JP5998437B2 - シボを有する織物 - Google Patents

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本発明は、シボを有する織物に係わり、さらに詳しくは、光沢が高度に抑えられ、ソフトで膨らみ感があり、ナチュラルな凹凸感のあるシボを有する織物に関する。
従来より、アンティークな織物表現として、レーヨンフィラメント糸のフルダル糸のような高度に光沢の抑えられた表情感やソフトで膨らみ感のある風合い、ナチュラルな凹凸感のある織物が求められているが、レーヨンフィラメント糸は、洗濯による収縮が大きく、また、シボを得るためには強撚が必要であり、強撚による風合いの硬化や膨らみ感の減少、洗濯収縮のさらなる増大がある。また、強撚によるシボではナチュラルな凹凸感が得られず、さらにレーヨンフィラメント糸は洗濯堅牢度が劣るという問題もある。
これ等の問題に対して、ポリエステルフィラメント糸の酸化チタン含有のフルダル糸を用いた先撚仮撚加工糸の織物が提案されている(特許文献1)が、通常のポリエステルフィラメント糸は、高い初期引張抵抗度による風合いの硬さの問題があり、さらに酸化チタンによるザラツキ感が強く、満足のいく織物を得られていないのが現状である。
特開昭62−223319号公報
本発明の目的は、光沢が高度に抑えられ、ソフトで膨らみ感のある風合い、ナチュラルな凹凸感のある、シボ表情感に優れたシボを有する織物を提供することにある。
本発明の要旨は、主として下記条件1、2を満足するポリエステルフィラメント糸Aからなる先撚仮撚加工糸、好ましくは先撚での撚糸方向と仮撚加工での加撚方向とが同一の先撚仮撚加工糸を用いてなるシボを有する織物、にある。
1.初期引張抵抗度が60cN/dtex〜80cN/dtex
2.酸化チタンの含有量が1.0質量%〜2.0質量%
本発明によれば、従来よりアンティークな織物表現として求められている、光沢が高度に抑えられ、ソフトで膨らみ感のある風合い、ナチュラルな凹凸感のある、シボ表情感に優れたシボを有する織物を提供し得る。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明における先撚仮撚加工糸を構成するポリエステルフィラメント糸Aは、初期引張抵抗度が60cN/dtex〜80cN/dtex、好ましくは60cN/dtex〜75cN/dtexであることが必要である。ポリエステルフィラメント糸Aの初期引張抵抗度が60cN/dtex未満では、織物における風合いが柔らかくなり過ぎて例えば目的とする洋服のシルエットが得られなくなり、また80cN/dtexを超えると、風合いが硬くなり、本発明の目的とする織物におけるソフトな風合いは得られない。
因みに、絹の初期引張抵抗度は44cN/dtex〜88cN/dtex、通常のポリエステルフィラメント糸の初期引張抵抗度は79cN/dtex〜141cN/dtexであり、ポリエステルフィラメント糸であっても、絹の初期引張抵抗度に近いものに変性することにより、絹に近いソフトな風合いが得られる。また、本発明におけるポリエステルフィラメント糸Aは、通常のポリエステルフィラメント糸に比べて撚糸の撚止めセットが容易になり、撚糸の内外層のセット斑が少なく、セット時間も大幅に短縮するため、生産性の向上や品質の向上が得られ、さらに、風合いのソフト化の手段としてアルカリによる減量加工も可能であり、風合いに対する顧客の多様な要望にも対応が可能となり、また、通常のポリエステルフィラメント糸よりも低濃度のアルカリで減量できるというメリットもある。
また、本発明における先撚仮撚加工糸を構成するポリエステルフィラメント糸Aは、酸化チタン含有量が1.0質量%〜2.0質量%、好ましくは1.0質量%〜1.8質量%である必要がある。ポリエステルフィラメント糸Aの酸化チタン含有量が1.0質量%未満では、光沢を抑える効果が不十分で、本発明の目的とする織物における光沢が高度に抑えられた表情感が得られず、酸化チタン含有量が2.0質量%を超えると、ザラツキ感が表面化して本発明の目的とする織物におけるソフトな風合いが得られない。また、酸化チタン含有量が2.0質量%を超えると、撚糸や仮撚加工工程でガイドやスピナーの磨耗が大きく、その疵でフィラメント切れが生じ易くなり生産性も悪くなる。なお、酸化チタンを含有することにより紫外線遮断効果という機能性が得られるメリットもある。
本発明における先撚仮撚加工糸を構成するポリエステルフィラメント糸Aは、前述の条件1、2を満たしていればよく、その製造方法や単糸の断面形状、表面形状、染色性等を特に限定するものではなく、かかる初期引張抵抗度が60CN/dtex〜80CN/dtexの範囲のポリエステルフィラメント糸Aを得る方法として、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリマーに5−ナトリウムスルホイソフタル酸やアジピン酸等の第三成分を複数共重合させる方法、ポリエチレンテレフタレートポリマー或いは共重合ポリエチレンテレフタレートポリマーに多価アルコールアルキレンオキシド付加体等の第三成分をブレンドさせる方法、ポリエチレンテレフタレートポリマーを低延伸倍率で延伸する方法等が挙げられる。また酸化チタンは任意のポリマー段階で所定量が添加されるが、添加の時期、方法については特に限定するものではない。
本発明における先撚仮撚加工糸とは、先撚工程で低撚数の撚糸が施され、さらに仮撚加工が施されてなる加工糸である。本発明における先撚仮撚加工糸の製造の際の撚糸方法や仮撚加工方法については特に限定するものではなく、目的とする商品にあわせて、先撚りでの撚数や仮撚加工での温度、撚数等を任意に設定することが可能である。特に、先撚仮撚加工糸を得る際の仮撚加工においては、加撚方向を先撚での撚糸方向と同方向にする必要がある。先撚での撚糸方向と仮撚加工での加撚方向とが同一であると、得られた先撚仮撚加工糸の解撚トルクが強くなり、この解撚トルクにより後の染色加工等の弛緩状態の湿熱下で織物にシボが発現し、先撚での撚糸方向と仮撚加工での加撚方向とが異なると、解撚トルクが弱く、湿熱下でのシボの発現が不十分となり、本発明の目的とするシボ織物が得られない。また、仮撚加工の温度が高過ぎたり、撚数が多すぎると融着による風合い硬化が生じ、本発明の目的とする織物におけるソフトな風合いが得られない。本発明における先撚仮撚加工糸の製造に際しては、例えば、先撚では、撚数は撚係数6000〜9000が好ましく用いられ、仮撚加工では、温度は160℃〜180℃、仮撚張力は加撚張力が0.015g/dtex〜0.035g/dtex、解撚張力が0.080g/dtex〜0.16g/dtexである条件が好ましく用いられる。
また、本発明における先撚仮撚加工糸は、主としてポリエステルフィラメント糸Aから構成され、ポリエステルフィラメント糸Aのみから構成されていてもよいし、ポリエステルフィラメント糸Aを50質量%以上含むのであれば、ポリエステルフィラメント糸Aに他のフィラメント糸Bが混用されて構成されていてもよい。ポリエステルフィラメント糸Aのみの先撚仮撚加工糸或いは他のフィラメント糸Bが混用された先撚仮撚加工糸は、ポリエステルフィラメント糸Aを、或いはポリエステルフィラメント糸Aとフィラメント糸Bとを、先撚工程で撚糸(合撚)し、撚止めセットした後、仮撚加工を施すことにより得ることができる。混用される他のフィラメント糸Bとしては、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸、セルロースアセテートフィラメント糸、ポリアミドフィラメント糸、レーヨンフィラメント糸等が挙げられる。
本発明においては、特に、ポリエステルフィラメント糸Aとしてポリエチレンテレフタレートポリマーに5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸を前記初期引張抵抗度となるような量共重合させてなる常圧可染型ポリエステルフィラメント糸を用い、他のフィラメント糸Bとしてシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸を用いて構成した先撚仮撚加工糸が、織物としたときに杢調表現効果とナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れるため、好ましく用いられる。
好ましく用いられるこの先撚仮撚加工糸においては、先撚仮撚加工糸を構成する一方の前記第三成分を共重合させた常圧可染型ポリエステルフィラメント糸は、常圧でのカチオン染料可染性及び分散染料易染性を有し、また先撚仮撚加工糸を構成する他方のシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸は、その低配向域のシック部と高配向域のシン部に基づき分散染料による常圧の染色で濃淡の異染性を有する。かかる常圧可染型ポリエステルフィラメント糸とシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸にて構成の先撚仮撚加工糸からなる織物をカチオン染料にて常圧で沸騰染色するときには、常圧可染型ポリエステルフィラメント糸のみが染色され、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸の杢調効果が強調され、先撚仮撚加工による杢調のコナレ効果、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感効果等と相俟って、意匠性に優れたシボを有する織物が得られる。
また、かかる常圧可染型ポリエステルフィラメント糸とシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸にて構成の先撚仮撚加工糸からなる織物を分散染料にて常圧で沸騰染色するときには、常圧可染型ポリエステルフィラメント糸とシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸のシック部が濃色に、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸のシン部が淡色に染まり、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸による杢調効果と先撚仮撚加工による杢調のコナレ効果、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感効果等により意匠性に優れた織物が得られる。なお、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸の種類は特に限定するものではないが、光沢の抑制の観点から、酸化チタンが含まれているものが好ましく用いられる。また、本発明における風合いや光沢の観点からシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸の混用率も50質量%を超えない範囲とする。
本発明の先撚仮撚加工糸におけるポリエステルフィラメント糸Aが、常圧可染型ポリエステルフィラメント糸であるときには、天然繊維だけでなく、ポリアミド繊維、アクリル繊維、レーヨン等のほとんどの繊維が常圧で染色されていることから、本発明における先撚仮撚加工糸にこれ等の繊維を製織の際に混用したときには、織物が常圧で染色可能であり、これ等の繊維のダメージを少なくし、また、エネルギーの消費も少なくてすむ。一方、ポリエステルフィラメント糸を常圧可染型にすることにより、撚糸の撚止めセット性が向上し、生産性や品質が向上する効果も得られる。
本発明の織物は、その組織、密度、製織方法等については特に限定はなく、また、本発明の織物の製織に際して、他の繊維を混用するときは、先撚仮撚加工糸と他の繊維との配列や経糸使い、緯糸使い等により交織してもよく、使用目的の商品の表現を考慮して任意に他の繊維、混用率を選定すればよい。本発明のシボを有する織物は、先撚仮撚加工糸を用いての製織後、弛緩状態の湿熱下で、特に好ましくは染色加工の際の染浴中で、織物を構成する先撚仮撚加工糸の解撚トルクにより織物にシボを発現、いわゆるシボ立ちを生じさせてなるものである。また、本発明のシボを有する織物には、染色加工と共にさらに皺加工が施されていることが好ましい。皺加工は、染色工程で脱液後に皺が付与される負荷を織物にかける操作であり、皺加工が施されることにより、先撚仮撚加工糸の解撚トルクによる染色加工でのシボ立ちと皺加工での皺による表情感との相乗効果で、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感や膨らみ感がさらに向上する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中、初期引張抵抗度はJIS L−1013に準拠して測定し、風合いや外観等はハンドリング、目視によって評価した。
(実施例1)
ポリエステルフィラメント糸Aとして、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2.25モル%及びアジピン酸5モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートからなる酸化チタン1.5質量%含有の常圧可染型ポリエステルフィラメント糸フルダル167dtex/48フィラメント(単糸丸断面)を用いた。この常圧可染型ポリエステルフィラメント糸は、カチオン染料または分散染料による常圧での沸騰染色で濃色レベルの染色性を有し、また初期引張抵抗度が70.3cN/dtexであった。この常圧可染型ポリエステルフィラメント糸を2本用い、撚糸機(村田機械社製310−C)にて、撚方向Z、撚数400T/mの撚糸を施し、それを乾熱60℃で3日間の撚止めセットを行った。この撚糸を用い、仮撚加工機(三菱重工業社製LS−2)にて、温度170℃、撚数1500T/m、加撚方向Zの仮撚加工を施し、先撚仮撚加工糸を作成した。仮撚加工時の加撚張力は8g/y、解撚張力は33g/yであり、得られた先撚仮撚加工糸は繊度が364dtexであった。
得られた先撚仮撚加工糸を用いて、経糸密度51本/吋、緯糸密度46本/吋の平組織の織物を製織した。この生機を常法により減量率20質量%にアルカリ減量加工した後、カチオン染料を用いた105℃の染色で白色に染色加工し、経糸密度59本/吋、緯糸密度51本/吋に仕上げた。得られた織物は、光沢が高度に抑えられた、ソフトで膨らみ感のある風合いとナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れた平織物であった。また、この染色加工時に皺加工を施したところ、得られた織物は、皺加工での皺の表情感との相乗効果で、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感や膨らみ感がさらに向上したものであった。
(実施例2)
実施例1で作成した先撚仮撚加工糸を用いて、経糸密度60本/吋、緯糸密度49本/吋の梨地(120×120)組織の織物を製織した。この生機を常法により減量率18質量%にアルカリ減量加工した後、カチオン染料を用いた120℃での染色で黒色に染色加工し、経糸密度74本/吋、緯糸密度58本/吋に仕上げた。得られた織物は、光沢が高度に抑えられた、ソフトで膨らみ感のある風合いとナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れた梨地織物であった。また、この染色加工時に皺加工を施したところ、得られた織物は、皺加工での皺の表情感との相乗効果で、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感や膨らみ感がさらに向上したものが得られた。
(実施例3)
実施例1でポリエステルフィラメント糸Aとして用いた常圧可染型ポリエステルフィラメント糸フルダル167dtex/48フィラメント(単糸丸断面)1本とフィラメント糸Bとしてシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸セミダル84dtex/36フィラメント(東レ社製Z275)1本とを用い、引き揃えて撚糸機(村田機械社製310−C)にて撚方向Z、撚数600T/mの撚糸を施し、それを乾熱60℃で3日間の撚止めセットを行った。この撚糸を用い仮撚加工機(三菱重工業社製LS−2)にて温度170℃、撚数2100T/m、加撚方向Zの仮撚加工を施し先撚仮撚加工糸を作成した。仮撚加工時の加撚張力は8g/y、解撚張力は33g/yであり、得られた先撚仮撚加工糸は繊度が286dtexであった。
得られた先撚仮撚加工糸を用いて、経糸密度65本/吋、緯糸密度58本/吋の梨地(120×120)組織の織物を製織した。この生機を常法により減量率20質量%にアルカリ減量加工した後、カチオン染料を用いた105℃での染色で紺色に染色加工し、経糸密度78本/吋、緯糸密度65本/吋に仕上げた。得られた織物は、光沢が高度に抑えられた、ソフトで膨らみ感のある風合いとナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れたものであった。また、ポリエステルフィラメント糸Aの常圧可染型ポリエステルフィラメント糸のみが紺色に染色され、フィラメント糸Bのシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸の杢調効果が強調されており、先撚仮撚加工による杢調のコナレ効果とナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感効果等の相乗効果により、意匠性に優れたものであった。また、染色加工時に皺加工を施して得た織物は、皺加工での皺の表情感との相乗効果で、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感や膨らみ感がさらに向上したものであった。
(実施例4)
実施例3において、製織して作成した生機を分散染料を用いた110℃での染色で濃いベイジュ色に染色加工した以外は、実施例3と同様にして減量加工し、仕上げた。得られた織物は、ポリエステルフィラメント糸Aの常圧可染型ポリエステルフィラメント糸とフィラメント糸Bのシックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸のシック部とが濃色に、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸のシン部が淡色に染色され、濃淡による杢調表現のため実施例3で得た織物と比べおとなしい杢調表現となっていた。また、得られた織物は、杢調も実施例3で得た織物とは異なって表情となり、意匠性に優れたナチュラルな杢調で、光沢が高度に抑えられた、ソフトで膨らみ感のある風合いとナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れたものであった。
(比較例1)
実施例1において、初期引張抵抗度70.3cN/dtex、酸化チタン含有量1.5質量%の常圧可染型ポリエステルフィラメント糸の代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸フルダル167dtex/48フィラメント(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、初期引張抵抗度100cN/dtex、酸化チタン含有量2質量%)を2本用いた以外は、実施例1と同様にして、撚糸機(村田機械社製310−C)にて撚方向Z、撚数400T/mの撚糸を施し、乾熱60℃で撚止めセットを行った後、この撚糸を用い仮撚加工機(三菱重工業社製LS−2)にて温度180℃、撚数1500T/m、加撚方向Zの仮撚加工を施し先撚仮撚加工糸を作成した。仮撚加工時の加撚張力は8g/y、解撚張力は34g/yであり、得られた先撚仮撚加工糸は繊度が364dtexであった。
得られた先撚仮撚加工糸を用いて、経糸密度51本/吋、緯糸密度46本/吋の平組織の織物を製織した。この生機を用いて、常法により減量率20質量%にアルカリ減量加工した後、分散染料を用いた120℃の高圧染色でベイジュ色に染色加工し経糸密度59本/吋、緯糸密度51本/吋に仕上げた。得られた織物は、光沢が高度に抑えられた、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れたものであったが、実施例1で得た織物に比べて風合いが硬くザラツキ感のあるものであった。また、得られた織物は、結晶化度の差から生じる光の屈折率の差によるものと思われるが、実施例1の織物に比べ白さに柔らかさが感じられず高級感に劣るものであった。また、撚糸を施した後の乾熱60℃での撚止めセットには5日間を要しており、実施例1に比べ生産性の点でも劣っていた。
(比較例2)
比較例1において、初期引張抵抗度100cN/dtex、酸化チタン含有量2質量%のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸の代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸セミダル167dtex/96フィラメント(三菱レイヨン社製、単糸丸断面、初期引張抵抗度105cN/dtex、酸化チタン含有量0.4質量%)を2本用いた以外は、比較例1と同様の条件で先撚仮撚加工糸を作成し、得られた先撚仮撚加工糸を用いて、比較例1と同様の条件で平組織の織物を製織した。この生機を用いて、比較例1と同様の条件で減量加工、120℃の高圧染色で染色加工し経糸密度59本/吋、緯糸密度51本/吋に仕上げた。得られた織物は、ナチュラルな凹凸感のあるシボ表情感に優れたものであったが、実施例1で得た織物に比べて光沢が強く、光沢が高度に抑えられた表情感は得られず、また、風合いも実施例1で得た織物に比べ硬いものであった。また、先撚仮撚加工糸を作成する際、撚糸を施した後の乾熱60℃での撚止めセットには5日間を要しており、実施例1に比べ生産性の点でも劣っていた。
本発明の織物は、従来よりアンティークな織物表現として求められている、光沢が高度に抑えられ、ソフトで膨らみ感のある風合い、ナチュラルな凹凸感のある、シボ表情感に優れたシボを有し、洗濯によっても型崩れもなく洗濯堅牢度に優れるもので、衣料用素材として有用なるものである。

Claims (5)

  1. 下記条件1、2を満足するポリエステルフィラメントAを50質量%以上含み、先撚の撚係数が6000〜9000であり、先撚での撚方向と仮撚加工での加撚方向とが同一である先撚仮撚加工糸を用いてなるシボを有する織物。
    1.初期引張抵抗度が60cN/dtex〜80cN/dtex
    2.酸化チタン含有量が1.0質量%〜2.0質量%
  2. 前記先撚仮撚加工糸が、前記ポリエステルフィラメント糸Aの2本または前記ポリエステルフィラメント糸Aと他のフィラメント糸Bとの2本に対して先撚りされている請求項1に記載のシボを有する織物。
  3. 前記ポリエステルフィラメントAが、ポリエチレンテレフタレートポリマーに5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸を共重合させてなる常圧可染型ポリエステルフィラメント糸であり、他のフィラメント糸Bが、シックアンドシン型ポリエステルフィラメント糸である請求項2に記載のシボを有する織物。
  4. 前記先撚仮撚加工糸が、経糸及び緯糸に配されており、前記ポリエステルフィラメントAを織物に対して50質量%以上含む請求項1または請求項2に記載のシボを有する織物。
  5. 下記条件1、2を満足するポリエステルフィラメントAの2本またはポリエステルフィラメント糸Aと他のフィラメント糸Bとの2本を合糸し、その後、先撚の撚係数が6000〜9000で先撚りし、さらに先撚での撚方向と同方向の加撚方向で仮撚加工を行って先撚仮撚加工糸を得、前記先撚仮撚加工糸を経糸及び緯糸に前記ポリエステルフィラメントAが織物に対して50質量%以上含むように配して織物とし、染色加工と共に皺加工を施すシボを有する織物の製造方法。
    1.初期引張抵抗度が60cN/dtex〜80cN/dtex
    2.酸化チタン含有量が1.0質量%〜2.0質量%
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