JP5995477B2 - 有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL表示装置の製造方法及びこの製造方法を利用して製造された有機EL表示装置を備える電子機器に関する。
一般に知られている有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を搭載した表示装置とは、有機EL素子を単数あるいは複数有する画素を所定のパターンで配列してなる装置である。またこの画素により、表示装置内の表示領域は2次元的に高精細に分割されている。ここでこの画素に含まれる有機EL素子は、例えば、赤、緑又は青のいずれかの光を出力する電子素子である。有機EL素子を搭載した表示装置は、所望の色を出力する有機EL素子を所望の発光強度で駆動させることでフルカラーの画像を得ている。
ところで、表示装置の構成要素である有機EL素子において、素子に含まれる有機化合物層は、蒸着等により有機材料からなる薄膜を成膜することにより形成される薄膜層である。ここで蒸着により表示装置内の有機EL素子に含まれる有機化合物層を素子ごとに形成する際には、高精細なパターニング技術が必要とされる。そしてパターニングを行う際には、パターニングの精細度に応じた精細度の高いメタルマスクが必要となる。しかし、メタルマスクは、繰り返し蒸着に用いると、付着する蒸着膜によってマスクの開口部が狭くなったり、応力でマスクの開口部が歪んだりする。従って、一定回数の成膜を行った後で使用したマスクを洗浄する必要があり、これが生産コストの観点から不利な要因となっていた。また、マスクの加工精度の制約もあってピクセルサイズは百μm程度が限界であり、高精細化の観点からしても不利であった。さらに基板サイズに関しても、高精細メタルマスクを大型化するとマスクの開口部の位置精度を確保するためにマスクのフレームの剛性を高める必要がある。しかしマスクの剛性を高めるとその分だけマスク自体の重量の増加を引き起こす。このため、加工性、ハンドリングの両面から第4世代以降の大判サイズの表示装置を製作する場合では、高精細化された有機EL素子及びこの有機EL素子を搭載した表示装置の最適な作製プロセスについては現在のところ具体化できていないという状況にある。
このような状況の中、メタルマスクを使用しない方法で高精細化された有機EL素子を有する表示装置を作製する方法が提案されている。
例えば、特許文献1にて提案されている方法では、発光層上にフォトレジストが直接成膜されている。この方法を採用する場合、使用されるフォトレジストには、一般に光開始剤や架橋剤等が多く含まれている。ここで光開始剤や架橋剤等は、少なくとも現像液に対する不溶性を変化させるための材料である。また特許文献2にて提案されている方法では、有機化合物層上に水溶性材料からなる中間層が設けられており、この中間層上でフォトリソグラフィーを行うことにより有機化合物層がパターニングされている。ここで発光層上に形成され得る中間層を構成する水溶性高分子は一般に絶縁性である。さらに特許文献3には、水溶性高分子を剥離層として用いてこの剥離層ごとフォトレジストを剥離する技術が提案されている。
特許第3839276号公報 特許第4507759号公報 特許第4544811号公報
ところで上述したレジスト、中間層、剥離層等は一般に絶縁性であるため、これらの層を有機EL素子の発光層等の表面に残したままにすると、当該表面に残存したものが有機EL素子の素子特性を著しく悪化させる原因の一つである電気抵抗となる。従って、上述したレジスト、中間層、剥離層等を、発光層等の表面に残らないように除去する必要がある。ところが、高分子材料からなるレジスト、中間層、剥離層等を完全に除去するのは困難であり、除去しきれない残渣が多少なりとも装置内に残存することがある。さらに上述したレジスト、中間層、剥離層等に含まれている微量不純物や、上述したレジスト、中間層、剥離層等を塗布成膜を利用して形成する際に使用される溶媒が、有機化合物層を構成する発光層等へ拡散することで、有機化合物層が結晶化する等の現象が起こる。これにより、素子特性の悪化が懸念される。従って、従来は、フォトリソプロセスを利用したパターニングにより作製された有機EL素子の素子特性は、メタルマスク等を用いて真空一貫でパターン形成された有機EL素子と比較してその素子特性が劣るという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、フォトリソグラフィーによるパターニング手法を利用しつつ、メタルマスク等を用いて真空一貫で形成した有機EL素子と同等の素子特性を有する有機EL素子を備える有機EL表示装置の製造方法を提供することである。
本発明の有機EL表示装置は、第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、からなる有機EL素子を有し、前記有機化合物層がパターニングされている有機EL表示装置の製造方法であって、
前記第一電極上に前記有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
前記有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
前記剥離層と前記有機化合物層とを、それぞれ所定のパターン形状に加工する加工工程と、
前記剥離層を極性溶媒にて除去する剥離層の除去工程と、を有し、
前記有機化合物層の形成工程が、前記有機化合物層の最上層として縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を有する化合物を除く。)を含む層を形成する工程であり、
前記剥離層の形成工程が、極性溶媒に可溶な化合物からなる層を、蒸着法により、前記剥離層の少なくとも最下層に形成する工程であることを特徴とする。
本発明によれば、フォトリソグラフィーによるパターニング手法を利用しつつ、メタルマスク等を用いて真空一貫で形成した有機EL素子と同等の素子特性を有する有機EL素子を備える有機EL表示装置の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法で製造される有機EL表示装置の例を示す断面模式図である。 本発明の有機EL表示装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。 化合物1と化合物A2とにおけるエッチング時間に対する膜厚変化を示すグラフである。 化合物1と化合物A2とにおけるイソプロピルアルコール水溶液に対する溶解度を示すグラフである。 本発明の有機EL表示装置の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の有機EL表示装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面模式図である。 デジタルカメラシステムの一例を示すブロック図である。
本発明の製造方法は、第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、からなる有機EL素子を有し、前記有機化合物層が所望の形状にパターニングされている有機EL表示装置の製造方法である。
本発明の製造方法は、少なくとも下記に示す工程(A)乃至(D)を有している。
(A)第一電極上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程
(B)有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程
(C)剥離層と有機化合物層とを、それぞれ所望のパターン形状に加工する加工工程
(D)剥離層を極性溶媒にて除去する剥離層の除去工程
また本発明においては、上記工程(A)(有機化合物層の形成工程)は、有機化合物層の最上層として縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を含む化合物を除く。)を含む層を形成する工程である。さらに本発明においては、上記工程(D)(剥離層の除去工程)は、極性溶媒に可溶な化合物からなる層を、蒸着法により、剥離層の少なくとも最下層に形成する工程である。さらに、本発明において好ましい態様の一つとして、工程(D)の後、有機化合物層上にアルカリ金属成分を含む層を形成する工程をさらに有する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、特に図示又は記載がない部分に関しては、当該技術分野の周知技術又は公知技術を適用することができる。また以下に説明する実施形態は、あくまでも本発明の実施形態の一つにすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。また本発明の趣旨を逸脱しない限り、以下に説明する実施形態を適宜組み合わせてもよい。
[有機EL表示装置]
図1は、本発明の製造方法で製造される有機EL表示装置の例を示す断面模式図である。図1の有機EL装置1は、支持基板10上に、三種類の副画素、即ち、第一副画素20aと、第二副画素20bと、第三副画素20cと、が設けられている。ここで第一副画素20aと、第二副画素20bと、第三副画素20cと、により、画素が構成されている。尚、図1の有機EL装置1には、第一副画素20aと、第二副画素20bと、第三副画素20cと、からなる1組の画素が示されているが、実際の有機EL装置では、支持基板10上に複数の画素がマトリックス状に配置されている。
また、図1の有機EL装置1において、各副画素(20a、20b、20c)は、それぞれ第一電極21(21a、21b、21c)と、有機化合物層22(22a、22b、22c)と、電荷注入・輸送層23と、第二電極24と、を有する。
第一電極21a、21b、21cは、支持基板10上に設けられる電極層(下部電極)であり、副画素ごとに個別に設けられている。また第一電極21a、21b、21cは、TFT等のスイッチング素子(不図示)と電気接続されている。
有機化合物層22a、22b、22cは、所定の有機化合物からなる単層あるいは複数層からなる積層体である。尚、有機化合物層22a、22b、22cには、少なくとも、赤色、緑色、青色等のうちいずれか一色の光を出力させるための発光層(不図示)を有している。
電荷注入・輸送層23は、第二電極24から注入される正孔又は電子を有機化合物層22に注入・輸送するために設けられる。尚、図1の有機EL表示装置1では、電荷注入・輸送層23は、各副画素(20a、20b、20c)に共通する層として設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、電荷注入・輸送層23は、副画素ごとに個別に設けてもよい。
図1の有機EL表示装置1では、第二電極24(上部電極)は、電荷注入・輸送層23と同様に各副画素(20a、20b、20c)に共通する層として設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、第二電極24は、副画素ごとに個別に設けてもよい。
[有機EL表示装置の製造方法]
次に、本発明にかかる図1の有機EL表示装置の製造方法を具体例として、互いに異なる色を表示する3種類の副画素を備える、有機EL表示装置の製造方法について説明する。
上述したように、本発明の有機EL表示装置の製造方法は、少なくとも下記に示す工程(A)乃至(D)を有している。
(A)第一電極上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程
(B)有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程
(C)剥離層と有機化合物層とを、それぞれ所望のパターン形状に加工する加工工程
(D)剥離層を極性溶媒にて除去する剥離層の除去工程
図2は、図1の有機EL表示装置の製造プロセスの一例を示す断面概略図である。また図2は、本発明の有機EL表示装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図でもある。図1の有機EL表示装置を製造する際には、例えば、以下の工程により有機EL表示装置を製造する。
(1)第一電極の形成工程(図2(a))
(2)有機化合物層の形成工程(図2(b))
(3)剥離層の形成工程(図2(c))
(4)感光性樹脂層の形成工程(図2(d))
(5)感光性樹脂層の加工工程(図2(e))
(6)剥離層の加工工程(図2(f))
(7)有機化合物層の加工工程(図2(g))
(8)感光性樹脂層の除去工程(図2(l))
(9)剥離層の除去工程(図2(m))
(10)電荷注入・輸送層の形成工程(図2(n))
(11)第二電極の形成工程(図2(o))
ただし、上記(1)乃至(11)の工程はあくまでも一具体例であり、本発明は、この態様に限定されるものではない。尚、図1の有機EL表示装置1は、発光色が異なる3種類の副画素20a、20b、20cをそれぞれ作製する必要があるため、(1)の工程を行った後は、(8)の工程を行う前に、(2)乃至(7)の工程を合計で3回行う必要がある。例えば、ます第一副画素20aに含まれる有機化合物層22aを(2)乃至(7)の工程で形成する(図2(g))。そして、第二副画素20bに含まれる有機化合物層22bを(2)乃至(7)の工程で形成した後(図2(h)〜図2(i))、第二副画素20bに含まれる有機化合物層22bを(2)乃至(7)の工程で形成する(図2(j)〜図2(k))。
次に、上記(1)乃至(11)の工程についてそれぞれ具体的に説明する。
(第一電極の形成工程)
まず支持基板10上に第一電極21a、21b、21cを形成する。支持基板10は、ガラス基板等の公知の基板を選択することができる。第一電極21a、21b、21cは、公知の電極材料からなる電極層であり、光の取り出し方向に対応してその構成材料を適宜選択する。トップエミッション型の有機EL表示装置を作製する場合は、第一電極21a、21b、21cを反射電極とし、後述する第二電極24を光透過性電極とする。一方、ボトムエミッション型の有機EL表示装置を作製する場合は、第一電極21a、21b、21cを光透過性電極とし、第二電極24を反射電極とする。
反射電極として第一電極21a、21b、21cを形成する場合、第一電極21a、21b、21cの構成材料として、好ましくは、Cr、Al、Ag、Au、Pt等の金属材料である。これら金属材料の中でも反射率が高い材料は、光取り出し効率をより向上させることができるのでより好ましい。反射電極は、例えば、スパッタリング等の公知の方法で上記金属材料の薄膜を成膜し、フォトリソグラフィー等を用いて所望の形状に加工することで、副画素ごとに別個に形成される。尚、これらの金属材料からなる薄膜上には、当該薄膜の保護あるいは仕事関数の調節等の理由により、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する酸化物半導体からなる層をさらに設けてもよい。また、第一電極21a、21b、21cを形成する際には、メタルマスクを使用した蒸着を利用してもよい。メタルマスクを使用した蒸着を行った場合でも、第一電極21a、21b、21cは、副画素ごとに別個に形成される。
光透過性電極として第一電極21a、21b、21cを形成する場合、第一電極21a、21b、21cの構成材料としては、酸化インジウムスズや酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する酸化物半導体が挙げられる。
(有機化合物層の形成工程)
有機化合物層22(22a、22b、22c)は、有機EL表示装置の構成部材であって、少なくとも発光層を含む単層又は複数の層からなる積層体である。有機化合物層22に含まれる発光層以外の層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。ここで発光層に接する層は、電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)であってもよいし、電荷ブロック層(電子ブロック層、正孔ブロック層)であってもよい。
また第一電極21に対する有機化合物層22の具体的構成については、第一電極21が有機化合物層22へ向けて注入するキャリアの種類に応じて適宜設定すればよい。即ち、第一電極21から正孔が注入される場合では、第一電極21側に正孔を注入・輸送する層(正孔注入層、正孔輸送層)が設けられる一方で、第二電極24側に電子を注入・輸送する層(電子注入層、電子輸送層)が設けられる。反対に、第一電極21から電子が注入される場合では、第一電極21側に電子を注入・輸送する層(電子注入層、電子輸送層)が設けられる一方で、第二電極24側に正孔を注入・輸送する層(正孔注入層、正孔輸送層)が設けられる。
尚、有機化合物層22は、発光効率の観点からアモルファス膜であることが好ましい。また光学干渉効果を得られるように、発光波長によって、各有機層の膜厚を適切に設計することが好ましい。
正孔注入層あるいは正孔輸送層又はその両方を設ける場合、正孔注入層、正孔輸送層の構成材料である正孔注入・輸送性材料は、特に限定されるものではないが少なくとも発光層の構成材料よりも仕事関数が小さく正孔輸送性が高い材料を用いることが好ましい。また正孔注入層、正孔輸送層は、正孔を輸送する機能に加えて、発光層から流れ込む電子をブロックする機能を付加させてもよい。また正孔注入層や正孔輸送層とは別に、発光層から流れ込む電子をブロックする機能を有する層(電子ブロック層)を正孔輸送層(あるいは正孔注入層)と発光層との間に挿入してもよい。
発光層に含まれる各色(赤色/緑色/青色)の有機発光材料として、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、縮合多環炭化水素化合物、複素環式芳香族化合物、複素環式縮合多環化合物、有機金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体あるいは複合オリゴ体を使用することができる。ただし本発明においては、上記材料に限定されるものではない。
尚、図1の有機EL装置を製造する際に、下部電極21a、21b、21cにそれぞれ設けられる3種類の有機化合物層22a、22b、22cに含まれる発光層の発光色は、それぞれ青色、赤色、緑色と異なっている。また発光色の組み合わせは特に限定されない。
正孔ブロック層の構成材料としては、発光層から陰極方向へ正孔が漏れるのを防止するためのエネルギー障壁を有し、かつ電子輸送性を有する材料であれば特に限定されるものではない。
本発明において、有機化合物層の形成工程にて形成される有機化合物層22の最上層は、剥離層(特に、剥離層の最下層)よりも極性溶媒に対して溶解度が低い材料からなる層とするのが好ましい。ここで有機化合物層22の最上層とは、発光層、正孔ブロック層、電子ブロック層、電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)又は電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)である。また極性溶媒に対して溶解度が低い材料とは、具体的には、縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を有する化合物を除く。)である。
ここで縮合多環炭化水素化合物とは、炭化水素のみで構成された環状不飽和有機化合物である。より具体的には、少なくともベンゼン環等の芳香環の1辺が縮合されてなる縮合環を含む化合物である。縮合多環炭化水素化合物として、具体的には、ナフタレン、フルオレン、フルオランテン、クリセン、アントラセン、テトラセン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレン等が挙げられる。
ただし、上記の縮合多環炭化水素化合物は、そのままでは熱安定性が低いため、有機化合物層の構成材料としては利用しづらい。従って、これらの縮合多環炭化水素化合物に置換基が付加された化合物が有機化合物層の構成材料として使用される。
ここで有機化合物層の、特に、その最上層の構成材料である化合物として、好ましくは、上記の縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を有する化合物を除く。)が単結合により複数結合されてなる有機化合物である。尚、この有機化合物には、主骨格である縮合多環炭化水素化合物にメチル基、エチル基等のアルキル基が適宜置換されている化合物も含まれる。尚、この有機化合物には、主骨格中あるいは置換基中にヘテロ原子(N、O等)を有する化合物は含まれない。
上記縮合多環炭化水素化合物からなる層は電荷輸送性を有する。尚、上記芳香族炭化水素化合物からなる層の成膜方法としては、真空蒸着法、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等の既存の方法を用いることが可能である。有機EL表示装置の発光特性を考慮すると、成膜方法は真空蒸着法がより好ましい。
(剥離層の形成工程)
有機化合物層22上に設けられる剥離層30は、単一の層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。本発明では、剥離層30が単一の層からなる場合、この層は極性溶媒に可溶な材料からなる蒸着膜である。また剥離層30が複数の層からなる積層体である場合、当該積層体を構成する層のうち少なくとも最下層は、真空蒸着法によって成膜される低分子材料からなる層である。より具体的には、剥離層30の最下層は、極性溶媒に可溶な材料からなる蒸着膜である。ところで前の工程(有機化合物層の形成工程)において、有機化合物層の最上層は極性溶媒に対して溶解度が低い材料、具体的には、上述した縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を有する化合物を除く。)で構成されている。このため有機化合物層上に設けられる剥離層において、その最下層を、極性溶媒に可溶な材料からなり蒸着法により形成される層とする。こうすることで、剥離層を除去する際に極性溶媒を使用すれば、剥離層30を選択的に除去することが可能となる。尚、ここでいう極性溶媒とは、1種類の極性溶媒からなる溶媒や複数種類の極性溶媒を混合して得られる混合溶媒をいい、極性溶媒と無極性溶媒(トルエンやベンゼン等)とを混合して得られる混合溶媒は含まれない。剥離層を除去する液に無極性溶媒が含まれていると、この無極性溶媒が有機化合物層の構成材料を溶解する可能性が高いからである。また、本発明において剥離層30は、アモルファス膜であることが好ましい。
ここで剥離層30(又は少なくともその最下層)を、真空蒸着法によって形成される蒸着膜とする理由について説明する。真空蒸着法によって形成される蒸着膜は、少なくとも一度気体状態を経て固化した膜である。ここで気体状態の材料が有機化合物層22の表面に接触する際に有機化合物層22が受けるダメージは比較的小さいため、真空蒸着法による成膜は、有機化合物層22にダメージを与えることが少ない成膜方法であるといえる。また真空蒸着法は昇華性の高い化合物に対して適用される薄膜形成方法であるので、真空蒸着法にて成膜される材料は、自ずと真空状態で気化可能な低分子化合物に限定される。また蒸着膜に含まれる化合物の分子量は高分子材料と比較して小さいため、蒸着膜を構成する分子同士の相互作用(分子間力)が弱く、また有機化合物層22への吸着力も弱い。さらにアモルファス状態で形成された蒸着膜中の分子の状態、例えば、分子同士の配向はランダムである。このため、固体状態や結晶状態と比べると分子間距離は大きくなっており、分子がばらけて溶媒分子が入りやすい状態、即ち、溶けやすい状態になっている。よって、剥離層30として真空蒸着法によって形成された(有機化合物の)蒸着膜を形成すれば、極性溶媒との接触により剥離層30を容易に除去することが可能となる。
本工程(剥離層の形成工程)で用いられる極性溶媒として、具体的には、水、ヘテロ原子(N、O、S等)を有する有機化合物、水とヘテロ原子(N、O、S等)を有する有機化合物とを混合してなる混合溶媒が挙げられる。
ここで、極性溶媒として列挙された溶媒又は混合溶媒に含まれる分子にはヘテロ原子が必ず含まれており、このヘテロ原子が極性溶媒に含まれる分子の極性部位として機能する。そしてこの極性部位が剥離層の構成材料に含まれる極性部位と相互作用が起こすことで、剥離層の構成材料がこの極性溶媒に溶解される。またこの極性部位同士の相互作用は、種々の化合物の極性溶媒に対する溶解度に影響を与えている。以上を考慮すると、剥離層30の構成材料として用いられる化合物の構造を考慮しながら極性溶媒を適宜選択することで、極性溶媒に対しする有機化合物層の最上層よりも剥離層の最下層の溶解性を高めることが可能である。
上記極性溶媒に溶解する化合物として、極性部位(ヘテロ原子)を有する化合物や、m−ターフェニル基を有する化合物が挙げられる。ここで極性部位を有する化合物として、具体的には、複素環式化合物や、電子供与性又は電子吸引性の置換基を有する有機化合物がある。
(1)複素環式化合物
本発明では、剥離層30の構成材料として、複素環式化合物を使用してもよい。ここでいう複素環式化合物とは、例えば、ピリジン、ビピリジン、トリアジン、フェナントロリン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等の複素環化合物を基本骨格として含んでいる化合物群である。尚、キノリンを基本骨格として含んでいる場合は、キノリナート錯体であってもよい。この複素環式化合物の化合物群に含まれる化合物としては、例えば、下記に示される化合物A1乃至A7がある。
Figure 0005995477
(2)m−ターフェニル基を有する化合物群
本発明では、剥離層30の構成材料として、m−ターフェニル基を有する化合物を使用してもよい。またガラス転移温度等の熱的安定性の観点から、m−ターフェニル基を有する化合物と上記複素環式化合物と共蒸着して剥離層30を形成するのが好ましい。このm−ターフェニル基を有する化合物としては、例えば、下記に示される化合物B1乃至B5がある。
Figure 0005995477
(3)電子吸引性基を有する化合物群
本発明では、剥離層30の構成材料として、電子吸引性基を有する化合物を使用してもよい。この電子吸引性基を有する化合物としては、例えば、下記に示される化合物C1乃至C5がある。
Figure 0005995477
(4)有機酸部位・有機酸誘導体部位を有する化合物群
本発明では、剥離層30の構成材料として、有機酸やエステル等の有機酸の誘導体を置換基として有する化合物を使用してもよい。有機酸部位・有機酸誘導体部位を有する化合物としては、例えば、下記に示される化合物D1乃至D9がある。
Figure 0005995477
上述した4種類の化合物群は、1種類を単独で使用してもよいが、極性溶媒に対する溶解性向上の観点から2種類以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
複素環式化合物では、炭素以外のヘテロ元素(N、O、S等)に電荷が極在化する。例えば、環内に窒素原子を有するピリジンは、当該窒素原子上にマイナスの電荷が局在化することで分子全体として極性を生じている。ここで水酸基(−OH)等のプラスの電荷が局在化する水素原子を含む極性溶媒が介在すると、複素環式化合物が有するマイナスの電荷が局在化する部位(N原子)と、極性溶媒分子に含まれるプラスの電荷が局在化する水素原子との間で水素結合が形成される。このように水素結合が形成されると、当該複素環式化合物は極性溶媒中に溶解する又は溶解し易くなる。
同様に、少なくともヘテロ原子(N,O、S等)を含むことで極性が生じている化合物は、縮合多環炭化水素化合物と比べて、極性溶媒に対する溶解性が向上する。
例えば、芳香族環に電子吸引性基又は電子供与性基が導入された化合物では、π電子の偏りが生じ分極が生じる。ここで電子吸引基の置換基を導入した場合では、この置換基上にマイナスの電荷が局在化することで極性が生じ、電子供与基の置換基を導入した場合では、この置換基上にプラスの電荷が局在化することで極性が生じる。この極性の発生によって極性溶媒の溶媒分子との相互作用が可能になるので極性溶媒に対する溶解性が向上する。また分子構造中に有機酸や有機酸誘導体(エステル等)が含まれている場合でも極性溶媒に対する溶解性を向上させることができる。
以上のように、ヘテロ原子を含むことで極性が生じている置換基として、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、エノール、炭酸エステル、硫酸エステル、ボロン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。これら置換基を有することで、プロトン部の酸性度に応じた酸塩基反応、水素結合、極性部位どうしの相互作用、あるいは水和等が起こり極性溶媒に溶解する。また芳香族環に上述した官能基が置換されると電子吸引基としても働く。
一方、縮合環を持たない芳香族炭化水素化合物、具体的には、単結合によりベンゼン環同士が連結されている化合物は、分子自体の大きさが縮合多環炭化水素化合物と比較して小さいために、縮合多環炭化水素化合物に比べて極性溶媒に対する溶解性が向上する。特にm−ターフェニル構造を有する分子は、たがいに配向しにくい構造なため、結晶化しにくい構造である。このため、極性溶媒に対する溶解度はより大きくなる。
反対に、縮合多環炭化水素化合物は、環上のπ電子偏りが極めて小さく、極性溶媒の溶媒分子と相互作用可能な部位がない上、一つのユニット(基本骨格)として大きいことから、極性溶媒への溶解性は極端に悪くなる。従って、このような材料を有機化合物層の最上層に使用すると剥離層除去のための極性溶媒から他の有機化合物層を保護することができる。
ここで有機化合物層の構成材料と剥離層の構成材料との極性溶媒に対する溶解度の差について説明する。具体例として、有機化合物層の構成材料として使用される縮合多環炭化水素を有する化合物である下記化合物1と、剥離層の構成材料として使用される下記化合物A2とのエッチングレートについて説明する。
Figure 0005995477
本発明では、エッチングレートが大きいということは溶解速度が速いことを意味する。そして、エッチングレートが大きいということは、対象材料を有する層の溶剤(極性溶媒)への溶解度が高いことを意味する。
図3は、化合物1と化合物A2とにおけるエッチング時間に対する膜厚変化を示すグラフである。ここで図3は、極性溶媒として、イソプロピルアルコール(IPA)が60重量%となるように、IPAと水とを混合して調製した混合溶媒(以下、IPA/水混合溶剤と呼ぶことがある。)を用いた場合の各層のエッチングの結果を示している。
図3より、縮合多環炭化水素化合物である化合物1からなる層(A層)は、エッチング時間を長くしても膜厚がほとんど減少しない。一方、複素環式化合物である化合物A2からなる層(B層)は、時間を追うごとに膜厚が減少している。エッチング条件を同じにした上で各層のエッチングレートを算出すると、A層では0.008nm/secであるのに対して、B層では0.87nm/secであり、その比は約100倍である。
ここで、同じ温度条件下における、有機化合物層の最上層(A層)と剥離層の最下層(B層)との、剥離層の除去に用いる極性溶媒によるエッチングレートの比(n)は、下記式のように示すことができる。
Figure 0005995477
本発明において、nは、少なくとも1より大きいことが必要である。nは、好ましくは、10よりも大きい(n>10)。ここで上述の化合物1を有機化合物層の最上層の構成材料に、化合物A2を剥離層の最下層の構成材料にそれぞれ用いた場合、nは、約100になる。このように、極性溶媒への溶解性を考慮して、有機化合物層の最上層の構成材料と剥離層の最下層の構成材料とをそれぞれ選択すると、両層のエッチングレート比(溶解度の比)を大きくすることができるので、極性溶媒を用いて剥離層の選択的な除去が可能となる。
上述したIPA/水混合溶剤においては、各層の構成材料となる化合物の溶解度は、混合溶剤に含まれるIPAの重量比によって変化する。図4は、化合物1(縮合多環炭化水素化合物)と化合物A2(複素環式化合物)とのIPA/水混合溶剤(極性溶媒)に対する溶解度を示したグラフである。ここで図4のグラフにおいて、横軸は、IPA/水混合溶剤中のIPAの重量パーセント濃度である。縦軸は、溶媒1グラム中に溶解する縮合多環炭化水素化合物又は複素環式化合物の量である。図4より、化合物1(縮合多環炭化水素化合物)は、IPAが80重量%のIPA/水混合溶剤1gに対する溶解量が5μgである一方で、化合物A2(複素環式化合物)は、溶解量が73μgである。
また図4のグラフは、下記(a)及び(b)を証明するグラフでもある。
(a)IPA/水混合溶剤中のIPAの濃度が濃すぎると、剥離層の構成材料と有機化合物層の構成材料とが共にIPA/水混合溶剤に対する溶解速度が速すぎて、結果としてエッチングレート比(n)が1に近い状況になること
(b)(a)の場合において、水を添加してIPAの濃度を相対的に薄くすることで各々の溶解速度を低下させつつエッチングレート比(n)を大きくすることが可能であること
以上のように、極性部位の相互作用、水素結合、分子の大きさなど極性溶媒への溶解度を支配する因子を踏まえて剥離層30の構成材料を選定する。こうすることで、剥離層30の極性溶媒に対する溶解度を、隣接する有機化合物層を構成する層のいずれに対しても大きくできる。ただし、水以外の極性溶媒では、その種類・濃度によっては溶解度の差が大差にはならず、エッチングレート比が1に近づく可能性がある。
係る場合では、極性溶媒として、水と混合した溶媒を用いるのが好ましい。具体的には、有機化合物層に対して剥離層のエッチングレートがより大きくなるように水の含有量を適宜調節することが好ましい。よりこのましくは、有機化合物層中の最上層に位置する層と剥離層のエッチングレート比(n)が10を超えるように水の含有量を適宜調節することである。これによってより選択的に剥離層の除去が可能になり、有機EL表示装置の特性低下を防ぐことができる。
(剥離層の加工工程)
本発明において、剥離層30を所望の形状にパターニング(加工)する手段として、フォトリソグラフィー法を好適に利用することができる。以下、フォトリソグラフィー法を利用した剥離層の加工プロセスについて説明する。
(i)感光性樹脂層の形成・加工工程
フォトリソグラフィー法を利用する場合では、まず剥離層30上に感光性樹脂層40を設ける必要がある。感光性樹脂層40の構成材料である感光性樹脂は、公知の材料を使用することができる。また感光性樹脂層40の成膜方法としては、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等、既存の方法を用いることができる。状況によっては蒸着法を利用することができる。
感光性樹脂層40を形成した後、感光性樹脂層40の加工を行う。ここで感光性樹脂層40の加工工程は、感光性樹脂層への露光(露光工程)と感光性樹脂層の現像(現像工程)と、に分かれる。
ここで露光工程は、既存の光照射装置を用いることができる。尚、露光装置はパターンの精細度に合ったものを用いればよい。またこの露光工程を行う際には、露光する領域に開口を有するフォトマスク50を使用する。尚、フォトマスク50としては、光透過性のベース基板上に、Cr薄膜からなり形成パターンに応じた遮光領域を有する一般的なフォトマスクを使用することができる。一方、この露光工程において感光性樹脂層40に照射する光として、紫外光や可視光を利用することができる。
ところで、露光工程を行う際には、感光性樹脂層40の構成材料である感光性樹脂の性質を考慮して感光性樹脂層40の露光領域を決めるのが望ましい。具体的には、ポジ型の感光性樹脂を使用する場合は、次の現像工程で感光性樹脂層40を除去したい領域を露光領域とする。一方、ネガ型の感光性樹脂を使用する場合は、次の現像工程を行ったときに感光性樹脂層40を残したい領域を露光領域とする。ここで図2(e)は、ポジ型の感光性樹脂を使用する場合を示している。図2(e)において、感光性樹脂層40のうち紫外光51に照射されている領域42は、次の現像工程で除去される。一方、フォトマスク50によって紫外光が遮られている領域41は、後の剥離層の加工工程や有機化合物層の加工工程において、所定の領域(第一副画素20)に設けられている有機化合物層22aを保護する役割を果たす。
現像工程を行う際には、感光性樹脂層40の構成材料である感光性樹脂に適した現像液を用いればよい。
(ii)剥離層の加工工程
次に、剥離層30のうち感光性樹脂40に被覆されていない領域を選択的に除去することで剥離層30の加工を行う。剥離層30の選択的な除去方法は特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の薄膜加工方法を用いることができる。ただし、溶媒によるサイドエッチングの影響が他よりも小さいドライエッチングが、パターン精度の低下を抑制できるため好ましい。
以上の説明では、剥離層30の加工手段として、フォトレジストを用いたフォトリソプロセスを利用しているが、剥離層30の加工方法はこれに限定されるものではない。例えば、インクジェット方式、印刷、レーザー加工等を利用して、剥離層を所望の形状にパターニングしても構わない。この場合は、フォトレジストの形成プロセスを省略して、所望の形状にパターニングされた剥離層を形成することができる。このため、剥離層30を、次の工程(有機化合物層の加工工程)において、有機化合物層を加工する際のエッチングマスクとして利用するとよい。尚、剥離層30をエッチングマスクとして利用する際には、剥離層30の膜厚は、少なくとも有機化合物層よりも厚くするのが好ましい。
(有機化合物層の加工工程)
次に、有機化合物層22のうち剥離層30に被覆されていない領域にある有機化合物層22を選択的に除去する。有機化合物層22の加工方法は特に限定されるものではなく、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の方法を用いることができる。ただし、溶媒によるサイドエッチングの懸念がないドライエッチングが好ましい。ここでは、剥離層30の加工工程と、有機化合物層22の加工工程と、を別々に分けて記載したが、両工程を一括して行っても構わない。
以上のプロセスにより、有機化合物層を所定の副画素にのみ選択的に設けられるように形成することができる。また以上に説明した有機化合物層の形成工程から有機化合物層の加工工程までを副画素の種類の数だけ繰り返し行うことにより、各副画素において、その副画素にのみ所望の有機化合物層を選択的に形成することができる。
(感光性樹脂層の除去工程)
本発明の製造方法では、有機化合物層22の加工を行った後、有機化合物層22の上に積層されている剥離層30、感光性樹脂層41をそれぞれ除去する。
感光性樹脂層40を除去する場合は、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の方法を用いることができる。本発明においては、パターン精度の低下を抑制できるため、溶媒によるサイドエッチングの懸念がないドライエッチングが好ましい。
(剥離層の除去工程)
剥離層30は、極性溶媒を用いて除去される。剥離層30は、有機化合物層(22a、22b、22c)のパターニングが完了し、また剥離層30より上の層が除去された後で、除去するのが特に好ましい。プロセス中に、剥離層30より上に形成されるフォトレジスト等の層や、フォトレジストの現像液や剥離液等に含まれる不純物が、有機化合物層に混入し、素子特性が低下するのを回避できるからである。また、この溶剤は水が含まれている溶剤であることがより好ましい。尚、この溶剤に含まれている極性溶媒は、1種類でもよいし、複数種類を混合したものであってもよい。
ここで極性溶媒とは、極性を有する有機溶媒をいう。例えば、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、エステル類、ピリジン類、エーテル類等が挙げられる。ただし、後述の工程で溶媒を揮発させて除去する必要があるので、少なくとも、有機化合物層22に含まれる有機化合物の分解温度やガラス転位温度よりも沸点が低い溶媒を選択することが好ましい。例えば、アルコール類の場合では、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が好適に使用することができる。
剥離層30を除去することにより、有機化合物層22の最上層が露出する。このとき有機化合物層22の最上層の構成材料が縮合多環炭化水素化合物であるため、有機化合物層22の最上層のエッチングレートが剥離層30と比較して遅い。このため、この剥離層の除去工程では有機化合物層22の最上層はほとんど溶解されることはなく、有機化合物層22の端部をほとんど損傷させずに剥離層30を選択的に除去することができる。またこの工程では、有機化合物層の最上層がほとんど溶解されることなく、有機化合物層がそのまま残る。このため、より厳密に有機化合物層22の膜厚を管理することができる。特に、キャビティ効果で発光色を制御する際には膜厚が重要である。このため、膜厚管理がより厳密にできることは表示装置内、あるいは表示装置間の特性ばらつきを低減し、歩留まり向上が可能である。
剥離層30を除去した後は、有機化合物層22が設けられている支持基板10を加熱して支持基板10上あるいは有機化合物層22上に残存する溶剤を除去することが好ましい。より好ましくは、真空条件下80℃程度で支持基板10を加熱する。このように、支持基板10を加熱して溶媒を除去することにより、当該溶媒の影響を受けない状態で次の工程において電荷注入層又は電荷輸送層を形成することができる。尚、次の工程を行う前に、事前に支持基板10を真空加熱してもよい。この真空加熱によっても大気中の水、酸素や異物の付着等の影響を低減させることができる。
(電荷注入・輸送層の形成工程)
剥離層30を除去した後、有機化合物層22上に、電荷注入・輸送層23を形成する。尚、この電荷注入・輸送層23は、各副画素に共通する層として形成するのが好ましい。また、本発明の製造方法は、電荷注入層として、アルカリ金属成分あるいはアルカリ土類金属成分を含む層を形成する際に好適な方法である。
電荷注入・輸送層23として電子注入層を形成する場合、電子注入層の構成材料である電子注入材料は仕事関数の高いものがよい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、電子輸送材料にアルカリ金属をドープしたもの、アルカリ金属化合物(酸化物、炭酸塩、ハロゲン化塩)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、炭酸塩、ハロゲン化塩)等が挙げられる。ここで、アルカリ金属として、具体的には、セシウム、カリウム、リチウム等を挙げることができる。またアルカリ土類金属として、具体的には、カルシウム、バリウム等が挙げられる。
一方、電荷注入・輸送層23として正孔注入層を形成する場合、正孔注入層の構成材料である正孔注入材料は、仕事関数が小さい有機化合物、仕事関数の非常に深い電子吸引性の材料等が好適に挙げることができる。仕事関数の小さい有機化合物としては、アリールアミン化合物、フタロシアニン等を挙げることができる。また仕事関数が深い電子吸引性の材料としては、F4−TCNQ、アザトリフェニレン化合物(PPDN、ヘキサシアノ−ヘキサアザトリフェニレン等)、酸化モリブデン、酸化タングステン等を挙げることができる。
(第二電極の形成工程)
トップエミッション型の有機EL表示装置を作製する場合、上部電極に相当する第二電極24は、透明導電材料からなる透明電極とする。光透過性を有する透明導電材料は、光の透過率の高い材料が好ましい。例えば、ITO、酸化インジウム亜鉛、ZnO等の透明導電材料や、ポリアセチレン等の有機導電材料が挙げられる。尚、Ag、Al等の金属材料を10nm〜30nm程度に形成した半透過膜を第二電極24としてもよい。ここでITO、酸化インジウム亜鉛、ZnO等の透明導電材料で光透過性の電極を形成する場合、低消費電力化を目的として、電極として用いるのに必要な低抵抗特性と、光の取り出し効率を高めるのに必要な高透過率特性と、の両方を満足する組成が好ましい。光透過性の電極になる薄膜は、スパッタリング等の公知の方法で成膜することができる。上述した低抵抗特性と高透過率特性とを兼ね備える透明導電膜を作製する場合は、成膜装置の容量、ターゲット、装置内の圧力、成膜時の出力電圧を適宜調整する必要がある。尚、第二電極24は、トランジスタ(不図示)等のスイッチング素子に電気接続されている。以上に説明したように、本発明の製造方法は、高精細メタルマスクを使わない製造方法である。このため、ピクセルサイズが10μm程度と高精細であり、第5世代以降といった支持基板サイズの大きい有機EL表示装置の製造を実現することができる。
[有機EL表示装置の駆動方法]
本発明の製造方法で製造された有機EL表示装置は、各副画素(20a、20b、20c)が有する第一電極21と第二電極24との間に電圧を印加することによって駆動することができる。ここで電圧を印加する場合は、例えば、トランジスタを介して各電極と電気接続される電源手段(不図示)を使用する。
[第二の実施形態]
図5は、本発明の有機EL表示装置の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。ここで第二の実施形態は、第一の実施形態と比較して、剥離層30の形成工程の後、この剥離層30上に保護層60が形成されている点で相違する(図5(a))。以下、第一の実施形態との相違点を中心に第二の実施形態について説明する。
(保護層の形成工程)
本発明の製造方法においては、剥離層30の形成工程の後、図5(a)に示されるように、この剥離層30上に保護層60を形成してもよい。ここで剥離層30上に形成する保護層60は、水や有機溶媒に対して不溶の膜であり、防湿性、ガスバリア性を有する膜であることが好ましい。ここで保護層60は、フォトリソグラフィー時に照射される光を吸収する特性があることがより好ましい。本発明の製造方法において形成される保護層60としては、窒化珪素(SiN)を主材料とする無機化合物の薄膜層であることが好ましい。
ところで、剥離層30上に保護層60を形成することにより、次の工程で感光性樹脂40を形成する際に使用される溶媒が剥離層30を浸透して有機化合物層22に接することがなくなる。よって、感光性樹脂層40を溶解する溶媒を選択するにあたって、有機化合物層22を溶解しない溶媒を必ず選択する等の制約がなくなり、より安価な材料を選択することもできる。
(保護層の加工工程)
感光性樹脂層40と剥離層30との間に保護層60が設けられている場合は、剥離層30の加工を行う前に、保護層60の加工を行う必要がある。ここで保護層60の加工とは、具体的には、保護層60のうち感光性樹脂層41(露光工程において露光されなかった感光性樹脂)に被覆されていない領域を選択的に除去することである(図5(b))。保護層60の選択的な除去方法は特に限定されるものではないが、公知の技術、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングを利用することができる。例えば、保護層60の構成材料がSiNの場合では、CF4を反応ガスとしたドライエッチングが利用可能である。
(保護層の除去工程等)
以上に説明した保護層60の加工工程を行った後、第一の実施形態と同様に、剥離層30及び有機化合物層22aの加工を行う(図5(c))。尚、有機化合物層22aの加工を行う際に、感光性樹脂層41が一緒に除去されてもよい。
この後、有機化合物層(22b、22c)の形成から有機化合物層の加工までの工程を各副画素において行い(図5(d))、保護層60及び剥離層30を除去する(図5(e))。本実施形態のように、剥離層30と感光性樹脂層40との間に保護層60を設けた場合は、感光性樹脂層40を除去した後に、上述した保護層の加工工程の際に利用した方法(ドライエッチング、ウェットエッチング等)で保護層60を除去する。その後、極性溶媒を用いて剥離層30を除去する。尚、エッチングによる保護層60の除去工程を省略して、極性溶媒を用いて剥離層30を選択的に除去することにより、保護層60を剥離層30と共に除去する方法を採用してもよい。
[第三の実施形態]
図6は、本発明の有機EL表示装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面模式図である。ここで第三の実施形態は、第二の実施形態と比較して、保護層60が複数の層(第一保護層61、第二保護層62)で形成されている点で相違する(図6(a))。以下、第二の実施形態との相違点を中心に第三の実施形態について説明する。
(保護層の形成工程)
図5(a)や図6(a)に示されるように、保護層60は、単一の層であってもよいし複数の層であってもよい。保護層が二つの層からなる積層体である場合、先に形成される第一保護層61は水溶性材料で形成することが好ましい。そして第一保護層61の次に形成される第二保護層62は、窒化珪素等の水や有機溶媒に対して不溶の材料を主材料とする無機化合物の膜であることが好ましい。
第一保護層61の構成材料である水溶性材料としては、公知の材料の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、等が挙げられる。また第一保護層を形成する際には、公知のスピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等の、既存の方法を用いることができる。ここで有機化合物層22は水に溶解しない材料からなる層であるため、第一保護層61を形成する際に有機化合物層22が溶媒でエッチングされることがない。また、保護層60の膜厚を厚く形成することにより、感光性樹脂層40の溶媒で有機化合物層22が溶解したり、有機化合物層22の膜厚が減少したり、発光材料が溶出したりする等の影響をより軽減することができる。
(保護層の加工工程)
また保護層60が複数の層で構成される場合は、各保護層についてそれぞれ加工を行う必要がある。例えば、保護層60が、水溶性高分子からなる第一保護層61と、SiNからなる第二保護層62と、が基板10側からこの順で積層してなる積層体である場合、以下に示す方法で各保護層の加工を行う。まず上層である第二保護層について、CF4を反応ガスとしたドライエッチングを行い(図6(b))、次いで、下層である第一保護層について、CF4を反応ガスとしたドライエッチングを行う(図6(c))。
(保護層の除去工程等)
以上に説明した保護層60の加工工程を行った後、第二の実施形態と同様にして、剥離層30及び有機化合物層22aの加工を行う(図6(d))。尚、有機化合物層22aの加工を行う際に、感光性樹脂層41の除去も併せて行ってもよい。
この後、有機化合物層(22b、22c)の形成から有機化合物層の加工までの工程を各副画素において行い(図6(e))、保護層60及び剥離層を除去する(図6(f))。本実施形態のように、剥離層30と感光性樹脂層40との間に保護層60を設けた場合は、感光性樹脂層40を除去した後に、上述した保護層の加工工程の際に利用した方法(ドライエッチング、ウェットエッチング等)で保護層60を除去する。その後、極性溶媒を用いて剥離層30を除去する。尚、剥離層30を除去するにあたっては、エッチングによる保護層60の除去工程を省略して、極性溶媒を用いた剥離層30の選択的除去プロセスを利用してもよい。これにより、保護層60を剥離層30と共に除去することができる。また他の方法としては、感光性樹脂層40を除去していない状態で第一保護層61を水に接触させて第一保護層61の構成材料を選択的に溶解し、第一保護層61の上に形成された第二保護層62、感光性樹脂層40を一緒に除去する。この後、極性溶媒を用いて剥離層30を除去してもよい。上述した方法以外の方法としては、感光性樹脂層40及び保護層60を除去していない状態で極性溶媒を用いて剥離層30を除去する方法もある。これにより剥離層30より上方にある層を、剥離層30と共に除去することができる。
[電子機器]
以上、説明したように、本発明の製造方法にて形成された有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命、精細度に優れるため、様々な電子機器の表示部として用いることができる。電子機器としては、デジタルカメラ、携帯情報端末等の携帯機器や、パーソナルコンピュータ、テレビ、各種プリンタ等が挙げられる。
電子機器の一例として、デジタルカメラについて説明する。図7は、デジタルカメラシステムの一例を示すブロック図である。図7のデジタルカメラシステム7は、撮像部71、映像信号処理回路72、表示装置73、メモリ74、CPU75及び操作部76を備えている。図7のデジタルカメラシステム7を構成する表示装置73は、本発明の製造方法を利用して製造された有機EL表示装置が用いられる。ここで撮像部71を用いて撮像した映像やメモリ74に記録された映像情報は、CPU75から送信される制御信号に応じて映像信号処理回路72にて信号処理して映像信号に変換された後、表示装置73に送信され、映像として表示される。図7のデジタルカメラシステム7に取り付けられるコントローラー(不図示)は、撮像部71、メモリ74、映像信号処理回路72等を制御するCPU75に接続されており、操作部76から出力されCPU75へ入力される制御信号によって状況に適した撮影(撮像)、記録、再生、表示を行う。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。たとえば、発光色からみた副画素の形成順序は青、緑、赤の順に限定されない。たとえば、有機化合物層の構成や膜厚も本実施例に記載の内容に限定されない。たとえば、第一電極から電子が注入される場合はそれに合わせた有機化合物層の積層順序をとればよい。また、以下に説明する実施例を組み合わせる事も、本発明に含まれるものとする。本明細書で特に図示または記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知または公知技術を適用するものとする。
[実施例1]
図1に示される有機EL装置を、図2に示されるプロセスに従って作製した。
(1)第一電極の形成工程
まずスパッタリング法により、支持基板10上に、アルミニウム合金(AlNd)を成膜しAlNd膜(反射電極)を形成した。このときAlNd膜の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により、AlNd膜上にITOを成膜しITO膜を成膜した。このときITO膜の膜厚を10nmとした。尚、上記AlNd膜とITO膜とからなる積層体は、第一電極21として機能する。次に、フォトリソプロセスによる第一電極21のパターニングを行うことにより、第一副画素、第二副画素及び第三副画素をそれぞれ構成する第一電極21a、21b、21cをそれぞれ作製した(図2(a))。
(2)青色有機化合物層の形成工程
パターニングされた第一電極(21a、21b、21c)が形成されている支持基板10上に、青色有機化合物層22aを、真空蒸着法を用いた連続成膜により形成した。まず正孔輸送層を膜厚120nmで形成した後、青発光材料を含む発光層を膜厚30nmで形成した。次に、下記式[1]に示される縮合多環炭化水素化合物を成膜し正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、有機化合物層22a(青色有機化合物層)を形成した(図2(b))。
Figure 0005995477
(3)剥離層の形成工程
次に、真空蒸着法により、下記式[2]に示されるフェナントロリン誘導体を成膜し剥離層30を形成した。このとき剥離層30の膜厚を500nmとした(図2(c))。
Figure 0005995477
(4)感光性樹脂層の形成・加工工程
次に、スピンコート法により、ポジ型のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「AZ1500」)を成膜し感光性樹脂層40を形成した(図2(d))。このとき観光性樹脂層の膜厚は1000nmであった。次に、露光装置(キヤノン製、マスクアライナーMPA600)を使用し、第一副画素20aの領域に設けられる感光性樹脂層41を残すように、フォトマスク50を用いて感光性樹脂層41を遮蔽した状態で紫外光51による露光を行った(図2(e)))。このとき露光時間は40sであった。露光後、現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「312MIF」を水で希釈し濃度を50%としたもの)を用いて1分間現像した。この現像処理により紫外光51に露光された感光性樹脂層42を除去した。
(5)剥離層及び青色有機化合物層の加工工程
次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150W、反応時間2分の条件下で、感光性樹脂層41で被覆されていない剥離層30を除去、パターニングした。こうすることで、第一副画素20aの領域にパターニングされた剥離層30を形成した(図2(f))。さらに同条件のドライエッチングにより、第一副画素20aの領域以外の領域に設けられている青色有機化合物層22aを選択的に除去した。このようにして第一副画素20aの領域に有機化合物層22a(青色有機化合物層)を形成した(図2(g))。
(6)赤色有機化合物層の形成・加工工程
次に、赤色有機化合物層22bを、真空蒸着法を用いた連続成膜により形成した。まず正孔輸送層を膜厚200nmで形成した後、赤発光材料を含む発光層を膜厚30nmで形成した。次に、式[1]の縮合多環炭化水素化合物を成膜し正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、有機化合物層22b(赤色有機化合物層)を形成した。次に、真空蒸着法により、式[2]のフェナントロリン誘導体を成膜し剥離層30を形成した。このとき剥離層30の膜厚を500nmとした。次に、スピンコート法により、工程(4)で使用したポジ型のフォトレジストを成膜し感光性樹脂層40を形成した(図2(h))。このとき感光性樹脂層の膜厚は1000nmであった。次に、(4)と同様の方法で感光性樹脂層40の加工を行った後、(5)と同様の方法で剥離層30及び有機化合物層22bの加工を行うことにより、第二副画素20bの領域に有機化合物層22b(赤色有機化合物層)を形成した(図2(i))。
(7)緑色有機化合物層の形成・加工工程
次に、緑色有機化合物層22cを、真空蒸着法を用いた連続成膜により形成した。まず正孔輸送層を膜厚160nmで形成した後、緑発光材料を含む発光層を膜厚30nmで形成した。次に、式[1]の縮合多環炭化水素化合物を成膜し正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、有機化合物層22c(緑色有機化合物層)を形成した。次に、真空蒸着法により、式[2]のフェナントロリン誘導体を成膜し剥離層30を形成した。このとき剥離層30の膜厚を500nmとした。次に、スピンコート法により、工程(4)で使用したポジ型のフォトレジストを成膜し感光性樹脂層40を形成した(図2(j))。このとき感光性樹脂層の膜厚は1000nmであった。次に、(4)と同様の方法で感光性樹脂層40の加工を行った後、(5)と同様の方法で剥離層30及び有機化合物層22bの加工を行うことにより、第三副画素20cの領域に有機化合物層22cを(緑色有機化合物層)形成した(図2(k))。
(8)感光性樹脂層、剥離層の除去工程
次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150Wの条件下で、ドライエッチングを行い、感光性樹脂層41を除去した(図2(l))。次に、IPA濃度が60重量%となるように、水とIPAとを混合した混合溶媒をもちいて、剥離層30を除去した(図2(m))。尚、本実施例において剥離層30を構成する化合物(式[2]のフェナントロリン誘導体)のエッチングレートは0.9nm/secなので、上記混合溶媒に600秒浸漬して、剥離層30を除去した。次に、80℃で真空加熱して有機化合物層上に残存する溶剤を除去した。尚、本実施例において、式[1]のパラメータの一つである、本実施例で使用した極性溶媒に対する(各副画素に配置された)有機化合物層の最上層のエッチングレートは、約0.0045nm/secであり、剥離層30のエッチングレートよりも十分小さい。
(9)第二電極の作製工程等
次に、式[2]の化合物(化合物A2)を成膜して電荷輸送層(電子輸送層)を形成した。このとき電荷輸送層の膜厚を20nmとした。次に、式[2]の化合物と炭酸セシウム(Cs2CO3)とを共蒸着して電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を20nmとした(図2(n))。
次に、スパッタリングにより、Ag膜を成膜し、半透明の第二電極を形成した(図2(o))。尚、第二電極(Ag膜)の膜厚は16nmであった。
次に、窒素雰囲気下において封止ガラス(不図示)を基板に接着することにより素子劣化を防ぐ構造とした。以上のようにして有機EL表示装置を作製した。
(10)有機EL表示装置の評価
このようにして作製した有機EL表示装置1を、下記(10−1)及び(10−2)に示される有機EL表示装置と比較した。
(10−1)剥離層としてPVPを用いた点を除き、本実施例と同様にフォトリソプロセスを用いて作製した有機EL表示装置
(10−2)高精細メタルマスクを用いてパターン状の各有機化合物層を真空で一貫成膜する点を除き、同様に作製した有機EL表示装置
本実施例で作製された有機EL表示装置は、電流効率及び駆動耐久寿命の点で、上記(10−1)の有機EL表示装置よりも優れ、真空で一貫成膜した素子と同等の値が得られた。これは真空蒸着法によって形成される蒸着膜を剥離層に導入ことで、PVPと比べて剥離層を残渣なく除去することができ、その結果、効率低下や寿命悪化を回避できたものと考えられる。高精細化に関しては、上記(10−2)の有機EL表示装置では画素サイズが100μm角程度が限界であったのに対し、本実施例で作製された有機EL表示装置では、9μm角の画素サイズまで小さくすることができた。
[実施例2]
実施例1において、剥離層30の構成材料として下記化合物A7(エッチングレート:1.6nm/sec)を使用した。また剥離層30の除去の際に、実施例1と同じ混合比のIPA/水混合溶媒による浸漬時間を330秒に設定した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。
Figure 0005995477
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例3]
実施例1において、剥離層30の構成材料として下記化合物B1(エッチングレート:1.3nm/sec)を使用した。また剥離層30の除去の際に、実施例1と同じ混合比のIPA/水混合溶媒による浸漬時間を400秒に設定した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。
Figure 0005995477
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例4]
実施例1において、剥離層30の構成材料として下記化合物C1(エッチングレート:1.5nm/sec)を使用した。また剥離層30の除去の際に、実施例1と同じ混合比のIPA/水混合溶媒による浸漬時間を340秒に設定した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。
Figure 0005995477
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例5]
実施例1において、剥離層30の構成材料として下記化合物D6(エッチングレート:2.5nm/sec)を使用した。また剥離層30の除去の際に、実施例1と同じ混合比のIPA/水混合溶媒による浸漬時間を220秒に設定した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。
Figure 0005995477
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例6]
実施例1において、剥離層30の構成材料として下記化合物D8(エッチングレート:3.0nm/sec)を使用した。また剥離層30の除去の際に、実施例1と同じ混合比のIPA/水混合溶媒による浸漬時間を180秒に設定した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。
Figure 0005995477
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例7]
実施例1において、有機化合物層(22a、22b、22c)を加工する際に実施される剥離層30の形成工程と感光性樹脂層40の形成工程との間に保護層60の形成工程を追加した。また感光性樹脂層40の加工工程と剥離層30の加工工程との間に保護層60の加工工程を追加した。さらに、感光性樹脂層41の除去工程と剥離層30の除去工程との間に保護層60の除去工程を追加した。これらを除いては、実施例1と同様にして有機EL表示装置を製造した。以下、図5を参照しながら、保護層の形成工程、保護層の加工工程及び保護層の除去工程を中心に本実施例における製造プロセスについて説明する。
(1)保護層の形成工程等
まず実施例1と同様の方法により、支持基板10上に剥離層30までを形成した。次に、CVD法により、剥離層30上に、窒化珪素(SiN)を成膜して保護層60を形成した。このとき保護層60の膜厚を1000nmとした。次に、保護層60上に、実施例1と同様の方法で感光性樹脂層40を形成した(図5(a))。
(2)保護層の加工工程
次に、感光性樹脂層40のパターニングを行った後、保護層60を、CF4を反応ガスとし、流量30sccm、出力150w、圧力10Pa、処理時間7分の条件下で、感光性樹脂層41で被覆されていない保護層60を除去した(図5(b))。即ち、本工程により、各副画素の領域に対応して保護層60が設けられるように保護層60を加工した。
(3)有機化合物層の加工工程等
この後、実施例1と同様の方法により、剥離層30及び有機化合物層22aの加工工程を行った(図5(c))。次に、第二副画素20bと、第三副画素20cと、において、それぞれ上記(1)乃至(2)の工程を行うことにより、第二副画素22bと、第三副画素22cと、にそれぞれ設けられる有機化合物層22b、22cの形成・加工を行った(図5(d))。
(4)保護層の除去工程
次に、実施例1と同様の方法により、感光性樹脂層41を除去した後、CF4を反応ガスとし、流量30sccm、出力150w、圧力10Pa、処理時間7分の条件下で保護層60を除去した。次に、実施例1と同様の方法により、剥離層30を除去した(図5(e)))後、実施例1と同様の方法により電荷注入・輸送層23と、第二電極24とをこの順で形成することにより、有機EL表示装置を得た。
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
[実施例8]
本実施例では、実施例7において、保護層の形成工程、保護層60の加工工程及び保護層60の除去工程を、以下に説明する方法に変更したことを除いては、実施例7と同様にして有機EL表示装置を製造した。以下、図6を参照しながら、保護層の形成工程、保護層の加工工程及び保護層の除去工程を中心に説明する。
(1)保護層の形成工程
まず実施例7と同様の方法により、支持基板10上に剥離層30までを形成した。次に、水溶性高分子材料のポリビニルピロリドン(PVP、分子量36万)と水と、をPVPの重量濃度が5重量%になるように混合してPVP水溶液を調製した。次に、調製したPVP水溶液を剥離層30上にスピンコート法により塗布し、乾燥して、第一保護層61を形成した。このとき第一保護層61の膜厚は500nmであった。次に、CVD法により、第一保護層61上に、窒化珪素(SiN)を成膜して第二保護層62を形成した。このとき第二保護層62の膜厚を1000nmとした。次に、保護層60上に、実施例7と同様の方法で感光性樹脂層40を形成した(図6(a))。
(2)保護層の加工工程
感光性樹脂層40が、第一副画素を設ける領域に残るようにパターニングを行った後、実施例7の(2)と同様の条件下で第二保護層62の加工(第二保護層62の選択的除去)を行った(図6(b))。次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150W、5分の条件下で、感光性樹脂層40で被覆されていない第一保護層61を除去した。即ち、本工程により、各副画素の領域に対応して第一保護層61と第二保護層62とからなる保護層60が設けられるように保護層60が加工された(図6(c))。
(3)有機化合物層の加工工程等
感光性樹脂層40及び保護層60をマスクとして、実施例1と同様にして剥離層30及び有機化合物層22aの加工を行った(図6(d))。次に、第二副画素20bと、第三副画素20cと、のそれぞれにおいて、上記(1)乃至(2)の工程を行うことにより、第二副画素22bと、第三副画素22cと、にそれぞれ設けられる有機化合物層22b、22cの形成・加工を行った(図5(e))。
(4)保護層の除去工程
実施例7の(4)と同様にして、感光性樹脂層40を除去した後、第二保護層62の除去を行った。次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150W、5分の条件下で第一保護層61を除去した。次に、実施例7と同様の方法により、剥離層30を除去した(図6(f)))後、実施例7と同様の方法により電荷注入・輸送層23と、第二電極24とをこの順で形成することにより、有機EL表示装置を得た。
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、本実施例の有機EL表示装置は、電流効率、駆動寿命及び精細度において実施例1の有機EL表示装置と同程度であった。
1:有機EL装置、10:支持基板、20a:第一副画素、20b:第二副画素、20c:第三副画素、21(21a、21b、21c):第一電極、22(22a、22b、22c):有機化合物層、23:電荷注入・輸送層、24:第二電極、30:剥離層、40(41、42):感光性樹脂層、50:フォトマスク、51:紫外線、60:保護層、61:第一保護層、62:第二保護層

Claims (5)

  1. 第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、からなる有機EL素子を有し、前記有機化合物層がパターニングされている有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記第一電極上に前記有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
    前記有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
    前記剥離層と前記有機化合物層とを、それぞれ所定のパターン形状に加工する加工工程と、
    前記剥離層を極性溶媒にて除去する剥離層の除去工程と、を有し、
    前記有機化合物層の形成工程が、前記有機化合物層の最上層として縮合多環炭化水素化合物(m−ターフェニル基を有する化合物を除く。)を含む層を形成する工程であり、
    前記剥離層の形成工程が、極性溶媒に可溶な化合物からなる層を、蒸着法により、前記剥離層の少なくとも最下層に形成する工程であることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 前記極性溶媒に可溶な化合物が、極性部位を有する化合物又はm−ターフェニル基を有する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  3. 前記極性溶媒が、水を含む溶媒であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  4. 前記剥離層の除去工程において、下記式[1]が成り立つことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
    Figure 0005995477
  5. 前記剥離層の除去工程の後に、
    前記有機化合物層上にアルカリ金属成分を含む層を形成する工程をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
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