JP6005031B2 - 画像読取装置、スキュー量調整方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
まず、本発明の実施形態の複合機100の概略構成について説明する。図1に示されるように、複合機100は、画像読取部1(本発明の読取部の一例)、ADF(Automatic Document Feeder)2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、及び操作表示部6等を備えている。操作表示部6は、制御部5からの制御指示に従って各種の情報を表示し、ユーザー操作に応じて制御部5に各種の情報を入力するタッチパネル等である。ここで、図1(A)は、複合機100の正面図であり、図1(B)は、画像読取部1の平面図である。なお、説明の便宜上、複合機100が使用可能に設置された状態の鉛直方向を上下方向7と定義し、操作表示部6が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8を定義し、操作表示部6を正面として左右方向9を定義する。また、複合機100は、本発明の画像読取装置及び画像形成装置の一例に過ぎず、例えば、スキャナー、FAX装置、複写機等であってもよい。
図2(A)を参照しつつ、テストシート60について説明する。ここで、図2(A)は、テストシート60を示す。図2(B)は、画像読取部1によりテストシート60を読み取って得られた画像データ70を示す。図2(C)は、後述する第1スキュー量調整処理によって補正が行われた後に、画像読取部1によりテストシート60を読み取って得られた目標画像データ80を示す。テストシート60は、搬送方向41の下流側の第1先端部61(本発明の先端の一例)が斜めに裁断されている。搬送方向41に直交するテストシート60の長い方の側部が第1側端部62であり、短い方の側部が第2側端部63である。第1側端部62と第2側端部63との差がシート差分d1である。第1先端部61と第1側端部62との交点である第1角A1を通り、搬送方向41に直交する線を基準線L1とすると、第1先端部61と第2側端部63との交点である第2角A2は、シート差分d1だけ第1側端部62から搬送方向41の上流側にずれている。シート差分d1は、レジストローラー26のスキュー補正動作によって、補正される目標補正量であり、通常は補正後のレジストローラー26によって補正することが可能な最大スキュー補正量にされる。言い換えると、シート差分d1は、テストシート60に形成されたスキュー量に対応し、レジストローラー26が保証するスキュー補正の最大スキュー量に相当する。また、テストシート60の第1先端部61の端辺を基準として搬送方向41の上流側へ等しい基準距離d2だけ離れた位置であり、幅方向に離間した2箇所に実際にスキューが補正された前記スキュー補正量を示すためのマークが形成されている。
制御部5は、複合機100を統括制御するものである。図1に示されるように、制御部5は、CPU5A、ROM5B、RAM5C、EEPROM5D(本発明の記憶部の一例)、及びドライバー5E等を主な構成要素とするマイクロコンピュータとして構成されている。なお、制御部5は、集積回路(ASIC、DSP)等の電子回路で構成されたものであってもよい。
以下、図4のフローチャートを参照しつつ、制御部5によって実行される前記第1スキュー量調整処理の手順を説明するとともに、本発明のスキュー量調整方法について説明する。図4のフローチャートにおいてステップS1、S2、・・・は処理手順(ステップ)番号を表している。ここに、前記第1スキュー量調整処理を実行するときの制御部5が本発明に係る制御部、記憶部、及び調整部に相当する。なお、前記第1スキュー量調整処理は、第1先端部61側が搬送方向41の下流側になるようにテストシート60が原稿トレイ21に載置された状態で、操作表示部6からレジストローラー26の前記スキュー補正量である停止時間T1を調整する調整指示が入力されたことに応じて実行される。
ステップS1において、制御部5は、操作表示部6から前記調整指示が入力されたか否かを判定する。制御部5は、前記調整指示が入力されるまで待つ(S1のNO側)。一方、制御部5は、前記調整指示が入力されると処理をステップS2に移行する(S1のYES側)。ステップS2において、制御部5は、ステッピングモーター27を駆動させることによって、原稿トレイ21に載置されたテストシート60を給送機構22によって給紙させる。給紙されたテストシート60は、搬送ローラー23によって前記搬送路に沿って読取位置12Aへ向けて搬送される。なお、ステップS2は、搬送ステップの一例に相当する。
ステップS3において、制御部5は、予め定められた前記スキュー補正量に基づいて、レジストローラー26にテストシート60の搬送方向41に対するスキューを補正させる。より詳しく説明すると、制御部5は、レジストセンサー29から搬送中のテストシート60の先端を検出した信号が入力されると、前記スキュー補正量である停止時間T1だけステッピングモーター28を停止させる。回転力が付与されないレジストローラー26は、停止時間T1に対応する前記駆動パルス数が供給されない間だけ一時的に停止した前記第1状態になる。搬送されるテストシート60の先端は、レジストローラー26に当接して撓むことによって、スキューが補正される。制御部5は、停止時間T1経過後に、ステッピングモーター28に前記駆動パルスの供給を再開して、ステッピングモーター28を駆動させる。回転力が付与されるレジストローラー26は、テストシート60を読取位置12Aへ案内する前記第2状態になる。なお、ステップS3を実行する制御部5は、制御部の一例に相当する。また、ステップS3は、スキュー補正ステップの一例に相当する。
ステップS4において、制御部5は、読取位置12Aを通過するスキュー補正後のテストシート60の画像を画像読取部1に読み取らせて、画像データ70を生成する。具体的には、図2(A),図2(B)に示されるように、制御部5は、テストシート60の画像を画像読取部1に読み取らせて、画像データ70を生成する。読取位置12Aを通過したテストシート60は、搬送ローラー23によって排紙部25まで搬送される。なお、ステップS4は、読取ステップの一例に相当する。
ステップS5において、制御部5は、画像データ70に含まれる第1マーク74及び第2マーク75それぞれの位置が搬送方向41に直交する基準線L1Aとの離間距離の違いに基づいて、テストシート60の画像データ70の前記ズレ量を算出する。具体的には、制御部5は、基準線L1Aと第1マーク74及び第2マーク75それぞれの位置との離間距離の差を前記ズレ量とする。図2(B)に示される例では、基準線L1Aから第2マーク75までの距離は基準距離d2に画像データ差分d3を加えた長さであり、基準線L1Aから第1マーク74までの距離は基準距離d2の長さである。このように、前記ズレ量は、第1マーク74と第2マーク75との位置のずれである画像データ差分d3に相当する。
ステップS6において、制御部5は、画像データ差分d3が予め定められた前記基準値を超えていないかを判定する。画像データ差分d3が前記基準値を超えていないと判定すると、制御部5は処理を終了する(S6のNO側)。例えば、図2(C)に示されるように、画像読取部1に読み取られて生成された画像データが目標画像データ80のようになり、基準線L1Aから第1マーク74及び第2マーク75それぞれまでの距離が等しくなる。これは、テストシート60のシート差分d1がレジストローラー26のスキュー補正動作によって補正されたことを意味する。シート差分d1は、目標補正量(例えば、スキュー補正の最大スキュー補正量)であるため、制御部5は、現状の停止時間T1を調整する必要がないと判定する。一方、画像データ差分d3が前記基準値を超えていると判定すると、制御部5は処理をステップS7に移行する(S6のYES側)。
ステップS7において、制御部5は、画像データ差分d3に対応する調整時間T2を前記対応情報から選択する。例えば、EEPROM5Dには、画像データ差分d3と調整時間T2との前記対応情報が記憶されている。画像データ差分d3が、0.1mmの場合の調整時間T2は前記駆動パルス数に換算して2パルスに相当し、0.2mmの場合の調整時間T2は前記駆動パルス数に換算して4パルスに相当し、0.4mmの場合の調整時間T2は前記駆動パルス数に換算して8パルスに相当する。
ステップS8において、制御部5は、前記ズレ量に応じて、レジストローラー26の停止時間T1を調整して、処理を終了する。具体的には、制御部5は、スキュー補正動作時にレジストローラー26を駆動するステッピングモーター28を停止させる停止時間T1に調整時間T2を加算する。これによって、レジストローラー26による停止時間T1が増加する。仮に、再びテストシート60を搬送させて画像読取部1に画像を読み取らせると、制御部5は、画像データ70ではなく、目標画像データ80を生成することになる。これによって、制御部5は、レジストローラー26の停止時間T1をシート差分d1に相当する目標補正量(例えば、スキュー補正の最大スキュー補正量)に調整する。なお、前記第1スキュー量調整処理では、ステップS8において、制御部5は、停止時間T1を増やす調整処理のみ実行するが、停止時間T1を減らす調整を実行してもよい。これにより、制御部5は、前記スキュー補正量を許容限度範囲内の前記目的補正量に保ちながら、搬送時間を短くすることが可能になる。なお、ステップS5乃至ステップS8を実行する制御部5は、調整部の一例に相当する。また、ステップS5乃至ステップS8は、調整ステップの一例に相当する。
以上説明したように、本発明の複合機100によれば、テストシート60を用いる簡易な方法で、レジストローラー26によるスキュー補正量を適切な値に調整することができる。目標補正量をテストシート60のシート差分d1にすることによって、複合機100ごとのスキュー補正量のばらつきを抑制することができる。また、テストシート60のシート差分d1を適切にすることによって、複合機100は、過度なスキュー補正処理によって搬送時間が長くなる問題ことを防ぐことができる。
ADF2のテストシート60を搬送してレジストローラー26によるスキュー補正を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、給紙部4から画像形成部3に搬送される用紙Sのスキューを補正する場合に、画像形成位置と用紙Sとのスキューを補正するスキュー補正量を調整するためにも適用することができる。画像形成部3は、画像形成位置である感光体ドラム31と転写装置35のニップ部35A(本発明の画像形成位置の一例)を通過する用紙Sに画像を形成する。この場合、給紙部4のピックアップローラー43は、用紙Sを給紙する。搬送ローラー44は、ニップ部35Aへ向かう搬送路に沿って用紙Sを搬送する。レジストセンサー45によって用紙Sの先端が検出されると、制御部5は、レジストローラー46に用紙Sの先端に当接させて用紙Sの搬送を一時的に停止させて用紙Sのスキューを補正可能な第1状態にする。制御部5は、スキュー調整量に相当する停止時間T3経過後に、レジストローラー46を回転駆動させて、用紙Pを搬送方向99の下流側へ案内する第2状態に切り替える。そこで、制御部5は、図6(A)に示されるテストシート90に画像を形成することによって、スキュー量を調整することが考えられる。図6(A)に示されるように、制御部5は、用紙Sの代わりに、搬送方向99の下流側の第1先端部91の端辺が予め斜めに裁断されたテストシート90を搬送して、テストシート90にテスト用画像データに基づく画像を形成する。テストシート90に形成された画像に基づいて、ユーザーは、レジストローラー46の前記スキュー補正量を調整する必要があるかないかを判断する。この場合、制御部5は、操作表示部6から前記スキュー補正量を補正する入力を受け付けると、レジストローラー46の前記スキュー補正量を調整する。レジストローラー46及びステッピングモーター48が、本発明のスキュー補正部材の一例である。なお、他の実施形態の説明では、前記実施形態の説明と異なる部分についてのみ説明し、同じ構成及び同じ処理についての説明を省略する。
図6(A)に示されるように、テストシート90は、テストシート60と同様に、搬送方向99の下流側の第1先端部91の端辺が予め斜めに裁断されている。搬送方向99に直交するテストシート90の長い方の側部が第1側端部92であり、短い方の側部が第2側端部93である。第1側端部92と第2側端部93との差がシート差分d1である。第1先端部91と第1側端部92との交点である第1角B1を通り、搬送方向99に直交する線を基準線L2とすると、第1先端部91と第2側端部93との交点である第2角B2は、シート差分d1だけ第1側端部92から搬送方向99の上流側にずれている。シート差分d1は、テストシート90に形成されたスキュー量に対応し、レジストローラー46が保証するスキュー補正の最大スキュー量に相当する。テストシート90の第1先端部91の端辺を基準として搬送方向99の上流側へ等しい基準距離d2だけ離れた位置であり、幅方向に最も離間した2箇所に実際にスキューが補正された前記スキュー補正量を比較するためのマークが形成されている。第1側端部92側に形成されたマークが第1マーク94であり、第2側端部93側に形成されたマークが第2マーク95である。
他の実施形態では、CPU5Aは、ROM5Bに記憶された第2スキュー量調整処理のプログラムを実行することにより、前記第2スキュー量調整処理を実行する。また、CPU5Aが前記プログラムを実行することにより、図5に示されるように、前記第2スキュー量調整処理において、制御部5は、搬送制御部55、画像形成制御部56、及び調整部57(本発明の調整部の一例)として機能する。
以下、図7のフローチャートを参照しつつ、制御部5によって実行される第2スキュー量調整処理の手順を説明するとともに、他の実施形態のスキュー量調整方法について説明する。図7のフローチャートにおいてステップS11、S12、・・・は処理手順(ステップ)番号を表している。ここに、他の実施形態の第2スキュー量調整処理を実行するときの制御部5が本発明に係る制御部、受付部、及び調整部に相当する。なお、前記他の実施形態の第2スキュー量調整処理は、斜めに裁断された第1先端部91側が搬送方向99の下流側になるように給紙部4の給紙カセットにテストシート90が載置された状態で、操作表示部6からレジストローラー46の前記スキュー補正量を調整する調整指示が入力されたことに応じて実行される。
ステップS11において、制御部5は、操作表示部6から前記調整指示が入力されたか否かを判定する。制御部5は、前記調整指示が入力されるまで待つ(S11のNO側)。一方、制御部5は、前記調整指示が入力されると処理をステップS12に移行する(S11のYES側)。ステップS12において、制御部5は、ステッピングモーター47を駆動させることによって、給紙部4の給紙カセットに載置されたテストシート90をピックアップローラー43によって給紙させる。給紙されたテストシート90は、搬送ローラー44によって前記搬送路に沿ってニップ部35Aへ向けて搬送される。
ステップS13において、制御部5は、予め定められた停止時間T3に基づいて、レジストローラー46にテストシート90の搬送方向99に対するスキューを補正させる。より詳しく説明すると、制御部5は、レジストセンサー45から搬送中のテストシート90の先端を検出した信号が入力されると、前記スキュー補正量である停止時間T3だけステッピングモーター48を停止させる。回転力が付与されないレジストローラー46は、停止時間T3に対応する前記駆動パルス数が供給されない間だけ一時的に停止した前記第1状態になる。搬送されるテストシート90の先端は、レジストローラー46に当接して撓むことによって、スキューが補正される。制御部5は、停止時間T3経過後に、ステッピングモーター48に前記駆動パルスの供給を再開して、ステッピングモーター48を駆動させる。回転力が付与されるレジストローラー46は、テストシート90をニップ部35Aへ案内する前記第2状態になる。なお、ステップS13を実行する制御部5は、制御部の一例に相当する。
ステップS14において、制御部5は、ニップ部35Aを通過するテストシート90に判定画像を形成させる。制御部5は、搬送されるテストシート90に、搬送方向99に直交する基準線L2にあたる第1データ端部91Aから搬送方向99の上流側へ等しい基準距離d2だけ離れた位置に幅方向に離間している第1データマーク96A及び第2データマーク97Aを含む第2画像データ90Aに基づく判定画像を、画像形成部3によって形成させる。図6(C)に示されるように、レジストローラー46によってテストシート90のスキュー補正が不十分である場合に、第2画像データ90Aに基づく画像がテストシート90に形成されたものとする。第1先端部91から第2形成マーク97までの長さが、第1先端部91から第2マーク95までの長さよりも短く、マーク位置差分d4が生じる。
ステップS15において、制御部5は、前記第2画像データ90Aに基づく前記判定画像が形成されたテストシート90を搬送して、排紙トレイ40に排出する。その後に、制御部5は、レジストローラー46の前記スキュー補正量を調整するか否かを受け付ける画面を操作表示部6に表示させる。排出されたテストシート90には、図6(C)に示されるように、前記判定画像が形成されている。ユーザーは、テストシート90に形成された前記判定画像の第1形成マーク96及び第2形成マーク97の位置を判断する。なお、前記判定画像が形成されたテストシート90の画像を画像読取装置に読み取らせて、第1形成マーク96及び第2形成マーク97の位置が傾いているかを、コンピューターに判定させてもよい。
ステップS16において、制御部5は、操作表示部6からレジストローラー46の前記スキュー補正量を調整する前記スキュー量調整指示が入力されたか否かを判断する。前記スキュー量調整指示が入力されたと判定すると、制御部5は処理をステップS17に移行する(S16のYES側)。一方、前記スキュー量調整指示が入力されなかったと判定すると、制御部5は処理を終了する(S16のNO側)。例えば、図6(C)に示されるように、前記判定画像において、第1先端部91から第1形成マーク96までの基準距離d2と第1先端部91から第2形成マーク97までの距離d5とが異なっている。このとき、ユーザーは一致しないと判断して、操作表示部6から前記スキュー量調整指示を入力する。一方、図6(D)に示されるように、前記判定画像において、第1先端部91から第1形成マーク96までの基準距離d2と第1先端部91から第2形成マーク97までの基準距離d2とが一致している。このとき、ユーザーは一致すると判断して、操作表示部6から前記スキュー量調整指示を入力しないで、処理を終了させる。なお、制御部5がステップS15,S16を実行するときの操作表示部6は、本発明の受付部の一例に相当する。
ステップS17において、制御部5は、操作表示部6から前記スキュー量調整指示が入力された際に、併せてレジストローラー46の前記スキュー補正量を調整するための調整値に対応するズレ量が入力されたか否かを判定する。前記ズレ量が入力されたと判定すると、制御部5は処理をステップS18へ移行する(S17のYES側)。前記ズレ量が入力されていないと判定すると、制御部5は処理をステップS19へ移行する(S17のNO側)。
ステップS18において、制御部5は、入力された前記ズレ量に対応する調整時間T2をEEPROM5Dに記憶された前記対応情報から選択する。例えば、テストシート90に一定の前記ズレ量に対応するマス目が印刷されており、マス目の上に前記判定画像が形成される場合、ユーザーは、マス目と第1形成マーク96及び第2形成マーク97との位置関係から前記ズレ量を判断して、前記ズレ量を入力することが考えられる。
ステップS19において、制御部5は、予め定められた調整時間T2を前記ズレ量に対応するものする。例えば、テストシート90に形成された前記判定画像の第1先端部91から第1形成マーク96までの基準距離d2と第1先端部91から第2形成マーク97までの距離d5とが異なっているが、ユーザーは、どの程度異なっているか正確に判断できない場合、前記スキュー補正量を調整する指示だけ入力することが考えられる。
ステップS20において、制御部5は、レジストローラー46の前記スキュー補正量に前記調整時間T2を加算して、処理を終了する。具体的には、制御部5は、スキュー補正動作時にレジストローラー46を駆動するステッピングモーター48を停止させる停止時間T3に調整時間T2を加算する。これによって、レジストローラー46による停止時間T3が増加する。なお、ステップS12乃至ステップS14、ステップS16、及びステップS20を実行する制御部5は、調整部の一例に相当する。
前記実施形態の説明では、厚さが1種類のテストシート60の場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、厚さが異なる複数のテストシート60を用意して、それぞれのテストシート60を用いて前記第1スキュー量調整処理を制御部5に実行させることが考えられる。具体的に、ADF2は、普通用紙、厚紙等の厚さが異なる複数のテストシート60を読取位置12Aへ向けて搬送することが可能である。モーター駆動部58は、厚さが異なる複数のテストシート60ごとに異なる停止時間T1によって、スキューを補正することが可能である。この場合、制御部5は、スキューを調整するための調整指示が入力された場合に、操作表示部6に搬送する原稿Pの厚さごとに異なる調整モードが可能なことを表示させ、入力された原稿Pの厚さに応じた停止時間T1を選択する。また、厚みの異なるテストシート60に応じて、前記ズレ量と調整時間T2との対応関係が予め定められており、対応関係を示す調整情報がEEPROM5Dに記憶されている。調整部54は、選択された原稿Pの厚さに応じて、搬送ローラー23各々によって搬送されるテストシート60の厚みごとに応じた調整時間T2を用いて停止時間T3を調整する。前記第1スキュー量調整処理を実行する制御部5をこのように機能させることによって、複合機100は、厚さが異なる複数の原稿Pのスキュー量を補正することができる。なお、同様に、厚さが異なるテストシート90を用紙して、それぞれのテストシート90を用いて前記第2スキュー量調整処理を制御部5に実行させてもよい。
前記実施形態の説明では、テストシート60に第1先端部61の端辺からの距離を示すために第1マーク64及び第2マーク65が形成されている場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、テストシート60の第1先端部61に直交する直線であってもよい。また、マークの数は、第1マーク64及び第2マーク65の2箇所に限らず、3箇所以上でもよい。また、第1マーク64及び第2マーク65が幅方向に最も離間した場合について説明したが、これに限るものではない。第1マーク64及び第2マーク65の位置それぞれから基準線L1までの距離に違いがあり、前記スキュー補正量を確認することができれば、第1マーク64及び第2マーク65が幅方向に離間しているだけでもよい。なお、基準線L1Aは、画像データ70における搬送方向41に平行な線であれば、どのような位置でもよい。前記実施形態の説明では、判定部53によって第1マーク74及び第2マーク75の位置を判定しやすくするため、テストシート60の画像を読み取ったときに、長い方の第1側端部72と第1先端部71との頂点を通る線を基準線L1Aとしている。
前記第1スキュー量調整処理において、画像データ差分d3に対応する調整時間T2が前記対応情報として記憶されており、前記第2スキュー量調整処理において、マーク位置差分d4に対応する調整時間T2が前記対応情報として記憶されている場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、画像データ差分d3に対応する調整時間T2を算出する算出式がROM5Bに記憶されており、CPU5Aが画像データ差分d3に基づいて調整時間T2を算出するものでもよい。この場合、調整部54は、第1マーク74及び第2マーク75それぞれと基準線L1Aとの離間距離の差分からズレ量である画像データ差分d3を算出する。さらに、調整部54は、前記算出式に基づいて、画像データ差分d3に応じて調整時間T2を算出して、前記スキュー補正量に対応する停止時間T1に調整時間T2を加える。例えば、調整時間T2を算出する算出式は、画像データ差分d3が0.1mm増えるごとに、前記駆動パルス数に換算して2パルス増えるものである。これによって、記憶容量を前記対応情報よりも少なくすることができる。
実施形態の説明では、レジストローラー26及びステッピングモーター28がスキュー補正部材の場合について説明したが、この場合に限るものではない。例えば、レジストローラー26の代わりに、読取位置12Aよりも原稿Pの搬送方向41の上流側にガイド部材が設けられたものでもよい。前記ガイド部材は、板状部材であり、上下方向7に移動することによって、搬送路を塞いだ状態と、前記搬送路を開放した状態とをとる。前記ガイド部材は、下方に移動されることによって原稿Pの前記搬送路を塞ぐ第1形態と、上方に移動されることによって原稿Pの前記搬送路を開放する第2形態との2状態を切り替え可能に構成されている。また、ステッピングモーター28の代わりに、前記ガイド部材を上下移動させるソレノイドが設けられる。前記第1状態の前記ガイド部材は、前記搬送路を搬送される原稿Pの先端に当接して原稿Pの搬送を一時的に停止させて原稿Pのスキューを補正可能である。第2状態の前記ガイド部材は、原稿Pを搬送方向41の下流側へ案内する。このように、前記ガイド部材及び前記ソレノイドが、本発明のスキュー補正部材の一例である。
前記実施形態の前記第1スキュー量調整処理は、複合機100の原稿トレイ21に載置されたテストシート60を、制御部5が搬送させることによって実施される。同様に、前記実施形態の変形例の前記第2スキュー量調整処理は、複合機100の給紙部4の給紙カセットに載置されたテストシート90を、制御部5が搬送させて、第2画像データに基づく画像を形成することによって実施される。そのため、前記第1スキュー量調整処理及び前記第2スキュー量調整処理は、出荷前の調整時、定期検査、及びメンテナンスの際に、制御部5によって実行させることが考えられる。これによって、レジストローラー26及びレジストローラー46のスキューを補正するために用いる前記スキュー補正量を適宜補正することができる。
1:画像読取部
2:ADF
3:画像形成部
4:給紙部
5:制御部
6:操作表示部
21:原稿トレイ
26:レジストローラー
28:ステッピングモーター
46:レジストローラー
48:ステッピングモーター
51,55:搬送制御部
52:記憶処理部
53:判定御部
54,57:調整部
56:画像形成制御部
58:モーター駆動部
60,90:テストシート
61,71,81,91:第1先端部
62,72,82,92:第1側端部
63,73,83,93:第2側端部
64,74,84,94:第1マーク
65,75,85,95:第2マーク
70:第1画像データ
80:目標画像データ
96:第1形成マーク
96A:第1データマーク
97:第2形成マーク
97A:第2データマーク
d1:シート差分
d2:基準距離
d3:画像データ差分
d4:マーク位置差分
d5:距離
A1,B1:第1角
A2,B2:第2角
L1,L1A,L2:基準線
T1,T3:停止時間
T2:調整時間
Claims (12)
- 読取位置を通過するシート状の原稿の画像を読み取る読取部と、
前記読取位置へ向かう搬送路に沿って前記原稿を搬送する搬送部と、
前記読取位置よりも前記原稿の搬送方向上流側に設けられ、前記搬送路を搬送される前記原稿の先端に当接して前記原稿の搬送を一時的に停止させて前記原稿のスキューを補正可能な第1状態と前記原稿を前記搬送方向下流側へ案内する第2状態とに切替可能なスキュー補正部材と、
前記搬送部によって搬送された前記原稿の先端を前記第1状態の前記スキュー補正部材に所定の停止時間当接させた後に前記スキュー補正部材を前記第2状態に切り替える制御部と、
前記制御部による前記所定の停止時間を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、
先端が所定量斜めに裁断され且つ予め定められた基準画像が形成されたテストシートが搬送されて前記スキュー補正部材によるスキュー補正がなされた後に前記テストシートが前記読取位置で前記読取部に読み取られた場合に、前記テストシートの読取画像に含まれる前記基準画像データの位置に基づいて前記所定の停止時間を調整する画像読取装置。 - 前記調整部は、前記基準画像データの位置に基づいて前記テストシートのスキュー量を判定し、判定された前記スキュー量が予め定められた基準値を超えている場合に前記所定の停止時間を調整する請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記基準画像は、前記テストシートの幅方向の両側端に近傍する位置それぞれに形成された複数の画像である請求項1又は2に記載の画像読取装置。
- 前記テストシートの読取画像における前記基準画像データの位置及び前記搬送方向に直交する基準位置との離間距離の相関するズレ量と、前記所定の停止時間に関する調整値との対応関係を示す調整情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記調整部は、前記基準画像データの位置ずれに応じた前記ズレ量に対応する前記調整値を前記調整情報から選択し、選択された前記調整値を用いて前記所定の停止時間を調整する請求項1〜3の何れかに記載の画像読取装置。 - 前記基準画像は、前記テストシートの前記先端から等距離だけ離れ、且つ前記両側端に近傍する位置それぞれに形成された複数の画像であり、
前記記憶部には、前記テストシートの読取画像における前記基準画像データの位置及び前記搬送方向に直交する基準位置との離間距離の差分に相当するズレ量と、前記調整値との対応関係を示す前記調整情報が記憶されたものである請求項4に記載の画像読取装置。 - 前記調整値は、厚みの異なる前記テストシートに応じて定められており、
前記調整部は、前記搬送部によって搬送された前記テストシートの厚みごとに応じた前記調整値を用いて前記所定の停止時間を調整する請求項4及び5に記載の画像読取装置。 - 前記記憶部は、前記テストシートの厚みごとに定められた複数の前記調整情報を記憶する請求項6に記載の画像読取装置。
- 前記調整部は、前記テストシートの読取画像における前記基準画像データの位置及び前記搬送方向に直交する基準位置との離間距離の相関するズレ量に対応する調整値を算出し、算出された前記調整値を用いて前記所定の停止時間を調整する請求項1〜3の何れかに記載の画像読取装置。
- 前記調整部は、所定の調整指示が入力された場合に、前記所定の停止時間の調整が可能となる請求項1〜8の何れかに記載の画像読取装置。
- 前記スキュー補正部材は、
供給される駆動パルス数に応じて回転駆動するステッピングモーターと、
前記ステッピングモーターによって回転駆動又は停止されるレジストローラーと、
を備える請求項1〜9の何れかに記載の画像読取装置。 - 先端が所定量斜めに裁断され且つ予め定められた基準画像が形成されたテストシートを搬送部によって搬送路に沿って画像を読み取る読取位置へ向けて搬送させる搬送ステップと、
前記テストシートの搬送を一時的に停止させる第1状態のスキュー補正部材に前記搬送路を搬送される前記テストシートの先端を当接させて、当接してから所定の停止時間経過後に前記テストシートを搬送方向下流側へ案内する第2状態にして、前記テストシートのスキューを補正するスキュー補正ステップと、
スキュー補正がなされた後に前記テストシートを前記読取位置で読み取る読取ステップと、
前記テストシートの読取画像に含まれる前記基準画像データの位置に基づいて前記所定の停止時間を調整する調整ステップと、
を含むスキュー量調整方法。 - 画像形成位置を通過するシート状の用紙に画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成位置へ向かう搬送路に沿って前記用紙を搬送する搬送部と、
前記画像形成位置よりも前記用紙の搬送方向上流側に設けられ、前記搬送路を搬送される前記用紙の先端に当接して前記用紙の搬送を一時的に停止させて前記用紙のスキューを補正可能な第1状態と前記用紙を前記搬送方向下流側へ案内する第2状態とに切替可能なスキュー補正部材と、
前記搬送部によって搬送された前記用紙の先端を前記第1状態の前記スキュー補正部材に所定の停止時間当接させた後に前記スキュー補正部材を前記第2状態に切り替える制御部と、
前記所定の停止時間を調整するためのスキュー量調整指示を受け付ける受付部と、
前記制御部による前記所定の停止時間を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、
先端が所定量斜めに裁断されたテストシートが搬送されて前記スキュー補正部材によるスキュー補正がなされた後に前記テストシートが前記画像形成位置で前記画像形成部によって予め定められた判定画像が形成された場合に、前記受付部によって前記スキュー量調整指示が受け付けられた場合に、前記所定の停止時間を調整する画像形成装置。
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