JP6004293B2 - トルクセン誘導体およびそれを用いる有機半導体デバイス - Google Patents

トルクセン誘導体およびそれを用いる有機半導体デバイス Download PDF

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Description

本発明は、トルクセン誘導体およびそれを用いる有機半導体デバイスに関するものである。デバイスは素子とも呼ばれ、ある特定の機能を示す部品と定義づけられる。
有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機トランジスタ、有機光電変換デバイスなどに代表される有機半導体デバイスは、有機物ならではの曲げられる特徴などを活かして産業的な活用が進んでいる。
有機半導体デバイスの課題として耐熱性が挙げられる。この課題は、車載用途など使用・保存環境温度が高くなりうる用途で特に顕著になる。耐熱性が低い原因の一つとして、有機半導体デバイスを構成する有機半導体材料の耐熱性が十分でない。この課題解決に向けて、耐熱性に優れる有機半導体材料の開発が進められている。
特許文献1にトルクセン誘導体が耐熱性に優れる有機半導体として活用できることが開示されている。トルクセン誘導体は化1に示すトルクセンを分子骨格に有していおり、トルクセンに起因する高い耐熱性を示す。一方、トルクセンは電子的な機能性、例えば電子受容性や電子供与性に乏しく、トルクセン骨格の周辺に機能性をもつ置換基を導入する必要がある。この場合、分子の構造が大きく、複雑なものとなるため、合成と精製が困難になる課題があった。
一方、トルクセン類似の化学構造をもつ化2のトルクセノンという化合物が知られている(例えば、特許文献2)。この化合物は、電子受容性に優れる機能性を有しているが、溶媒に対する溶解性が低い課題がある。溶解性が低いと、その誘導体の合成が困難になる。さらに、溶解性が低いとインク化が困難なため湿式法による製膜が困難となり、デバイス製造上の課題もある。特許文献2では、トルクセノン誘導体についても記載があるが、中心骨格に起因していずれの化合物も溶媒への溶解性に乏しい。
他の有機半導体材料を全体的に見渡しても、電子受容性に優れ、かつ溶解性に優れる材料がない。電子受容性材料は、電子供与性材料と対になる機能性であり、有機エレクトロルミネッセンス素子では電子注入層や電子輸送層として必要とされ、有機トランジスタにおいてはnチャネル型の半導体として必要とされ、有機光電変換デバイスにおいてはp−型半導体とヘテロジャンクションを形成して電荷分離の効率を改善させるために必要となる基幹材料である。
特開2003−261473 特開2002−329582
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性かつ溶解性に優れる電子受容性の有機半導体材料を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)の非対称な化学構造を有するトルクセン誘導体である。ここで、(1)式中、X、Y、Zのうち少なくとも一つがC=O、C=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFのいずれかであり、かつ、X、Y、Zのうち少なくとも一つが置換メチン(CR14R15)である。R1〜R15は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アミノ基、ボリル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、シリル基からなる群より選ばれる。
本発明により、高い耐熱性を有する有機半導体デバイスを提供することができる。有機半導体デバイスとしては、具体的には、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機光電変換デバイス、有機トランジスタなどが挙げられる。
本発明における一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。 一般式(1)は非対称な化学構造を有するトルクセン誘導体であり、(1)式中、X、Y、Zのうち少なくとも一つがC=O、C=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFのいずれかであり、かつ、X、Y、Zのうち少なくとも一つが置換メチン(CR14R15)である。R1〜R15は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アミノ基、ボリル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、、カルボニル基、カルボキシル基、シリル基からなる群より選ばれる。
従来から知られている化1の化合物トルクセンは耐熱性に優れるが、半導体としての機能性に乏しい課題があった。機能性の置換基を導入すると、分子構造が複雑になりすぎ、材料の製造が困難になる課題があった。
従来から知られている化2の化合物トルクセノンは、耐熱性と電子受容性に優れるが、溶解性に乏しいために湿式法によるデバイス作成が困難である。また、さらなる置換基の導入をしようとしても溶媒への溶解性に劣るため合成収率の点で課題があり、有用な分子骨格ではなかった。
発明者は、トルクセン構造の耐熱性とトルクセノンの電子受容性を保持したまま、溶解性を改善する手法について鋭意検討した結果、トルクセン内に存在する3つのメチン全てをケト(C=O)あるいはその電子受容性置換基に置換するのではなく、1つあるいは2つのメチンだけをケト(C=O)あるいはその電子受容性置換基にすることにより、分子の対称性を崩し、結晶化を阻害することで溶解性を高められると考えた。加えてトルクセン構造があるために耐熱性は保持されると考えた。トルクセンの耐熱性は、3つのメチンによって、全てのベンゼン環が固定されて回転できない剛直な構造に起因しており、分解温度や融点やガラス転移温度が高い。さらに、導入するケト(C=O)あるいはその電子受容性置換体は1つか2つでも、3つ全て導入した場合と同等の特性を示すと考えた。後述の実施例に示すように、これらの思想の妥当性については確認済みである。
本発明の化学構造を有する材料は、トルクセン骨格をベースとしており、高い耐熱性が得られる。また、ケト(C=O)あるいはその電子受容性置換基であるC=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFのいずれかを有するために分子全体として電子受容性に優れる機能性を有する。これに付随して、トルクセンよりも最高占有分子軌道(HOMO)と最低非占有分子軌道(LUMO)のエネルギーギャップが狭くなり、可視光域に光吸収帯を有する機能性も発現する。後述の実施例で述べるように、本発明では、X、Y、Zの全てを置換した場合と同等のLUMOエネルギーレベルおよび吸収帯を示すことを発見した。さらに、トルクセノンよりもはるかに有機溶媒への溶解性が高いことを発見した。これは、トルクセノンの分子の対称性を崩したことにより、分子同士の重なり合いが阻害され、同一分子間の結晶化(析出)が阻害されたためと考えられる。これらの実験事実は有機半導体の材料設計者であっても定量的な推測は困難であり、進歩性を有する発明である。また、後述のように合成方法も簡便である。以上のように、本発明の目的である耐熱性、電子受容性、有機溶媒への溶解性に優れ、かつ製造が容易であるという要件全てが満たされた材料系を発明した。
本発明の材料を用いて有機半導体デバイスを形成することにより、優れた電子特性と耐熱性を両立した有機半導体デバイスが実現可能になる。有機半導体デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機光電変換デバイス(有機太陽電池とよばれることもある)、有機トランジスタなどが挙げられる。
(1)式中、ケト(C=O)あるいはその電子受容性置換基であるC=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFは、電子受容性を発現し、HOMO−LUMO間のエネルギーギャップを縮めて可視光吸収などの半導体としての機能を発現するために1つ以上導入することが必要である。導入する数は、1つか2つであることが必要であり、3つ全て導入すると溶媒への溶解性が得られなくなる。1つ導入したものに対し、2つ導入したものは、若干電子受容性を高めることができるが、溶解性は低下する。ケト(C=O)をC=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFに化学変換する手法は、すでに広く知られている。
(1)式中R1〜R15は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アミノ基、ボリル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、シリル基からなる群より選ばれる。
R14およびR15に置換された炭素(メチン)は、トルクセンの共役系にほとんど寄与しないので、分子の半導体特性の修飾にはあまり寄与しない。従って、R14およびR15は溶解性の修飾のために導入することが好ましい。R14およびR15は両方とも水素であってもある程度の溶解性が得られるが、より有機溶媒への溶解性を高めるためには、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基やアルコキシ基を導入するとさらに好ましい溶解性が得られる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、およびtert−ブチル基などが挙げられる。アルキル基に含まれる炭素数としては、炭素数が多いほど溶解性に優れる傾向にあるが、炭素数が多いほど合成が困難になるため、1個〜20個の範囲であることが好ましい。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基などが挙げられる、アルキル基に含まれる炭素数としては、炭素数が多いほど溶解性に優れる傾向にあるが、炭素数が多いほど合成が困難になるため、1個〜20個の範囲であることが好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基などがなどが挙げられる、アルキル基に含まれる炭素数としては、炭素数が多いほど溶解性に優れる傾向にあるが、炭素数が多いほど合成が困難になるため、1個〜20個の範囲であることが好ましい。
複素環基とは、ピラン環、ピペリジン環など炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環の置換基である。これらは、極性が高い溶媒への溶解性を高める効果がある。
(1)式中R1〜R13の置換基は、トルクセンの共役系に寄与でき、分子の半導体特性を調整できる。よって、機能性の置換基を導入しても良いし、単に溶解性などの調整に用いても、その両方でもよい。溶解性の調整に用いる場合は、R14とR15の説明の際にすでに述べたとおりである。機能性を付与する際には、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、ボリル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、シリル基などを用いることができる。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、よう素から選ばれる原子を指す。これらは、トルクセン環の電子受容性を増加する効果がある。
アリール基とは、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アンスリル基などの芳香族炭化水素の置換基であり、これらがさらに置換基を有していてもいなくてもよい。これらの置換基の導入によって、HOMO−LUMOエネルギーギャップを縮め、より長波長の可視光の吸収ができるようになり、また電荷輸送特性を高める効果がある。アリール基の炭素数は、6〜40のものを好適に用いることができる。
ヘテロアリール基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ピリジル基、ビピリジル基などが挙げられる。これによって、HOMO−LUMOエネルギーギャップを縮め、より長波長の可視光の吸収ができるようになり、また電荷輸送特性を高める効果がある。ヘテロアリール基に含まれる炭素数は、6〜40のものを好適に用いることができる。
アルケニル基とは、ビニル基、アリル基、ブタジニエル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素を示し、これらがさらに置換基を有していてもいなくてもよい。これらは、トルクセン環の共役長を伸ばす効果があり、HOMO−LUMOエネルギーギャップを縮め、より長波長の可視光の吸収ができるようになり、また電荷輸送特性を高める効果がある。アルケニル基の炭素数は、2〜20のものを好適に用いることができる。
シクロアルケニル基とは、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基のことであり、これがさらに置換基を有していてもいなくてもよい。これらは、トルクセン環の共役長を伸ばす効果があり、HOMO−LUMOエネルギーギャップを縮め、より長波長の可視光の吸収ができるようになり、また電荷輸送特性を高める効果がある。シクロアルケニル基の炭素数は、4〜20のものを好適に用いることができる。
アルキニル基とは、例えばエチニルなどの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素を含む不飽和脂肪族炭化水素を示し、これは置換基を有していてもいなくてもよい。アルキニル基の炭素数は2〜20のものを好適に用いることができる。
アミノ基としては、特に芳香族置換基で置換されたものを好適に用いることができる。例えば、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。芳香族置換基はさらに別の置換基が導入されていてもいなくてもよい。芳香族置換アミノ基の導入により、電子供与性が大幅に増加するため、本発明の材料は、電子受容性と電子供与性の両方を合わせもつ両極性材料となる。したがって、有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光層に用いることができる。また、HOMO−LUMOのバンドギャップがかなり小さくなるので、可視光の長波長域が吸収できるようになり、太陽電池を志向した有機光電変換デバイス材料として用いることができるようになる。また、有機トランジスタ用途では、バイポーラトランジスタ材料として用いることができるようになる。
ボリル基としては芳香族置換基で置換されたボリル基を好適に用いることができる。例えば、ジメジチルボリル基などが挙げられる。これらの置換基は電子受容性が高いため、本発明の材料の電子受容性を増加させることができ、電子輸送性を高めることができる。
カルボニル基、カルボキシル基は、置換基を有していてもいなくてもよい。これらの置換基を導入することにより、分子の電子受容性をさらに高めることができる。
一般式(1)で表される化合物としては、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。なお、以下は例示であり、ここに明記された化合物以外であっても一般式(1)で表されるものであれば、同様に好ましく用いられる。
R1〜R12、R14、R15が全て水素である化合物の例としては、化4に示す化合物群が例として挙げられる。トルクセンのメチンをイミンで置換したもののR13として、ここではフェニル基で記載しているが、別の置換基でもよい。

これらの化合物群は、このままでも有機半導体デバイスに好適に用いることができるが、さらに置換基を導入して別の本発明の材料に変換する場合の合成中間体としても用いることができる。
化4の構造式[1]の化合物は、化5の化合物1−インダノンを2量化して合成される化6の化合物と化7の1、3−インダンジオンを脱水縮合することで得ることができる。
構造式[2]の化合物は、化7の1、3−インダンジオンを2量化して合成される化8の化合物と化5の1−インダノンを脱水縮合することで得ることができる。
構造式[3]の化合物は、構造式[1]で示される化合物とアニリンを脱水縮合することにより得ることができる。また、構造式[4]の化合物は、構造式[1]で示される化合物とアニリンを脱水縮合することにより得ることができる。
R14〜R15をアルキル化した化合物の例としては、化9に示す化合物群が例として挙げられる
これらの化合物は、構造式[1]の化合物にカリウムtertブトキシドを作用させて、メチンの水素を引き抜き、そののち対応するハロゲン化アルキルを反応させることで得ることができる。
R2、R6、R10をハロゲン化した化合物の例としては、化10に示す化合物群が例として挙げられる。
これらの化合物は、構造式[1]の化合物に酸あるいはルイス酸の存在下で該当するハロゲン分子を反応させることで得ることができる。この反応は芳香族求電子置換反応であり、分子内の電子密度や立体障壁を考慮するとR2、R6、R10の位置に最も導入されやすいが、他の合成方法をもちいて別の置換位置が置換されていても良い。これらの化合物群は、このままでも有機半導体デバイスに好適に用いることができるが、さらに置換基を導入して別の本発明の材料に変換する場合の合成中間体としても用いることができる。
R2、R6、R10をアリール化した化合物の例のうち、フェニル化した化合物の例として、化11に示す化合物群が挙げられる
構造式[16]の化合物は、アルカリおよび0価のパラジウム触媒の存在下で構造式[12]の化合物にフェニルボロン酸を反応させることで得ることができる。構造式[14]および構造式[15]の1置換フェニル化物あるいは2置換フェニル化物は、対応する1置換あるいは2置換臭化物にフェニルボロン酸を塩基とパラジウム触媒存在下で反応させることによりそれぞれ得られる。
R2、R6、R10をアミノ化した化合物の例のうち、ジフェニルアミノ化した化合物として化12に示す化合物が挙げられる。
化12の化合物は、対応する臭化物あるいはヨウ化物にジフェニルアミンを銅、18−クラウン−6、炭酸カリウムの存在下で反応させることで得ることができる。
本実施例では化4−構造式[1]に示す化合物の合成方法と光・電子物性について記載する。
化4−構造式[1]に示す化合物は以下のようにして2段階反応で合成・精製した。まず、原料である化6の化合物を合成・精製する。酢酸100mlと濃塩酸10mlと濃硫酸10mlを500ml三ツ口フラスコに投入する。三ツ口フラスコ、冷却管を連結し窒素を導入し、置換する。1−インダノン 40.0gを三ツ口フラスコに投入する。反応系を110℃に加熱する。8時間加熱し続ける。反応溶液を氷水200mlを入れたビーカーに入れる。固体をガラスフィルターで吸引ろ過する。得られた固体をエタノール200mlを入れた三角フラスコに入れ、1時間還流し、温度が下がる前にガラスフィルターで吸引ろ過する。 この精製を2回実施し、エタノール溶液を−5℃で5時間冷却する。これによって、化6の1−インダノン2量体15gが得られた。
次に化4−構造式[1]の化合物を合成する。酢酸50mlと濃硫酸10mlを200ml三ツ口フラスコに投入し、窒素置換する。化6の1−インダノン2量体2.0gと化7の1、3−インダンジオン0.2gを投入する。反応系を100℃に加熱する。30分加熱する。化7の1、3−インダンジオン0.2gを30分ごとに加え、合計1.2g投入する。反応溶液を水100mlを入れたビーカーに入れる。反応溶液にNaOHを加え中和する。固体をガラスフィルターで吸引ろ過する。得られた固体をエタノール200mlを入れた三角フラスコに入れ、1時間還流し、温度が下がる前にガラスフィルターで吸引ろ過する。 この精製を2回実施し、目的物の化4、構造式[1]を黄色固体として1.1g得た。
得られた化4−構造式[1]の化合物のプロトンNMRを測定した。測定は、400メガヘルツのNMR設備によって、化4、構造式[1]の化合物の重クロロホルム溶液に対して実施した。その結果、下記の結果が得られ、合成した化合物が化4、構造式[1]であることが確認された。
H−NMR(CDCl (d ppm)):4.20(s、2H)、4.25(s、2H)、7.35(t、1H)、7.43−7.58(m、5H)、7.75(m、2H)、7.70(d、1H)、7.75(d、1H)、7.99(d、1H)、9.40(d、1H)
得られた化4−構造式[1]の質量分析を行った。イオン化手法は、大気圧化学イオン化法を適用した。測定の結果、親イオンピーク m/z=356が得られ、化4の構造式[1]であることが確認された。
得られた化4−構造式[1]の化合物の電子吸収スペクトルを測定した。測定は、安定剤が入っていないテトラヒドロフランに化合物を10−5mol/l程度の濃度に溶解して、SEC2000スペクトロメーターシステムによって測定した。電子吸収スペクトルを図1に示す。比較例として、従来から知られている、化1の化合物トルクセンと化2の化合物トルクセノンの電子吸収スペクトルを同じ測定方法で測定し、図1に合わせて示してある。
図1から明らかなように、化1の化合物トルクセンは吸収波長の長波長端が330nm程度であり、可視光を吸収することができない。これに対して、化2の化合物トルクセノンは吸収波長の長波長端が450nmであり、可視光を吸収できる。本発明の化4の構造式[1]の化合物は、ケト基(C=O)の導入数が1つでトルクセノンよりも少ないのにも関わらず、吸収端はむしろ長波長シフトし、470nm程度であることが明らかとなった。吸収端の長波長化は、分子のHOMO−LUMO間のエネルギーギャップが狭くなることに基づく。通常の考え方では、電子求引性のカルボニルをより多く導入してLUMOレベルを下げた方がHOMO−LUMOエネルギーギャップを小さくできるが、本系ではカルボニル基を1つだけ導入した本発明の化合物の方が長波長に吸収帯を示す結果となり、通常の考え方とは異なる新しい発明といえる。
得られた化4−構造式[1]の化合物の電子受容性の指標として還元電位を測定した。還元電位は、電子を受け取る電位であり、測定した電位からLUMOのエネルギーレベルを知ることができる。還元電位の測定は、サイクリックボルタンメトリーによって行った。安定剤が入っていないテトラヒドロフランに化合物を10−3mol/l溶解させ、支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウムを10−1mol/l溶解させた溶液に対して、参照電極としてAg/AgNOのアセトニトリル溶液、作用電極として白金円板、対電極として白金線を用いた。測定は、ALS電気化学アナライザー1206Aを用いて行った。比較例として、従来から知られている、化1の化合物トルクセンと化2の化合物トルクセノンに対して、同じ測定方法でサイクリックボルタンメトリーをおこなった。
本発明の化4−構造式[1]の化合物は、還元電位が−1.21V vs Ag/AgNOであった。比較例1のトルクセンの還元電位は、測定限界の−2Vよりも小さい。したがって、本発明の化4、構造式[1]の化合物は、比較例1のトルクセンよりも電子受容性に優れている。比較例2のトルクセノンの還元電位は、−1.14V vs Ag/AgNOと測定された。本発明の化4−構造式[1]の化合物は、トルクセノンよりも0.07eVほど電子受容性に劣るが、ほぼ同等の電子受容性を保持していると言える。
本発明の化4−構造式[1]の化合物に対して溶解性テストを行った。5mlの熱トルエンに対していくらの量が溶解できるかを観測した。測定方法としては、ホットプレート上にガラス製のサンプル管を置き、これに5mlのトルエンを加え、軽めに蓋をして溶媒の揮発を抑制する。その後、60℃にトルエンを加熱し、温度計で測定しながら一定温度を保つ。サンプル管を揺動することで撹拌を促進したが、揺動がない状態でも溶液の対流が起こるので固体が一か所に留まることはない。30分加熱を行い、溶解したかどうかを確認した。溶解の判定は、溶液中に固形物が残っておらず、かつ溶液が濁っていないという2点で判定した。比較として、化1の化合物トルクセンと化2の化合物トルクセノンに対しても同じ実験を行った。この結果、本発明の化4−構造式[1]の化合物は5mgまで溶解した。比較例のトルクセンは5mg溶解した。比較例のトルクセノンは0.5mgも溶解しなかった。この結果から、本発明の化合物は、トルクセノンよりも10倍以上高い溶解性を示し、トルクセノンと同程度の溶解性を示すことが明らかとなった。本分子系ではメチン(CH2)はケト(C=O)よりも平面性が低く、メチンの分子間同志の会合を抑制できるため、メチンの数が多いほど溶解性が高いというのが一般的な予測である。発明者は、トルクセン分子の高い対称性を崩すことにより、結晶化すなわち固体析出に必要な分子間の重なりが起こる可能性を低減できるのではないかと考えて本発明をなした。本発明の化4−構造式[1]の化合物とトルクセンが同程度の溶解性を示すのは、発明者の思想を支持する結果といえる。
なお、本実施例は熱トルエンに対して実施した結果であるが、溶解性の絶対値は変化するものの、一般的な有機溶剤全般に対して溶解性の大小関係は同一である。一般的な有機溶剤とは、トルエン同様に芳香族系溶媒のキシレンや、極性溶媒の酢酸エチル、含ハロゲン溶媒のクロロホルム、非プロトン性の極性溶媒であるテトラヒドロフランやアセトンなどを指す。重要な発明のポイントとしては、本発明の化合物は分子骨格として、トルクセノンと同程度の電子受容性を有しながら溶解性が高い因子をもっているという点である。
本発明の化合物の耐熱性試験を行った。ホットプレート上に合成で得られた材料を10mg静置し、ホットプレートの温度を上げていき、化合物をルーペで10倍に拡大して変化を観測した。その結果、300℃付近まで材料の色の変化や融解などの現象は確認されず、300℃を超えると昇華した。このことから、本発明の化合物が300℃程度まで物理変化および酸化などの化学変化を起こさない極めて熱安定性の高い材料であることが確認された。比較例の化合物であるトルクセンは360℃近辺で融解し、比較例の化合物トルクセノンは310℃近辺で昇華した。本発明の化合物は、基本的な分子骨格がトルクセンおよびトルクセノンと類似しており、300℃以上の高い耐熱性を保持している。
本発明の化合物群は優れた電子受容性を有しているので、この機能を利用して有機デバイスを作成することができる。
有機エレクトロルミネッセンスデバイスへの適用例を述べる。ガラス基板上に透明電極を所定形状にパターニングしたものを基板として準備する。透明電極としては、インジウム−スズ酸化物からなる電極を好適に用いることができるが、これら以外でもよい。透明電極のパターニング方法としては、全面に形成した電極上に有機材料からなる感光性レジスト材料を塗布した後プリベークし、フォトマスクを通して光源に晒すことで露光し、現像液に浸漬することでレジスト材料を現像する。その後、電極を溶解させるエッチング液でレジスト材料がない部分の電極を取り除き、最後にレジスト材料を剥離液で剥離する。
この後、正孔注入層を形成する。正孔注入層としては、トリフェニルアミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポリチオフェン誘導体などを好適に用いることができるが、それ以外でもよい。形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。
この後、正孔輸送層を形成する。正孔輸送層としては、トリフェニルアミン誘導体を好適に用いることができるが、これら以外でもよい。形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。
この後、発光層を形成する。発光材料としては、発光性ドーパントをホスト材料に分散した系を好適に用いることができるが、単独系でもよい。発光ドーパントは、発光色に応じて多種多様なものから決定する必要がある。ホスト材料は、発光性ドーパントに対して選ぶ必要がある。形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。
この後、電子輸送層を形成する。電子輸送層として本発明の化合物群を好適に用いることができる。本発明の化合物群は、電子受容性を有しており、陰極から注入された電子を受け入れやすい。また本化合物の化学構造は、ベンゼン環が連結および架橋された構造を有しており、π共役系が広い。加えて、分子構造の平面性が高いため、隣接する分子との距離が小さく、電子の受け渡しを容易に行うことができる。従って、電子の輸送性が高い化合物群であり、電子を輸送することができる。電子の注入および輸送がスムーズにできるため、電圧降下が小さくなり、低電圧でデバイスを駆動できる効果が得られる。よって、消費電力を小さくする効果を得ることができる。形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。スピンコート法やインクジェット印刷法を適用する場合は、あらかじめインク化しておく必要がある。インク化は、当該材料をトルエン、アニソール、キシレンといった芳香族系の有機溶媒に混ぜて、高温雰囲気で十分に撹拌して沈殿物がない状態にしておく必要がある。
この後、電子注入層を形成する。電子注入層に本発明の材料を好適に用いることができる。本発明の化合物群は、電子受容性を有しており、陰極から注入された電子を受け入れやすい。従って、陰極とのエネルギーの障壁が小さいため、大きな電圧を加えなくても電子を注入することができるため、低電圧でデバイスを駆動できる効果が得られる。よって、消費電力を小さくする効果を得ることができる。形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。スピンコート法やインクジェット印刷法を適用する場合は、あらかじめインク化しておく必要がある。インク化は、当該材料をトルエン、アニソール、キシレンといった芳香族系の有機溶媒に混ぜて、高温雰囲気で十分に撹拌して沈殿物がない状態にしておく必要がある。
この後、所望の形状の陰極を形成する。陰極としては、アルミなどの金属を好適に用いることができる。フッ化リチウムなどの陰極バッファー層を用いても良い。陰極は、上から見た場合に一部が陽極と重なるようパターニングすることが必要である。陰極の形成方法としては、真空蒸着法を好適に用いることができる。陰極のパターニング方法としては、金属からなるシャドウマスクを用いて、蒸着と同時にパターニングを行う方法を好適に用いることができる。
この後、封止を行う。封止の方法としては、水分透過率が低い対向基板を用いて、接着性樹脂などを用いて、発光デバイスを形成した基板と貼り合わせる。対向基板としては、ガラスを好適にもちいることができる。
デバイスを形成した後、陽極と陰極を電源を接続し、陽極側を正、陰極側を負にするように電源を印加する。発光開始電圧以上の電圧を印加することによって発光を得ることができる。
なお、陰極を基板上に形成し、有機層の多層膜を形成した後、陽極を形成する順番でデバイスを作成する場合にも本発明の化合物を電子注入層や電子輸送層に好適に用いることができる。
有機トランジスタデバイスへの適用例を述べる。基板上に所望の形状にパターニングされたゲート電極を形成する。基板の材質としては、ガラスを好適に用いることができる。ゲート電極の材質としては、モリブデンなどの金属を用いることができる。電極の形成方法としては、真空スパッタ法などが適用できるが他の方法でもよい。電極のパターニング方法としては、全面に形成した電極上に有機材料からなる感光性レジスト材料を塗布した後プリベークし、フォトマスクを通して光源に晒すことで露光し、現像液に浸漬することでレジスト材料を現像する。その後、電極を溶解させるエッチング液でレジスト材料がない部分の電極を取り除き、最後にレジスト材料を剥離液で剥離する。
次にゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜としては、高分子膜を好適に用いることができ、スピンコートやスリットコートなどの方法で形成することができる。また、酸化シリコンや窒化シリコン膜を好適に用いることができ、化学的気相成長法(CVD法)などで形成してもよい。ゲート絶縁膜は、所定の位置で穴をあけるパターニングが必要である。電極のパターニング方法としては、全面に形成したゲート絶縁層上に有機材料からなる感光性レジスト材料を塗布した後プリベークし、フォトマスクを通して光源に晒すことで露光し、現像液に浸漬することでレジスト材料を現像する。その後、電極を溶解させるエッチング液でレジスト材料がない部分のゲート絶縁層を取り除き、最後にレジスト材料を剥離液で剥離する。
その後、ソース・ドレイン電極を所望の形状に形成する。本発明の材料を半導体層として用いる場合、本発明の材料が電子受容性材料でn−型であるため、ソース・ドレイン電極としてはアルミやその合金など仕事関数が小さな材料を選び、本発明の材料への電子注入のエネルギー障壁が小さい材料を好適に用いることができる。電極の形成方法としては、真空スパッタ法などが適用できるが他の方法でもよい。電極のパターニング方法としては、全面に形成した電極上に有機材料からなる感光性レジスト材料を塗布した後プリベークし、フォトマスクを通して光源に晒すことで露光し、現像液に浸漬することでレジスト材料を現像する。その後、電極を溶解させるエッチング液でレジスト材料がない部分の電極を取り除き、最後にレジスト材料を剥離液で剥離する。
その後、半導体層を所望の形状に形成する。半導体層として、本発明の化合物群を好適に用いることができる。本発明の化合物群は、電子受容性を有しており、ソース・ドレイン電極から電子を受け入れやすく、また半導体層とゲート絶縁層で安定に電子を生成できる。また本化合物の化学構造は、ベンゼン環が連結および架橋された構造を有しており、π共役系が広い。加えて、分子構造の平面性が高いため、隣接する分子との距離が小さく、電子の受け渡しを容易に行うことができる。従って、電子の輸送性が高い化合物群であり、電子を輸送することができる。電子の注入および輸送がスムーズにできるため、電圧降下が小さくなり、低電圧で大電流を流すことができる。また、本発明の化合物は、中性状態では電荷を有しておらず、オフ状態では電流を流さないので高いオン・オフ比が得られる。よって、大電流を必要とするデバイスのスイッチングあるいは電流制御用のトランジスタとして、好適に用いることができる。半導体層の形状としては、上から見た際にゲート絶縁層に重なるようにし、かつ、一部がソース・ドレイン電極と重なっていることが必要である。形成方法としては、パターンされた金属板をシャドウマスクとして真空蒸着するか、形成方法は、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット印刷法などが適用できるが、これら以外でもよい。スピンコート法やインクジェット印刷法を適用する場合は、あらかじめインク化しておく必要がある。インク化は、当該材料をトルエン、アニソール、キシレンといった芳香族系の有機溶媒に混ぜて、高温雰囲気で十分に撹拌して沈殿物がない状態にしておく必要がある。インクジェット印刷などの印刷法を用いる場合には、所望の半導体形状になるよう、半導体のインクをはじ濡れ性が低い材質からなるバンクとよばれる絶縁層を所望の半導体形状の外側に形成しておいてもよい。
その後、封止膜を形成する。封止膜としては、高分子膜を好適に用いることができ、スピンコートやスリットコートなどの方法で形成することができる。また、酸化シリコンや窒化シリコン膜を好適に用いることができ、化学的気相成長法(CVD法)などで形成してもよい。封止膜は、最後に外部と電気的接続が得られるように、端子部をエッチングしておく必要がある。
形成したデバイスは、ゲート電極を正に印加し、ゲート絶縁層と有機半導体層の界面に負の電荷を生じさせ、この状態で、ソース電極とゲート電極間に電圧を印加することで、生じた電界に従って電流が流れる。ゲート電極に印加した電圧で、流れる電流を何桁もの広い範囲で制御することができるデバイスとして機能する。
有機エレクトロルミネッセンスデバイスと有機トランジスタデバイスへの本発明の化合物の適用例について述べたが、本発明の化合物を適切に用いることができる実施の形態であれば、他のいかなる形態および製造方法のデバイスにおいても本発明の効果を得ることができる。例えば、有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおいては、記載した実施例以外にも、基板上に陰極側から形成していく逆構造デバイスに本発明を適用することができる。また、有機トランジスタデバイスにおいては、基板上にソース・ゲート電極、有機半導体、ゲート絶縁層、ゲート電極の順にデバイスを形成するトップゲート構造に本発明を適用することができる。
本発明の化合物群は、詳細に述べたように、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機トランジスタ、有機光電変換デバイスに用いることができる。
本発明の化合物群を用いる有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、低い駆動電圧と高い耐熱性を併せ持つ特徴が得られる。よって、照明の光源や、ディスプレイデバイスの画素として用いることができる。特に車載などの耐熱性が要求される用途に好適に用いることができる。また、印刷法で形成できるため、製造コストを低減することもできる。
本発明の化合物群を用いる有機トランジスタは、高いオン・オフ比と高い耐熱性を併せ持つ特徴が得られる。したがって例えば、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイの電流・電圧制御デバイスとして好適に用いることができる。耐熱性が高いため、特に車載などの耐熱性が要求される用途に好適に用いることができる。また、印刷法で形成できるため、製造コストを低減することもできる。
本発明の化合物群を用いる有機光電変換デバイスは、高い光電変換効率と高い耐熱性を併せ持つ。従って、室内光や太陽光などから電気エネルギーに変換する用途に用いることができる。また、光を受けて電気信号で出力する光センサーの用途にも好適に用いることができる。
図1は本発明に該当する材料である化4の構造式[1]の吸収スペクトルを従来材料である化1のトルクセンおよび化2のトルクセノンと比較したものである。(実施例1)

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される非対構造を有するトルクセン誘導体であり、前記一般式(1)中のX、Y、ZはC=O、C=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CF 、置換メチン(CR14R15)のいずれかであり、かつ、X、Y、Zのうち少なくとも一つがC=O、C=N−R13、C=C(CN) 、C=C(CFのいずれかであり、かつ、X、Y、Zのうち少なくとも一つが置換メチン(CR14R15)であり、R1〜R15は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、複素環基、アミノ基、ボリル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、シリル基からなる群より選ばれる、トルクセン誘導体
  2. 陽極と陰極の間に有機層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、前陽極と陰極の間のいずれかの層に請求項1に記載のトルクセン誘導体を含有することを特徴とする発光素子。
  3. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁膜、及びチャネル層を有する薄膜トランジスタであって、前記チャネル層に、請求項1に記載のトルクセン誘導体が用いられていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
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