JP5998954B2 - 画像形成装置及びプログラム - Google Patents
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Description
まず、画像形成装置の主要構成について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10には、例えば、電子写真感光体(以下「感光体」と称する)12(像保持体の一例)が設けられている。感光体12は、円柱状とされ、モータ等の駆動部27にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動部27により、黒点で示す回転軸の周りに回転駆動される。図1に示す例では、矢印A方向に回転駆動される。
感光体12は、例えば、導電性基体と、この導電性基体上に形成された下引き層と、この下引き層の上に形成された感光層と、から構成されている。この感光層は、電荷発生層と電荷輸送層との2層構造であってもよい。また、感光層は、最表面に保護層を設けた構成であってもよい。下引き層は、結着樹脂と、金属酸化物粒子と、電子受容性化合物と、を含んで構成されている。
帯電装置15は、感光体12の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体12表面に接触または非接触で設けられ、感光体12の表面を帯電する帯電部材14、及び帯電部材14に帯電電圧を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を含んで構成されている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
潜像形成装置16(潜像形成部の一例)は、帯電された感光体12の表面に静電潜像を形成する。具体的には、例えば、潜像形成装置16は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36により駆動制御されて、帯電部材14により帯電された感光体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを照射して、感光体12上に画像情報の画像に応じた静電潜像を形成する。
現像装置18は、例えば、潜像形成装置16による光Lの照射位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。本実施の形態では、この収容部には、体積平均粒径が80nm以上180nm以下の無機粒子とシリコーンオイルにより表面処理されたシリカ粒子とが外添されたトナーを含む現像剤が収容されている。以下では、体積平均粒径が80nm以上180nm以下の無機粒子を「大粒径外添剤」と称し、シリコーンオイルにより表面処理されたシリカ粒子を「オイル処理シリカ」と称する。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。なお、大粒径外添剤とオイル処理シリカとを含む現像剤については後述する。
転写装置31は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。転写装置31は、例えば、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30A(被転写体の一例)へ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30(転写部材用の電圧印加部の一例)と、を含んで構成されている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
清掃装置22は、転写領域32Aより感光体12の回転方向下流側に設けられている。清掃装置22は、トナー像を記録媒体30Aに転写した後に、感光体12に付着した付着物を除去する。清掃装置22は、感光体12上の残留トナーや紙粉等の付着物を除去する。本実施の形態では、清掃装置22は、感光体12に予め定めた線圧で接触する板状部材(以下、「清掃ブレード」という。)22Aを有している。清掃ブレード22Aは、例えば、線圧10g/cm以上150g/cm以下で感光体12に接触する。
除電装置24(除電部の一例)は、例えば、清掃装置22より感光体12の回転方向下流側に設けられている。除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体12の表面を露光して除電する。具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36により駆動制御されて、感光体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
定着装置26は、例えば、転写領域32Aより記録媒体30Aの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。定着装置26は、例えば、記録媒体30A上に転写されたトナー像を定着する。具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御部36に電気的に接続されており、制御部36により駆動制御されて、記録媒体30A上に転写されたトナー像を熱または熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
ここで、画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
まず、感光体12の表面が帯電装置15により帯電される。潜像形成装置16は、帯電された感光体12の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体12上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電潜像が現像される。これにより、感光体12の表面に、トナー画像が形成される。転写装置31では、感光体12の表面に形成されたトナー画像が記録媒体30Aへ転写される。記録媒体30Aに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。一方、トナー画像を転写した後の感光体12の表面が、清掃装置22により清掃され、除電装置24により除電される。
次に、画像形成装置の制御系について説明する。
図2は図1に示す画像形成装置の制御系の構成の一例を示すブロック図である。また、図3は図2に示す画像形成部の制御系の構成を更に詳細に示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、制御部36の外に、操作表示部40、画像処理部42、画像メモリ44、画像形成部46、記憶部48、及び通信部50を備えている。
次に、本実施の形態に係る現像剤について説明する。
(現像剤)
本実施の形態に係る現像剤は、大粒径外添剤とオイル処理シリカとが外添されたトナーを含む現像剤である。上記の通り、大粒径外添剤とは、体積平均粒径80nm以上180nm以下の無機粒子である。無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子等が挙げられる。無機粒子は、各種カップリング剤により疎水化処理が施されていてもよいが、非オイル処理の粒子である。
ここで、外添剤の機能について説明する。
現像装置内で長時間撹拌されるなど、現像剤がストレスに曝されると外添剤がトナー母粒子に埋没し、転写性能が低下するという問題がある。従来、このストレスによる転写性能低下という問題に対しては、大粒径外添剤の使用が有効であることが知られている。即ち、大粒径外添剤には、転写性能を維持する機能がある。
次に、ゴースト抑制方法の概要について説明する。
本実施の形態では、画像情報に基づいてゴーストが発生すると予測される場合に、感光体上に形成されたトナー像を被転写体に転写する際の転写電界を変更して、ゴーストの発生を抑制する。
(転写電界変更条件)
次に、ゴーストが発生すると予測される場合(転写電界変更条件)について説明する。
感光体12の表面に「高濃度のトナー像」が形成されると、清掃ブレード22Aの先端をすり抜ける大粒径外添剤62が増加する。すり抜ける大粒径外添剤62が増加すると、記録媒体30A上に形成される画像に濃度変化が発生する。しかしながら、記録媒体30A上に形成される画像が、ベタ画像等の画像濃度の高い画像であれば、濃度変化が発生しても視認され難い。これに対し、記録媒体30A上に形成される画像が、中間調画像等の画像濃度の低い画像の場合には、濃度変化がゴーストとして視認される。
次に、ゴースト発生を抑制するメカニズムについて説明する。
図5はゴースト評価用チャートを示す図である。このゴースト評価用チャートの画像を形成する場合を例にして、ゴースト発生を抑制するメカニズムを更に具体的に説明する。図5に示すように、ゴースト評価用チャートの画像PGは、トナーが載る画像部Pgと、トナーが載らない非画像部Pngとで構成されている。
次に、画像形成装置10で実行される「転写電界制御処理」の手順を簡単に説明する。
図7は「転写電界制御処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。「転写電界制御処理」の制御プログラムは、ROM36Bから読み出され、CPU36Aにより実行される。「転写電界制御処理」の制御プログラムは、通信部50を介して外部装置から、単位処理に係る画像形成指示等を受け取ると開始される。なお、処理中に取得された情報は、ワークエリアであるRAM36Cに記憶されて適宜使用される。
(現像剤1の作製)
−トナー粒子の作製−
−ポリエステル樹脂粒子分散液の調製−
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
・シアン顔料〔C.I.PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
・カルナバワックス〔RC−160、溶融温度84℃、東亜化成(株)製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
・ポリエステル樹脂粒子分散液 200部
・着色剤粒子分散液 25部
・離型剤粒子分散液: 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂粒子分散液を70部追加した。
トナー粒子1の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
まず、非オイル処理のシリカ粒子1を作製した。撹拌機、滴下ノズル、温度計を具備した容積3Lのガラス製反応容器(容器内の直径:16cm)にメタノール84.5部、10%アンモニア水溶液15.5部を混合し、混合液(先仕込み混合液)を25℃に調整した。このときのアンモニア濃度は0.74モル/Lであった。先仕込み混合液が25℃に到達した後、2つの滴下ノズルからテトラメトキシシラン(TMOS)を先仕込み混合液に対して合計1.10部/分、6.0%アンモニア水溶液を先仕込み混合液に対して0.55部/分に調整して、同時に滴下を開始して9分間滴下を続けシリカ粒子1の懸濁液を得た。2つの滴下ノズルの各滴下位置間は15cmの距離離した。このときのシリカ粒子1の体積平均粒子径は110nmであった。
得られた各トナーとキャリアとを、トナー:キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、各現像剤を得た。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
表1に従って、テトラメトキシシラン及びアンモニア水溶液の先仕込み混合液に対する滴下時間を調整して、体積平均粒径(D50v)が異なる非オイル処理のシリカ粒子1を得た。表2に示す実施例・比較例との対応関係も併記する。
表2に従って、外添剤としてのシリカ粒子1及びシリカ粒子2の種類を変更した以外は、現像剤1と同様にして、現像剤2、3、5、6を作製した。なお、表2中、D50vは「体積平均粒径」を示す。
表2に従って、外添剤としてのシリカ粒子1及びシリカ粒子2の添加量を変更した以外は、現像剤1と同様にして、現像剤4、7、8を作製した。なお、表2中、D50vは「体積平均粒径」を示す。
画像形成装置としての富士ゼロックス社製「700 Digital Color Press」を用いた。この画像形成装置は、図1に示す画像形成装置と同じ構成を備え、帯電部材14へ印加する帯電電圧、潜像形成装置16による露光光量、現像部材18Aへ印加するバイアス電圧、及び転写部材20へ印加するバイアス電圧を可変するように改造してある。現像剤及び感光体は、使用履歴の無い新品を用いた。
そして、以下の評価を行った。
ゴーストの評価は、上記50枚の出力画像の各々について、ゴースト未発生部とゴースト発生部との明度差ΔL*を測定し、ΔL*の平均値を求めてゴーストレベルを判定した。評価基準は、以下の通りである。評価結果を下記表2に示す。
◎:ほぼゴーストが見えない(ΔL*<0.2)
○:問題ないレベル(0.2≦ΔL*<0.5)
△:許容範囲内(0.5≦ΔL*<1.0)
×:不可(1.0≦ΔL*)
転写維持性の評価は、一次転写効率により行った。上記の50枚走行の後に画像形成を行い、トナー像を一次転写する前の感光体上のトナーを採取してその質量M1を測定し、別途一次転写した後の感光体上のトナーを採取してその質量M2を測定し、その両質量の測定値から下記式に従い一次転写効率を求めた。
一次転写効率(%)={(M1-M2)/M1}×100
◎:ほぼ全量転写(99%≦一次転写効率)
○:問題ないレベル(97%≦一次転写効率<99%)
△:許容範囲内(95%≦ΔL*<97%)
×:不可(95%≦ΔL*)
12 感光体
14 帯電装置
16 潜像形成装置
18 現像装置
20 転写部材
22 清掃装置
22A 清掃ブレード
24 除電装置
26 定着装置
27 駆動部
30A 記録媒体
30 電源
31 転写装置
32A 転写領域
32 電源
34 搬送経路
36 制御部
40 操作表示部
42 画像処理部
44 画像メモリ
46 画像形成部
48 記憶部
50 通信部
52 外部装置
60 現像剤
62 大粒径外添剤
64 トナー
66 キャリア
68 オイル処理シリカ
L1〜L8 ライン
B11〜B127 ブロック
G1〜G4 トナー像
PG 頁画像
Pg 画像部
Png 非画像部
Rg 画像形成領域
Rng 非画像形成領域
Claims (4)
- 帯電された像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、
体積平均粒径が80nm以上180nm以下の無機粒子と体積平均粒径が20nm以上80nm未満で且つシリコーンオイルにより表面処理されたシリカ粒子とが外添されたトナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像して前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体との間に転写電界を印加して前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記像保持体に接触して転写後の像保持体を清掃する清掃手段と、
画像情報に基づいて前記像保持体上の面積階調率70%以上の第1トナー像が形成される領域に次の画像形成周期で面積階調率50%以下の第2トナー像が形成されることが予測される場合には、前記第1トナー像が被転写体に転写される際に、通常の画像形成時の転写電界の電界強度に対し70%以上85%以下の電界強度の転写電界が印加されるように、前記転写手段を制御する制御手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記制御手段が、
画像情報に基づいて前記像保持体上の面積階調率70%以上の第1トナー像が形成される領域及び当該領域に隣接する領域に次の画像形成周期で面積階調率50%以下の第2トナー像が形成されることが予測される場合に、前記通常の画像形成時の転写電界の電界強度に対し70%以上85%以下の電界強度の転写電界が印加されるように前記転写手段を制御する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段が、
像保持体の表面を複数のブロックに分割した場合に、1周期で形成される画像毎に複数のブロックの各々に形成されるトナー像の面積階調率を取得し、
面積階調率70%以上の第1トナー像が形成されるブロックに次の画像形成周期で面積階調率50%以下の第2トナー像が形成されることを予測する、
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。 - 帯電された像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、
体積平均粒径が80nm以上180nm以下の無機粒子と体積平均粒径が20nm以上80nm未満で且つシリコーンオイルにより表面処理されたシリカ粒子とが外添されたトナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像して前記像保持体上にトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体との間に転写電界を印加して前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記像保持体に接触して転写後の像保持体を清掃する清掃手段と、
を備えた画像形成装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを、
画像情報に基づいて前記像保持体上の面積階調率70%以上の第1トナー像が形成される領域に次の画像形成周期で面積階調率50%以下の第2トナー像が形成されることが予測される場合には、前記第1トナー像が被転写体に転写される際に、通常の画像形成時の転写電界の電界強度に対し70%以上85%以下の電界強度の転写電界が印加されるように、前記転写手段を制御する手段として機能させるプログラム。
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