロール3の表面に押しつけられる。そのため、メインロール3の表面とシートSの裏面とには摩擦が生じる。そして、メインロール3を矢印32の方向に回転させることにより、シートSを矢印47,57の方向に搬送させることができる。
巻出ロール4は、シートSをメインロール3へ供給するものである。
巻出ロール4は、巻出軸41と、パウダークラッチ43と、モータ45とを備えている。
巻出軸41は、長尺のシートSをロール上に巻き付けておくための円筒軸である。
モータ45は、巻出軸41を矢印46の方向に回転させるものである。
パウダークラッチ43は、巻出軸41とモータ45とを接続するものであり、モータ45の回転力を調節して巻出軸41に伝えるものである。詳細は後述するが、モータ45を所定の回転力で駆動しつつ、パウダークラッチ43を制御することにより、巻出軸41に所望のトルクを伝達するすることができる。そのため、巻出軸41に巻き付けられた長尺のシートSに所定の張力を付与しつつ、メインロール3の回転に応じて矢印47の方向に巻き出し、シートSを供給することができる。
巻取ロール5は、シートSをメインロール3から回収するものである。
巻取ロール5は、巻取軸51と、パウダークラッチ53と、モータ55とを備えている。
巻取軸51は、長尺のシートSをロール上に巻き付けておくための円筒軸である。
モータ55は、巻取軸51を矢印56の方向に回転させるものである。
パウダークラッチ53は、巻取軸51とモータ55とを接続するものであり、モータ45の回転力を調節して巻取軸51に伝えるものである。詳細は後述するが、モータ55を所定の回転力で駆動しつつ、パウダークラッチ53を制御することにより、巻取軸51に所望のトルクを伝達するすることができる。そのため、シートSを、メインロール3の回転に応じて矢印57の方向に搬送し、所定の張力を付与しつつ巻取軸51に巻き付けて回収することができる。
張力調節部6は、シートSに加わる張力を調節するものである。
張力調節部6は、張力検出部61,62と、張力設定部63と、張力コントローラ65とを備えている。
張力検出部61は、メインロールに供給されるシートSに加わる張力を測定するためのものであり、メインロール3と巻出ロール4との間(つまり、供給側)に配置されている。具体的には、シートSにフリーロール61aを所定の力で付勢させておき、シートSに加わる張力に応じてフリーロール61aが矢印61b方向に移動するようにしておく。そして、フリーロール61aの位置に応じて張力検出部61から張力コントローラ65へ信号を出力しておくようにする。
張力検出部62は、メインロールから回収されるシートSに加わる張力を測定するためのものであり、メインロール3と巻取ロール5との間(つまり、回収側)に配置されている。具体的には、シートSにフリーロール62aを所定の力で付勢させておき、シートSに加わる張力に応じてフリーロール62aが矢印62b方向に移動するようにしておく。そして、フリーロール62aの位置に応じて張力検出部62から張力コントローラ65へ信号を出力しておくようにする。
張力設定部63は、シートSに加わる張力を設定するためのものである。
張力設定部63には、メインロールの回転加速時張力Ta、回転減速時張力Td、一定速回転時張力Tcが登録されている。なお、メインロールの回転加速時張力Ta及び回転減速時張力Tbは、初期張力とも呼ばれ、別個の値を設定しても良いし、同じ値を設定しても良い。また、メインロールの一定速回転時張力Tcは、プロセス張力とも呼ばれ、回転加速時張力Ta又は回転減速時張力Tdの値よりも低く設定しておく。
張力コントローラ65は、張力検出部61,62から出力される信号を入力し、これらの信号の大小に応じて、パウダークラッチ43,53を制御するものである。具体的には、張力コントローラ65は、張力検出部61,62で測定された張力が、張力設定部63で設定されたメインロールの回転加速時張力Ta,回転減速時張力Td又は一定速回転時張力Tcのいずれかから選択した値になるように、パウダークラッチ43,53を制御する。なお、張力コントローラ65が、メインロールの回転加速時張力Ta、回転減速時張力Td又は一定速回転時張力Tcの内どれを選択するかは、メインロール3の回転状態により判断する。
また、薄膜形成装置1は、上述の様に長尺のシートSを巻出ロール4から巻き出して、成膜後に巻取ロール5で巻き取る形態(いわゆる、ロールトゥロール方式)としており、必要に応じてフリーロール8(81〜85)を適宜配置することが好ましく、フリーロール8によりシートSの搬送が円滑に行える。
[動作フロー]
図2は、本発明を具現化する形態の一例を示すフローチャートである。図2には、本発明を用いてシートSの表面上に薄膜を形成するための一連のフローが、ステップ毎に示されている。
先ず、薄膜形成対象物であるシートSを、巻出ロール4から巻き出し、メインロール3に沿わる(s101)。このようなシートSを初めてセットする時や、別のロールに掛け替える時などは、シートSに加わる張力をシート交換時張力T0とし、シート交換時張力T0は、メインロールの一定速回転時張力Tc以下に設定して、張力コントローラ65でパウダークラッチ43,53を制御させる(s102)。なお、このシート交換時張力T0は、シートSに余分な張力がかからない、ゼロに近い値とすることが好ましい。そして、シートSを巻取ロール5の巻取軸41に巻きつけ、セットが完了すれば(s103)、シートSに付与する張力を徐々に上げ、張力検出部61,62が共に同じ値を保ちつつ、メインロールの回転加速時張力Taになるように、張力コントローラ65でパウダークラッチ43,53を制御させる(s104)。
シートSに付与していた張力がメインロールの回転加速時張力Taに到達すれば、メインロールを正回転方向に回転させ、回転速度を上げる。そして、メインロールの回転速度がV1となれば(s105)、シートSに付与する張力がメインロールの一定速回転時張力Tcとなるように、張力コントローラ65でパウダークラッチ43,53を制御させる(s106)。なお、シートSへの薄膜の形成は、メインロール3の回転開始前又は回転開始後から行うようにしても良いし、メインロール3が一定速回転させている間のみ行うようにしても良い。これにより、シートSの搬送中にメインロール上で空滑りが発生することを防ぎつつ、形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる。
そして、シートSを連続搬送させながら、成膜終了位置に達したかどうかを判断し(s107)、成膜終了位置に達していなければ成膜の形成を継続する。一方、成膜終了位置に達していればシートSに付与していた張力を、メインロールの一定速回転時張力Tcから、メインロールの回転減速時張力Tdに徐々に上げる(s201)。なお、メインロールの回転減速時張力Tdは、メインロールの回転加速時張力Taとは異なる、別個の値を設定しても良いし、メインロールの回転加速時張力Taと同じ値を設定しても良い。
そして、シートSに付与していた張力が、メインロールの回転減速時張力Tdに到達すれば、メインロール3の回転数を下げる(s202)。そして、メインロールの回転が停止すれば(s203)、メインロールを逆回転させて再び成膜するかどうかを判断する(s204)。再び成膜しない場合は、後述のステップ(s304)へ進める。一方、再び成膜をすると判断すれば、シートSに付与する張力を、メインロールの回転加速時張力Taになるように張力コントローラ65でパウダークラッチ43,53を制御させる。
シートSに付与していた張力がメインロールの回転加速時張力Taに到達すれば、メインロールを逆回転方向に回転させ、回転速度を上げる。そして、メインロールの回転速度がV2となれば(s205)、シートSに付与する張力がメインロールの一定速回転時張力Tcとなるように、張力コントローラ65でパウダークラッチ43,53を制御させる(s206)。なお、シートSへの薄膜の形成は、メインロール3の回転開始前又は回転開始後から行うようにしても良いし、メインロール3が一定速回転させている間のみ行うようにしても良い。これにより、シートSを逆方向に搬送中にメインロール上で空滑りが発生することを防ぎつつ、形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる。
そして、シートSを連続搬送させながら、成膜終了位置に達したかどうかを判断し(s207)、成膜終了位置に達していなければ成膜の形成を継続する。一方、成膜終了位置に達していればシートSに付与していた張力を、メインロールの一定速回転時張力Tcから、メインロールの回転減速時張力Tdに徐々に上げる(s301)。
そして、シートSに付与していた張力が、メインロールの回転減速時張力Tdに到達すれば、メインロール3の回転数を下げる(s302)。そして、メインロールの回転が停止すれば(s303)、さらに成膜するかどうかを判断する(s204)。再び成膜する場合は、上述のステップ(s105〜s303)を繰り返す。一方、再び成膜しない場合は、シートSに付与していた張力をシート交換時張力T0とし(s305)、シートSを取り出すか、別のロールに掛け替える。
図3は、本発明を具現化する形態の一例を示すタイムチャートであり、本発明に係る薄膜形成装置1及び薄膜形成方法を用いてシートSに薄膜を形成するときの、シートSに付与される張力Tと、メインロール3の速度Vの変化を示す図である。従来の薄膜形成装置及び薄膜形成方法では、メインロール3が速度V1又は速度V2で一定速回転となっても、シートSに付与される張力Tは、破線Zに示すようにメインロールの回転加速時張力Ta又は回転減速時張力Tbのままで薄膜の形成を行っていた。しかし、本発明にかかる薄膜形成装置1及び薄膜形成方法では、メインロール3が速度V1又は速度V2で一定速回転となったあと、実線Aで示すように、メインロールの回転加速時張力Taから一定速回転時張力Tcに下げて、薄膜の形成を行っている。
そして、シートSの搬送距離を計測し、シートエンド信号(つまり、減速開始通知信号)を検出し、当該信号の通知に基づいてシートSに付与する張力を、メインロールの回転減速時張力Tbに上げて、メインロール3を回転減速させている。
さらに、メインロールを逆回転方向に回転させるときは、シートSに付与する張力をメインロールの回転加速時張力Taにして、メインロールを逆回転方向に回転させ、メインロールが逆回転方向に速度V2で一定速回転となったあと、実線Aで示すように、シートSに付与する張力を回転加速時張力Taから一定速回転時張力Tcに下げて、薄膜の形成を行っている。そして、上述と同様にしてメインロール3の回転を止めている。
なお、上記シートSの搬送距離を計測し、シートエンド信号(つまり、減速開始通知信号)を検出する手段としては、上述の薄膜形成装置1において搬送距離計測部7をさらに備えて具現化することができる。搬送距離計測部7は、シートSの搬送距離を計測するためのものである。具体的には、搬送距離計測部7は、回転計70を備え、シートSの搬送に追従して矢印71の方向に回転計70の回転ローラが回転するように構成されている。より具体的には、回転計70の回転ローラと対向配置された回転ローラとでシートSを挟んで、シートSの搬送距離を計測するように構成されたものが例示できる。回転計70としては、ロータリエンコーダが例示できる。搬送距離計測部7では、回転計70(ロータリエンコーダ)から出力されたパルス信号をカウントし、シートSの走行距離が所定距離に達すればシートエンド信号を出力する。そうすることで、シートエンド信号を検出し、張力コントローラ65でシートSに付与される張力を一定速回転時張力Tcから回転減速時張力Tdに変更することができる。
本発明にかかる薄膜形成装置1は上述の様な構成をしており、本発明にかかる薄膜形成方法は上述の様なステップに基づいて薄膜形成を行うため、シートSをメインロールの外周面30に沿わせた状態で搬送しつつ、薄膜形成部2を通過させて表面処理を行うことで、シートS上に薄膜を形成することができる。さらに、メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときにシートSに付与する張力を、メインロールの停止状態から一定速回転になるまで回転加速させるとき又は一定速回転から停止状態になるまで回転減速させるときのシートSに付与する張力よりも低く設定して薄膜を形成しているので、シートSの搬送中にメインロールの外周面30上で空滑りが発生することを防ぎつつ、形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる。
さらに、メインロールを往復動作させることにより、同一種類の薄膜を積層形成したり、異種の薄膜を積層形成させることができ、メインロールの回転減速及び逆回転方向への回転加速の際に、シートSの搬送中にメインロールの外周面30上で空滑りが発生することを防ぎつつ、メインロールが一定速回転すればシートSに付与される張力が低くなるため、積層形成した薄膜にひび割れや剥離が生じることを防ぐことができる。
なお、薄膜形成装置1において、メインロール回転制御部を備えることが好ましい。メインロール回転制御部は、モータ31mを矢印32の方向若しくは、その逆方向に回転駆動させるものであり、メインロール3を正回転方向及び逆回転方向に回転させることができる。メインロール回転制御部としては、コンピュータやプログラマブルコントローラに、実行プログラムを組み込んだものが例示できる。そうすれば、予め登録しておいた動作シーケンスに基づいてメインロール3の回転用駆動モータ31を制御し、連続的にシートS上に同一種類の薄膜を積層形成することができる。
なお、図1に例示した3組みの成膜チャンバ20(20a,20b,20c)は、それぞれに同じガスを導入して同一種類の薄膜を積層させて形成しても良いが、異種のガスを導入し、異なる種類の薄膜を積層させて形成しても良い。さらに、配置する数量も任意に選択すれば良い。ガスの種類を変更して導入する場合、さらに成膜ガス切替部と、メインロール回転制御部と成膜ガス切替部とを連携させて制御する統合制御部を備えることが好ましい。ガス切替部は、ガス導入部21(21a,21b,21c)に導入するガスの種類を個別に切り替えるものである。統合制御部は、メインロール回転制御部と成膜ガス切替部を制御し、メインロール3の回転方向が正回転するときと逆回転するときとで、成膜チャンバに導入するガスを個別に切り替えるものである。成膜ガス切替部としては、外部からの制御ができる電磁バルブや電動バルブなどが例示できる。また、統合制御部としては、コンピュータやプログラマブルコントローラに、実行プログラムを組み込んだものをが例示できる。そうすれば、予め登録しておいた動作シーケンスに基づいてメインロール3の回転用駆動モータ31を制御し、導入するガスを適宜切り替え、連続的にシートS上に異種の薄膜を積層形成することができる。
なお、上述の説明では薄膜形成部2として、プラズマCVDによる薄膜形成を行う形態を例示したが、シートSを低張力で搬送させながら成膜を行う場合に好適であり、薄い樹脂フィルムシートや伸縮しやすいウェブ材料に対する蒸着,スパッタ,ダイコート,スプレーコート,インクジェット等の成膜に応用することができる。
1 薄膜形成装置
2 薄膜形成部
3 メインロール
4 巻出ロール
5 巻取ロール
6 張力調節部
7 搬送距離計測部
8 フリーロール
20 成膜チャンバ
21 原料ガス導入部
22 高周波発生部
30 メインロールの外周面
31 回転軸
31m 駆動モータ
32 矢印(回転方向)
41 巻出軸
43 パウダークラッチ
45 モータ
46 矢印(付与張力)
47 矢印(搬送方向)
51 巻取軸
53 パウダークラッチ
55 モータ
56 矢印(付与張力)
57 矢印(搬送方向)
61 張力検出部(供給側)
61a 矢印
62 張力検出部(回収側)
62a 矢印
63 張力設定部
65 張力コントローラ
70 回転計
71 矢印
81〜85 フリーロール
S シート(帯状基材,長尺のフィルムシート)
Ta メインロールの回転加速時張力
Tc メインロールの一定速回転時張力
Td メインロールの回転減速時張力

Claims (10)

  1. 帯状基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で搬送しつつ表面処理を行うことにより帯状基材上に薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    帯状基材に加わる張力を測定しつつ調整をする張力調節ステップを有し、
    メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力を
    メインロールの回転加速時張力又は回転減速時張力よりも低く設定するステップを有することを特徴とする、薄膜形成方法。
  2. メインロールを正回転方向に回転させて薄膜を形成するステップと、
    メインロールを逆回転方向に回転させて薄膜を形成するステップとを有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記メインロールを正回転方向に回転させて薄膜を形成するステップと、
    前記メインロールを逆回転方向に回転させて薄膜を形成するステップとでは、
    異なる薄膜を形成することを特徴とする、請求項2に記載の薄膜形成方法。
  4. 帯状基材が巻出ロールと巻取ロールとを備えたロールトゥロール方式で搬送され、
    メインロールを一定速回転させて薄膜を形成しているときにメインロールの減速開始を通知する減速開始通知ステップと、
    前記減速開始通知ステップにおける減速開始の通知に基づいて帯状基材に加わる張力を前記回転減速時張力に変更するステップと、
    帯状基材に加わる張力が前記回転減速時張力に変更された後にメインロールの回転を減速させるステップとを有する
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の薄膜形成方法。
  5. メインロールの回転が停止しているときに帯状基材に加わる張力を、
    前記メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力より高く設定するステップを有する
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の薄膜形成方法。
  6. 帯状基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で帯状基材を搬送しつつ表面処理を行うことにより帯状基材上に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
    帯状基材に加わる張力を測定する張力測定部と、
    前記張力測定部で測定された張力に基づいて帯状基材に加わる張力を調節する張力調節部を備え、
    メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力が
    メインロールの回転加速時張力又は回転減速時張力よりも低く設定されていることを特徴とする、薄膜形成装置。
  7. メインロールを正回転方向及び逆回転方向に回転させるメインロール回転制御部を備えた
    ことを特徴とする、請求項6に記載の薄膜形成装置。
  8. 前記メインロールを正回転方向に回転させるときと、
    前記メインロールを逆回転方向に回転させるときでは、
    帯状基材上への薄膜の形成に用いる材料が異なる
    ことを特徴とする、請求項7に記載の薄膜形成装置。
  9. 帯状基材が巻出ロールと巻取ロールとを備えたロールトゥロール方式で搬送されており、
    帯状基材の搬送距離を計測する搬送距離計測部を備え、
    前記張力調節部は前記搬送距離計測部の信号に基づいて前記帯状基材に加わる張力を前記回転減速時張力に変更し、
    前記メインロール回転制御部は、帯状基材に加わる張力が前記回転減速時張力に変更されたことに基づいてメインロールの回転を減速させる
    ことを特徴とする、請求項〜請求項8のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  10. メインロールの回転が停止しているときに帯状基材に加わる張力が、
    前記メインロールを一定速回転させて薄膜を形成するときに帯状基材に加わる張力より高く設定されていることを特徴とする、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の薄膜形成装置。
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