JP6006214B2 - タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤 - Google Patents

タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤 Download PDF

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Description

本出願は2010年09月14日付で出願された、大韓民国特許出願第10-2010-0090232号を優先権主張し、前記明細書全体は本発明の参考文献である。
本発明はタンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤組成物に関する。より詳しくは非毒性で水分抵抗性を有し、接着の際加熱等の過程を経ないので、生体接着剤として利用可能な接着剤組成物及びこれを含む医療用接着剤、徐放型薬剤伝達体、癒着防止剤、細胞蛋白質吸着防止剤及び医療用止血剤に関する。
接着剤とは、物体と他の物体の表面を付着させる時使用する物質であって、国際標準化機構(ISO)では“接着(adhesion)は両面が化学的又は物理的な力、又はその両者により一体化される状態であって、接着剤(adhesive)は接着剤により二つ以上の物体を一体化することを可能にする物質”に定義している。接着剤は便利性により日常生活、産業活動の多様な分野で幅広く使用されており、主成分によって無機接着剤及び有機接着剤に分類される。有機接着剤はさらに、合成有機接着剤と天然系有機接着剤に分類され、合成有機接着剤は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂系、ゴム系及びフエノール、エポキシを含む混合系に分類される。しかし、有機合成接着剤の場合、最近有害物質が放出される等の問題が発生している。これは特に有機溶剤の中に揮発性有機溶剤の使用及び未反応モノマーの揮発によるものである。特に、建築の際内装材に使用される接着剤の場合、ホルムアルデヒド等の有害物質を放出しないように規制が強化されている実情であり、これに対してニカワ、大豆蛋白質系、タンニン系接着剤に対する開発がなされている。
“粘着剤”とは、接着剤の一種と見做され、接着剤に一部分に加えられる圧力(指圧)だけでも被着材に十分に接着し、接着剤に比べて凝集力が低く応力緩和が速やかで外力に対して容易に変形が可能な粘弾性的な挙動を表す物質を言う。粘着剤に使用される原料は天然ゴム、合成ゴム、アクリル及びシリコン等の熱可塑性樹脂で大部分弾性を有することが特徴である。このように、粘着剤は接着剤とは異なり複数回繰返し使用しても接着力を維持できる特徴を有し、粘り気をもって接着する性質を有しこれを粘着性と言う。
ミモーサワットル(mimosa wattle)、カブラチョー、ラジエータパイン(rariata pine)のような樹種の樹皮に多量含有された物質であるタンニンを主成分とするタンニン接着剤は、特に木材接着用に多く使用される。タンニン接着剤には硬化剤としてホルマリン、パラホルムアルデヒド及びヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)のようなホルムアルデヒド系硬化剤が主に使用されるが、ホルムアルデヒド系硬化剤はタンニンとタンニン間、又はタンニンと木材の間でメチレン脚を形成して蓄合反応を引起こすので、ホルムアルデヒドが放出されず、環境に優しい接着剤として最近注目を浴びている。しかし、タンニン接着剤は熱硬化性で温度が100℃以上になって硬化が始まり、温度が高いほど接着強度が強化される特性を有する。さらに、水溶性であるので水性環境では接着力を維持し難い短所を有する。
タンニン接着剤は毒性がない天然接着剤として注目をされているが、水溶性であり、熱硬化性硬化剤を必要とすることから利用に限界がある。従って、人体に無害でありながら水に殆ど溶解されないので水性環境で使用が可能で、硬化の際熱を必要としない接着剤の開発が要求される実情である。
ここに本発明者等は毒性がなく人体に無害で、水分抵抗性を有し、硬化の際、熱を必要としない接着剤を研究する中、ポリエチレングリコールとタンニンを混合した接着剤が水に殆ど溶けず熱を加えなくても接着が可能であることを確認して本発明を完成した。
従って、本発明の目的はタンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤組成物を提供することである。
本発明の他の目的は前記組成物を含む医療用接着剤を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は前記組成物を含む接着性徐放型薬剤伝達体(controlled released drug delivery adhesives)を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は前記組成物を含む医療用癒着防止を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は前記組成物を含む表面吸着防止剤を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は前記組成物を含む医療用止血剤を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は(a)タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール及びこれらの混合物を混合する段階;及び(b)前記(a)段階で混合されて形成された接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は(a)ポリエチレングリコールを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(b)タンニンを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(c)前記(a)段階及び(b)段階で得られたそれぞれの溶解物を混合して接着剤組成物が形成されるようにする段階;及び(d)前記(c)段階で得られた接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法を提供することである。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は前記方法により製造された接着剤組成物を提供する。
本発明のさらに、他の目的は(a)(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を接着剤組成物を表面に接着しようとする表面の一面又は両面に塗布する段階;及び(b)前記表面を互いに接触させる段階;を含むことを特徴とする二つ又はそれ以上の分離された表面を接着する方法を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は医療用接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は接着性徐放型薬剤伝達体の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は医療用癒着防止剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は表面吸着防止剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
本発明のさらに、他の目的は医療用止血剤製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供することである。
前記のような本発明の目的を達成するために、本発明はタンニン、ポリエチレングリコール、及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために本発明は前記組成物を含む医療用接着剤を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために本発明は前記組成物を含む接着性徐放型徐放型薬剤伝達体を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために本発明は前記組成物を含む医療用癒着防止剤を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために本発明は前記組成物を含む引表面吸着防止剤を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために本発明は前記組成物を含む医療用止血剤を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は(a)タンニン、ポリエチレングリコール、及び水、低級アルコール及びこれらの混合物を混合する段階;及び(b)前記(a)段階で混合されて形成された接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は(a)ポリエチレングリコール、及び水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(b)タンニンを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(c)前記(a)段階及び(b)段階で得られたそれぞれの溶解物を混合して接着剤組成物が形成されるようにする段階;及び(d)前記(c)段階で得られた接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は前記方法により製造された接着剤組成物を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は(a)(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤組成物を表面に接着しようとする表面の一面又は両面に塗布する段階;及び(b)前記表面を互いに接触させる段階;を含むことを特徴とする二つ又はそれ以上の分離された表面を接着する方法を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は医療用接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は接着性徐放型薬剤伝達体の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は医療用癒着防止剤製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は表面吸着防止剤製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は医療用止血剤製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の接着剤組成物は(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール(PEG)、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む。
タンニンはフェノール性化合物であり、主に木の心材や樹皮から抽出される。タンニンは水溶液は収斂性が強く、渋味を有する化合物を総称するもので、多様なポリフェノール類が重複された複雑な構造の高分子物質であって、元来は無色であるがポリフェノール酸化酵素の作用により容易に参加して褐色を呈する。
タンニンは加水分解型タンニンと蓄合型タンニンに分けられ、本発明はこれら全てを含む。加水分解型タンニンは栗の木、ミロボーラン(myrobolans)、ディビディビ(dividivi)等から抽出され、ピロガロール(pyrogallol)、没食子酸、エラグ酸(ellagic acid)等の単分子フェノール性化合物であり、フェノール樹脂製造の際フェノールの部分代替材料に使用されてきた。このような加水分解型タンニンはホルムアルデヒドとの低い反応性と限定された需給等経済的、化学的な部分で蓄合型タンニンに比べて接着剤用タンニンはとしては、不適合なものとして知られてきたが、本発明ではこのような事実とは別に加水分解型タンニンも有用に使用することができる。蓄合型タンニンは重合して水に不溶性のプロバフェン(plobaphene)を形成するものであって、従来のタンニン系接着剤の成分として主に使用されるものであって、一部樹種の樹皮の相当部分を占めている。
本発明の接着剤組成物に含まれるタンニンはこれに制限はされないが、本発明のタンニンは下記化学式1のピロガロール(pyrogallol)没食子酸、エラグ酸 (ellagic acid)、化学式2の没食子酸、化学式3のエラグ酸、化学式4のカテキン(catechin)及びこれらの重合体とその他の公知の文献(Cesar G.Fraga,Plant Phenolics and Human Biochemistry,Nutrition,and Pharmacology 2010,Wiley,ISBN:978-0-28721-7)に記載されたタンニンの場合もあって、分子量はこれに限定はされないが、500乃至10,000でもあり得る。
ポリエチレングリコール(Monomethoxy Polyethylene Glycol,PEG)は無毒性の高分子物質であって、溶解性が良く飲食物や化粧品、セラミック産業に広く使用される。ポリエチレングリコールは分子量によって互いに異なる溶融温度と溶融熱を有していて、使用分野によって適切に選択して使用するが、一般的に、100,000ダルトン(Dalton)以下のものを使用する。
本発明のポリエチレングリコールは線型又は多分枝型(multi branched)を含み、作用基はこれに限定はされないが、水酸化基(-OH)、アミン基(-NH2)クシニミジルスクチナート基(Succinimidyl succibate)、スクシニミジルグルタレート基(Succinimidyl glutarate)、琥珀酸(Succinic acid) 、チオール基(-SH)、アクリレート基(Acrylate)、エポキシ基(Epoxide)、マレインイミド(Maleimide)、ニトロフェニールカボネート基(Nitrophenyl carbonate)、オルトピリジルジスルフィード基=二硫化物(orthopyridyl disulfide)、トシル基(Tosylate)、アジド基(Azide)、又は燐酸基を有することができる。さらに、オリゴアミン基 ([-CH2-CH2NH-]n)、カテコール基又はオリゴカテコールアミン基でもある。つまり、本発明のポリエチレングリコールは線型のmPEG-作用基、作用基-PEG-作用基、多分枝型の4-arm-PEG-作用基、6-arm-PEG-作用基でもあり得る。本発明のポリエチレングリコールはこれに限定はされないが、下記化学式5乃至30の内、いずれか一つの化合物として表すことができる。下記化学式で整数nの範囲はこれに限定はされないが、20乃至2500である。
下記化学式において、化学式5は水酸化基(-OH)、化学式6はアミン基(-NH2)、化学式7はスクシミジルスクチナート基(Succinimidyl succibate)、化学式8は琥珀酸基、化学式9はチオール基(-SH)、化学式10はアクリレート基、化学式11はエポキシ基、化学式12はマレインイミド基、化学式13はニトロフェニールカーボネート基、化学式14はピリジルジスルピード基、化学式15はトシレート基を作用基として有する線型PEGであり、mPEG-作用基の形態を有するもの等である。
さらに、下記化学式16は、水酸化基(-OH)、化学式17はアミン基(-NH2)、化学式18はスクシニミジルスシナート基、化学式19は琥珀酸基、化学式20はチオール基(-SH)、化学式21はアクリレート基、化学式22はエポキシ基、化学式23はマレインイミド基、化学式24はニトロフェニールカーボネート基、化学式25はピリジルジスルフィード基、化学式26はトシレート基を作用基として有する線型PEGであり、作用基-mPEG-作用基の形態を有するもの等である。
下記化学式は多分枝型PEGであり、化学式27は4-arm-PEGの形態であり、作用基としてアミン基を有するPEGを示したものである。
下記化学式28は作用基(化学式で球で表示、以下同じ)として、水酸化基(-OH)、スクニミジルスクシナート基、琥珀酸基、チオール基(-SH)、アクリレート基、エポキシ基、マレインイミド基、ニトロフェニールカーボネート基、ピリジルジスルフィード基、又はトシレート基に置換できる4-arm-PEGを示したものである。
下記化学式29は作用基であり、アミン基を有する6-arm-PEGを示したものである。
下記化学式30は作用基として、水酸化基(-OH)、スクシニミジルスクシナート基、琥珀酸基、チオール基(-SH)、アクリレート基、エポキシ基、マレインイミド基、ニトロフェニールカーボネート基、ピリジルジスルフィード基、又はトシレート基に置換できる6-arm-PEGを示したものである。
前記本発明のポリエチレングリコールの分子量はこれに限定はされないが、1,000乃至100,000であり、より好ましくは2,000乃至30,000である。
本発明の接着剤組成物は水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む。低級アルコールはアルコール分子の中に含まれた炭素数によって炭素数が少ない(炭素数1乃至6)アルコールを意味し、低級アルコールは水に溶解されるが、電離されずイオンが発生しない中性物質であり、アルコールのOH基は塩基のOHとは性質が異なり、アルカリ性を示さない。前記低級アルコールに属するものには、これに限定はされないが、メタノール、エル、ノーマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ノーマルアミルアルコール、イソアミルアルコール、ノーマルヘキシルアルコールがあり、本発明の接着剤組成物の低級アルコールとして、好ましくはエタノールが使用できる。
さらに、本発明の接着剤組成物にはその物性の改善のための添加剤等を使用することができ、前記添加剤は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により適切に選択できる。
“接着”とは、一般的な意味であって、時間経過に伴い初期時間に固化されて弾性のない状態となり、再び剥がれた場合、再付着が難しいものの、本発明における“接着”は“粘着”を含む意味であり、“粘着”とは、粘弾性の特性が維持された状態の形態で圧力により容易に付着することができ、剥がれた後でも複数回再接着が可能であることを意味する。本発明の接着剤組成物は粘着剤としての特性を有している。
本発明の接着剤組成物はこれに限定はされないが、全体組成物の内、タンニン30乃至80重量%、ポリエチレングリコール20乃至70重量%及び水、低級アルコール又はこれらの混合物5乃至30重量%で含む。より好ましくはタンニン40乃至70重量%、ポリエチレングリコール30乃至60重量%及び水、低級アルコール又はこれらの混合物10乃至25重量%を含むことができ、最も好ましくはタンニン50乃至60重量%、ポリエチレングリコール40乃至50重量%、水、低級アルコール又はこれらの混合物15乃至20重量%で含むことができる。
本発明の接着剤は非毒性である。従って、本発明の接着剤組成物は医療用接着剤として使用が可能で、皮膚に直接接触が可能で(実施例11及び実施例12参照)、生体内で使用されて接着剤が体液と血液中に染み込むようになり、生体内に直接関与するようになる場合であっても毒性と危害性がないことが特徴である。
従って、本発明の接着剤は水性環境でも使用が可能な水分抵抗性を有することを特徴とする。本発明で“水分抵抗性”とは、水が存在する環境、例えば、水分がある環境でも接着力を維持できる性質を言う。水分抵抗性を有するためには、湿度が高くても、又は水を含む水溶液にも容易に溶解されず、流体の流れがあるところでも安定的に接着を維持できなければならない。本発明の接着剤は水に容易に溶けない特性を有するところ、水分抵抗性を有する接着剤として活用することができる。
さらに、本発明は前記接着剤組成物を含む医療用接着剤に関するものである。
さらに、本発明の接着剤組成物を含む医療用止血剤に関するものである。
医療用接着剤は広い意味では医療用具の包装から外科用粘着、接着及び止血に至まで広範囲な分野で適用できるものであり、生体適合性があって皮膚に直接使用が可能で、一般的には生体内で使用できるように生体に直接関与する時でも毒性と危害性が全くない接着剤を言う。医療用接着剤に使用できるためには生体適合性の他にも生分解性、水分抵抗性、滅菌性、非毒性及び止血効果を有しなければならず、生体の治癒に妨げとなってはいけない。本発明の接着剤は医療用接着剤としての用途を有し、前記用途には粘着剤としての用途をも含む。より詳細には手術用接着性止血剤及び大腸切開後縫合用医療用接着剤として生体に使用が可能である。
本発明の一実施例では本発明の接着剤の効果を確認するために、接着力を測定する実験を行った。その結果、本発明の接着剤は一般的に、市中で販売される文具用接着剤よりは強い接着力を維持して、豚印ボンドよりは弱い接着力を有することを確認した(実施例2参照)。
さらに、本発明の一実施例では本発明の接着剤が、複数回使用しても接着力を維持するか、否かを確認するために一定の強度で複数回繰返して接着力を測定した。その結果、本発明の接着剤は複数回接着の際にも持続的に接着力を維持することが示された。このような特徴は、本発明の接着剤組成物が粘着剤として使用できることを示すものである(実施例3参照)。
さらに、本発明の一実施例では本発明の接着剤が水分抵抗性有するか否かを測定するために、1回接着力を測定した後、2回目からは蒸留水を塗布して接着力が維持されるか否かを測定した。その結果、本発明の接着剤は水分がある環境においても、一定強度以上の接着力を維持することができた。これは医療用接着剤として生体外部ばかりでなく、生体内部でも使用できることを示している(実施例4参照)。
従って、本発明の一実施例では、本発明の接着剤の分解特性を確認するために、過量の水溶液状から人の体温とほぼ同じ温度においた時の分解特性を確認した。その結果、本発明の接着剤組成物は、全て時間が経過するにつれて、自然的に分解されることを確認することができ、本発明の接着剤は水分抵抗力があるものの、長時間生体に存在する場合、分解可能と判断された(実施例9参照)。
さらに、本発明の一実施例では本発明の接着剤が手術用接着性止血剤(医療用止血剤)として機能するかを確認するために、公知の論文(Y.Murakami et al.,Colloids and Surfaces B:Biointerfaces 65 (2008)186-189)に記載された方法を参照して本発明の接着剤の止血効果を確認した。その結果、本発明の接着剤は優れた止血効果を示し、すでに、商用化された止血剤であるピブリングルーよりも優れた止血効果を示すことを確認した(実施例10参照)。
さらに、本発明は前記接着剤組成物を含む接着性徐放型薬剤伝達体に関する。
徐放型薬剤伝達体とは、治療に必要とする量だけの薬剤が普通の製剤より長時間かけて放出されるように設計された製剤を言う。この用語は、国家毎に少しずつ異なる表現で使用されているが、一般的に放出制御型製剤と呼ばれている。放出制御型製剤は薬剤の血中濃度が速やかに上昇して治療効果を表すに必要とする濃度に達して、望む時間の間だけを一定した有効血中濃度が維持され、普通の製剤に比べて投与頻度が少なく、生体反応が均一に維持されるか又は副作用を減少させる目的で考案された製剤を言う。本発明の接着用組成物は徐放型薬剤伝達体製造の際に使用することができ、前記徐放型薬剤伝達体により伝達できる難溶性薬剤、治療用ペプチド、蛋白質及び抗体を含むことができる。これに限定はされないが、前記難溶性物質に該当するものとして、分子量が小さいパクリタキセル(Paclitaxel)ドキソルビシン等があり、前記治療用ペプチドに属するものとして、ソマトスタチン(Somatostatin)、カルシトーニン(Calcitonin)、バソプレシン(Vasopressions)、血小板凝固抑制ペプチド、ゴナドロピン分泌促進ホルモン等があり、前記蛋白質及び抗体に属するものとして、インタルーキンファミリ(Interleukin family)、赤血球生成促進因子、顆粒球コロニ刺激因子(G-CSF、Granulocyte colony-stimulating factor)、成長ホルモン等がある。
本発明の一実施例では本発明接着剤の薬剤伝達体としての機能を確認するために、4-arm-PEG-AM(10kDa)及び4-arm-PEG-OH(10KDa)を使用した接着剤に蛋白質を加えてその放出量を調査した。その結果、蛋白質は長時間徐々に放出され、本発明の接着剤組成物は徐放型薬剤伝達体として製造できることを確認した(実施例5及び実施例6参照)。
さらに、本発明は前記接着剤組成物を含む医療用癒着防止剤に関するものである。
癒着防止剤は癒着が予想される部位に一定期間物理的な障壁として残り、隣接した組織間に癒着が形成されるのを防いでくれる役割をする物質を意味する。従って、癒着防止剤は一定期間後には分解又は生体内に吸収されて異物質として残ってはならない。本発明の接着剤組成物は外科的手術後、誘発され得る癒着を防止する癒着防止剤製造の際に含まれることができる。
本発明の一実施例で、本発明の接着剤組成物の癒着防止機能を確認するために、本発明が接着剤組成物表面を改質した金表面に細胞が癒着するか否かを確認した。その結果、本発明の接着剤で表面を改質した金表面には、表面を改質しない金表面に比べて細胞が殆ど残っていないので、本発明の接着剤組成物が癒着防止効果を有することを確認した(実施例8参照)。
さらに、本発明は前記接着剤組成物を含む表面吸着防止剤に関するものである。
さらに、本発明は(a)タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール及びこれらの混合物を混合する段階;及び(b)前記(a)段階で混合されて形成された接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法に関するものである。前記本発明の接着剤組成物の製造方法を各段階別に調べると下記の通りである。
(a)段階はタンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール及びこれらの混合物を混合する段階である。
本発明の接着剤組成物は前記タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール及びこれらの混合物を混合して製造される。前記物質の混合の際、混合順序は前記記載には制限はされず、前記タンニンが分解されるとピロガロール(Pyrogallol)にもなれるが、本発明の一実施例ではピロガロールと前記ポリエチレングリコールの作用基のモル比が20乃至30:1であり、より好ましくは25:1になるように体積を求めてこれを混合した(実施例1及び実施例2参照)。
(b)段階は前記(a)段階で混合され形成された接着剤組成物を収得する段階である。
前記(a)段階の混合物は混合の際、追加的な反応を起こさず、別途の過程なく接着剤組成物を収得することができる。混合後、8分乃至12分放置すれば上下層が分離され、この際、下層に褐色物質が生成されるがこれが本発明の接着剤組成物に該当する。(図1参照)
さらに、本発明は(a)ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(b)タンニンを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階;(c)前記(a)段階及び(b)段階で得られたそれぞれの溶解物を混合して接着剤組成物が形成されるようにする段階;及び(d)前記(c)段階で得られた接着剤組成物を収得する段階を含む接着剤組成物を製造する方法に関するものである。前記製造方法を各段階別に調べて見れば下記の通りである。
(a)段階はポリエチレングリコールを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階であり、(b)段階はタンニンを水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解する段階である。
本発明の接着剤組成物は、ポリエチレングリコールを水、低級アルコール及びこれらの混合物に溶解する段階及び、タンニンを水、低級アルコール及びこれらの混合物に溶解する段階を含む。前記検討した本発明の組成物であるタンニンとポリエチレングリコールをそれぞれ水、低級アルコール及びこれらの混合溶媒に溶解してこれらを混合が容易な状態にする過程であり、前記過程はそれぞれ独立した段階である。さらに、溶解物製造の際、pH調節のための緩衝液を使用することができる。(実施例1参考)
(c)段階は前記(a)及び(b)で得られたそれぞれの溶解物を混合して接着剤組成物が形成されるようにする段階である。
本段階は本発明の前記タンニン及びポリエチレングリコールの溶解物を混合して接着剤組成物が形成されるようにする段階で、混合順は記載された順序に制限されず、混合体積比は前記検討したのと同一である。
(d)段階は前記(c)段階の接着剤組成物を収得する段階である。
本発明の混合物は混合の際、追加的な反応を起こさず別の過程なく前記混合物から接着剤組成物を収得することができ、前記の通り図1の褐色物質が本発明の接着剤組成物に該当する。
さらに、本発明は前記方法により製造された接着剤組成物に関するものである。本発明の接着剤組成物はこれに限定はされないが、前記製造方法により製造できる。
一方、本発明は
(a)(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む接着剤組成物を表面に接着しようとする表面の一面又は両面に塗布する段階;及び
(b)前記表面を互いに接触させる段階;
を含むことを特徴とする二つ又はそれ以上の分離された表面を接着する方法を提供する。
本発明は接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
さらに、本発明は医療用接着剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
さらに、本発明は接着性徐放型薬剤伝達体の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
本発明の接着性徐放型薬剤伝達体に含まれ得る薬剤はこれに限定はされないが、化合物、蛋白質、核酸、又はこれらの混合物でもある。薬剤は例えば、プロゲストロン(progesterone)、ハローペリドール(haloperidol)、チオテキセン(thiothixene)、オランザピン(olanzapine)、クロザピン(clozapine)、ブロムペリドール(bromperidol)、ピモジド(pimozide)、リスペリドン(risperidone)、ジプラシドン(ziprasidone)、ジアゼプマ(diazepma)、エチルロフラゼペート(ethyl loflazepate)、アルプラゾラム(alprazolam)、ネモナプライド(nemonapride)、フルオキセチン(fluoxetine)、セルトラリン(sertraline)、ベノラファキシン(venalafaxine)、ドネペジル(donepezil)、タクリン(tacrine)、ガランタミン(galantamine)、リバスチグミン(rivastigmine)、セレギリン(selegiline)、ロピニロール(ropinirole)、ペルゴライド(pergolide)、トリヘキシフェニジル(trihexyphenidyl)、ブロモクリプチン(bromocriptine)、ベンズ、トロピン(benztropine)、コルヒチン(colchicine)、ノルダーゼパム(nordazepam)、エチゾラム(etizolam)、ブロマゼパム(bromazepam)、クロチアゼパム(clotiazepam)、メキサゾルム(mexazolum)、ブスピロン(buspirone)、ゴセレリンアセテート(goserelin acetate)、ソマトトロピン(somatotropin)、ルプロライドアセテート(ieuprolide acetate)、オクトレオチド(octreotide)、セトロレリキス(cetrorelix)、サンドスタチンアセテート(sandostatine acetate)、ゴナドトロピン(gonadotropin)、フルコナゾール(fluconazole)、イトラコナゾール(itraconazole)、ミゾリビン(mizoribine)、シクロスポリン(cyclosporin)、タクロリムス(tacrolimus)、ナロキソン(naloxone)、ナルトレキソン(naltrexone)、クラドリビン(cladribine)、クロラムブシル(chlorambucil)、トレチノイン(tretinoin)、カルムシチン(carmusitine)、アナグレライド(anagrelide)、ドキソルビシン(doxorubicin)、アナストロゾール(anastrozole)、イダルビシン(idarubicin)、シスプラチン(cisplatin)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ドセタキセール(docetaxel)、パクリタキセール(paclitaxel)、ラルチトレキシド(raltitrexed)、エピルビシン(epirubicin)、レトロゾール(letrozole)、メフロクイン(mefloquine)、プリマクイン(primaquine)、オキシブチニン(oxybutynin)、トルトレロジン(toltrerodine)、アリルエストレノール(allylestrenol)、ロボスタチン(lovostatin)、シンバスタチン(simvastatin)、プロバスタチン(provastatin)、アトロバスタチン(atrovastatin)、アレンドロナート(alendronate)、サルカトニン(salcatonin)、ラロキシフェン(raloxifene)、オキサドローロン(oxadrolone)、コンジュゲーチドエストロゲン(conjugated estrogen)、エストラジオール(estradiol)、エストラジオールバレラート(estradiol vaierate)、エストラジオールベンゾエート(estradiol benzoate)、エチニルエストラジオール(ethinylesestradiol)、エトノゲストレル(etonogestrel)、レボノルゲストレール(levonoretonogestrel)、チボローン(tibolone)、ノルエチステロン(norethisterone)でもあり得る。
薬剤のさらに他の例を挙げれば、インターロイキン(interleukin)、インターフェロン(interferon)、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)、インスリン(insulin)、グルカゴーン(glucagon)、成長ホルモン(growth hormone)、生殖腺刺激ホルモン(gonadotropin)、オキシトシン(子宮収縮ホルモン、oxytocin)、甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone)、副甲状腺刺激ホルモン(parathyroid hormone)、カルシトーニン(calcitonin)、コロニ促進因子(colony stimulation factor)、エリスロポイエチン(erythropoietin)、トロンボポエチン(thrombopoietin)、インスリン状成長因子(insulin-line growth factor)、上皮細胞成長因子(epidermal growth factor)、血小板由来成長因子platelet-derived growth factor)、形質転換成長因子(transforming growth factor)、繊維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor)、血管内皮細胞成長因子(vascular endothelial growth factor)、骨形成蛋白質(bone morphogenetic protein)、でもあり得る。
さらに、本発明は医療用癒着防止剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
さらに、本発明は表面吸着防止剤の製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
さらに、本発明は医療用止血剤製造のための(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む組成物の用途を提供する。
[有利な効果]
以上説明した通り、本発明はタンニン、ポリエチレングリコール及び水を含む接着剤組成物に関するもので、毒性が殆どなく、既存のタンニン接着剤とは異なり、熱硬化性硬化剤無しでも接着が可能で、水に容易に溶けず、水分抵抗性を有するので、医療用接着剤、徐放型薬剤伝達体、癒着防止剤、並びに細胞、並びに蛋白質吸着剤防止剤として使用が可能なタンニン系接着剤を提供する。
図1はタンニン、PEG及び水を混合して製造した接着剤の一例を示したものである。 図2は本発明の接着剤の接着力を測定するための実験方法を示したものである。 図3は前記図2の接着力測定のための機器を示したものである。 図4はタンニン、水及び線型ポリエチレングリコールを含む接着剤の接着力を試験した結果を示したものである。 図5はタンニン、多分枝型ポリエチレングリコール及び水、又は低級アルコールであるメタノール及びエタノールを含む接着剤の接着力を試験した結果を豚印ボンド(市販ボンド)及び文具用接着剤と比べた結果を示したものである。 図6は接着回数増加の際、4-arm-PEG-OH(10kDa)及び4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤の接着力を示したものである。 図7は4-arm-PEG-OH(10kDa)接着剤に蒸留水を塗布した後、接着力により水分抵抗性を測定した結果を示したものである。 図8は4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤に蒸留水を塗布した後、接着力により水分抵抗性を測定した結果を示したものである。 図9は本発明接着剤の生分解能力を測定したもので、pHによるタンニンの放出量を測定した結果を示したものである。 図10は本発明の接着剤を利用して製造した徐放型薬剤伝達体の薬剤伝達能力を測定したもので、薬剤伝達体により伝達される蛋白質の濃度別放出速度を測定した結果を示したものである。 図11は4-arm-PEG-OH(10kDa)とFITC-BSAを混合した時、接着力の変化を測定した結果を示したものである。 図12は4-arm-PEG-OH(10kDa)とFITC-BSAを混合した時、接着回数に伴う接着力の変化を示したものである。 図13は4-arm-PEG-AM(10kDa)とFITC-BSAを混合した時、接着力の変化を測定した結果を示したものである。 図14は4-arm-PEG-OH(10kDa)とFITC-BSAを混合した時、接着回数に伴う接着力の変化を示したものである。 図15は表面を改質していない金表面と本発明の接着剤で表面改質した金表面に残っている細胞数を蛍光顕微鏡で観察した結果を示したものである。 図16は4-arm-PEG-AM(10kDa)及び4-arm-PEG-OH(10kDa)を使用して製造した接着剤を(1)室温(2)60℃及び(3)60℃で1時間放置後製造した接着剤で表面改質した金表面に残っている細胞の数をそれぞれ示したものである。 図17はPEG(4.6kDa)を使用して製造された接着剤の時間に伴う分解程度を写真で示したものである。 図18はPEG(4.6kDa)を使用して製造された接着剤の分解実験結果を重量測定を通じて確認した結果を示したものである。 図19は陰性対照群(未処理)、陽性対照群(ピブリングルーBeriplast P combi-set)、本発明のPEG(4.6k, ピロガロール(pyrogallol):水酸基=30:1)接着剤の止血効果を30秒間隔で2分間の出血量を測定して示したものである。 図20は陰性対照群、陽性対照群(ピブリングルーBeriplast P combi-set)、本発明のPEG(4.6k,ピロガロール(pyrogallol):水酸基=30:1)接着剤の止血効果を2分間の出血量の総量で示したものである。 図21は本発明のPEG(4.6k,ピロガロール(pyrogallol):水酸基=10:1)接着剤をISO 10993-10:2002/Amd.1:2006(E)、Maximization test for delayed hypersensitivity試験に準じて雄性ウサギに適用して24時間後に適用部位を観察したものである。 図22は本発明のPEG(4.6k,ピロガロール(pyrogallol):水酸基=10:1)接着剤をISO 10993-10:2002/Amd.1:2006(E)、Maximization test for delayed hypersensitivity試験に準じて雄性ウサギに適用して72時間後に適用部位を観察したものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
ただし、下記実施例は本発明を例示するのみであり、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
タンニン、ポリエチレングリコール及び水を含む接着剤の製造
タンニン(タンニン酸、化学式1)を1x PBS(Phosphate-buffered saline)バッファー(pH 8.5)に1g/mLの濃度で溶かした。末端に前記表1及び表2に記載された-OH,-NH2(アミン基、AM)、-SS(スクシニミジルスクシナート)、-SH(チオール基)の作用基を有する線型又は多分枝型(multi-branched)PEG(polyethylene glycol)をそれぞれ1x PBSバッファー(pH 8.5)に1g/mLの濃度で溶かした。
ピロガロール:作用基=25:1のモル比になるように、前記タンニンとPEG、mPEG-SH、mPEG-AM、mPEG-SS、PEG-AM、4-arm-PEG-AM、4-arm-PEG-SS及び 6-arm-PEG-AMを下記表1の通り混合した。10分ほど放置すれば下層は褐色接着剤、上層は透明な液体に分離されるが、上層の部分の透明な液体は捨てて下層の褐色接着剤を使用した。分離された下層の褐色接着剤を分離したものを図1に示した。
さらに、前記と同一の方法で低級アルコールであるエタノール及びメタノールを利用して本発明の接着剤組成物を製造した。タンニン(タンニン酸、化学式1)をエタノール及びメタノールに1g/mLの濃度で溶かした。4-arm-PEG-OHをエタノール及びメタノールに1g/mLに溶かして、4-arm-PEG-AMをメタノール1g/mLの濃度で溶かした。これを前記水に溶解したタンニン及びPEGのピロガロール:作用基の比率と同一になるようにタンニン及びPEGを混合した。低級アルコールを使用した接着剤も前記と同一の方法で製造した。
[実施例2]
接着力の測定
バイオプシーパンチ(Biopsy punch,Miltex REF 33-36)を利用して豚の皮膚組織を径が6mmになるように切った。二つの豚の皮膚組織の間に前記実施例1で製造した接着剤をそれぞれ約3g程度を均等に塗布して、裏面には瞬間接着剤を塗り接着力測定のために考案した装置の二本の棒に豚の皮を貼り付けた。満能試験機(Universal Testing Machine、INSTRON 5583)を利用して試料に20Nの力を1分間加えて、1mm/minの速度で引張力を加えて接着力を測定した。それぞれ異なるPEGを利用して作った接着剤を連続して3回以上、3個のサンプルを測定して平均接着力と最大接着力を測定した。
その結果、図4及び図5に示した通り、溶媒が水の場合、4-arm-PEG-AM(10kDa)と4-arm-PEG-SS(10kDa)の接着力が0.033MPaと最も良好でm-PEG-AM(5kDa)とm-PEG-SH(5kDa)は接着力が0.010乃至0.011MPaで最も良好であった。さらに、溶媒がアルコールの場合には、溶媒が水の場合より接着力がより強くなるのが見られるが、メタノールとエタノールに溶けた4-arm-PEG-OHは0.035MPaと最も大きく、メタノールに溶かした4-arm-PEG-AMは0.032MPaとほぼ似ていた。
さらに、商用化された接着剤と接着力を比べるために、文具用接着剤と豚印ボンドと本発明の接着剤の接着力を比較測定した。
その結果、図4及び図5に示した通り、m-PEG-AM(5kDa)とm-PEG-SH(5kDa)は文具用接着剤より接着力が弱く、この二つの接着剤を除いたPEG(2kDa,4.6kDa)、m-PEG-SS(5kDa)、PEG-AM(2kDa)、4-arm-PEG-OH(10kDa)、4-arm-PEG-OH(10kDa)in MeOH,4-arm-PEG-OH(10kDa)in EtOH,4-arm-PEG-AM(10kDa)、4-arm-PEG-AM(10kDa)in MeOH,4-arm-PEG-SS(10kDa),6-arm-PEG-AM(15kDa)は文具用接着剤より強く、豚印ボンドより弱い接着力を示した。
[実施例3]
接着試験回数に伴う接着力の変化と持続時間測定
前記実施例1と同一の方法で4-arm-PEG-OH(10kDa)及び4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤を製造した。前記実施例2と同一の方法で径6mmの豚の皮膚組織に前記で製造した接着剤をそれぞれ3g程を均一に塗布して、接着力測定のために考案した装置の二つの棒に瞬間接着剤を利用して豚の皮膚を貼り付けた。満能試験機を利用して試料に20Nの力を1分間加えて、10mm/minの速度で引張力を加えて接着力を測定した後、この過程を繰返して回数に伴う接着力の変化を測定した。4-arm-PEG-OH(10kDa)は一つの試料を5時間かけて連続して82回測定し、4-arm-PEG-AM(10kDa)は一つの試料を6時間かけて連続して 109回測定した。これは制限された実験環境のため、実験者が任意に時間と回数を決めたものである。
その結果、図6に示した通り、4-arm-PEG-OH(10kDa)及び4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤はいずれも接着回数が増加するにつれて接着力が増加することを確認した。さらに、複数回接着しても、5〜6時間接着力が持続することを確認することができた。これは接着力が1回性か、又は複数回接着する場合に接着力が弱まる傾向を示す既存の商用化された接着剤とは異なり、本発明の接着剤は複数回接着しても接着力が維持される特性を示しすものである。4-arm-PEG-OH(10kDa)及び4-arm-PEG-AM(10kDa)の接着力を相互比較した結果、初期接着力は4-arm-PEG-OH(10kDa)が、4-arm-PEG-AM(10kDa)に比べて強かったが、ほぼ接着回数80〜90回間の後半部測定では、4-arm-PEG-AM(10kDa)の接着力がより強くなることを確認することができた。
[実施例4]
接着剤の水分抵抗性測定
前記実施例1と同一の方法で4-arm-PEG-OH(10kDa)及び4-arm-PEG-AM(10kDa)の接着剤を製造した。前記実施例2と同一の方法で径6mmの豚の皮膚組織に前記製造の接着剤をそれぞれ3g程均一に塗布して、接着力測定のために考案した装置の二つの棒に瞬間接着剤を利用して豚の皮膚を貼り付けた。満能試験機(Universal Testing Machine、INSTRON 5583)を利用して試料に20Nの力を1分間加えて、10mm/minの速度で引張力を加えて接着力を1回測定した。2回目から11回までは毎回接着剤に蒸留水20μlを塗布して1回目と同じ条件で試料に20Nの力を1分間加えて、10mm/minの速度で引張力を加え接着力を測定した。12回目では、強力ほこり除去剤(Nabakem,DR747)を利用して残っている蒸留水を除去した後、以前の実験と同一の条件で試料に20Nの力を1分間加えて、10mm/minの速度で引張力を加えて接着力を21回まで測定した。
その結果、図7に示した通り、4-arm-PEG-OH(10kDa)の場合、蒸留水20μlを塗布して接着力を測定したとき、蒸留水を塗布しない場合に比べて多少接着力が減少したが、約0.012MPa程度の接着力を維持することが示された。接着12回目からは接着剤表面に付着している蒸留水を除去して、再び連続して接着力を測定したが、蒸留水を除去すると直ちに接着力が再び増加するのが見られた。
さらに、図8に示した通り、4-arm-PEG-AM(10kDa)の場合、蒸留水20μlを塗布して接着力を測定したとき、蒸留水を塗布しない場合に比べてかえって接着力が強かったが、これは元々1回目で測定した接着力が蒸留水を塗布しない試料に比べて強かったためと考えられる。しかし、蒸留水を塗布した試料のグラフを全体的に観察したとき、蒸留水20μlを塗布したにも拘らず、接着力が増加するのが見られた。接着12回目で蒸留水を除去して接着力を測定した時にも、接着力が大きく増加するなどの変化を示さないことから4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤は水が接着力に大きな影響を及ぼさないものと思われる。
前記結果を鑑みると、本発明は水による抵抗性があって、これは既存の商用化された接着剤と差別化された特性である。
[実施例5]
分解時間測定
1cm×1cmの面積に前記実施例1で製造した4-arm-PEG-AM(10kDa)接着剤をそれぞれ約10mgほど均一に塗布する方法で金表面を表面改質した。表面改質された表面をそれぞれ1mlの1xPBS pH2,pH7.4及びpH10の溶液にそれぞれ入れた後、時間経過に伴い表面から放出されるタンニンの量を測定した。
その結果、図9に示した通り、本発明の接着剤はpH条件によって異なる分解性を示したが、pH2では表面が初期にのみ早く分解され、以降徐々に分解される様子を示した。さらに、pH7.4では相対的に安定的な表面接着を維持しながら長時間にわたって分解され、時間に比例してタンニンが放出された。pH10の高いpH条件では序盤にのみ表面よりタンニンが放出され、20時間以降ではタンニンが殆ど放出されなかった。従って、本発明の接着剤に疾病治療用蛋白質薬剤を入れて表面に接着すれば表面が分解されるに従い薬剤が徐々に放出される徐放型製剤として使用することができる。
[実施例6]
薬剤伝達能力測定
前記実施例5の結果から、接着剤に疾病治療用蛋白質薬剤を入れて表面に接着すれば、表面が分解されるに従い薬剤が徐々に放出される徐放型製剤に使用することができる。本発明では蛋白質形態の治療剤のモデルとして、牛血清アルブミンを実施例1の接着剤に含まれたタンニンの濃度にそれぞれ、
(1)1/600(FITC-BSA 50μl条件);及び
(2)1/300(FITC-BSA 100μl条件)
の比率で混合して前記実施例5と同一の方法で表面に接着した後で、表面から放出される蛋白質の量を測定した。放出される蛋白質の量は蛍光物質であるFITCが付いたBSAを購入して使用し、480nm波長の光を与えた時、(Exitantion)に放出される蛍光の量を定量した。
その結果、図10に示した通り、4-arm-PEG-AM(10kDa)と4-arm-PEG-OH(10kDa)を使用した接着剤全て、タンニンの濃度に1/300倍に相当する蛋白質を入れた場合には、約20時間内に大部分の蛋白質が表面から抜け出し、タンニンの濃度に1/600倍に相当する蛋白質を入れた場合には、4-arm-PEG-AM(10kDa)を使用した接着剤から約40時間以上、時間に殆ど比例した濃度で継続して放出された。4-arm-PEG-OH(10kDa)を使用した接着剤の場合には、4-arm-PEG-AM(10kDa)を使用した時とは異なり、1/600倍の蛋白質条件で70時間以上の長時間かけて徐々に時間に比例する濃度で放出されて、放出速度は時間当り約0.15nmol FITC-BSAであった。本発明の接着剤により製造された薬剤の場合、時間に比例して蛋白質が放出されたことを確認し、これより一定した速度で体内で薬剤を放出する薬剤伝達体として使用し得る可能性があることを確認した。
[実施例7]
薬剤伝達機能を伴う接着剤の接着力測定
前記実施例7で接着剤の薬剤伝達可能性を確認するための実験を行った。前記実施例1で製造した接着剤に蛋白質が混合された時、接着力にはどんな変化が起こるかを確認するためにこの実験を行った。まず、下記表2に記載された容量で試薬を混合した。試薬を混合する順序は下記の通りである。まず、体積4-arm-PEG溶液30μl にFITC溶液の量を異ならせて混合し、1xPBSバッファー(pH7.4)で総体積を一定に合わせた。この溶液にタンニン溶液50μlを入れて混合し接着剤を製造した。このように製造した接着剤につき前記実施例2と同一の方式で接着力を測定した。ただし、満能試験機の速度を10mm/minにして一つの試料当り接着回数は15回として測定した。
その結果、図11及び図12に示した通り、4-arm-PEG-OH(10kDa)はFITC-BSAの量による接着力の傾向性は現れなかったが、FITC-BSAを入れない接着剤に比べてFITC-BSAを入れた接着剤の接着力がより強かった。さらに、図13及び図14に示した通り、4-arm-PEG-AM(10kDa)もFITC-BSAを入れた場合が接着力が優れて、4-arm-PEG-OHと類似した結果を示すことが分かった。さらに、実際FITC-BSAが添加された接着剤を製造する時、接着剤にFITC-BSAの量が多くなる程粘性が強く、ガム(gum)のような形態を帯びることを観察することができた。
[実施例8]
細胞及び蛋白質の表面癒着防止能力測定
1cm×1cmの面積に前記実施例1で製造した接着剤を前記実施例1と同様にそれぞれ約10mg程度を均一に塗布する方法で金表面を改質した。4-arm-PEG-AM(10kDa)及び4-arm-PEG-OH(10kDa)、2種のPEGを使用してそれぞれ、
(1)室温で製造した接着剤
(2)PEGを60℃温度に上げてタンニンと混合して製造した接着剤
(3)PEGとタンニンを室温で混合して製造して60℃で1時間放置した接着剤
のそれぞれの接着剤で表面改質された金表面は、細胞培養液(DMEM containing 10% FBS)に1時間入れ、さらに、取出して再びこれをNIH3T3細胞が入っている細胞培養液に入れて、12時間培養した。表面に付いている細胞の核を蛍光染色して(DAPI)蛍光顕微鏡で観察した。さらに、前記三つの条件で製造した接着剤の癒着防止能力をそれぞれ測定した。
その結果、図15に示した通り、表面改質しないものの中では細胞が表面に付着しているのを観察することができたものの、癒着防止用表面改質した表面では表面改質していない表面に比べて顕著に少ない細胞だけが表面に付着していた。
さらに、より具体的な結果として図16に示した通り、4-arm-PEG-AM(10kDa)で製造された接着剤を通じて表面改質したものにおいて細胞の癒着率が顕著に低く、表面改質されていない表面と細胞の癒着率を比べて見るに、(条件1)で16.5%(条件2)で9.78%ほど細胞が付着し、特に、4-arm-PEG-AM(10kDa)を使用して製造した接着剤を60℃に1時間放置し、表面改質したもの(条件3)では表面改質されていない表面の2.57%に相当する細胞だけが表面に付着していて、癒着防止能力が最も優れていることが示された。4-arm-PEG-OH(10kDa)の場合には、(条件1)で表面改質をしていない表面の8.68%、(条件2)で11.99%、(条件3)で6.84%ほどの細胞が癒着され、温度条件と接着剤製造順序等の条件によっては、細胞癒着防止能力に大きな差は示されなかった。
[実施例9]
分解時間測定
本発明の接着剤組成物の自然分解能を確認するために、過量の水溶液状でヒトの体温と似た温度の時の分解能を接着剤組成物の重量を測定する方法で確認した。
このために、前記実施例1と同一の方法でPEG(4.6k)接着剤をピロガロール作用基のモル比がそれぞれ10:1、30:1になるように接着剤組成物を製造した。
分解時間を測定するために、マイクロチューブ(1.5ml)の蓋を切断して円柱状の容器を得て、この容器を強力接着剤を利用してペトリ皿に付着させ重量測定のための装置を製作した。まず、このように製作した装置の重量を測定して、予め製造したPEG(4.6k)10:1、30:1接着剤をマイクロチューブ容器に各50mgずつ入れた。PEG(4.6k)接着剤が入れてあるマイクロチューブ容器が全部漬かるように、1×PBSバッファー(pH7.4)を35mlずつ入れた。この装置をインキュベーターに入れて37℃、50rpmの条件で一定時間放置した。一定の時間が経過後にこの装置を取出して、1×PBSバッファーを捨てて、窒素ブローイング等を利用して水気を完全に除去し重量を測定した。
その結果、図17に示した通り、10:1、30:1のモル比で製造された接着剤組成物全てが時間の経過に伴い自然的に分解されることを確認できた。量においても接着剤が減少することを目視で確認が可能で、初期には黄色であった接着剤が時間が経つにつれて褐色に変わることを確認できた。さらに、重量を測定した時、初期には重量が増加したが(水を吸収するものと判断される)、PEG(4.6k)10:1接着剤は4時間以降、PEG(4.6k)30:1接着剤は11時間以降から漸次減少することを確認できた。
従って、本発明の接着剤は水分抵抗力があるものの、長時間生体に存在する場合、分解可能なものと思われる。
[実施例10]
接着剤の止血能力測定
止血能力測定のための実験方法は論文(Y.Murakami et al.,Colloids and Surface B: Biointerfaces 65(2008)186-189)を参考にした。これを具体的に説明すれば下記の通りである:
本実験ではICRマウス(7〜8週令、雄性)を使用した。出血量を測定するために血液を吸収させるフィルターペーパーは一定の大きさに切って予め重さを計って記録した。腸液又は血液がフィルターペーパーに染込まないようにするためのパラフィルムは、フィルターペーパーより大きめに切っておいた。30秒おきに2分間出血量を測定するために、予め重さを測定したフィルターペーパー、パラフィルム、フィルターペーパー、パラフィルムの順に各4枚を交互に積重ねて準備し、スチロール固定板に麻酔したマウスを固定し、マウスの腹部を切開した。マウスが固定されたスチロール固定板を45°傾けて、マウスの肝臓に付いている腸液を拭取り、予め用意したフィルターペーパー、パラフィルム等を肝臓の下に敷いて、19G注射針で肝臓の中心部を斜めに刺した。30秒おきにフィルターペーパーを取換えながら、2分間出血する血液をフィルターペーパーに吸収させてその重さを測定して出血量を定量した。
実験群は前記実施例1と同一の方法でPEG(4.6k)接着剤をピロガロール作用基=30:1に製造して、マウスの肝臓に19G注射針を刺し、0.1mlを塗布した。陰性対照群の場合、なにも塗布していない陽性対照群は、ピブリングルー(Beriplast P Combi set,製造社:CSL Behring,Germany)を使用して塗布した。この際、ピブリングルーは血液と共にフィルターペーパーに流れ出したが、別にマウスの肝臓に傷を付けずに同一の方法でピブリングルーを塗布してフィルターペーパーに吸収された重さを陽性対照群の測定量から除外した。
その結果、図19及び図20に示した通り、本発明のPEG(4.6k)接着剤が優れた止血効果を示した。
図19に示した通り、初期の30秒間の出血量を調べると、本発明のPEG(4.6k)接着剤は約20mgの出血量を示し、これは陰性対照群210mgよりははるかに低い出血量である。陽性対照群のピブリングルーの出血量が約130mgであるが、本発明のPEG(4.6k)接着剤が既に商用化された止血剤であるピブリングルーよりも優れた止血効果を示したことを確認した。 図20に示した通り、2分間の出血の総量を調べて見ると、何の措置も取らない陰性対照群は277mg、陽性対照群であるピブリングルーは168mg、本PEG(4.6k)接着剤は42mgの出血量を示した。陰性対照群出血量の1/7、ピブリングルー出血量に比べて1/4程の出血量を示したことにより優れた止血効果があることを示した。
[実施例11]
本発明の接着剤の皮膚感作性試験
本発明の接着剤の皮膚感作性試験は韓国化学融合試験研究院により行った。接着剤の皮膚感作性を評価するために、Hartley系ギニピックに対してISO 10993-10:2002/Amd.1:2006(E)、Maximization test for delayed hypersensitivityに準じて行った。接着剤4g当たり20mlの比率で温度37℃で72時間滅菌生理食塩水と綿実油で溶出させた溶出物を皮下に注射して1次感作誘導後、経皮適用で2次感作誘導を行った。滅菌生理食塩水と綿実油のみを利用して同じ条件下で反応させ、陰性対照群物質に使用した。感作を引起こすための溶出物露出終了後、24時間と48時間に引起こした部位の皮膚を評価した。試験に伴う試験群及び投与量は下記表3の通りである。
全ての措置動物において、如何なる臨床症状や瀕死及び斃死動物は観察されなかった。体重測定結果、試験群と陰性対照群全てにおいて正常的な体重増加が観察された。全ての観察時間に試験物質措置部位と対照部位に紅斑、痂皮形成及び浮腫等のいかなる刺激性も観察されなかった。
以上の結果から、Hsrtley系ギニピックにおいて、本発明の接着剤は皮膚感作性が極めて弱い物質であると評価された。これは本発明の接着剤の構成成分がタンニン、PEG及び水又は低級アルコール基であるためと判断される。
[実施例12]
本発明の接着剤の皮膚刺激試験
本発明の接着剤の皮膚刺激試験は、韓国化学融合試験研究院により行った。接着剤の皮膚刺激性(刺激誘発潜在性)を評価するために、New Zealand White系雄性ウサギに対してISO 10993-10 Animal skin irritationtestに準じて行った。接着剤4g当り20mlの比率で、温度37℃で72時間滅菌生理食塩水と綿実油で溶出させた溶出液2.5cm×2.5cmの大きさに0.5mlずつ4時間かけて塗布適用後、72時間での斃死率、一般症状及び体重変化と局所刺激性を評価した。
試験期間中一般症状を観察した結果、特異的な臨床症状及び斃死動物は観察されなかった。動物導入の際、溶出液適用直前、適用後24時間及び72時間たって、個別に体重を測定した結果、正常的な体重増加を示した。試験物質適用後1,24,48,及び72時間目に適用部位を観察した結果、適用部位から紅斑、痂皮及び浮腫等のいかなる皮膚反応も観察されず、一次皮膚刺激指数(P.I.I, Primary Irritation Index)は“0,0”に評価された。
以上の結果からNew Zealand White系雄性ウサギに対して、接着剤の皮膚適用は紅斑、痂皮及び浮腫等を誘発せず、本試験物質の皮膚刺激性は非刺激性であると評価された。
本発明はタンニン、ポリエチレングリコール及び水を含む接着剤組成物に関するものである。本発明の接着剤は毒性が殆どなく、既存のタンニン接着剤とは異なり、熱硬化性硬化剤がなくても接着が可能で、水によく溶けず、水分抵抗性を有することにより、医療用接着剤、徐放型薬剤伝達体、癒着防止剤、細胞及び蛋白質吸着防止剤、並びに医療用止血剤に使用が可能である。

Claims (11)

  1. (i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含み、前記ポリエチレングリコールは、重量平均分子量1,000〜100,000であることを特徴とする医療用接着剤。
  2. 前記タンニンは、重量平均分子量500〜10,000であることを特徴とする請求項1記載の医療用接着剤。
  3. 前記ポリエチレングリコールは、水酸化基(OH)、アミン基(NH2)、スクシニミジルスクシネート(Succinimidyl succinate)、コハク酸(Succinic acid)、チオール基(SH)、アクリレート(Acrylate)、エポキシ基(Epoxide)、マレーイミド(Maleimide)、ニトロフェニールカーボネート(Nitrophenyl carbpnate)、ピリジルジスルフィド(orthopyridyl disuifide)、トシレート基(Tosylate)、アジド(Azire)、リン酸基、オリゴアミン基 ([- CH2 -CH2 -NH-]n )、カテコール及びカテコールアミンからなる群より選ばれた作用基を含むことを特徴とする請求項1記載の医療用接着剤。
  4. 請求項1の医療用接着剤を含む接着性徐放型薬剤伝達体。
  5. 前記徐放型薬剤伝達体は難溶性薬剤、治療用ペプチド、蛋白質又は抗体を含むことを特徴とする請求項4記載の接着性徐放型薬剤伝達体。
  6. 請求項1の医療用接着剤を含む医療用癒着防止剤。
  7. 請求項1の医療用接着剤を含む表面吸着防止剤。
  8. 請求項1の医療用接着剤を含む医療用止血剤。
  9. (a)タンニン、ポリエチレングリコール及び水、低級アルコール又はこれらの混合物を混合する段階;及び
    (b)前記(a)段階で混合され形成された医療用接着剤を収得する段階を含み、前記ポリエチレングリコールは、重量平均分子量1,000〜100,000である医療用接着剤の製造方法。
  10. (a)ポリエチレングリコールを水、低級アルコール又はこれらの混合溶媒に溶解する段階;
    (b)タンニンを水、低級アルコール又はこれらの混合溶媒に溶解する段階;
    (c)前記(a)段階及び(b)段階で得られたそれぞれの溶解物を混合して医療用接着剤が形成されるようにする段階;及び
    (d)前記(c)段階で得られた医療用接着剤を収得する段階を含み、前記ポリエチレングリコールは、重量平均分子量1,000〜100,000である医療用接着剤の製造方法。
  11. (a)(i)タンニン、(ii)ポリエチレングリコール、及び(iii)水、低級アルコール又はこれらの混合物を含む医療用接着剤を、接着しようとする表面の一面又は両面に塗布する段階;及び
    (b)前記表面を互いに接着させる段階;
    を含み、前記ポリエチレングリコールは、重量平均分子量1,000〜100,000であることを特徴とする一つ、二つ又はそれ以上の分離された表面を接着する方法。
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