JP5996378B2 - 高周波スイッチ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波スイッチ回路に関する。
高周波スイッチ回路は、高周波信号(RF信号)を扱うスイッチ回路である。例えば、高周波スイッチ回路の一種であるシャントスイッチは、ON状態において、高周波信号をグランドに逃がす役割を果たす。つまり、シャントスイッチは、RF電力を散逸させる散逸させる役割を果たす。
図1は、特許文献1に開示されているシャントスイッチの構成を示している。グランド端子2には、グランド電位が印加される。高周波信号端子3には、高周波信号が印加される。グランド端子2と高周波信号端子3との間には、n個のトランジスタM(1)〜M(n)が直列に接続されている。各トランジスタM(k;k=1〜n)のゲートは、バイアス端子4に接続されている。このバイアス端子4の電位に応じて、各トランジスタM(k)がON/OFF制御される。
各トランジスタM(k)がON状態のとき、高周波信号端子3とグランド端子2とが短絡(shunt)し、RF電力がグランド端子2に逃がされる。一方、各トランジスタM(k)がOFF状態のとき、短絡はなくなる。このOFF状態においては、各トランジスタM(k)のゲートからバイアス端子4へのRF電力の漏れをなるべく抑制すること(RFチョーク)が要求される。そこで、各トランジスタM(k)のゲートとバイアス端子4との間に、抵抗素子(ゲートバイアス抵抗)が設けられる。
図1に示される構成では、n個の抵抗素子が、バイアス端子4とn個のトランジスタM(1)〜M(n)のそれぞれのゲートとの間に設けられている。つまり、n個の抵抗素子は並列に接続されている。典型的には、n個の抵抗素子の抵抗値は同じに設計される。特許文献1には、トランジスタM(n)に接続される抵抗素子の抵抗値が最大で、トランジスタM(1)に向かうにつれて抵抗値が段々小さくなる構成が開示されている。
特許文献2は、各トランジスタに流れる高周波電流の変化量を低く抑え、高周波歪みを低減することを目的とした技術を開示している。当該技術によれば、複数のゲートバイアス抵抗が、高周波信号端子とバイアス端子との間に直列に接続される。
特開2006−174425号公報 特開2010−10728号公報
高周波スイッチ回路において、ゲートバイアス抵抗全体の面積の縮小が望まれている。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるだろう。
一実施の形態において、高周波スイッチ回路は、第1端子から第2端子に向けて第1トランジスタ〜第nトランジスタの順番で直列接続されたn個(nは2以上の整数)のトランジスタを備える。第1トランジスタ〜第nトランジスタのそれぞれのゲートに接続されたノードは、第1ノード〜第nノードである。高周波スイッチ回路は、更に、バイアス端子から第nノードに向けて第1抵抗素子〜第n抵抗素子の順番で直列接続されたn個の抵抗素子を備える。第1抵抗素子は、バイアス端子と第1ノードとの間に接続されている。第k抵抗素子(k=2〜n)は、第(k−1)ノードと第kノードとの間に接続されている。
他の実施の形態において、高周波スイッチ回路は、第1端子から第2端子に向けて第1トランジスタ〜第nトランジスタの順番で直列接続されたn個(nは2以上の整数)のトランジスタを備える。第1トランジスタ〜第nトランジスタのそれぞれのバックゲートに接続されたノードは、第1ノード〜第nノードである。高周波スイッチ回路は、更に、バイアス端子から第nノードに向けて第1抵抗素子〜第n抵抗素子の順番で直列接続されたn個の抵抗素子を備える。第1抵抗素子は、バイアス端子と第1ノードとの間に接続されている。第k抵抗素子(k=2〜n)は、第(k−1)ノードと第kノードとの間に接続されている。
高周波スイッチ回路において、ゲートバイアス抵抗全体の面積を縮小することが可能となる。
図1は、特許文献1に記載されたシャントスイッチの構成を示す概略図である。 図2は、第1の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図3は、第1の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の作用・効果を説明するための概略図である。 図4は、第2の実施の形態に係る高周波スイッチ回路を説明するための概略図である。 図5は、抵抗素子の抵抗値の設定例を示している。 図6は、第3の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図7は、第4の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図8は、第5の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図9は、第6の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図10は、第6の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成の変形例を示す概略図である。 図11は、第7の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図12は、第8の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。 図13は、第9の実施の形態に係る高周波スイッチ回路の構成を示す概略図である。
添付図面を参照して、実施の形態に係る高周波スイッチ回路を説明する。
1.第1の実施の形態
1−1.構成
図2は、第1の実施の形態に係る高周波スイッチ回路1の構成を示す概略図である。一例として、高周波スイッチ回路1がシャントスイッチである場合を説明する。高周波スイッチ回路1は、グランド端子2、高周波信号端子3、バイアス端子4、n個のトランジスタM(1)〜M(n)、及びn個の抵抗素子R(1)〜R(n)を備えている。ここで、nは2以上の整数である。
グランド端子2には、グランド電位が印加される。高周波信号端子3は、高周波信号線に接続される。その高周波信号端子3には、高周波信号が印加される。バイアス端子4には、トランジスタM(1)〜M(n)をON/OFF制御するためのバイアス電位が印加される。
n個のトランジスタM(1)〜M(n)は、グランド端子2と高周波信号端子3との間に直列に接続(縦積み接続)されている。説明の都合上、それらn個のトランジスタM(1)〜M(n)のそれぞれを、グランド端子2から高周波信号端子3に向けて順番に第1トランジスタM(1)〜第nトランジスタM(n)と参照する。尚、トランジスタM(1)〜M(n)の各々として、MOSFET、化合物FET、有機FET等が例示される。
隣り合う第kトランジスタM(k)と第(k+1)トランジスタM(k+1)とをつなぐノードは、以下、第k接続ノードNc(k)と参照される。第1トランジスタM(1)のソース及びドレインは、グランド端子2及び第1接続ノードNc(1)にそれぞれ接続されている。第kトランジスタM(k;k=2〜n−1)のソース及びドレインは、第(k−1)接続ノードNc(k−1)及び第k接続ノードNc(k)にそれぞれ接続されている。第nトランジスタM(n)のソース及びドレインは、第(n−1)接続ノードNc(n−1)及び高周波信号端子3にそれぞれ接続されている。
また、第kトランジスタM(k)のゲートにつながるノードは、以下、第kゲートノードNg(k)と参照される。つまり、第1トランジスタM(1)〜第nトランジスタM(n)のゲートは、それぞれ、第1ゲートノードNg(1)〜第nゲートノードNg(n)に接続されている。
バイアス端子4と第1ゲートノードNg(1)との間には、第1抵抗素子R(1)が接続されている。また、k=2〜nに関して、第(k−1)ゲートノードNg(k−1)と第kゲートノードNg(k)との間には、第k抵抗素子R(k)が接続されている。すなわち、バイアス端子4から第nゲートノードNg(n)に向けて、第1抵抗素子R(1)〜第n抵抗素子R(n)がこの順番で直列に接続されている。言い換えれば、n個の抵抗素子R(1)〜R(n)が、バイアス端子4と第nゲートノードNg(n)との間に直列に接続されている。これらn個の抵抗素子R(1)〜R(n)は、高周波スイッチ回路1がOFF状態のときにトランジスタM(1)〜M(n)のゲートからバイアス端子4へのRF電力の漏れを抑えるゲートバイアス抵抗として機能する。
尚、第nゲートノードNg(n)と高周波信号端子3との間には、第nトランジスタM(n)以外の素子(抵抗素子や容量素子)は介在していない。言い換えれば、第nゲートノードNg(n)は、第nトランジスタM(n)以外の素子を介して高周波信号端子3に接続されていない。
1−2.作用及び効果
各トランジスタM(k)がON状態のとき、高周波信号端子3とグランド端子2とが短絡(shunt)し、RF電力がグランド端子2に逃がされる。一方、各トランジスタM(k)がOFF状態のとき、短絡はなくなる。このOFF状態においては、各トランジスタM(k)のゲートからバイアス端子4へのRF電力の漏れをなるべく抑制すること(RFチョーク)が要求される。そこで、上述の通り、抵抗素子R(1)〜R(n)がゲートバイアス抵抗として設けられている。
以下、図3を参照して、OFF状態における各ノードの電位状態について詳しく考察する。バイアス端子4のバイアス電位は、各トランジスタM(k)がOFF状態になるように設定される(典型的には、グランド電位または負電位;いずれにせよ、RF的にはグランドである)。また、簡単のため、トランジスタM(1)〜M(n)のそれぞれのサイズ(ゲート長、ゲート幅)は同じであるとする。但し、それぞれのサイズが異なっている場合でも同様の議論が適用される。
高周波信号端子3のRF電位(入力RF電位)は“Vin”である。このとき、直列接続されたトランジスタM(1)〜M(n)による分圧により、第k接続ノードNc(k)のRF電位Vc(k)は、次の式(1)で表される。
式(1):Vc(k;k=1〜n−1)=Vin×k/n
各トランジスタM(k)のソース−ドレイン間のRF電位差は“Vin/n”である。ここで、各トランジスタM(k)に関して、ソース−ドレイン間のDCバイアスはゼロであるため、ソース−ゲート間容量とドレイン−ゲート間容量は等しくなる。従って、各トランジスタM(k)のゲートに現れるRF電位Vg(k)は、当該トランジスタM(k)のソースRF電位とドレインRF電位の中間となる。すなわち、第kゲートノードNg(k)のRF電位Vg(k)は、次の式(2)で表される。
式(2):Vg(k;k=1〜n)=Vin×(2k−1)/2n
この場合、第k抵抗素子R(k)の両端に印加されるRF電位差Vr(k)は、次の式(3)で表される。
式(3):
Vr(k;k=2〜n)=Vin/n
Vr(1)=Vin/2n
ここで、比較のため、図1で示された構成の場合に各抵抗素子の両端に印加される電位差を考える。各トランジスタM(k)のゲート電位は、上述の式(2)で与えられる。バイアス端子4のRF電位はグランドである。従って、トランジスタM(k)のゲートにつながる抵抗素子の両端に印加されるRF電位差Vr’(k)は、次の式(4)で表される。
式(4):Vr’(k)=Vin×(2k−1)/2n
式(3)と式(4)の比較から明らかなように、kが2以上の場合、Vr(k)<Vr’(k)の関係が成り立つ。すなわち、本実施の形態によれば、図1の場合と比較して、各抵抗素子R(k)に印加される電位差が格段に小さくなる。従って、同等のRFチョーク効果を得るために必要な抵抗値は、図1の場合よりも低くなる。逆に言えば、各抵抗素子R(k)の抵抗値を低く設定しても、図1の場合と同等のRFチョーク効果が得られる。従って、抵抗素子R(1)〜R(n)全体の面積を縮小することが可能となる。
このように、本実施の形態によれば、ゲートバイアス抵抗全体の面積を縮小することが可能な高周波スイッチ回路1が実現される。
2.第2の実施の形態
図4は、上記の図2及び図3で示された構成におけるRF電流の状態を示している。第k抵抗素子R(k)を流れるRF電流は、以下、RF電流Ir(k)と参照される。また、第kトランジスタM(k)のゲートRF電流は、以下、ゲートRF電流Ig(k)と参照される。このとき、次の式(5)が成り立つ。
式(5):
Ir(n)=Ig(n)
Ir(k;k=1〜n−1)=Ir(k+1)+Ig(k)>Ir(k+1)
つまり、第n抵抗素子R(n)から第1抵抗素子R(1)に向かうにつれて、ゲートRF電流Ig(k)の加算により、RF電流Ir(k)がどんどん増加する。従って、バイアス端子4に近い側の抵抗値を遠い側の抵抗値よりも低く設定することができる。バイアス端子4に近い側のRF電流Irが大きくなるため、その分だけ抵抗値を低く設定しても、同等のRFチョーク効果が得られるのである。第1の実施の形態と比較して、抵抗値を更に低く設定することができるため、抵抗素子R(1)〜R(n)全体の面積を更に縮小することが可能となる。
以下の説明において、R(k)という表記は、第k抵抗素子の参照符号だけでなく、その第k抵抗素子の抵抗値としても用いられる。このとき、本実施の形態における抵抗値の設定は、次の式(6)のように表される。
式(6):R(l;l=2〜nのいずれか)>R(l−1)
パラメータlは、2〜nのうち少なくともいずれかでよい。すなわち、抵抗素子R(1)〜R(n)の少なくとも一部分だけで、式(6)の関係が成り立てばよい。それにより、面積縮小効果は得られる。当然、l=2〜nの全てにおいて式(6)の関係が成り立ってもよい。これは、第n抵抗素子R(n)から第1抵抗素子R(1)の順番で抵抗値が小さくなる場合に相当する。この場合、面積縮小効果がより増大する。
以下、抵抗値の設定例をいくつか説明する。
2−1.第1の設定例
第1の設定例では、図1で示された構成の場合とゲートRF電流Ig(k)の値が同じになるように抵抗値R(k)が設定される。図1で示された構成において、全ての抵抗素子の抵抗値は同じ“R”であるとする。このとき、第kトランジスタM(k)のゲートRF電流Ig(k)は、次の式(7)で表される。
式(7):Ig(k;k=1〜n)=Vin×(2k−1)/(2nR)
一方、本実施の形態では、ゲートRF電流Ig(k)は、次の式(8)のように表される(上記の式(5)参照)。
式(8):
Ig(n)=Ir(n)
Ig(k;k=1〜n−1)=Ir(k)−Ir(k+1)
また、本実施の形態におけるRF電流Ir(k)は、上記の式(3)から導き出され、次の式(9)のように表される。
式(9):
Ir(k;k=2〜n)=Vin/(n×R(k))
Ir(1)=Vin/(2n×R(1))
これら式(7)〜(9)から、本実施の形態と図1で示された構成の場合とでゲートRF電流Ig(k)の値を一致させるために必要な関係式として、次の式(10)が導き出される。
式(10):
R(n)=2R/(2n−1)
R(k;k=2〜n−1)=1/{1/R(k+1)+(2k−1)/2R}
R(1)=1/{2/R(2)+1/R}
一例として、n=8、R=100[kΩ]の場合を考える。この場合、式(10)から算出される抵抗値R(8)〜R(1)は、図5に示されるようになる。抵抗値R(8)〜R(1)の合計値は、約41[kΩ]である。これは、図1で示された構成の場合に必要な合計抵抗値である800[kΩ]の約1/20である。すなわち、抵抗素子の面積を1/20に減らしても、同等のRFチョーク効果を得ることが可能である。
2−2.第2の設定例
第2の設定例では、各トランジスタM(k)のゲートRF電流Ig(k)の値が同じになるように抵抗値R(k)が設定される。例えば、各トランジスタM(k)のゲートRF電流Ig(k)は、次の式(11)で表される。
式(11):
Ig(k)=Ir(n)=Vin×(2n−1)/(2nR)
式(8)、(9)、(11)から、次の式(12)が得られる。
式(12):
R(n)=2R/(2n−1)
R(k;k=2〜n−1)=1/{1/R(k+1)+(2n−1)/2R}
R(1)=1/{2/R(2)+1/R}
同じく、n=8、R=100[kΩ]の場合、式(12)から算出される抵抗値R(8)〜R(1)の合計値は、約36[kΩ]となる。すなわち、第1の設定例よりも更に面積縮小効果が得られる。
2−3.第3の設定例
上述の式(10)あるいは式(12)は、あくまで設定例である。抵抗値R(k)は、式(10)あるいは式(12)から導き出される値より高く設定されてもよい。抵抗値R(k)が式(10)あるいは式(12)から導き出される値の数倍であれば、面積縮小効果は十分に得られる。更に、抵抗値R(k)が高く設定されると、その分だけRFチョーク効果が向上すると言う効果も得られる。従って、RFチョーク効果の向上と面積縮小効果の両立を図ることが可能となる。
このように抵抗値の取り方の条件を緩めることで、回路レイアウトに関して別の利点が生まれる場合がある。例えば抵抗体として10[kΩ]の素子だけを用意し、それの直列接続数を変えてR(1)からR(n)を作り分ける、といったことが可能になる。このような構成は、回路レイアウトの手間を削減できるという利点がある。あるいは、回路レイアウトに用いるプロセスデザインキットを簡略化できるという利点もある。
3.第3の実施の形態
既出の実施の形態では、トランジスタM(k)のゲートに関連するバイアス抵抗構造を説明したが、同じ議論は、トランジスタM(k)のバックゲートにも適用可能である。第3の実施の形態では、トランジスタM(k)のバックゲートに関連するバイアス抵抗構造を説明する。尚、既出の実施の形態と重複する説明は適宜省略する。
図6は、第3の実施の形態に係る高周波スイッチ回路1の構成を示している。第kトランジスタM(k)のバックゲートにつながるノードは、第kバックゲートノードNb(k)である。つまり、第1トランジスタM(1)〜第nトランジスタM(n)のバックゲートは、それぞれ、第1バックゲートノードNb(1)〜第nバックゲートノードNb(n)に接続されている。バイアス端子5には、バックゲートに印加されるバイアス電位が印加される。
バイアス端子5と第1バックゲートノードNb(1)との間には、第1抵抗素子Rb(1)が接続されている。また、k=2〜nに関して、第(k−1)バックゲートノードNb(k−1)と第kバックゲートノードNb(k)との間には、第k抵抗素子Rb(k)が接続されている。すなわち、バイアス端子5から第nバックゲートノードNb(n)に向けて、第1抵抗素子Rb(1)〜第n抵抗素子Rb(n)がこの順番で直列に接続されている。言い換えれば、n個の抵抗素子Rb(1)〜Rb(n)が、バイアス端子5と第nバックゲートノードNb(n)との間に直列に接続されている。これらn個の抵抗素子Rb(1)〜Rb(n)は、高周波スイッチ回路1がOFF状態のときにトランジスタM(1)〜M(n)のバックゲートからバイアス端子5へのRF電力の漏れを抑えるバックゲートバイアス抵抗として機能する。
尚、第nバックゲートノードNb(n)と高周波信号端子3との間には、第nトランジスタM(n)以外の素子(抵抗素子や容量素子)は介在していない。言い換えれば、第nバックゲートノードNb(n)は、第nトランジスタM(n)以外の素子を介して高周波信号端子3に接続されていない。
以上に説明された構成により、バックゲートに関して、既出の実施の形態で説明された効果と同じ効果が得られる。
4.第4の実施の形態
図7は、第4の実施の形態に係る高周波スイッチ回路1の構成を示している。第4の実施の形態は、第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態と第3の実施の形態との組み合わせである。これにより、ゲートとバックゲートの両方に関して、既出の実施の形態で説明された効果と同じ効果が得られる。
5.第5の実施の形態
高周波スイッチ回路1は、シャントスイッチに限られない。図8は、より一般化した高周波スイッチ回路1(便宜上、高周波スイッチ回路1’と参照する)の構成を示している。尚、既出の実施の形態と重複する説明は適宜省略する。
図8に示されるように、n個のトランジスタM(1)〜M(n)は、第1端子6と第2端子7との間に直列に接続(縦積み接続)されている。また、各トランジスタM(k)のゲートは、抵抗素子を介して、バイアス端子8に接続されている。第1端子6がグランド端子であり、第2端子7が高周波信号端子である場合は、既出の実施の形態で示されたようなシャントスイッチの構成と同じになる。
例えば、高周波スイッチ回路1’はSPSTスイッチであり、第2端子7がアンテナに接続され、第1端子6が受信回路に接続される。このようなSPSTスイッチがOFF状態のとき、既出の実施の形態で説明されたものと同じ作用・効果が得られる。
一方、SPSTスイッチの場合、ON状態でのRFチョーク特性も考慮することが必要である。図5で示されたように抵抗値R(1)が低く設定された場合、第1トランジスタM(1)のゲートからバイアス端子8へのRF電力の漏れが大きくなる可能性があるからである。しかしながら、このようなON状態でのRF電力の漏れが特性上問題とならない用途であれば、高周波スイッチ回路1’を利用することができる。
また、抵抗値R(1)を高めに設定することによって、ON状態におけるRFチョーク効果を向上させることもできる。例えば、抵抗値R(1)が“R/n”に設定される。この場合、ON状態、OFF状態のいずれにおいても十分なRFチョーク効果が得られ、且つ、抵抗素子の面積を削減することができる。
6.第6の実施の形態
図9は、第6の実施の形態に係る高周波スイッチ回路1’の構成を示している。第5の実施の形態の構成(図8参照)と比較して、抵抗素子Ra(1)〜Ra(n)が追加されている。抵抗素子Ra(k;k=1〜n−1)は、第kトランジスタM(k)のゲートと第kゲートノードNg(k)との間に接続されている。抵抗素子Ra(n)は、第nゲートノードNg(n)と第n抵抗素子R(n)との間に接続されている。その他の構成は、第5の実施の形態と同じである。
本実施の形態によれば、図1で示された構成と第5の実施の形態で示された構成との中間の性質を得ることができる。すなわち、スイッチON状態でのRFチョーク効果を確保しつつ、抵抗素子の面積を削減することが可能となる。
図10は、変形例を示している。図10に示されるように、抵抗素子Ra(1)〜Ra(n)の全てではなく、その一部だけが追加されてもよい。このとき、低抵抗の第1抵抗素子R(1)につながる抵抗素子Ra(1)は少なくとも追加されることが好ましい。これにより、スイッチON状態でのRFチョーク効果を確保しつつ、抵抗素子の面積を削減することが可能となる。
7.第7の実施の形態
図11は、シャント付SPSTスイッチの構成を概略的に示している。このシャント付SPSTスイッチは、ブランチ10とブランチ20を備えている。ブランチ10は、第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続されている。ブランチ20は、第2ポートP2とグランド端子との間に接続されている。第1ポートP1はアンテナに接続され、第2ポートP2は受信回路に接続される。
このような構成において、ブランチ20として、上述の高周波スイッチ回路1(図2〜図7参照)を用いることができる。これにより、面積縮小効果が得られる。
あるいは、ブランチ10として、上述の高周波スイッチ回路1’(図8〜図10参照)を用いることができる。この場合、第1端子6が第2ポートP2に接続され、第2端子7が第1ポートP1に接続される。これにより、面積縮小効果が得られる。
あるいは、ブランチ20として上述の高周波スイッチ回路1を用い、且つ、ブランチ10として上述の高周波スイッチ回路1’を用いることができる。これにより、更なる面積縮小効果が得られる。
8.第8の実施の形態
図12は、シャント付SPSTスイッチの構成を概略的に示している。このシャント付SPSTスイッチは、ブランチ11、12、21、22を備えている。ブランチ11は、第1ポートP1と第2ポートP2との間に接続されている。ブランチ12は、第2ポートP2とグランド端子との間に接続されている。ブランチ12は、第1ポートP1と第3ポートP3との間に接続されている。ブランチ22は、第3ポートP3とグランド端子との間に接続されている。第1ポートP1はアンテナに接続される。
このような構成において、ブランチ21、22の少なくとも一方として、上述の高周波スイッチ回路1(図2〜図7参照)を用いることができる。これにより、面積縮小効果が得られる。
あるいは、ブランチ11、12の少なくとも一方として、上述の高周波スイッチ回路1’(図8〜図10参照)を用いることができる。この場合、第1端子6が第2ポートP2あるいは第3ポートP3に接続され、第2端子7が第1ポートP1に接続される。これにより、面積縮小効果が得られる。
あるいは、ブランチ21、22の少なくとも一方として上述の高周波スイッチ回路1を用い、且つ、ブランチ11、12の少なくとも一方として上述の高周波スイッチ回路1’を用いることができる。これにより、更なる面積縮小効果が得られる。
一例として、第1ポートP1がアンテナに接続され、第2ポートP2が送信用パワーアンプに接続され、第3ポートP3が受信用ローノイズアンプに接続される場合を考える。この場合、ブランチ12として上述の高周波スイッチ回路1’が用いられ、ブランチ21、22の両方に上述の高周波スイッチ回路1が用いられると好適である。ブランチ12のON状態ではRFチョーク効果が弱くなるが、受信状態では、RFチョーク効果が弱くなることによるロスの増加、歪の増加は問題とはならない。
9.第9の実施の形態
図13は、更に複雑なポート構成を有する例を示している。このような構成においても、グランド端子につながるスイッチとして上述の高周波スイッチ回路1(図2〜図7参照)を用いることにより、面積縮小効果が得られる。また、各ポートにつながるスイッチとして上述の高周波スイッチ回路1’(図8〜図10参照)を用いることにより、面積縮小効果が得られる。
尚、矛盾しない限りにおいて、上述の実施の形態同士を組み合わせることも可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1、1’ 高周波スイッチ回路
2 グランド端子
3 高周波信号端子
4 バイアス端子
5 バイアス端子
6 第1端子
7 第2端子
8 バイアス端子
10 ブランチ
11 ブランチ
12 ブランチ
20 ブランチ
21 ブランチ
22 ブランチ
M(1)〜M(n) トランジスタ
R(1)〜R(n) 抵抗素子
Ra(1)〜Ra(n) 抵抗素子
Rb(1)〜Rb(n) 抵抗素子
Nc(1)〜Nc(n−1) 接続ノード
Ng(1)〜Ng(n) ゲートノード
Nb(1)〜Nb(n−1) バックゲートノード

Claims (6)

  1. 第1端子と、
    第2端子と、
    バイアス端子と、
    前記第1端子から前記第2端子に向けて第1トランジスタ〜第nトランジスタの順番で直列接続されたn個(nは2以上の整数)のトランジスタと、
    前記第1トランジスタ〜前記第nトランジスタのそれぞれのゲートに接続された第1ノード〜第nノードと、
    前記バイアス端子から前記第nノードに向けて第1抵抗素子〜第n抵抗素子の順番で直列接続されたn個の抵抗素子と
    を備え、
    前記第1抵抗素子は、前記バイアス端子と前記第1ノードとの間に接続されており、
    第k抵抗素子(k=2〜n)は、第(k−1)ノードと第kノードとの間に接続されており、
    第l抵抗素子(lは2〜nのうちいずれか)の抵抗値は、第(l−1)抵抗素子の抵抗値より高い
    高周波スイッチ回路。
  2. 請求項1に記載の高周波スイッチ回路であって、
    前記第nノードは、前記第nトランジスタ以外の素子を介して前記第2端子に接続されていない
    高周波スイッチ回路。
  3. 請求項に記載の高周波スイッチ回路であって、
    前記第n抵抗素子から前記第1抵抗素子の順番で抵抗値が小さくなる
    高周波スイッチ回路。
  4. 請求項1に記載の高周波スイッチ回路であって、
    更に、
    バックゲートバイアス端子と、
    前記第1トランジスタ〜前記第nトランジスタのそれぞれのバックゲートに接続された第1バックゲートノード〜第nバックゲートノードと、
    前記バックゲートバイアス端子から前記第nバックゲートノードに向けて第1バックゲート抵抗素子〜第nバックゲート抵抗素子の順番で直列接続されたn個のバックゲート抵抗素子と
    を備え、
    前記第1バックゲート抵抗素子は、前記バックゲートバイアス端子と前記第1バックゲートノードとの間に接続されており、
    第kバックゲート抵抗素子(k=2〜n)は、第(k−1)バックゲートノードと第kバックゲートノードとの間に接続されている
    高周波スイッチ回路。
  5. 請求項1に記載の高周波スイッチ回路であって、
    前記第1端子は、グランド電位が印加されるグランド端子であり、
    前記第2端子は、高周波信号が印加される高周波信号端子である
    高周波スイッチ回路。
  6. 第1端子と、
    第2端子と、
    バイアス端子と、
    前記第1端子から前記第2端子に向けて第1トランジスタ〜第nトランジスタの順番で直列接続されたn個(nは2以上の整数)のトランジスタと、
    前記第1トランジスタ〜前記第nトランジスタのそれぞれのバックゲートに接続された第1ノード〜第nノードと、
    前記バイアス端子から前記第nノードに向けて第1抵抗素子〜第n抵抗素子の順番で直列接続されたn個の抵抗素子と
    を備え、
    前記第1抵抗素子は、前記バイアス端子と前記第1ノードとの間に接続されており、
    第k抵抗素子(k=2〜n)は、第(k−1)ノードと第kノードとの間に接続されており、
    第l抵抗素子(lは2〜nのうちいずれか)の抵抗値は、第(l−1)抵抗素子の抵抗値より高い
    高周波スイッチ回路。
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