JP5998609B2 - 光半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、LED素子等の光半導体素子を備える光半導体装置に関する。
従来、LED(発光ダイオード)素子を光源として用いる照明装置が、各種家電、OA機器、車両機器の表示灯、一般照明、車載照明、およびディスプレイ等に用いられている。このような照明装置の中には、互いに絶縁された電極部を有するリードフレームとLED素子とを有する光半導体装置を含むものがある。
例えば、特許文献1には、図9に示すように、互いに絶縁された電極部502a、502bを有するリードフレーム501の電極部502aの上にLED素子510が載置され、LED素子510の側面の外周には、リフレクター(側面側反射部)として機能する絶縁性樹脂530からなる構造体が備えられ、透光性樹脂540によりLED素子510が封止されている構成の光半導体装置500が記載されている。
さらに、前記光半導体装置500においては、LED素子510が載置されるリードフレーム501の表面に、銀(Ag)を含むめっき膜503を形成することにより、LED素子510との電気的な接続性を高めつつ、LED素子510から放射される光に対して底側の反射率を高め、光半導体装置500の発光効率を向上させている。
なお、前記光半導体装置500においては、前記銀(Ag)を含むめっき膜503を介して、LED素子510の底側の端子部とリードフレーム501の電極部502aとが電気的に接続されており、一方、LED素子510の天側の端子部は、前記天側の端子部から伸びるボンディングワイヤ520を通じて、電極部502bの表面に形成されためっき膜503を介してリードフレーム501の電極部502aと電気的に接続されている。
特開2011−151069号公報
ここで、従来の半導体素子(IC等)用のリードフレームは、電極として導電性が求められることから、一般に、銅(Cu)等からなり、半導体素子との電気的接続においては、接続性を高めるために、その表面に金(Au)や銀(Ag)などのめっき膜が形成されていた。
しかしながら、光半導体装置用のリードフレームにおいては、上述のように、リードフレームの上にLED素子等の光半導体素子を載置する場合、リードフレームは、光半導体素子と電気的に接続される電極としての機能に加えて、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高める反射板としての機能も担うことになる。
それゆえ、上記の銀めっき膜は反射率を高くするための条件も満たす必要があり、単に光半導体素子と電気的に接続するための銀めっき膜を形成する場合よりも製造上の制約が多くなり、それに伴って製造コストも増大するという問題が生じていた。具体的には、電気的な接続信頼性を高めようとすると所望の反射率が得られなかったり、逆に反射率を高めようとすると所望の接続信頼性が得られなかったりしていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、上述のような製造上の制約を排除し、電気的な接続信頼性を確保しつつ、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高めることが可能な光半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、前記光半導体装置の構成を、少なくとも、光半導体装置用リードフレームと底側反射板を備える構成とし、前記光半導体装置用リードフレームを、光半導体素子と接続される電極部と、前記光半導体素子の側面の外周に配設される側壁部で構成し、前記電極部を前記光半導体素子の上に配置し、前記光半導体素子から底方向に放射される光については、前記電極部の表面よりも高い反射率を有する光反射面を備えた前記底側反射板で上側(天側)へ反射させることにより、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、光半導体素子と、前記光半導体素子と接続される光半導体装置用リードフレームと、前記光半導体素子を封止し前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を透過する透光性樹脂と、前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を反射する底側反射板と、を備える光半導体装置であって、前記光半導体装置用リードフレームは、電極部と側壁部を有し、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されており、前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部の前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置し、前記底側反射板は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の下に位置し、かつ、前記電極部と対向する側に光反射面を有し、前記光反射面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率が、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高いことを特徴とする光半導体装置である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記底側反射板が、前記電極部と対向する側の面に金属箔を積層した構造を有しており、前記金属箔は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高い反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記金属箔が、銀(Ag)箔、アルミニウム(Al)箔、または、白金(Pt)箔であることを特徴とする請求項2に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記底側反射板が、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、または、白金(Pt)のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記底側反射板が、前記電極部と対向する側の面に、銀(Ag)を含むめっき膜を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記光反射面の上にガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項7に係る発明は、前記ガスバリア層が、エポキシ系樹脂を含むことを特徴とする請求項6に記載の光半導体装置である。
また、本発明の請求項8に係る発明は、光半導体装置を構成するための光半導体装置用リードフレームであって、電極部と側壁部を有し、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されており、前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子に対して天側に位置し、かつ、前記電極部の底側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において、前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部の底側の面は、前記電極部の底側の面よりも底側の方向に位置し、平面視したときに、前記側壁部の前記光半導体素子を囲む側の側面の底側の端部が、前記側面の天側の端部よりも前記光半導体素子側に位置するような形状を有することを特徴とする光半導体装置用リードフレームである。
本発明によれば、電気的な接続信頼性を確保しつつ、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高めることができ、また製造コストを低くすることができる。
本発明に係る光半導体装置の一例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る光半導体装置を構成する底側反射板の説明図である。 本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの一例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)のB−B断面図である。 図3に示す光半導体装置用リードフレームが多面付けされた形態の例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。 本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例を示す模式的工程図である。 図5に示す光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例における第1のレジストパターンの関係を示す説明図である。 図5に示す光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例における第2のレジストパターンの関係を示す説明図である。 本発明に係る光半導体装置の製造方法の一例を示す模式的工程図である。 従来の光半導体装置の一例を示す説明図である。
以下、本発明の光半導体装置について詳細に説明する。
[光半導体装置]
本発明に係る光半導体装置は、光半導体素子と、前記光半導体素子と接続される光半導体装置用リードフレームと、前記光半導体素子を封止し前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を透過する透光性樹脂と、前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を反射する底側反射板と、を備える光半導体装置であって、前記光半導体装置用リードフレームは、電極部と側壁部を有し、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されており、前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部の前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置し、前記底側反射板は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の下に位置し、かつ、前記電極部と対向する側に光反射面を有し、前記光反射面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率が、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高いことを特徴とする。
図1は、本発明に係る光半導体装置の一例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
例えば、図1に示すように、本発明に係る光半導体装置200は、光半導体素子210と、光半導体素子210と接続される光半導体装置用リードフレーム1と、光半導体素子210を封止し光半導体素子210が発する光の少なくとも一部を透過する透光性樹脂240と、光半導体素子210が発する光の少なくとも一部を反射する底側反射板230と、を備えている。
そして、光半導体装置用リードフレーム1は、電極部2aおよび2bと側壁部3aおよび3bを有しており、電極部2aおよび2bは、光半導体素子210の上(天側)に位置し、かつ、底側反射板230と対向する側に光半導体素子210が搭載される面を有し、側壁部3aおよび3bは、光半導体素子210を平面視で囲むように配設されており、側壁部3aおよび3bの底側反射板230側の面は、電極部2aおよび2bの前記光半導体素子210が搭載される面よりも前記底側反射板230側に位置している。
一方、底側反射板230は、光半導体素子210の下に位置し、かつ、電極部2aおよび2bと対向する側に光反射面を有している。
そして、前記光反射面の光半導体素子210が発する光に対する反射率は、電極部2aおよび2bの光半導体素子210が搭載される面の光半導体素子210が発する光に対する反射率よりも高いものである。
ここで、本明細書における「天側」とは、光半導体装置において光半導体素子からの光が放出される主面となる方向を指し、図1(b)におけるZ方向のことである。また、「底側」とは、上記「天側」と対向する反対側の方向を指す。
上述のように、本発明に係る光半導体装置においては、光半導体装置用リードフレームの電極部は光半導体素子の上に配置され、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高める反射板としての機能は底側反射板が担う。
それゆえ、本発明においては、光半導体装置用リードフレームの電極部の表面に形成する銀めっき膜は、光半導体素子と電気的に接続するための条件を満たしていれば良く、従来のような前記銀めっき膜が反射率を高くするための条件も満たす必要がある場合に比べて製造上の制約を排除することができ、製造コストも低く抑えることができる。
また、本発明に係る光半導体装置においては、前記底側反射板を、前記光半導体装置用リードフレームとは別に備えるため、この底側反射板に、光半導体素子からの光を効率良く反射する機能に特化した高反射率の材料を用いることができる。
一方、上記のように、前記光半導体装置用リードフレームの電極部の表面に形成する銀めっき膜は、光半導体素子と電気的に接続するための機能に特化した条件で形成することができる。
それゆえ、本発明に係る光半導体装置においては、光半導体素子との電気的な接続信頼性を高めつつ、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高めることができる。
以下、本発明に係る光半導体装置を構成する底側反射板、光半導体装置用リードフレーム、光半導体素子、および、透光性樹脂について説明する。
[底側反射板]
まず、本発明に係る底側反射板について説明する。
上述のように、本発明に係る底側反射板は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の下に位置し、かつ、前記電極部と対向する側に光反射面を有し、前記光反射面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率が、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高いものである。
本発明においては、光半導体装置用リードフレームと底側反射板とを、各々独立した別個の部材とすることができる。すなわち、本発明においては、前記底側反射板に対して光半導体素子との電気的な接続信頼性は要求されない。
それゆえ、前記底側反射板は、光半導体素子から放射される光の反射率を高めることに特化した構成にすることができる。
例えば、前記底側反射板の材料として、従来の底側反射板を兼ねていた光半導体装置用リードフレームの電極部の表面に形成していた銀めっき膜よりも、光の反射率が高い材料を用いることができる。
また、底側反射板の構成を、光の反射率が高い材料を光反射面側に積層した構成とすることもできる。
また、底側反射板に銀めっき膜を形成する場合も、反射率のみならず接続信頼性も求められていた従来の光半導体装置用リードフレームに用いていた形成条件に比べて、より反射率を高めることに適した形成条件を用いることができる。
また、本発明においては、底側反射板の形態を、従来の底側反射板を兼ねていた光半導体装置用リードフレームの形態よりもシンプルな形態にすることができる。その結果、底側反射板および光半導体装置の製造をより容易にすることができ、製造時間の短縮や製造コストの低減という効果を奏することもできる。
また、底側反射板を構成する材料に、従来の光半導体装置用リードフレームよりも安価な材料を使うことも可能であり、これにより製造コストの低減という効果を奏することもできる。
図2は、本発明に係る光半導体装置を構成する底側反射板の説明図である。
本発明においては、底側反射板230の光反射面を構成する材料として、光の反射率が高い金属、例えば、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、または、白金(Pt)のいずれかを含む金属等を、好適に用いることができる。このような光の反射率が高い金属で底側反射板230の光反射面を構成することにより、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高めることができるからである。
底側反射板230の形態は、光半導体素子から底方向に放射される光を反射することができる形態であれば良く、特に制限されないが、例えば、平板状の形態とすることが好ましい。
例えば、図2(a)に示すように、底側反射板230を平板状の金属板231とすることで、底側反射板および光半導体装置の製造をより容易にすることができ、製造時間の短縮や製造コストの低減という効果を奏することができる。
前記平板状の金属板231の厚みは、光半導体装置200の筐体としての強度を保持できる厚みであれば良く、特に制限されないが、例えば、0.05mm〜0.5mmとすることができる。
本発明においては、上記のような光の反射率が高い金属を含む平板状の金属板を鏡面研磨し、その鏡面研磨した面を、底側反射板230の光反射面として用いてもよい。
また、本発明においては、図2(b)に示すように、前記底側反射板が、前記平板状の金属板231の天側(光半導体装置200を構成する形態において電極部2aおよび2bと対向する側)の面に、金属箔232を積層した構造を有していても良い。
ここで、金属箔232は、上記のような光の反射率が高い金属を含むものであり、金属箔232の天側の面が、底側反射板230の光反射面となる。
なお、図示はしないが、平板状の金属板231と金属箔232の間には、接着層等があってもよい。
このような構成であれば、金属箔232の天側の面(光反射面)が高い反射率を有していれば良いため、下地の金属板231は反射率が低いものであっても良い。すなわち、下地の金属板231の材料を、より自由に選択することができる。
例えば、下地の金属板231の材料に、より安価な材料を用いることや、熱伝導性等、他の特性に優れた材料を用いることもできる。
前記金属箔232としては、例えば、銀(Ag)箔、アルミニウム(Al)箔、または、白金(Pt)箔を挙げることができ、その厚みとしては、例えば、5μm〜20μm程度のものを用いることができる。
上記のような積層構造の底側反射板230は、例えば、平板状の金属板231の天側(光半導体装置200を構成する形態において電極部2aおよび2bと対向する側)の面に、シート状の金属箔232をラミネートすることにより得ることができる。
また、本発明に係る底側反射板230は、例えば、図2(c)に示すように、天側(光半導体装置200を構成する形態において電極部2aおよび2bと対向する側)の面に、銀(Ag)を含むめっき膜233を有する構造であっても良い。この場合、めっき膜233の天側の面が、底側反射板230の光反射面となる。
このような構成であれば、めっき膜233の天側の面(光反射面)が高い反射率を有していれば良いため、上述と同様に、下地の金属板231の材料を、より自由に選択することができる。
上記のような銀を含むめっき膜233を有する底側反射板230は、金属板231の天側(光半導体装置200を構成する形態において電極部2aおよび2bと対向する側)の面に、例えば、シアン化銀を主成分とした銀めっき液を用いた電解めっきを施すことにより得ることができる。
なお、前記めっき膜233を形成する前に、例えば、電解脱脂工程、酸洗工程、銅ストライク工程、を適宜選択し、その後、電解めっき工程を経て、めっき膜233を形成してもよい。
ここで、本発明においては、光半導体装置用リードフレーム1と底側反射板230とは、各々独立した別個の部材とすることができるため、上記のめっき膜233は、従来のように光半導体装置用リードフレームが底側反射板を兼ねていた場合に比べて、反射率をより重視したものとすることができる。
すなわち、本発明に係る底側反射板は光半導体素子との電気的接続を要求されないため、より反射率を高くする目的に適した形成条件で、めっき膜233を形成することができる。
また、本発明に係る底側反射板230は、従来の光半導体装置用リードフレームのようにエッチング等の各種処理にさらされることはないことから、上記のようなめっき膜を形成する場合に、より清浄な状態の表面にめっき膜を形成することができる。
それゆえ、例えば、従来の光半導体装置用リードフレームの材料として用いられてきた金属材料(例えば、銅)を底側反射板230に用いる場合であっても、より良質なめっき膜を形成することができる。
また、本発明に係る底側反射板230は、前記光反射面の上に、ガスバリア層234を有していても良い。前記光反射面が、空気中の酸素や硫化水素ガス等の腐食性ガスと接触することを防止して、前記光反射面の反射率が低下することを抑制することができるためである。
ここで、前記透光性樹脂のガスバリア性が十分でない場合、空気中の酸素や硫化水素ガス等の腐食性ガスが前記透光性樹脂を通して光半導体装置内部にまで浸透し、前記光反射面に到達してしまうという問題がある。
そして、従来のように、光半導体装置用リードフレームの銀めっき膜に、電気的な接続信頼性と反射率の両方を要求する場合には、前記銀めっき膜の耐腐食性を高めることは困難であったため、時間の経過とともに前記銀めっき膜の反射率が低下してしまうという問題があった。
それゆえ、本発明に係る底側反射板においても、上記のような腐食による反射率低下を抑制するために、光反射面の上にガスバリア層を有していてもよい。
例えば、図2(d)に示す例においては、金属板231の天側(光半導体装置200を構成する形態において電極部2aおよび2bと対向する側)の面に、銀を含むめっき膜233が形成されており、その上に、ガスバリア層234が形成されている。
ここで、上述のように、本発明に係る底側反射板230は、光半導体素子210との電気的接続を要求されないため、前記ガスバリア層234の材料には、絶縁性の材料を用いることもできる。例えば、本発明において、前記ガスバリア層234は、エポキシ系樹脂を含むものとすることができる。
例えば、図2(d)に示す例のような構成を有する底側反射板230は、めっき膜233を形成した金属板231を金型内に設置し、エポキシ系樹脂を射出成型することにより得ることができる。
[光半導体装置用リードフレーム]
次に、光半導体装置用リードフレームについて説明する。
図3は、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの一例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
また、図4は、図3に示す光半導体装置用リードフレームが多面付けされた形態の例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームは、図3に示すような、パッケージ単位の形態(第1の形態、)と、図4に示すような、前記パッケージ単位の光半導体装置用リードフレームが連結部を介して平面上に多面付けされた形態(第2の形態)の2つの形態を含んでいる。
(第1の形態)
まず、パッケージ単位の光半導体装置用リードフレームについて説明する。
ここで、「パッケージ単位の光半導体装置用リードフレーム」とは、1単位の半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームのことであり、その構成として、少なくとも1個の光半導体素子と電気的に接続される一対の電極部を有しているものである。
本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームは、電極部と側壁部を有し、前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部の前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置するものである。
例えば、図3に示すように、本発明に係る光半導体装置用リードフレーム1は、電極部2a、2bと側壁部3a、3bを有し、図1に示すように、前記電極部2a、2bは、光半導体装置200を構成する形態において光半導体素子210の上に位置し、かつ、底側反射板230と対向する側に前記光半導体素子210が搭載される面を有し、前記側壁部3a、3bは、前記光半導体装置200を構成する形態において前記光半導体素子210を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部3a、3bの前記底側反射板230側の面は、前記電極部2a、2bの前記光半導体素子210が搭載される面よりも前記底側反射板230側に位置している。
このような構成を有するため、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームにおいては、その電極部が光半導体素子の天側に配置され、光半導体素子が載置される底側の反射板としての機能は、上述の底側反射板が担うため、光半導体装置用リードフレームの表面に形成する銀めっき膜は、主に、光半導体素子と電気的に接続するための条件を満たしていれば良く、前記銀めっき膜が反射率を高くするための条件も満たす必要がある場合に比べて、製造上の制約が減り、それゆえ製造コストも低く抑えることができる。
また、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームにおいては、前記側壁部が、前記光半導体素子を囲む側の側面において、前記光半導体装置用リードフレームを平面視したときに前記側面の前記底側反射板側の端部が前記底側反射板とは反対側の端部よりも前記光半導体素子側に位置するような形状を有することが好ましい。
このような構成を有していれば、前記側壁部は、光半導体素子を封止する透光性樹脂を所定の領域に留める壁としての機能の他に、光半導体素子から放出される横方向(側面方向)の光を、効率良く天側の方向に反射する側方反射板としての機能も発揮できるからである。
例えば、図1に示すように、本発明に係る光半導体装置用リードフレーム1の側壁部3aおよび3bは、例えば、A−A断面の部分において、光半導体素子210を囲む側の側面において、前記側面の底側反射板230側の端部が底側反射板230とは反対側(天側)の端部よりも光半導体素子210側に位置している。
また、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームにおいては、前記電極部と前記側壁部が、同一金属材料からなり、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されていることが好ましい。例えば、図3に示すように、電極部2aおよび2bと、側壁部3aおよび3bは、隙間を介することにより互いに隔離されている。
このような構成を有していれば、電極部2aおよび2bと、側壁部3aおよび3bを、同一金属材料から形成することができるため製造上効率的であり、かつ、電極部2aと2bとを電気的に絶縁できるため、光半導体素子を接続する際に短絡(ショート)を起こすことがないからである。
前記金属材料としては、例えば、銅、銅合金、42合金(Ni40.5%〜43%のFe合金)、アルミニウム等を挙げることができる。また金属材料の厚みは、例えば、0.05mm〜0.5mmとすることができる。
また、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームにおいては、前記電極部、および、前記側壁部に、銀を含むめっき膜が形成されていることが好ましい。
このような構成を有していれば、例えば、前記電極部の材料として、銅または銅合金を用いる場合に、光半導体素子と良好に電気的接続を行うことができ、また、前記側壁部による光半導体素子から側方に放射される光の反射性を、より高めることができるからである。
例えば、図3(c)に示すように、光半導体装置用リードフレーム1の電極部2aの表面、および、側壁部3aおよび3bの表面には、銀を含むめっき膜4が形成されている。
ここで、従来のように、光半導体装置用リードフレームが、光半導体素子と電気的に接続される電極としての機能に加えて、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高める反射板としての機能も担う場合には、上記の銀を含むめっき膜は、反射率を高くするための条件も満たす必要があった。
それゆえ、例えば、単に光半導体素子と電気的に接続するためのめっき膜を形成する場合よりも小さい電力しか使用できないという制約により、めっき膜形成に時間がかり、形成されるめっき膜の厚みについても薄いもの(例えば0.5μm程度)に制限され、接続信頼性を高めることが困難であった。
しかしながら、本発明においては、リードフレームの表面に形成するめっき膜は、主に、光半導体素子と電気的に接続するための条件を満たしていれば良く、例えば、より大きな電力を使用して、めっき膜を高速形成することが可能であり、形成されるめっき膜の厚みについても光半導体素子との電気的接続に適した厚み(例えば3μm程度)にすることができる。
なお、図3(c)においては、電極部2aの表面に、銀を含むめっき膜4が形成されている状態を例示しているが、本発明においては、電極部2aと同様に、電極部3aの表面にも、銀を含むめっき膜4が形成されている。
また、図3においては、煩雑となるのを避けるために、図3(a)および(b)には、銀を含むめっき膜4の記載は省略している。
(第2の形態)
次に、第2の形態の光半導体装置用リードフレームについて説明する。
第2の形態の光半導体装置用リードフレームは、上述した第1の形態の光半導体装置用リードフレーム複数個が、連結部を介して平面状に多面付けされている形態を有しているものである。
例えば、図4に示すように、本形態の光半導体装置用リードフレーム100は、外周部に外枠部121を有しており、前記外枠部121で囲まれた領域に、上述した第1の形態の光半導体装置用リードフレーム1の複数個が、連結部111a、111b、112、113a、113b、114を介して平面状に多面付けされている。
上記の連結部について、より詳しく説明すると、パッケージ単位の第1の形態の光半導体装置用リードフレーム1は、図4(a)におけるX方向において、連結部111aおよび111bを介して外枠部121と連結しており、図4(a)におけるY方向において、連結部112を介して外枠部121と連結しており、図4(a)におけるX方向において、連結部113aおよび113bを介して隣接する別の光半導体装置用リードフレーム1と連結しており、図4(a)におけるY方向において、連結部114を介して隣接する別の光半導体装置用リードフレーム1と連結している。
なお、図4は一例であり、上述の各連結部の形状や本数は、図4に示す形状や本数に限定されず、各種の形状や本数を選ぶことができる。また、上述の各連結部の厚みも、図4(b)に示す厚みに限定されず、側壁部3aおよび3bや、外枠部121と異なる厚みであっても良い。
また、前記連結部の配設箇所を把握しやすくするために、図4においては、前記各連結部を斜線で示しているが、各連結部を構成する材料は、パッケージ単位の第1の形態の光半導体装置用リードフレーム1を構成する材料、および、外枠部121を構成する材料と、通常、同一である。なお、本発明においては、前記連結部を構成する材料は、特に制限されず、光半導体装置用リードフレーム1を構成する材料と異なっていても良い。
本形態の光半導体装置用リードフレーム100は、上記のような構成を有しているため、この第2の形態の光半導体装置用リードフレーム100を製造することで、複数個の第1の形態の光半導体装置用リードフレーム1を一括して得ることができる。
すなわち、前記第1の形態の光半導体装置用リードフレーム1を、個々製造する場合に比べて、製造コストを大幅に低減することができる。
なお、一般に、光半導体装置を製造する際には、前記光半導体装置用リードフレーム100のような多面付け形態において、各々の光半導体装置用リードフレーム1に光半導体素子が搭載され、透光性樹脂により前記光半導体素子を封止した後に、ダイシング工程等により個々の光半導体装置に分離される。
[光半導体素子]
次に、光半導体素子について説明する。本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体素子210としては、例えば、従来から一般に用いられているLED素子を用いることができる。ここで、LED素子は、発光層として、例えば、GaP、GaAs、GaAlAs、GaAsP、AlInGaP等の化合物半導体単結晶、または、InGaN等の各種GaN系化合物半導体単結晶からなる材料を適宜選ぶことにより、紫外光から赤外光に渡る発光波長を選択することができるものである。
[透光性樹脂]
次に、透光性樹脂について説明する。本発明に係る光半導体装置を構成する透光性樹脂240としては、光の取り出し効率を向上させるために、光半導体素子の発光波長において光透過率が高く、また屈折率が高い材料を選択するのが望ましい。
例えば、耐熱性、耐候性、及び機械的強度が高いという特性を満たす樹脂として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂を選択することが可能であるが、特に、光半導体素子として高輝度LEDを用いる場合には、強い光に曝されることから、前記透光性樹脂は、高い耐光性を有するシリコーン樹脂からなることが好ましい。
以上、説明した各構成要素を備えているため、本発明に係る光半導体装置は、上述のような製造上の制約を排除し、電気的な接続信頼性を高めつつ、光半導体素子から底方向に放射される光の反射率を高めることができる。
また、本発明に係る光半導体装置においては、前記光半導体装置用リードフレームの前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面に、前記光半導体素子の端子部が、接合されていることが好ましい。
例えば、図1に示す光半導体素子210は、その天側の面に突起状の端子部220を2個有しており、図示はしないが、前記2個の端子部220の片方が、図1(a)に示す光半導体装置用リードフレーム1の電極部2aと平面視上重複する位置にあり、同様に、前記2個の端子部220のもう片方が、図1(a)に示す光半導体装置用リードフレーム1の電極部2bと平面視上重複する位置にある。
そして、図1(b)に示すように、光半導体装置用リードフレーム1の電極部2aの前記光半導体素子が搭載される面に、前記端子部220の片方が接合されており、図示はしないが、光半導体装置用リードフレーム1の電極部2bの前記光半導体素子が搭載される面に、前記端子部220のもう片方が接合されている。
すなわち、本発明に係る光半導体装置200において、光半導体素子210は、光半導体装置用リードフレーム1の電極部2a、2bと、フリップチップ接続されている。
前記突起状の端子部220としては、光半導体装置用リードフレーム1の電極部2a、2bと接合することができるものなら、特に制限されず用いることができる。
例えば、前記突起状の端子部220として、光半導体素子210の天側の面に備えられた金パッドの上に金バンプを形成したものを用いることができる。
上記のような、金バンプを有する突起状の端子部220は、例えば、金ワイヤの先端を放電溶融させてボールを形成し、これを光半導体素子210の天側の面に備えられた金パッドに超音波によって接合させ、その後、金ワイヤを切断することで形成できる。
このような構成を有していることにより、本発明に係る光半導体装置200は、上述の効果に加えて、光半導体素子と光半導体装置用リードフレームとをワイヤボンディングする場合よりもシンプルな構成とすることができる。
なお、光半導体装置200の電極部2a、2bは、それぞれ外部回路と電気的に接続されるが、上記の外部回路との接続においては、電極部2a、2bの各側面で接続されることが好ましい。
電極部2a、2bの各天側の面で接続される場合には、外部回路の配線によって、光半導体装置200の天側の一部が覆われて発光効率が低下する恐れがあり、これを防止するためである。
また、本発明に係る光半導体装置においては、前記光半導体素子と前記底側反射板が、接合されていることが好ましい。光半導体素子に蓄積する熱を、底側反射板に伝導させて外部へ放出することができるからである。
例えば、図1に示す光半導体素子210においては、光半導体素子210の底側の面と底側反射板230が、接合されている。
光半導体素子210と底側反射板230との接合方法は、光半導体素子210に蓄積する熱を、前記底側反射板230に伝導し、外部へ放出することができる方法であれば、特に制限されず用いることができる。例えば、半田や放熱性接着剤を用いて接合することができる。
また、本発明に係る光半導体装置においては、前記側壁部は、前記底側反射板側の面で前記底側反射板と接合されていることが好ましい。
例えば、図1(b)に示すように、本発明に係る光半導体装置200においては、光半導体装置用リードフレーム1の側壁部3aおよび3bの底側の面に、前記底側反射板230が接合されている。
このような構成であれば、透光性樹脂240を充填する際に、側壁部3aおよび3bの底側の面と底側反射板230の隙間から透光性樹脂240が漏出することを防止できる。
ここで、光半導体装置用リードフレーム1の側壁部3aおよび3bと底側反射板230との接合方法には、例えば、各種接着剤を用いることができるが、中でも、半田や放熱性接着剤を用いて接合する方法が好ましい。
このような構成であれば、前記底側反射板230に伝導させた光半導体素子210の熱を、さらに光半導体装置用リードフレーム1の側壁部3aおよび3bに伝導させて外部へ放出させることができるため、さらに、放熱性に優れた光半導体装置とすることができるからである。
[光半導体装置用リードフレームの製造方法]
次に、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの製造方法について説明する。
一般に、光半導体装置用リードフレームは、上述の本発明に係る光半導体装置用リードフレームの第2の形態で説明したような多面付け形態で製造される。そして、光半導体装置を製造する際には、前記多面付け形態における個々の光半導体装置用リードフレームに、それぞれ光半導体素子が備えられ、樹脂による封止等の工程の後に、ダイシングされて個々の光半導体装置に分離される。
しかしながら、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの製造方法の特徴は、前記第2の形態における各連結部や外枠部によらず、上記の第1の形態で説明した個々の光半導体装置用リードフレーム1を製造する方法で説明できる。それゆえ、煩雑となることを避けるため、ここでは、上記の第1の形態で説明した光半導体装置用リードフレーム1の製造方法について説明する。
なお、前記光半導体装置用リードフレームの前記第2の形態における各連結部や外枠部の形成方法については、特に制限されず、従前の方法を用いることができる。
図5は、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例を示す模式的工程図である。
また、図6は、本図5に示す光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例における第1のレジストパターンの関係を示す説明図であり、図5(c)と図6(a)、図5(d)と図6(b)、図5(e)と図6(c)が、それぞれ、同じ工程段階の断面図と平面図に相当する。
また、図7は、図5に示す光半導体装置用リードフレームの製造方法の一例における第2のレジストパターンの関係を示す説明図であり、図5(c)と図7(a)、図5(d)と図7(b)、図5(e)と図7(c)が、それぞれ、同じ工程段階の断面図と底面図に相当する。
本発明の製造方法により、光半導体装置用リードフレームを製造するには、まず、図5(a)に示すように、平板状の金属基板301を準備する。この金属基板301としては、上述のように銅、銅合金、42合金(Ni40.5%〜43%のFe合金)等からなる金属基板を使用することができる。なお金属基板301は、その両面に対して脱脂等を行い、洗浄処理を施したものを使用することが好ましい。
次に、図5(b)に示すように、金属基板301の表面および裏面に、それぞれ、第1のレジスト層302および第2のレジスト層303を形成する。第1のレジスト層302および第2のレジスト層303の材料および形成方法は、エッチング用レジストとして公知のものを使用することができる。
次に、フォトリソグラフィ技術等により第1のレジスト層302および第2のレジスト層303に露光および現像を施して、金属基板301の表面に第1のレジストパターン302a、302b、302c、302dを形成し(図5(c)、図6(a))、金属基板301の裏面に第2のレジストパターン303a、303bを形成する(図5(c)、図7(a))。
ここで、図6(a)〜(c)に示すように、前記第1のレジストパターン302aおよび302bは、それぞれ、その後のエッチング工程で形成される電極部2aおよび2bの天側(前記光半導体素子が搭載される面とは反対側)の面となる領域を被覆するものである。また、前記第1のレジストパターン302cおよび302dは、それぞれ、その後のエッチング工程で形成される側壁部3aおよび3bの天側(前記底側反射板側とは反対側)の面となる領域を被覆するものである。
また、図7(a)〜(c)に示すように、前記第2のレジストパターン303aおよび303bは、それぞれ、その後のエッチング工程で形成される側壁部3aおよび3bの底側(前記底側反射板側)の面となる領域を被覆するものである。
なお、前記光半導体装置用リードフレームの前記第2の形態で説明したような多面付け形態を製造する場合には、例えば、前記連結部および前記外枠部のそれぞれの天側の面および底側の面も、各々レジストパターンで被覆されるようにしておけばよい。その後のエッチング工程により、前記連結部および前記外枠部を形成することができるからである。
次に、前記第1のレジストパターン302a、302b、302c、302d、および前記第2のレジストパターン303a、303bから露出する前記金属基板301の表裏各面にハーフエッチングを施して、前記電極部2aおよび2bと、前記側壁部3aおよび3bを、同一工程で形成する(図5(d)、図6(b)、図7(b))。
より詳しく説明すると、まず、電極部2a、2bについては、前記第1のレジストパターン302a、302bによって平面視の外形が形成され、前記第2のレジストパターン側からの金属基板301のハーフエッチングによって、電極部2aおよび2bの底側の部分がエッチングされて、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有する形態に形成される。
また、側壁部3a、3bについては、前記第1のレジストパターン302c、302dによって天側の面の外形が形成され、前記第2のレジストパターン303a、303bによって底側の面の外形が形成されるため、側壁部3a、3bの形態は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置する形態に形成される。
さらに、平面視したときに、前記第1のレジストパターン302c、302dよりも前記第2のレジストパターン303a、303bを、前記光半導体素子を囲む側に突出した形態とすることにより、側壁部3a、3bの前記光半導体素子を囲む側の側面を、前記光半導体装置用リードフレームを平面視したときに前記側面の前記底側反射板側の端部が前記底側反射板とは反対側の端部よりも前記光半導体素子側に位置するような形状に形成することができる。
上述のエッチングに用いるエッチング液は、使用する金属基板301の材料に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属基板301に銅を用いる場合は、塩化第二鉄水溶液を用いることができる。
その後、前記第1のレジストパターン302a、302b、302c、302d、および前記第2のレジストパターン303a、303bを除去して、本発明に係る光半導体装置用リードフレーム、すなわち、電極部と側壁部を有し、前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、前記側壁部の前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置する光半導体装置用リードフレームを得ることができる(図5(e)、図6(c)、図7(c))。
なお、上述のように、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームにおいては、前記電極部および前記側壁部に、銀を含むめっき膜が形成されていることが好ましい。
本発明においては、例えば、図5(e)に示す光半導体装置用リードフレームに電解めっきを施すことにより、電極部2a、2bの表面および側壁部3a、3bの表面に銀を含むめっき膜4が形成されている光半導体装置用リードフレーム1を得ることができる(図5(f))。
上述のめっき膜4は、例えば、シアン化銀を主成分とした銀めっき液を用いた電解めっきにより形成することができる。
なお、めっき膜4を形成する前に、例えば、電解脱脂工程、酸洗工程、銅ストライク工程、を適宜選択し、その後、電解めっき工程を経て、めっき層4を形成してもよい。
以上説明したように、上述の製造方法によれば、本発明に係る光半導体装置を構成する光半導体装置用リードフレームを製造することができる。
[光半導体装置の製造方法]
次に、本発明に係る光半導体装置の製造方法について説明する。
なお、上述と同様に、ここでは、前記第1の形態で説明した光半導体装置用リードフレームを用いて、本発明に係る光半導体装置の製造方法について説明する。
図8は、本発明に係る光半導体装置の製造方法の一例を示す模式的工程図である。
本発明に係る光半導体装置の製造方法は、上述の光半導体装置用リードフレームと、光半導体素子と、前記光半導体素子を封止し、前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を透過する透光性樹脂と、前記底側反射板と、を備えた光半導体装置の製造方法であって、前記光半導体装置用リードフレームの前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面に、前記光半導体素子の端子部を接合する工程と、前記光半導体素子または前記側壁部のいずれか、あるいはその両方に、前記底側反射板を接合する工程と、前記透光性樹脂により前記光半導体素子を封止する工程と、を有するものである。
本発明に係る光半導体装置を製造するには、例えば、図8(a)に示すように、まず、本発明に係る光半導体装置用リードフレーム1を準備し、前記光半導体装置用リードフレーム1の電極部2a、2bに、光半導体素子210の天側の面に形成された突起状の端子部220を、それぞれ直接接合する(図8(b))。
前記突起状の端子部220は、例えば、金パッドの上に金バンプを形成したものであり、上記の接合の方法には、従来のフリップチップ接合に用いられる熱圧着工法や超音波接合工法などの公知の方法を用いることができる。
次に、前記光半導体素子または前記側壁部のいずれか、あるいはその両方に、前記底側反射板を接合する。ここでは、前記光半導体素子および前記側壁部の両方に、前記底側反射板を接合する例について説明する。
例えば、本発明においては、図8(c)に示すように、前記光半導体素子210の底側の面に、底側反射板230を接合し、かつ、前記光半導体装置用リードフレームの側壁部3aおよび3bの底側の面にも、前記底側反射板230を接合する。
光半導体素子210と底側反射板230との接合方法は、光半導体素子210の熱を底側反射板230に伝導させて外部に放出させることができる方法であれば、特に制限されず、例えば、半田や放熱性接着剤を用いて接合することができる。
側壁部3aおよび3bと底側反射板230との接合方法には、各種接着剤を用いることができるが、中でも、半田や放熱性接着剤を用いて接合する方法が好ましい。
この後の工程において透光性樹脂240を充填する際に、側壁部3aおよび3bの底側の面と底側反射板230の隙間から透光性樹脂240が漏出することを防止できるという効果に加えて、前記底側反射板230に伝導させた光半導体素子210の熱を、さらに光半導体装置用リードフレーム1の側壁部3aおよび3bに伝導させて外部に放出させることが可能となり、より放熱性に優れた光半導体装置とする効果も奏することができるからである。
なお、本発明においては、上記に限らず、前記光半導体素子または前記側壁部のいずれかに、前記底側反射板を接合する方法を用いても良い。
ここで、前記光半導体素子に前記底側反射板を接合する場合は、前記光半導体素子の熱を前記底側反射板に伝導させて外部に放出させることができ、前記側壁部に前記底側反射板を接合する場合は、側壁部3aおよび3bの底側の面と底側反射板230の隙間から透光性樹脂240が漏出することを防止できる。
次に、図8(d)に示すように、側壁部3aおよび3bで囲まれた領域に透光性樹脂240を充填し、透光性樹脂240により光半導体素子210を封止して、本発明に係る光半導体装置200を得る。
なお、上述のように、ここでは、前記第1の形態で説明した光半導体装置用リードフレーム1を用いて、本発明に係る光半導体装置の製造方法について説明したが、本発明に係る光半導体装置は、前記第2の形態で説明した多面付け形態の光半導体装置用リードフレーム100を用いて製造することもできる。
本発明において、図4に示す前記第2の形態の光半導体装置用リードフレーム100から光半導体装置200を得るには、例えば、前記第2の形態の光半導体装置用リードフレーム100において多面付けされた個々の光半導体装置用リードフレーム1に、それぞれ光半導体素子210を搭載し、上述と同様に、各光半導体素子210の端子部220と各光半導体装置用リードフレーム1の電極部2a、2bとを接合し、各光半導体素子210または各側壁部3aおよび3bのいずれか、あるいはその両方に、底側反射板230を接合し、透光性樹脂240により各光半導体素子210を封止し、その後、前記第2の形態の光半導体装置用リードフレーム100における各連結部111a、111b、112、113a、113b、114を切断して個々に分離(ダイシング)することにより、本発明に係る光半導体装置200を得ることができる。
以上、本発明の光半導体装置について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1・・・光半導体装置用リードフレーム
2a、2b・・・電極部
3a、3b・・・側壁部
4・・・めっき膜
100・・・光半導体装置用リードフレーム
111a、111b・・・連結部
112・・・連結部
113a、113b・・・連結部
114・・・連結部
121・・・外枠部
200・・・光半導体装置
210・・・光半導体素子
220・・・端子部
230・・・底側反射板
231・・・金属板
232・・・金属箔
233・・・めっき膜
234・・・ガスバリア層
240・・・透光性樹脂
301・・・金属基板
302・・・第1のレジスト層
303・・・第2のレジスト層
302a、302b、302c、302d・・・第1のレジストパターン
303a、303b・・・第2のレジストパターン
500・・・光半導体装置
501・・・リードフレーム
502a、502b・・・電極部
503・・・めっき膜
510・・・LED素子
520・・・ボンディングワイヤ
530・・・絶縁性樹脂
540・・・透光性樹脂

Claims (8)

  1. 光半導体素子と、前記光半導体素子と接続される光半導体装置用リードフレームと、前記光半導体素子を封止し前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を透過する透光性樹脂と、前記光半導体素子が発する光の少なくとも一部を反射する底側反射板と、を備える光半導体装置であって、
    前記光半導体装置用リードフレームは、電極部と側壁部を有し、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されており、
    前記電極部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の上に位置し、かつ、前記底側反射板と対向する側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、
    前記側壁部は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、
    前記側壁部の前記底側反射板側の面は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面よりも前記底側反射板側に位置し、
    前記底側反射板は、前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子の下に位置し、かつ、前記電極部と対向する側に光反射面を有し、
    前記光反射面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率が、
    前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高いことを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記底側反射板が、前記電極部と対向する側の面に金属箔を積層した構造を有しており、前記金属箔は、前記電極部の前記光半導体素子が搭載される面の前記光半導体素子が発する光に対する反射率よりも高い反射率を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記金属箔が、銀(Ag)箔、アルミニウム(Al)箔、または、白金(Pt)箔であることを特徴とする請求項2に記載の光半導体装置。
  4. 前記底側反射板が、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、または、白金(Pt)のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  5. 前記底側反射板が、前記電極部と対向する側の面に、銀(Ag)を含むめっき膜を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  6. 前記光反射面の上にガスバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  7. 前記ガスバリア層が、エポキシ系樹脂を含むことを特徴とする請求項6に記載の光半導体装置。
  8. 光半導体装置を構成するための光半導体装置用リードフレームであって、
    電極部と側壁部を有し、前記電極部と前記側壁部は互いに隔離されており、
    前記電極部は、
    前記光半導体装置を構成する形態において前記光半導体素子に対して天側に位置し、かつ、前記電極部の底側に前記光半導体素子が搭載される面を有し、
    前記側壁部は、
    前記光半導体装置を構成する形態において、前記光半導体素子を平面視で囲むように配設されており、
    前記側壁部の底側の面は、前記電極部の底側の面よりも底側の方向に位置し、
    平面視したときに、前記側壁部の前記光半導体素子を囲む側の側面の底側の端部が、前記側面の天側の端部よりも前記光半導体素子側に位置するような形状を有することを特徴とする光半導体装置用リードフレーム。
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