JP2007037793A - 移動防止用保持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が簡単で安価に制作でき、又、箪笥や棚等の家具形状に依存した形状を作成する必要がなく、さらに、凹凸を有する家具の背面や、壁面にも柔軟に追従して接着でき、家具を傷つけることなく、重心が高い家具の転倒防止もでき、又、室内景観を損なうことがない移動防止用保持具を提供する。
【解決手段】
移動防止用保持具は、可撓性の樹脂発泡体からなる芯材12と、接着性の芯材カバー16とが接着材14を介して積層されている。芯材の厚さは10〜100mmとされている。
【選択図】 図1
【解決手段】
移動防止用保持具は、可撓性の樹脂発泡体からなる芯材12と、接着性の芯材カバー16とが接着材14を介して積層されている。芯材の厚さは10〜100mmとされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地震の際に、箪笥等の家具の転倒や落下等が防止されるように同家具を壁面等に対して固定保持するための移動防止用保持具に関するものである。
従来、屋内あるいは室内に設置された箪笥等の家具が、地震発生時に転倒したり、台から落下したりすることを防止するために、例えば特許文献1に開示されるような構成の移動防止用保持具が提案されている(以下、従来構成1という)。すなわち、この従来構成においては、透明フィルム製のベルトの一端に金属製またはプラスチック製の環状体が粘着テープにより取り付けられるとともに、ベルトの他端には別の粘着テープが設けられている。そして、屋内の壁面に固定された固定金具に前記環状体が掛けられるとともに、その環状体の反対側の粘着テープが家具の側面等に貼り付けられることにより、家具がベルトを介して壁面に固定保持されるようになっている。
又、特許文献2に開示される家具転倒防止器具も提案されている(以下、従来構成2という)。この家具転倒防止器具は、支柱の上下両端にL字形の固定金具を備えている。そして、家の天井と箪笥等の家具の間に前記支柱を配置し、両固定金具の水平部をそれぞれ天井と、箪笥上面にビス止めすることにより、箪笥等の家具防止を図るようにしている。又、別の家具転倒防止器具として、家具と、家具を載置する床等の支持側の部材間に介在配置する粘着性樹脂素材も提案されている(以下、従来構成3という)。
登録実用新案公報第3031174号
実開平5−91451号公報
ところが、従来構成1、2は、多数の部材から構成されているため、部品点数が多く、製造コストが高くなるものであった。また、家具の固定に際しては、壁面や天井に固定金具を固定する必要があって、その作業が面倒であるばかりでなく、壁面、天井、家具を傷つけることになり、さらには、壁面や天井に固定金具が取り付けられたり、支柱を有したりしているため、室内景観が損なわれる問題もあった。
又、従来構成3は部品点数を少なくし、転倒防止効果はあるものの、箪笥や、本棚のように重心が高く、底面の幅が狭い家具においては、十分な転倒防止効果が得られない問題がある。
本発明は、従来の問題点を解消するためになされたものである。本発明の目的は、構成が簡単で安価に制作でき、又、箪笥や棚等の家具形状に依存した形状を作成する必要がなく、さらに、凹凸を有する家具の背面や、壁面にも柔軟に追従して接着でき、家具を傷つけることなく、重心が高い家具の転倒防止もでき、又、室内景観を損なうことがない移動防止用保持具を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可撓性の樹脂発泡体もしくは、可撓性の多孔体からなる芯材の少なくとも片面側に、接着性のシート材を積層し、前記芯材の厚さが10〜100mmであることを特徴とする移動防止用保持具を要旨とするものである。なお、片面側とは、芯材の片面に対して、直接に設けられている場合、或いは他の部材を介在させて間接的に設けられている場合も含む趣旨である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記芯材が、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体、ポリオレフィン発泡体のいずれか1種からなり、或いは、2種以上積層されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記シート材がゲル状の樹脂材であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、可撓性を有する樹脂発泡体の硬さは、20〜250Nとしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、可撓性を有する樹脂発泡体の硬さは、20〜250Nとしたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、元厚の7〜95%の範囲で、圧縮が可能であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、構成が簡単で安価に制作でき、又、箪笥や棚等の家具形状に依存した形状を作成する必要がない。又、芯材の厚さを10〜100mmとしているため、凹凸を有する家具の背面や壁面にも柔軟に追従して接着でき、家具を傷つけることなく、重心が高い家具の転倒防止もでき、又、室内景観を損なうことがない。
又、芯材の厚さを10〜100mmとすることにより、家具と壁面間に移動防止用保持具を介在配置した際、家具と壁面が振動によるズレや変動を移動防止用保持具が吸収できる。又、家具と壁面間に介在配置される移動防止用保持具が圧縮された時、発生する反力が大きくなることはないとともに、不要な隙間が移動防止用保持具と家具との間に発生することもなく、或いは、家具を押し倒すようなことが防止される。
請求項2の発明によれば芯材が、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体、ポリオレフィン発泡体のいずれか1種からなり、或いは、2種以上積層されていることにより、家具と壁面間の振動によるズレや変動を吸収できる。
請求項3の発明によれば、シート材をゲル状の樹脂材とすることにより、接着剤を別途用意する必要がなく、家具の背面や壁面にその粘着力により接着することができる。シート材がゲル状であることから、通常の接着工法と違いゲル自身の振動衝撃吸収性もあるため、より良好な緩衝効果が得られる。又、家具の背面や、壁面への剥離時のダメージも抑えることができる。
請求項4の発明によれば、可撓性を有する樹脂発泡体の硬さを、20〜250Nとすることにより、樹脂発泡体の剛性がなくなることはなく、圧縮時に反力を得ることができ、移動防止用保持具が付けられる被着体(すなわち、家具、壁面等)と、シート材との接着強度が得られやすくなる。又、樹脂発泡体を家具の形状に対して追従しやすくできる。
請求項5の発明によれば、元厚の7〜95%の範囲で、圧縮が可能であることにより、芯材の反力が大きくなりすぎず、設置家具の安定性を保持でき、家具自体を凹ませることがない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の、移動防止用保持具10は、図1(a)に示すように、芯材12がシート状に形成されている。芯材12の両側面には、可撓性の接着材14を介して、接着性のシート材としての芯材カバー16が固着されている。前記接着材14は、本実施形態では、両面テープが使用されている。なお、可撓性を有する接着材14の代わりに、合成樹脂製の接着剤にて芯材12と芯材カバー16を互いに固着してもよい。なお、図1(a)は、説明の便宜上、接着材14及び芯材カバー16の厚さは、実際のものよりも、厚くして図示されている。
本実施形態の、移動防止用保持具10は、図1(a)に示すように、芯材12がシート状に形成されている。芯材12の両側面には、可撓性の接着材14を介して、接着性のシート材としての芯材カバー16が固着されている。前記接着材14は、本実施形態では、両面テープが使用されている。なお、可撓性を有する接着材14の代わりに、合成樹脂製の接着剤にて芯材12と芯材カバー16を互いに固着してもよい。なお、図1(a)は、説明の便宜上、接着材14及び芯材カバー16の厚さは、実際のものよりも、厚くして図示されている。
前記芯材12としては可撓性を有する樹脂発泡体や、可撓性を有する多孔体が好ましい。可撓性を有する樹脂発泡体としては、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体、ポリオレフィン発泡体等が挙げられるが、なかでも硬さが低く、復元回復性に優れるポリウレタン発泡体が好ましい。本実施形態では、芯材12は、ポリウレタン発泡体からなる。
可撓性を有する樹脂発泡体の硬さ(25%ILD)は、20〜250N、好ましくは、40〜130Nである。硬さが20N未満の場合は、樹脂発泡体の剛性がなく、運用しにくいとともに、反力が得られにくいため、移動防止用保持具10が付けられる被着体(すなわち、家具、壁面等)と、直接接着する場合、接着強度を得にくい。又、硬さが250Nを超えると、家具の形状に追従しにくい。すなわち、家具の側面に凹凸がある場合、その凹凸の部位に対して、追従しにくくなる。又、硬度が250Nを超えると、家具と壁面間の荷重でつぶれずに、逆に不安定な状態になる場合があったり、家具と壁面の間隔の自由度がとりづらくなるため、好ましくない。なお、硬さは、JISK 6400−2(2004)に準じた試験方法で測定したものである。
可撓性を有する樹脂発泡体の引張強度(kPa)は、30kPa以上、好ましくは50kPa以上であり、上限は特に制限はない。引張強度が30kPa未満の場合は、軽度の揺れ、家具の移動により、芯材12が破断するために好ましくない。
可撓性を有する多孔体としては、繊維パット等が挙げられる。可撓性を有する多孔体においても、硬さ(25%ILD)は、20〜250N、好ましくは、40〜130Nである。又、該多孔体の引張強度(kPa)は、30kPa以上、好ましくは50kPa以上であり、上限は特に制限はない。
芯材12の厚さは10〜100mm、好ましくは、20〜50mmである。芯材12の厚さが10mm未満とすると、家具と壁面が振動によるズレ・変動を吸収できない。又、芯材12の厚さが10mm未満の場合、家具の背面又はサイド面に凹凸があった場合、その形状に芯材12が十分追従できない。又、芯材12の厚さが100mmを超える場合は、家具と真壁面の圧縮時の反力が大きくなりすぎ、不要な隙間が発生し、もしくは、家具を押し戻す可能性があるため好ましくない。
接着性の芯材カバー16は、ゲル状の粘着性を有する樹脂材からなることが好ましい。ゲル状の粘着性を有する樹脂材としては、スチレン、ウレタン、アクリル樹脂等からなるエラストマー製品を挙げることができる。芯材カバー16がゲル状となっていることにより、粘着力による接着性(すなわち、粘着性)を有する。なお、本明細書において、「接着」は、接着力が強くてものが相互に固着して剥離不能なもの、及び、接着力が弱くて剥離可能なものも含む趣旨で使用する。特に、粘り気があるものは、粘着力により接着性を有するが、接着力が弱くて、剥離可能である。この接着力は、本実施形態では、後述する使用例では、予め、箪笥T7や、壁面Hに貼着される両面テープ18,20に対する移動防止用保持具10の接着に利用される。なお、両面テープ18,20を使用しない場合には、芯材カバー16が、箪笥Tや壁面Hに対する移動防止用保持具10の接着に利用される。
このように構成された移動防止用保持具10のサイズ(大きさ)は、例えば、50mm角〜250mm角程度の大きさにされている。なお、大きさは、このサイズに限定するものではなく、使用する家具、使用する部位等に応じて適宜の大きさにすればよい。
移動防止用保持具10の使用時に、移動防止用保持具10は、使用時の圧縮率が、元厚の7〜95%,好ましくは、20〜60%の範囲で使用されるのが好ましい。元厚の7%未満で運用した場合には、芯材12である可撓性を有する樹脂発泡体や、多孔体の反力が大きくなりすぎ、安定性を逆に妨げたり、場合によっては、家具自体を凹ませる可能性もある。又、移動防止用保持具10は、使用時の圧縮率が元厚の95%を超える場合は、接着性のシート材における反力が小さくなり、その小さな反力から芯材カバー16の接着強度を得るのが困難となる。
特に、使用時の圧縮率が元厚の95%を超える場合、芯材カバー16の粘り気があるが接着力が弱くて、剥離するタイプのものでは、反力が小さいため、該芯材カバー16の接着力が小さくなり好ましくない。
さて、上記のように構成された移動防止用保持具10の使用例を図2、図3を参照して説明する。
図3において、箪笥Tの背面Ta上部には、桟により突条Tbが横方向(図面垂直方向)に延出されている。桟は、通常、背面Taからの突出量が数mm〜10数mm程度である。このような箪笥Tに対して、移動防止用保持具10を用する場合、突条Tbを回避するようにして背面Ta上部等に対して、両面テープ18を貼着する。一方、壁面Hにおいても、両面テープ18に対応した部位に、両面テープ20を貼着する。そして、両面テープ20上に移動防止用保持具10を貼着した状態で、箪笥Tを壁面Hに接近させ、移動防止用保持具10全体を圧縮することにより、移動防止用保持具10の箪笥T側の側面を、両面テープ18に貼着する。なお、上記説明では、移動防止用保持具10は、1つについて説明したが、箪笥Tの大きさに応じて、複数個の移動防止用保持具10を箪笥Tと壁面H間に配置する場合は、他の移動防止用保持具10についても、同様に貼着するものとする。
図3において、箪笥Tの背面Ta上部には、桟により突条Tbが横方向(図面垂直方向)に延出されている。桟は、通常、背面Taからの突出量が数mm〜10数mm程度である。このような箪笥Tに対して、移動防止用保持具10を用する場合、突条Tbを回避するようにして背面Ta上部等に対して、両面テープ18を貼着する。一方、壁面Hにおいても、両面テープ18に対応した部位に、両面テープ20を貼着する。そして、両面テープ20上に移動防止用保持具10を貼着した状態で、箪笥Tを壁面Hに接近させ、移動防止用保持具10全体を圧縮することにより、移動防止用保持具10の箪笥T側の側面を、両面テープ18に貼着する。なお、上記説明では、移動防止用保持具10は、1つについて説明したが、箪笥Tの大きさに応じて、複数個の移動防止用保持具10を箪笥Tと壁面H間に配置する場合は、他の移動防止用保持具10についても、同様に貼着するものとする。
このようにして、箪笥Tを壁面Hに対して押圧するように配置した場合、壁面Hと、箪笥Tの背面とが平行になった場合は、勿論のこと、平行にならない場合においても、芯材12がポリウレタン発泡体で形成されているため、芯材12は、壁面Hと箪笥Tの相対位置関係に応じて圧縮変形される。このようにして、図2に示すように、箪笥Tの背面Ta上部と、部屋の壁面Hとの間に移動防止用保持具10が介在された状態となる。この状態で、地震が生じた際には、移動防止用保持具10が、箪笥Tと壁面H間の振動によるズレや変動を吸収し、壁面Hに対して箪笥Tを保持することにより箪笥Tの移動を防止する。
さて上記のように、構成された本実施形態の特徴を以下に述べる。
(1) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10は、芯材12、接着材14、芯材カバー16を積層するという簡単な構成であり、安価に製造できる。
(1) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10は、芯材12、接着材14、芯材カバー16を積層するという簡単な構成であり、安価に製造できる。
(2) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10の芯材12,接着材14、芯材カバー16は、可撓性を有しており、箪笥Tや棚等の家具形状に依存した形状を予め作成する必要がなく、さらに、凹凸を有する家具の背面や壁面にも柔軟に追従して接着でき、家具を傷つけることがない。すなわち、適度な厚さを持つとともに、可撓性の芯材12を備えた移動防止用保持具10を使用するため、常に一定ではない、壁面と家具との空間に柔軟に対応させることができる。
(3) 本実施形態によれば、家具と、芯材12間に移動防止用保持具10を介在配置して、移動防止用保持具10を適度に圧縮して使用するため、可撓性の芯材12の適度な反力を得ることができ、このため、家具を過度の力で壁面Hに押し付ける必要がないため、家具の設置作業を極めて楽にすることができる。
(4) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10は、家具の上部と壁面間に配置することにより、重心が高い家具の転倒防止ができる。
(5) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10は、家具と壁面間に介在配置するため、室内景観を損なうことがない。
(5) 本実施形態によれば、移動防止用保持具10は、家具と壁面間に介在配置するため、室内景観を損なうことがない。
(6) 本実施形態によれば、芯材12をポリウレタン発泡体としているため、ポリウレタン発泡体の特性である硬さが低く、回復性が優れている性質を利用して、凹凸を有する家具の背面や、壁面に柔軟に追従させることができる。
(7) 移動防止用保持具10は、芯材カバー16をゲル状の樹脂材とし、可撓性を有する芯材12を圧縮して用いるため、壁面Hや、家具との接着面は固定されていても、振動・揺れを有効に芯材12,芯材カバー16の両方で吸収することができる。
(8) 本実施形態によれば、芯材12の厚さを10〜100mmとしているため、家具と壁面H間に移動防止用保持具10を介在配置した際、家具と壁面間の振動によるズレや変動を該移動防止用保持具10にて吸収することができる。又、家具の背面やサイド面に凹凸があった場合にもその形状に十分追従できる。又、家具と壁面H間に介在配置される移動防止用保持具10が圧縮された時、発生する反力が大きくなることはないとともに、不要な隙間が移動防止用保持具と家具との間に発生することもなく、或いは、家具を押し倒すようなことがない。
(実施例)
次に、実施例と比較例について説明する。ここでは、実施例及び比較例を実際に、食器棚130の背面側に使用して、該食器棚130を壁面に沿うように配置した状態で、振動を付与して試験を行ったものである。図5、図6は、試験に使用したモデルルームを備えた三次元振動台100である。三次元振動台100は、図示しない加振装置を有する試験台110を備えており、試験台110上にモデルルームRが構築されている。試験台110には合板によりフローリング張りした床面120が設けられている。床面120上に家具として、6段の棚を有する食器棚130を載置した。なお、図5、図6において、X,Y,Zはそれぞれ相互に直交する3方向であり、食器棚130の転倒方向はY方向とした。又、モデルルームRには、試験台110上に立設された枠体140に対して壁150が設けられている。壁150は、石膏ボード上に化粧板として合板を合わせたものが用いられている。
次に、実施例と比較例について説明する。ここでは、実施例及び比較例を実際に、食器棚130の背面側に使用して、該食器棚130を壁面に沿うように配置した状態で、振動を付与して試験を行ったものである。図5、図6は、試験に使用したモデルルームを備えた三次元振動台100である。三次元振動台100は、図示しない加振装置を有する試験台110を備えており、試験台110上にモデルルームRが構築されている。試験台110には合板によりフローリング張りした床面120が設けられている。床面120上に家具として、6段の棚を有する食器棚130を載置した。なお、図5、図6において、X,Y,Zはそれぞれ相互に直交する3方向であり、食器棚130の転倒方向はY方向とした。又、モデルルームRには、試験台110上に立設された枠体140に対して壁150が設けられている。壁150は、石膏ボード上に化粧板として合板を合わせたものが用いられている。
三次元振動台100、食器棚130の諸元は下記の通りである。
(三次元振動台100)
振動台寸法 :3m×4m
最大搭載質量:4t
最大変位 : 水平 X±250mm, Y±200mm
上下 Z±100mm
最大速度 : 各方向±75cm/sec
最大加速度: 水平 X±1.2G, Y±1.2G
上下 Z±0.8G
回転角 : 各軸廻り ±3度
加振周波数: DC〜50Hz
(食器棚130)
幅×奥行き×高さ : 850×385×1750mm
自重 : 40.3kg
重りを含む全体重量: 100.3kg
(なお、食器に準じる重りサンプルを各棚に10kg(各10kg×6段=60kg)に満遍なく配置している。)
又、食器棚130の背面において、周部には、約2cm幅であって、背面から1cm高さの突条が形成されている。図6では、背面の周部の突条Tbを点線で示している。
(三次元振動台100)
振動台寸法 :3m×4m
最大搭載質量:4t
最大変位 : 水平 X±250mm, Y±200mm
上下 Z±100mm
最大速度 : 各方向±75cm/sec
最大加速度: 水平 X±1.2G, Y±1.2G
上下 Z±0.8G
回転角 : 各軸廻り ±3度
加振周波数: DC〜50Hz
(食器棚130)
幅×奥行き×高さ : 850×385×1750mm
自重 : 40.3kg
重りを含む全体重量: 100.3kg
(なお、食器に準じる重りサンプルを各棚に10kg(各10kg×6段=60kg)に満遍なく配置している。)
又、食器棚130の背面において、周部には、約2cm幅であって、背面から1cm高さの突条が形成されている。図6では、背面の周部の突条Tbを点線で示している。
(移動防止用保持具10)
1.実施例
実施例の移動防止用保持具10として、下記の物を使用した。
1.実施例
実施例の移動防止用保持具10として、下記の物を使用した。
移動防止用保持具10は、前記実施形態と同様に、芯材12の両側面に、接着材14を介して芯材カバー16を配置した構成を備えている。移動防止用保持具10の大きさは、200mm×200mm×55(厚さ)mmである。
芯材12の大きさ: 200mm×200mm×45(厚さ)mm
芯材12の材質 : ウレタン発泡体:ECZ((株)イノアックコーポレーション製):硬さ 75N)
接着材14 : 両面テープ
芯材カバー16の大きさ: 200mm×200mm×5(厚さ)mm
芯材カバー16の材質 : 粘着性を有する樹脂材:ウレタン系エラストマ:NAGFLEX−PU((株)イノアックコーポレーション製))
実施例では、移動防止用保持具10を4セット用意し、食器棚130の背面頂部と中央部(図6で示す領域a〜d)に各2個ずつ貼り付けた。なお、この場合、食器棚130の背面の突条Tbを回避するようにして、平坦な背面に移動防止用保持具10を貼り付けた。
芯材12の材質 : ウレタン発泡体:ECZ((株)イノアックコーポレーション製):硬さ 75N)
接着材14 : 両面テープ
芯材カバー16の大きさ: 200mm×200mm×5(厚さ)mm
芯材カバー16の材質 : 粘着性を有する樹脂材:ウレタン系エラストマ:NAGFLEX−PU((株)イノアックコーポレーション製))
実施例では、移動防止用保持具10を4セット用意し、食器棚130の背面頂部と中央部(図6で示す領域a〜d)に各2個ずつ貼り付けた。なお、この場合、食器棚130の背面の突条Tbを回避するようにして、平坦な背面に移動防止用保持具10を貼り付けた。
又、壁150の壁面Hに対しては、食器棚130を押し当てて、壁面Hから1cmの所で食器棚130を設置した。この結果、移動防止用保持具10は、実質5.5cmのものが、2cmに圧縮され、元厚に対して、約36%に圧縮された。このとき、従来例と異なり、移動防止用保持具10は、壁面Hと食器棚130との間に介在したことは正面外部からは、視認できず、移動防止用保持具10を介在させていない場合と外観上の差はなかった。
2.比較例1
比較例1の両面テープは、市販のものであって、全体の厚さが3mmで、コア材として、ゴムスポンジが用いられており、ゴムスポンジの両面に接着材が付与されている。比較例1の両面テープは、食器棚130の突条Tbを除く背面(突条Tbで囲まれて形成された凹部の底面となる部分)への貼り付けは可能であるが、厚みが3mmしかなく前記突条Tbよりも低いため、壁面Hとの接着が不可能である。比較例1では、両面テープの接着部位が突条Tbに限定されるため、接着面積を有効に得ることは困難であった。因みに、実施例では、(20cm×20cm)×4セット=1600cm2である。これに対して、比較例1の接着面積は、(85cm×2+175cm×2)×2cm=1040cm2である。
比較例1の両面テープは、市販のものであって、全体の厚さが3mmで、コア材として、ゴムスポンジが用いられており、ゴムスポンジの両面に接着材が付与されている。比較例1の両面テープは、食器棚130の突条Tbを除く背面(突条Tbで囲まれて形成された凹部の底面となる部分)への貼り付けは可能であるが、厚みが3mmしかなく前記突条Tbよりも低いため、壁面Hとの接着が不可能である。比較例1では、両面テープの接着部位が突条Tbに限定されるため、接着面積を有効に得ることは困難であった。因みに、実施例では、(20cm×20cm)×4セット=1600cm2である。これに対して、比較例1の接着面積は、(85cm×2+175cm×2)×2cm=1040cm2である。
このように、比較例1の両面テープを食器棚130の突条Tbに貼着した後、食器棚130を壁面Hに対して押し当てて、壁面Hから3mm弱の所で食器棚130を設置した。
このとき、比較例1では下記の問題がある。すなわち、突条Tbに固着した両面テープを壁面Hに対して、圧着させる必要があるが、壁面Hとのクリアランスをほとんど得ることができず、壁面Hと食器棚130の突条Tbとの間隙は全てが同じ間隙となることはないため、実際には、両面テープが壁面Hに接着されていない部分がある可能性が十分にある。例えば、構造的な理由(水平面に対して垂直な壁面でないとか、壁に柱や桟が途中にあるため、壁面と接着できない)や、設置上の理由(食器棚の基部と、床との間にくさび状部材を介在させることにより、食器棚を傾けて設置する等)から現実的でない。
このとき、比較例1では下記の問題がある。すなわち、突条Tbに固着した両面テープを壁面Hに対して、圧着させる必要があるが、壁面Hとのクリアランスをほとんど得ることができず、壁面Hと食器棚130の突条Tbとの間隙は全てが同じ間隙となることはないため、実際には、両面テープが壁面Hに接着されていない部分がある可能性が十分にある。例えば、構造的な理由(水平面に対して垂直な壁面でないとか、壁に柱や桟が途中にあるため、壁面と接着できない)や、設置上の理由(食器棚の基部と、床との間にくさび状部材を介在させることにより、食器棚を傾けて設置する等)から現実的でない。
因みに、実施例1では、前述したくさび状部材を食器棚の基部と、床との間にくさび状部材を介在させた場合、食器棚130の背面と壁面Hとが平行でなくても、食器棚130の背面と壁面Hに沿うように芯材12が追従して変形する。
さて、上記の実施例と比較例1と、さらに、食器棚130を単に壁面Hに沿って設置したものを比較例2として、試験を行った。
三次元振動台100への入力地震波は、1995年兵庫県南部地震波を想定したもので再現した。試験状況は加振レベルで最大震度の時を100%とし、50%時の加振レベルでの状況を各目視で確認した。表1の評価の欄中、○は異常なし、△は位置ずれ、×は転倒の3段階で判断した。
三次元振動台100への入力地震波は、1995年兵庫県南部地震波を想定したもので再現した。試験状況は加振レベルで最大震度の時を100%とし、50%時の加振レベルでの状況を各目視で確認した。表1の評価の欄中、○は異常なし、△は位置ずれ、×は転倒の3段階で判断した。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(1) 前記実施形態では、両面テープ18,20を、箪笥T、壁面Hにそれぞれ貼着するように移動防止用保持具10とは別体としたが、移動防止用保持具10の互いに反対方向の側面に、予め両面テープ18,20を貼着したものとしてもよい。この場合、両面テープ18,20がシート材となる。
(1) 前記実施形態では、両面テープ18,20を、箪笥T、壁面Hにそれぞれ貼着するように移動防止用保持具10とは別体としたが、移動防止用保持具10の互いに反対方向の側面に、予め両面テープ18,20を貼着したものとしてもよい。この場合、両面テープ18,20がシート材となる。
(2) 図1(b)に示すように、前記実施形態の移動防止用保持具10の構成中、芯材12の一方の側面側の接着材14、芯材カバー16を省略するようにしてもよい。このように構成した場合、接着材14,芯材カバー16を省略した側面(片面)を壁面Hに対して、両面テープ20を介して、移動防止用保持具10を貼着すればよい。
なお、前記片面に対して、予め、両面テープ20を貼着して使用するようにしてもよい。
(3) 図示はしないが、図1(b)の構成において、芯材カバー16を有しない側の芯材12の側面に対して、両面テープをシート材として貼着して設けるようにしてもよい。
(3) 図示はしないが、図1(b)の構成において、芯材カバー16を有しない側の芯材12の側面に対して、両面テープをシート材として貼着して設けるようにしてもよい。
(4) 図1(b)で説明した実施形態では、両面テープ20により、壁面Hに対して、移動防止用保持具10を貼着するようにしたが、図4に示すように両面テープ20を省略して、芯材カバー16自体の接着力を利用して、移動防止用保持具10を壁面Hに対して接着するようにしてもよい。こうすると、芯材カバー16はゲル状の樹脂材から構成しているため、接着剤を別途用意する必要がなく、その粘着力により、家具の背面や壁面に接着することができる。この場合、芯材カバー16は、シート材に相当する。
(5) 前記実施形態では、芯材12は、ポリウレタン発泡体で形成したが、ポリウレタン発泡体とゴム発泡体とを積層したり、ポリウレタン発泡体とポリオレフィン発泡体とを積層してもよい。又、芯材12として、ゴム発泡体とポリウレタン発泡体とを積層したり、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体、及びポリオレフィン発泡体を積層して構成してもよい。このようにしても、前記実施形態と同様の効果を奏する。
12…芯材、14…接着材、16…芯材カバー
Claims (5)
- 可撓性の樹脂発泡体もしくは、可撓性の多孔体からなる芯材の少なくとも片面側に、接着性のシート材を積層し、
前記芯材の厚さが10〜100mmであることを特徴とする移動防止用保持具。 - 前記芯材が、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体、ポリオレフィン発泡体のいずれか1種からなり、或いは、2種以上積層されていることを特徴とする請求項1に記載の移動防止用保持具。
- 前記シート材がゲル状の樹脂材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動防止用保持具。
- 可撓性を有する樹脂発泡体の硬さは、20〜250Nとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項の移動防止用保持具。
- 元厚の7〜95%の範囲で、圧縮が可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の移動防止用保持具。
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JP2005225731A JP2007037793A (ja) | 2005-08-03 | 2005-08-03 | 移動防止用保持具 |
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Cited By (3)
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JP2007111184A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Fuji Latex Kk | 耐震支持パネル |
JP2009095605A (ja) * | 2007-10-19 | 2009-05-07 | Nomura Tec:Kk | 家具転倒防止具 |
JP2018502176A (ja) * | 2014-11-14 | 2018-01-25 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ゴム系多層感圧接着剤アセンブリ |
-
2005
- 2005-08-03 JP JP2005225731A patent/JP2007037793A/ja active Pending
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