JP2021032948A - 木管楽器用マウスピース - Google Patents

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曉 林
Akira Hayashi
曉 林
友梨江 赤岩
Yurie Akaiwa
友梨江 赤岩
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【課題】木材を用いた木管楽器用マウスピースの耐水性を高める。【解決手段】木材から構成された本体101と、本体101の表面に形成された漆塗り層102とを備える。本体101は、例えば、黒檀、紫檀、ブビンガ、紅木、カリン、樫などの木材から構成されている。漆塗り層102は、漆から構成されている。漆塗り層102は、例えば、本体101の表面に接して形成された生漆の塗膜による第1層と、第1層の上に形成されて、砥の粉が混合された生漆の塗膜による第2層と、第2層の上に形成された漆の塗膜による第3層とを備える【選択図】 図1

Description

本発明は、木管楽器用マウスピースに関する。
サクソフォンは、誕生以来、管部分が黄銅、洋白、銀等の金属で製作されているが、シングルリードのマウスピース(吹口)を備えているため、木管楽器に属している。また、サクソフォンは、金管楽器と木管楽器の音を融和させる楽器として誕生したものであるが、豊かな音量と広い表現力を示し、しかも奏法が容易であるということから、現代ではあらゆるジャンルの花形楽器として人気を博している。
この中で、マウスピースは、硬さを保つために、フェノール樹脂、エボナイトなどのプラスチックや金属を材料として形成されている。これらの材料は、求められる音色により適宜に選択されている。また、木製のマウスピースも用いられている。ところで、マウスピースは、唾液などの水分が触れる環境で用いられるが、木材は含水しやすいため、木製のマウスピースは、木製のマウスピース用のラッカーなどの塗料を表面に塗布し、水の進入を防ぐようにしている。
しかしながら、上述したラッカーなどの塗料による保護では、水分の進入を完全に防ぐことができず、経時による木製マウスピースの劣化を招くという問題があった。特に、演奏においてリードが衝突する幅が1mm程度のマウスピースのサイドレールの部分は、含水による劣化が大きく問題となる。このように、従来の木材を用いた木管楽器用マウスピースは、耐水性が低いという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、木材を用いた木管楽器用マウスピースの耐水性を高めることを目的とする。
本発明に係る木管楽器用マウスピースは、木材から構成されて、一端側に形成されたウィンドウとウィンドウの両側に配設されたサイドレールとを有する略筒状の本体と、本体の表面に形成された漆塗り層とを備える。
上記木管楽器用マウスピースの一構成例において、漆塗り層は、本体の表面に接して形成された生漆の塗膜による第1層と、第1層の上に形成されて、砥の粉が混合された生漆の塗膜による第2層と、第2層の上に形成された漆の塗膜による第3層とを備える。
上記木管楽器用マウスピースの一構成例において、漆塗り層は、積層された複数の第3層を備える。
上記木管楽器用マウスピースの一構成例において、漆塗り層の本体の表面と接触する部分は、一部が、導管および木繊維を含む本体の隙間に入り込んでいる。
以上に説明したように、本発明によれば、木材から構成された本体の表面に漆塗り層を備えるようにしたので、木材を用いた木管楽器用マウスピースの耐水性を高めることができる。
本発明の実施の形態における木管楽器用マウスピースの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態における木管楽器用マウスピースの構成を示す平面である。
以下、本発明の実施の形態に係る木管楽器用マウスピースについて、図1、図2を参照して説明する。なお、図1は、図2のaa’線の断面を示している。
本実施の形態に係る木管楽器用マウスピースは、その内部にチェンバー103を有するとともに、木管楽器用マウスピースの奏者が咥える側にウィンドウ107が形成された略筒状の部材である。ウィンドウ107が形成された一側面には、リード(図示せず)を載置するために平らに形成されたテーブル108が設けられている。木管楽器用マウスピースの奏者が咥える側は、図1に示すように、側面視で先端に向かって細くなるようにテーパー状に形成されており、マウスピースの軸線を挟んでウィンドウ107と反対側に位置するバッフル104がマウスピースの軸線に対して斜めに傾斜して、マウスピースの先端部においてティップレール106を形成する。
また、図2に示すように、平面視でウィンドウ107の両側に配設されたサイドレール105が、テーブル108からティップレール106にかけて延在している。テーブル108にリード(図示せず)をリガチャー(図示せず)によって固定したとき、これらサイドレール106からティップレール106にかけての上面とリードとの間に適度な隙間が形成され、その隙間に奏者が息を吹き込むことによってリードを振動させることができる。木管楽器用マウスピースのティップレール106が形成された側とは反対側の端部は、木管楽器本体と接続できるよう、円筒形状に形成されている。
この木管楽器用マウスピースは、木材から構成された本体101と、本体101の表面に形成された漆塗り層102とを備える。本体101は、例えば、黒檀、紫檀、ブビンガ、紅木、カリン、樫などの木材から構成されている。また、本体101は、ココボロ、オリーブ、メープル、グラナディラ、桜、楢、タモ、栗、欅、くるみ、ブラックウォルナット、白檀、タガヤサン、ローズウッドなどの木材から構成することもできる。
また、本体101は、アカガシ、イペ、ウリン(アイアンウッド)、グリーンハート、シラガシ、ジリコテ、ツゲ、スネークウッド、リグナムバイタ、アオダモ、アフゼリア、アメリカンレッドオーク、アンダマンパドウク、イタヤカエデ、ウォルナット、オーストラリアンブラックウッド、カヤ、クイーンズランド、ウォルナット、クロガキ、クワ、ジャカランダ、シュガーメープル、シュリザクラ、セイロンサテンウッド、ゼブラウッド、タブノキ、タモ、チェチェン、チェリー、ナラ、パウアマレロ、パシフィックイチイ、パドック、パープルハート、ヒッコリー、ブナ、ブラジリアンチューリップウッド、ホリー、ホワイトアッシュ、ホンジュラスローズウッド、マカバ、マテバシイ、マホガニー、モアビ、ヤマザクラ、ヨーロッパイチイ、ヨーロピアンアッシュ、ヨーロピアンボックスウッド、ラブルナム、ラミン、レモンウッドのいずれかから構成することもできる。
漆塗り層102は、漆から構成されている。漆塗り層102は、例えば、本体101の表面に接して形成された生漆の塗膜による第1層と、第1層の上に形成されて、砥の粉が混合された生漆の塗膜による第2層と、第2層の上に形成された漆の塗膜による第3層とを備える。第3層は、例えば、透漆、黒漆の塗膜である。また、第3層は、顔料が混合された透漆の塗膜とすることもできる。また、第3層は、複数が積層されている構成とすることもできる。
以下、木管楽器用マウスピースの製造について、簡単に説明する。まず、所定の形状に整形した木製のマウスピースに対して「木地固め」をする。この工程では、木製のマウスピースの表面に、灯油あるいはテレピン油で希釈した生漆を刷毛で塗布する。希釈した生漆を塗布することで、生漆が木製のマウスピースの表面より内部に浸透する。これにより、生漆がマウスピース本体の隙間に入り込む状態となる。マウスピース本体の隙間とは、導管や木繊維などによる隙間である。この状態で漆が固まれば、マウスピース本体の木地の強度を上げることができる。塗布した後、余分な部分を拭き取り、所定の乾燥室で乾燥する。「木地固め」の工程は、この後の工程における木製のマウスピースに対する漆の浸透を均一化するために、あらかじめ木製のマウスピースの全体に漆を吸収させることも目的としている。
次に、「木地固め」をした木製のマウスピースに、「拭き錆」を実施する。この工程では、生漆+砥の粉で、木製のマウスピースの表面の傷や導管を埋める。砥の粉は、あらかじめ適量の水と混ぜペースト状にしておく。また、生漆+砥の粉の余分な部分は拭き取り、所定の乾燥室で乾燥する。「拭き錆」の工程は、導管や傷などが埋まるまで繰り返す。
次に、「拭き錆」をした木製のマウスピースに、「擦り漆」を実施する。この工程では、「拭き錆」をした木製のマウスピースの全体に生漆を擦り込み、所定の乾燥室で乾燥する。「擦り漆」は、艶が出るまで繰り返して実施する。なお、この後、磨き粉による磨きの工程を行うこともできる。ここで、前述したように、木地固めの工程により、漆塗り層の本体の表面との接触する部分は、漆塗り層の一部が導管を含む本体の隙間に入り込んでいる状態となり、マウスピースの機械的強度がより高くなる。
以上に説明したように、本発明によれば、木材から構成された本体の表面に漆塗り層を備えるようにしたので、木材を用いた木管楽器用マウスピースの耐水性を高めることができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…本体、102…漆塗り層、103…チェンバー、104…バッフル、105…サイドレール、106…ティップレール、107…ウィンドウ、108…テーブル。

Claims (4)

  1. 木材から構成されて、一端側に形成されたウィンドウと前記ウィンドウの両側に配設されたサイドレールとを有する略筒状の本体と、
    前記本体の表面に形成された漆塗り層と
    を備える木管楽器用マウスピース。
  2. 請求項1記載の木管楽器用マウスピースにおいて、
    前記漆塗り層は、
    前記本体の表面に接して形成された生漆の塗膜による第1層と、
    前記第1層の上に形成されて、砥の粉が混合された生漆の塗膜による第2層と、
    前記第2層の上に形成された漆の塗膜による第3層と
    を備えることを特徴とする木管楽器用マウスピース。
  3. 請求項2記載の木管楽器用マウスピースにおいて、
    前記漆塗り層は、積層された複数の前記第3層を備えることを特徴とする木管楽器用マウスピース。
  4. 請求項1〜3のいずれが1項に記載の木管楽器用マウスピースにおいて、
    前記漆塗り層の前記本体の表面と接触する部分は、一部が、導管および木繊維を含む前記本体の隙間に入り込んでいることを特徴とする木管楽器用マウスピース。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6388083A (ja) * 1986-09-30 1988-04-19 Hitoshi Kihara 漆塗製品の製造方法
JP3153055U (ja) * 2009-06-12 2009-08-20 誠五 金岩 竹製管楽器
JP2017191246A (ja) * 2016-04-14 2017-10-19 二郎 須澤 エレキ尺八
JP3213451U (ja) * 2016-10-06 2017-11-09 ハン キム,ドゥ 管楽器用マウスピースリード

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