JP6005397B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザー施術後のシミ再発抑制用皮膚外用剤及びそれを用いた美容方法(医療行為を除く)に関する。
近年の医療技術の進歩や各種メディアやインターネットなどによる情報提供などにより、美容目的での医療施術、いわゆる美容医療に対する関心が高まっている。そうした中で老人性色素斑に代表されるシミの除去を目的に来院する患者の数も多くなってきている。
施術による色素斑の除去方法のうち、特にメラニンが表皮内に増加している病変においてはレーザーを用いる方法が代表的で、その光源や照射方法については多くの報告がなされている(非特許文献1)。その原理は、メラニンの吸収波長域の光を発するQスイッチ付きルビーレーザーなどのレーザーを用いて過剰産生したメラニンを含む病変部のみを破壊し、痂皮形成を経て上皮化させるというものである。術後に一過性の炎症性色素沈着を認めるものの、数ヶ月で消失することから、術後生じる痂皮が取れるまでの約2週間程度は抗炎症外用剤を使用し、その後は数ヶ月におよぶ美白剤の使用が一般的であるが、美白剤としては5%程度のハイドロキノンを配合した製剤を処方することが知られている。(特許文献1等)。
しかしながら、ハイドロキノンは高い美白効果を有する反面、刺激感などを伴うとする報告があり、製剤中での保存安定性が悪いため、処方製剤は冷暗所に保管する必要がある。
そのため、レーザー施術後に使用する皮膚外用剤であって、刺激感がなく、ハイドロキノンより安全性および安定性に優れ、かつ効果が同等あるいはそれ以上である皮膚外用剤の開発が望まれていた。
他方、従来、皮膚の色黒、シミ、ソバカスの防止などの美容効果を得る目的で美白化粧料が広く用いられており、このような美白化粧料には美白薬剤として、コウジ酸、アスコルビン酸、グルタチオン、コロイドイオウ等が配合されている。その内、コウジ酸又はその誘導体については、特許文献2〜7、非特許文献1等に記載されており、コウジ酸がメラニン生成抑制作用と色素沈着症に効果があることは知られているが、レーザー施術後、シミの再発抑制に効果があることは知られていなかった。
特開2008−11994号公報 特公昭56−18569号公報 特公昭61−18569号公報 特公昭61−60801号公報 特公昭62−3820号公報等 特開平05−213730号公報 特許2844104号
JJSLSM 2007; vol.27 (4):315-326
本発明の課題は、シミの除去のために行うレーザー施術後に使用する皮膚外用剤であって、刺激感がなく、ハイドロキノンより安全性および安定性に優れ、かつ効果が同等あるいはそれ以上である皮膚外用剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、コウジ酸、その誘導体又はそれらの塩を使用すれば、刺激感がなく、ハイドロキノンより安全性および安定性に優れ、かつハイドロキノンと同等あるいはそれ以上にシミの再発を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有するレーザー施術後のシミ再発抑制用皮膚外用剤、及び、
(2)コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を0.02〜5質量%含有することを特徴とする上記(1)に記載のレーザー施術後のシミ再発抑制用皮膚外用剤に関する。
また、本発明は、
(3)レーザー施術直後に、コウジ酸及びその誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を皮膚に塗布することを特徴とする、レーザー施術後のシミ再発抑制のための美容方法(医療行為を除く)に関する。
レーザー施術後に、本発明のコウジ酸、その誘導体又はそれらの塩を含有する皮膚外用剤を施術部位に塗布することにより、副作用が起こらず、ハイドロキノンと同等あるいはそれ以上にシミの再発を抑制することができる。
症例1の写真及びダーモスコピー像を示す図である。 症例4の写真及びダーモスコピー像を示す図である。
本発明において、「レーザー施術後」とは、皮膚のシミ発生部位にレーザー施術を行った直後又は痂皮が取れた直後以降を言う。
本発明における「シミ」にはメラニンの過剰産生に起因する局所的な皮膚色の不均一な部分だけでなく、老人性色素班、日光黒子、肝斑のほか、雀卵斑も包含する。
以下本発明について詳述する。
(有効成分)
本発明における有効成分は、コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
コウジ酸の誘導体としては、本発明の効果を奏する限り限定はないが、好ましくは以下の式(I)で表される化合物群である。
式中、R及びRは、同一又は異なっても良く、炭素数1〜20の飽和又は不飽和の炭化水素基又は炭素数−COR(式中、Rは炭素数1〜20の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す)を示す。
上記「炭素数1〜20の飽和又は不飽和の炭化水素基」とは、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基等を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ぺンタデセニル基、エイコセニル基、トリコセニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−2−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−ぺンタデシニル基、1−エイコシニル基、1−トリコシニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、単環又は多環のアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ビシクロオクチル基、ビシクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
アリール基は、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。例えばフェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。
アリールアルキル基としては、 例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、1−フェニル−n−へキシル基、ナフタレン−1−イルメチル基、ナフタレン−2−イルエチル基、1−ナフタレン−2−イル−n−プロピル基、インデン−1−イルメチル基等が挙げられる。
コウジ酸誘導体としてエステル類が好ましく、エステル類としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸モノステアレート、コウジ酸モノシンナメート又はコウジ酸モノベンゾエート等のモノエステル;コウジ酸ジブチレート、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジステアレート又はコウジ酸ジオレエート等のジエステル等が挙げられる。
コウジ酸又はその誘導体の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
これらコウジ酸、その誘導体又はそれらの塩はいずれを用いても良いが製剤としての配合のしやすさや、べたつきのない感触などの点でコウジ酸又はその塩が好ましい。
これらコウジ酸、その誘導体又はそれらの塩は、単独又は二種以上を組合わせて用いることができ、皮膚外用剤の全体中に0.02〜5質量%、特に0.1〜2質量%配合するのが好ましい。
(配合しうるその他の成分)
本発明において、コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上以外に、公知の美白剤を併用することができる。
公知の美白剤としては、アスコルビン酸及びその塩又は誘導体、アルブチン、エラグ酸、リノール酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその塩又は誘導体、グリチルレチン酸及びその塩又は誘導体、トラネキサム酸及びその塩又は誘導体、サリチル酸及びその塩又は誘導体、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、ヌクレオチド類、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤の配合形態は特に限定されることはなく、例えば乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等、いずれの形態であってもよい。
本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属石鹸、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、防腐剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸類等を加えることができる。
(使用方法)
本発明の皮膚外用剤は、例えば以下の様にして使用することができる。
レーザーによる色素斑除去施術は、公知の方法により行うことができるが、例えば、WATERWAVE社製SINON(登録商標)等を用いて皮膚のシミのある部位にレーザー照射を行う。レーザー照射部位にヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏剤等のステロイド外用剤等を2週間ほど継続して塗布する。その際、絆創膏等を貼付してもよい。
その後、本発明の皮膚外用剤を、施術部位周辺に1日数回適量塗布する。
以下に実施例、試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例、試験例に限定されることはない。
実施例1 クリーム:
<処方> (質量%)
(1)ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(40E.O.) 2.0
(2)自己乳化型グリセリルモノステアレート 5.0
(3)ステアリン酸 5.0
(4)ベヘニルアルコール 0.5
(5)スクワラン 15.0
(6)イソオクタン酸セチル 5.0
(8)酢酸トコフェロール 0.1
(9)メチルパラベン 0.1
(10)コウジ酸ジステアレート 0.1
(11)ハマメリス抽出物 0.1
(12)キサンタンガム(2%水溶液) 7.0
(13)1,3−ブチレングリコール 5.0
(16)精製水 残量
(17)香料 適量
<製法>
A.(11)〜(16)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.(1)〜(10)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BをAに加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後、(17)を加え、均一に混合してクリームを得た。
実施例2 乳液:
<処方> (質量%)
(1)ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(10E.O.) 1.0
(2)ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエート(60E.O.) 0.5
(3)グリセリルモノステアレート 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)精製アボカド油 4.0
(7)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリン 4.0
(8)ビタミンE 0.1
(9)防腐剤 0.1
(10)コウジ酸 1.0
(11)キサンタンガム(2%水溶液) 7.0
(12)1,3−ブチレングリコール5.0
(13)精製水 残量
(14)香料 適量
<製法>
A.(10)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.(1)〜(9)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BをAに加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後、(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
実施例3 軟膏:
<処方> (質量%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)トリエタノールアミン 2.0
(4)グリセリン 5.0
(5)コウジ酸 2.0
(6)ビフィズス菌抽出物 1.0
(7)ニコチン酸 0.002
(8)カンゾウ抽出物 0.02
(9)精製水 残量
<製法>
A.(3)、(4)及び(9)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.(1)及び(2)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(9)の残部で溶解した(5)〜(8)を加え、軟膏を得た。
試験例
<試験方法>
1.対象
レーザーによる色素斑除去施術を希望した老人性色素斑患者の中から、男性2人、女性13人を被験者とした。
2.レーザーによる色素斑除去施術
レーザー照射はWATERWAVE社製SINONを用いて、照射時の出力は4Jの強度で1回照射した。レーザー照射後の被験部位にステロイド外用剤(ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏剤)を塗布して絆創膏を貼付した。ステロイド外用剤の塗布と絆創膏の貼付は、痂皮が脱落するまでの2週間継続し、その後試験品の塗布を開始した。
3.試験試料
実施例2において調製した1.0%(質量/質量)コウジ酸含有乳液を使用した。試験品は1日2回被験部位周辺に適量塗布することとした。
4.試験期間
試験期間は原則として14週としたが、一定の効果が認められ、医師の判断あるいは試験者の要望により短期間で終了した症例についても評価対象とした。
5.評価項目
レーザー照射前、レーザー照射2週後、6週後、10週後、14週後の受診日を評価日とした。また、評価日には皮膚所見、写真撮影、皮膚色測定、副作用の有無、被験者による評価を行った。
(1)皮膚所見
色素斑の濃さおよび大きさの程度を、4:「高度」、3:「中程度」、2:「軽度」、1:「軽微」、0:「なし」の5段階で医師が評価した。また、試験開始からその程度がどれくらい改善したかを全般改善度として評価した。試験開始時の皮膚所見および写真と比較したときの変化から2:「改善」、1:「やや改善」、0:「変化なし」、−1:「悪化」の4段階で評価した。
(2)写真撮影および皮膚色測定
被験部位の写真を、デジタル一眼レフカメラ(ニコンD50 AF MICRO NIKKOR 60mm 1:2.8D)とダーモスコピー(デルタ20ダーマトスコープ テルモ・クリニカルサプライ株式会社)にて撮影した。また、被験部位の明度値(L値)を分光測色計(CM-508d:コニカミノルタセンシング製)にて測定した。
(3)被験者の評価
試験終了時に、被験者による自己評価を行い、2:「非常に満足」、1:「やや満足」、0:「どちらともいえない」、−1:「やや不満」、−2:「非常に不満」の5段階で回答してもらった。
(4)副作用
試験期間中、試験試料に起因すると推察される副作用が認められた場合は、直ちに使用を中止するとともにその詳細を記録し、可能な限りその原因を解明することとした。
(5)有用性評価
試験終了時には、全般改善度、被験者の評価および副作用を考慮して試験品の有用性を3:「きわめて有用」、2:「有用」、1:「やや有用」、0:「有用性なし」、−1:「好ましくない」の5段階で判定した。
<試験結果>
各被験者の試験前診断結果を表1に示した。今回の試験における対象15例はすべて老人性色素斑の患者であり、女性13例、男性2例、平均年齢は51.5歳であった。初診時における色素斑の程度は、「高度」が5例、「中程度」が8例、「軽度」が2例であった。
試験終了時の全般改善度を表2に示した。15例中8例の被験者が「改善」、3例が「軽度改善」、4例が「変化なし」と判定され、「改善」と「軽度改善」をあわせた症例は11例(73%)となった。
また、被験者による試験終了時の評価結果を表3に示した。「非常に満足」が11例、「満足」が2例、「どちらでもない」が2例となり、「非常に満足」と「満足」を合わせて13例(87%)であった。
今回の試験において、悪化した症例、副作用による試験を中止した症例は1例も認めらなかった。
全般改善度、被験者による評価、副作用の有無から総合的に医師が判定した有用性を表4に示した。7例が「きわめて有用」、4例が「有用」、2例が「やや有用」、2例が「有用でない」と判定され、「きわめて有用」「有用」「やや有用」を合わせて13例(87%)となり、有用性が認められなかった症例は2例(13%)であった。きわめて有用と判定された症例のうち症例1と症例4の写真ならびにダーモスコピー像を、それぞれ図1及び2に示した。
次に客観的評価として、レーザー照射前を基準とした被験部位の明度値ΔLの変化を表5に示した。明度値はマンセル色体系に従い色差計(CM-508d:コニカミノルタセンシング製)を用いて測定を行った。この評価法ではΔL値が大きいほど改善効果が高いことを表す。なお症例11の被験者はレーザー照射2週間後においても痂皮が脱落していなかったため、結果から除外した。
レーザー照射前(ΔL0W)から照射2週間後(ΔL2W)の痂皮が取れた直後の変化(ΔL2W−ΔL0W)は、最も大きいもので症例6の9.2、最も小さいもので症例12の−0.23となり、平均してΔLが2.93増加した。レーザー照射前から試験終了時までの変化は最も大きいもので、症例9の7.55、最も小さいもので症例8の−0.76となり、平均してΔLが2.72増加した。このことは、本試験品を塗布した期間中の変化としてΔLが0.21減少したことを示しているが、ΔL2W−ΔL0Wと試験終了時(ΔLfinal)−ΔL0Wとの間に統計的有意差は認められなかったことから、レーザー施術による色素斑除去効果を維持していることが示された。また症例4、7、10、12においてはレーザー照射後からコウジ酸製剤塗布終了までにさらにΔLがそれぞれ1.62、2.14、2.52、2.47増大し、顕著な改善が認められた。

Claims (3)

  1. シミ再発抑制の有効成分として、コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有するレーザー施術後のシミ再発抑制用皮膚外用剤であって、
    ハイドロキノン及びその他のシミ再発抑制用有効成分と併用しない皮膚外用剤。
  2. コウジ酸、その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を0.02〜5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー施術後のシミ再発抑制用皮膚外用剤。
  3. レーザー施術後に、シミ再発抑制の有効成分として、ハイドロキノン及びその他のシミ再発抑制用有効成分と併用しないで、コウジ酸その誘導体及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を皮膚に塗布することを特徴とする、レーザー施術後のシミ再発抑制のための美容方法(医療行為を除く)。
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