以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本実施の形態にかかる表示素子が、反射型の液晶表示素子であるとして説明するが、特に限定されるものではない。駆動基板と対向基板とがシール材によって貼り合わされた構成を有する表示素子であればよい。
実施の形態1.
(全体構成)
まず、液晶表示素子の全体構成について、説明する。図1は、液晶表示素子の構成を示す平面図であり、図2はその断面図である。なお、図1、及び図2では、液晶表示素子の厚さ方向をZ方向とし、矩形の液晶表示素子の端辺に沿った方向をX方向及びY方向としている。
液晶表示素子100は、第1の基板である駆動基板1と、第2の基板である対向基板2と、シール材6と、を備えている。対向配置された駆動基板1と対向基板2とはシール材6によって貼り合わされている。シール材6は矩形枠状に形成されており、その内側が表示領域3となる。表示領域3には、複数の画素3aがアレイ状に配置されている。すなわち、画素3aが配置された領域が表示領域3となる。それぞれの画素3aには、後述するトランジスタが配置されている。したがって、駆動基板1は、アレイ状に配置されたトランジスタアレイ基板となる。
矩形状の表示領域3の外側が、額縁状の周辺領域4となる。周辺領域4には、後述するようにシフトレジスタ、ビデオスイッチ等の周辺回路が形成されている。周辺領域4において、駆動基板1の一端は対向基板2からはみ出しており、そのはみ出した部分に、外部の制御回路と接続される端子47が形成される。ここでは、複数の端子47がY方向に沿って配列されている。端子47はプリント基板やフレキシブル基板等と接続される。
図2に示すように、駆動基板1と対向基板2と表示領域3とで形成された空間には、液晶7が封入されている。駆動基板1と対向基板2には、液晶7を所定の方向に配向するための配向膜9が設けられている。配向膜9は、互いに向かうように配置されている。配向膜9は、SiOなどを斜め蒸着することによって形成することができる。また、シール材6は、シール内スペーサ8を含有している。
駆動基板1は、不透明なシリコンウェハから切り出されたシリコン基板である。そして、それぞれの画素3aには、スイッチング素子であるトランジスタと接続された反射画素電極(不図示)が設けられている。対向基板2は透明なマザーガラス基板から切り出されたガラス基板である。対向基板2の全面には、対向電極105が形成されている。対向電極105は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜に形成されている。反射画素電極と対向電極105との間の電圧によって液晶7が駆動する。対向基板2側から光が入射すると、液晶7の状態に応じて、反射画素電極で反射される光の偏光状態が制御される。したがって、各反射画素電極に供給する表示信号を制御することで、表示領域3内に所望の画像を表示することができる。また、対向基板2の表示側の面には、必要に応じて反射防止膜等を形成してもよい。
(画素3aの構成)
次に、画素3aの断面構成について図3を用いて説明する。図3は、画素3aにおける駆動基板1の構成を示す断面図である。なお、図3は、駆動基板1の完成前の構成、具体的には、反射画素電極14を形成した後、最上層絶縁膜の形成前の構成を示している。シリコン基板である駆動基板1は、トランジスタ12を有している。トランジスタ12は、MOSトランジスタであり、ソース40、ドレイン41、及びゲート42を有している。ソース40、及びドレイン41は、例えば、不純物ドープによって形成されたN+領域となっている。ゲート42は、ソース40とドレイン41との間のチャネルと、ゲート絶縁膜45aを介して対向配置されている。隣接するトランジスタ12の間には、素子分離領域43が設けられている。素子分離領域43によって、隣接するトランジスタ12が分離される。
駆動基板1上には、ゲート絶縁膜45aを含む絶縁膜45が設けられている。さらに、トランジスタ12の上には、第1配線層10が設けられている。第1配線層10の上には、第2配線層11が設けられている。第1配線層10と第2配線層11の間には、絶縁膜45が介在している。なお、第1配線層10、及び第2配線層11は、外部からの信号や電圧をトランジスタ12等に供給するための配線パターンとなる。
第2配線層11の上には、層間絶縁膜13が設けられている。層間絶縁膜13の上には、層間絶縁膜18が設けられている。層間絶縁膜18の上には反射画素電極14が設けられている。すなわち、第2配線層11と反射画素電極14との間には、層間絶縁膜13、及び層間絶縁膜18の2層が介在している。
第1配線層10の一部のパターン10aは、コンタクトホール46を介して、第2配線層11の一部のパターン11aと接続されている。第2配線層11は、コンタクトプラグ24を介して反射画素電極14と接続されている。コンタクトプラグ24は、層間絶縁膜13に埋め込まれた第1プラグ17aと、層間絶縁膜18に埋め込まれた第2プラグ23aとを有している。例えば、第1プラグ17aと第2プラグ23aはそれぞれタングステンなどの金属膜によって形成されている。
反射画素電極14は、コンタクトプラグ24、第2配線層11のパターン11a、コンタクトホール46、第1配線層10のパターン10aを介して、ソース40と接続されている。さらに、駆動基板1は、各画素3aに、反射画素電極14の電荷を保持するための保持容量44を有している。ソース40は、コンタクトホール46、第1配線層10のパターン10a、コンタクトホール46を介して、保持容量44の保持容量電極44aと接続されている。
(周辺領域4の構成)
次に、周辺領域4の構成について、図4を用いて説明する。図4は、周辺回路が設けられた周辺領域4における駆動基板1の構成を示す断面図である。なお、図4は、駆動基板1の完成前の構成、具体的には、ダミー画素電極14aの形成後、最上層絶縁膜の形成前の構成を示している。周辺領域4において、駆動基板1は、トランジスタ12を有している。トランジスタ12は、画素3aにおけるトランジスタ12と同様のMOSトランジスタであり、ソース40、ドレイン41、及びゲート42を有している。画素3aと同様に、トランジスタ12の上には、第1配線層10、及び第2配線層11が設けられている。第2配線層11の上には、層間絶縁膜13が設けられている。第1層間絶縁膜13の上には、保護膜15が設けられている。
保護膜15は第2プラグ23aと同じ層によって形成されている。すなわち、保護膜15と第2プラグ23aは、ほぼ同じ膜厚のタングステン膜23によって形成されている。保護膜15は、層間絶縁膜18に埋め込まれている。保護膜15の上には、ダミー画素電極14aが設けられている。ダミー画素電極14aは、反射画素電極14と同じ層で形成されている。ここでは、保護膜15の上に、ダミー画素電極14aが直接設けられている。ダミー画素電極14aは、適切な大きさとなるように、分断されている。すなわち、保護膜15上には、ダミー画素電極14aのパターンが複数設けられている。
(製造工程)
以下、本実施の形態にかかる液晶表示素子100の製造方法について、図5A〜図14Bを用いて説明する。図5A〜図14Bは、各工程における構成を示す工程断面図である。図5A、図7A、図8A、図9A、図10A、図11A、図12A、図13A、及び図14Aは本実施の特徴部分である周辺領域4での断面構成を示している。図5B、図6、図7B、図8B、図9B、図10B、図11B、図12B、図13B、及び図14Bは画素3aでの断面構成を示している。
以下の説明では、第2配線層11を形成した後の製造工程を説明する。図5B、図6、図7B、図8B、図9B、図10B、図11B、図12B、図13B、及び図14Bでは、第1配線層10よりも下の構成を省略して図示している。
まず、第2配線層11の上に、層間絶縁膜13を形成する。例えば、第2配線層11の上から絶縁膜をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)などの公知の成膜方法を用いて成膜する。こうすることで、図5A、及び図5Bに示すように、第2配線層11が層間絶縁膜13によって覆われる。層間絶縁膜13としては、厚さ0.8μmのSiO2膜を用いることができる。
次に、図6に示すように、層間絶縁膜13に第1Viaホール16を形成する。例えば、フォトリソグラフィ法によって、層間絶縁膜13の上にレジストパターン(不図示)を形成する。レジストパターンが形成された状態で層間絶縁膜13をエッチングすることで、第2配線層11に到達する第1Viaホール16が形成される。例えば、フッ素系ガスを用いた異方性ドライエッチングで第1Viaホール16を形成することができる。なお、周辺領域4では、層間絶縁膜13にViaホール16を形成しないため、図5Aに示す構成のままとなっている。すなわち、周辺領域4の層間絶縁膜13がレジストパターンによって覆われた状態で画素3aではエッチング工程が実行される。
そして、図7Bに示すように第1Viaホール16に埋め込まれる第1プラグ17aを形成する。例えば、第1Viaホール16が設けられた層間絶縁膜13の上から、プラズマCVD法などの公知の成膜方法を用いて、タングステン膜を成膜する。そして、層間絶縁膜13に到達するまでCMP(Chemical Mechanical Polishing)によりタングステン膜を除去していくことで、第1プラグ17aが形成される。すなわち、第1プラグ17a以外では、層間絶縁膜13が露出した状態となる。換言すると、第1Viaホール16であった箇所を除いて、層間絶縁膜13が露出する。CMP工程を経た層間絶縁膜13の厚さは、例えば、約0.5μmとなっている。
また、周辺領域4では、層間絶縁膜13の上にタングステン膜17が成膜されて、図7Aに示す構成となる。その後、周辺領域4では、上記のCMPによって、層間絶縁膜13の上に形成されたタングステン膜17が全て除去され、層間絶縁膜13が露出する。したがって、CMP工程を経た後は、図5Aに示す構成に戻る。
次に、図8A、及び図8Bに示すように、第1プラグ17aが形成された層間絶縁膜13の上から、層間絶縁膜18を形成する。第2配線層11の上に、層間絶縁膜13と層間絶縁膜18の2層の絶縁膜が形成される。さらに、第1プラグ17aが、層間絶縁膜18によって覆われる。例えば、層間絶縁膜18は、公知のプラズマCVD法により成膜することができる。また、層間絶縁膜18としては、厚さ0.8μmのSiO膜を用いることができる。
次に、層間絶縁膜18をパターニングする。そのため、層間絶縁膜18の上に、レジストを塗布し、公知のフォトリソグラフィ工程を用いて、レジストパターン19を形成する。これにより、図9A、及び図9Bに示す構成となる。図9Bに示すように、画素3aでは、レジストパターン19が、第1プラグ17aの上に開口部19bを有している。この開口部19bは、後述する第2プラグ23aを形成するために設けられる。また、図9Aに示すように、周辺領域4では、後述する保護膜15が形成される箇所にレジストパターン19が開口部19aを有している。開口部19aは保護膜15を形成するために設けられる。なお、保護膜15は図1に示すシール材6に沿って形成され、シール材6よりも幅広に形成される。したがって、開口部19aも保護膜15と同様に、シール材6と同じ枠状に沿って形成されている。
そして、開口部19a、19bを有するレジストパターン19が形成された状態で、層間絶縁膜18をエッチングすると、図10A、及び図10Bに示す構成となる。図10Bに示す画素3aでは、第1プラグ17aに到達する第2Viaホール20が形成される。第2Viaホール20は、製造誤差などを考慮して、第1プラグ17aよりも若干大きめに形成される。すなわち、第2Viaホール20は、第1プラグ17aとその周辺近傍の層間絶縁膜13の上に形成される。図10Aに示す周辺領域4では、層間絶縁膜13に到達する埋め込み領域21が形成される。層間絶縁膜18のエッチングは、例えば、CHF3、CF4、Arなどの混合ガスを使ったRIE(Reactive Ion Etching)装置で行われる。そして、層間絶縁膜18上のレジストパターン19を除去する。
次に、保護膜15と第2プラグ23aを形成する。そのため、まず、層間絶縁膜18の上に、バリア膜22とタングステン膜23を連続して成膜する。バリア膜22として、例えば、厚さ50nmの窒化チタン(TiN)をスパッタ法で形成する。バリア膜22の成膜後、タングステン膜23を成膜する。例えば、CVD法によって、厚さ1.6μmのタングステン膜23を形成する。これにより、図11A、図11Bに示すように、第2Viaホール20及び埋め込み領域21を有する層間絶縁膜18を覆うように、バリア膜22、及びタングステン膜23の積層膜が形成される。第2Viaホール20は、第1プラグ17aからはみ出すように形成される。さらに、周辺領域4では、図11Aに示すように、埋め込み領域21にバリア膜22、及びタングステン膜23が埋め込まれるように成膜される。画素3aでは、図11Bに示すように、第2Viaホール20にバリア膜22、及びタングステン膜23が埋め込まれるように成膜される。
その後、層間絶縁膜18の上のバリア膜22及びタングステン膜23を除去して、層間絶縁膜18を露出させる。ここでは、第1プラグ17aと同様にCMPを用いることができる。すなわち、層間絶縁膜18に到達するまでCMPによりバリア膜22、及びタングステン膜23を除去していく。これにより、図12A、及び図12Bに示す構成となる。なお、CMPによって層間絶縁膜18の表面が除去されるため、層間絶縁膜18の最終的な厚さは、0.5μmとなっている。
画素3aでは、図12Bに示すように、第2Viaホール20に埋め込まれたバリア膜22及びタングステン膜23を有する第2プラグ23aが形成される。第2プラグ23aは、第1プラグ17aに到達して、第1プラグ17aと導通する。また、周辺領域4では、図12Aに示すように、埋め込み領域21に埋め込まれたバリア膜22及びタングステン膜23を積層した保護膜15が形成される。保護膜15は、第1配線層10、第2配線層11等の導電パターンから絶縁されている。保護膜15、及び第2プラグ23a以外では、層間絶縁膜18が露出している。
なお、第1プラグ17a、第2プラグ23a、及び保護膜15の材質は、タングステンに限定されるものでなく、電気的な接続が取れる導電膜であればよい。また、バリア膜22の材質も特に限定されるものではなく、第1プラグ17aと第2プラグ23aとなる金属膜の材質に応じては、バリア膜22を省略することもできる。
次に、第2プラグ23aの上に、反射画素電極14を形成する。そのため、まず、公知のスパッタ法などを用いて、保護膜15、層間絶縁膜18、及び第2プラグ23aの上に反射膜50を成膜する。反射膜50として、TiN膜50nm、Al−Cu膜200nmの積層膜を用いることができる。なお、ここでは、反射膜50として、TiN膜、及びAl−Cu膜の2層構造を用いているが、特に材料限定されるものではない。例えば、光反射率の高いアルミニウム合金などの金属膜を反射膜50として用いることができる。これにより、保護膜15、層間絶縁膜18、及び第2プラグ23aを覆うように反射膜50が形成され、図13A、及び図13Bに示す構成となる。
そして、公知のフォトリソグラフィ法によって、反射膜50をパターニングする。これにより、画素3aのそれぞれに、反射画素電極14が形成される(図14B参照)。すなわち、画素3a毎に反射画素電極14が分断されるように反射膜50をパターニングする。同様に、保護膜15の上の反射膜50をパターニングし、ダミー画素電極14aとする。画素電極14の分断と保護膜15の形成には、BCl3、Cl2等の混合ガスを用いたプラズマエッチングを行う。
そして、反射画素電極14の上から、必要に応じて最上層絶縁膜25を形成する。これにより、画素3aでは、図14Bに示す構成となる。最上層絶縁膜25は、例えば、SiOなどによって形成されている。反射画素電極14は上記のように第2プラグ23aの上に形成され、第2プラグ23aと導通している。したがって、図3に示したように、反射画素電極14は、第2プラグ23a、及び第1プラグ17aを介してトランジスタ12と電気的に接続される。
最上層絶縁膜25を形成した後の周辺領域4の構成は、図14Aに示すようになる。ここでは、保護膜15の上の複数のダミー画素電極14aのパターンが形成されている。なお、図14Aで図示していない駆動基板1上の端子47が設けられている部分では端子47をプリント基板と接続するため、端子47上の最上層絶縁膜25が除去されている。なお、CF4、CHF3,Arなどの混合ガスを用いたプラズマエッチングで最上層絶縁膜25をパターニングすることができる。これにより、駆動基板1が完成する。
そして、上記の駆動基板1に配向膜9を形成する。配向膜9は、端子47が露出するように、少なくともシール材6直下と、表示領域3に形成される。対向基板2に、対向電極105及び配向膜9を形成する。ここでは、厚さ0.08μmのITO膜を対向電極105として用いている。ITO膜は、スパッタリング法を用いて、形成される。配向膜9は、例えば、厚さ0.1μmのSiO2膜とすることができる。例えば、斜方蒸着法により、厚さ0.1μmのSiO2膜を形成することで、配向膜9を形成してもよい。この配向膜9によって、液晶7が所定の方向に配向する。また、対向基板2の配向膜9と反対側の面には、反射防止膜を形成してもよい。例えば、厚さ0.3μmのNb2O2とSiO2の積層膜を反射防止膜とすることができる。例えば、真空蒸着法を用いて、ガラス基板の他面側に積層膜を形成することで、反射防止膜を設けることができる。
次に、駆動基板1と対向基板2とを貼り合わせる工程について説明する。貼り合わせに関しては、駆動基板1と対向基板2を1枚ずつ貼り合わせる単個貼り合わせの場合と、ウエハ状態若しくは複数枚の連なったマザー基板とそれに見合ったマザーガラス基板を貼り合わせてその後分断を行って単個のセルを形成する一括貼り合わせがある。本発明はどちらにも適用可能である。ここでは、シリコンウェハとマザーガラス基板とを貼り合わせて、貼り合わせ構造体を形成する。そして、貼り合わせ構造体を切断線に沿って切断することで、それぞれの液晶表示素子を製造する方法を用いている。
例えば、8インチのシリコンウェハを用意して、上記の処理を行うことで、駆動基板1を複数備えるシリコンウェハが形成される。シリコンウェハと同等の大きさを有するマザーガラス基板に、対向電極105と配向膜9を形成する。これにより、複数の対向基板2を有するマザーガラス基板が形成される。
駆動基板1を複数備えたシリコンウェハと、対向基板2を複数備えたマザーガラス基板との少なくとも一方にシール材6を塗布する。ここでは、シール内スペーサ8を含有するシール材6をシリコンウェハ上に塗布する。シール材6は、各セルの表示領域3を囲むように枠状に形成される。シール材6は、保護膜15の上に塗布される。
シール材6としては、UV光と熱によって硬化するエポキシ樹脂系接着剤を使用することができる。シール内スペーサ8は、直径が2〜3μmのSiO2からなるスペーサボールを用いることができる。また、シール内スペーサ8は接着材料となるシール材6に対する重量比で0.1%程度の割合で混入されている。例えば、貼り合わせ後、延伸したシール材6の幅(シール幅)は700μm〜1mmとすることができる。
次にODF(One Drop Filling)法によって、適量の液晶材料をシリコンウェハ上に滴下する。液晶材料は、シール材6で囲まれた領域にそれぞれ滴下される。そして、駆動基板1と対向基板2とが対向するように位置合わせを行って、シリコンウェハとマザーガラス基板を対向配置する。
シリコンウェハとマザーガラス基板とが対向配置された状態で、シリコンウェハとマザーガラス基板とが近づくように押圧する。これにより、セルギャップがシール内スペーサ8によって規定される。そして、シリコンウェハを押圧しながら、熱又はUV光、あるいはその両方を用いて、シール材6を硬化する。例えば、マザーガラス基板側から、UV光を照射して、シール材6を仮硬化する。シール材6の仮硬化後に貼り合わせ装置より、貼り合わせ構造体を取り出して、120℃で2時間の熱硬化を行う。これにより、シール材6が硬化して、シリコンウェハとマザーガラス基板とが貼り合わされた貼り合わせ構造体が完成する。ここでは、セルギャップを2〜3μmとするように、シリコンウェハをマザーガラス基板に押し付ける。これにより、シール材6が押し潰されて、シール内スペーサ8がシリコンウェハとマザーガラス基板に当接する。貼り合わせ構造体のシール材6の厚みは、シール内スペーサ8によって規定される。
そして、貼り合わせ構造体をX方向、及びY方向に沿って切断する。具体的には、シリコンウェハを切断した後に、マザーガラス基板を切断する。これにより、貼り合わせ構造体がセルに分離される。分離されたセルの各々が液晶表示素子100となる。
上記のように製造された液晶表示素子100に対して、外部の制御装置などをワイヤボンディングや異方性導電膜などによって接続する。すなわち、端子47に、制御装置を接続する。これにより、画素電極に供給された電圧に応じて、液晶7が駆動する。外部から対向基板2及び液晶7を通過した光は、反射画素電極14で反射される。液晶7の状態に応じて、反射画素電極14で反射されて外部に出射する光の光量が変化する。外部制御装置からの制御信号に応じて所望の画像を表示することができる。このような反射型の液晶表示素子は、画像を投影するプロジェクタに好適であり、さらには、自動車などの乗り物に搭載されるヘッドアップディスプレイに利用することが可能である。
次に、図15を参照して、本発明の特徴部分の一つである保護膜15の配置について説明する。図15は、液晶表示素子100における保護膜15の構成を模式的に示す平面図である。ここでは、2つの領域に形成された保護膜15を保護膜15a、及び保護膜15bとして示している。
周辺領域4の一部には、シフトレジスタなどの回路が形成されている。ここで、周辺領域4において、回路が形成された領域を周辺回路領域とする。また、シール材6の直下には、周辺回路領域の回路を保護するために、保護膜15aが配置されている。シール材6の直下の保護膜15aは、シール材6と同様に枠状に形成されている。また、保護膜15aは、シール材6よりも幅広に形成されている。すなわち、シール材6の幅方向において、シール材6直下の保護膜15aからはみ出すことなく、シール材6が形成されている。
また、対向基板2の一側端面(後述する切断線L1に沿って切断された端面)の直下の領域には、周辺回路領域の回路を保護するための保護膜15bが形成されている。すなわち、シール材6と端子47との間には、保護膜15bが形成されている。保護膜15bは、一側端面に対応する位置に帯状に形成されている。保護膜15bは、Y方向に沿って形成されている。保護膜15a、保護膜15bは、反射画素電極14、第2配線層11、第1配線層10よりも硬いタングステン膜23を用いている。したがって、下層に設けられたトランジスタ12を有する周辺回路領域を保護することができる。なお、保護膜15a、15bとしては、タングステン膜やタングステン合金膜などを用いることができる。
(貼り合わせ工程での問題点)
以下、保護膜15aがない場合に、貼り合わせ工程で生じる問題点について、図16〜図18を用いて説明する。図16、及び図18は、シール材6が塗布された箇所の構成を示す製造工程断面図であり、図17は、シール材6に含まれるシール内スペーサ8を模式的に示す上面図である。シリコンウェハに設けられた1つの駆動基板1と、マザーガラス基板に設けられた1つの対向基板2とについての説明を行う。
上記の通り、貼り合わせ工程において、ディスペンサが駆動基板1上にシール内スペーサ8を含有するシール材6を塗布する。これにより、図16に示す構成となる。シール材6は所定の幅を有し、枠状に塗布されている。
このとき、周辺領域4のうち、周辺回路領域にシール内スペーサ8が位置している構成を図17に示す。図17に示すように、シール材6には、複数のシール内スペーサ8が凝集した凝集体が含まれていることがある。すなわち、シール材6によってシール内スペーサ8が分散せずに、重なり合った状態となってしまうことがある。そして、この凝集体が、周辺回路領域の第1配線層10や第2配線層11等の上に位置してしまう。
シール材6を駆動基板1と対向基板2との間に介在した状態で、貼り合わせのため、駆動基板1と対向基板2とを加圧する。すると、図18に示すように、シール内スペーサ8凝集体がダミー画素電極14aの下層のトランジスタ12を損傷してしまうことがある。例えば、シール内スペーサ8の凝集体は、セルギャップよりも大きくなっている。そのため、駆動基板1と対向基板2とを加圧すると、シール内スペーサ8の凝集体がダミー画素電極14aを破損してしまい、その下のトランジスタ12や配線層が損傷してしまう。このように、シール内スペーサ8によって、周辺回路が損傷すると、その液晶表示素子が不良となってしまうおそれがある。
(シール材直下の保護膜15a)
そこで、本実施の形態では、シール材6の直下に、保護膜15aを設けている。これにより、周辺回路の破損を防ぐことができる。この理由について、図19〜図21について説明する。図19〜図21は、シール材塗布工程から貼り合わせ工程までのシール材6近傍の構成を示す工程断面図である。
駆動基板1にシール内スペーサ8を含有するシール材6を塗布する。このとき、シール内スペーサ8の凝集体8bがシール材6に含まれている。保護膜15aは、シール材6の幅よりも幅広に形成されている。シール材6は、保護膜15aからはみ出すことなく、保護膜15aに沿って塗布される。例えば、貼り合わせ後のシール材6の幅が0.7〜1mmとなるように、ディスペンサの吐出圧力と描画速度を予め調整する。
液晶7の滴下工程を経た後、駆動基板1と対向基板2とを対向配置する。なお、対向基板2には、配向膜9と対向電極105が設けられている。そして、駆動基板1と対向基板2とを加圧すると、図20に示す構成となる。駆動基板1と対向基板2とを加圧することで、シール材6が押し潰されて変形する。すなわち、ディスペンサがシール材6を描画した直後よりも、シール材6の幅が広くなり、高さが低くなる。このとき、シール内スペーサ8の凝集体8bに力が加わる。
ここで、トランジスタ12の上には、シール内スペーサ8よりも硬度の高い保護膜15aが設けられている。したがって、凝集していたシール内スペーサ8が図21に示すように、横方向に拡散する。あるいは、凝集体8bのうちのシール内スペーサ8が破壊されて、破片8cとなる。このように、シール内スペーサ8よりも硬い保護膜15aを周辺回路領域に形成することで、回路の破壊を防ぐことができる。よって、回路不良による歩留まりを改善することができ、生産性を向上することができる。
さらに、シール材6直下の領域を含む周辺領域4と表示領域3とで、駆動基板1の構造がほぼ同じになっている。すなわち、表示領域3と同様に、シール材6の直下においても第2配線層11の上に、層間絶縁膜13、層間絶縁膜18、保護膜15a、ダミー画素電極14a、最上層絶縁膜25、及び配向膜9が設けられている。したがって、配向膜9の表面高さを均一にすることができる。
これにより、表示領域3とシール材6との近傍におけるセルギャップの変化を抑制することができ、より表示品質を向上することができる。特に、セルギャップが1〜3μmと狭い反射型の液晶表示装置において、セルギャップに違いが生じると表示領域3の平坦性が保たれず、表示品質に影響が及んでしまう。本実施の形態の構成を用いることで、セルギャップの不均一性に起因する表示品質の劣化を抑制することができる。このように、本実施の形態の構成によれば、シール材6直下を含む周辺領域4と表示領域3とにおいて、配向膜9までの層構成をほぼ同じにすることができる。これにより、表示領域3の平坦性を向上することができ、表示品質を向上することができる。
(切断線L1直下での問題点)
次に、切断工程で生じる問題点について、図22〜図30を用いて説明する。図22は、貼り合わせ構造体における切断線を示す平面図である。図23は、貼り合わせ構造体の構成を示すXZ断面図であり、図24は、YZ断面図である。図25〜図30は、貼り合わせ構造体を切断して、各セルに分離するための工程断面図である。
図22〜図24に示すように、貼り合わせ構造体103は、シリコンウェハ101とマザーガラス基板102がシール材6によって貼り合わされた構造を有している。シリコンウェハ101は、矩形の駆動基板1を複数有しており、マザーガラス基板102は矩形の対向基板2を複数有している。シリコンウェハ101において、駆動基板1は、アレイ状に配列されている。マザーガラス基板102において、対向基板2はアレイ状に配列されている。そして、駆動基板1と対向基板2とが位置合わせされた状態で、シリコンウェハ101とマザーガラス基板102とが対向配置している。図22では、駆動基板1と対向基板2とが、6個設けられている例を示しているが、貼り合わせ構造体から切り出されるセルの数は特に限定されるものではない。
そして、貼り合わせ構造体103を切断線L1〜L3に沿って切断することで、各セルに分離することができる。よって、複数の液晶表示素子100を形成することができる。ここでは、Y方向に沿った切断線L1、L3と、X方向に沿った切断線L2が設けられている。切断線L2は、シリコンウェハ101とマザーガラス基板102を切断するラインとなる。換言すると、シリコンウェハ101とマザーガラス基板102とを切断線L2に沿ってX方向に切断する。シリコンウェハ101とマザーガラス基板102とで、X方向の切断線L2が同じ位置となっている。
切断線L1は、マザーガラス基板102を切断するラインとなる。切断線L3は、シリコンウェハ101を切断するラインとなる。シリコンウェハ101とマザーガラス基板102とで、Y方向の切断線L1、L3が異なる位置となっている。したがって、駆動基板1の一部は、対向基板2からはみ出した構成となる。これは、駆動基板1上に設けられた端子47を露出するためである。すなわち、駆動基板1の対向基板2の一側端に対応し、対向基板2からはみ出した部分に、端子47が配置される。ここでは、複数の端子47が駆動基板1の端辺に沿って配列されている。すなわち、複数の端子47は、切断線L3と平行なY方向に沿って配列されている。平面視において、切断線L1と切断線L3との間に、端子47が配置される。
ここで、シール材6でシリコンウェハ101とマザーガラス基板102とを貼り合わせた後の、切断工程について説明する。シリコンウェハ101は、ダイシングブレードによって切断される。一方、マザーガラス基板102は、スクライブブレークによって切断される。そのため、図25、図26に示すように、貼り合わせ構造体103のマザーガラス基板102は、ガラス分断溝28が形成される。なお、ガラス分断溝28は、切断線L1と切断線L2と切断線L3に沿って形成される。また、シリコンウェハ101の表面には、表面分断溝30が形成され、裏面には裏面分断溝29が切断線L2、L3に沿って形成されている。
表面分断溝30は、貼り合わせ前に形成し、裏面分断溝29は、貼り合わせ後に形成する。ダイシング装置のダイシングブレードによって、シリコンウェハ101をハーフカットすることで、裏面分断溝29、及び表面分断溝30を形成することができる。ガラス分断溝28は、貼り合わせ後に形成する。例えば、スクライバで、マザーガラス基板102を罫書くことで、ガラス分断溝28を形成する。
そして、ガラス分断溝28、裏面分断溝29、及び表面分断溝30を有する貼り合わせ構造体103を粘着シート32上に載置する(図27参照)。なお、粘着シート32は、ブレーカ装置のステージ上に設けられている。貼り合わせ構造体103に粘着シート32が貼り合わされ、貼り合わせ構造体103が固定される。なお、貼り合わせ構造体103は、マザーガラス基板102が下となった状態で、粘着シート32に固定される。
スクライブブレークするためのブレーカスキージ31を、切断線L1、又は切断線L3上に配置する。そして、ブレーカスキージ31で粘着シート32上に固定された貼り合わせ構造体103を上から叩く。すなわち、シリコンウェハ101の上からブレーカスキージ31を押し込んでいく。こうすることで、ガラス分断溝28に基づいてマザーガラス基板102が切断される。
図27に示すように、ブレーカスキージ31が貼り合わせ構造体103に対して傾いていると、貼り合わせ構造体103に対して局所的な力が加わる可能性がある。あるいは、図28に示すように、粘着シート32と貼り合わせ構造体103との間に、異物51を挟み込んだ場合、局所的なダメージが加わってしまう。図29に示すように、一方の辺を分断した際に発生する基板の小さな破片36が他方の分断線上に残存してしまうおそれがある。すると、図30に示すように他方の辺を分断する際に破片36が駆動回路に損傷を与え素子の動作不良につながる。
このような場合、層間絶縁膜13、及び層間絶縁膜18が破壊され、その下層に位置する第1配線層10、第2配線層11の短絡や断線を引き起こしてしまい、液晶表示素子100の動作不良につながる。したがって、歩留まりが劣化して、生産性が低下してしまう恐れがある。
(切断線直下の保護膜15b)
そこで、本実施の形態では、切断線直下に保護膜15bを設けている。切断線直下に保護膜15bを配置した構成について説明する。図31は、保護膜15bを有する液晶表示素子100の構成を示す断面図である。図31に示すように、切断線L1に沿って形成された対向基板2の一側端面に対応する領域(以下、切断線L1の直下と呼ぶこともある)には、駆動基板1に保護膜15bが設けられている。すなわち、シール材6と端子47の間の周辺回路領域に保護膜15bが配置されている。
このように切断線L1の直下に対応する領域には、駆動基板1に保護膜15bが設けられている。保護膜15bが形成された領域に対応する切断線L1に沿って、マザーガラス基板102を切断する。こうすることで、切断線L1の近傍に局所的な力やダメージが発生した場合でも、保護膜15bが周辺回路を保護する。すなわち、トランジスタ12の破損、第1配線層10、第2配線層11の断線、短絡などを防ぐことができ、歩留まりを向上することができる。
図32は、保護膜15bが形成された箇所の断面図である。切断工程において、対向基板2が破損して、破片36が飛散した場合でも、保護膜15bが周辺回路を保護する。この場合、保護膜15bを対向基板2よりも硬い材質とすることが好ましい。すなわち、保護膜15bは、対向基板2となるガラス材料よりも硬度の大きい材質によって形成する。切断工程において、飛散した対向基板2の破片36よりも保護膜15bが固いため、破片36が保護膜15bを貫通するのを防ぐことができる。これにより、歩留まりを改善することができ、生産性を向上することができる。なお、他の切断線L2、L3に対応する領域にも、保護膜15bを形成するようにしてもよい。
(実施例)
以下、保護膜15とシール材6の寸法例について説明する。以下に示す保護膜15などの寸法配置は一例であり、以下の値に限定されるものではない。図33は、駆動基板1と対向基板2とを貼り合わせた後に、保護膜15aとシール材6の幅を説明するための平面図である。貼り合わせ後のシール材6の幅を700μmとし、保護膜15aの幅を900μmとする。ディスペンサの吐出圧力と描画速度を予め調整することで、貼り合わせ後のシール材6の幅を制御することができる。貼り合わせ後においても、保護膜15aからはみ出すことなくシール材6を形成することが好ましい。こうすることで、保護膜15aからはみ出した部分において、シール材6に含まれるシール内スペーサ8が周辺回路にダメージを与えるのを防ぐことができる。
さらに、ディスペンサの描画寸法を図34に示す。図34は、貼り合わせ前におけるシール材6の構成を示す断面図である。延伸前のシール材6の寸法を示している。幅130μmで、高さ16μmとなるようにディスペンサがシール材6を塗布する。このような寸法で塗布されたシール材6を用いて、駆動基板1と対向基板2とを貼り合わせる。すなわち、駆動基板1と対向基板2との間にシール材6が介在した状態で、駆動基板1と対向基板2とを加圧して、シール材6を硬化させる。こうすることで、セルギャップを3μmとすることができる。さらに、シール材6が横方向に延伸して、図33に示したように、幅700μmとなる。
次に、切断線L1直下の保護膜15bの寸法例について説明する。図35に示すように、切断線L1の直下の領域に保護膜15bが形成されている。ここで、保護膜15bの周辺を拡大した断面図を図36に示す。
図36に示すように、切断線L1よりもシール材6側の保護膜15bの幅を100μmとし、切断線L1よりも端子47側の保護膜15bの幅を400μmとする。すなわち、保護膜15bの全体の幅を500μmとして、切断線L1に対して非対称に配置する。このようにすることで、切断線L1直下の回路の破損を防ぐことができる。もちろん、回路を形成する領域の寸法や、切断工程における条件に応じて、切断線L1直下の保護膜15bの幅を変更してもよい。
さらに、シール材6直下の保護膜15aと、切断線L1直下の保護膜15bとを異なる厚さとすることも可能である。例えば、シール材6直下の保護膜15aは、厚さ0.6μmとし、切断線L1直下の保護膜15bは厚さ1.0μmとする。これは、保護膜15上に塗布されるシール材6のシール内スペーサ8よりも、ガラス基板である対向基板2のほうが硬いことを考慮したものである。こうすることで、効果的に、切断線L1近傍の周辺回路を確実に保護することができ、周辺回路の損傷による歩留まりの劣化を防ぐことができる。この場合、層間絶縁膜の形成と、プラグの形成工程を追加することになる。例えば、保護膜15aと第2プラグ23aを形成した後に、切断線直下の保護膜15bを形成するようにしてもよく、その反対の順番でもよい。そして、保護膜15aを埋め込む層間絶縁膜と、保護膜15bを埋め込む層間絶縁膜を異なる膜厚とする。また、シール材6直下の保護膜15aと第2プラグ23aをほぼ同じ厚さとすることができるため、セルギャップの均一性を向上することができる。
実施の形態2.
本実施の形態の製造方法では、シリコンウェハ101から切り出した駆動基板1と、マザーガラス基板102から切り出した対向基板2とを貼り合わせる単個貼り合わせを用いている。本実施の形態にかかる製造方法について、図37〜図40を用いて説明する。図37〜図40は各工程での構成を模式的に示す平面図である。
まず、上記と同様の工程により、保護膜15a、及び配向膜9などが形成された駆動基板1を製造する。シリコンウェハ101を切断線L2、L3に沿って切断して、駆動基板1を分離する。これにより、図37の示す構成となる。そして、図38に示すように保護膜15a上に、シール材6を塗布する。シール材6は保護膜15aからはみ出すことなく、駆動基板1上に塗布される。本実施の形態では、シール材6の一部に、液晶注入口6aが設けられている。ここでは、端子47と反対側の端辺の中央近傍に液晶注入口6aが配置されている。ディスペンサによって、描画の始点と終点の隙間を開けることで、液晶注入口6aが形成される。なお、シール材6は、シール内スペーサ8を含有している。
そして、図39に示すようにシール材6を接着材として用いて、駆動基板1と対向基板2とを貼り合わせる。そして、駆動基板1と対向基板2とを加圧しながらシール材6を硬化させる。これにより、シール材6が延伸して、幅広になる。延伸した後のシール材6がシール材直下の保護膜15aからはみ出さないようにすることが好ましい。
そして、駆動基板1と対向基板2とが貼り合わされた状態で、液晶注入口6aから液晶7を注入する。ここでは、真空注入法を用いて、シール材6で囲まれた表示領域3に液晶7を注入する。所定量の液晶7を注入した後、液晶注入口6aをUV硬化樹脂などからなる封止材48を用いて封止する。これにより、液晶表示素子100が完成する。このような単個貼り合わせで液晶表示素子100を製造した場合でも、保護膜15aを形成することで、シール材6直下の周辺回路を保護することができる。すなわち、貼り合わせ工程における加圧でトランジスタ12や配線が破損するのを防ぐことができる。よって、歩留まりを改善することができ、生産性を向上することができる。
その他の実施の形態.
なお、上記の説明では、シール材6の直下を保護膜15aで保護し、切断線L1の直下を保護膜15bで保護したが、一方のみを保護するようにしてもよい。すなわち、保護膜15aと保護膜15bのいずれか一方のみを駆動基板1に形成してもよい。例えば、切断線L1直下の保護膜15bのみを形成した場合、切断工程での損傷を防ぐことができる。シール材6直下の保護膜15aのみを形成した場合、貼り合わせ工程での損傷を防ぐことができる。
上記の説明では、シール材6直下の保護膜15aは、シール材6の全周に渡って形成したが、保護膜15aを形成する領域はシール材6の一部であってよい。すなわち、下層にトランジスタ12や配線などが形成されていて、保護が必要な領域のみに保護膜15aを形成するようにしてもよい。トランジスタ12や配線が形成されていない領域では、シール材6直下の保護膜15aを形成しなくてもよい。ただし、セルギャップの均一化の観点からは、シール材6の全周に渡って、保護膜15aを形成することが好ましい。
シール材6直下の保護膜15aは、シール材6全体で連続していなくてもよい。すなわち、シール材6直下の保護膜15aを分断して、複数のパターンとして形成してもよい。この場合、隣接する保護膜15aのパターンは、シール内スペーサ8の径よりも十分小さくする。こうすることで、貼り合わせ工程でシール内スペーサ8がシール材6の下層の周辺回路を破損するのを防ぐことができる。また、シール材6直下の保護膜15aを分断することで、シール材6直下の保護膜15aを通じた短絡を防ぐことができる。
同様に、切断線L1直下の保護膜15bについても、切断線L1の全体に形成されていなくてもよい。すなわち、下層にトランジスタ12や配線などが形成されていて、保護が必要な領域のみに保護膜15bを形成するようにしてもよい。トランジスタ12や配線が形成されていない領域では、切断線L1直下の保護膜15bを形成しなくてもよい。
なお、切断線L1直下の保護膜15bは、切断線L1全体で連続していなくてもよい。すなわち、切断線L1直下の保護膜15bを分断して、複数のパターンとして形成してもよい。この場合、隣接する保護膜15bのパターンは、飛散する破片36よりも十分小さくする。こうすることで、切断工程で対向基板2の破片36が切断線L1の下層の周辺回路を破損するのを防ぐことができる。また、切断線切断線L1直下の保護膜15bを分断することで、切断線L1直下の保護膜15bを通じた短絡を防ぐことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。