以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。図1において、画像形成装置100(ここでは一例としてデジタル複合機を示す)では、コピー動作を行う場合、後述する画像読取装置6において原稿の画像データを読み取り画像信号に変換する。一方、複合機本体2内の画像形成部3において、帯電ユニット4により図中のA方向に回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、画像読取装置6で読み取られた原稿画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙が給紙機構10から用紙搬送路11及びレジストローラ対12を経由して画像形成部3に搬送され、この画像形成部3において転写ローラ13(画像転写部)により感光体ドラム5の表面におけるトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、定着ローラ対14aを有する定着部14に搬送されてトナー像が定着される。定着部14を通過した用紙は、複数方向に分岐した用紙搬送路15に送られて、用紙搬送路15の分岐点に設けられた複数の経路切換ガイドを有する経路切換機構21、22によって用紙の搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、用紙搬送路16に送られて両面コピーされた後に)、第1排出トレイ17a、第2排出トレイ17bから成る用紙排出部に排出される。
また、図示しないが、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置がクリーニング装置18の下流側に設けられている。さらに、給紙機構10は、複合機本体2に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する複数の給紙カセット10a、10bと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)10cと、を備えてなり、これらは用紙搬送路11によって感光体ドラム5及び現像ユニット8等からなる画像形成部3に繋がっている。
装置本体上部には、画像読取装置6が配置されており、装置本体上面には画像読取装置6のコンタクトガラス25(図2参照)上に載置される原稿を押さえて保持するプラテン(原稿押さえ)24(図1参照)が開閉可能に設けられており、プラテン24上には原稿搬送装置27が付設されている。
用紙搬送路15は、具体的には、定着ローラ対14aの下流側において、まず左右二股に分岐し、一方の経路(図1では右方向に分岐する経路)は第1排出トレイ17aに連通するように構成されている。そして、他方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は搬送ローラ対19を経由して二股に分岐し、一方の経路(図1では左方向に分岐する経路)は第2排出トレイ17bに連通するように構成されている。これに対し、他方の経路(図1では下方向に分岐する経路)は用紙搬送路16に連通するように構成されている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置に用いられる原稿搬送装置周辺の内部構造を示す側面断面図である。原稿搬送装置27は、複数枚の原稿を整合して積載する原稿ガイド29aを備えた原稿給紙トレイ29と、原稿給紙トレイ29の下方に設けられた反転トレイ30とを有し、原稿給紙トレイ29及び反転トレイ30は原稿搬送装置27のフレームに対して各々の部材が装着されている。また、原稿搬送装置27のフレームに対し一端(図の左下)を回動支点としてカバー部材31が開閉可能に支持されており、このカバー部材31の側方には原稿排出トレイ32がプラテン24の上面の一部に直付けで形成されている。カバー部材31内には原稿給紙トレイ29から原稿排出トレイ32に至る原稿搬送路dが形成されており、カバー部材31を開放することで原稿搬送路dを開放し、ジャム処理が可能となっている。
カバー部材31内には、原稿搬送路dに沿ってピックアップローラ33、給紙ベルト34及び分離ローラ35、レジストローラ対36、搬送ローラ対37、38、39、及び40、CISローラ41、反転ローラ対42、排出ローラ対43等から成る原稿搬送部材が設けられている。給紙ベルト34は駆動ローラ44aと従動ローラ44bに掛け回されており、下方から分離ローラ35が所定の圧力で接触している。分離ローラ35にはトルクリミッタが内蔵されており、回転負荷が所定トルクを下回る場合のみ給紙ベルト34と逆方向に回転し、回転負荷が所定トルクを上回る場合には給紙ベルト34と従動回転するようになっている。ピックアップローラ33の上方には原稿の上面位置を検知する上面検知センサ50が配置されている。
コンタクトガラス25は、自動読取用ガラス25aと手置き原稿用ガラス25bから成り、自動読取用ガラス25aに対向して配置されたシェーディング補正用の白基準板と、白基準板の上部にあって白基準板を自動読取用ガラス25aに向けて押圧するための原稿押圧部(いずれも図示せず)とが設けられている。なお、原稿搬送路dはレジストローラ対36から自動読取用ガラス25aに至る間において反転するように湾曲している。また、原稿搬送路dには、原稿の存否或いは通過を検知するための給紙センサS1、排出センサS2を含む複数の用紙検知センサが適所に設けられている。
次に、原稿搬送装置27を用いたシートスルー方式の原稿搬送動作について説明する。シートスルー方式においては、原稿給紙トレイ29に画像面を上向きにして複数枚の原稿をセットした後、画像形成装置100の操作パネル(表示手段)75(図1参照)のコピー開始ボタンがオンされると、昇降機構(図示せず)により上昇したリフト板45が原稿を介してピックアップローラ33を押し上げ、ピックアップローラ33を含む枠体(図示せず)の重さがリフト板45に加わることにより、原稿の上面が所定の圧力(給紙圧)でピックアップローラ33に押しつけられる。
ここで、ピックアップローラ33、駆動ローラ44a、従動ローラ44b及び給紙ベルト34は、図示しない枠体に配置されている。また、ピックアップローラ33は駆動ローラ44aと不図示のギアで連結されており、ローラ駆動モータ(図示せず)により駆動ローラ44aが回転すると、駆動ローラ44aと従動ローラ44bとにより張架された給紙ベルト34が回転駆動されると共に、ピックアップローラ33も回転駆動される。
原稿給紙トレイ29にセットされた原稿は、ピックアップローラ33によって通常上段の複数枚が給紙ベルト34と分離ローラ35のニップ部に送られる。そして、複数枚の原稿のうち分離ローラ35により最上の1枚のみが分離されてレジストローラ対36に向けて搬送される。その際、原稿の先端が給紙センサS1によって検出されてから所定の距離だけその原稿が搬送された後、ローラ駆動モータの作動停止によってピックアップローラ33及び給紙ベルト34の回転駆動が停止され一次給紙が終了する。一次給紙された原稿は、その先端がレジストローラ対36のニップ部に撓みが形成された状態で停止させられる。
一次給紙が終了してから所定時間経過後、二次給紙が開始される。つまり、二次給紙駆動モータ(図示せず)の作動によりレジストローラ対36が回転駆動される。原稿は、レジストローラ対36、搬送ローラ対37〜39、CISローラ41により、自動読取用ガラス25aを経て排出ローラ対43に向けて搬送された後、最終的には排出ローラ対43によって原稿排出トレイ32上に排出される。その際、排出センサS2により原稿の後端通過を検知したことによって、原稿1枚の画像読み取りの完了を検出するようになっている。
ここで排出センサS2は、原稿の搬送完了毎に原稿枚数を計数するカウント機能を有しており、給紙センサS1が後続の原稿を検知していれば、2枚目以降の原稿搬送が上記と同様に続行される。なお、原稿は、自動読取用ガラス25aを通過する際に、搬送ガイド73と当接することによって上方から自動読取用ガラス25aに向けて軽く押圧されながら搬送され、その原稿の画像が自動読取用ガラス25aを通じて画像読取装置6(図1参照)により読み取られるようになっている。なお、搬送ガイド73の詳細については後述する。
また、両面原稿を読み取る場合は、CISローラ41に対向して設けられたコンタクトイメージセンサ51で原稿裏面の画像を読み取り、自動読取用ガラス25aで原稿表面の画像を読み取る一段階読み取り法と、自動読取用ガラス25aで原稿表面の画像を読み取った後、分岐爪47a、47b、及び47cにより原稿を反転トレイ30に振り分け、反転ローラ対42を逆転させて、原稿の裏面を上にした状態で再びレジストローラ対36の上流側に搬送し、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取る二段階読み取り法とがある。
コンタクトイメージセンサ51による読み取りは読み取り時間が短縮できる反面、自動読取用ガラス25aでの読み取りに比べて画質の面で劣る。そのため、文字原稿などの場合はコンタクトイメージセンサ51を用いた一段階読み取り法を用い、写真原稿など高画質、高精細な読み取りが要求される場合は反転トレイ30を用いた二段階読み取り法を用いることが好ましい。
なお、二段階読み取り法を用いる場合、読み取り終了後の原稿をそのまま原稿排出トレイ32に順次排出すると、排出された原稿は原稿給紙トレイ29にセットした状態と表裏が逆になって積載されることになる。そこで、自動読取用ガラス25aで原稿裏面の画像を読み取った後、分岐爪47a〜47cを揺動させて原稿を再び反転トレイ30上へ導入し、搬送ローラ対40及び排出ローラ対43を介して原稿排出トレイ32へ排出する。これにより、各原稿の表裏が排出前にもう一度反転されるため、原稿給紙トレイ29にセットした状態を保持したまま原稿排出トレイ32上へ積載することができる。
続いて、原稿の画像を電気信号として読み取るための画像読取装置6の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る画像読取装置の内部構造を示す側面断面図である。画像読取装置6のフレーム6a内には、原稿の画像面に向けて光を照射するランプ(光源)61と、このランプ61からの光を効率よく原稿の画像面に与えるための反射板62と、原稿反射光を直接に受けて反射させる第1ミラー63と、この第1ミラー63からの反射光を受けて反射させる第2ミラー64と、この第2ミラー64からの反射光を受けて反射させる第3ミラー65と、が配設されている。
また、この第3ミラー65からの反射光を導入して集光するレンズ群(不図示)を保持した鏡胴66と、この鏡胴66のレンズ群で集光された原稿反射光を受けて電気信号に変換する光電変換素子を備えたライン型のCCD(光電変換部材)センサ(画像読取部)67と、がベースプレート70上に配設されている。なお、原稿反射光の光路を一点鎖線で示す。
ここで、ランプ61、反射板62及び第1ミラー63は第1キャリッジ68上に一体的に固定され、また、第2ミラー64及び第3ミラー65は第2キャリッジ69上に一体的に固定されている。これらの第1及び第2キャリッジ68、69は、走査手段を構成しており、相互に独立しているが連携して往復移動可能になっている。
つまり、上記のシートスルー方式で原稿画像の読取動作が行われる際は、第1キャリッジ68が自動読取用ガラス25aの第1画像読取領域(画像読取領域)R1の直下に移動して保持されるとともに、第2キャリッジ69が所定位置に保持され、他方、原稿固定方式の際は、第1キャリッジ68と第2キャリッジ69は相互に原稿反射光の光路長を一定に維持しながら手置き原稿用ガラス25bの第2画像読取領域R2の下方を往復移動(走査移動)する。また、第1キャリッジ68及び第2キャリッジ69は、不図示のキャリッジ駆動モータにより駆動されるようになっている。また、第1及び第2キャリッジ68、69は、白基準板(不図示)の直下をホームポジションとしている。
このような構成のもと、ランプ61から照射されて原稿の画像面で反射した原稿反射光は、第1ミラー63〜第3ミラー65で反射して鏡胴66内のレンズ群に導入され、レンズ群で集光されてCCDセンサ67上に結像する。そして、このCCDセンサ67で光電変換処理がなされ、原稿画像は電気信号として読み取られる。
図4は、図2の搬送ガイド及び自動読取用ガラス周辺の構成を示す部分拡大断面図であり、図5は、搬送ガイドを図4のA方向から見た図である。また、図6は、原稿搬送装置の配置とCCD出力値との関係を模式的に示す図であって、図6(a)は、原稿搬送装置が傾いていない状態を示す図であり、図6(b)は、原稿搬送装置が傾いている状態の一例を示す図であり、図6(c)は、原稿搬送装置が傾いている状態の別の一例を示す図である。
また、図7は、原稿搬送装置の配置と読取画像との関係を示す図であって、図7(a)は、原稿を示す図であり、図7(b)は、原稿搬送装置が図6(b)の状態に傾いているときの読取画像を示す図であり、図7(c)は、原稿搬送装置が図6(c)の状態に傾いているときの読取画像を示す図である。図2と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、搬送ガイド73は、自動読取用ガラス25aと上方から対向する位置において、原稿の搬送方向(図の白抜き矢印方向)とは垂直方向(図の紙面とは垂直方向)に自動読取用ガラス25aに沿って配置され、自動読取用ガラス25aとの間で原稿搬送路dの一部を形成している。また、搬送ガイド73の下面部73aは、白色に形成されている。
下面部73aと自動読取用ガラス25aとの間には、所定の間隔が設けられており、原稿が自動読取用ガラス25a上を通過する際、下面部73aが上方から原稿の上面と当接することによって原稿の上方への移動が規制される。これにより、上記したように原稿の下面を自動読取用ガラス25aと当接させながら原稿を下流側へと案内することができ、原稿を確実に読み取ることができる。
そして、図5に示すように、下面部73aにおいて、長手方向である画像読取装置6本体(以下、装置本体という)の前後方向(搬送方向とは垂直方向、図の左右方向)両端部には、例えば黒色に着色した判定チャート(検知用パターン)77a、77bが貼付されている。
判定チャート77aは、下面部73aの前後方向に対し装置本体の前面側端部(図の右側端部)、判定チャート77bは、背面側端部(図の左側端部)に貼付されている。また、判定チャート77a、77bは、第1画像読取領域R1(図にハッチングで示す)よりも前後方向両外側に配置されている。
判定チャート77aは、搬送方向(図5の白抜き矢印方向)に沿って底辺が配置され、底辺と斜辺とで形成される頂点(交点A1)で互いに接し(交わり)、且つ斜辺が底辺に対して互いに反対側に配置される2つの直角三角形から形成されている。また、かかる2つの直角三角形は略同一の形状から成り、交点A1を中心として180°回転して重なるよう(点対称)に配置されている。
すなわち、判定チャート77aは、搬送方向に沿って配置され、且つ、搬送方向において、判定チャート77aの中央部に交点A1を有し、該交点A1から上流側に向かって前面側(ここでは第1の端部側)に幅が広くなり、下流側に向かって背面側(ここでは第2の端部側)に幅が広くなるように形成されている。
また、判定チャート77bは、判定チャート77aと同一形状から成り、搬送方向と平行であって下面部73aの前後方向中央部を通る直線L0に対し判定チャート77aとは左右反転となるよう(線対称)に配置されている。すなわち、判定チャート77bは、搬送方向に沿って配置され、且つ、搬送方向において、判定チャート77bの中央部に交点A2を有し、該交点A2から上流側に向かって背面側(ここでは第1の端部側)に幅が広くなり、下流側に向かって前面側(ここでは第2の端部側)に幅が広くなるように形成されている。
これにより、2つの判定チャート77a、77bの交点A1、A2を通る直線L1は、前後方向に沿って配置されるようになっている。また、装置本体上面において原稿搬送装置27が傾くと、これに伴って下面部73aも傾くため、直線L1も同時に傾くことになる。
一方、原稿搬送装置27の傾きを検知する際には、第1キャリッジ68(図3参照)は、ランプ61の光が判定チャート77a、77bの交点A1及びA2を読み取るように予め設定された位置(検知位置)に移動するようになっている。これにより、原稿搬送装置27が傾いていない場合には、図6(a)に示すように、CCDセンサ67(図3参照)の読取ラインLsは、交点A1、A2を通る直線L1と一致する。
かかる場合、読取ラインLsに沿って走査したとき、下面部73aの他には、2つの交点A1、A2のみが読み取られるため、CCDセンサ67の出力値(CCD出力値、検知結果)には、下面部73aの読取結果がベースライン、交点A1、A2がベースラインから下方に突出する略直線状のピークとして表される。このとき、例えば図7(a)に示すような原稿を読み取ると、傾きのない読取画像を得ることができる。なお、図7において上側を搬送方向(図の白抜き矢印)とする。
しかし、例えば図6(b)に示すように、原稿搬送装置27すなわち下面部73aの背面側(図の左側)端部が、搬送方向(図の白抜き矢印)下流側(図の下側)に傾いた場合には、交点A2が図6(a)よりも下方に移動し、直線L1が交点A1を中心として図の反時計回りに傾くことになる。かかる場合、判定チャート77aについては、交点A1が読取ラインLsと重なるため、CCD出力値は、図6(a)と同様に直線状のピークとして表される。
これに対し、判定チャート77bにおいては、読取ラインLsは、交点A2よりも上側に配置されるため、判定チャート77bにおける上側の直角三角形部分を、底辺(読取ラインLsにおいて交点A2に略相当)から斜辺にかけて左側に横断することになる。従って、判定チャート77bについては、CCD出力値は、交点A2から左側にかけてベースラインから下方に突出する。
すなわち、交点A2を右側の一辺とし、下面部73aの傾きに相当する幅をピーク幅とする矩形波状のピークとして表される。このとき、図7(b)に示すように読取画像Aが傾くことになる。
また、例えば図6(c)に示すように、下面部73aの背面側(図の左側)端部が搬送方向(図の白抜き矢印)上流側(図の上側)に傾いた場合には、交点A2が図6(a)よりも上方に移動し、直線L1が交点A1を中心として図の時計回りに傾くことになる。かかる場合、判定チャート77aについては、上記図6(b)と同様、交点A1が読取ラインLsと重なるため、CCD出力値は、図6(a)と同様に直線状のピークとして表される。
これに対し、判定チャート77bにおいては、読取ラインLsは、交点A2よりも下側に配置されるため、判定チャート77bにおける下側の直角三角形部分を、底辺(読取ラインLsにおいて交点A2に略相当)から斜辺にかけて右側に横断することになる。従って、判定チャート77bについては、CCD出力値は、交点A2から右側にかけてベースラインから下方に突出する。
すなわち、交点A2を左側の一辺とし、下面部73aの傾きに相当する幅をピーク幅とする矩形波状のピークとして表される。このとき、図7(c)に示すように読取画像Bが傾くことになる。
このように、検知位置におけるCCD出力値を検知することにより、交点A2からのピークの出現位置によって原稿搬送装置27の傾き方向、ピーク幅によって傾き量を検知することができる。ここでは、一例として、下面部73aの背面側(交点A2側)のみが傾いた場合について示したが、前面側(交点A1側)のみが傾いた場合であっても、前面側と背面側とが同時に傾いた場合であっても、同様にして、CCD出力値における交点A1、A2からのピークの出現位置及びピーク幅によって、原稿搬送装置27の傾き方向及び傾き量を検知することができる。
なお、傾き検知時のCCD出力値は、不図示の制御部に送信され、操作パネル75に表示されるようになっている。また、不図示の記憶部には、図6(a)に示したような、原稿搬送装置27が傾いていないときのCCD出力値が、基準出力値として予め格納されており、傾き検知時には、基準出力値がCCD出力値と共に操作パネル75に表示されるようになっている。
そして、CCDセンサ67により読取ラインLsの読み取りを行っている間に、操作パネル75に表示されたCCD出力値が基準出力値と一致するように原稿搬送装置27の位置を変化させることによって、原稿搬送装置27の傾きを調整することができる。このように、操作パネル75に表示されたCCD出力値を目視により確認しながら傾きを調整することが可能となるため、傾きの調整が容易となる。なお、制御部や記憶部は、画像読取装置6に設けることも、画像形成装置100に設けることもできる。
上記した通り、ここでは第1及び第2キャリッジ68、69がコンタクトガラス25を挟んで搬送ガイド73の下面部73aと対向する位置に停止した状態でCCDセンサ67が下面部73aを読み取ることにより、原稿搬送装置27の傾きを検知することとしたため、第1及び第2キャリッジ68、69を移動させながら原稿搬送装置27の傾きを検知する必要がない。これにより、原稿搬送装置27の傾きを速やかに検知することが可能となる。また、原稿を搬送することなく原稿搬送装置27の傾きを検知することも可能となる。
また、ここでは下面部73aにおける前後方向両端部に判定チャート77a、77bを設け、CCDセンサ67が判定チャート77a、77bを読み取ることにより傾きを検知することとしたため、より確実に原稿搬送装置27の傾きを検知することが可能となる。なお、下面部73aの傾きを検知可能であれば、その他、判定チャート77a、77bを設けず、下面部73aの成形時に形成された凹凸部等をCCDセンサ67で読み取ること等もできる。
また、ここでは判定チャート77a、77bを、搬送方向に沿って配置し、且つ、搬送方向において、判定チャート77a、77bの中央部に交点A1、A2を有し該交点から上流側に向かって下面部73aの前後方向前面側及び背面側に幅が広くなり、下流側に向かって背面側及び前面側に幅が広くなるように形成したため、原稿搬送装置27の傾き方向及び傾き量を容易且つ確実に検知することが可能となる。
しかし、かかる判定チャート77a、77bは、原稿搬送装置27の傾きを検知可能であれば特に限定されるものではない。その他例えば、判定チャート77aと77bを上記した線対称に配置せず、判定チャート77aと同一の形状をそのまま判定チャート77bに、若しくは判定チャート77bと同一の形状をそのまま判定チャート77aとすることもできる。
また、その他例えば、判定チャート77a、77bを、搬送方向に対して傾斜する直線状に形成することも、搬送方向に対して傾斜する方向に細長く延びる矩形状とすること等もできる。かかる場合であっても、CCD出力値に表されるピークを基準出力値のピークと比較することにより、原稿搬送装置27の傾き方向及び傾き量を検知することができる。
また、ここでは判定チャート77a、77bを、下面部73aに貼付したため、下面部73aに対する判定チャート77a、77bの形成が容易となると共に、必要に応じて判定チャート77a、77bを取り外したり付け替えたりすることができるため、効果的となる。
なお、下面部73aに、これらと略同一形状に形成された凹部等、判定チャート77a、77bを位置決めするための目印を形成すれば、判定チャート77a、77bを精度良く貼付することができる。また、下面部73aにおける判定チャート77a、77bの形成方法は、上記に特に限定されるものではなく、その他、印刷等によって形成することもできる。
また、ここでは、判定チャート77a、77bを、自動読取用ガラス25aの第1画像読取領域R1に対し前後方向両外側に配置したため、画像読取に影響を及ぼすことなく原稿搬送装置27の傾きの検知が可能となる。しかし、判定チャート77a、77bの配置は、原稿搬送装置27の傾きを検知可能であれば特に限定されない。例えば第1画像読取領域R1内に形成した場合には、傾き調整後画像読取前に、判定チャート77a、77bを剥がすこと等もできる。
また、ここではCCDセンサ67によるCCD出力値が表示される操作パネル75を設けたため、操作パネル75で傾き具合を確認しながら原稿搬送装置27の傾きを調整することができ、傾き調整を容易且つ効率的とすることが可能となる。これにより、傾きの検知がより効果的となる。また、ここでは交点A1、A2を通る直線L1を読取ラインLsとして設定したため、傾きの検知を容易とすることができるが、かかる読取ラインLsは、交点A1、A2よりも搬送方向上流側若しくは下流側に設定することもできる。
また、CCD出力値は、必ずしも操作パネル75に表示する必要はなく、その他、CCD出力値を、給紙機構10に収容された用紙に印字することによって確認すること等もできる。なお、ここでは、CCD出力値をピークとして表したが、後述するように、これらを数値として表示することもできる。
次に、原稿搬送装置27の傾きの調整方法について説明する。図8は、本実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置における位置調整機構周辺を背面側から示す概略斜視図である。また、図9は、組立前の位置調整機構を装置本体背面側から示す概略斜視図であり、図10は、前面側から示す概略斜視図である。図1と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、画像形成装置100及び画像読取装置6の背面側において、画像読取装置6の上面における原稿搬送方向(図の矢印方向)下流側端部には、位置調整機構(位置調整手段)80が設けられている。また、上流側端部にも、位置調整機構80が設けられている(図1、図13参照)。なお、上流側端部と下流側端部に設けられた位置調整機構80は同様の構成であるため、以下、搬送方向下流側の位置調整機構80について説明する。
図9及び図10に示すように、位置調整機構80には、大まかには、ヒンジ部材81と、位置調整部材83と、第1固定板(第1の固定部材)85と、第2固定板(第2の固定部材)87と、位置調整ネジ89と、が設けられている。
ヒンジ部材81は、金属製から成り、原稿搬送装置27が固定される第1ヒンジ部81aと、位置調整部材83に対して第1ヒンジ部81aと共に回転可能に連結される第2ヒンジ部81bと、位置調整部材83に対して第1ヒンジ部81aと第2ヒンジ部81bとを回動可能に連結する支軸81cと、を有している。なお、原稿搬送装置27は、第1ヒンジ部81aに設けられた固定部81aa及び図示しない固定部に固定される。
位置調整部材83は、金属製の板状部材が折り曲げられた形状から成り、大まかには、底面部83aと、側面部83bと、背面部83cと、を有している。底面部83aは、略矩形状から成り、後述する第1固定板85と第2固定板87との間に挟まれるようになっている。また、底面部83aの前面側端部には、前面側に突出する突出片83aa(図11及び図12参照)が形成されている。
また、底面部83aには前後方向(白抜き方向とは垂直方向)に沿って、後述する第1固定用ビス97(図11及び図12参照)が貫通すると共に、該第1固定用ビス97が貫通した状態で位置調整部材83を前後方向に移動可能とする、長穴部83abが形成されている。また、底面部83aの中央部には、第1開口部83acが形成されている。かかる第1開口部83acにより、位置調整部材83が、後述する第2固定用ビス99(図13参照)と干渉することを回避することができる。
側面部83bは、底面部83aの搬送方向(白抜き矢印方向)両端部から上方に突出しており、支軸81cが貫通している。
背面部83cは、底面部83aの背面側端部から上方に突出しており、背面部83cの搬送方向両端部は、上記2つの側面部83bと連結されている。また、背面部83cには、雄ネジから成る位置調整ネジ89が、背面側から前面側に向かって貫通し、且つ回転可能に支持されている。
具体的には、位置調整ネジ89の頭部は背面部83cに形成された凹部に回転可能に支持されている。また、ネジ部には、背面部83aの前面側から規制部材95が装着され、位置調整ネジ89の背面部83cに対する前後方向の移動が規制されている。これにより、位置調整ネジ89が前後方向に移動すると、これに伴って位置調整部材83が移動するようになっている(図11及び図12参照)。
第1固定板85は、金属製の板状部材が折り曲げられた形状からなり、大まかには、支持部85aと、突出部85bと、を有している。支持部85aは、略矩形状から成り、後述する第2固定板87の上方に配置され、第2固定板87とで位置調整部材83の底面部83aを摺動可能に挟持できるようになっている。
また、支持部85aには、位置調整部材83の長穴部83abの上に配置され、第1固定用ビス97(図11及び図12参照)と略同一口径から成る固定用穴部85aaが形成されている。また、固定用穴部85aaは、位置調整部材83が最も前面側若しくは最も背面側に移動しても、長穴部83abと重なるような位置に形成されている。
かかる固定用穴部85aaに後述する第1固定用ビス97が貫通することにより、第1固定板85の移動が規制されるようになっており、第1固定用ビス97によって支持部85aが装置本体上面に固定されると、後述するように位置調整部材83が固定されるようになっている。
また、支持部85aの搬送方向両端辺は、位置調整部材83の両側面部83bの内面に沿って形成されている。これにより、位置調整部材83が前後方向に移動する際、支持部85aの上記両端辺に対して両側面部83bが摺動することができ、位置調整部材83が前後方向に案内される。また、位置調整部材83の搬送方向の移動が規制され、搬送方向において第1固定板85に対する位置が決定されるようになっている。
また、支持部85aには、搬送方向長さが第1開口部83acと略同じであり、且つ前後方向に第1開口部83acよりも長く形成された第2開口部85abが形成されている。また、第2開口部85abは、支持部85aと突出部85bとに跨って形成されている。かかる第2開口部85abにより、位置調整部材83の第1開口部83acと同様に、第1固定板85が、後述する第2固定用ビス99(図13参照)と干渉することを回避することができる。
突出部85bは、支持部85aの背面側端部から上方に突出しており、突出部85bには、位置調整ネジ89が螺合する雌ネジから成る位置調整ネジ穴部85baが形成されている。かかる位置調整ネジ穴部85baに位置調整ネジ89が螺合し、位置調整ネジ89が締められる方向に回転すると、前後方向において位置調整部材83が第1固定板85と接近して前面側に移動することができ(図11参照)、緩められる方向に回転すると、前後方向において位置調整部材83が第1固定板85から離間して背面側に移動することができる(図12参照)。
第2固定板87は、金属製の板状部材が折り曲げられた形状から成り、大まかには、基板部87aと、ガイド部87bと、有している。基板部87aは、第2固定用ビス99(図13参照)及び不図示のビス等によって装置本体上面に固定されるようになっている。
また、基板部87aは、位置調整部材83の底面部83aを挟んで第1固定板85の支持部85aの下方に配置され、支持部85aとで底面部83aを摺動可能に挟持できるようになっている。また、基板部87aには、該基板部87aの一部が上方且つ背面側に略L字状に切り起こされた切り起こし片から成る係止部87aaが形成されている。係止部87aaは、位置調整部材83の突出片83aaが係合可能な位置に形成されている。
かかる係止部87aaに突出片83aaが係合することにより、位置調整部材83の上方への移動を規制することができる。これにより、後述する仮組立状態でも位置調整部材83の移動を容易にすると共に、本組立時に、位置調整部材83及び第1固定板85をより確実に装置本体上面に固定することができる。なお、かかる係止部87aaは、位置調整部材83が最も背面側若しくは最も前面側に移動した場合であっても、突出片83aaと係合できるように形成されている。
また、基板部87aには、係止部87aaが切り欠かれた開口の背面側端部と連通する溝部87abが形成されている。溝部87abは、搬送方向において第1固定板85の固定用穴部85aaと略同じ長さに形成され、且つ背面側において固定用穴部85aaと略一致した形状となるように形成されている。
これにより、第1固定用ビス97(図11及び図12参照)を、上方から固定用穴部85aa、位置調整部材83の長穴部83ab、溝部87abの順に貫通させて、装置本体上面に捻じ込むことができる。また、第1固定用ビス97を装置本体上面に緩く捻じ込む仮組立状態とすることにより、位置調整部材83を移動させることができ、締結して本組立てを行うことにより、第1固定板85及び位置調整部材83を装置本体上面に固定することができる。
ガイド部87bは、基板部87aの搬送方向上流側端部から上方に突出している。また、ガイド部87bは、位置調整部材83の搬送方向上流側の側面部83bの外面に沿って形成されており、かかる上流側の側面部83bがガイド部87bに摺動可能となっている。かかるガイド部87bにより、上記した第1固定板85の搬送方向上流側端辺と共に、位置調整部材83を前後方向に案内することができる。また、かかるガイド部87bに沿って位置調整部材83が位置決めされると共に、第1固定板85の装置本体上面に対する位置も決定される。
次に、原稿搬送装置27の組立方法、及び傾き調整動作について説明する。図11(a)は、位置調整機構に用いられる位置調整部材が前面側に移動した状態を示す斜視図であり、図11(b)は、図11(a)のBB’矢視断面図であり、図11(c)は、図11(b)のCC’矢視断面図である。
また、図12(a)は、位置調整部材が背面側に移動した状態を示す斜視図であり、図12(b)は、図12(a)のDD’矢視断面図であり、図12(c)は、図12(b)のEE’矢視断面図である。また、図13(a)は、位置調整部材が画像読取装置本体に固定された状態を示す概略斜視図であり、図13(b)は、図13(a)の第1固定用ビス97周辺を示す部分拡大斜視図である。図9及び図10と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
まず、例えば生産時において、第2固定用ビス99(図13参照)等によって第2固定板87を装置本体上面に固定する。一方、支軸81cにより第1及び第2ヒンジ部81a、81bを位置調整部材83に回動可能に連結すると共に、規制部材95により位置調整部材83の背面部83cに位置調整用ネジ89を取り付ける。
また、位置調整部材83の底面部83aに第1固定板85の支持部85aを載置し、位置調整部材83の背面部83cに支持された位置調整ネジ89を第1固定板85の位置調整ネジ穴部85baに捻じ込み、位置調整部材83の長穴部83abが、第1固定板85の固定用穴部85aaと重なるように、位置調整部材83と第1固定板85とを連結する。そして、第1ヒンジ部81aの固定部81aa及び不図示の固定部に原稿搬送装置27を固定する。
次に、第2固定板87の基板部87a上に、位置調整部材83の底面部83aを載置し、第1固定用ビス97を、上方から支持部85aの固定用穴部85aa、底面部83aの長穴部83ab、第2固定板87の溝部87abの順に貫通させて、装置本体上面に形成された不図示のビス穴に緩く捻じ込んで仮組立を行う。また、例えば出荷後であれば、ユーザやサービスマンが第1固定用ビス97を緩めることによって、仮組立状態にすること等もできる。
そして、図11に示すように、位置調整ネジ89を、一方向(例えば図9の時計回り)に回転させることにより、位置調整ネジ89が位置調整ネジ穴部83baに締められる。かかる位置調整ネジ89の移動に伴い、位置調整部材83は、前後方向(図11(b)及び図11(c)の左右方向)において、第1固定板85に接近するように前面側(図の左側)に移動する。これにより、ヒンジ部81と共に原稿搬送装置27の搬送方向下流側端部を、前面側に移動させることができる。
一方、図12に示すように、位置調整ネジ89を、図11とは反対方向(例えば図9の反時計回り)に回転させることにより、位置調整ネジ89が位置調整ネジ穴部85baから緩められる。かかる位置調整ネジ89の移動に伴い、位置調整部材83は、前後方向(図12(b)及び図12(c)の左右方向)において、第1固定板85から離間するように背面側(図の右側)に移動する。これにより、ヒンジ部81と共に原稿搬送装置27の搬送方向下流側端部を、背面側に移動させることができる。
なお、原稿搬送装置27の搬送方向上流側端部に配置された位置調整機構80によっても、上記と同様にして、原稿搬送装置27の上流側端部を、前面側及び背面側に移動させることができる。このようにして原稿搬送装置27を移動させた後、図13に示すように、第1固定用ビス97を締結することにより、位置調整部材83を、第1固定板85と第2固定板87とで挟んで固定すると共に、位置調整部材83及び第1固定板85を装置本体に固定することができる。
次に、前述した原稿搬送装置27の傾きの検知結果に基づく原稿搬送装置27の傾き調整動作について説明する。
ユーザ、サービスマン、製造者等(以下、ユーザ等という)により、位置調整機構80が仮組立状態にされ、操作パネル75において傾き検知モードが選択されると、第1キャリッジ68が、ホームポジションから、判定パターン77a、77bの直下に交点A1、A2を読取可能な検知位置に移動すると共に、第2キャリッジ69が第1キャリッジ69の移動に応じて移動する。
かかる検知位置で第1及び第2キャリッジ68、69が停止した状態で、ランプ61を読取ラインLsに沿って照射し、反射光をCCDセンサ67によって読み取ると、CCD出力値が操作パネル75に表示される。また、例えば、前述した図6(a)に示すCCD出力値が基準出力値として設定されており、操作パネル75には、CCD出力値と共に基準出力値が表示される。
ユーザ等は、かかる操作パネル75に表示されたCCD出力値を目視により観察し、原稿搬送装置27が、図6(b)若しくは図6(c)に示すように傾いた場合には、搬送方向上流側及び下流側に設けられた位置調整機構80の少なくとも一方の位置調整ネジ89を回転させて、原稿搬送装置27の上流側及び下流側端部の少なくとも一方を前後方向に移動させる。
そして、操作パネル75においてCCD出力値のピーク出現位置及びピーク幅が、基準出力値のピーク出現位置及びピーク幅と一致したところで位置調整ネジ89の回転を停止する。これにより、原稿搬送装置27の傾きを調整することができる。その後、第1固定用ビス97を締結することにより本組立てを行う。なお、仮組立状態で原稿搬送装置27が傾いておらず、CCD出力値が基準出力値と一致する場合には、そのまま第1固定用ビス97を締結して本組立てを行う。
なお、ここでは原稿搬送装置27の傾きを、CCD出力値及び基準出力値のピーク波形によって表示したが、その他、これらを数値として表示することもできる。かかる場合例えば、基準出力値のピーク出現位置及びピーク幅を不図示の記憶部に基準数値として格納しておき、不図示の制御部により、基準出力値に対するCCD出力値のピーク出現位置のずれ(例えばプラス、マイナスで表示)を傾き方向、ピーク幅のずれ量(例えばミリメートルで表示)を傾き量として算出し、かかる算出結果を表示することもできる。
また、かかる場合、傾き方向と位置調整ネジ89の回転方向との関係、及び、傾き量と位置調整ネジ89の回転量との関係も予め記憶部に格納しておき、制御部による算出結果により、操作パネル75に位置調整ネジ89の回転方向及び回転量を表示させることもできる。また、位置調整ネジ89に、表示された回転量に対応した目盛を形成することもでき、これにより、原稿搬送装置27の傾きの調整がさらに容易となる。
そして、このように原稿搬送装置27の傾きが調整された状態で、自動原稿搬送を行うことによって、原稿搬送装置27の傾きに起因する読取画像の傾きを防止することができる。
上記した通り、ここでは背面側における搬送方向両端部に、原稿搬送装置27を開閉可能に支持すると共に搬送方向両端部の位置を前後方向に沿って調整可能な位置調整機構80を設けたため、原稿搬送装置27の搬送方向両端部の位置をそれぞれ前後方向に可変するだけで原稿搬送装置27の傾きの調整が可能となる。これにより、容易且つ効率的に原稿搬送装置27の傾きの調整を行うことができる。
また、ここでは位置調整機構80に、ヒンジ部材81と、該ヒンジ部材81を介して原稿搬送装置27が固定される位置調整部材83と、該位置調整部材83を挟んで装置本体上面の上方に配置され、位置調整部材83を、装置本体上面とで前後方向に沿って摺動可能に挟持すると共に所定の位置で装置本体上面に固定可能な第1固定板85と、第1固定板85に対して、位置調整部材83を前後方向に沿って移動可能に連結する位置調整ネジ89と、を設けたため、位置調整ネジ89を回転させるだけで原稿搬送装置27の搬送方向両端部の位置を可変することができる。これにより、より容易且つ効率的に原稿搬送装置27の傾きの調整を行うことができる。
また、ここでは装置本体上面に固定されると共に位置調整部材83を挟んで第1固定板85の下方に配置され、位置調整部材83を第1固定板85とで挟んで前後方向に摺動可能に挟持すると共に、第1固定板85を装置本体上面に対して位置決め可能な第2固定板87を設けたため、第1固定板85に対する位置調整部材83の移動方向や移動量を、より確実なものとすることができる。
また、装置本体に対する位置調整部材83の移動方向や移動量も、より確実なものとすることができる。これにより、原稿搬送手段の傾きの調整精度を高めることができる。なお、かかる第2固定板87は、本発明の必須構成要素ではなく、第2固定板87を設けない構成とすることもできる。また、装置本体上面に第1固定板85の位置決めを可能とする凹部等を形成すること等もできる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態に示した位置調整機構80の構成は一例に過ぎず、原稿搬送装置27を開閉可能に支持すると共に、原稿搬送装置27の搬送方向両端部を前後方向に移動可能であれば、装置構成等に応じて他の構成とすることもできる。
また、上記実施形態に示した搬送ガイド73や、ヒンジ部材81、位置調整部材83、第1固定板85、第2固定板87、位置調整ネジ89等の形状等も、上記実施形態に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。上記実施形態では、操作パネル75を画像形成装置100に設け、画像読取装置6と画像形成装置100とで共用としたが、その他、操作パネル75を画像読取装置6のみ専用に設けること等もできる。
また、上記実施形態においては、画像読取装置6として、ピックアップローラ33と給紙ベルト34とをユニット化したものを用いているが、ピックアップローラ33を給紙ベルト34と別個に設けても良い。また、給紙ベルト34に代えて給紙ローラを配置する構成や、分離ローラ35に代えて分離パッドを配置する構成も可能である。