図1乃至図3は本発明を適用した汎用コンバインの平面図、左側面図及び右側面図であり、図4は刈取部及びリールの側面図である。図示する汎用コンバインは、稲や麦や豆類等の作物の刈取作業を行うものであり、該汎用コンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1L,1Rを有する走行機体2と、走行機体2の前方に昇降自在に連結された刈取部3と、左右方向に延びる筒状のリール4と、該リール4を昇降及び前後動可能に刈取部3側に支持する可動機構6とを備えている。
上記刈取部3は、後側半部のフィーダ7及び前側半部の刈取フレーム8を一体的で備え、刈取フレーム8の左右の側壁からは前方に向かって分草体9が突出され、刈取フレーム8の左右の側壁間における下部且つ後部には、左右方向に延びる円柱状の掻込オーガ11が軸回りに回転駆動可能に支持され、該掻込オーガ11の前方には、左右方向のレシプロ式の刈刃12が設置されている。ちなみに、平面視刈取フレーム8の左右の側壁間に前記リール4が位置している。
フィーダ7は、刈取った作物の穀稈を後方搬送する前後方向のフィーダコンベア13を備え、全体が後述する走行機体2側の操縦部14の側方に位置しており、このフィーダ7の後端部が走行機体2の前部に支持されている他、刈取フレーム8は操縦部14の前側からフィーダ7の前側に至る左右範囲に形成されている。
この刈取部3と、走行機体2の前部との間には、伸縮作動によって該刈取部3を走行機体2に対して昇降させる油圧式のリフトシリンダ(刈取部昇降アクチュエータ)16が設けられている。このリフトシリンダ16を伸張作動させることにより、刈取部3が走行機体2に対して上昇する一方で、リフトシリンダ16を縮小作動させることにより、刈取部3が走行機体2に対して下降する。
上記リール4は、後述する手段によって動力が伝動されて自身の軸回りに回転駆動される回動軸17と、該回動軸17と一体回転する側面視多角形状(図示する例では6角形状)の左右一対のサイドフレーム18,18とを備え、互いに離間した状態で平行に対向配置された左右一対のサイドフレーム18,18の頂点部分同士をそれぞれ左右方向の横フレーム19によって連結固定することにより、周囲及び左右両側方が内外で連通し且つ内部が空洞となる角柱状に成形されている。また、回転軸17の軸回りに所定間隔毎に配置された各横フレーム19には、下降突出するリールタイン21が所定間隔毎に複数配置されている。
回転するリール4によって掻込まれた圃場の作物の穀稈は、左右に往復スライド駆動される刈刃12によって刈取られ、掻込オーガ11によってフィーダ7側に掻込まれる。フィーダ7側に導入された作物の穀稈は、フィーダコンベア13によって走行機体2側まで後方搬送される。
上記走行機体2の左側半部には、刈取った稲や麦等の穀稈の脱穀処理を行うとともに該脱穀処理された処理物から籾等の穀粒を選別する脱穀部22が設置され、走行機体2の右側半部には、脱穀部22からの穀粒を蓄えるグレンタンク23が配設され、グレンタンク23の前方には、オペレータが乗込む前記操縦部14が設置されている。
脱穀部22は、フィーダコンベア13からの作物の穀稈が導入される扱室24と、扱室24の真下側に形成された選別室26とを備え、扱室24内には、前後方向に延びる円柱状の扱胴27が自身の軸回りに回転自在に軸支され、選別室26内の上部には、前後動する揺動選別体28が設置され、選別室26内の下部前側には、後方斜め上方の選別風を起風する唐箕ファン29が配置され、選別室26内の下部の前後方向中途部には、一番ラセン31と、二番ラセン32が前後に配置されている。
フィーダ7から脱穀部22に導入された穀稈は扱室24内の回転する扱胴27によって後方搬送されながら脱穀処理され、その処理物は、選別室26に落下する。選別室26に落下した処理物は揺動選別体28によって揺動選別されるとともに、上記選別風によって選別(風選)される。具体的には、一番ラセン31側に落下する一番物と、二番ラセン32側に落下する二番物と、後方斜め上方に運ばれる藁屑等の排出物とに選別される。ちなみに、一番物は、一番ラセン31により、穀粒としてグレンタンク23内に搬送され、二番物は、二番ラセン32により、選別室26内に導入されて再選別され、排出物は走行機体2の後端側から機外に排出される。
なお、揺動選別体28の後半部には、前後方向に並列配置された複数のフィン33aによりなるチャフシーブ33が設置されている。そして、フィン33aが下方を向くように回動される開作動時には、開度が大きくなって、揺動選別体28の上方側に吹抜ける選別風の風量が増加する一方で、フィン33aが水平方向を向くように回動される閉作動時には、開度が小さくなって、揺動選別体28の上方側に吹抜ける選別風の風量が減少する。このようなフィン33aの開閉作動による風量の調整によって、処理物の量に応じた最適な風選を行うことが可能になる。
グレンタンク23内の穀粒は、走行機体2の後端部に支持された排出オーガ36によって機外に排出される。具体的には、全体が上下揺動可能且つ水平回動可能なように排出オーガ36の基端部が走行機体2に支持され、該排出オーガ36の先端部には穀粒を排出する排出部36aが設けられており、上下揺動又は水平回動によって排出オーガ36の排出部36aを所定位置に移動させ、その場で穀粒を排出させることができる。
上記可動機構6は、フィーダ7に前後揺動自在に支持された左右一対の進退アーム37,37と、各進退アーム37に、上下揺動自在に支持された昇降アーム38と、各進退アーム37とフィーダ7との間に配置されて伸縮作動により進退アーム37を前後揺動させる油圧式の進退シリンダ(リール進退アクチュエータ)39と、各昇降アーム38と刈取フレーム8との間に配置されて伸縮作動により昇降アーム38を上下揺動駆動させる油圧式の昇降シリンダ(リール昇降アクチュエータ)41とを備えている。
各進退アーム37は、下端側がフィーダ7側に支持される支持端になり、各昇降アーム38は、後端側が進退アーム37の上端側に支持される支持端になり、この左右の昇降アーム38,38の先端部間に、左右方向のリール4が回転軸17によって回転自在に軸支されている。
そして、進退シリンダ39の伸長作動によって進退アーム37を前方揺動させることにより、リール4が刈取部3に対して前進する一方で、進退シリンダ39の縮小作動によって進退アーム37を後方揺動させることにより、リール4が刈取部3に対して後退する。
さらに、昇降シリンダ41の伸長作動によって昇降アーム38を上方揺動させることにより、リール4が刈取部3に対して上昇する一方で、昇降シリンダ41の縮小作動によって昇降アーム38を下方揺動させることにより、リール4が刈取部3に対して下降する。
図5は刈取部を走行機体に対して下降させ且つリールを刈取部に対して上昇させた状態を示す汎用コンバインの側面図であり、図6は刈取部を走行機体に対して上昇させ且つリールを刈取部に対して下降させた状態を示す汎用コンバインの側面図である。上述したリフトシリンダ16及び昇降シリンダ41によって、本汎用コンバインは、刈取部3を走行機体2に対して最下げ位置に下降させた状態のまま、リール4のみを刈取部3に対して最上げ位置に上昇させることもでき(図5参照)、さらに、リール4を刈取部3に対して最下げ位置に下降させた状態のまま、刈取部3を走行機体2に対して最上げ位置に上昇させることも可能になる(図6参照)。
図7は、本汎用コンバインの動力伝動系統図である。エンジン42で発生した動力は、伝動最上流側で、走行系の動力と作業系の動力とに分岐される。そして、走行系の動力は、走行HST43→走行トランスミッション44の順に伝動されて左右のクローラ式走行装置1L,1Rを走行駆動させる。一方、作業系の動力は、脱穀クラッチ46を介して脱穀部22に断続伝動される他、脱穀部22側の動力は刈取クラッチ47を介して刈取部3及びリール4に断続伝動される。
走行HST43はエンジン42側からの動力の正逆転切換及び無段階変速伝動を行い、その出力動力を走行トランスミッション44に伝動する。走行トランスミッション44は、走行HST43からの動力を左右のクローラ式走行装置1L,1Rに等速で伝動する機能を有するとともに異なる回転速度で伝動する機能も有する他、走行HST43からの動力を左側のクローラ走行装置1Lに断続伝動する左サイドクラッチ48Lと、走行HST43からの動力を右側のクローラ走行装置1Rに断続伝動する右サイドクラッチ48Rとを備えている。このため、左右のサイドクラッチ48L,48Rの一方を切断するとともに他方を接続すると、切断した側に走行機体2が旋回される。ちなみに、左右のクローラ式走行装置1L,1Rを同一速度で駆動させれば、走行機体2が直進走行する。
刈取部3側に伝動された動力は、フィーダ駆動軸49にチェーン伝動されてフィーダコンベア13を搬送駆動させる他、該フィーダ駆動軸49の動力は、分岐軸51に伝動される。分岐軸51の動力は、掻込オーガ駆動軸52にチェーン伝動され掻込オーガ11を掻込駆動させるとともに、刈刃駆動軸53にベルト伝動されて刈刃12を刈取駆動させる。
また、分岐軸51の動力は、リール変速装置54に伝動される。このリール変速装置54は、分岐軸51の動力がチェーン伝動される入力軸56と、該入力軸56と一体回転する入力プーリ57と、出力軸58と、該出力軸58と一体回転する出力プーリ59と、入力プーリ57と出力プーリ59との掛け回されるVベルト61とから構成される。入力軸56の動力は、リール変速アクチュエータ62(図11参照)を介した入力プーリ57と出力プーリ59とVベルト61の作動により、無段階で変速され出力軸58に伝動される。具体的には、入力プーリ57及び出力プーリ59がそれぞれ幅方向に分割される割プーリであって、リール変速アクチュエータ62によって、各割プーリ57,59の一対の分割体を互いに離間・近接させる方向に移動させることにより、入力軸56から出力軸58に伝動される動力の速度比を無段階で切換える。そして、出力軸58の動力は、前記回転軸17に伝動されてリール4を回転駆動させる。
すなわち、リール変速装置54は、リール変速アクチュエータ62によって、リール4の回転速度を無段階で変速するように構成されている。また、リール変速装置54は、左右の昇降アーム38,38の一方を構成する伝動ケース38Aに内装されている。
次に、図8乃至図11に基づき操縦部14及びその他のセンシングの構成を説明する。
図8は、操縦部の斜視図である。操縦部14は、オペレータが着座する座席63(図1乃至図3参照)と、座席63の側方に配置された変速レバー64と、座席63の前方に配置されたマルチステアリングレバー66と、変速レバー64の後方に配置されたスイッチパネル67とを備えている。
上記変速レバー64は、走行HST43をニュートラル状態とする前後中立位置から左右一方側への揺動によって、該中立位置からの前方揺動が可能になる一方で、中立位置からの左右他方側への揺動によって、該中立位置からの後方揺動が可能になる。そして、変速レバー64の中立位置からの前方揺動によって、走行HST43を介した前進走行側への増速操作を行う一方で、変速レバー64の中立位置からの後方揺動によって、走行HST43を介した後進走行側への増速操作を行う。
この変速レバー64の上端部にはグリップ64aが形成され、このグリップ64aの側部には、該グリップ64aを把持しながら押し操作可能なモーメンタリ式の掻込スイッチ(強制掻込操作手段)69が設けられ、グリップ64aの背面側には、オルタネート式の倒伏スイッチ(倒伏刈操作手段)71が配設されている。
図9は、マルチステアリングレバーの背面図である。上記マルチステアリングレバー66は、前後揺動によって、リフトシリンダ16を介した刈取部3の昇降手動操作を行うとともに、左右揺動によって車体走行時の操向操作を行う。
具体的には、マルチステアリングレバー66を前後中立位置から前方揺動させることにより、リフトシリンダ16を縮小作動させる刈取部3の下降操作を行い、マルチステアリングレバー66を前後中立位置から後方揺動させることにより、リフトシリンダ16を伸張作動させる刈取部3の上昇操作を行う一方で、マルチステアリングレバー66を左右中立位置から左側に揺動させることにより、左右のクローラ式走行装置1L,1Rの右側を左側に対して高速走行駆動させて車体を左側に旋回させる左旋回操作を行い、マルチステアリングレバー66を中立位置から右側に揺動させることにより、左右のクローラ式走行装置1L,1Rの左側を右側に対して高速走行駆動させて車体を右側に旋回させる右旋回操作を行う。
すなわち、マルチステアリングレバー66は、刈取部3を走行機体2に対して昇降させる刈取部昇降手動操作手段であるとともに、走行機体2の操向操作手段でもある。また、マルチステアリングレバー66上端部の背面側における左右一方側にはリール昇降手動操作手段が設けられ、左右他方側にはリール前後移動手動操作手段が設けられている。
具体的には、リール昇降手動操作手段として、リール4を刈取部3に対して上昇操作するモーメンタリ式のリール上昇スイッチ74Aと、下降操作するモーメンタリ式のリール下降スイッチ74Bとが上下に設けられ、リール前後移動手動操作手段として、リール4を刈取部3に対して前進操作するモーメンタリ式のリール前進スイッチ76Aと、後退操作するモーメンタリ式のリール後退スイッチ76Bとが上下に設けられている。
図10は、スイッチパネルの平面図である。スイッチパネル67には、刈取る作物を豆と、稲の少なくとも2種類で選択可能(具体的には大豆と、稲・麦とを選択可能)な作物切替ダイヤル(刈取作物検出手段)77と、後述する強制掻込制御の実行時におけるリール4の刈取部3に対する相対高さを設定するリール下降高さ設定ダイヤル(リール下降高さ設定手段)78と、シーソースイッチである脱穀・刈取クラッチスイッチ79とを備えている。
脱穀・刈取クラッチスイッチ79は、左右一方側に傾斜した状態と、左右に水平な状態と、左右他方側に傾斜した状態とを切換えることにより、脱穀クラッチ46と刈取クラッチ47の両方を切断させる切断状態と、脱穀クラッチ46のみを接続して刈取クラッチ47を切断させる脱穀状態と、脱穀クラッチ46と刈取クラッチ47の両方を接続させる接続状態とを切換えるように構成されている。
さらに、上記刈取部3には、圃場面に近接した状態における刈取部3の該圃場面に対する対地高さを検出する対地高さ検出手段81(図11参照)が本汎用コンバインに設けられている。
図11(A)及び(B)は対地高さ検出手段の構成を示す平面図及び側面図である。刈取部3の下面側に左右幅全体に亘って形成される左右方向の支持軸82と、この支持軸82を支点に上下揺動する検知プレート(検知体)83とを備え、検知プレート83の下端が圃場面に接触して上下揺動作動した場合の上下揺動位置をポテンショメータ等で検出することにより、刈取部3の対地高さ検出を行う。
以上のような、操縦部14側の各種操作具による各部の操作や制御及び対地高さ検出手段81を用いた制御は、マイコン等からなる制御部84(図12参照)によって行われる。
次に、図12乃至16に基づき、制御部84の構成を説明する。
図12は、制御部のブロック図である。制御部84の出力側には、上述したリフトシリンダ16、昇降シリンダ41、進退シリンダ39及びリール変速アクチュエータ62と共に、脱穀クラッチ46と刈取クラッチ47を断続作動させる脱穀・刈取クラッチアクチュエータ86が接続されている。
制御部84の入力側には、リール上昇スイッチ74A、リール下降スイッチ74B、リール前進スイッチ76A、リール後退スイッチ76B、倒伏スイッチ71、掻込スイッチ69、作物切替ダイヤル77、脱穀・刈取クラッチスイッチ79及び前記対地高さ検出手段81の他に、マルチステアリングレバー66の左右揺動位置を検出するポテンショメータであるマルチレバー操向センサ87(操向操作検出手段)と、マルチレバー66の前後揺動位置を検出するポテンショメータであるマルチレバーリフトセンサ(昇降操作検出手段)88と、刈取部3の走行機体に対する相対的な昇降高さを検出するポテンショメータであるリフト昇降センサ89と、リール4の刈取部3の対する相対的な昇降高さを検出するポテンショメータであるリール昇降センサ(高さ検出手段)91と、リール4の刈取部3に対する相対的な前後位置(進退)を検出するポテンショメータであるリール前後センサ92と、リール4の回転速度を検出するリール回転センサ93と、脱穀クラッチ46及び刈取クラッチ47の断続を検出する脱穀・刈取クラッチセンサ94と、走行機体の走行速度(車速)を検出する車速センサ(車速検出手段)96とが接続されている。
上記入出力を有する制御部84は、マルチレバーリフトセンサ88からの検出値に基づき、リフトシリンダ16を介して、刈取部3を走行機体2に対して昇降駆動させる。また、制御部83は、リール上昇スイッチ74A及びリール下降スイッチ74Bからの検出値に基づき、昇降シリンダ41を介してリール4を刈取部3に対して昇降させるとともに、リール前進スイッチ76A及びリール後退スイッチ76Bからの検出値に基づき、進退シリンダ39を介してリール4を刈取部3に対して前後移動させる。
また、制御部84は、車速センサ96によって検出される車速にリール4の回転速度を連動させるリール回転自動制御を適宜行う。具体的には、車速が増加にした場合、その増加量に応じてリール4の回転速度を増加させる一方で、車速が減少した場合、その減少量に応じてリール4の回転速度を減少させる。
この他、制御部84は、倒伏スイッチ71による入操作に起因して、リール回転自動制御時によりリール4を高速回転させる倒伏刈制御を実行し、掻込スイッチ69による入操作に起因して、車速に関係無くリール4を所定速度で回転させる強制掻込制御を実行する。以下、制御部84の上記制御内容について詳述する。
図13は、制御部のメインルーチンのフロー図である。制御部84は、処理を開始すると、ステップS1に進む。ステップS1では、倒伏刈制御が実行中であるか否かを確認し、実行されてない状態であれば、ステップS2に進む一方で、実行中であれば、ステップS3に進む。ステップS2では、強制掻込制御のサブルーチン処理を実行し、その処理が終了するとステップS3に進む。
ステップS3では、強制掻込制御が実行中であるか否かを確認し、実行されてない状態であれば、ステップS4に進み一方で、実行中であれば、ステップS5に進む。ステップS4では、倒伏刈制御のサブルーチン処理を実行し、その処理が終了するとステップS5に進む。
ステップS5では、強制掻込制御または倒伏刈制御が実行中であるか否かを確認し、何れか一方でも実行されている場合には、このサブルーチン処理を終了させる一方で、掻込制御と倒伏刈制御が両方ともに実行されていない状態である場合には、ステップS6に進む。ステップS6では、手段制御のサブルーチン処理を実行し、その処理が終了すると、ステップS7に進む。ステップS7では、上述したリール回転自動制御を行い、このサブルーチン処理を終了させる。
このようなメインルーチンの処理によって、強制掻込制御を実行されている最中は、倒伏刈制御、手段制御は実行されず、倒伏刈制御を実行されている最中は、強制掻込制御及び手段制御は実行されず、強制掻込制御と倒伏刈制御の何れも実行されてない場合には、手段制御及びリール回転自動制御が実行可能な状態になる。
すなわち、リール回転自動制御に優先して、強制掻込制御と倒伏刈制御が実行される他、強制掻込制御と倒伏刈制御の一方側が実行されている場合には、他方側が実行されないように制御部84が構成されている。
図14は、手動制御のサブルーチンのフロー図である。該サブルーチンの処理が開始されると、ステップS11に進む。ステップS11では、リール上昇スイッチ74Aが押し操作によってONされているか否かを検出し、リール上昇スイッチ74AがON状態であればステップS12に進む。ステップS12では、昇降シリンダ41を伸張作動させてリール4を刈取部3に対して上昇させ、ステップS13に進む。ステップS13では、その時点での刈取部3に対するリール4の昇降高さを記憶リール高さとして制御部84の記憶装置84aに記憶し、ステップS14に進む。
ステップS11において、リール上昇スイッチ74AがOFF状態であればステップS15に進む。ステップS15では、リール下降スイッチ74Bが押し操作によってONされているか否かを検出し、リール下降スイッチ74BがON状態であればステップS16に進む一方で、リール下降スイッチ74BがOFF状態であればステップS13に進む。ステップS16では、昇降シリンダ41を縮小作動させてリール4を刈取部3に対して下降させ、ステップS13に進む。
ステップS14では、リール前進スイッチ76Aが押し操作によってONされているか否かを検出し、リール前進スイッチ76AがON状態であればステップS17に進む。ステップS17では、進退シリンダ39を伸張作動させてリール4を刈取部3に対して前進させ、ステップS18に進む。ステップS18では、その時点での刈取部3に対するリール4の前後位置を記憶リール前後位置として前記記憶装置84aに記憶し、図13に示すメインルーチンに処理を戻す。
ステップS14において、リール前進スイッチ76AがOFF状態であればステップS19に進む。ステップS19では、リール後退スイッチ76Bが押し操作によってONされているか否かを検出し、リール後退スイッチ76BがON状態であればステップS20に進む一方で、リール後退スイッチ76BがOFF状態であればステップS18に進む。ステップS20では、進退シリンダ39を縮小作動させてリール4を刈取部3に対して後退させ、ステップS18に進む。
上記処理によれば、リール手動操作時に優先的に実行されるリール手動制御によって、リール4の刈取部3に対する前後位置や上下位置を変更し、その実行毎に記憶リール高さ及び記憶リール前後位置が更新され、その位置が記憶装置84aに記憶される。
図15は、強制掻込制御のサブルーチンのフロー図である。制御部84は、強制掻込制御のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS31に処理を進める。ステップS31では、強制掻込制御の実行を示唆する掻込フラグのON・OFFを確認し、掻込フラグがOFFになっていれば、強制掻込制御の実行が停止又は停止処理中であるものと判断して、ステップS32に処理を進める。ステップS32では、強制掻込制御の実行停止処理の第1段階であることを示す掻込切操作フラグのON・OFFを確認し、掻込切操作フラグがOFF状態であれば、上述した実行停止処理の第1段階ではないものと判断して、ステップS33に処理を進める。
ステップS33では、強制掻込制御の実行操作である掻込スイッチ69の入操作(押し操作)の有無を確認し、入操作が検出されればステップS34に進む一方で、検出されなければこのサブルーチン処理を終了させる。ステップS34では、強制掻込制御の実行中であるものとして、掻込フラグをONにセットし、ステップS35に進む。
ステップS35では、作物切替ダイヤル77によって、その時点での刈取作物を確認し、刈取作物が豆(さらに具体的には、大豆)であれば、ステップ36に進む。ステップS36では、大豆の刈取収穫時における泥の掻込を防止するため、予め定めた所定高さに刈取部3を上昇駆動させ、ステップS37に進む。
ステップS35において、豆以外の作物(具体的には稲又は麦)が刈取作物になっている場合には、ステップS37に進む。ちなみに、稲や麦を刈取る際は、穀稈が倒伏していた場合に刈取部3の対地高さが所定位置よりも高いと、リールタイン21が届かずに、残しが発生する。これを防止するために、ステップS35→ステップS37の処理手順が設けられている。
ステップS37では、リール4を、通常位置から掻込位置に移動駆動させ、ステップS38に進む。ステップS38では、リール4を、車速に関係なく一定速度で回転駆動(掻込駆動)させ、このサブルーチン処理を終了させる。ちなみに、この際のリール4の回転速度は、リール回転自動制御時よりも高速(さらに具体的には、最高速)に設定されている。
ここで、通常位置とは、リール4の可動機構6によって、リール4の刈取部3に対して前後動させる際の進退範囲における中間位置、或いは上述した記憶リール前後位置(本例では、記憶リール前後位置)であって、且つリール4の刈取部3に対して上下動させる際の昇降範囲における中間位置、或いは上述した記憶リール高さ(本例では、記憶リール高さ)である。
また、掻込位置とは、リール4の刈取部3に対して前後動させる際の進退範囲における後方寄り位置(本例では、最後方位置)であって、且つリール4の刈取部3に対して上下動させる際の昇降範囲における下方寄り位置(本例では、最下降位置)であり、この掻込位置は通常は、通常位置よりも後方且つ下方に設定される。ちなみに、この掻込位置の上下高さは、上述したリール下降高さ設定ダイヤル78によって、変更設定可能であり、その限界は、リール4の刈取部3に対する最下降位置になる。
このようにリール4の掻込駆動時には、リール4の刈取部3に対する相対位置が自動的に掻込位置に移動され、倒伏した作物でも効率的に掻込み可能になるため、リール4の操作の手間が軽減されるとともに、強制掻込制御の実行時における刈取作業効率が向上する。
ステップS31において、掻込フラグのON状態を検出した場合には、強制掻込制御の実行中であるものと判断して、ステップS39に進む。ステップS39では、強制掻込制御の実行を停止させる掻込スイッチ69の押し操作を解除(掻込切操作)の検出の有無を確認し、この切操作が検出されない場合にはステップS37に進む一方で、切操作が検出された場合には、ステップS40の処理を進める。
ステップS40では、強制掻込制御の実行を停止すべく、掻込フラグをOFFにセットするとともに、強制掻込制御の実行停止処理の第1段階であることを示すために掻込切操作フラグをONにセットし、このサブルーチン処理の実行を停止する。
ステップS32において、掻込切操作フラグのON状態が確認されると、ステップS41に進む。ステップS41では、上述したリール回転自動制御を実行し、ステップS42に進む。ステップS42では、強制掻込制御の実行停止処理が最終段階であることを示す掻込走行フラグのON・OFFをチェックし、掻込走行フラグのOFF状態が確認された場合には、強制掻込制御の実行停止処理がまだ最終段階ではないものとして、ステップS43に進む。
ステップS43では、車速センサ96によって、車体の走行(さらに具体的には前進走行)の検出の有無を確認し、この検出が確認されない場合には、このサブルーチン処理を終了させる一方で、この走行が確認された場合には、ステップS44に処理を進める。
ステップS44では、強制掻込制御の実行停止処理が最終段階に移行したものとして、掻込走行フラグをONにセットし、ステップS45に進む。ステップS45では、掻込タイマーをセットし、予め定めた所定時間である掻込終了待ち時間から0までのカウントダウンを開始し、ステップS46に進む。
ステップS46では、掻込タイマーが0になってカウントダウンが終了しているか否かの確認を行い、終了していなければこのサブルーチン処理を終了させる一方で、カウントダウンが終了していれば(車体の走行検出から掻込終了待ち時間が経過していれば)、ステップS47に進む。
ステップS42において、掻込走行フラグ42のON状態が検出された場合には、ステップS46に進む。すなわち、掻込タイマーの上記カウントダウン中は、このサブルーチン実行毎に、開始→ステップS31→ステップS32→ステップS41→ステップS42→ステップS46→終了の処理が繰返される。
ステップS47では、強制掻込制御の実行停止処理が完了したものとして、掻込切操作フラグ及び掻込走行フラグを共にOFFにセットして、ステップS48に進む。ステップS48では、リール4を掻込位置から通常位置に移動させ、このサブルーチン処理の実行を終了させる。
すなわち、掻込切操作が検出されても、車体の走行が検出されるまでは、リール4は掻込位置で保持され、さらに車体の走行が検出されても直ちに通常位置には移動されず、この走行検出から、予め定めた所定時間である掻込終了待ち時間の経過をまって、リール4が掻込位置から通常位置に移動駆動させる。
該構成によれば、整備時の強制掻込制御の実行時や、畦際での強制掻込制御の実行時に、掻込切操作によって、リール4が直ちに掻込位置から通常位置に復帰して、周囲の作業等に接触する、畦等で刈取部3が接触して機械が破損する等の事態が効率的に防止できる。
なお、この強制掻込制御は、制御の実行中は、リール4を所定位置(掻込位置)に移動させるとともに、実行停止された場合には、リール4を元の位置(通常位置)に移動させるリール移動制御の一種であり、これによって、操作の煩わしさを低減するものである。
ちなみに、図13の処理フローにおいて、強制掻込制御の実行中でない状態とは、この掻込フラグ、掻込切操作フラグ及び掻込走行フラグが全てOFF状態になっていることを意味している。ちなみに、掻込フラグ、掻込切操作フラグ及び掻込走行フラグは、初期状態では、全てOFF状態にセットされている。
図16は、倒伏刈制御のサブルーチンのフロー図である。制御部84は、倒伏刈制御のサブルーチンの処理が開始されると、ステップS51に処理を進める。ステップS51では、倒伏刈制御の実行を示唆する倒伏フラグのON・OFFを確認し、倒伏フラグがOFFになっていれば、倒伏刈制御の実行が停止又は停止処理中であるものと判断して、ステップS52に処理を進める。
ステップS52では、倒伏刈制御の実行停止処理の第1段階であることを示す倒伏切操作フラグのON・OFFを確認し、倒伏切操作フラグがOFF状態であれば、ステップS53に処理を進める。ステップS53では、倒伏刈制御を実行するための入操作である倒伏スイッチ71の押し操作の有無を確認し、この入操作が検出されればステップS54に進む一方で、検出されなければこのサブルーチン処理を終了させる。ステップS54では、倒伏刈制御の実行中であるものとして、倒伏フラグをONにセットし、ステップS55に進む。
ステップS55では、リール4を、前記通常位置から後述する倒伏位置に移動駆動させ、ステップS56に進む。ステップS56では、リール4を、リール回転自動制御時によりも高速でリール4を回転駆動(倒伏駆動)させ、このサブルーチン処理を終了させる。ちなみに、この際のリール4を倒伏駆動させる際の回転速度は、車速に連動させてもよいし、或いはさせなくてもよいが、本例では、車速に関係なく、リール4を高速(具体的には最高速)で回転駆動させる。
ここで、倒伏位置とは、リール4の刈取部3に対して前後動させる際の進退範囲における前方寄り位置(本例では、最前方位置)であって、且つリール4の刈取部3に対して上下動させる際の昇降範囲における下方寄り位置であり、この倒伏位置は通常は、通常位置よりも前方且つ下方に設定される。ちなみに、この倒伏位置の上下高さも、掻込位置と同様に、上述したリール下降高さ設定ダイヤル78によって、変更設定可能としてもよく、その限界は、リール4の刈取部3に対する最下降位置になる。
このようにリール4の倒伏駆動時には、リール4が刈取部3に対して自動的に倒伏位置に移動され、リール4が高速駆動されるため、稈が効率的に引起され、効率的な刈取作業を行うことが容易になる。このため、この倒伏刈制御も、上述したリール移動制御の一種である。
ステップS51において、倒伏フラグのON状態を検出した場合には、倒伏刈制御の実行中であるものと判断して、ステップS57に進む。ステップS57では、倒伏刈制御の実行を停止する切操作である倒伏スイッチ71の再度の押し操作の検出の有無を確認し、該切操作が検出されない場合にはステップS56に進む一方で、この切操作が検出された場合には、ステップS58の処理を進める。
ステップS58は、倒伏刈制御の実行を停止すべく、倒伏フラグをOFFにセットするとともに、倒伏刈制御の実行停止処理の第1段階であることを示すために倒伏切操作フラグをONにセットし、このサブルーチン処理の実行を停止する。
ステップS52において、倒伏切操作フラグのON状態が確認されると、倒伏刈制御の実行停止が第1段階であるものとして、ステップS59に進む。ステップS59では、上述したリール回転自動制御を実行し、ステップS60に進む。
ステップS60では、車速センサ96によって、車体走行検出の有無を確認し、走行検出が確認された場合には、ステップS61に進む。倒伏刈制御の実行停止処理が最終段階であることを示す倒伏走行フラグのON・OFFをチェックし、倒伏走行フラグのOFF状態が確認された場合には、ステップS62に進む。
ステップS62では、倒伏刈制御の実行停止処理が最終段階に以降したものとして、倒伏走行フラグをONにセットし、ステップS63に進む。ステップS63では、倒伏タイマーをセットし、予め定めた所定時間である倒伏終了待ち時間から0までのカウントダウンを開始し、ステップS64に進む。
ステップS64では、倒伏タイマーが0になってカウントダウンが終了しているか否かの確認を行い、終了していなければこのサブルーチン処理を終了させる一方で、カウントダウンが終了していれば、ステップS65に進む。また、ステップS61において、倒伏走行フラグのON状態が確認された場合には、ステップS64に進む。
また、ステップS60において、車体の走行が検出されなかった場合には、ステップS66に進む。ステップS66では、倒伏走行フラグのON・OFFの確認を行い、ON状態であれば、ステップS67に進む一方で、OFF状態であればこのサブルーチン処理を終了させる。
ステップS67では、倒伏走行フラグがONになり、倒伏刈制御の実行停止処理の最終段階に移行していた状態であるが、車体の走行が停止されたため、該実行停止処理の最終段階から一工程後退させるべく、倒伏走行フラグをOFFにセットし、ステップS68に進む。ステップS68では、ステップ63でセットした倒伏タイマーをリセットしてカウントダウンを中止し、このサブルーチン処理を終了させる。
すなわち、このステップS60〜ステップS68までの処理内容によって、倒伏刈制御の切操作が行われた後、車体の走行が検出され、且つこの走行状態が予め定めた所定時間(具体的には、上述した倒伏終了待ち時間)継続して検出されて初めステップS65の処理に進む。このため、例えば、車体の走行を停止させた場合には、再度走行が検出された後から、さらに倒伏終了待ち時間分、継続して走行が継続されないと、ステップS65の処理に進まない。
ステップS65では、倒伏刈制御の実行停止処理が完了したものとして、倒伏切操作フラグ及び倒伏走行フラグを共にOFFにセットして、ステップS69に進む。ステップS69では、リール4を倒伏位置から通常位置に移動させ、このサブルーチン処理の実行を終了させる。
すなわち、掻込切操作が検出されても、車体の走行が検出され且つ該走行が連続して予め定めた所定時間継続された場合に限り、リール4は倒伏位置から通常位置に移動駆動させ、該状態が検出されるまでの間、リール4は倒伏位置で保持される。
該構成によれば、倒伏刈制御の実行開始時にリール4が自動的に通常位置から倒伏位置に移動作動し、倒伏刈制御の実行停止時にリール4が自動的に倒伏位置から通常位置に復帰作動するため、煩わしい手動操作が不要になり、効率的な刈取作業を行うことが可能になる。また、倒伏スイッチ71による切操作によって、リール4が直ちに倒伏位置から通常位置に復帰するわけではなく、所定時間の走行を条件として、倒伏位置から通常位置に復帰するため、該自動復帰の即時実施に起因して、周囲の作業等に接触する、畦等で刈取部3が接触して機械が破損する等の事態が効率的に防止できる。
また、通常、大豆収穫の際しては、刈残しを低減させるため、刈取部3を可能な限り下降させ、地面ぎりぎりを刈る必要があり、この状態で、掻込スイッチ69を押して強制掻込制御を実行した場合、上述したようにステップS37の処理によって、リール4が最下降位置まで下がり、リールタイン21が地面に接触して泥を掻込むことがあったが、本汎用コンバインでは、大豆収穫時に強制掻込制御を実行する場合には、ステップS35→ステップS36の処理によって、刈取部3が所定高さまで上昇駆動されるため、このような泥の掻込みが確実に防止され、豆の汚粒が低減する。
ちなみに、図13の処理フローにおいて、倒伏刈制御の実行中でない状態とは、この倒伏フラグ、倒伏切操作フラグ及び倒伏走行フラグが全てOFF状態になっていることを意味している。
次に、図17及び図18に基づいて、刈取作物検出手段の他例を説明する。
図17は、脱穀装置の構成を示す側面図であり、図18(A)は大豆用の受樋の構成を示す斜視図であり、(B)は稲・麦用の受樋の構成を示す斜視図である。一番ラセン31、二番ラセン32の下方には、断面視U字状をなし且つラセン31,32方向に延びる受樋97が着脱自在に設けられている。この他、一番ラセン31から一番物を引継いで上方搬送する搬送装置98や、二番ラセン32から一番物を引継いで上方搬送する搬送装置99の真下側にも、この受樋97が着脱自在に設置されている。
この受樋97は、幅方向の両側上端部から互いに離間する向きに帯状の取付座101,101がそれぞれ一体形成され、この一対の取付座101,101を、脱穀装置22側に接当させて各樋97を、脱穀装置22に設置している。
この受樋97には、大豆用の受樋97Aと、稲・麦用の受樋97Bの2種類が用意され、大豆用受樋97Aは、泥を落とすために、多数を孔102が穿設されている一方で、稲・麦用受樋97Bには、そのような孔が穿設されておらず、この違いによって、作物に応じた効率的な選別を行うことが可能になる。
稲・麦用の受樋97Bを、脱穀装置22側に設置すると、該受樋97Bが脱穀装置22側に設けられていた検出スイッチ103に接当してON作動する一方で、大豆用受樋97Aの取付座101には、切欠き状部101aが形成され、この受樋97Aを、脱穀装置22側に設置しても、該切欠き状部101aによって、検出スイッチ103が取付座101に接当せず、OFF状態で保持される。この検出スイッチ103のON・OFFの検知によって、制御部84は、刈取作物が稲・麦であるか、或いは大豆であるかを識別可能になる。
すなわち、この検出スイッチ103及び受樋97の切欠き状部の有無によって、上述した刈取作物検出手段が構成される。ちなみに、この検出スイッチ103が、作物切替ダイヤル77の代わりに制御部84の入力側に接続され、ステップS35における判断時に利用される。
なお、刈取作物検出手段としては、上述したものの他に、豆(具体的には大豆)の収穫に際しては、刈取部3を圃場面側にできるだけ下降させた状態で刈取作業を行った方が好ましいため、この対地高さ検出手段81を用いる。このため、ステップS35において、対地高さ検出手段81が作動(具体的には、検知プレート83が検出作動、さらに具体的には、検知プレート83の揺動角度を検知する図示しないポテンショメータが動作)している場合には、刈取作物が大豆であると判断してもよい。
さらには、このような大豆刈取の際に専ら用いられる電気機器または回路の接続(例えば、上記ポテンショメータの端子若しくは導通カプラの電気的接続)を検出し、この検出の有無によって、刈取作物が大豆であるか否かを判断してもよい。
また、上述した例では、図15に示す強制掻込制御のサブルーチンの実行時、ステップS42〜ステップS46の処理により、一度走行が検出されれば、その後に走行停止した場合でも、予め定めた所定時間の経過後は、→ステップS46→ステップS47と処理が進むが、これを、図16に示す倒伏走行フラグ(具体的いは、ステップS61〜ステップS64及びステップS66〜ステップS68)のように、予め定めた所定時間、車体の走行が継続して検出されない限り、ステップS46→ステップS47と処理が進まないようにフローの内容を変更してもよい。