JP4711340B2 - 器物の転倒防止用固定装置とこれを用いた固定方法及び固定構造 - Google Patents

器物の転倒防止用固定装置とこれを用いた固定方法及び固定構造 Download PDF

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Description

地震などによる家具等の転倒を防止するために家具を壁面に固定する装置と該装置を用いた固定構造及び固定方法に関する。
近年、地震により多大な被害が発生している。特に、都市部では、居住空間が狭く、家具の転倒によって、住人が非常に危険な状況に晒される事が大きな問題となっている。そこで、従来より、地震による家具の転倒を防ぐための各種装置が提案されている。家具と長押を直接金具で固定したり、金具の間にベルトを渡して係合する固定具(特許文献1〜3参照)、家具と天井の間を支えるつっぱり具(特許文献4及び5参照)、家具の下に敷く滑り止め具(特許文献6参照)などが広く知られている。また、壁にレールを固定し、そのレールと家具を連接する固定具(特許文献7参照)を用いることにより、室内面に固定具の締結孔などを残さないようにした固定方法もある。
しかしながら、家族のあり方の変容に伴って住宅の様式も変わり、和室であっても長押が無くなり、天井高の高い構造が増えている昨今、金具やベルトによる固定具は取り付けられない住宅も多くなっている。たとえ長押があったとしても団地サイズ等小さく設計された住宅では家具の高さと長押の位置が合わず、また、整理箪笥やサイドボードでは長押や天井までに距離があり、すべての家具に使えるわけではなかった。つっぱり具は天井内を構成する桟などの天井下地の直下にあてがって天井を下から持ち上げるようにして支えることによって初めて効力が発揮されるものであるが、一般人にはこの所在を正確に探し当てることは難しく、折角つっぱり具をあてがっても天井板にただくっついているだけで支えになっていない等ということにもなりかねない。また、レール等を壁に固定し、そのレールと家具を連接する固定具もあるが、レールを固定するために下地補強を行なったり、レールを固定する下地を正確に探し当てるのは難しく、作業性が非常に悪かった。このため設置は高価であった。また、壁に家具固定を行うためのビス穴が出来てしまい、家具などを変更した時にもこの孔跡が残ってしまい美観を損ねる場合があった。
特開平6−237830号公報 特開平9−285355号公報 特開平9−322836号公報 特開平8−228869号公報 特開平8−252139号公報 特開平8−332131号公報 特開平9−10055号公報
本発明の課題は、家具類の壁面への固定作業性に優れ、且つ家具類の配置や高さを選ばず、移動が容易で安価に対応できる家具類の転倒防止用固定装置と該固定装置を用いた固定方法、さらには固定構造を提供することを目的とする。
本発明の第1は、器物を建物の壁面に固定するための転倒防止用固定装置であって、
少なくとも長尺の支柱部材を有し、
上記支柱部材が、壁面に沿って配置して該壁面に固定される壁面固定片と、該壁面固定片に幅方向の一端を接して起立する器物固定片とを有し、
上記壁面固定片が、長尺方向両端部に、壁面の天井側部及び床側部に固定するための孔を有し、
上記器物固定片が、器物を支柱部材に固定するための孔を有している
ことを特徴とする。
上記固定装置においては、上記器物固定片と器物とを連結して固定する連結具をさらに有することが好ましい。
本発明の第2は、上記本発明の固定装置を用いた器物の転倒防止用固定構造であって、
建物の壁面に沿って器物が配置され、該壁面に沿った該器物の背面の両端辺に沿ってそれぞれ支柱部材が配置され、該支柱部材の壁面固定片が壁面の天井側部及び床側部において該壁面に固定され、
上記器物が上記支柱部材の器物固定片に固定されていることを特徴とする。
本発明の第3は、上記本発明の固定装置を用いた器物の転倒防止用固定構造であって、
器物の背面及び一側面が建物の入隅部を構成する2壁面に沿うように該器物が配置され、該器物の背面の入隅部とは反対側の側面に沿った端辺と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺とに沿ってそれぞれ支柱部材が配置され、該支柱部材の壁面固定片が壁面の天井側部及び床側部において該壁面に固定され、
上記器物が上記支柱部材の器物固定片に固定されていることを特徴とする。
また、本発明の固定構造においては、器物と支柱部材の器物固定片とが連結具を用いて連結固定されていることも好ましい形態である。
本発明の第4は、上記本発明の転倒防止用固定装置を用い、建物の壁面に沿って器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
建物の壁面の、固定する器物の背面の両端辺にそれぞれ対応する位置に沿って支柱部材の壁面固定片を配置し、
上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする。
本発明の第5は、上記本発明の転倒防止用固定装置を用い、建物の入隅部を構成する2壁面に器物の背面及び一側面が沿うように該器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
建物の入隅部を構成する2壁面の、固定する上記器物の背面の入隅部とは反対側の側面に沿った端辺に対応する位置と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺に対応する位置とに沿ってそれぞれ支柱部材の壁面固定片を配置し、
上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする。
本発明の第6は、上記本発明の転倒防止用固定装置を用い、建物の壁面に沿って配置した器物の転倒防止用固定方法であって、
上記壁面に沿った上記器物の背面の両端辺に支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする。
本発明の第7は、上記本発明の転倒防止用固定装置を用い、建物の入隅部を構成する2壁面に背面及び一側面が沿うように配置された器物の転倒防止用固定方法であって、
上記器物の背面の入隅部とは反対側の側面に沿った端辺と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺とにそれぞれ支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする。
上記本発明の固定方法においては、器物と支柱部材の器物固定片とを連結具を用いて連結固定することも好ましい形態である。
尚、本発明において、「壁面の天井側部及び床側部に固定する」とは、本装置を壁上下2端で支持するために固定することをいい、固定の方法は、後述する実施形態に示すように壁下地に釘、ビスなどで固定するから、「天井側部及び床側部」は、下地材に対応する位置であることが必要である。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)本発明の固定装置は、非常に簡素な構成で固定する家具類の高さや奥行きといった形状の違いに応じたバリエーションが不要であり、また、支柱部材と家具類とを連結する連結具としても既存の部材を用いることが可能であるため、安価に提供することができる。
(2)本発明の固定装置は、壁面の天井側部及び床側部の裏面に配置した下地材に支柱部材の上下両端部を固定するため、地震発生時には壁面から支柱部材に伝わる振動が、該支柱部材の弾性力によって緩和され、家具を固定したことによる作用と相俟って高い転倒防止効果が得られる。
特に、下地材が配置されている天井側端部及び床側端部において支柱部材を固定した場合には、壁面裏側に所定の間隔で配置した横桟などの下地材を捜す必要がなく、固定作業が簡易であり、横桟がない構造であっても固定することができる。また、支柱部材を取り外した後の壁面に目立つ孔などを残す恐れがない。
(3)本発明の固定方法においては、既に配置した家具を移動することなく固定することができる。
(4)本発明の固定装置の支柱部材は床面から天井面に至る長尺であるため、固定する家具の高さが変わった場合でも同じ支柱部材を用いることができ、また、高さの異なる家具が隣接する場合には、その間に支柱部材を1本固定すれば両方の家具の固定に用いることができ、安価に且つ効率よく固定することができる。
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
図1−1〜図1−6は、本発明の固定装置を用いて家具3を壁面6に固定した固定構造の実施形態を示す斜視図であり、壁面6の壁下地が木下地1である場合を示す。
本発明においては、図1−1に示すように、基本的に長尺の支柱部材5を建物の壁面6に固定し、該支柱部材5に被固定物である家具3などの器物を固定する。以下、家具3を固定する場合を例に挙げて説明する。
木下地3等壁下地は壁面6の裏側に位置し、少なくとも壁面6の天井側端部と床側端部に配置されており、その位置は壁面6の表側から容易に特定することができる。本発明においては支柱部材5を壁面6の天井側部と床側部において、石膏ボード2等壁材を介して壁下地に固定する。よって、支柱部材5を壁面6の天井側端部と床側端部において固定すれば、容易に木下地3に固定することができ、横桟等の壁下地を捜す必要がなく、好ましい。
本発明において支柱部材5と家具3とは、支柱部材5に設けた孔(後述)を用いて直接ビスにより固定してもかまわないが、別途連結具を用いて連結固定する方法も好ましく用いられる。図1−1〜図1−6はいずれも連結具を用いて連結固定した例である。具体的には、図1−1はベルト7の一端を支柱部材5に固定し、他端を家具3の側面4に固定した例、図1−2はワイヤー9の一端を支柱部材5に固定し、他端を家具3の側面4に固定した例、図1−3は木製或いは金属製の連結部材9を家具3の上面10に押し当てて両端を支柱部材5に固定した例、図1−4はL字形金具11の一片を家具3の裏面に取り付け、他片を支柱部材5に固定した例、図1−5はL字形金具11の一片を家具3の上面10に取り付け、他片を支柱部材5に固定した例、図1−6はゴム等のずり止めを配したベルト12の一端を一方の支柱部材5に固定し、家具3の側面、上面、側面に掛け渡して他端を他方の支柱部材5に固定した例である。図1−6の固定構造は、家具3を傷つけることなく固定することができる。また、上記の固定構造は、家具3の下に滑り止めを敷くことによってより高い転倒防止効果が得られる。
図1−1〜図1−6に例示したベルト7,12、ワイヤー9、L字金具11などは市販されている部材を用いることができる。
本発明において、支柱部材5を壁面6に固定する際の好ましい固定部周辺の断面模式図を図2,図3に示す。図2は壁面6の床側端部周辺を、図3は壁面6の天井側端部周辺を示し、図中(a)は壁下地が木下地1である場合を、(b)は壁下地が軽量鉄材下地である場合を示す。
図2(a)に示すように、壁面6の床側端部において木下地1は床にビス(不図示)で固定されており、壁材としての石膏ボード2及び巾木22はビス止め、釘打ち、或いは接着剤などにより木下地1に固定される。本発明に係る支柱部材5は石膏ボード2を介して木下地1に固定される。支柱部材5には木下地1に固定するための孔5bが設けられており、該孔5bを用いてビス23によりビス止めする。或いは、釘打ちによって固定しても良い。用いられるビス23は石膏ボード2(厚み12.5mm)を貫通させる場合(図示なし)、長さが30mm以上の木ネジが好ましく、図2の場合のように石膏ボード2(厚み12.5mm)、廻り縁32(12mm)を貫通させる場合、45mm以上である。ビス23を壁下地1に十分ネジ込ませて、地震時に作用する引抜力を負担可能にするためである。
図2(b)に示すように、壁下地が軽量鉄材下地である場合も実質的に図2(a)の木下地と同様に支柱部材5が壁面6の床側端部に固定される。軽量鉄材下地は図2(b)に示すように、立ち上がり寸法40mmのランナー25がベースベニア材26上に構成され、該ランナー25に下端を挟持されるようにスタッド24が立設されて、両面に石膏ボード2が貼られる。支柱部材5は、木下地1の場合と同様に、ビス23により孔5b、巾木22、石膏ボード2を介して壁下地であるランナー25,スタッド24に固定される。
尚、図2に示すように、一般的に壁面6の床側端部には壁面6と床仕上げ21との見切りとして巾木22が付設される場合が多いが、本発明においては該巾木22は有ってもなくても良い。
一方、図3(a)に示すように、壁面6の天井側端部においては、木下地1は野縁31に固定されており、石膏ボード2及び廻り縁32はビス止め、釘打ち、或いは接着剤などにより木下地1に固定される。本発明に係る支柱部材5は、床側端部と同様に、石膏ボード2を介して木下地1に固定される。支柱部材5には木下地1に固定するための孔5cが設けられており、該孔5cを用いてビス23によりビス止めする。或いは、釘打ちによって固定しても良い。用いられるビス23は石膏ボード2(厚み12.5mm)を貫通させる場合(図示なし)、長さが30mm以上の木ネジが好ましく、図2の場合にように石膏ボード2(厚み12.5mm)、廻り縁32(12mm)を貫通させる場合、45mm以上である。ビス23を壁下地1に十分ネジ込ませて、地震時に作用する引抜力を負担可能にするためである。
図3(b)に示すように、壁下地が軽量鉄材下地である場合の天井側端部は図2(b)と同様であり、立ち上がり寸法40mmのランナー25が野縁31に固定されており、該ランナー25に上端を挟持されるようにスタッド24が立設されて両面に石膏ボード2が貼られる。支柱部材5は、木下地1の場合と同様に、ビス23により孔5c、廻り縁32、石膏ボード2を介して壁下地であるランナー25,スタッド24に固定される。
尚、図3に示すように、一般的に壁面6の天井側端部には壁面6と天井仕上げ33との見切りとして廻り縁32が付設される場合が多いが、本発明においては該廻り縁32は有ってもなくても良い。
本発明にかかる支柱部材5について、図4を参照しながら詳細に説明する。図4中、(a)は斜視図、(b)及び(c)は側面図、(d)〜(g)は正面図である。
支柱部材5は、壁面6に取り付けた際に、壁面6に平行に配置する壁面固定片5Bと、該壁面固定片5Bに幅方向一端を接して壁面6の法線方向に突出する器物固定片5Aとからなる。各片5A,5Bは厚さ0.5〜2.0mm程度で、ステンレスや鉄、鋼板、化粧鋼板などからなる。器物固定片5Aの幅方向一端が壁面固定片5Bの幅方向端部に位置する場合は支柱部材5の水平断面はL字形となり、該端部以外の内側に位置する場合は支柱部材5の水平断面はT字形になる。図4(a)は水平断面がT字形の例である。
図4(b)、(c)に示すように、器物固定片5Aには所定の間隔で器物固定用の孔5aが形成されており、該孔5aを用いて支柱部材5と家具3とを固定する。尚、孔5aは図4(a)の円形、(b)の長円形に限定されるものではなく、矩形などであってもかまわない。このように、孔5aが上下方向に複数個形成されているため、固定する家具3の高さが変わった場合でも固定する孔5aの位置を変えることで容易に対応できる。また、1本の支柱部材5の両側に高さの異なる家具3を配置した場合には、それぞれの家具の高さに応じた位置の孔5aを選択して固定することにより、1本の支柱部材5で対応することができる。
また、図4(d)〜(g)に示すように、壁面固定片5Bには上下両端部に壁面固定用の孔5c、5bが形成されている。図4(d)〜(f)は水平断面がT字形の場合であり、器物固定片5Aを挟んで両側に孔5b、5cが形成されている。また、図4(g)は水平断面がL字形の場合であり、既に配置された家具3を移動させることなく該家具3に隣接して該支柱部材5を固定する際に、家具3の背面と壁面6との隙間が小さく、壁面固定片5Bを家具3の背面に挿入できない場合に用いられる。また、図4(e)、(f)は孔5b、或いは孔5bと5cを片側のみ2個形成することにより、ビス止め作業が困難な位置に取り付ける際に、作業が容易な側でのみビス止めできるように構成した例である。
尚、図4(d)〜(g)においては孔5b、5cを円形としたが、特にこの形状に限定されるものではなく、長円形や矩形であってもかまわない。
本発明においては、図4に示したように、支柱部材5の上下両端部に形成された孔5b、5cにより壁面6の床側部及び天井側部に該支柱部材5が固定される。従って、該支柱部材5は上下両端部でのみ壁面6に固定されているため、地震発生時には壁面6から該支柱部材5に固定された家具3に伝わる振動が、支柱部材5の弾性力によって緩和され、家具3を固定したことによる作用と相俟って高い転倒防止効果が得られる。
次に、図5を参照して本発明の固定方法について説明する。
本発明の固定方法としては、基本的に、支柱部材を先に壁面に取り付けた後、該支柱部材に家具を取り付ける方法〔下記(1)、(2)〕と、既に配置された家具に合わせて支柱部材を壁面に取り付けて、該家具を該支柱部材に取り付ける方法〔下記(3)、(4)〕とがあり、さらに、それぞれにおいて、壁面に器物の背面を沿わせて配置する場合〔下記(1)、(3)〕と、入隅部を構成する2壁面に器物の背面と一側面とを沿わせて配置する場合〔下記(2)、(4)〕がある。より詳しくは以下の通りである。
(1)建物の壁面に沿って器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
建物の壁面の、固定する器物の背面の両端辺にそれぞれ対応する位置に沿って支柱部材の壁面固定片を配置し、
上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定する。
(2)建物の入隅部を構成する2壁面に器物の背面及び一側面が沿うように該器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
建物の入隅部を構成する2壁面の、固定する上記器物の背面の入隅部(上記一側面)とは反対側の側面に沿った端辺に対応する位置と、上記器物の一側面の入隅部(上記背面)とは反対側の前面に沿った端辺に対応する位置とに沿ってそれぞれ支柱部材の壁面固定片を配置し、
上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定する。
(3)建物の壁面に沿って配置した器物の転倒防止用固定方法であって、
上記壁面に沿った上記器物の背面の両端辺に支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定する。
(4)建物の入隅部を構成する2壁面に背面及び一側面が沿うように配置された器物の転倒防止用固定方法であって、
上記器物の背面の入隅部(上記一側面)とは反対側の側面に沿った端辺と、上記器物の一側面の入隅部(上記背面)とは反対側の前面に沿った端辺とにそれぞれ支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定する。
図5(a)は上記(1)で固定する方法であり、壁面6に予め家具3の幅に対応した距離を置いて水平断面がT字形の支柱部材5を固定し、次いで家具3を配置してそれぞれ左右の支柱部材5に固定する例である。中央の支柱部材5は左右の家具3の固定に兼用される。
図5(b)は上記(3)と(1)を組み合わせて固定する方法であり、壁面6に沿って配置されている家具3を動かさずに、該家具3に隣接して水平断面がL字形の支柱部材5’を壁面6に固定し、該家具3を該支柱部材5’に固定した後、水平断面がT字形の支柱部材5を家具3より所定の距離を置いて壁面6に固定し、新たな家具3’を壁面6に沿って配置して左右の支柱部材5,5’に固定する例である。
図5(c)は部屋の入隅部に上記(2)で固定する方法であり、壁面6に予め家具3の幅及び奥行きに対応した距離を置いて水平断面がT字形の支柱部材5を固定し、次いで家具3を配置してそれぞれ支柱部材5に固定する例である。
図5(d)は部屋の入隅部に上記(4)と(2)を組み合わせて固定する方法であり、入隅部に配置されている家具3を動かさずに、該家具3に隣接して水平断面がL字形の支柱部材5’を壁面6に固定し、該家具3を該支柱部材5’に固定した後、水平断面がT字形の支柱部材5を家具3より所定の距離を置いて壁面6に固定し、新たな家具3’を壁面6に沿って配置して左右の支柱部材5,5’に固定する例である。
本発明の装置を用いた震動台による試験を行った。
振動台は名古屋大学所有の、Akashi製「鉛直・水平同時振動発生装置」を使用し、振動台の上に、鉄骨造の1階分を施工し、その内部の居室で家具の振動試験を実施した。
震動台に載せた家具寸法と重量は、以下である。
(1)巾930mm×高さ1205.5mm×奥行300mm、重量98kg(本体26Kg+錘重量72Kg)
(2)巾930mm×高さ1775.5mm×奥行300mm、重量124.5kg(本体34.5Kg+錘重量90Kg)
(3)巾930mm×高さ2345.5mm×奥行300mm、重量156.5kg(本体48.5Kg+錘重量108Kg)
地震波として、芸予地震で観測された波の振幅を約3倍に拡大した波を用いた。。その結果、震動台の揺れによりこれらの家具は壁から外れることなく、全て転倒しなかった。本試験では、図1−3、図1−4、図1−5の方法で実験を行った。また、支柱部材と家具を直接ビスで固定する方法でも実験をおこなったが、家具は転倒しなかった。
同じ地震波での加振で実施した比較試験では、以下の固定具での固定では家具の転倒、固定具の破損が確認された。
床がフローリング、カーペットの場合、両方とも、家具と壁両方共に粘着する粘着式固定具(商品名「ガムロック」アイディールブレイン社製)では、壁面の石膏ボードが破損し、家具が転倒した。
床がフローリングで家具天板を上方約30度の角度で固定するベルト式固定具(商品名「タンスガード」オシザワ社製)では、家具下部が滑り出て、家具が転倒した。
家具天板を上方から固定するプレート式固定具(商品名「スーパーZ SZ−150」スガツネ社製)では、家具下部が滑り出て、家具が転倒、破損した。家具天面と天井面との間にはさみ、突っ張ることで固定するポール式固定具(商品名「マグニチュード7」葛飾福祉工場社製)では、ポールが外れ脱落した。
本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定構造の実施形態を示す斜視図である。 本発明の固定装置の支柱部材を固定した壁面の床側端部周辺を示す断面模式図である。 本発明の固定装置の支柱部材を固定した壁面の天井側端部周辺を示す断面模式図である。 本発明の固定装置の支柱部材の実施形態を示す図である。 本発明の固定方法の実施形態を示す上面図である。
符号の説明
1 木下地
2 石膏ボード
3,3’ 家具
4 家具の側面
5,5’ 支柱部材
5A 器物固定片
5B 壁面固定片
5a,5b,5c 孔
6 壁面
7 ベルト
8 ワイヤー
9 連結部材
10 家具の上面
11 L字金具
12 ベルト
21 床仕上げ
22 巾木
23 ビス
24 スタッド
25 ランナー
26 ベースベニア材
31 野縁
32 廻り縁
33 天井仕上げ

Claims (10)

  1. 器物を建物の壁面に固定するための転倒防止用固定装置であって、
    少なくとも長尺の支柱部材を有し、
    上記支柱部材が、壁面に沿って配置して該壁面に固定される壁面固定片と、該壁面固定片に幅方向の一端を接して起立する器物固定片とを有し、
    上記壁面固定片が、長尺方向両端部に、壁面の天井側部及び床側部に固定するための孔を有し、
    上記器物固定片が、器物を支柱部材に固定するための孔を有している
    ことを特徴とする器物の転倒防止用固定装置。
  2. 上記器物固定片と器物とを連結して固定する連結具をさらに有する請求項1に記載の器物の転倒防止用固定装置。
  3. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用いた器物の転倒防止用固定構造であって、
    建物の壁面に沿って器物が配置され、該壁面に沿った該器物の背面の両端辺に沿ってそれぞれ支柱部材が配置され、該支柱部材の壁面固定片が壁面の天井側部及び床側部において該壁面に固定され、
    上記器物が上記支柱部材の器物固定片に固定されていることを特徴とする器物の転倒防止用固定構造。
  4. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用いた器物の転倒防止用固定構造であって、
    器物の背面及び一側面が建物の入隅部を構成する2壁面に沿うように該器物が配置され、該器物の背面の入隅部とは反対側の側面に沿った端辺と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺とに沿ってそれぞれ支柱部材が配置され、該支柱部材の壁面固定片が壁面の天井側部及び床側部において該壁面に固定され、
    上記器物が上記支柱部材の器物固定片に固定されていることを特徴とする器物の転倒防止用固定構造。
  5. 上記器物が上記支柱部材の器物固定片に連結具を介して連結固定されている請求項3または4に記載の器物の転倒防止用固定構造。
  6. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用い、建物の壁面に沿って器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
    建物の壁面の、固定する器物の背面の両端辺にそれぞれ対応する位置に沿って支柱部材の壁面固定片を配置し、
    上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
    上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
    上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする器物の転倒防止用固定方法。
  7. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用い、建物の入隅部を構成する2壁面に器物の背面及び一側面が沿うように該器物を配置して固定する器物の転倒防止用固定方法であって、
    建物の入隅部を構成する2壁面の、固定する上記器物の背面の上記入隅部とは反対側の側面に沿った端辺に対応する位置と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺に対応する位置とに沿ってそれぞれ支柱部材の壁面固定片を配置し、
    上記壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定した後、
    上記支柱部材の器物固定片に合わせて且つ壁面に沿って器物を配置し、
    上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする器物の転倒防止用固定方法。
  8. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用い、建物の壁面に沿って配置した器物の転倒防止用固定方法であって、
    上記壁面に沿った上記器物の背面の両端辺に支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
    上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
    上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする器物の転倒防止用固定方法。
  9. 請求項1または2に記載の転倒防止用固定装置を用い、建物の入隅部を構成する2壁面に背面及び一側面が沿うように配置された器物の転倒防止用固定方法であって、
    上記器物の背面の入隅部とは反対側の側面に沿った端辺と、上記器物の一側面の入隅部とは反対側の前面に沿った端辺とにそれぞれ支柱部材の器物固定片を合わせると同時に壁面に壁面固定片を沿わせて該支柱部材を配置し、
    上記支柱部材の壁面固定片の長尺方向両端部に形成された孔を介して壁面の天井側部及び床側部において該壁面固定片を該壁面に固定し、
    上記器物を支柱部材の器物固定片の孔を介して該器物固定片に固定することを特徴とする器物の転倒防止用固定方法。
  10. 上記器物を、上記支柱部材の器物固定片に連結具を介して連結固定する請求項6〜10のいずれかに記載の器物の転倒防止用固定方法。
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