JP5997332B1 - 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置 - Google Patents

耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5997332B1
JP5997332B1 JP2015157670A JP2015157670A JP5997332B1 JP 5997332 B1 JP5997332 B1 JP 5997332B1 JP 2015157670 A JP2015157670 A JP 2015157670A JP 2015157670 A JP2015157670 A JP 2015157670A JP 5997332 B1 JP5997332 B1 JP 5997332B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furniture
support surface
back plate
earthquake
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015157670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017023663A (ja
Inventor
市川 博章
博章 市川
Original Assignee
市川 博章
博章 市川
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 市川 博章, 博章 市川 filed Critical 市川 博章
Priority to JP2015157670A priority Critical patent/JP5997332B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5997332B1 publication Critical patent/JP5997332B1/ja
Publication of JP2017023663A publication Critical patent/JP2017023663A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Assembled Shelves (AREA)

Abstract

【課題】壁面に造り付け家具のような棚や箱等の家具を手軽に取り付けることができ、設置のために室内部材を大きく傷つけることなく、かつ、重いものを収納しても地震で転倒しない構造の耐震壁面ユニット、及び家具の転倒防止装置を提供する。【解決手段】棚や箱等の家具を装着するための背板を突っ張り装置5bで固定し、ユニットの上下端に合成樹脂製等の支持面受け板7Aa、7Bbを設け、広い面積で天井や床に両面粘着テープなどにより接合させ、接合面のせん断抵抗力を向上させる。背板にネジの効く連続穴36を設けることで、装着物、及び家具の固定を行い、家具の転倒防止装置とする。【選択図】図1

Description

本発明は、壁面等に本箱や棚等を取り付けることを可能にする耐震性の高い耐震壁面ユニット、および、その特性を活用し、地震時に家具類の転倒を防止する家具類の転倒防止装置に関するものである。
家具には、大きく分けて置き家具と造り付け家具がある。置き家具は、床面を占有し、必ず床から上に伸びる形状となる。これに対し造り付け家具は、必ずしも床を占有せずに、上部の壁面空間を利用することができるため、部屋を広く感じさせ、自由で有効な空間設計ができる。しかし、造り付け家具の設置は手軽にできるものではなく、新築やリフォームの際に設けるのが一般的で、したがって、一度設置したら簡単には変更できない。
造り付け家具のように壁面を活用するために、以下のような製品や考案がある。
突っ張り装置を市販のツーバイフォー木材に取り付けて突っ張り柱とし、これを壁際に設置して、これに棚等を取り付けるディアウォールの名称で市販されている製品がある。この場合、転倒を抑止しているのは、天井や床と装置の突っ張り部材との摩擦力であり、地震による転倒を考慮すると、あまり重いものを取り付けるのには適さない。また、この点に配慮し、突っ張り棒の脚をL型にして転倒の防止を図ったラックなどが市販されている。
下記特許文献1には、板を突っ張りと大きな底板で支えて、そこに壁掛けテレビや仏壇などの重量のある家具類も取り付けることができる転倒防止用壁面ラックが開示されている。また、下記特許文献2には、底板がない代わりに、突っ張りと壁へのネジ留めで支える、薄型テレビ装着用壁面ユニットが開示されている。
このように、重量物にも対応し、かつ、薄さと安全性を確保しようとする従来の家具類取り付け型の壁面ユニットでは、地震時の転倒防止には不十分である摩擦力を補うため、脚をL型にしたり、壁にネジで留めたりするなどの対策を必要としている。
また、このように物を取り付けるための部材を壁に設けるのではなく、下記特許文献3に開示された、石膏ボード等の壁にステープラー針を打ち込んで留める吊り下げ具を用いて、直接壁に箱や棚を設置する製品が市販されている。しかし、比較的重いものを載せた場合、大きな地震の際に働く、特に水平方向の力に抗して、これを壁に保持することは難しい。
摩擦力やネジ、ステープラー針の他にも、室内部材との接合手段としては、強粘着性ゲルなどの粘着力も用いられている。粘着力といえば両面粘着テープというのも有力な選択肢と考えられるが、粘着テープの場合、剥がすときに壁紙等への悪影響が懸念される。
その点を考慮した製品として、テープの中間層が破れて2枚に分かれ、壁紙を傷めずに剥がすことができる「はがせる両面テープ壁紙用」という名称の製品があるが、主にポスターを貼ったりするための、軽いものを留めることを目的としたものである。
一方、地震に際して、上記のように自身が安全な家具であることとともに、既存家具を転倒から守ることも防災上の重要な課題である。地震時の家具転倒対策の必要性については注意が喚起されて久しく、様々な装置が提供されているが、危険を承知しながらも対策をしていないケースが多いと言われている。
既存家具に対する後付の転倒対策としては、鴨居と家具を鎖でつないだり、家具と天井の間を突っ張り棒で突っ張ったりする装置などがある。下記特許文献4には、家具上面と天井との間に、突っ張り機能のある箱を設置して転倒を防ぐ収納庫が開示されている。しかし、突っ張ることのできる高さの範囲が限られる。
特開2011−218038号公報(転倒防止用壁面ラック) 特開2006−60754号公報(薄型テレビ装着用壁面ユニット) 特開2006−22910号公報(固定部の構造、および吊り下げ具) 特開2001−46166号公報(突っ張り・組立型タンス上収納庫)
前述のツーバイフォー木材に突っ張り装置を取り付けた突っ張り柱は、突っ張り力により生じる、天井や床と装置の突っ張り面との間の摩擦力により転倒を防止しており、重いものを設置するのには適さない。重いものを設置した場合、平常時は大丈夫でも、地震時には摩擦力では不十分となる恐れがある。また、天井板が取り付けられている野縁は、通常突っ張り力を受けることを想定しておらず、それほど強い材が用いられているわけではない。このため、摩擦力を得ようとして突っ張りすぎると、野縁がたわんで室内部材を傷めたり、野縁が塑性変形を起こして突っ張り力が減衰したりする恐れがある。
また、重い物の収納を想定したものとして、突っ張り棒の脚がL型になったラックでは、それらの部材が出っ張り、部屋の自由な利用の妨げとなる。
特許文献1の転倒防止用壁面ラックでは、転倒を防止するために大きな底板ないしボックスがあり、家具類を壁面に取り付けることの本来のメリットである、部屋をすっきり広く見せる効果や床スペースの自由な利用が妨げられる。
また、背板のスリットを介したボルト等による被支持体の固定では、背板の裏からボルトやナットを締める必要があるため、被支持体の位置を変えたりする場合には、ラックを壁からいったん取り外して取り付け直さなければならない。
特許文献2の薄型テレビ装着用壁面ユニットは、L型の脚や底板などはなく、かつテレビの重量にも耐えるものであるが、代わりに壁へのネジ留めが必要である。ボードアンカーなどの補助部材の設置も必要となるため、壁を傷付けるとともに、単なるネジ留め以上の手間と技術を要する作業が必要となる。
特許文献3の固定部の構造、および吊り下げ具は、ステープラー針で留めるフックであり、これを用いて箱や棚を壁の自由な位置に比較的手軽に取り付けることができる。しかし、まとまった量の本など重いものを設置するためには相当の本数のステープラー針を打ち込む必要がある。また、ステープラー針は重力に対して有利な向きに打ち込まれているが、地震時に働く水平力には余り有利とはいえない。また、その打ち込みの手間とともに、目立たないとはいえ、壁に孔がたくさん開くため、試行錯誤や模様替えのために設置位置を変えることには抵抗感がある。
転倒防止のための室内部材との接合手段としては、比較的簡便な両面粘着テープという選択肢があるが、強い接着力というメリットを求めると、逆に取り外しの際に、大きな力が必要となったり、多くの場合存在する壁紙が破れたりする等のデメリットが生じる。
「はがせる両面テープ壁紙用」という製品は、テープの中間層であるウレタンフォームが破れて2枚に分かれ、壁紙を傷めずに剥がすことができる。しかし、軽いものを留めるためのもので、このウレタンフォームはせん断力に対してそれほど強くはない。
また、粘着力を用いた場合、設置に際しての位置の微調整は難しくなる。
前述のように、耐震性の確保が本発明における主要な問題意識の一つであるが、地震から身を守るためには、家具自身の耐震性とともに、他の家具の転倒を防止することも重要な発明課題となり得る。
既存家具に対する転倒対策としては、最もオーソドックスなものとしてネジの効く鴨居などの室内部材と家具とを鎖等でつなぐという方法があるが、室内部材と家具にネジを打つ必要がある。また、地震の揺れにより家具がガタガタと動き、その衝撃でネジ等が抜けるリスクがある。
家具と天井の間に設置する突っ張り棒型の装置は、ガタガタと動く不安定な家具の天板を足場としており、地震の揺れにより外れる恐れがある。また、うっかり天井の野縁のないところに設置してしまった場合、地震時には天井板である石膏ボードが破壊してしまうこともある。
L型金具で壁と家具を連結させる場合には、多くの場合ネジは壁の間柱に打ち込む必要があり、この間柱の位置と家具を留めるべき位置とが一致するとは限らず補助部材を設けるなどの対策が必要となる。
特許文献4の突っ張り・組立型タンス上収納庫は、単純な突っ張り棒のように外れる心配もなく、ネジも使わず、上述の問題を解決できるが、突っ張ることのできる高さが限られるため、家具上面から天井までの距離が大き過ぎたり、逆に小さ過ぎたりすると使うことができない。また、幅や奥行、デザインなどがマッチしないこともある。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みて、重い物にも対応し、薄さと耐震性を確保しながら、かつ、そのために、強い突っ張りやL型脚などの大きな出っ張り、室内部材へのネジ留めなどを必要とせず、また、好ましくは、手軽に設置でき、賃貸住宅でも使用でき、さらに、棚や箱を好みの位置に手軽に取り付けることのできる、自由度の高い壁面活用に資する耐震壁面ユニットを提供することを目的とする。
また、この耐震壁面ユニットの特性を活用して、地震の揺れで外れることなく、どのような高さの家具にも対応でき、好ましくは、家具に傷をつけない、やはり自由度の高い家具類の転倒防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
本発明の耐震壁面ユニットは、装着物を取り付けるための背板と、突っ張り装置と、曲げの力に対して局部的に曲がる性質を持つ支持面受け板とを備える。ここで、背板の一端に突っ張り装置を取り付けて突っ張り背板とし、この突っ張り背板の両端または一端の突っ張り面に支持面受け板を張り出すようにして取り付ける。そして、支持面間を突っ張り装置で突っ張るとともに、支持面受け板を支持面に接合させて設置する。地震に際して、背板に取り付けられた装着物に水平地震力が働くと突っ張り背板はたわんでその端部は傾く。そのとき、支持面受け板の一部、つまり突っ張り面、もしくは、突っ張り面とその周辺は支持面から剥がれる。しかし、支持面受け板が局部的に曲がることにより、支持面受け板のそれ以外の残りの部分が支持面との接合を保つ。その残された接合面のせん断抵抗力が水平地震力に対抗するため、耐震壁面ユニットの転倒を防止することができる。
奥行きのある通常の家具では、水平地震力が働いても、家具底面の手前側の角が支点となり回転して倒れようとする。このため、家具の奥側の天板を、天井に突っ張るなどして下向きに押さえつけることで、転倒を防ぐことができる。本耐震壁面ユニットの場合は奥行きがなく、このような回転にはならないため、水平地震力に対して水平方向の力、すなわち支持面受け板と支持面との接合部のせん断抵抗力で対抗する。
また、本耐震壁面ユニットは支持面に突っ張って設置するが、地震時には、突っ張りによる摩擦力には頼らない。大きな水平地震力が働きユニットが変形し、支持面受け板が曲がって、突っ張り面の摩擦力が失われても、支持面受け板の一部は支持面との接合を保つため、その接合面のせん断抵抗力は確保される。
支持面受け板は突っ張り背板の両端に取り付けることが好ましいが、それを「両端または一端」としているのは、例えば、天井と床とを支持面とし、装着物の重量に比べて十分な重さの家具の裏側に設置する場合など、その家具が突っ張り背板下端の地震による移動を抑える働きをし、床に対する支持面受け板は必ずしも必要ない場合もあるためである。
また、支持面受け板の取り付けが一端のみの場合、突っ張り背板のどちらの端かということも限定していない。これは、突っ張り背板は突っ張り装置の側を上にして設置するのが好ましいが、上下逆さにして設置することも可能であり、支持面受け板を省略できない天井側の一端が、突っ張り背板のどちらの端にもなり得るからである。
ここにいう支持面受け板の支持面への「接合」とは、面と面とが接して接続していることをいい、接合面に平行方向にずれ動こうとする力に対して必要な抵抗力、つまりせん断抵抗力が得られる接続をいう。例えば、両面粘着テープによる接着や、接着剤による接着、あるいは、ピンによる打ち付けなどによる方法がある。ただし、本発明の目的に反し室内部材を大きく傷つけ、また、多くの場合天井板として用いられている石膏ボードには使えないネジ留めは除くものとする。
また、「支持面」とは、天井や床、壁あるいは梁など、本耐震壁面ユニットの突っ張り面からの突っ張り力、および、支持面受け板からのせん断力を受け止めることのできる室内部材、その他固定部材をいう。
また、「局部的に曲がる」とは、曲げの力が働いた時に、部材全体が反るのではなく、部材の一部分のみが曲がり、その他の部分は変形しないことをいう。
また、「装着物」とは、背板に装着する物をいい、箱や棚(そこに収納する物を含む)はもとより、薄型テレビや小型家具などもアダプタを用いるなどして取り付けることができれば装着物になり得る。背板に取り付けることのできるものが装着物である。
また、耐震壁面ユニットを希望の位置に、正確かつ容易に設置できるようにするため、次の構成とすることが好ましい。
上記の耐震壁面ユニットに突っ張り部材Bを加え、背板の突っ張り装置を取り付けていない方の一端に取り付ける支持面受け板を、突っ張り部材Bの突っ張り面に張り出して取り付けた支持面受け板に代え、背板と突っ張り部材Bとの接続を、一方の部材に設けた突起を他方の部材の凹みに挿入することで行う。
大きなユニットを一度に設置するのではなく、ユニットを、突っ張り部材Bに支持面受け板を取り付けた小さな部分と、突っ張り背板に支持面受け板を取り付けた大きな部分の2つに分けて設置する。まず、小さな部分の方の支持面受け板を、支持面の希望の位置に正確に接合してから、大きな部分をこれに接続するので、全体を一度に設置するよりも正確で容易に設置できる。また、その接続は一方の突起を他方の凹みに挿入するだけなので容易である。耐震壁面ユニットは支持面間を突っ張っているので、挿入しただけの接続でも外れることはない。
また、必要以上に突っ張ることを防ぐため、突っ張り装置を次の構成の制限機能付き突っ張り装置とすることが好ましい。
制限機能付き突っ張り装置は、突っ張り部材Aと、これにその一端が接続された1本以上の長ネジAと、この長ネジAに対応するナットAと、長ネジAに通されたバネと、同じく長ネジAに通されたこのバネの自由高よりも短い筒とを備える。また、背板の小口には長ネジAを挿入するための孔Aを設ける。長ネジAのもう一端は、孔Aに出入り可動に差し込まれ、ナットAと背板とでバネと筒が挟まれ、バネと筒は一方が他方を包むように重なり合い、筒はバネが筒の長さまで縮んだときに必要な反発力が得られる長さとし、ナットAを回転しバネを圧縮して突っ張り部材Aを突っ張る際に、ナットAの移動を筒に接触したところで止めることにより、突っ張り力を必要な一定値に制限することのできる制限機能付き突っ張り装置を形成する。耐震壁面ユニットの突っ張り装置をこの制限機能付き突っ張り装置とすることで、耐震壁面ユニットの設置に際し必要以上に突っ張ることを防止できる。なお、ナットA、バネ、筒、孔Aは、それぞれ長ネジAに対応する部材等であり、それらの個数は長ネジAの本数と同じである。
直接ナットで突っ張る装置では、どこまで突っ張るべきか判断が難しく、仮に強く突っ張りすぎて長期間の突っ張りで天井等の支持面が塑性変形を起こしたり、あるいは、ナットがゆるんだりすると、突っ張り力が急激に減少してしまう。
バネの圧縮を介して突っ張ることで、仮に天井等が多少変形したりナットがゆるんだりした場合にも、バネが伸びて突っ張り力が大きく減少することを防ぐことができる。さらに、上記の筒の長さをバネがこの筒の長さまで縮んだときに必要な反発力が得られる長さとしておけば、突っ張り用のナットAの移動をこの筒の端で止めることにより、バネによる突っ張り力を必要な一定の値に制限することができる。どこまでばねを圧縮すればよいかが一目瞭然なので、必要以上にナットAを締めて天井等を傷めることを防止することができる。
また、簡便で支持面を傷つけることを極力防ぐ接合手段として、次の構成を採用することが好ましい。
支持面受け板と支持面との接合には、後から剥がせる両面テープAと後から剥がせる両面テープBと紙とを用い、後から剥がせる両面テープAと後から剥がせる両面テープBとのそれぞれの片面で紙の両面を接着して挟み、後から剥がせる両面テープAの他方の面で支持面受け板を、後から剥がせる両面テープBの他方の面で支持面を、それぞれ接着させる。
一方、取り外しの際、支持面受け板を支持面から剥がすときには、紙に水を浸み込ませることで紙がふやけ、支持面受け板と後から剥がせる両面テープA、および、支持面と後から剥がせる両面テープB、との接着面は剥がれずに、紙が破れることにより、支持面受け板と支持面とを分離させることができる。
「後から剥がせる両面テープ」とは、剥がすときに被着体に糊残りしにくく、再剥離性に優れた両面粘着テープのことをいう。
広い面が粘着剤で貼りついた支持面受け板を剥がそうとした場合、支持面受け板はある程度曲がるとはいえ、支持面受け板を接着面に対して垂直に近い方向に面的に引っ張ることになる。このため、支持面受け板の接着面を剥がすには大きな力が必要となる。このような剥がし方では、特に、支持面に例えば壁紙が貼ってある場合、壁紙と下地との接着力よりも、壁紙と支持面受け板との接着力の方が強いと、壁紙が下地から剥がれたり破れたりすることがある。
これを防ぐため、前述のように支持面と支持面受け板とを接合する2枚の両面粘着テープの間に紙を挟み込む。一般に紙は強いせん断抵抗力がある一方、紙面に対して垂直に近い方向の力には弱い。特に、紙が水を含んだ場合には、さらに容易に破れる。取り外しの際は、この紙に水を浸み込ませることで、この紙が容易に真っ先に破れるため、大きな力を必要とせず支持面受け板を剥がすことができるとともに、壁紙への悪影響を防ぐこともできる。
また、支持面受け板と突っ張り部材や背板との取り付けを、次の構成とすることもできる。
突っ張り部材Aまたは突っ張り部材Bまたは背板の突っ張り面への支持面受け板の取り付けを、ヒンジを介した取り付けとする。
地震により耐震壁面ユニットがたわみ、突っ張り部材や背板が傾いたとき、そこに取り付ける支持面受け板との角度の変化を吸収し、支持面受け板の支持面への接合を確保するため、両者の取り付けにヒンジを用いる。これにより、角度変化を支持面受け板が局部的に曲がることで吸収して支持面受け板の一部が剥がれてしまう場合よりも、支持面受け板の面積を小さくすることができる。
また、背板に装着物を手軽に取り付けられるよう、次の構成とすることが好ましい。
装着物を取り付けるためのネジの効く連続穴を背板に設ける。
装着物側にも背板の連続穴の一部に重なり合う配置の、ネジ軸を通すための穴を設けておき、この穴に通したネジを、好みの位置の背板の連続穴に留める。装着物側ではなく背板の連続穴の方を、ネジが効くようにすることで、前面からねじを締め付けることができ、装着物を背板に容易に設置できるようになる。
さらに、他の家具の転倒を防止するため、耐震壁面ユニットを活用して、次のように家具類の転倒防止装置を構成した。
耐震壁面ユニットに家具転倒防止器具を加え、背板と家具とを家具転倒防止器具を介して連結する、または、背板に取り付けた家具転倒防止器具で家具を押さえることにより、耐震壁面ユニットを、家具の転倒防止のために使用することで、家具類の転倒防止装置とすることができる。
耐震壁面ユニットには耐震性があり、これを家具等の例えば裏側に設置し、家具転倒防止器具、例えばL型金具等で背板と家具とを連結などして家具を固定する。これにより、耐震壁面ユニットを、家具の転倒防止というもう一つの用途の装置として活用することが可能となる。
「家具転倒防止器具」とは、その器具により壁等(ここでは耐震壁面ユニットの背板)と家具とを連結したり、壁等に固定したその器具により家具を押さえたりして、家具の転倒を防止するための器具をいう。例えば、L型金具や鎖などをいう。
また、家具を傷つけずに固定できるよう、家具転倒防止器具を次の構成の突っ張り固定具とすることが好ましい。
背板に固定する手段を有する固定部材と、その下に家具類の上面を押さえる押さえ部材と、この両部材の間に設けた突っ張り手段とを備え、背板に固定した固定部材を足場にして突っ張り、押さえ部材を家具類の上面に押し付ける突っ張り固定具を形成する。前述の家具転倒防止器具として、この突っ張り固定具を用いることで、家具をネジ等で傷をつけることなく、しっかり固定できる家具類の転倒防止装置とすることができる。
従来の突っ張り棒等を用いた製品は、支持面との摩擦力で姿勢を保っている。摩擦力を大きくするためには、強く突っ張るか、摩擦係数の大きな部材を用いるかしなければならず、突っ張り面積を増やしても摩擦力は増えない。しかし、天井の強度や部材の摩擦係数には限界がある。
そのため、特に地震時の転倒を考慮すると、そこに掛けたり載せたりするものは比較的軽いものに限られていた。もしくは、重いものを載せたりした場合には、安全性に問題があり、安全性を確保しようとすれば、L型の脚や壁へのネジ留め等が必要であった。
それに対し本発明では、地震時に転倒を防止するのは、支持面受け板の支持面との接合部のせん断抵抗力である。通常の突っ張り棒と同様の突っ張り面の摩擦力は、主に平常時の転倒防止を受け持ち、地震時には、これに頼る必要はない。
このせん断抵抗力は、支持面受け板の接合面積に比例するため、支持面受け板の面積を増やすことで、より重い物、より強い地震によって発生するより大きな力にも対抗することができる。
よって、地震に対抗するための大きな摩擦力は必要なく、強く突っ張る必要もない。そのため、必要以上の突っ張りによる長期にわたる圧力で、天井の際野縁がたわんで壁と天井との壁紙の境目が破れたり、際野縁が塑性変形を起こして突っ張り力が失われたりするようなリスクはほとんどない。
また、地震時の背板のたわみによる背板と支持面受け板との角度の変化を吸収するのに、従来の突っ張り棒製品にあるようなヒンジを用いることもできるが、部品数も増え複雑な構成となる。本発明では、支持面受け板に局部的に曲がる性質を持たせることにより、シンプルで低コストの構成となっている。
本発明の耐震壁面ユニットによれば、その設置のために室内部材に対してネジを用いることなく、各部材は壁や天井、床に添ってほとんど出っ張りがなく、邪魔にならない形状であり、それでいて、背板に取り付けた重い装着物に働く地震力にも耐えることができる。
ネジの効かない石膏ボードやコンクリートの壁などの上に本耐震壁面ユニットを設置すれば、背板という部分的な壁や間柱ができるようなものである。あるいは、背板に例えば大きな合板等を取り付けて、文字通り新たな疑似壁面を作ることもできる。これにより、ネジ留めを前提とする種々の方法が使えるようになる。
特に、従来の突っ張り式ラック等に不足していた耐震性があるため、用途が大きく広がる。つまり、この背板や疑似壁面に、本格的な造り付け家具のように、これまで諦めていた本棚や薄型テレビなども、レイアウトして取り付けることができるようになる。また、例えば物干し竿受けを取り付ければ、大量の洗濯物が干せる部屋干し場を生み出すこともできる。
しかも、造り付け家具と違い、気に入らなかったら、やり直したり、ものが増えてきたら追加したりもできる。ちょっとした壁スペースなども有効に利用でき、例えば、床から天井までの20〜30cm幅の壁があれば、本耐震壁面ユニット1本を使って単行本を平積みすると、100冊程度収納できる。
そして、本耐震壁面ユニットは、薄く出っ張らない形状であるため、例えばタンス等の裏にも設置できる。そのため、本耐震壁面ユニットを使えば、これら家具の上の壁スペースも飾り棚や収納スペースとして利用できるようになる。
1本から初めて徐々に増やしていってもよく、必要とあれば、部屋に残されているほとんどの壁面の活用が可能である。
通常の箱状の置き型家具は床を占有し、また大きな側板があり、これが床と空間を大きく区切り、部屋を狭く感じさせる要因になっている。この点を軽減しようと脚をはかせた家具もあるが、あまり高い脚をはかせることは難しいし、やはり脚は何かと邪魔なものである。しかし、本耐震壁面ユニットでは、床から例えば数十センチ、もしくは、もっと高い位置に装着物を浮かせて設置し、床スペースを空けることで、部屋を広く感じさせ、脚がないので例えば掃除もしやすくなる。また、側板のない棚はもちろんのこと、箱状の装着物でも例えばチドリ状に配置するなど、大きな側面を作らないようにすることで、従来の家具のような空間を大きく占有する圧迫感を軽減し、変化に富んだデザイン性の高い空間を演出できる。
なお、請求項2の構成によれば、耐震壁面ユニットを正確な位置に容易に設置することが可能となる。すべてを一体化した耐震壁面ユニットは、高さがあり、ある程度の重量もあるため、希望の位置に正確に設置するのはなかなか難しい。ユニットを大小2つの部分に分ければ、小さい方を正確な位置に設置するのは容易である。そこで、先にこの小さい方を設置してから、これに大きい方を接続するようにする。また、この両者、背板と突っ張り部材Bとの接続も、一方の部材に設けた突起を他方の部材の凹みに挿入するだけで、工具もいらず容易である。両部材は重力や突っ張り力で密着するため、地震に際しても抜けることはない。これにより、正確で容易なユニットの設置が可能となる。
なお、ユニット両端の支持面受け板に、支持面への接合手段として例えば両面粘着テープを貼ったような場合には、設置に際して支持面受け板がうっかり天井や床などに一度触れたら、その位置を修正することは難しく、大きなユニットを希望の位置に設置することは、さらに困難である。特にこのようなケースでは、請求項2の構成によることに、より大きなメリットがある。
なお、請求項3の制限機能付き突っ張り装置を用いれば、どこまでナットを締めればいいか誰にでもはっきり分かり、必要以上に突っ張って天井等を傷める心配がない。また、仮に突っ張りがゆるんだ場合には、ナットと筒との間に隙間ができるため、ゆるんだことが容易に認識でき、これに対処することで、突っ張り力を適切に管理できる。また、この筒がないと、例えばユニットを縦に据えた場合なら、上向きの地震力が働いたときにバネが圧縮されてユニット全体が床から浮いてしまうことが考えられるが、この筒がそれを防ぐ働きもする。
なお、請求項4の構成によれば、支持面受け板の支持面への接合手段として、簡便で、支持面が石膏ボードでもコンクリートでも材質にほとんど左右されずに接合できる両面粘着テープを用いながら、強い接着力と取り外しの容易さとを同時に確保し、また、支持面に壁紙が貼ってある場合の取り外しにおいても、壁紙を傷めるリスクを大幅に低減できる。これにより、賃貸住宅等における利用も可能となる。
前述の市販の「はがせる両面テープ壁紙用」を凸凹のある壁紙に貼り、せん断力をかける実験をしたところ、壁紙への接着面は剥がれずに、中間層であるウレタンフォームが破れ、粘着剤が持つせん断接着力が最大限まで活かされなかった。
本発明では、2枚の後から剥がせる両面テープの間に紙を挟むが、テープのせん断接着力を最大限活かすため、それよりも強いせん断抵抗力を持つ紙を選ぶことができ、さらに、水が浸み込みやすく、水を含むと容易に破れる性質も併せ持つ紙を選ぶことができる。また、両面テープについても、市販の種々の後から剥がせる両面テープの中から、支持面や支持面受け板の状態に適した、できるだけ大きなせん断接着力が得られる両面テープをそれぞれ選択することができる。
上記のように最適な後から剥がせる両面テープA・Bと最適な紙とを選んで組み合わせることで、状況に応じて最も効果的に、ユニットの耐震性と壁紙を傷めにくい容易な取り外しとの両立を図ることができる。
なお、請求項5に記載の構成によれば、支持面受け板の面積を、請求項1の構成による場合よりも小さくすることができる。
請求項1の構成では、地震により耐震壁面ユニットがたわみ、突っ張り部材や背板が傾いたとき、この部材の傾きを支持面受け板が局部的に曲がることにより吸収していたが、その場合、支持面受け板の一部が支持面から剥がれることになる。そのため、支持面受け板の剥がれを見込んで、それでも地震力に耐えられるよう、面積を確保する必要がある。これに対し、請求項5の構成では、ヒンジを用いて両者の角度の変化を吸収することにより、地震時の支持面受け板の剥がれを防ぎ、支持面受け板の面積をより小さくすることができる。
なお、請求項6に記載の構成によれば、ネジの効く穴を装着物側にではなく背板側に設けることにより、連続したその穴に対応した配置の穴を持つ装着物を、手軽に手前から、好みの位置にネジで留めることができる。また、ネジを背板の裏から締めるのではないため、装着物の位置を変えたり追加したりする際にも、耐震壁面ユニットを取り外す必要がない。
また、装着物にこの穴さえ設ければ、自作のオリジナル装着物も比較的簡単に作成でき、各自の創造性を発揮したインテリアや収納を工夫することができるようになる。例えば市販のプラスティックケースなども、この穴を開ければ装着物になり得る。
また、耐震性能があり、かつ、タンスなどの家具の裏側に設置できる耐震壁面ユニットの特性を活かし、このユニットをより所として請求項7記載の構成とすれば、家具類の転倒を防止するという新たな機能を持つ家具類の転倒防止装置として活用することができる。
背板と家具を連結したりする家具転倒防止器具の取付け高さ(縦方向の位置)や耐震壁面ユニットの設置位置(横方向の位置)が自由になるため、家具転倒防止器具を最も適切な位置に設置することができるようになる。これにより、がたつきが起きにくい、より確実性の高い家具類の転倒防止が可能となる。
つまり、天井と家具上面を突っ張る方式の装置のように、家具の高さが低くて使えないなどということはなく、突っ張り固定具が設置可能な上限高さよりも低い家具ならどのような高さの家具も、家具転倒防止器具により家具上面を直近でしっかり固定することができる。また、従来のように家具転倒防止器具を取り付ける間柱の既定の位置に制約されることなく、耐震壁面ユニットの方を、家具を抑えるべき適切な位置に設置することができる。
そして、家具転倒防止のついでに、その家具上部の壁空間を活用することもできる。あるいは、家具上部の壁空間を活用したついでに、その家具の転倒防止ができるといってもいい。家具上部の壁空間を有効活用できるようになることがもう一つの動機づけとなり、家具転倒対策が普及促進される。
なお、請求項8記載の構成によれば、上記の特徴に加え、家具に対してネジを使わず、突っ張り力で押さえるため、家具を傷つけずにしっかり固定できる。また、請求項7記載の構成で家具を留めようとした場合、例えばL型金具を取り付ける耐震壁面ユニットをネジの効く家具側板の位置に設置すべき場合があるが、ユニットの幅があるため、家具を部屋の隅にぴったりつけることが難しいこともある。しかし、本突っ張り固定具によれば、押さえ部材で家具天板を上から比較的広い面で押圧するので、その設置は必ずしも側板の位置でなくても構わない。そのため、部屋の隅の家具に対して設置する場合にも支障はないし、背板に棚等を取り付ける場合の、その使い勝手などに応じて、ユニットの設置位置を比較的自由に選ぶことができる。
必要と分かってはいても家具の転倒対策が思うように進まないのは、間柱を探してネジを打つことの難しさや、壁や家具に傷がつくことに対する抵抗感、家具転倒対策製品の適用条件から外れて使えないケースがあること、あるいは、それら製品の性能を信頼しきれないことなどの問題点が考えられる。
本発明の家具類の転倒防止装置によれば、間柱の代わりに背板を必要な位置に設置することができ、装置ががたついて外れるようなリスクが低いため信頼性が高い。特に、請求項4および7記載の構成によれば、室内部材や家具を傷つけるリスクが小さく、家具の高さだけでなく接合対象である室内部材の材質についても適用範囲が広いなど、これらの問題点をほぼ克服している。したがって、賃貸住宅のためこれまで家具転倒対策が非常に困難であったようなケースにも対応することができる。また、前述のように、ついでに家具上部の壁空間の活用も可能であり、家具の地震転倒対策の新しい有力な選択肢となり得る。
(a)本発明の一実施形態による耐震壁面ユニットの全体を示す斜視図 (b)本発明の突っ張り固定具を用いた家具類の転倒防止装置の一実施形態による家具固定の全体を示す斜視図 本発明の実施形態による耐震壁面ユニットの全体を示す斜視図で、(a)最小の構成要素による一実施形態 (b)図2(a)に床側の支持面受け板を付加した一実施形態 接続用長ネジにより突っ張り部材Bと背板とを接続する様子を示した一部斜視図 図2(a)に突っ張り部材Bを用いて支持面受け板を取り付けた耐震壁面ユニットの全体を示す斜視図 支持面受け板の状態を例示する一部側面図で、(a)水平地震力が働いていないとき (b)想定される水平地震力が働いたとき (c)想定の倍の水平地震力が働いたとき 背板の装着物に水平地震力が働き、背板がたわんだ状態を示す全体側面図 制限機能付突っ張り装置を示す図で、(a)正面図 (b)側面断面図 (c)バネと筒の関係等を詳細に示す一部拡大側面断面図 紙を挟んだ2枚の後から剥がせる両面テープによる支持面受け板の接合方法を示す一部拡大断面図 摩擦部材とピンによる支持面受け板の接合方法を示す一部拡大断面図 支持面受け板と突っ張り部材Aとをヒンジで接続した一実施形態を示す図で、(a)正面図 (b)側面図 図5(c)と同様の大きな地震力が働いた時の支持面受け板A・Bの状態を示す一部側面図 背板の継ぎ足し構造を示す一部正面断面図 背板の継ぎ足し用の長ネジBを回すための回転操作部材を示す一部拡大斜視図 背板の継ぎ足しをした耐震壁面ユニットの全体を示す斜視図 (a)背板端部カバーを示す一部斜視図 (b)背板端部巻き付けを示す一部斜視図 連続穴を用いない背板への箱の取付け事例を示す一部斜視図 (a)連続穴を用いた背板への箱の取付け事例を示す一部斜視図 (b)図17(a)の事例の側面断面図 (a)連続穴を用いた背板への棚の取付け事例を示す一部斜視図 (b)図18(a)の事例の側面断面図 木ネジを打つための部材を用いた背板への棚受けの取付け事例を示す一部斜視図 背板に市販の棚柱を取り付けた事例を示す一部斜視図 (a)一実施形態による背板と装着物の間に設置した被覆材を示す一部斜視図 (b)図21(a)の実施形態の側面断面図 本発明のその他の実施形態による耐震壁面ユニットの全体を示す斜視図で、(a)図1(a)よりも背板の幅を小さくし、長ネジAを1本にした一実施形態 (b)図22(a)よりもさらに背板幅を小さくし連続穴を一列にした一実施形態 (c)I型断面として壁から離して設置できる一実施形態 背板の表裏両側に張り出した支持面受け板の状態を例示する一部側面図で、(a)想定される水平地震力が働いたとき (b)想定の倍の水平地震力が働いたとき (a)L型金具を用いた家具類の転倒防止装置の一実施形態による家具固定の全体を示す斜視図 (b)L型金具による家具固定を示す一部拡大斜視図 (a)一実施形態による突っ張り固定具を用いた家具固定を示す一部斜視図 (b)図25(a)の実施形態の正面断面図 (c)図25(a)の実施形態の側面断面図 小型家具を背板に取り付けた事例を示す斜視図 (a)連続穴を用いず固定部材を背板に固定する突っ張り固定具の一実施形態を示す斜視図 (b)二列の連続穴を用いて固定部材を背板に固定する突っ張り固定具の一実施形態を示す斜視図 (a)I型断面の耐震壁面ユニットを用いた家具類の転倒防止装置で、冷蔵庫の側面をも固定した一実施形態を示す斜視図 (b)L型断面の耐震壁面ユニットを用いた家具類の転倒防止装置で、冷蔵庫を固定した一実施形態を示す斜視図 突っ張り固定具に接着板を付加した一実施形態を示す斜視図 T型断面の耐震壁面ユニットを用いた家具類の転倒防止装置で、並んだスチールキャビネットを固定した一実施形態を示す斜視図で、(a)突っ張り部材Aが背板と平行関係の家具類の転倒防止装置 (b)突っ張り部材Aが背板と直行関係の家具類の転倒防止装置 複数の耐震壁面ユニットにより壁面を面的に活用した事例を示す斜視図
まず、本発明の好ましい一つの実施形態の概要を図1によって説明する。
図1(a)は本発明の耐震壁面ユニットを壁に添わせて設置する場合の、好ましい一つの実施形態の斜視図である。本耐震壁面ユニット3eを壁に添わせておおむね垂直に据え、連続穴36を設けた背板4bの上端に取り付けた制限機能付き突っ張り装置5bで突っ張るとともに、上端の突っ張り部材A6aに取り付けた支持面受け板7Aaと下端の突っ張り部材B8aに取り付けた支持面受け板7Bbとを、それぞれ天井1と床2に例えば両面粘着テープで接着させる。
背板4bの連続穴36を用いて種々の装着物を好みの位置に小ネジで取り付けることができる。装着物には、地震の際、水平地震力が働く。ここではユニット全体の断面は縦長のコの字状となっているが、このように背板を壁に添わせて設置する場合には、壁側への水平地震力は壁が受け止めてくれるため、部屋側への水平地震力に対抗できるよう支持面受け板は部屋側にのみ張り出した形でかまわない。
また、壁に平行方向の水平地震力に対しても、突っ張り部材A6a、突っ張り部材B8aに幅を持たせることで、棒ではなく面として両支持面にしっかり固定され、ユニットが傾いたり、外れたりすることを防ぐ。
図1(b)は、本発明の家具類の転倒防止装置の一実施形態による家具固定の全体を示す斜視図である。耐震壁面ユニット3gに突っ張り固定具44aを装着して、地震時に家具42bが転倒しないよう家具天板を突っ張って押さえる。
このような場合における突っ張り部材A6bと突っ張り部材B8cの幅についてであるが、そもそも図のような幅のある家具が、壁に平行方向の水平地震力で左右に大きく傾いたりずれ動いたりすることはほぼなく、また、2本のユニットの2つの突っ張り固定具44aと2つの突っ張り部材A6b、および、2つの突っ張り固定具44aと2つの突っ張り部材B8cが、2つの大きな面を形づくって家具を固定しているため、それぞれの突っ張り部材A6bや突っ張り部材B8cの幅は比較的小さくてもよい。
以下、本発明の実施形態を図2以下の添付図面にしたがって説明する。
図2(a)は、背板4aと突っ張り装置5aと天井側の支持面受け板7Aaのみという最少の構成要素による一実施形態である耐震壁面ユニット3aの斜視図である。重い物を装着せず、かつ、重量のある家具の裏側に設置するときなどには、このような形態でもよい場合がある。
ちなみに、この耐震壁面ユニット3aから支持面受け板7Aaを除いたもの、つまり、背板4aに突っ張り装置5aを取り付けたものが、突っ張り背板である。
また、図2(b)は、図2(a)の耐震壁面ユニット3aの背板4a下端に支持面受け板7Baを取り付けた一実施形態である耐震壁面ユニット3bの斜視図である。このように、突っ張り部材B8aを用いずに支持面受け板7Baを直接背板に取り付けることも可能である。
ただ、前述のように、突っ張り部材B8aを用いて幅を持たせた方が安定するし、耐震壁面ユニットの設置方法として、図3に示すように、支持面受け板7Bbを取り付けた突っ張り部材B8aを希望の床2位置に例えば両面粘着テープで取り付けてから、一体化したその他の部材をこれに接続するようにした方が設置作業が容易になる。
背板4aの下端に取り付けた接続用長ネジ9を背板4aから突き出させておく。一方、突っ張り部材B8aには、この突き出た接続用長ネジ9がすっぽり入る受け穴10aを開けておき、あらかじめ設置した突っ張り部材B8aの受け穴10aに背板4a下端の接続用長ネジ9を差し込んでセットする。その後、図4に示すように、耐震壁面ユニット3cがおおむね垂直になるよう調整しながら突っ張り装置5aで突っ張り、支持面受け板7Aaを天井1に例えば両面粘着テープで接着する。背板4aと突っ張り部材B8aとの接続部には、ユニットの自重や突っ張り力などが働くため、接続用長ネジ9は受け穴10aに差し込んだだけでも抜けるようなことはない。
なお、逆に、突っ張り部材B8aに接続用長ネジを突き出させ、背板4a下端に受け穴を設けてもよい。
平常時には図5(a)に示すように背板4aはほぼ垂直に保たれ、支持面受け板7Aaは天井1に全面が例えば両面粘着テープにより接着している。ちなみに、平常時なら仮に支持面受け板7Aaがなくても突っ張り部材A6aの突っ張り面のみの摩擦力やせん断接着力だけでも倒れることはない。しかし、図6に示すように、地震により装着物11に矢印で示す水平地震力が働いた場合には背板4aがたわみ、図5(b)に示すように突っ張り部材A6aが傾き突っ張り面が天井1から剥がれる。このとき、支持面受け板7Aaが曲がることにより剥がれることのない接着面のせん断接着力が水平地震力を引き受けることになる。図5(b)には、耐震基準によって想定される水平地震力が働いた場合の状態を例示している。
支持面受け板7Aaには、曲げの力が働いた場合に全体が反るような部材ではなく、一部分のみが曲がる部材を用いる。前者の場合には、突っ張り部材A6aによる曲げの力が支持面受け板7Aa全体に伝わり板全体が変形し、支持面受け板7Aaのほぼ全面が支持面から剥がれてしまうためである。また、例えば想定の倍の大きさの地震力でさらに背板4aがたわんで縮み、突っ張り部材A6aが天井から離れ、図5(c)のように支持面受け板7Aaが大きく変形したとしても座屈しない強度が望ましい。このため支持面受け板には、局部的に曲がる性質とともに、座屈しない強度を持たせた例えばポリプロピレン等の合成樹脂板が適している。
また、突っ張り部材A・Bや背板への支持面受け板の取り付けには、大きなせん断力に耐えられるよう例えば木ネジを用いるとよい。
ただし、同じ震度でも、水平地震力は装着物の想定重量で変わるし、同じ水平地震力でも、背板の断面形状やヤング率、装着物の設置位置などによってもたわみ量や突っ張り部材の傾き量が変わるので、図5(b)(c)はあくまで一つの例示である。
なお、図5(c)のような状態は好ましいものではなく、ユニットのたわみを抑えるため、背板4aや長ネジA12はヤング率のできるだけ大きな材質のものを用いる方がよい。
なお、図6の床側の支持面受け板7Bbについても、地震時には図5(b)と同様の現象が起きるが、床側は天井側と違い突っ張り部材B8aは、傾きはしてもユニットや装着物の自重により図5(c)のような形で支持面である床2から離れることはない。このため、床側の支持面受け板7Bbは天井側よりも座屈しにくいため、天井側の支持面受け板7Aaよりも薄くしても同等の地震力に耐えられる。よって床側の支持面受け板7Bbは、その上に絨毯を敷いたり家具を置いたりする場合の段差も考慮して、天井側より薄くするとよい。部屋の利用のためにほとんど支障とならない薄さとすることができる。
天井側については、図2に示すような単純な突っ張り装置5aでもいいが、図7(a)(b)に示すような制限機能付き突っ張り装置5bを用いると、必要以上に突っ張るのを防ぐことができる。支持面受け板7Aaを取り付けた突っ張り部材A6aに接続させた例えば2本の突っ張り用の長ネジA12に、図7(c)に拡大して示すように、ナットA13、その下にバネ14、バネ14の自由高よりも短い筒15を通す。この筒15の長さは、筒15の長さまでバネ14が縮んで必要な一定の突っ張り力を発生させる長さとし、バネ14を包むようにセットする。この長ネジA12を、背板4a上側小口に開けた長ネジA12の径よりも若干太く、長ネジA12が上下可動となる孔A16に差し込む。図7(c)の状態からナットA13を、バネ14を圧縮しながら筒15に接するまで下げれば、バネ14の適切な一定の反発力で天井1に突っ張ることができる。ちなみに、大きな力で突っ張る必要はないため、ナットA13は工具を使ったり、ナットA13を蝶ナットにしたりしなくても、容易に手で回すことができる。なお、筒15はバネ14に包まれるように、バネ14の内側にセットされる形でもよい。
あるいは、バネを密着するまで縮めたときに、必要な突っ張り力となるバネを用いることにより、筒が不要な構成としてもよい。このようなバネなら、筒がなくても、どこまで圧縮すべきかが分かるし、バネはすでに密着していてそれ以上縮まないので、上向きの地震力でユニットが浮き上がることもない。
支持面受け板の支持面への接合方法については、例えばしっかり固まる接着剤などでもよいが、その取扱いやすさや移設・撤去を考慮すると後から剥がせる両面テープが適している。後から剥がせるテープでも、接着面に平行方向の力に対しては必要な抵抗力(せん断接着力)を発揮する。例えばフローリング等のテープが貼りつき易い比較的平滑な支持面であれば、通常の薄い後から剥がせる両面テープがよい。
一方、天井には凸凹のある壁紙等が使われていることが多く、通常の粘着テープでは壁紙との接触が凸部のみとなり十分な接着力が得られないことがある。このような場合には、テープの基材としてスポンジ等を用いた両面粘着テープを使用すれば、ある程度凸凹に馴染んで密着度が上がり、せん断接着力が向上する。この場合、木片の角等を使って、強い力で支持面受け板を押さえつけ、スポンジ等の基材が凸凹に合わせて変形し、粘着剤が凹部にも入り込むようにすることが大切である。さらに密着度を上げたければ、いつまでも固まることがなく、後から剥がすことのできる弾性粘着剤を用いてもよい。
ただし、壁紙への密着度や接着力を上げることで、逆に、支持面受け板を支持面から剥がす際、大きな力が必要となったり、支持面に貼ってある壁紙が下地から剥がれたり破れたりする恐れがある。
対策として、2枚の後から剥がせる両面テープの間に紙を挟んだもので、支持面受け板と支持面とを接着させる。支持面である天井等に凸凹のある壁紙が貼ってある場合であれば、例えば、図8に示すような組み合わせの実施形態が考えられる。支持面受け板7Aaに、まず通常の薄い後から剥がせる両面テープA17を、その上に水を吸い込みやすい半紙19を、さらにその上に凸凹面への密着性に優れた例えばスポンジ基材の後から剥がせる両面テープB18をそれぞれ貼り、これを天井1の壁紙20a面に接着させる。取り外す際、図8の左側に示すように、天井1から支持面受け板7Aaをめくるように剥がすとき、挟んだ半紙19の小口に水を含ませてからめくると、容易に紙が破れ始める。一度破れ始めれば、引き続き比較的容易に紙が破れていくが、さらに水を加えれば、一層破れやすくなり、容易に支持面受け板7Aaを剥がすことができる。
このように支持面受け板7Aaを剥がすと、天井1には後から剥がせる両面テープB18が残る。この残ったテープは1本ずつ180°に近い方向に引っ張れば、壁紙20aが下地から剥がれたり破れたりすることはほぼなく剥がすことができる。また、支持面受け板7Aaを剥がすときには、スクレーバー等を用いてめくるように剥がすとよい。
なお、支持面に貼ってある壁紙の表面が平坦な場合には、後から剥がせる両面テープBは、後から剥がせる両面テープA17と同様の通常の薄いテープで構わない。
また、床がフローリングで、天井が凸凹表面の場合、床は天井よりも粘着テープの貼りつきがよく、より大きなせん断接着応力が得られるため、支持面受け板の接合に粘着テープを用いる場合には、床側の支持面受け板7Bbは天井側に比べて面積を小さくしてもよい。
支持面受け板の支持面への接合方法としてはこの他にも、例えば強粘着性のゲルを用いてもよいし、さらには、近年注目されているバイオミメティクスによるヤモリの足の原理を利用したテープが実用化され使えるようになれば、着脱も一層容易になり、使い勝手を向上させることができる。
室内部材を傷つけにくいこれらの接合方法を選択することで、自己所有の住宅はもとより、賃貸住宅等においても利用することができる。
また、支持面受け板と支持面との接合には、図9に示すように、支持面にいくつかの小さな穴が開くが、支持面受け板7Aaを支持面にピン21で留めたり、加えて、例えば大きな摩擦力の生じるギザギザ断面のゴムやシリコーンのシートなどの摩擦部材22を支持面受け板7Aaの支持面に接する側の面に接着させたりするという方法もある。ピン21は図9のように、例えば背板が倒れようとする矢印の方向寄りに斜めに打ち込むことで、水平地震力が働いたときに、支持面受け板7Aaが支持面に押しつけられるため、ピン21自身の支持力に加え、摩擦部材22と壁紙20bとの摩擦力が増大する。また、ピンの代わりにステープラー針を用いてもよい。
また、支持面受け板と突っ張り部材等との取り付けを、ヒンジを介して行うことで、支持面受け板の支持面からの剥がれをなくし、支持面受け板の面積を小さくすることができる。
図10(a)(b)に示すように、支持面受け板7Abの突起部に開けた穴と突っ張り部材A6aに取り付けたヒンジ軸受け23の穴とに軸24を通して、ヒンジで両部材を接続する。
ただし、部品数が増えるなどのデメリットもある。また、耐震壁面ユニットを垂直に据えたときの床側には、ユニットの自重や装着物の重量も載ってくるため、相応の強度も必要となり、重い物を装着する場合に、床側にこの方式を採用するのはあまり得策ではない。
また、支持面受け板の面積を小さくするには、次のような方法もある。支持面受け板7Aaを、図11に示すように支持面(天井1)に接合させるための板と、地震時の変形に対応して曲がる板との組み合わせに代える。2枚に重ねた支持面受け板のうち、上側の支持面受け板A25が支持面に接合する方を受け持ち、下側の支持面受け板B26が曲がる方を受け持つ。支持面受け板B26の水平地震力が働いても曲がることのない部分を、支持面受け板A25に地震時のせん断力にも耐えられる強力な接着剤やネジ等の方法で接続させる。図5(a)(b)のように支持面受け板が1枚の場合は、支持面受け板7Aaが曲がった時には支持面から一部剥がれて接合面積が減少するが、支持面受け板A・Bの組み合わせとした場合は、地震時にも支持面受け板A25と支持面との接合面積が減少することがないため、支持面受け板A・Bの張り出し面積を小さくすることができる。
高さの異なる天井に対して、突っ張り装置によってある程度高さの調節はできるが、長ネジA12をあまり伸ばしすぎると耐震強度に不安が生じる。
これには、単純にいくつかの長さの背板を用意し、天井高に適したものを選ぶようにしてもよいが、背板を低めの天井に合わせて短めにしておき、ある程度以上天井が高い場合には図12のように背板4a下側に背板継ぎ足し用部材27a、27b、27c等を加えて高さを調節してもよい。
その場合、背板4a下側の小口に背板継ぎ足し用の長ネジB28を差し込むための、この長ネジとほぼ同径の例えば2つの深い孔B29を開け、このそれぞれの孔B29の入り口に、例えば鬼目ナット等の埋め込みナット30を取り付ける。それぞれの孔B29に長ネジB28を途中までねじ込み、後から背板継ぎ足し用部材27a、27b、27c等を差し込むように長ネジB28を突き出させておく。
長いネジを埋め込みナット30を介して挿入するためにはネジを何回も回転させなければならないが、図13に示すように、長ネジB28の端部にこのネジに対して直角方向に孔を開け、ピン状の回転操作部材31を挿入して、これに指を当て回転させるか、回転操作部材31に作った輪っかに棒等を差し込んで回転させれば、比較的容易に長ネジB28を背板4aに挿入できる。もしくは、長ネジB28を電動ドリルのチャックでつかんで回転させれば、より簡単に挿入できる。
背板4aと同じ断面の部材を短く切り、継ぎ足し方向に孔B29と同様に2つの貫通孔を開けた背板継ぎ足し用部材27a、27b、27c等のその貫通穴に、先ほど背板4aから突き出させておいた2本の長ネジB28を通す。必要な高さ分の背板継ぎ足し用部材を通し、そこから突き出させた長ネジB28をナットB32で締め付けて背板継ぎ足し用部材27a、27b、27c等と背板4aとを一体化する。
背板継ぎ足し用部材は例えば3cm、6cm、12cm等継ぎ足し長さの異なるいくつかの部材を用意し、それらの組み合わせで必要な継ぎ足し長さに調節する。
このとき、長ネジB28をナットB32から少し突き出させ、図12に示すように突っ張り部材B8bには突き出した長ネジB28およびナットB32が収まる受け穴10bを設けて、これらをはめ込む。
これにより、図14に示すように、耐震壁面ユニット3dは、その薄さを損なわずに、天井高の異なる部屋に設置することが可能となる。
なお、背板4aを例えば木材とした場合、長ネジ挿入用の孔B29には背板継ぎ足し長さとほぼ同等以上の長さの長ネジB28を背板4aに挿入し、地震力が働いたときに背板4aの背板継ぎ足し用部材27aとの境目、つまり背板4aの端部に致命的破壊が起きないようにする。
これとは反対側の長ネジA12を挿入する孔A16については、想定を上回るほどの大きな地震の際には、その入り口付近に大きな力がかかり、損傷する可能性がある。孔A16への長ネジA12の挿入長さを十分にとっていれば、完全に壊れて背板4aが倒れるようなことはないと考えられるが、この背板4aの破損を防ぐ、または、軽減する方法として、図15(a)に示すように背板4aの小口付近を例えば金属の背板端部カバー33で覆ったり、図15(b)に示すように引っ張りに強い粘着テープ等による背板端部巻き付け34を施したりして補強してもよい。
図16に示すように、背板4aに木ネジ35aを使って例えば箱を好みの位置に取り付ければ、造り付け家具のような箱11aになる。
しかし、図1(a)のように、背板に例えば2列の等間隔の連続穴36を設ければ、図17、図18あるいは図31に示すように、種々の装着物をもっと手軽に取り付けることができるようになる。連続穴36をネジの効くものにするためには、図17(b)に示すように、小ネジ37aを受ける例えば鬼目ナット等の埋め込みナット38を取り付けてもよく、もしくは、連続穴36の径を小ネジ37aの径よりも一回り小さくすることで、穴自体をネジの効く穴にしてもよい。
装着物の設置事例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
図17(a)(b)に示すのは、装着物である箱の背板の側に、連続穴36の2箇所以上に重なるようにネジ軸を通す穴を開け、小ネジ37aで背板4bの連続穴36に取り付けた箱11bである。
図18(a)(b)に示すのは、棚板の前面小口に小ネジ頭が入る孔39を貫通する少し手前まで開け、残りをおよそ小ネジ軸径の孔で貫通させ、小ネジ37bで背板4bに取り付けた、前面から取り付けられて棚受け等のない棚11cである。
その他のバリエーションとして、より重い物を載せる棚には、例えば図19に示す市販の棚受け11dのような製品を利用することができる。背板に直接木ネジを打ってもいいし、背板4bを木ネジで傷つけたくなければ図19にあるように、木ネジを打つための部材40を、連続穴36を使って小ネジ37cで背板4bに取り付け、この部材に棚受け11dを木ネジ35bで取り付けるという方法もある。その上に棚板を載せればより丈夫な棚になる。
また、図20に示すような一般に棚柱11eといわれる製品を、木ネジ35cで例えば背板4cに取り付ければ、この棚柱11eの利点を生かした棚作りができる。
また、図21(a)(b)に示すように、例えば布の被覆材41で背板4b等を覆い隠し、その上から例えば箱11b等の装着物を小ネジで背板4bに取り付ければ、布等の面を背景に装着物が浮いているようにすっきりさせることができる。被覆材41としては、布以外にも市販の壁紙や障子紙、あるいは薄手の化粧板などでもよい。これらの素材や色柄を変えることで、部屋の雰囲気をがらりと変えることができる。
耐震壁面ユニットの実施形態はこの他にもいろいろと考えられる。
例えば、図22(a)は図1(a)よりも背板の幅を小さくして、突っ張り用の長ネジA12を1本にした耐震壁面ユニット3f、図22(b)はさらに背板幅を小さくし連続穴を一列にし、突っ張り部材A・Bの幅も小さくした耐震壁面ユニット3g、図22(c)は天井側および床側の支持面受け板7Ac・7Bcを背板の表裏両側に張り出させてI型断面とし、表裏両方向への背板のたわみに対応することで、壁に添わせずにパーティション的な利用を可能とした耐震壁面ユニット3hである。
必要であれば、背板の幅を小さくしても厚さを少し増やしたり、また、長ネジA12を2本から1本に減らしても径を少し太くしたりすれば、同等のたわみにくさを得ることができる。これら種々の部材の組み合わせで、この他にも様々な耐震壁面ユニットが可能である。
さらには、背板の幅をずっと大きくした壁のような背板に、複数の突っ張り装置と、天井と床に複数の支持面受け板を設け、背板そのものをより壁に近い疑似壁面としてもよい。また、本耐震壁面ユニットを、上下逆さにして突っ張り装置を床側に設けたり、あまり重い物を背板に装着しない場合には、壁と壁との間に突っ張って横向きに設置したりすることも可能である。
図23は、図22(c)のI型断面耐震壁面ユニット3hが水平地震力を受けたときの天井側の支持面受け板7Abの状態を示した側面図である。このように支持面受け板7Abが背板4bの表裏両側に張り出している場合には、支持面受け板7Abを突っ張り部材A6aの突っ張り面に全体的には接続せずに、側面から見て突っ張り面の中央を木ネジで接続するとよい。これにより、図23(a)(b)に示すように、背板4bが傾いたのとは反対側の支持面受け板7Abの天井1からの剥がれを小さく抑えることができる。
図23(a)は想定される水平地震力が働いたときの、図23(b)は想定の倍の水平地震力が働いたときの支持面受け板7Abの変形状態を例示している。これらが例示であるのは、図5(b)(c)の場合と同様である。
本発明の耐震壁面ユニットを使って他の家具を固定するには、例えば図24(a)に示すように、家具42aのネジが効く側板の位置に耐震壁面ユニット3iを設置し、図24(b)に示すように、例えばL型金具43と木ネジ35dを用いて、背板4cと家具42aとを連結してもよい。このように耐震壁面ユニットにL型金具43等の家具転倒防止器具をあわせて用いることで、家具類の転倒防止装置とし、壁にネジを打つことなく家具の転倒を防止することができる。
家具転倒防止器具の一つとして、図25(a)に示すような突っ張り固定具44aを用いてもよい。図25(b)(c)に示すように、固定部材45aを背板4dの連続穴36に小ネジ37dで、家具42b天板上方の、突っ張り固定具44aが適切に収まる位置にしっかり取り付ける。この固定部材45aに開けた固定具長ネジ47が上下可動となる固定具孔48に、固定具長ネジ47を上から通して、固定具長ネジ47の下端から例えば蝶ナット等の固定具ナット49を通してから、押さえ部材46の固定具受け穴50に差し込む。この固定具ナット49を上方に回して突っ張ることで、押さえ部材46の下にある家具42bを押さえる。押さえ部材46と家具42bの天板との間には滑り防止シート51や粘弾性部材等を挟むと、がたつきを押さえよりしっかりと固定できる。
ただし、突っ張り固定具を突っ張るということは、耐震壁面ユニットを持ち上げ、天井を突っ張ることになるので、あまり強く突っ張り過ぎない方がよい。不安があれば、家具42bの底面前側に差し込むクサビを併用するとよい。これにより家具の前方への移動を抑えれば、突っ張り固定具は、主に浮き上がろうとする家具を下向きに押さえればよく、家具の前方への移動を抑える摩擦力を生むために強く押さえつけておく必要はない。
図1(b)は、突っ張り固定具44aを用いて、家具を固定する一つの実施形態の全体を示す斜視図である。
なお、図26に示すように、例えば突っ張り固定具44aと棚受け11fとを用いて小引き出し等の既成の小型家具11gを耐震壁面ユニットに取り付けることもできる。
家具類の転倒防止装置は、図1(b)や図24(a)のように、耐震壁面ユニットの用途を主に家具の転倒防止として、背板や突っ張り部材の幅を小さくし、突っ張り用の長ネジA12を1本とするなど、すっきりしたデザインとしてもよいし、あるいは、図31に示すように、図1(a)の耐震壁面ユニット3e等を用いて壁面ディスプレイ等とあわせて家具類の転倒防止を行うこともできる。
図27(a)は、連続穴36を利用せずに、固定部材45bを背板4cに木ネジ35eで取り付けるようにした突っ張り固定具44b、また、図27(b)は、2列の連続穴36を用いて、固定部材45cを背板4bに取り付けるようにした突っ張り固定具44cである。
冷蔵庫の転倒および滑り防止には、図28(a)に示すように、例えば耐震壁面ユニット3eに取り付けた、例えば突っ張り固定具44cで天板を押さえるとともに、冷蔵庫背面にはベルトを通す取っ手があるので、ベルトや金具等でこの取っ手と突っ張り固定具44cや背板4bとを連結するとよい。
また、冷蔵庫42cは底面が正方形に近いため、地震時には側方に倒れようとする力も大きい。側方に倒れる可能性のある設置状況の場合には、冷蔵庫42cの背面だけでなく側面も固定すればより安定する。壁に面していない側面には、図22(c)に示したI型断面の耐震壁面ユニット3hを用いるとよい。
あるいは、図28(b)に示すように、背板2枚の縦の辺を接続して水平断面をL型とし、剛性を高めた耐震壁面ユニット3jを冷蔵庫42cの背面の2つの角に用いてもよい。
従来、一般的な住宅では、冷蔵庫のような重量物をしっかり固定する適切な方法がなく、冷蔵庫の転倒対策をしている家は極めて少ないといわれているが、これらの方法により、ほとんどの状況で冷蔵庫のしっかりした転倒および滑り対策が可能となる。
また、冷蔵庫にあるような取っ手がない重量物で、滑りの危険性がある場合には、図29に示すように、例えば、突っ張り固定具44cの押さえ部材46の底面に取り付けた合成樹脂等の薄い接着板52を、後から剥がせる両面テープ等で家具天板に接着してもよい。接着板52を必要な対抗力の得られる面積とすることにより、そのせん断接着力により重量物にかかる大きな水平地震力にも対抗することができる。
また、家具の裏側に耐震壁面ユニットを設置するのが困難な場合には、図30(a)あるいは(b)に示すように、T型断面の耐震壁面ユニット3kや3lを家具の側面を挟むように設置して、突っ張り固定具44dで家具の転倒を防止してもよい。
これには、家具の裏に設置するよりも設置が容易になるというメリットがある。特に、例えば重量のあるスチールキャビネット42dが並んで設置してある場合など、キャビネットの裏に耐震壁面ユニットをセットするのは、キャビネットをいったんどかし、ユニットを設置してから、キャビネットを持ち上げて支持面受け板の上に載せるなどなかなか手間がかかる。しかし、耐震壁面ユニット3kや3lによれば、隣のキャビネットとの隙間を作れば設置が可能である。床側には、細長い形状の支持面受け板を設けるか、代わりに滑り止めシートを敷いてもよい。
また、このような場合、上記の接着板52も併用するとよい。
なお、図31には、各種の箱や棚を面的に取り付け、また、同時に家具の転倒を防止している活用事例を示している。
※( )内は実施形態の特徴、または、逆に属性を示す。
1 天井(支持面)
2 床(支持面)
3a 耐震壁面ユニット(床側の突っ張り部材Bと支持面受け板を省略)
3b 耐震壁面ユニット(床側の突っ張り部材Bを省略)
3c 耐震壁面ユニット(床側の突っ張り部材Bと支持面受け板あり)
3d 耐震壁面ユニット(背板継ぎ足し用部材あり)
3e 耐震壁面ユニット(2列の連続穴あり)
3f 耐震壁面ユニット(背板の幅が狭く、2列の連続穴あり、1本の長ネジA)
3g 耐震壁面ユニット(背板が細く、1列の連続穴あり、1本の長ネジA)
3h 耐震壁面ユニット(I型断面)
3i 耐震壁面ユニット(背板が細く、連続穴なし)
3j 耐震壁面ユニット(L型断面)
3k 耐震壁面ユニット(T型断面、突っ張り部材Aが背板と平行関係)
3l 耐震壁面ユニット(T型断面、突っ張り部材Aが背板と直行関係)
4a 背板
4b 背板(2列の連続穴付き)
4c 背板(背板が細く、連続穴なし)
4d 背板(背板が細く、1列の連続穴付き)
5a 突っ張り装置
5b 制限機能付き突っ張り装置
6a 突っ張り部材A
6b 突っ張り部材A(幅が小さい)
7Aa 支持面受け板(天井側)
7Ab 支持面受け板(天井側、両側張り出し)
7Ba 支持面受け板(床側、直接背板に接続)
7Bb 支持面受け板(床側、突っ張り部材Bに接続)
7Bc 支持面受け板(床側、背板の表裏両側へ張り出し)
8a 突っ張り部材B(接続用長ネジの受け穴付き)
8b 突っ張り部材B(長ネジBとナットBの受け穴付き)
8c 突っ張り部材B(幅が小さい)
9 接続用長ネジ
10a 受け穴(接続用長ネジが収まる)
10b 受け穴(長ネジBとナットBが収まる)
11a 箱(木ネジ取付用、装着物)
11b 箱(連続穴取付用、装着物)
11c 棚板(連続穴取付用、装着物)
11d 棚受け(木ネジ取付用、装着物)
11e 棚柱(木ネジ取付用、装着物)
11f 棚受け(木ネジ取付用、装着物)
11g 小型家具(装着物)
12 長ネジA
13 ナットA
14 バネ
15 筒
16 孔A
17 後から剥がせる両面テープA(通常の薄い後から剥がせる両面テープ)
18 後から剥がせる両面テープB(スポンジ基材の後から剥がせる両面テープ)
19 紙(半紙)
20a、20b 壁紙(凸凹面の)
21 ピン
22 摩擦部材
23 ヒンジ軸受け
24 軸
25 支持面受け板A
26 支持面受け板B
27a〜27c 背板継ぎ足し用部材
28 長ネジB
29 孔B
30 埋め込みナット(鬼目ナット)
31 回転操作部材
32 ナットB
33 背板端部カバー
34 背板端部巻き付け
35a、35b、35c、35d、35e 木ネジ
36 連続穴
37a、37b、37c、37d 小ネジ
38 埋め込みナット(鬼目ナット)
39 小ネジ頭が入る孔
40 木ネジを打つための部材
41 被覆材
42a、42b 家具
42c 冷蔵庫(家具)
42d スチールキャビネット(家具)
43 L型金具(家具転倒防止器具)
44a 突っ張り固定具(1列連続穴用)
44b 突っ張り固定具(木ネジ用)
44c 突っ張り固定具(2列連続穴用)
45a 固定部材(1列連続穴用)
45b 固定部材(木ネジ用)
45c 固定部材(2列連続穴用)
46 押さえ部材
47 固定具長ネジ
48 固定具孔
49 固定具ナット(蝶ナット)
50 固定具受け穴
51 滑り防止シート
52 接着板

Claims (8)

  1. 装着物を取り付けるための背板と、
    突っ張り装置と、
    曲げの力に対して局部的に曲がる性質を持つ支持面受け板と、
    を備え、
    前記背板の一端に前記突っ張り装置を取り付けて突っ張り背板を形成し、
    この突っ張り背板の両端または一端の突っ張り面に前記支持面受け板を張り出して取り付け、
    支持面間を前記突っ張り装置で突っ張るとともに、前記支持面受け板を前記支持面に接合させ、
    地震に際して、前記背板に取り付けられた前記装着物に働く水平地震力により前記突っ張り背板がたわんでその端部が傾いたとき、前記支持面受け板の一部は前記支持面から剥がれても、前記支持面受け板が局部的に曲がるため、それ以外の部分が前記支持面との接合を保ち、その接合面のせん断抵抗力により転倒を防止することを特徴とする耐震壁面ユニット
  2. 前記耐震壁面ユニットに突っ張り部材Bを加え、
    前記背板の前記突っ張り装置を取り付けていない方の一端に取り付ける前記支持面受け板を、前記突っ張り部材Bの突っ張り面に張り出して取り付けた前記支持面受け板に代え、前記背板と前記突っ張り部材Bとの接続を、一方の部材に設けた突起を他方の部材の凹みに挿入することで行うことを特徴とする請求項1記載の耐震壁面ユニット
  3. 突っ張り部材Aと、
    これに、その一端が接続された1本以上の長ネジAと、
    この長ネジAに対応するナットAと、
    前記長ネジAに通された、バネと、このバネの自由高よりも短い筒と、
    を備え、
    前記背板の小口には前記長ネジAを挿入するための孔Aを設け、
    前記長ネジAのもう一端は、前記孔Aに出入り可動に差し込まれ、
    前記ナットAと前記背板とで前記バネと前記筒が挟まれ、
    前記バネと前記筒は一方が他方を包むように重なり合い、
    前記筒は前記バネが前記筒の長さまで縮んだときに必要な反発力が得られる長さとし、
    前記ナットAを回転し前記バネを圧縮して前記突っ張り部材Aを突っ張る際に、前記ナットAの移動を前記筒に接触したところで止めることにより、突っ張り力を必要な一定値に制限することのできる制限機能付き突っ張り装置を形成し、
    前記突っ張り装置が前記制限機能付き突っ張り装置であることを特徴とする請求項1または2記載の耐震壁面ユニット
  4. 前記支持面受け板と前記支持面との接合には、
    後から剥がせる両面テープAと後から剥がせる両面テープBと紙とを用い、
    前記後から剥がせる両面テープAと前記後から剥がせる両面テープBとのそれぞれの片面で前記紙の両面を接着して挟み、
    前記後から剥がせる両面テープAの他方の面で前記支持面受け板を、前記後から剥がせる両面テープBの他方の面で前記支持面を、それぞれ接着させ、
    一方、取り外しの際、前記支持面受け板を前記支持面から剥がすときには、前記紙に水を浸み込ませることで、
    前記支持面受け板と前記後から剥がせる両面テープA、および、前記支持面と前記後から剥がせる両面テープB、との接着面は剥がれずに、
    前記紙が破れることにより、前記支持面受け板と前記支持面とが分離することを特徴とする請求項1または2または3記載の耐震壁面ユニット
  5. 前記突っ張り部材Aまたは前記突っ張り部材Bまたは前記背板の突っ張り面への
    前記支持面受け板の取り付けが、
    ヒンジを介した取り付けであることを特徴とする請求項1または2または3または4記載の耐震壁面ユニット
  6. 前記装着物を取り付けるためのネジの効く連続穴を、前記背板に設けたことを特徴とする請求項1または2または3または4または5記載の耐震壁面ユニット
  7. 前記耐震壁面ユニットに家具転倒防止器具を加え、
    前記背板と家具とを前記家具転倒防止器具を介して連結する、または、
    前記背板に取り付けた前記家具転倒防止器具で家具を押さえることにより、
    請求項1または2または3または4または5または6記載の耐震壁面ユニットを、家具類の転倒防止のために使用することを特徴とする家具類の転倒防止装置
  8. 前記背板に固定する手段を有する固定部材と、
    その下に家具類の上面を押さえる押さえ部材と、
    この両部材の間に設けた突っ張り手段と、
    を備え、
    前記背板に固定した前記固定部材を足場にして突っ張り、前記押さえ部材を家具類の上面に押し付ける突っ張り固定具を形成し、
    前記家具転倒防止器具が前記突っ張り固定具であることを特徴とする請求項7記載の家具類の転倒防止装置
JP2015157670A 2015-07-23 2015-07-23 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置 Expired - Fee Related JP5997332B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157670A JP5997332B1 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015157670A JP5997332B1 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5997332B1 true JP5997332B1 (ja) 2016-09-28
JP2017023663A JP2017023663A (ja) 2017-02-02

Family

ID=56997607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015157670A Expired - Fee Related JP5997332B1 (ja) 2015-07-23 2015-07-23 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5997332B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018220667A1 (ja) * 2017-05-29 2020-04-09 株式会社ナム 壁面利用ホルダー装置
CN117432104A (zh) * 2023-12-19 2024-01-23 德州智南针机械科技有限公司 一种装配式建筑的板块连接结构及其使用方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5650834U (ja) * 1979-09-27 1981-05-06
JPH0264341U (ja) * 1988-11-02 1990-05-15
JPH08299086A (ja) * 1995-05-02 1996-11-19 Kokuyo Co Ltd 家具の転倒防止装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5650834U (ja) * 1979-09-27 1981-05-06
JPH0264341U (ja) * 1988-11-02 1990-05-15
JPH08299086A (ja) * 1995-05-02 1996-11-19 Kokuyo Co Ltd 家具の転倒防止装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018220667A1 (ja) * 2017-05-29 2020-04-09 株式会社ナム 壁面利用ホルダー装置
CN117432104A (zh) * 2023-12-19 2024-01-23 德州智南针机械科技有限公司 一种装配式建筑的板块连接结构及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017023663A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7353957B2 (en) Pegboard with through peg-hole mounting
JP5997332B1 (ja) 耐震壁面ユニット、家具類の転倒防止装置
JP2006333921A (ja) 家具転倒防止方法
JP6110057B2 (ja) 転倒防止具
JP5171240B2 (ja) 生産機器用の耐震治具
JP2017131602A (ja) 着脱が容易で大規模地震に対応する移動転倒防止器具
JP2007037793A (ja) 移動防止用保持具
JP5288624B2 (ja) プレート部材の取付具
JP5349749B2 (ja) 家具の転倒防止固定具
US20100058706A1 (en) Systems and methods for providing structural support and reinforcement
JP6619786B2 (ja) 土台支持具
JP3140291U (ja) 重量物に取り付けた金具とピンで重量物を石膏ボード壁等に高強度で固定できる壁構造体
JP7164977B2 (ja) 床上載置式什器及びこれに使用する転倒防止装置、ベースユニット
JP5650488B2 (ja) 壁構造
JP3110367U (ja) 転倒防止具
JP2005245873A (ja) 支柱金具及びスペーサー
JP4711340B2 (ja) 器物の転倒防止用固定装置とこれを用いた固定方法及び固定構造
JP3106532U (ja) 家具用倒れ防止装置
JP2006297035A (ja) 家具転倒防止装置
JP2008050879A (ja) 平面状掛物のブラケット
JP5502063B2 (ja) 家具の転倒防止固定具
JP3143809U (ja) 家具転倒防止装置
JP2023071447A (ja) 什器の転倒防止構造
JP2020124459A (ja) 転倒防止具
JP2008093114A (ja) 補強継手

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5997332

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees