JP5996306B2 - 物体位置決め固定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベース部材の上に対象物体を水平方向と鉛直方向に位置決めして固定する物体位置決め固定装置に関し、特に水平方向の位置決め及び回転を規制する為の2つの位置決め機構の軸心間誤差を許容可能なものに関する。
従来から、機械加工に供するワークを固定する為の種々のワークパレット(対象物体)と、このワークパレットをベース部材に位置決め固定するワークパレット位置決め固定装置とが広く実用に供されている。
例えば、特許文献1に記載の物体位置決め固定装置においては、ベース部材の上面に鉛直方向位置決めの為の基準座面を形成し、ベース部材の対角関係にある1対の隅部の近傍部位に水平方向位置決めの為の第1,第2基準部材を設けている。第1,第2基準部材の各々は、ベース部材の取り付け穴に収容されて複数のボルトで固定されるフランジ部と、このフランジ部の中央部から上方へ突出する係合凸部と、この係合凸部の外周面に形成されたテーパ係合面と、前記係合凸部に形成されたボルト孔とを備えている。
尚、第1基準部材のテーパ係合面は、係合凸部の外面部分の全周に亙って形成されているが、第2基準部材のテーパ係合面は、係合凸部の外面部分のうちの第1基準部材の軸心と第2基準部材の軸心とを結ぶ中心線と直交する方向に対向する2つの部位に形成され、この1対のテーパ係合面の間の外面部分に1対の円弧状浅溝が形成されている。
第1,第2基準部材に対応する位置において、ワークパレットには、底部側に凹設した取り付け穴と、この取り付け穴に連なるボルト挿通孔と、このボルト挿通孔の上部のボルト頭部を収容する頭部収容穴が形成されている。前記取り付け穴に、第1,第2基準部材の係合凸部に夫々密着状に係合可能な第1,第2環状係合部材を固定している。
この物体位置決め固定装置においては、ベース部材の上にワークパレットを載置し、これら1対のボルト挿通孔に上方からボルトを挿通して、第1,第2基準部材のボルト孔に螺合させることで、ワークパレットの下面を基準座面に着座させた状態で、ワークパレットの1対の隅部近傍部をベース部材に鉛直方向と水平方向とに位置決めして固定するようになっている。
さらに、ベース部材のうちの前記1対の隅部と別の対角関係にある1対の隅部にボルト孔を夫々形成すると共に、この1対のボルト孔に対応する1対のボルト挿通孔をワークパレットに形成し、これら1対のボルト挿通孔に上方から挿通させた1対のボルトを対応するボルト孔に螺合することで、ワークパレットの別の1対の隅部近傍部をベース部材に固定する。
特開2011−251376号公報
ところで、特許文献1では、第1,第2基準部材の軸心間の距離と第1,第2環状係合部材の軸心間の距離が等しくない場合には、図27に示すように、第2基準部材101は中心線Lと平行方向に対向する1対の円弧状浅溝101bを備えているので、第2環状係合部材110の中心線Lの方向への位置ズレを許容して、第2環状係合部材110を第2基準部材101に対してズレた状態で係合することになる(図27の2点鎖線参照)。
しかし、上述した各軸心間距離が等しくない状態でワークパレットをベース部材100に位置決め固定すると、第2環状係合部材110の内周面は第2基準部材101の1対のテーパ係合面101aに対して面接触せず一部が当接しただけの局部接触状態で係合されてしまう。この状態でワークパレットの着脱を繰り返し実行すると、第2基準部材101のテーパ係合面101aが磨耗したり、へたったりして、水平方向への位置決め精度が悪化し、ワークの加工精度が低下するという問題がある。
また、特許文献1の物体位置決め固定装置では、ベース部材の基準座面に対する1対の係合凸部の鉛直方向位置が製作誤差によりバラつく場合には、所期の水平方向位置決め機能が得られない。しかし、第1,第2基準部材のフランジ部材を取り付ける取り付け穴を形成する際の、取り付け穴の深さに関する加工公差を約5μm程度以内に抑えることは到底困難であるため、ベース部材の基準座面に対する第1,第2基準部材の係合凸部の高さ位置、つまりテーパ係合面の高さ位置を高精度に設定することができない。そのため、ワークパレットをベース部材の基準座面に対して水平方向に位置決めする位置決め精度を確保することが困難であるという問題がある。
さらに、特許文献1の物体位置決め固定装置では、第1,第2基準部材にフランジ部を形成し、複数のボルトによりフランジ部を取り付け孔に固定する構造であるため、第1,第2基準部材が複雑な構造の大型部材になり、その制作費(材料費と加工費と組付け費)が高価になること等の問題もある。
本発明の目的は、ワークパレットの水平方向位置決め精度を向上させると共に第1,第2基準部材の軸心間の距離と第1,第2環状係合部材の軸心間の距離の誤差を吸収可能な物体位置決め固定装置を提供すること、第1,第2基準部材の構造を簡単化・小型化して制作費を節減可能な物体位置決め固定装置を提供すること、等である。
請求項1の物体位置決め固定装置は、ベース部材の上に対象物体を水平方向と鉛直方向に位置決めして固定する物体位置決め固定装置において、前記ベース部材は鉛直方向に位置決めの為の基準座面を備えると共に、前記対象物体は前記基準座面に当接可能な当接面を備え、前記対象物体を水平方向に位置決め可能な第1位置決め機構と、この第1位置決め機構から離隔した位置に配置され対象物体が第1位置決め機構を中心として水平面内で回転しないように規制する第2位置決め機構と、前記対象物体をベース部材に押圧して固定可能な固定機構を備え、前記第1,第2位置決め機構は、ベース部材と対象物体の一方に装着された第1,第2基準部材であって、先端側ほど小径化する第1,第2テーパ係合面が形成された第1,第2係合凸部と、この第1,第2係合凸部に一体形成され且つ第1,第2係合凸部より小径の第1,第2嵌合筒部と、前記第1,第2係合凸部の前記第1,第2嵌合筒部側の基端に形成された第1,第2基端当接面とを備えた第1,第2基準部材と、前記第1,第2嵌合筒部が嵌合される第1,第2嵌合孔と、ベース部材と対象物体の他方に形成された第1,第2装着穴に固定的に装着されて前記第1,第2係合凸部が係合可能な第1,第2環状係合部材とを備え、前記第2嵌合孔は、前記第2嵌合筒部が前記第1,第2位置決め機構の軸心同士を結ぶ中心線の方向へ移動可能に形成され且つ前記中心線の方向に平行で且つ前記第2係合凸部から離隔するほど相接近するように傾斜した1対のテーパ規制面を備え、前記第2嵌合筒部は、前記1対のテーパ規制面に密着可能な1対のテーパ被規制面を備え、前記固定機構により対象物体をベース部材に押圧して固定した状態において、前記第1,第2係合凸部と第1,第2環状係合部材の少なくとも一方の径方向への弾性変形を介して前記第1,第2テーパ係合面が前記第1,第2環状係合部材の内周面に密着すると共に前記第1,第2基端当接面が前記ベース部材と対象物体の一方に当接し、前記第2嵌合筒部の弾性変形を介して前記1対のテーパ被規制面が前記1対のテーパ規制面に密着するように構成したことを特徴としている。
請求項2の物体位置決め固定装置は、請求項1の発明において、前記第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に直接形成されたことを特徴としている。
請求項3の物体位置決め固定装置は、請求項1の発明において、前記第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に形成された円筒穴に内嵌状に装着されたブッシュ部材に形成されたことを特徴としている。
請求項4の物体位置決め固定装置は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第1,第2環状係合部材の外周面と、前記装着穴の内周面との間の少なくとも一部に第1,第2環状係合部材の弾性変形を促進する為の前記基準座面又は当接面に開口した環状溝を形成したことを特徴とている。
請求項5の物体位置決め固定装置は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記固定機構は、前記第1,第2基準部材に夫々形成された第1のボルト挿通孔と、この第1のボルト挿通孔に対応するように対象物体に夫々形成された第2のボルト挿通孔と、前記第1,第2のボルト挿通孔に対応するように前記ベース部材に夫々形成された第1,第2のボルト孔とを備えたことを特徴としている。
請求項6の物体位置決め固定装置は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第2基準部材の第2嵌合筒部は、抜け止めリングを介して抜け止めされたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、対象物体をベース部材に位置決めして固定する場合、固定機構により、対象物体をベース部材側へ押圧すると、第1,第2係合凸部と第1,第2環状係合部材の少なくとも一方の径方向への弾性変形を介して第1,第2テーパ係合面が第1,第2環状係合部材の内周面に密着すると共に、第1,第2基端当接面がベース部材と対象物体の一方に当接し、第2嵌合筒部の弾性変形を介して1対のテーパ被規制面が1対のテーパ規制面に密着する。
従って、第1,第2基準部材の軸心間距離と第1,第2環状係合部材の軸心間距離に誤差がある場合でも、第2環状係合部材が第2基準部材に係合する際に第2基準部材が中心線と平行な方向に自動的に移動してから固定されるので、第2基準部材に対する第2環状係合部材の位置ズレ(ピッチ間公差)を吸収することができる。それ故、第1,第2基準部材の軸心間距離を高精度に設定せずとも、第2基準部材の第2テーパ係合面に第2環状係合部材の内周面を確実に密着させた状態にして対象物体をベース部材に位置決めして固定することができ、対象物体の水平方向への位置決め精度と水平面内での回転を規制する精度を向上させることができる。
また、第2基準部材を中心線と平行な方向に移動可能に構成したので、第2基準部材の第2テーパ係合面を環状に形成でき、第2環状係合部材の内周面に密着状に確実に係合させることができるため、第2テーパ係合面が磨耗したりへたったりすることを防止し、第2位置決め機構の耐久性を向上させることができる。
さらに、第1,第2係合凸部の第1,第2基端当接面を基準座面又は当接面に当接させるため、基準座面又は当接面に対する第1,第2係合凸部の高さ方向位置の精度を高めることができるから、対象物体をベース部材に対して水平方向に位置決めする位置決め精度を高めることができる。第1,第2基準部材の第1,第2嵌合筒部を第1,第2嵌合孔に嵌合する構成とし、第1,第2嵌合筒部は第1,第2係合凸部よりも小さな外径を有するものであるため、第1,第2基準部材の構造を簡単化・小型化して制作費(材料費、加工費、組付け費)を大幅に低減することができる。
請求項2の発明によれば、第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に直接形成されたので、第2基準部材を嵌合固定する為の既存の嵌合孔に追加加工を施すことで、第1,第2基準部材のピッチ間公差を吸収可能な構成にすることができる。
請求項3の発明によれば、第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に形成された円筒穴に内嵌状に装着されたブッシュ部材に形成されたので、第2嵌合孔の製作が容易となる。
請求項4の発明によれば、第1,第2環状係合部材の外周面と、第1,第2装着穴の内周面との間の少なくとも一部に第1,第2環状係合部材の弾性変形を促進する為の基準座面又は当接面に開口した環状溝を形成したので、第1,第2環状係合部材に形成した環状溝を介して第1,第2環状係合部材の弾性変形を促進することができる。
請求項5の発明によれば、固定機構は、第1,第2基準部材に夫々形成された第1のボルト挿通孔と、この第1のボルト挿通孔に対応するように対象物体に夫々形成された第2のボルト挿通孔と、第1,第2のボルト挿通孔に対応するようにベース部材に夫々形成された第1,第2のボルト孔とを備えたので、第1,第2基準部材にボルト締結力が直接作用しないため、第1,第2嵌合孔に対して第1,第2基準部材の第1,第2嵌合筒部が移動する虞がないから、第1,第2基準部材による水平方向位置決め精度を確保する上で有利である。
請求項6の発明によれば、第2基準部材の第2嵌合筒部は、抜け止めリングを介して抜け止めされるので、第2基準部材が第2嵌合孔から抜けるのを確実に防止することができる。
実施例1のパレット位置決め固定装置の分解斜視図である。 パレット位置決め固定装置の平面図である。 ベース部材の平面図である。 ワークパレットの底面図である。 図2のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 図2のボルトが取り外された状態の要部拡大図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 図7のIX−IX線断面図である。 図8のX−X線断面図である。 図2の要部拡大図である。 図11のXII−XII線断面図である。 図11のXIII−XIII線断面図である。 第2基準部材の斜視図である。 ブッシュ部材の斜視図である。 第2環状係合部材の斜視図である。 実施例2に係る図8相当図である。 図9相当図である。 図17のXIX−XIX線断面図である。 図12相当図である。 図13相当図である。 第2嵌合孔の斜視図である。 第2嵌合孔に第2基準部材を装着した状態の平面図である。 実施例3に係るパレット位置決め固定装置の断面図である 部分変更形態に係る第1,第2環状係合部材の断面図である。 部分変更形態に係るパレット位置決め固定装置の部分断面図である。 従来例に係るパレット位置決め固定装置の第2基準部材の要部拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、水平方向へ位置決めするとは、水平方向の位置を決めることを意味し、鉛直方向へ位置決めするとは、鉛直方向の位置を決めることを意味する。
図1に示すように、実施例1のパレット位置決め固定装置1(これが、「物体位置決め固定装置」に相当する。以下、位置決め固定装置という)は、ベース部材2の上に機械加工に供するワークを保持する為のワークパレット3(これが、位置決め固定される「対象物体」に相当する)を水平方向と鉛直方向に位置決めし、4本の固定用ボルト4,4Aにより固定するものである。
この位置決め固定装置1は、ベース部材2の上面に形成された基準座面5と、ワークパレット3の下面に形成された当接面6と、ワークパレット3を水平方向に位置決め可能な第1位置決め機構7と、この第1位置決め機構7から離隔した位置に配置されワークパレット3が第1位置決め機構7を中心として水平面内で回転しないように規制する第2位置決め機構8と、ワークパレット3をベース部材2に押圧して固定可能な固定機構9とを備えている。
ベース部材2とワークパレット3は、夫々、正方形又は長方形の厚手の鋼製の平板部材で構成されている。ベース部材2は、例えば工作機械のテーブル等の上に固定した状態にセットしておく。ワークパレット3には、図示外のクランプ装置やボルトにより1又は複数のワーク(図示略)を固定し、そのワークパレット3をベース部材2上に搬送し、水平方向と鉛直方向に位置決めし且つ固定してから、ワークパレット3上の1又は複数のワークに対して機械加工が施される。
ベース部材2の上面のほぼ全域は、ワークパレット3を載置し、ワークパレット3の下面を着座させてワークパレット3を鉛直方向に位置決めする為の水平な基準座面5に形成されている。ワークパレット3の底面のほぼ全域は、基準座面5に面接触状に当接可能な水平な当接面6に形成されている。
ベース部材2は、このベース部材2の対角関係にある1対の隅部の近傍部位に形成された鉛直方向向きの第1,第2嵌合孔11,12と、この第1,第2嵌合孔11,12の下端に連なる鉛直方向向きの1対の第1のボルト孔13と、ベース部材2の対角関係にある1対の隅部(上記1対の隅部とは異なる1対の隅部)の近傍部位に形成された鉛直方向向きの1対の第2のボルト孔14とを備えている。尚、第1,第2嵌合孔11,12の詳細な構成については後述する。
ワークパレット3は、ワークパレット3の対角関係にある1対の隅部の近傍部位に形成された鉛直方向向きの第1,第2装着穴15,16と、この第1,第2装着穴15,16の上端に連なる鉛直方向向きの1対の第2のボルト挿通孔18と、1対の第2のボルト挿通孔18の上部の頭部収容穴18aと、ベース部材2の対角関係にある1対の隅部(上記1対の隅部とは異なる1対の隅部)の近傍部位に形成された鉛直方向向きの1対の第3のボルト挿通孔19と、1対の第3のボルト挿通孔19の上部の頭部収容穴19aとを備えている。
第1,第2装着穴15,16は、当接面6に開口するように円形状に夫々形成されている。1対の第2のボルト挿通孔18は、ワークパレット3を板厚方向に貫通させて後述する第1,第2基準部材31,41の軸心と平行且つ同心状に形成されている。1対の第3のボルト挿通孔19は、ワークパレット3を板厚方向に貫通させて第2のボルト孔14と同心状に形成されている。尚、第1のボルト挿通孔17は、第1,第2基準部材31,41に形成されている。
頭部収容孔18a,19aを形成することで、ボルト4,4Aの頭部の上面は、ワークパレット3の上面から微小距離低い位置に設定されているため、ワークパレット3の上面にワークをセットするのに有利である。尚、本明細書において、「ボルト挿通孔」はボルトを通すことができる孔を意味し、「ボルト孔」はボルトを螺合可能なネジ孔を意味する。
次に、第1,第2位置決め機構7,8について説明する。
図1〜図15に示すように、第1,第2位置決め機構7,8は、ベース部材2に形成された第1,第2嵌合孔11,12と、これら第1,第2嵌合孔11,12に装着された第1,第2基準部材31,41と、ワークパレット3に形成された第1,第2装着穴15,16と、これら第1,第2装着穴15,16に装着された第1,第2環状係合部材51,61等を夫々備えている。
次に、第1,第2嵌合孔11,12について説明する。
図5〜図13,図15に示すように、第1,第2嵌合孔11,12は互いに離隔した位置にベース部材2の基準座面5に開口するように形成されている。第1嵌合孔11は、平面視にて円形状にベース部材2に直接形成され、第2嵌合孔12は、ベース部材2に形成された円筒穴21に内嵌状に装着されたブッシュ部材22に形成されている(図15参照)。円筒穴21は、平面視にて円形状に形成され、第1嵌合孔11の直径と略等しい直径又は僅かに大きい直径を有している。
ブッシュ部材22は円筒状に構成され、円筒穴21に圧入固定されているが、圧入以外の固定手段で固定してもよい。ブッシュ部材22に形成された第2嵌合孔12は、後述する第2嵌合筒部43が第1,第2位置決め機構7,8の軸心同士を結ぶ中心線Lの方向へ移動可能に形成され、中心線Lの方向に平行で且つ第2係合凸部42から離隔するほど相接近するように傾斜した1対のテーパ規制面12aと、中心線Lの方向に対向する外側に凸の1対の部分円筒面12bとを備えている。
1対のテーパ規制面12aは、平面視において前記中心線Lに直交する方向に対向状に形成されている。各テーパ規制面12aの中心線Lと平行な方向の長さは、第2嵌合孔12の周方向長さの約1/8〜1/10程度である。第2嵌合孔12の1対のテーパ規制面12aの下側部分には、後述する抜け止めリング46が係止可能な1対の係止溝部12cが夫々形成されている。
円筒穴21の下側には、円筒穴21の直径より小径で且つブッシュ部材22の内径と略同径の直径を有する円形凹穴23と、この円形凹穴23の直径より小径の小径穴24とが順に形成され、これら円形凹穴23と小径穴24とで第2嵌合孔12の下端部を構成している。
尚、ブッシュ部材22の上端が基準座面5より上方へ突出しないように、ブッシュ部材22の高さ寸法は、円筒穴21の深さ寸法よりも幾分小さく設定され、ブッシュ部材22の下端は円筒穴21の下端壁面に当接している。
次に、第1,第2基準部材31,41について説明するが、第1,第2基準部材31,41の主要部分は同様の構成であるので、先ずはその共通部分の構成について説明する。
図5〜14に示すように、第1,第2基準部材31,41は、第1,第2係合凸部32,42と、この第1,第2係合凸部32,42に一体形成され且つ第1,第2係合凸部32,42より小径の第1,第2嵌合筒部33,43と、第1,第2係合凸部32,42に一体形成された第1,第2基端当接面34,44とを夫々備えている。
水平方向位置決めの為の第1,第2基準部材31,41は第1,第2嵌合孔11,12に夫々固定される。第2基準部材41は、ワークパレット3が第1基準部材31を中心として水平面内において回転しないように回転規制(水平方向位置決め)する為のものである。
第1,第2基準部材31,41の第1,第2係合凸部32,42の外周には上方に向って(ワークパレット3側に向って)小径化する第1,第2テーパ係合面31a,41aが形成されている。第1,第2係合凸部32,42の上端の外周部は断面円弧状に形成されている。第1,第2係合凸部32,42の第1,第2嵌合筒部33,43側の基端に、基準座面5に当接する環状の第1,第2基端当接面34,44が形成されている。但し、第1,第2テーパ係合面31a,41aは周方向に間欠的に形成した複数のテーパ係合面であってもよい。
尚、第1基準部材31の第1基端当接面34が基準座面5に当接した固定状態では、第1嵌合孔11の底面と第1基準部材31の第1嵌合筒部33の下端面との間には、小さな環状隙間が形成されている。第1基準部材31は、第1嵌合孔11に圧入固定されても良いし、圧入以外の固定手段で固定してもよい。第2基準部材41の第2嵌合孔12に対する固定手段については後述する。
第1,第2基準部材31,41の中央部には、鉛直方向向きの第1のボルト挿通孔17が夫々形成されている。ベース部材2には、1対の第1のボルト挿通孔17に対応する鉛直方向向きの1対の第1のボルト孔13が同心状に夫々形成されている。第1,第2基準部材31,41に対応するワークパレット3の部位には、第1のボルト挿通孔17に対応する第2のボルト挿通孔18が同心状に夫々形成されている。
後述するように、ワークパレット3側の1対の第2のボルト挿通孔18とベース部材2側の1対の第1のボルト挿通孔17に挿入した2本のボルト4を、1対の第1のボルト孔13に夫々螺合することによりワークパレット3がベース部材2に固定される。
次に、第2嵌合筒部43の第1嵌合筒部33と異なる構成について説明する。
図5〜図14に示すように、第2嵌合筒部43は、1対のテーパ規制面12aに密着可能な1対のテーパ被規制面43aと、第2嵌合孔12の1対の部分円筒面12bに対向する1対の部分円筒面43bとを備えている。1対のテーパ被規制面43aの前記中心線Lと平行な方向の長さは、第2嵌合筒部43の周方向長さの約1/8〜1/10程度である。
第2基準部材41は、1対のテーパ被規制面43aが1対のテーパ規制面12aに対して平行状態となるように第2嵌合孔12に上方から挿入され、1対のテーパ被規制面43aが1対のテーパ規制面12aに軽く当接した状態で嵌合される。ワークパレット3を固定する前の状態では、第2基準部材41の第2基端当接面44とベース部材2の基準座面5との間に僅かな隙間が形成され、第2嵌合筒部43の1対の部分円筒面43bと第2嵌合孔12の1対の部分円筒面12bとの間に1対の部分円筒状隙間25が形成されている(図10参照)。1対の部分円筒状隙間25は、第2位置決め機構8の軸心を中心として中心線Lと平行な方向に±50μm程度の隙間となるように形成されているが、特にこの長さ限定する必要はない。
第2嵌合筒部43の下端部には、円形凹穴23と小径穴24に挿入される小径筒部43cが形成されている。小径筒部43cには、この外周部に装着される抜け止めリング46が遊びをもって受容される環状溝部43dが形成されている。抜け止めリング46はブッシュ部材22の1対の係止溝部12cに係止されることで、第2基準部材41が搬送時や振動等により第2嵌合孔12から脱落するのを防止する。
次に、第1,第2環状係合部材51,61について説明する。
図4〜図9,図11〜図13,図16に示すように、第1,第2環状係合部材51,61は、ワークパレット3に形成された第1,第2装着穴15,16に固定的に装着されている。第1,第2係合凸部32,42が係合可能である第1,第2環状係合部材51,61は、第1,第2装着穴15,16に圧入により嵌合固定されているが、圧入以外の固定手段で固定しても良い。
第1,第2環状係合部材51,61は、第1,第2基準部材31,41の第1,第2係合凸部32,42に外嵌され且つボルト4の締結力を作用させるとき径拡大方向に弾性変形可能で且つ第1,第2係合凸部32,42の第1,第2テーパ係合面31a,41aに密着状に係合可能に構成されている。
そのため、第1,第2環状係合部材51,61の内周面の下半部が第1,第2テーパ係合面31a,41aに密着可能な第1,第2テーパ当接面51a,61aに形成され、第1,第2環状係合部材51,61の下半部の外径は上半部の外径よりも僅かに小径に形成され、第1,第2環状係合部材51,61の下半部の外周面と第1,第2装着穴15,16の内周面との間に、第1,第2環状係合部材51,61の径拡大方向への弾性変形を促進する為の環状隙間63が形成されている。第1,第2環状係合部材51,61の径方向の厚さは、水平方向の位置決めに必要な剛性を有する厚さであれば良い。
尚、第1,第2環状係合部材51,61の下端が当接面6より下方へ突出しないように、第1,第2環状係合部材51,61の高さ寸法は、第1,第2装着穴15,16の深さ寸法よりも幾分小さく設定され、第1,第2環状係合部材51,61の上端は第1,第2装着穴15,16の上端壁面に当接している。
固定機構9は、第1,第2基準部材31,41の第1のボルト挿通孔17、ワークパレット3に形成された1対の第2のボルト挿通孔18と1対の第3のボルト挿通孔19、ベース部材2に形成された1対の第1のボルト孔13と1対の第2のボルト孔14、4つのボルト4,4A等より構成されている。
次に、上記の位置決め固定装置1の作用について説明する。
ベース部材2は工作機械のテーブルの上に予めセットして固定されている。ワーク準備ステージにおいて、ワークパレット3に1又は複数のワークを取り付けた状態において、ワークパレット3をベース部材2の上方へ搬送して、ベース部材2の上面の基準座面5に近接状に載置する。
この状態では、図8,図9に示すように、ワークパレット3側の第1,第2環状係合部材51,61が第1,第2基準部材31,41の第1,第2係合凸部32,42に軽く係合する。第1基準部材31においては、第1基端当接面34が基準座面5に当接した状態である。第2基準部材41においては、第2嵌合筒部43の1対のテーパ被規制面43aが第2嵌合孔12の1対のテーパ規制面12aに軽く係合し、第2基端当接面44と基準座面5との間に僅かな隙間が形成されている。
次に、図12,図13に示すように、2つのボルト4を1対の第2のボルト挿通孔18から夫々挿入して、第1,第2基準部材31,41の第1のボルト挿通孔17を夫々挿通させた状態で対応する第1のボルト孔13に夫々螺合締結することにより、第1,第2環状係合部材51,61を径拡大側へ弾性変形させて、それらの内周面の第1,第2テーパ当接面51a,61aを第1,第2テーパ係合面31a,41aに密着状に係合させて固定する。第1位置決め機構7においては、ワークパレット3の水平方向位置が決まり、第2位置決め機構8においては、ワークパレット3が第1位置決め機構7を中心として水平面内で回転しないように規制する。
このとき、第2位置決め機構8の第2基準部材41において、2つのボルト4によりワークパレット3をベース部材2に押圧して固定した状態では、第2基準部材41がベース部材2に押圧されることで第2基端当接面44が基準座面5に当接し、第2嵌合筒部43を径縮小方向へ弾性変形させて、第2嵌合孔12の1対のテーパ規制面12aに1対のテーパ被規制面43aを密着状に係合させて固定する。
ところで、諸部材や第1,第2嵌合孔11,12や第1,第2装着穴15,16等の加工誤差(例えば、数10μm)などにより、第1,第2基準部材31,41の軸心間距離と第1,第2環状係合部材51,61の軸心間距離が等しくない場合がある。この位置決め固定装置1において、第2基準部材41は、1対の部分円筒状隙間25を介して中心線Lの方向へ移動可能であり、1対のテーパ規制面12aと1対のテーパ被規制面43aを介して中心線Lと直交する方向へは移動不能である。
このため、ベース部材2の第1,第2基準部材31,41の軸心間距離とワークパレット3の第1,第2環状係合部材51,61の軸心間距離が等しくない場合、第1基準部材31に対して第2基準部材41が僅かに中心線Lに沿って移動することで、このズレを吸収して軸心間を自動的に調整することができる。このとき、第2基準部材41と第2環状係合部材61及び基準座面5と当接面6との2面拘束に加えて、第2嵌合孔12の1対のテーパ規制面12aと第2嵌合筒部43の1対のテーパ被規制面43a及び第2基端当接面44と基準座面5との2面拘束が行われるので、ワークパレット3をベース部材2に対して水平方向と鉛直方向に精度良く位置決めすることができる。
そして、2つのボルト4Aを第3のボルト挿通孔18から夫々挿入して、ベース部材2の第2のボルト孔14に夫々螺合締結することにより、ワークパレット3の1対の隅部の近傍部をベース部材2に固定し、ワークパレット3の当接面6が基準座面5に密着した状態になり、鉛直方向位置が決まる。
このように、第1環状係合部材51の第1テーパ当接面51aが、第1基準部材31の第1テーパ係合面31aに密着して水平方向に位置決めされ、第2環状係合部材61の第2テーパ当接面61aが、第2基準部材41の第2テーパ係合面41aに密着して第1基準部材31の軸心を中心として水平面内で回転しないように規制して水平方向へ位置決めする。こうして、ワークパレット3をベース部材2に対して鉛直方向及び水平方向へ精度良く位置決めし且つ水平面内で回転しないように規制することができる。
次に、上記の位置決め固定装置1が奏する効果について説明する。
第1,第2基準部材31,41の軸心間距離と第1,第2環状係合部材51,61の軸心間距離に誤差がある場合でも、第2環状係合部材61が第2基準部材41に係合する際に第2基準部材41が中心線Lと平行な方向に自動的に移動してから固定されるので、第2基準部材41に対する第2環状係合部材61の位置ズレ(ピッチ間公差,例えば10〜100μm程度)を吸収することができる。それ故、第1,第2基準部材31,41の軸心間距離を高精度に設定せずとも、第2基準部材41の第2テーパ係合面41aに第2環状係合部材61の内周面を確実に密着させた状態にしてワークパレット3をベース部材2に位置決めして固定することができ、ワークパレット3の水平方向への位置決め精度と水平面内での回転を規制する精度を向上させることができる。
また、第2基準部材41を中心線Lと平行な方向に移動可能に構成したので、第2基準部材41の第2テーパ係合面41aを環状に形成でき、第2環状係合部材61の内周面に密着状に確実に係合させることができるので、第2テーパ係合面41aが磨耗したりへたったりすることを防止し、第2位置決め機構8の耐久性を向上させることができる。
さらに、第1,第2係合凸部32,42の第1,第2基端当接面34,44を基準座面5に当接させるため、基準座面5に対する第1,第2係合凸部32,42の高さ方向位置の精度を高めることができるから、ワークパレット3をベース部材2に対して水平方向に位置決めする位置決め精度を高めることができる。第1,第2基準部材31,41の第1,第2嵌合筒部33,43を第1,第2嵌合孔11,12に嵌合する構成とし、第1,第2嵌合筒部33,43は第1,第2係合凸部32,42よりも小さな外径を有するものであるため、第1,第2基準部材31,41の構造を簡単化・小型化して制作費(材料費、加工費、組付け費)を大幅に低減することができる。
固定機構9は、第1,第2基準部材31,41に夫々形成された第1のボルト挿通孔17と、この第1のボルト挿通孔17に対応するようにワークパレット3に夫々形成された第2のボルト挿通孔18と、第1,第2のボルト挿通孔18に対応するようにベース部材2に夫々形成された第1のボルト孔13とを備えたので、第1,第2基準部材31,41にボルト締結力が直接作用しないため、第1,第2嵌合孔11,12に対して第1,第2基準部材31,41の第1,第2嵌合筒部33,43が移動する虞がないから、第1,第2基準部材31,41による水平方向位置決め精度を確保する上で有利である。
第2嵌合孔12は、ベース部材2に形成された円筒穴21に内嵌状に装着されたブッシュ部材22に形成されたので、第2嵌合孔12の製作が容易である。
第2基準部材41の第2嵌合筒部43は、抜け止めリング46を介して抜け止めされるので、第2基準部材41が第2嵌合孔12から抜けるのを確実に防止することができる。
次に、実施例1の位置決め固定装置1における第2位置決め機構8の第2嵌合孔12を部分的に変更した実施例2の第2位置決め機構8Aの第2嵌合孔12Aについて説明する。尚、実施例1の第2嵌合孔12は円筒孔21に内嵌状に装着されたブッシュ部材22に形成されたものであるが、実施例2の第2嵌合孔12Aはベース部材2に直接形成されたものである。
図17〜図23に示すように、第2位置決め機構8Aにおいて、第2嵌合孔12Aは、ベース部材2の基準座面5に開口し且つ平面視にて略四角形状に直接形成されている。第2嵌合孔12Aは、第2嵌合筒部43が第1,第2位置決め機構7,8Aの軸心同士を結ぶ中心線Lの方向へ移動可能に形成され且つ中心線Lの方向に平行で且つ第2係合凸部42から離隔するほど相接近するように傾斜した1対のテーパ規制面12Aaと、中心線Lの方向に対向する外側に凸の1対の部分円筒面12Abとを備えている。
各テーパ規制面12Aaの中心線Lと平行な方向の長さは、テーパ被規制面43aの2倍程度の長さである。第2嵌合孔12Aの1対のテーパ規制面12Aaの下側部分には、抜け止めリング46が係止可能な1対の係止溝部12Acが夫々形成されている。第2嵌合孔12Aの4隅部は、外側に向ってカーブした湾曲面が夫々形成されているが、第2嵌合孔12Aは第2基準部材41の第1係合凸部42により覆われている。
第2基準部材41は、1対のテーパ被規制面43aが1対のテーパ規制面12Aaに対して平行状態となるように第2嵌合孔12Aに上方から挿入され、1対のテーパ被規制面43aが1対のテーパ規制面12Aaに軽く当接した状態で嵌合されている。ワークパレット3を固定する前の状態では、第2基準部材41の第2基端当接面44とベース部材2の基準座面5との間に僅かな隙間が形成され、第2嵌合筒部43の1対の部分円筒面43bと第2嵌合孔12Aの1対の部分円筒面12Abとの間に1対の部分円筒状隙間25Aが形成されている。
この第2嵌合孔12Aは、ベース部材2に直接形成されたので、第2基準部材41を嵌合固定する為の既存の嵌合孔に追加加工を施すことで、第1,第2基準部材31,41のピッチ間公差を許容可能な構成にすることができる。その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であり、実施例1と同様のものに同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、実施例1の位置決め固定装置1を部分的に変更した実施例3の位置決め固定装置1Bについて説明する。尚、実施例3の位置決め固定装置1Bは、ワークパレット3B側に第1,第2基準部材31,41を取り付け、ベース部材2B側に第1,第2環状係合部材51,61を取り付けたものである。
図24に示すように、位置決め固定装置1Bにおいては、第1,第2基準部材31,41をワークパレット3Bに形成した第1,第2嵌合孔11,12に装着し、第1,第2環状係合部材51,61をベース部材2Bに形成した第1,第2装着穴15,16に装着している。第2嵌合穴12は、実施例1と同様にワークパレット3Bに形成された円筒穴21に内嵌状に装着されたブッシュ部材22に形成されている。即ち、実施例3の第1,第2位置決め機構7B,8Bは、実施例1のもの比較して逆構造に構成されている。
この場合、第1,第2基準部材31,41に対応する位置において、ワークパレット3Bには第2のボルト挿通孔18と、その頭部収容穴18aとが形成され、第1,第2基準部材31,41には、第1のボルト挿通孔17が形成され、ベース部材2Bには、第1,第2基準部材31,41の第1のボルト挿通孔17に連通する第1のボルト孔13が形成される。その他の構成、作用及び効果は実施例1と同様であり、実施例1と同様のものに同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
尚、第2嵌合孔12は、ワークパレット3Bに形成された円筒穴21に装着されたブッシュ部材22に形成されているが、実施例2と同様に第2嵌合孔12をワークパレット3Bに直接形成しても良い。
次に、前記実施例1〜3を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記第1,第2環状係合部材51,61の径拡大方向への弾性変形を促進するため、図25に示すように、第1,第2環状係合部材51C,61Cの例えば下半分に、ベース部材2側に向って開口する深溝状の環状溝51b,61bを形成し、第1,第2環状係合部材51C,61Cのうちの環状溝51b,61bより内側の部分に径拡大側へ弾性変形可能な環状係合壁部51c,61cを形成する。
この構成によれば、第1,第2環状係合部材51C,61Cの外周面と第1,第2テーパ当接面51a,61aとの間の少なくとも一部に第1,第2環状係合部材51C,61Cの弾性変形を促進する為のベース部材2側に向って開口した環状溝51b,61bを形成したので、第1,第2環状係合部材51C,61Cに形成した環状溝51b,61bを介して第1,第2環状係合部材51C,61Cの弾性変形を促進することができる。尚、第1,第2環状係合部材51,61がベース部材2に装着されている場合は、ワークパレット3側に向って開口した環状溝51b,61bを形成すれば良い。
[2]前記第1,第2環状係合部材51,61の径拡大方向への弾性変形を促進するため、第1,第2環状係合部材51,61の周方向の1箇所を分断する分断部、又は第1,第2環状係合部材51,61の周方向の複数箇所を部分的に分断する部分分断部を形成しても良い。
[3]前記第1,第2基準部材31,41に前記第1,第2環状係合部材51,61を係合させてボルト4を締結した際に、第1,第2基準部材31,41を径縮小側へ弾性変形させるように構成しても良い。この場合、第1,第2環状係合部材51,61と第1,第2基準部材31,41の両方を弾性変形可能に構成しても良く、第1,第2基準部材31,41だけを弾性変形可能に構成しても良い。
[4]前記基準座面5は、必ずしもベース部材2の上面の全域に形成する必要はなく、ベース部材2の上面の複数部位に形成しても良い。同様に、基準座面5に当接する当接面6は、必ずしもワークパレット3の下面の全域に形成する必要はなく、ワークパレット3の下面の複数部位に形成しても良い。
[5]前記ボルト4,4Aの頭部は、頭部収容穴18a,19aに必ずしも収容することなく、これら頭部収容穴18a,19aを省略して、ワークパレット3の上面から突出させても良い。
[6]図26に示すように、第2基準部材41Dと第2環状係合部材61Dとで第2位置決め機構8Dを構成し、この第2位置決め機構8Dとは別の位置で、ワークパレット3にボルト挿通孔81を形成すると共に、ベース部材2にはボルト挿通孔81に対応するボルト孔82を形成し、ボルト挿通孔81に挿通させた固定用ボルト83をボルト孔82に螺合させることにより、ワークパレット3をベース部材2に固定する。ボルト挿通孔81とボルト孔82とボルト83とで固定機構9Dが構成されている。
[7]前記対象物体は、ワークパレット3に限定するものではなく、種々の物品や部材や工具等を位置決め固定する装置に適用することができる。例えば、ワーク等を固定するバイスの爪部材(対象物体)をベース部材2に位置決めして固定する構造にも本発明を適用することができる。また、旋盤のチャック装置の爪部材(対象物体)をベース部材2に位置決めして固定する構造にも本発明を適用することができる。
[8]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
本発明に係る物体位置決め固定装置は、ワークパレット、バイス装置、チャック装置等に関連する技術分野において、ベース部材の上に対象物体を位置決めして固定する種々の機構に適用することができる。
L 中心線
1,1B パレット位置決め固定装置
2,2B ベース部材
3,3B ワークパレット
5 基準座面
6 当接面
7,7B 第1位置決め機構
8,8A,8B,8D 第2位置決め機構
9,9D 固定機構
11 第1嵌合孔
12,12A 第2嵌合孔
12a,12Aa 1対のテーパ規制面
13 第1のボルト孔
15 第1装着穴
16 第2装着穴
17 第1のボルト挿通孔
18 第2のボルト挿通孔
21 円筒穴
22 ブッシュ部材
31 第1基準部材
31a 第1テーパ係合面
32 第1係合凸部
33 第1嵌合筒部
34 第1基端当接面
41,41D 第2基準部材
41a 第2テーパ係合面
42 第2係合凸部
43 第2嵌合筒部
43a 1対のテーパ被規制面
44 第2基端当接面
46 抜け止めリング
51,51C 第1環状係合部材
61,61C,61D 第2環状係合部材

Claims (6)

  1. ベース部材の上に対象物体を水平方向と鉛直方向に位置決めして固定する物体位置決め固定装置において、
    前記ベース部材は鉛直方向に位置決めの為の基準座面を備えると共に、前記対象物体は前記基準座面に当接可能な当接面を備え、
    前記対象物体を水平方向に位置決め可能な第1位置決め機構と、この第1位置決め機構から離隔した位置に配置され対象物体が第1位置決め機構を中心として水平面内で回転しないように規制する第2位置決め機構と、前記対象物体をベース部材に押圧して固定可能な固定機構を備え、
    前記第1,第2位置決め機構は、ベース部材と対象物体の一方に装着された第1,第2基準部材であって、先端側ほど小径化する第1,第2テーパ係合面が形成された第1,第2係合凸部と、この第1,第2係合凸部に一体形成され且つ第1,第2係合凸部より小径の第1,第2嵌合筒部と、前記第1,第2係合凸部の前記第1,第2嵌合筒部側の基端に形成された第1,第2基端当接面とを備えた第1,第2基準部材と、前記第1,第2嵌合筒部が嵌合される第1,第2嵌合孔と、ベース部材と対象物体の他方に形成された第1,第2装着穴に固定的に装着されて前記第1,第2係合凸部が係合可能な第1,第2環状係合部材とを備え、
    前記第2嵌合孔は、前記第2嵌合筒部が前記第1,第2位置決め機構の軸心同士を結ぶ中心線の方向へ移動可能に形成され且つ前記中心線の方向に平行で且つ前記第2係合凸部から離隔するほど相接近するように傾斜した1対のテーパ規制面を備え、
    前記第2嵌合筒部は、前記1対のテーパ規制面に密着可能な1対のテーパ被規制面を備え、
    前記固定機構により対象物体をベース部材に押圧して固定した状態において、前記第1,第2係合凸部と第1,第2環状係合部材の少なくとも一方の径方向への弾性変形を介して前記第1,第2テーパ係合面が前記第1,第2環状係合部材の内周面に密着すると共に前記第1,第2基端当接面が前記ベース部材と対象物体の一方に当接し、前記第2嵌合筒部の弾性変形を介して前記1対のテーパ被規制面が前記1対のテーパ規制面に密着するように構成したことを特徴とする物体位置決め固定装置。
  2. 前記第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に直接形成されたことを特徴とする請求項1に記載の物体位置決め固定装置。
  3. 前記第2嵌合孔は、ベース部材と対象物体の一方に形成された円筒穴に内嵌状に装着されたブッシュ部材に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の物体位置決め固定装置。
  4. 前記第1,第2環状係合部材の外周面と、前記装着穴の内周面との間の少なくとも一部に第1,第2環状係合部材の弾性変形を促進する為の前記基準座面又は当接面に開口した環状溝を形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物体位置決め固定装置。
  5. 前記固定機構は、前記第1,第2基準部材に夫々形成された第1のボルト挿通孔と、この第1のボルト挿通孔に対応するように対象物体に夫々形成された第2のボルト挿通孔と、前記第1,第2のボルト挿通孔に対応するように前記ベース部材に夫々形成された第1,第2のボルト孔とを備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物体位置決め固定装置。
  6. 前記第2基準部材の第2嵌合筒部は、抜け止めリングを介して抜け止めされたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の物体位置決め固定装置。
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