JP6000489B1 - エレキ尺八 - Google Patents

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Abstract

【課題】尺八の音色をマイクで電気信号に変換し、増幅させ、尺八のさらに大音量で澄んだ音色を実現する、使い勝手のよい改良されたエレキ尺八及び尺八音響システムを提供する。【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、尺八と、前記尺八の側面に接続され前記尺八の音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞で、上下端が封止され、側面に穴が穿設された筒である副管と、前記副管の上下長手方向の中央より上方で集音面を下方に向けて固定したマイクと、からなることを特徴とするエレキ尺八エレキ尺八とした。さらに、前記マイクの電気信号をスピーカーに有線又は無線で入力することを特徴とする尺八音響システムとした。【選択図】図1

Description

本発明は、尺八の音色をマイクで電気信号に変換し、増幅させ、尺八のさらに大音量で澄んだ音色を実現する、使い勝手がよく、マイク付尺八の改良であるエレキ尺八に関する。さらに、エレキ尺八とスピーカーを接続した尺八音響システムに関する。
尺八は、唄口の切り込みに当てる角度、方向、量を調節しながら、尺八側面に穿設された5つの穴(指穴)の開閉を指で操作し、12音階の音を奏でる。尺八の音色は癒しの音である。
尺八の音色は、狩猟民族のような西洋の飛んだり跳ねたりのリズム文化ではなく、農作業時の足をすりながら移動する農耕民族のすり足文化の音で、音から音へと間合いの拍子で日本古来の幽玄なる音色の世界を奏でる。
また、尺八の演奏は、息を長く吐き続けることで、座禅を組んで瞑想した時のようになり、脳を休ませ、とらえどころのない不安のようなストレスから開放され自律神経が安定することは周知の通りで、健康維持に役立つ。そのようなことから、幽玄なる音色を奏でる尺八の演奏に憧れる人々は、沢山いる。
健康を考えると、命の基の呼吸がまず先に頭に浮かび、腹式呼吸をして、代謝を高め、癒しの音色で、心の健康を考えようと、尺八吹奏に関心を抱く人々は多く、時代背景的にも、健康は、国や他人任せでは守れなくなってきているのも事実である。
しかし、初心者が尺八を手にしたとき、全く音を奏でることができず、無理だと諦める者が多いことが知られており、残念なことであった。
尺八は二千年以上の歴史があり、古来より七つの節を持った真竹で製作し、この竹尺八にも一長一短がある。近年化学技術の進歩発展により、プラスチック成型、木製の尺八模倣品が作られているが、それらにも一長一短がある。
(竹製尺八)
自然素材である竹は、曲がり具合や、内径、肉質の厚み、繊維の密度など一本一本違うため、これを正しい音律で、幽玄な音色を醸成できる楽器(尺八)に仕立て上げるのには、長い経験と技術、気力が必要となる。
竹製尺八は、七つの節をくりぬき、息の力だけで、真竹管内の空気分子を振動させ、しかも重量感のある音色を作れる管内の仕立は、内径の大きさ、息のスムーズな流れ、水分を多く含んだ息による耐久性などが考慮されている。真竹の節を抜いて凹凸に荒れた管内を、石膏などの硬質なもので塗り固め、盛り上げたり削ったり何度も何度も繰り返しながら研ぎ出し、内面を整えて調律する。表面には漆などを塗って、水分に対し耐久性を持たせている。
この様な工程を経ることで、真竹管内の内表面は硬質に、それを包む中間部は、竹繊維が通った、空気分子を多く含むコルク状、またその外側の尺八表面は硬い外皮という構造になり、共鳴しやすいサンドイッチ構造の円筒となっている。
しかしながらこの構造が竹製尺八の欠点にもなる。内壁、中間部のコルク状、表面の外皮、この三層構造で、中間部のコルク状は空気分子を多く含むため、環境温度の上下による湿度変化で、常に膨張したり、収縮したりする。この構造材質の収縮率の違いで、急激な温度変化に対応できなくなり、尺八が裂けてしまう事があり、尺八の管理には気を使わねばならなかった。
他方、高く軽いシャープな音色を出す、真竹と比べると細く比重の軽い、篠竹を使う篠笛などがある。一方、尺八は重厚な音色を醸し出すため、比重の重い真竹の根の部分、石膏などの硬質部分の割合を多くする。
この事が、力強い息を丹田から押し出す技術のない初心者には、尺八管を思うように振動させることができなく、扱いにくいものにしている。
(プラスチック及び木製尺八)
プラスチック尺八及び木製尺八は、律が安定した均一な仕上がり、工業製品として大量に生産可能で、ランニングコストが下がり、人々に喜ばれる。しかし、竹製を模して型を作っての製作なので、まがい物の感がぬぐえなく、プラスチック成形品も、堅木で作る木製品も、同様に肉厚で、比重が重くなり、竹製と同様初心者には扱いにくいものが殆どである。
そして、竹製の尺八のように、筒が前述の三層構造になっていなく均一であるので、期待した広がりのある、幽玄な音色を出すことはできない。
(塩化ビニル管尺八)
他方、尺八演奏で一番大事なのは唇の形である。次に息を唄口の切り込みに吹き当てる角度、方向とその量である。音階を奏でる指使いは音が発せられるようになってから十分学ぶことができるし、継続して練習することで上達もする。
そこで、発明者は、はじめての尺八の音出しを、スムーズに行えるように、音出しだけに専念できる、塩化ビニル製の練習用尺八(特許文献1)を開発した。
また、古来よりの難解な尺八楽譜を、解りやすい数字譜に置き換え、楽譜の理解のハードルを下げ、手軽に楽しく健康増進のために活用できる、尺八用音階早見表(特許文献2)、尺八用楽譜(特許文献3)を開発し、尺八吹奏の道を容易にした。
また、練習用尺八(特許文献1)に合わせて、尺八のように音階を奏でることができる、すなわち音階に対応した穴が穿設された塩化ビニル製尺八も開発している。
塩化ビニルの材料はどこでも簡単に入手でき、また特殊な機械設備がなくても、わずかな工具で、手軽に、律の安定した尺八を超安価で作ることができる。しかも管は硬質で肉厚は3ミリ程度なので、初心者の出す弱い息でも音出しが可能になる。
しかしながら、長所は欠点にもなり、吹手が経験を積んで、呼吸力が備わってくると、管厚が3ミリ程度の普通塩化ビニル管では、その振動を受け止められなくなり、音がひっくり返ってしまい(音割れ)、奏でるような奏法しかできない。ソプラノリコーダの様な吹き方となる。
そこで、発明者は、塩化ビニル管製の尺八の難点を克服すべき、弱い息から、お腹の底からの強い息にまで対応でき、竹尺八にも勝るとも劣らない、重量感があって広がりの感じられる、癒しの音色を出せ、しかも超安価にできる共鳴管付尺八(特許文献4)を開発した。
特許文献4の共鳴管付尺八は、尺八と、前記尺八の側面に接続され前記尺八の音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞の筒である共鳴管と、からなることを特徴とする。その結果、主管に共鳴管を密着させ、主管が醸し出す、幽玄な癒しの音色の振動音を共鳴管に共振させ、その音色に幅と重厚さを醸成することができるようになった。息の弱いわずかな主管の振動でも共鳴管が共鳴する事で大きな音が出る。強い息に対しても、振動する体積(重量)が増していることから、音割れすることなく対応できるのである。塩化ビニル管も重量のある特殊な管(ライナー入り)を採用すると、さらに効果的であった。
しかしながら、体育館、演奏ホールなどで尺八を独演する場合、人々の会話、壁などに打ち消され、十分な音量で奏でることができないことがある。そこで、マイクによる集音、スピーカーから音色を発生させる方法が考えられる。ところが、一般のホールでは、会話・講演用マイク、ボーカル用マイク(ダイナミックマイク)を使用し、空気振動を介して集音するため、十分に尺八の音色を集音することが困難である。
加えて、尺八は、唄口に息を吹きかけ音を奏でるため、マイクの位置が制限される。マイクを尺八の正面側に配置した場合には、ゴーゴーと風の音(風切音)がしてしまう。他方、背面側中部では十分な振動量がなく、十分に集音できない。さらに、正面、背面、或いは左右側面位置にマイクを配置すると、尺八は上下左右に動かしながら音を奏でるため、その動作に邪魔になってしまう。
さらに、マイクを尺八の下端方向に配置した場合にも、風切音を集音してしまい、澄んだ尺八の音色にならない。
そこで、発明者は、尺八の音色をマイクで電気信号に変換し、増幅させ、尺八の大音量で澄んだ音色を実現するマイク付尺八及び尺八音響システム(特許文献5)を考案した。
特許文献5のマイク付尺八及び尺八音響システムは、特許文献5の図1に示すように、尺八2と、前記尺八2の下部外側に固定したマイク7と、からなるマイク付尺八1であって、尺八2と、尺八2の側面に接続され音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞の筒である共鳴管5と、前記共鳴管5下部内側に固定したマイク7と、からなることを特徴とする。さらに、他の実施形態として、図7に示すマイク付尺八1aも含む。さらに、前記マイク7と、スピーカー8を接続したことを特徴とする尺八音響システム10とした。
特許文献5の開発段階では、マイク7は、共鳴管5を備える場合には共鳴管5の下部内側に固定することとしていた。それは、マイク7をそれら位置に固定することで、振動が最大で、かつ息の風切音を集音することなく、指の動作、把持にも邪魔にならないと考えたためである。確かに、特許文献5のマイク付尺八1aでは、息の風切音を集音することなく、指の動作、把持にも邪魔にならない。
ダイナミックマイクでは尺八の音は、十分に集音できないことから、コンデンサーマイクを共鳴が最大と思われていた副管5aの下端に設けることを視野に特許文献5は開発されたものであるが、コンデンサーマイクでは、どうしても感度が高く、ハウリングを起こしてしまうため、ボリュームつまみ7bによるハウリングの解消操作が必要になった。
しかしながら、特許文献5の図7,8に示す、マイク付尺八1aでは、スピーカー8とマイク付尺八1a(マイク7)が近傍にあると、ハウリング現象が起こるが、副管5aの下端部にボリュームつまみ7bがあると、ハウリングの解消のためのボリュームつまみ7bの回転操作はしづらく、またボリュームつまみ7bと、マイク7の位置が近いと音量調整の際、マイク感度が高いと、操作音がノイズとして拾われてしまう問題があった。さらに、物にぶつけてボリュームつまみ7bが破損することがあった。さらに、実際は、マイク7の位置が副管5aの下部では最大音量での集音はできなかった。
他方、発明者は、同じ唄口(口部)で、一貫して、尺八の唄口への息の吹きかけ方、即ち尺八の音の発し方の練習、さらに尺八の演奏を可能にする尺八セット(特許文献6)を考案した。これにより、大音量であっても音割れ防ぐことも可能になった。
特許文献6の尺八セットは、特許文献6の図1に示すように、尺八の唄口2cを備える口部2と、口部2に着脱可能に接続する練習用管とからなる。練習用管として、息の吹きかけ方を練習する練習用短管3と、練習用短管3より長く、強い息の吹きかけ方を練習する練習用長管5を備える。さらに、尺八の音階に対応する穴6a、6b、6c、6d、6eが穿設された音階管6を備え、音階管6を口部2に着脱可能に接続する。口部2と、各管との接続が、貫通孔4aを穿設したジョイント4を介して連結されるものであって、貫通孔4aに口部2の下端2h及び各管の上端3b、5a、6fを嵌入させるというものである。
実用新案登録第3175916号公報(練習用尺八) 実用新案登録第3185053号公報(尺八用音階早見表) 実用新案登録第3185768号公報(尺八用楽譜) 実用新案登録第3185768号公報(共鳴管付尺八) 実用新案登録第3197607号公報(マイク付尺八) 実用新案登録第3199364号公報(尺八セット)
そこで、本発明は、尺八の音色をマイクで電気信号に変換し、増幅させ、尺八のさらに大音量で澄んだ音色を実現する、使い勝手のよい改良されたマイク付尺八であるエレキ尺八及び尺八音響システムを提供する。
発明者は、鋭意研究した結果、マイク7による音の最大集音箇所は、副管5a下部でないことを見出した。副管5aに穿設した穴の位置とマイク7との関係でさらに改善されることがわかって、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、上記の課題を解決するために、
(1)
尺八と、
前記尺八の側面に接続され前記尺八の音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞で、上下端が封止され、側面に穴が穿設された筒である副管と、
前記副管の上下長手方向の中央より上方で集音面を下方に向けて固定したマイクと、
からなることを特徴とするエレキ尺八。
(2)
尺八と、
前記尺八の側面に接続され前記尺八の音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞で、上下端が封止され、側面に穴が穿設された筒である副管と、
前記副管の上下長手方向の中央より上方で集音面を下方に向けて固定したマイクと、
前記副管の上端を封止して設けられ、前記マイクの音量を調節するボリュームつまみと、
前記副管の下端を封止して設けられ、前記マイクからの音の電子信号の出力口であるジャックボックスと、
からなることを特徴とするエレキ尺八。
(3)
前記副管の側面の穴が、前記マイクの集音面より3cm以内の下方に位置することを特徴とする(1)又は(2)に記載のエレキ尺八。
(4)
(1)〜(3)のいずれか1つに記載のエレキ尺八のマイクの電気信号をスピーカーに有線又は無線で入力することを特徴とする尺八音響システム。
とした。
本発明は、マイクの固定位置と副管の側面の穴の位置、さらにボリュームつまみ及びジャックボックスの位置を特定する上記構成であるので、音量調整が容易で、物に当たりにくいため、ボリュームツマミを破損させることがなく、ハウリングの解消操作も容易な使い勝手のよいエレキ尺八であって、副管内部にマイクがあり風切音がなく、演奏の邪魔にならず、尺八の音色を最大音量で集音できる。さらに共鳴管、加えて振動ブレードを備えれば、より効率的に尺八の音色を集音できる。その結果、ホール等の大きな演奏会場であっても、演奏会場のマイク性能に頼らず、尺八のさらに大音量で澄んだ音色を実現でき、尺八の独奏をより改善することを可能にする。
本発明であるエレキ尺八及び尺八音響システムの一例の正面模式図である。 本発明であるエレキ尺八の一例の背面図である。 本発明であるエレキ尺八の一例の左側面図である。 本発明であるエレキ尺八の一例の平面図である。 本発明であるエレキ尺八の一例の底面図である。 図1のA−A‘(A)、B−B’(B)、図3のC−C‘(C)断面図模式図である。
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
図1から図6に示すように、本発明であるエレキ尺八1は、尺八2と、共鳴管5と、マイク7等を含むマイク装置とからなる。エレキ尺八は、マイク付尺八、或いはエレクトリック尺八、電気式尺八、又は電子尺八などと呼称することもできる。
さらに、エレキ尺八1に、マイク7から出力される尺八2の音色に対応する電気信号7aを受けて、尺八2の音を発生させるスピーカー8を備えることで、尺八音響システム10となる。スピーカー8は、アンプ9で増幅した電気信号7aを受けることもできる。マイク7からの電気信号7aは、有線或いは無線でスピーカー8に入力(接続、送信)される。
尺八2(主管)は、下管3と、口部4と、下管3と口部4を接続する貫通孔を穿設したジョイント2aからなり、貫通孔3iを備える。尺八2は、ここに示す他、特許文献4,5に示すように一本タイプの尺八であってもよい。
下管3は、音階を決める穴3a、3b、3c、3dが正面に4つ、背面に穴3eが1つ穿設され、両端が開口した樹脂製、例えば、塩化ビニル製の管である。本発明では、従来の竹製、木製、或いは塩化ビニル以外のプラスチック製であってもよい。
下管3は、さらには、温度等による伸縮に耐性の強い、ライナー3hでライニングされた水道管(ライニング管)が好ましい。ここでは下管3内部に埋没するライナー3hを例示したが、下管3内部に硬質樹脂をコーティングした塩化ビニルライニング管であってもよい。ライニング管は、通常の塩化ビニルより重さ、体積が増し、強い息の吹きかけ、振動をも受け止め、音割れを防止することができる。下管3の長さは自由であり、短いと高音で長いと低音になる。特に、下管3が短い場合に、音割れが頻発する。後述の口部4の内筒4f、副管5aにおいても同じである。
口部4は、下管3と内外ともに同径の内筒4fと、内筒4fの一端を残し内部に収納する外筒4gからなり、外筒4gが被覆されていない内筒4fの一端をジョイント2aの一方から貫通孔2bに嵌められる、樹脂製、例えば、塩化ビニル製の管である。口部4(外筒4g)の外径は、下管3の外径よりも大きく(厚く)、また口部4(内筒4f)の内径は下管3の内径とほぼ等しく、外筒4gの上端は内筒4fの上端まで達している。そして、内筒4fと外筒4gとは接着されている。
その上で、内筒4fと外筒4gが嵌合した部分の一側面は斜めに削られた傾斜部4d、4bとし、傾斜部4dの端部の中央をさらに削り込まれ、正面半楕円形状の切欠き4eを備えて唄口4aとし、反一側面には顎に当てる当接部4cとした。当接部4cの角は、図3等に示すように、緩やかに丸みを帯びた状態に加工され、顎を当てた際に痛みを感じることがない。
主管(尺八2)を口部4と下管3に分割し、ジョイント2aで連結することで、唄口4aが劣化、破損した場合であっても、口部4以外の他の部分は壊れ、劣化しづらいことから、口部4だけを交換することができ、修理困難な唄口4aの修理をすることなく、また尺八全部を新調する必要もなく、経済的である。また、口部4を下管3より厚い構造のすることも容易になる。
ジョイント2aは、図1に示すように、内部に貫通孔2bが穿設され管で、口部4と下管3を内部で接触し、連結させる。
また、ジョイント2aは、樹脂成形、或いは木材を加工してできる。木材を用いる場合には硬質なものがよく、例えば、ブナ材、カシ材などが例示できる。ジョイント2aは、外周を六角形等の角形にすることで、各管の回転、転落を防止することができ望ましい。さらに、ジョイント2aは、口部4付近に配置することで、口部4の重量が増し、口部4の肉厚化と同様に音割れすることなく、大音量化に資する。
共鳴管5は、副管5aと、振動ブレード5bからなる。
副管5aは、下管3と同様に内部にライナー5cを備える空洞5dの筒で、下管3よりやや短く、底部は同一位置にあり、下管3の側面に、接着剤その他連結具(例えば、金属線による結束、ビス6aによるネジ留)で接続(密着部6)され、尺八2の音で共鳴する。
副管5aには、さらに、上下が、後述のボリュームつまみ7b、ジャックボックス7gで、封鎖されている。他方、裏側には、配置されたマイク7より下方の位置に穴を穿設する。ここでは、穴5e、5f、2つ穿設した。副管5aの長さに応じて、穴の開口度は適宜最適化される。穴の開口が広すぎても、狭すぎても共鳴が弱くなる。
振動ブレード5bは、必須ではないが、2辺が副管5aの内部に接触し、音色を共鳴させるとともに増幅させる。振動ブレード5bを設けることで、尺八2の音色が増幅され、マイク7で効果的に尺八2の音色を集音できる。振動ブレード5bの固定方法としては、副管5aの側面からビス6aを下管3に通し、ネジ留等が例示できる。長さは副管5aと同じ長さにすると最大の共鳴を得られる。
振動ブレード5bとしては、例えば木、竹ひご、プラスチック、金属などが例示できる。選択した振動ブレード5bの素材により、音色が変わる。軟らかい素材の振動ブレード5b、例えば木、竹ひご製であれば軟らかい音色になり、硬い素材の振動ブレード5b、例えばアルミニウムであれば高音の音色になる。
このようにしてなる共鳴管5は、尺八2の音を共鳴させるとともに増幅させ、音割れを防止するとともに、スピーカー8から大音量で澄んだ尺八2の音色を発生させることができだ、大ホールでの尺八2の独奏も可能な音量とすることができる。
マイク装置は、マイク7と、ボリュームつまみ7bと、ジャックボックス7gと、ジャックボックス7gに接続するプラグ7cを一端に備え、他端がアンプ9に接続するコントロールボックス7dと、それぞれを接続するリード線7eからなる。マイク7の集音側にスポンジ(図示せず)を配置することで、ノイズ軽減を図れる。
マイク7としては、市販のムービング・コイル型、リボン型、コンデンサ型、カーボンマイク、圧電マイク、レーザーマイクなどが例示できる。有線、無線で尺八2の音色に相当する振動を電気信号7aに変換し、スピーカー8から大音量で澄んだ音色を発生させる。マイクには、集音量を調節できるボリュームつまみ7bを備えると手元で、音量を操作でき好適である。特に、集音感度、ボリューム操作の観点から、コンデンサ型のマイク(コンデンサ−マイク)が好適である。なお、ノイズ低減素材、例えばスポンジ7hをマイク7の集音側に配置するとよい。
マイク7は、副管5aの上下長手方向の中央より上方で集音側を下方に向けて固定する。マイク7をそれら位置に固定することで、最大音量での集音が可能で、かつ息の風切音を集音することなく、指の動作、把持にも邪魔にならない。
マイク7は、特に、図1に示すように、副管5aの上から、副管5aの全長の1/5〜1/4程度の位置が最適である。例えば、下管3の裏面の穴3eの横にある副管5aの穴5eの縁と、マイク7の集音面との距離(L)が3cm以内とすることが好ましい。マイク7と穴5eとの距離(L)が離れすぎると、尺八2を吹いていない場合でも「ボー」という、副管5a内部での反響音が集音されてしまう。したがって、より好ましくは、マイク7の集音面を、副管5aの側面(ここでは背面)の穴5eから1cm以内の距離(L)に位置させる、さらには、穴5e(穴5f)に隣接させる。
ここでは、穴5e、5fを2つ穿設したが、それは、共鳴度合いを穴の広さで調節するためであり、穴の数、大きさは、副管5aの径、副管の長さに応じて、適宜選択される。穴5e(5f)が無く、副管5aの上下端が封止された場合には、マイク7で音を得ることはできない。
そして、エレキ尺八1は、一般的な竹製尺八と同様に演奏することができる。また、エレキ尺八1は塗装してもよい。さらに、下管3と共鳴管5を一体成形してもよい。
このようにしてなるエレキ尺八1は、手に収まり、共鳴管5及びマイク7は指動にも邪魔にならず、強い息にも、音割れすることなく、幽玄な癒しの音色の尺八2の振動音を共鳴管5に共振させ、さらに振動ブレード5bで増幅させた上で、マイク7で電気信号7aに返還し、スピーカー8からさらに大音量で尺八2の音を発生させる使い勝手のよいものである。その音色に幅と重厚さを醸成することができ、ホールでの演奏、独奏をも可能にする。単に、尺八2の周辺からマイクで集音した場合よりも大音量になる上、息による風切音も発生しない。
エレキ尺八1は、市販の塩化ビニル管を使用することができるので、極めて低廉で、加工も容易なため、簡単に作ることができる。もちろん、竹製、木製、塩化ビニル以外のプラスチック製尺八でも、同様にマイク7を固定することで、スピーカー8から大音量で澄んだ尺八2の音を発生させることができる。
図6に、エレキ尺八1の断面模式図を示した。ここでは、マイク7は、コンデンサーマイクの例を示す。副管5aは、下管3とビス6aで連結されているため、固定される。
副管5aの上下端には、それぞれ上蓋7iと下蓋7kで封止され、内部には、マイク7を固定する中筒7mが固定されている。振動ブレード5bは、副管5aの下端より少し短めにして、ジャックボックス7gの収納スペースを確保する。
マイク7の固定としては、図6(B),(C)に示すように、副管5aの内径に嵌る中筒7m内に固定した上で、中筒を副管の所定の位置にスライド固定するなどするとよい。その際、リード線7eを通すスペースが必要のときは、中筒7mに配線穴7nを穿設する。図6(B)では、配線穴7nに位置する配線の図示は省略した。
マイク7は、抵抗可変で、音量を調節するボリュームつまみ7bにリード線7eを介して接続し、ボリュームつまみ7bは、リード線7fを介して副管5aの下端のジャックボックス7gに接続する。ジャックボックス7gには、スピーカー8に接続するプラグ7cが嵌着する。
マイク7が、コンデンサーマイクの場合には、電源が必要になるため、電池を内蔵するコントロールボックス7dが、プラグ7cとアンプ9との間に備えられる。マイク7が圧電マイクの場合には、電源を必要としないため、コントロールボックス7dは不要である。
このように、マイク7を副管5aの内部に配置することで、尺八の音色以外の音を拾うことが低減する。その結果、ハウリング現象も従来から一層抑制される。
1 エレキ尺八
2 尺八
2a ジョイント
2b 貫通孔
3 下管
3a 穴
3b 穴
3c 穴
3d 穴
3e 穴
3h ライナー
3i 貫通孔
4 口部
4a 唄口
4b 傾斜部
4c 当接部
4d 傾斜部
4e 切欠き
4f 内筒
4g 外筒
5 共鳴管
5a 副管
5b 振動ブレード
5c ライナー
5d 空洞
5e 穴
5f 穴
6 密着部
6a ビス
7 マイク
7a 電気信号
7b ボリュームつまみ
7c プラグ
7d コントロールボックス
7e リード線
7f リード線
7g ジャックボックス
7h スポンジ
7i 上蓋
7k 下蓋
7m 中筒
7n 配線穴
8 スピーカー
9 アンプ
10 尺八音響システム

Claims (3)

  1. 尺八と、
    前記尺八の側面に接続され前記尺八の音を共鳴させるとともに増幅させる内部空洞で、上下端が封止され、側面に穴が穿設された筒である副管と、
    前記副管の上下長手方向の中央より上方で集音面を下方に向けて固定したマイクと、
    前記副管の上端を封止して設けられ、前記マイクの音量を調節するボリュームつまみと、
    前記副管の下端を封止して設けられ、前記マイクからの音の電子信号の出力口であるジャックボックスと、
    からなることを特徴とするエレキ尺八。
  2. 前記副管の側面の穴が、前記マイクの集音面より3cm以内の下方に位置することを特徴とする請求項1に記載のエレキ尺八。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエレキ尺八と、前記エレキ尺八前記マイク有線又は無線で接続されたスピーカーと、
    からなることを特徴とする尺八音響システム。
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