JP6000768B2 - 管接続構造 - Google Patents
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Description
また、この管接続構造を用いて接続された管体の使用例として、シャワーヘッドの基端に接続されたホースと、該ホースの外周面にきっちりと接触し且つその自由な移動が可能な内径としたガイド環を備え、前記ホースを前記ガイド環に差し込むことにより、前記ホースの抜き差しが速やかにできると同時に、前記ホースの表面を伝う水や付着した水が、前記ガイド環を通過するときに該ガイド環の内周面の密着によって拭い取られて水切りされ、前記ガイド環の内側への入り込みが確実に阻止されるシャワー装置を備えた水栓における水浸入防止構造がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、特許文献1に記載された俵締めの場合には、かしめ止めスリーブの外周面に、その円周上に連続または断続する凹状かしめ跡が、円筒母線に複数箇所それぞれ所定間隔ごとに形成される。
しかしながら、八方締めを用いた管接続構造では、ホースとの境目に相当するかしめ止めスリーブの開口側において、複数の突起状かしめ跡がそれぞれホースの外面から突出するため、特許文献2に記載されたガイド環をその内周面と密着するように通過させようとすると、ホースの屈曲変形によってかしめ止めスリーブの軸線がガイド環の軸線に対して僅かな角度でも傾斜すると、突起状かしめ跡の端部がガイド環の内周面に突き当たって通過不能になる。それにより、ホースの表面を伝う水や付着した水を、ガイド環の内周面との密着によって拭い取ることはできず、ガイド環の内側へ水の入り込みを阻止することもできないと問題があった。
また、俵締めを用いた管接続構造では、ホースとの境目に相当するかしめ止めスリーブの開口端部が、凹状かしめ跡によってホースの外面から環状に突出するため、前述したガイド環をその内周面と密着するように通過させようとすると、かしめ止めスリーブの開口端部がガイド環の内周面に突き当たってしまう。それにより、ホースの表面を伝う水や付着した水を、ガイド環の内周面の密着によって拭い取ることはできず、ガイド環の内側へ水の入り込みを阻止することもできないと問題があった。
そこで、八方締めや俵締めの完了後に、かしめ止めスリーブを八方締めや俵締めのカシメ機から取り外してから、別のカシメ機によって、複数の突起状かしめ跡をホースの外面から突出しないように二次加工することが考えられる。
しかし、この場合には、かしめ作業を繰り返すため、時間と手間を要するだけでなく、カシメ後における複数の突起状かしめ跡の形状管理が困難で、且つ二次加工時におけるかしめ止めスリーブの位置合わせを正確に行えないため、品質が安定しないという問題があった。
また、ホースの外面から突出する突起状かしめ跡や、かしめ止めスリーブの開口端部は、作業者の手や機器に引っ掛かるおそれがあり、危険であって安全性に劣るという問題もあった。
したがって、カシメパイプの外周面の少なくとも開口端部を管体の外面から突起物が生じないように縮径変形させることができる。
その結果、八方締めや俵締めを用いた従来の管接続構造に比べ、管体の屈曲変形によってカシメパイプの軸線がガイド環の軸線に対し若干傾斜しても、縮径変形されたカシメパイプの開口端部をガイド環に対しスムーズに挿通させることができる。それにより、ガイド環を通過する時にガイド環の内周面との密着によって、管体の外面を伝う水や管体の外面に付着した水を拭い取って水切りし、ガイド環の内側への水の入り込みを確実に阻止することができる。
本発明の実施形態に係る管接続構造Aは、図1〜図3に示すように、可撓性を有する管体1と、管体1の内面1aに沿って挿入されるニップル2と、ニップル2の外側に管体1を挟んで設けられてカシメ機Bにより縮径変形されるカシメパイプ3を、主要な構成要素として備えている。
管体1の具体例としては、図1(a)(b)に示すように、透明又は不透明な材料で円筒状に成形された内層1cと外層1dの間に、複数本か又は単数本の補強線材1eが埋設される積層体のような、保形性と耐圧性に優れたものを用いることが好ましい。
また、その他の例として図示しないが、内層1c、外層1d及び補強線材1eの間に接着層を設けたり、必要に応じて内層1cの内側に管体1内を通る流体又は気体に合わせた材料からなる最内層を設けたり、外層1dの外側に保護用の材料からなる最外層を設けたり、中間層として合成樹脂製又は金属製の断面矩形などの補強線材と断面円形などの補強線材を螺旋状に巻き付けて一体化したり、例えばガラス繊維や難燃性繊維などの補強線材を編組したり、金属製や硬質合成樹脂製の補強線材を螺旋状に埋設したり、単層構造の軟質合成樹脂製管体などを用いることも可能である。
ニップル2の外周面には、管体1の内面1aに食い込む環状突部2aと、管体1の内面1aと対向して圧接する環状凹部2bを、それぞれニップル2の軸線方向へ交互に複数組、それぞれ竹の子状となるように形成することが好ましい。
環状突部2aは、図1(a)(b)に示すように、管体1の挿入方向へ徐々に拡径するテーパー状の傾斜面と、それに連続する起立面によって、ニップル2の外形状が断面鋸歯状となるように形成することが好ましい。環状凹部2bのいずれかには、Oリングなどのシール材2cを装着して、シール材2cの外周端を管体1の内面1aに圧接させることが好ましい。
また、その他の例として図示しないが、環状突部2aをテーパー状の傾斜面と逆向きの傾斜面によって断面山型状に形成することも可能である。
さらに、ニップル2の外周面には、ニップル2に対してその軸方向へ後述するカシメパイプ3を移動不能に位置決めするための位置決め手段2dが形成される。
カシメパイプ3の外周面3aにおいて少なくとも管体1の外面1bと軸方向へ隣り合う開口端部3bには、カシメパイプ3の周方向へ複数設けられる窪み部3cと、周方向へ隣り合う窪み部3cの間に複数設けられる押し曲げ部3dを有している。
窪み部3cは、後述するカシメ機Bによる縮径変形に伴って、カシメパイプ3の外周面3aにおける周方向へ所定間隔毎の複数箇所を、それぞれカシメパイプ3の軸線(中心線)に向け径方向内側へ押圧することで、その他の外周面3aよりも凹むように形成される。
押し曲げ部3dは、後述するカシメ機Bによる縮径変形に伴って、カシメパイプ3の周方向へ隣り合う窪み部3cの間の外周面3aを、それぞれカシメパイプ3の軸線(中心線)に向け径方向内側へ押圧することにより、押し潰して形成される。
窪み部3c及び押し曲げ部3dの具体例としては、図1(b)、図2(b)及び図3に示されるように、カシメパイプ3の開口端部3bのみに配置することが好ましい。すなわち、カシメパイプ3の軸方向先端側のみに、窪み部3c及び押し曲げ部3dをそれぞれ部分的に配置している。
また、その他の例として図示しないが、カシメパイプ3の開口端部3bのみに代えて、カシメパイプ3の開口端部3bから軸方向中間位置近くか、又はカシメパイプ3の軸方向ほぼ全長に亘って、窪み部3c及び押し曲げ部3dを軸方向へ連続的又は断続的に形成配置することも可能である。
さらに、カシメパイプ3の係止部3eをニップル2の外周面に形成される位置決め手段2dに係止部3eを係合させることにより、ニップル2に対してカシメパイプ3が管体1の挿入方向へ移動不能に位置決めされる。
ニップル2に対するカシメパイプ3及び管体1の位置決め例としては、図1(a)(b)に示されるように、ニップル2の位置決め手段2dとして環状突部2aよりも大径な段部が形成され、この位置決め手段2dとなる段部に対し、別個に形成されたリング部材4を挟んでカシメパイプ3の係止部3eが突き当てられるとともに、カシメパイプ3の係止部3eに対して管体1の切断面1fを突き当てることにより、ニップル2に対してカシメパイプ3及び管体1が管体1の挿入方向へそれぞれ位置決めされる。
また、その他の例として図示しないが、ニップル2の位置決め手段2dとして段部に代え、突起や環状の凹溝などをニップル2の外周面に形成したり、ニップル2の位置決め手段2dとカシメパイプ3の係止部3eとの間に、リング部材4が挟まれずに両者を直接突き当てたり、カシメパイプ3の先端側に、管体1の接続端部が係止部3e近くまで確実に挿入されたことを外から目視で確認するための透孔を開穿することも可能である。
折り曲げスペースSとは、後述するカシメ機Bによってカシメパイプ3を縮径変形させるために必要なスペースであり、そこには、変形可能な管体1の他に、カシメパイプ3の縮径変形の障害となる剛体が配置されないようにしている。
折り曲げスペースSを形成する方法の一例としては、カシメパイプ3の開口端部3bをニップル2の先端縁2eよりも先端側に突出させることで、開口端部3bを径方向内側へ縮径変形させるために必要な折り曲げスペースSが形成される。
また、その他の例としては、ニップル2の先端外周面2fを先端側に向かって徐々に小径となるテーパー状に傾斜させることで、このテーパー状傾斜面とカシメパイプ3の開口端部3bとの間に、開口端部3bを径方向内側へ縮径変形させるために必要な折り曲げスペースSが形成されるようにすることも可能である。さらに、カシメパイプ3の開口端部3bをニップル2の先端縁2eよりも先端側に突出させる配置と、ニップル2の先端外周面2fに形成されるテーパー状傾斜面を組み合わせることも可能である。
カシメダイスBaは、カシメパイプ3の外周面3aと接触するプレス面B1に、窪み部3cと対向する凸部B2と、押し曲げ部3dと対向する凹部B3を有している。凹部B3の底面は、カシメパイプ3の開口端部3bと対向する部位からカシメパイプ3の開口端縁3fと対向する部位に向かって徐々にカシメパイプ3の外周面3aと接近する方向へ傾斜するように形成され、この傾斜面を押し曲げ部3dに押し当てることが好ましい。
カシメ機Bの具体例としては、例えば油圧装置などの駆動源によって複数のカシメダイスBaをカシメパイプ3に向けて接近移動させる駆動式のカシメ機や、例えば実公平4−44270号公報に開示されるような手動式のカシメ機を用いることが可能である。
さらに、カシメ機Bによるカシメパイプ3のかしめ形状としては、全周を均一に締めるために断面略正八角形などにかしめる「八方締め」や、円筒状の俵を締めるように軸線方向の複数箇所をかしめる「俵締め」などが利用可能である。
先ず、カシメパイプ3の内周面に沿って管体1の接続端部を挿入して一体的に組み付けた後、図1(a)及び図2(a)に示されるように、管体1の接続端部が組み付けられたカシメパイプ3を、ニップル2に向けて移動させるか、又はニップル2を移動させることで、ニップル2の外周面が管体1の接続端部に対しその内面1aに沿って挿入される。
それに続いて、ニップル2の位置決め手段2dにカシメパイプ3の係止部3eを係合させるとともに、カシメパイプ3の係止部3eに対し管体1の切断面1fを接触させることで、ニップル2に対しカシメパイプ3及び管体1が管体1の挿入方向へそれぞれ位置決めされる。
その後、図1(b)及び図2(b)に示されるように、カシメ機Bによりカシメパイプ3を縮径変形させる。
それにより、図3に示されるように、カシメパイプ3の少なくとも開口端部3bに複数の窪み部3cと複数の押し曲げ部3dがそれぞれ形成され、これと同時に、管体1の接続端部を径方向へ弾性的に圧縮し、その内面1aがニップル2の外周面に圧接されて抜け止めされる。
この比較例A′では、「八方締め」によってカシメパイプ3′の外周面3a′に、その軸方向ほぼ全長に亘ってかしめ跡(シワ)3g′が、周方向へ所定間隔毎にそれぞれ突出形成される。
このような「八方締め」されたカシメパイプ3′及び管体1を、図4(a)に示されるように、管体1の外面1bに接触し且つその自由な移動が可能な内径としたガイド環Cに対して、その内周面C1と密着するように通過させようとした場合には、可撓性を有する管体1の屈曲変形によってカシメパイプ3′の軸線がガイド環Cの軸線に対し僅かな角度でも傾斜すると、カシメパイプ3′の開口端部3b′から突出するかしめ跡(シワ)3g′の端部がガイド環Cの内周面C1に突き当たって通過不能になってしまう。
それにより、管体1の外面1bを伝う水や付着した水を、ガイド環Cの内周面C1との密着によって拭い取ることはできず、さらにガイド環Cの内側へ水の入り込みを阻止することもできないという欠点がある。
さらに、管体1の外面1bから突出するかしめ跡(シワ)3g′の端部は、作業者の手や機器に引っ掛かるおそれがあり、危険であって安全性に劣るという欠点がある。
また図示しないが、比較例として「八方締め」に代え「俵締め」を行った場合には、カシメパイプの開口端部が、作業者の手や機器に引っ掛かるおそれがあり、危険であって安全性に劣るという欠点がある。
それにより、複数の窪み部3c及び複数の押し曲げ部3dで覆われる管体1の部位がそれぞれ圧縮変形するため、窪み部3c及び押し曲げ部3dがそれらと軸方向へ隣り合う管体1の外面1bから径方向外側へ突出することはない。
したがって、カシメパイプ3の外周面3aにおいて少なくとも開口端部3bを管体1の外面1bから突起物が生じないほぼ平滑に縮径変形させることができる。
その結果、可撓性を有する管体1の屈曲変形によってカシメパイプ3の軸線がガイド環Cの軸線に対し若干傾斜しても、縮径変形されたカシメパイプ3の開口端部3bをガイド環Cに対しスムーズに挿通させることができる。
それにより、ガイド環Cを通過する時にガイド環Cの内周面C1との密着によって、管体1の外面1bを伝う水や管体1の外面1bに付着した水を拭い取って水切りし、ガイド環Cの内側への水の入り込みを確実に阻止することができる。
それにより、カシメパイプ3をスムーズに縮径変形させることができる。
その結果、カシメパイプ3のかしめ作業を容易に行うことができる。
それにより、一回のかしめ加工でカシメパイプ3の外周面3aの少なくとも開口端部3bを管体1の外面1bから突起物が生じないように縮径変形させることができる。
その結果、二次加工が必要な管接続構造に比べ、かしめ作業を繰り返す必要がないため、時間と手間を短縮化できて生産性の向上が図れるとともに、かしめ跡の形状管理が容易で、且つ品質を安定化させることができる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
八方締め用のカシメ機Bは、八つのカシメダイスBaをカシメパイプ3の周方向へ等間隔毎にそれぞれが放射方向へ往復動自在に支持され、各カシメダイスBaのプレス面B1に一対の凸部B2と一つの凹部B3をそれぞれ形成し、油圧装置などの駆動源でカシメダイスBaを同時にそれぞれカシメパイプ3の外周面3aに向け接近移動させることにより、各カシメダイスBaのプレス面B1がカシメパイプ3の外周面3aにそれぞれ圧接して断面略正八角形にかしめる。
したがって、カシメ機Bによるカシメパイプ3の縮径変形に伴ってカシメダイスBa同士の隙間に生じるかしめ跡(シワ)3gが、少なくとも開口端部3bにおいて管体1の外面1bから突出しないようにかしめることができる。
その結果、カシメダイスBa同士の隙間に生じるかしめ跡(シワ)3gの端部が、ガイド環Cの内周面C1に突き当たって通過不能になることを防止できるという利点がある。
また、図示例のようにカシメ機Bによるカシメパイプ3のかしめ形状として「八方締め」しても、かしめ跡(シワ)3gが、開口端部3bにおいて管体1の外面1bから突出しないため、作業者の手や機器に引っ掛かるおそれがなく、安全性の向上を図ることができる。
継手部20は、他の機器(図示せず)に接続するための部位である。
図1(a)(b)及び図3に示される例では、継手部20として、シャワーヘッド(図示せず)の基端に挿入され且つ移動不能に固定される接続筒部20aを形成している。
また、その他の例として図示しないが、継手部20として、シャワーヘッド用の接続筒部20aに代え、湯水混合栓や水栓などの給水源に挿入され且つ移動不能に固定される、給水源用の接続筒部を形成することも可能である。
この場合には「俵締め」としても、カシメパイプ3の開口端部が管体1の外面1bから突出しないため、作業者の手や機器に引っ掛かるおそれがなく、安全性の向上を図ることが可能となる。
1b 外面 2 ニップル
3 カシメパイプ 3a 外周面
3b 開口端部 3c 窪み部
3d 押し曲げ部 3f 開口端縁
B カシメ機 Ba カシメダイス
B1 プレス面 B2 凸部
B3 凹部 S 折り曲げスペース
Claims (3)
- 可撓性を有する管体と、
前記管体の内面に沿って挿入されるニップルと、
前記ニップルの外側に前記管体を挟んで設けられるカシメパイプと、を備え、
前記カシメパイプは、前記管体の外面に向けて縮径される外周面と、前記外周面の前記管体の前記外面と軸方向へ隣り合う開口端部において前記カシメパイプの周方向へ所定間隔毎の複数箇所にそれぞれ前記外周面のその他の部位よりも凹んで形成される複数の窪み部と、前記外周面の前記開口端部において前記カシメパイプの周方向へ隣り合う前記窪み部の間にそれぞれ潰れて形成される複数の押し曲げ部と、を有し、
前記複数の窪み部及び前記複数の押し曲げ部で覆われる前記開口端部は、前記複数の窪み部及び前記複数の押し曲げ部が前記管体の前記外面から径方向外側へ突出しないレベルに設定されることを特徴とする管接続構造。 - 前記管体の前記外面に接触し且つその自由な移動が可能な内径を有するガイド環を備え、前記ガイド環に前記カシメパイプの前記開口端部が挿通されることを特徴とする請求項1記載の管接続構造。
- 前記押し曲げ部が、前記カシメパイプの前記開口端部から前記カシメパイプの開口端縁に向かって徐々に前記カシメパイプの前記外周面と接近する方向へ傾斜することを特徴とする請求項1又は2記載の管接続構造。
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