JP2014120218A - 有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

有機el表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014120218A
JP2014120218A JP2012272299A JP2012272299A JP2014120218A JP 2014120218 A JP2014120218 A JP 2014120218A JP 2012272299 A JP2012272299 A JP 2012272299A JP 2012272299 A JP2012272299 A JP 2012272299A JP 2014120218 A JP2014120218 A JP 2014120218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
organic compound
release
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012272299A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobutaka Mizuno
信貴 水野
Taro Endo
太郎 遠藤
Satoru Shiobara
悟 塩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2012272299A priority Critical patent/JP2014120218A/ja
Publication of JP2014120218A publication Critical patent/JP2014120218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】高精細化が可能なフォトリソグラフィーによるパターニング手法を利用しつつ、メタルマスク等を用いて、真空一貫で形成した有機EL素子と同等の素子特性を有する有機EL素子を備える有機EL表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】有機化合物層の形成工程と、有機化合物層の加工工程と、を含み、前記有機化合物層の加工工程が、前記有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する剥離層の形成工程と、前記剥離層を層厚方向に少なくとも一部を除去する工程と、を有し、前記第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚は、前記第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚よりも厚く、前記剥離層を除去する工程後においても、前記第二有機EL素子を設ける領域に設けられた剥離層の層厚は前記第一有機EL素子を設ける領域に設けられた剥離層よりも厚い。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL表示装置の製造方法に関する。
一般に知られている有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を搭載した表示装置とは、有機EL素子を単数あるいは複数有する画素を所定のパターン配列で配置してなる装置である。また表示装置を構成する画素により、表示装置内の表示領域は、二次元的かつ高精細に分割されている。ここでこの画素に含まれる有機EL素子は、例えば、赤、緑又は青のいずれかの光を出力する電子素子である。有機EL素子を搭載した表示装置は、所望の色を出力する有機EL素子を所望の発光強度で駆動させることによりフルカラーの画像を得ることができる。
ところで、表示装置の画素を構成する有機EL素子は、光の波長と同程度の層厚で形成されるため、光の干渉の影響を強く受ける。従って、有機EL素子には最適な有機化合物層の層厚が存在するが、その層厚は発光色によって異なる。特許文献1では、発光色の異なる有機EL素子をそれぞれ副画素にの構成部材として用いた有機EL表示装置において、発光色に対応して有機化合物層の層厚が異なる有機EL表示装置が開示されている。具体的には、メタルマスクを用いることで、蒸着により成膜される有機化合物層の層厚を発光色ごとに異なるようにしている。
しかしながら、メタルマスクを用いたパターニングの場合、マスクの加工精度の制約もあってピクセルサイズは百μm程度が限界であり、高精細化に対して不利であった。
そこで特許文献2では、発光層を基板全体に成膜した後、発光層上にフォトレジストを直接成膜しフォトリソグラフィーを行うことで、発光副画素に対応した有機EL素子を構成する発光層のパターニングを行う有機EL表示装置の製造プロセスが開示されている。
特開2000−323277号公報 特許第3839276号公報
ところで、フォトリソグラフィーによるパターニングの場合、フォトレジストを剥離した後は、有機機能層や電極を、蒸着等の手法により、発光画素全体に共通する層として成膜する。従って、発光層からフォトレジストを成膜した側の有機化合物層の層厚は、発光画素全体で共通した層厚となっている。しかし上述したパターニング手法では、光の干渉を考慮した最適な有機化合物層の層厚を発光色ごとに設定することができないため、発光効率の面で不利になる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、フォトリソグラフィーによるパターニング手法を利用しつつ、発光色ごとに最適な有機化合物層の層厚を実現し、かつ高効率である有機EL表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明の有機EL表示装置の製造方法の第一の態様は、少なくとも第一有機EL素子と第二有機EL素子とを有し、前記第二有機EL素子の発光ピーク波長が前記第一有機EL素子の発光ピーク波長よりも長波長である有機EL表示装置の製造方法において、
前記第一有機EL素子を形成する工程及び前記第二有機EL素子を形成する工程のそれぞれが、
基板上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
前記有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
所定の有機EL素子を形成する領域に前記剥離層及び前記有機化合物層が残存するよう、前記剥離層及び前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、
前記剥離層を層厚方向に少なくとも一部除去する剥離層の除去工程と、を含み、
前記第一有機EL素子を設ける領域における剥離層の層厚が、前記第二有機EL素子を設ける領域に設おける剥離層の層厚よりも厚く、
前記剥離層の除去工程後においても前記第二有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚は、前記第一有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚よりも厚いことを特徴とする。
また本発明の有機EL表示装置の製造方法の第二の態様は、少なくとも第一有機EL素子と第二有機EL素子とを有し、前記第二有機EL素子の発光ピーク波長が前記第一有機EL素子の発光ピーク波長よりも長波長である有機EL表示装置の製造方法において、
前記第一有機EL素子を形成する工程及び前記第二有機EL素子を形成する工程のそれぞれが、
基板上に、有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
フォトリソグラフィーを用いて前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、を含み、
前記有機化合物層の加工工程が、前記有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
所定の有機EL素子を形成する領域に前記剥離層及び前記有機化合物層が残存するように前記剥離層及び前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、
前記剥離層を層厚方向に少なくとも一部除去する剥離層の除去工程と、を有し、
前記第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料が、前記第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料とは異なり、
前記剥離層の除去工程後における前記第二有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚が、前記第一有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚よりも厚いことを特徴とする。
本発明によれば、フォトリソグラフィーによるパターニング手法を利用しつつ、発光色ごとに最適な有機化合物層の層厚を実現し、かつ高効率である有機EL表示装置の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法で製造される有機EL表示装置の例を示す模式図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)中のAA’断面図である。 本発明の有機EL表示装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。 化合物1と化合物A2とにおけるエッチング時間に対する層厚変化を示すグラフである。 化合物1(縮合多環炭化水素化合物)と化合物A2(複素環式化合物)とのIPA/水混合溶剤(極性溶媒)に対する溶解度を示したグラフである。 本発明の有機EL表示装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面模式図である。 発光層と第二電極との距離と発光効率との関係を示すグラフである。
本発明の製造方法は、少なくとも第一有機EL素子と第二有機EL素子とを有し、第二有機EL素子の発光ピーク波長が第一有機EL素子の発光ピーク波長よりも長波長である有機EL表示装置を製造する方法である。ただし本発明の製造方法は、二種類の有機EL素子(第一有機EL素子、第二有機EL素子)を有する有機EL表示装置の製造方法に限定されるものではなく、三種類以上の有機EL素子を有する有機EL表示装置を製造する際にも適用することができる。
ここで有機EL素子は、第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極との間に配置されている有機化合物層と、を有している。また本発明の製造方法にて製造される有機EL表示装置は、有機化合物層が所望の形状にパターニングされている。
本発明の製造方法は、少なくとも基板上に形成された第一電極上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、フォトリソグラフィーを用いて前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、を含んでいる。また本発明において、有機化合物層の加工工程は、剥離層の形成工程と、有機化合物層の加工工程と、剥離層の除去工程と、を有している。ここで剥離層の形成工程とは、有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する工程である。また有機化合物層の加工工程とは、所定の有機EL素子を形成する領域に剥離層及び有機化合物層が残存するように剥離層及び有機化合物層を加工する工程である。さらに、剥離層の除去工程とは、剥離層を層厚方向に少なくとも一部除去する工程である。以上より、有機化合物層の形成工程から有機化合物層の加工工程に至るまでのプロセスは、具体的には、下記に示す工程(A)乃至(D)からなるプロセスである。
(A)第一電極上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程
(B)有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程
(C)所望領域外の有機層及び剥離層の除去工程
(D)剥離層の加工・除去工程
また本発明において、剥離層は、電荷輸送性の有機化合物からなる蒸着膜であり、かつ極性溶媒に可溶な薄膜層である。一般的に、有機EL素子の有機化合物層は、極性溶媒に対する溶解度が小さい化合物にて形成される。従って、工程(D)において、有機化合物層をほとんど溶かすことなく、選択的に剥離層を選択的に溶かすことが可能となる。さらに、工程(D)の後に有機化合物層の表面に残る剥離層が、電荷輸送性の有機化合物からなる層であるため、その上に第二電極等の有機EL素子を構成する層を形成しても、電荷の流れを妨げることがない。尚、本発明においては、上記工程(D)の後に、アルカリ金属を含む層を形成する工程と、をさらに有するのが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。尚、以下の説明において、特に図示又は記載がない部分に関しては、当該技術分野の周知技術又は公知技術を適用することができる。また以下に説明する実施形態は、あくまでも本発明の実施形態の一つにすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。また本発明の趣旨を逸脱しない限り、以下に説明する実施形態を適宜組み合わせてもよい。
[有機EL表示装置]
図1は、本発明の製造方法で製造される有機EL表示装置の例を示す模式図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)中のAA’断面図である。図1の有機EL表示装置1は、支持基板10上に、第一副画素20aと第二副画素20bとからなる画素20がマトリックス上に設けられている。またこれら二種類の副画素(20a、20b)を設ける領域には、それぞれ第一有機EL素子21a、第二有機EL素子21bが設けられている。尚、実際にフルカラー表示が可能な有機EL表示装置を作製する際には、発光色が異なる有機EL素子を3種類用意する必要がある。即ち、発光色が光の3原色(RGB)のいずれかである3種類の有機EL素子をそれぞれ用意する必要がある。ただ本発明においては、発光色が異なる有機EL素子を少なくとも二種類用意できれば本発明の効果を奏する。このため、以下の説明においては、図1に示され、発光色がそれぞれ青色、赤色である二種類の有機EL素子(21a、21b)を有する有機EL表示装置について説明する。
図1の有機EL表示装置1において、第一有機EL素子21aは、基板10上に設けられる第一電極22aと、第一有機化合物層23aと、電荷注入輸送層24aと、第二電極25aと、がこの順で積層されてなる素子である。図1の有機EL表示装置1において、第二有機EL素子21bは、基板10上に設けられる第一電極22bと、第二有機化合物層23bと、介在層26と、電荷注入輸送層24bと、第二電極25aと、がこの順で積層されてなる素子である。
以下、有機EL表示装置に含まれる有機EL素子の構成部材について説明する。
第一電極22(22a、22b)は、支持基板10上に設けられる電極層(下部電極)であり、発光領域(画素)を形成する各有機EL素子に個別に設けられている。また各有機EL素子に含まれる第一電極(22a、22b)は、それぞれトランジスタ等のスイッチング素子(不図示)と電気接続されている。
有機化合物層23(23a、23b)は、所定の有機化合物からなる単層あるいは複数層からなる積層体である。尚、有機化合物層23には、少なくとも、可視光の光を発する発光層(不図示)を有しており、本実施形態においては第一有機化合物層23aには青色の、第二有機化合物層23bには赤色の光を発する発光層が含まれている。
電荷注入・輸送層24は、第二電極25から注入される正孔又は電子を有機化合物層23に注入・輸送するために設けられる。尚、図1の有機EL表示装置1では、電荷注入・輸送層24は、各有機EL素子(21a、21b)に共通する層として設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、電荷注入・輸送層24は、各有機EL素子に個別に設けてもよい。
第二電極25は、有機EL素子(20a、20b)の構成部材の一つである上部電極として機能する。
尚、第一有機EL素子21aには、第一有機化合物層23aと電荷注入・輸送層24との間に介在層26が設けられている。この介在層26の機能については、後述する。
[有機EL表示装置の製造方法]
次に、有機EL表示装置の製造方法について説明する。尚、以下の説明は、図1の有機EL表示装置を製造する方法に関するものであるが、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。つまり、以下に説明する製造プロセスは、3種類以上の有機EL素子を有する有機EL表示装置を製造する際にも適用することができる。
上述したように、本発明の有機EL表示装置の製造方法は、少なくとも下記に示す工程(A)乃至(D)を有している。
(A)第一電極上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程
(B)有機化合物層上に剥離層を形成する剥離層の形成工程
(C)所望領域外の有機層及び剥離層の除去工程
(D)剥離層の加工・除去工程
図2は、本発明の有機EL表示装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。また図2は、図1の有機EL表示装置の製造プロセスの一例を示す断面概略図でもある。図1の有機EL表示装置を製造する際には、例えば、以下の工程により有機EL表示装置を製造する。
(1)第一電極の形成工程(図2(a))
(2)第二有機化合物層の形成工程(図2(b))
(3)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(c)〜(d))
(4)感光性樹脂層の露光・現像工程(図2(e))
(5)剥離層・第二有機化合物層の加工工程(図2(f))
(6)第一有機化合物層の形成工程(図2(g))
(7)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(h))
(8)感光性樹脂層の露光・現像工程(図示省略)
(9)剥離層・第一有機化合物層の加工工程(図2(i))
(10)剥離層の加工工程(図2(j))
(11)電荷注入・輸送層及び第二電極の形成工程(図2(k))
ただし、上記工程(1)乃至(11)に示されるプロセスはあくまでも具体例であり、本発明は、この態様に限定されるものではない。次に、上記(1)乃至(11)の工程についてそれぞれ具体的に説明する。
(第一の実施形態)
(1)第一電極の形成工程(図2(a))
まず支持基板10上の所定の領域に、第一電極(22a、22b)を形成する(図2(a))。
支持基板10としては、ガラス基板等の公知の基板を選択することができる。
第一電極(22a、22b)は、公知の電極材料からなる電極層であり、光の取り出し方向に対応してその構成材料を適宜選択する。トップエミッション型の有機EL表示装置を作製する場合は、第一電極22を反射電極とし、後述する第二電極25を光透過性電極とする。一方、ボトムエミッション型の有機EL表示装置を作製する場合は、第一電極22を光透過性電極とし、第二電極25を反射電極とする。
反射電極として第一電極22を形成する場合、第一電極22の構成材料として、好ましくは、Cr、Al、Ag、Au、Pt等の金属材料である。これら金属材料の中でも反射率が高い材料は、光取り出し効率をより向上させることができるのでより好ましい。反射電極は、例えば、スパッタリング等の公知の方法で上記金属材料の薄膜を成膜し、フォトリソグラフィー等を用いて所望の形状に加工することで、発光領域ごとに別個に形成することができる。尚、これらの金属材料からなる薄膜上には、当該薄膜の保護あるいは仕事関数の調節等の理由により、ITOやインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する酸化物半導体からなる層をさらに設けてもよい。また、第一電極22を形成する際には、メタルマスクを使用した蒸着を利用してもよい。尚、光透過性電極として第一電極22を形成する場合、第一電極2の構成材料としては、酸化インジウム錫(ITO)や酸化インジウム亜鉛等の光透過性を有する酸化物半導体が挙げられる。
(2)第一有機化合物層の形成工程(図2(b))
次に、第一電極22上に第一有機化合物層23aを形成する(図2(b))。尚、第一有機化合部層23aを形成する際は、図2(b)に示されるように支持基板10の全面にわたって第一有機化合物層23aを成膜してもよいが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
第一有機化合物層23aは、有機EL表示装置に含まれる第一有機EL素子21aの構成部材であって、少なくとも発光層を含む単層又は複数の層からなる積層体である。本実施形態における第一有機化合物層23aには、例えば、青色の発光を呈する発光層が含まれる。発光層以外の層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。ここで発光層に接する層は、電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)であってもよいし、電荷ブロック層(電子ブロック層、正孔ブロック層)であってもよい。
また第一電極22aに対する第一有機化合物層23aの具体的構成については、第一電極22aが第一有機化合物層23aへ向けて注入するキャリアの種類に応じて適宜設定すればよい。即ち、第一電極22aから正孔が注入される場合では、第一電極22a側に正孔を注入・輸送する層(正孔注入層、正孔輸送層)が設けられる一方で、第二電極25側に電子を注入・輸送する層(電子注入層、電子輸送層)が設けられる。反対に、第一電極22aから電子が注入される場合では、第一電極22a側に電子を注入・輸送する層(電子注入層、電子輸送層)が設けられる一方で、第二電極25側に正孔を注入・輸送する層(正孔注入層、正孔輸送層)が設けられる。
尚、第一有機化合物層23aは、発光効率の観点からアモルファス膜であることが好ましい。また光学干渉効果を得られるように、発光波長によって、各有機化合物層の層厚を適切に設計することが好ましい。
正孔注入層あるいは正孔輸送層又はその両方を設ける場合、正孔注入層、正孔輸送層の構成材料である正孔注入・輸送性材料は、特に限定されるものではないが少なくとも発光層の構成材料よりも仕事関数が小さく正孔輸送性が高い材料を用いることが好ましい。また正孔注入層、正孔輸送層は、正孔を輸送する機能に加えて、発光層から流れ込む電子をブロックする機能を付加させてもよい。また正孔注入層や正孔輸送層とは別に、発光層から流れ込む電子をブロックする機能を有する層(電子ブロック層)を正孔輸送層(あるいは正孔注入層)と発光層との間に挿入してもよい。
本発明では、有機化合物層の加工工程の後に行う剥離層の除去工程において、剥離層を選択的に除去する必要がある。そこで、第二有機化合物層の形成工程にて形成される第二有機化合物層23bの全体が、剥離層よりも極性溶媒に対して溶解度が低い材料からなる層とするのが好ましい。ここで第二有機化合物層23とは、少なくとも発光層を有し、さらに正孔ブロック層、電子ブロック層、電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)又は電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)から選択される層を含んでいても良い。ここで、極性溶媒に対して溶解度が低い材料とは、具体的には、m−ターフェニル基を有さない縮合多環炭化水素化合物である。
ここで縮合多環炭化水素化合物とは、炭化水素のみで構成された環状不飽和有機化合物である。より具体的には、少なくともベンゼン環等の芳香環の1辺が縮合されてなる縮合環を含む化合物である。縮合多環炭化水素化合物として、具体的には、ナフタレン、フルオレン、フルオランテン、クリセン、アントラセン、テトラセン、フェナントレン、ピレン、トリフェニレン等が挙げられる。
ただし、上記の縮合多環炭化水素化合物は、そのままでは熱安定性が低いため、有機化合物層の構成材料としては利用しにくい。従って、これらの縮合多環炭化水素化合物に置換基が付加された化合物が有機化合物層の構成材料として使用される。
ここで有機化合物層の、特に、その最上層の構成材料である化合物として、好ましくは、上記の縮合多環炭化水素化合物が単結合により複数結合されてなる有機化合物、即ち、芳香族炭化水素化合物である。この有機化合物には、主骨格である縮合多環炭化水素化合物にメチル基、エチル基等のアルキル基が適宜置換されている化合物も含まれる。このような有機化合物は、主骨格中あるいは置換基中にヘテロ原子(N、O等)を有する化合物を含まないため、極性溶媒に対する溶解度が特に低い。
上記芳香族炭化水素化合物からなる層は電荷輸送性を有する。ここで電荷輸送性とは、電流を流すことができる特性をいう。具体的には、電子輸送層や正孔輸送層だけでなく、電子注入層、正孔注入層、ブロック層等も、電荷輸送性を有する層に含まれる。
尚、上記芳香族炭化水素化合物からなる層の成膜方法としては、真空蒸着法、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等の既存の方法を用いることが可能である。有機EL表示装置の発光特性を考慮すると、成膜方法は真空蒸着法がより好ましい。
(3)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(c)〜(d))
次に、第一有機化合物層23a上に、剥離層31と感光性樹脂層32とをこの順で形成する(図2(c)〜(d))。本発明において、剥離層31は極性溶媒に可溶な低分子材料からなる蒸着膜である。これにより、極性溶媒を使用することで剥離層31を選択的に除去することが可能になる。また、本発明において剥離層31は、アモルファス膜であることが好ましい。
ここで剥離層31を、極性溶媒に可溶な材料を真空蒸着法によって形成する蒸着膜とする理由について説明する。
真空蒸着法は昇華性の高い化合物に対して適用される薄膜形成方法であるので、真空蒸着法にて成膜される材料は、自ずと昇華性を有する低分子化合物に限定される。昇華性の高い化合物とは、具体的には、10-4Pa〜10-5Paの圧力下で、400℃以下の温度で昇華する化合物である。また蒸着膜に含まれる化合物の分子量は、高分子材料と比較して小さいため、蒸着膜を構成する分子同士の相互作用(分子間力)が弱く、また、有機化合物層(第一有機化合物層23a)への吸着力も弱い。さらにアモルファス状態で形成された蒸着膜中の分子の状態、例えば、分子同士の配向はランダムである。このため、固体状態や結晶状態と比べると分子間距離は大きくなっており、分子がばらけて溶媒分子が入りやすい状態、即ち、溶けやすい状態になっている。よって、このような真空蒸着法によって形成された(有機化合物の)蒸着膜は、極性溶媒を含む溶剤に接触させることによって、表面からほぼ均一にエッチングされるため、数nm〜数10nmの所望の層厚を残すことが可能となる。
一方、剥離層31が高分子材料からなるである場合、数nm〜数10nmの所望の層厚を残して除去することは困難である。例えば、導電性の水溶性高分子を剥離層に用いた場合、塗布後のベーク乾燥によって有機化合物層(第二有機化合物層23b)との界面領域に溶解度の低い変質層ができる。このため、均一にエッチングすることが難しくなる。また、発光層等にも用いられるπ共役高分子等は、材料塗布の際、塗布液の溶媒が下層の有機化合物層(第二有機化合物層23b)の溶解を引き起こすため、剥離層31の構成材料として適さない。
後述する剥離層の除去工程において用いる溶媒としては、好ましくは、極性溶媒であり、具体的には、水と混和する有機溶媒と、水と、を混合した混合溶媒が挙げられる。水と混和する有機溶媒は複数種類使用してもよい。
ここで極性溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、エステル類、ピリジン類、エーテル類等が挙げられる。ただし、後述の剥離層の除去工程を行った後でこの除去工程で使用した溶剤を揮発させて除去する必要がある。このため、使用する有機溶媒の沸点は、少なくとも、有機化合物層23に含まれる有機化合物の分解温度やガラス転位温度よりも低いことが好ましい。アルコール類を具体例とすると、炭素数が少ないアルコール類、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等は沸点が低いので、好ましい。
極性溶媒に対する種々の化合物からなる膜のエッチングレートの違い、即ち、溶解性の違いが生じる要因としては、以下のように考えることができる。
極性溶媒として列挙された化合物には分子中にヘテロ原子が必ず含まれており、このヘテロ原子が対象となる化合物分子の極性部位として機能する。そしてこの極性部位が剥離層の構成材料に含まれる極性部位と相互作用を起こすことで、剥離層の構成材料が極性溶媒に溶解される。またこの極性部位同士の相互作用は、種々の化合物の極性溶媒に対する溶解度に影響を与えている。以上を考慮すると、剥離層31の構成材料として用いられる化合物の構造を考慮しながら極性溶媒を適宜選択することで、極性溶媒からなる溶剤に対しする有機化合物層の溶解性よりも剥離層の溶解性を高めることが可能である。
従って、極性溶媒の沸点に加えて、剥離層31の構成材料となる化合物に含まれる極性部位と溶媒分子の極性部位との相互作用を考慮して剥離層31の構成材料を適宜選択すれば、剥離層4を選択的に溶解させることが可能になる。
ところで、上記極性溶媒に溶解する化合物として、具体的には、複素環式化合物や、電子供与性又は電子吸引性の置換基を有する有機化合物がある。
(3−1)電荷輸送性を有する複素環式化合物
本発明では、剥離層31の構成材料として、複素環式化合物を使用してもよい。本発明においては、電荷輸送性に優れた複素環式化合物が好適に使用される。例えば、ピリジン、ビピリジン、トリアジン、フェナントロリン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等の複素環化合物を基本骨格として含んでいる化合物群である。尚、キノリンを基本骨格として含んでいる場合は、キノリナート錯体であってもよい。この複素環式化合物の化合物群に含まれる化合物としては、例えば、下記に示される化合物がある。
Figure 2014120218
(3−2)m−ターフェニル基と縮合環基とを有する化合物群
本発明では、剥離層31の構成材料として、m−ターフェニル基と縮合環基とを有する化合物を使用してもよい。m−ターフェニル基を有することにより、極性溶媒との溶解性が向上する。ただし、剥離層は極性溶媒との溶解性に加えて、ガラス転移温度等の熱的安定性も向上させる必要がある。このためm−ターフェニル基に縮合多環炭化水素化合物が組み合わさった化合物を剥離層31の構成材料とするのが好ましい。このm−ターフェニル基と縮合環基とを有する化合物としては、例えば、下記に示される化合物がある。
Figure 2014120218
(3−3)電子吸引性基を有する電荷輸送性化合物群
本発明では、剥離層31の構成材料として、電子吸引性基を有する電荷輸送性化合物を使用してもよい。ここで電子吸引性基として、例えば、ケトン基、シアノ基が挙げられる。この電子吸引性基を有する化合物としては、例えば、下記に示される化合物がある。
Figure 2014120218
上述した3種類の化合物群は、1種類を単独で使用してもよいが、極性溶媒に対する溶解性向上の観点から2種類以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
複素環式化合物では、炭素以外のヘテロ元素(N、O、S等)に電荷が極在化する。例えば、環内に窒素原子を有するピリジンは、当該窒素原子上にマイナスの電荷が局在化することで分子全体として極性を生じている。ここで水酸基(−OH)等のプラスの電荷が局在化する水素原子を含む(水と混和する)有機溶媒が介在しているとする。そうすると、複素環式化合物が有するマイナスの電荷が局在化する部位(N原子)と、極性溶媒分子に含まれるプラスの電荷が局在化する水素原子との間で水素結合が形成される。このように水素結合が形成されると、当該複素環式化合物は極性溶媒中に溶解する又は溶解し易くなる。
同様に、少なくともヘテロ原子(N,O、S等)を含むことで極性が生じている化合物は、縮合多環炭化水素化合物と比べて、極性溶媒に対する溶解性が向上する。
例えば、芳香族環に電子吸引性基又は電子供与性基が導入された化合物では、π電子の偏りが生じ分極が生じる。ここで電子吸引基の置換基を導入した場合では、この置換基上にマイナスの電荷が局在化することで極性が生じ、電子供与基の置換基を導入した場合では、この置換基上にプラスの電荷が局在化することで極性が生じる。この極性の発生によって極性溶媒の溶媒分子との相互作用が可能になるのでこの有機溶媒に対する溶解性が向上する。
一方、縮合環を持たない芳香族炭化水素化合物、具体的には、単結合によりベンゼン環同士が連結されている化合物は、分子自体の大きさが縮合多環炭化水素化合物と比較して小さい。このため、縮合多環炭化水素化合物に比べて極性溶媒に対する溶解性が向上する。特にm−ターフェニル構造を有する分子は、たがいに配向しにくい構造なため、結晶化しにくい構造である。このため、極性溶媒に対する溶解度はより大きくなる。
上記の考察のもと、本発明に用いる剥離層に適した電荷輸送性を有しかつ溶解性の良好な材料として次のような化合物群のいずれかに属する化合物を用いることが好ましいが、上記考察に従うものであれば下記の例には限定されない。
ここで有機化合物層の構成材料と剥離層の構成材料との極性溶媒に対する溶解度の差について説明する。具体例として、有機化合物層の構成材料として使用されるm−ターフェニル構造を有さない縮合多環炭化水素を有する化合物である下記化合物1と、剥離層の構成材料として使用される下記化合物A2とのエッチングレートについて説明する。
Figure 2014120218
本発明では、エッチングレートが大きいということは溶解速度が速いことを意味する。そして、エッチングレートが大きいということは、対象材料を有する層の溶剤(極性溶媒)への溶解度が高いことを意味する。
図3は、化合物1と化合物A2とにおけるエッチング時間に対する層厚変化を示すグラフである。ここで図3は、極性溶媒からなる溶剤として、イソプロピルアルコール(IPA)が60重量%となるように、IPAと水とを混合して調製した混合溶媒(以下、IPA/水混合溶剤と呼ぶことがある。)を用いた場合の各層のエッチングの結果を示している。
図3より、m−ターフェニル構造を有さない縮合多環炭化水素化合物である化合物1からなる層(A層)は、エッチング時間を長くしても層厚がほとんど減少しない。一方、複素環式化合物である化合物A2からなる層(B層)は、時間を追うごとに層厚が減少している。エッチング条件を同じにした上で各層のエッチングレートを算出すると、A層では0.008nm/secであるのに対して、B層では0.87nm/secであり、その比は約100倍である。
ここで有機化合物層(A層に相当)と、剥離層(B層に相当)と、における極性溶媒によるエッチングレートの比(n)は、下記式のように示すことができる。
Figure 2014120218
尚、上記式に記載されている有機化合物層には、正孔ブロック層、発光層、電子ブロック層、正孔輸送層等が含まれている。本発明において、nは、少なくとも1より大きいことが必要である。nは、好ましくは、10よりも大きい(n>10)。ここで上述の化合物1を有機化合物層の最上層に、化合物A2を剥離層にそれぞれ用いた場合、nは、約100になる。このように、極性溶媒への溶解性を考慮して、有機化合物層の最上層の構成材料と剥離層の構成材料とをそれぞれ選択すると、両層のエッチングレート比を大きくすることができる。これにより、極性溶媒を用いて剥離層の選択的な除去が可能となる。従って、有機化合物層22は、極性溶媒への溶出やこの溶媒の浸透等によるダメージから保護される。また、膜の端部が露出した場合、有機化合物層22の端部が極性溶媒からなる溶剤により溶出するのを防ぐためにも、有機化合物層22に含まれる全ての層に対して、少なくとも数1の式においてn>10となるような関係であることが好ましい。
上述したIPA/水混合溶剤においては、各層の構成材料となる化合物の溶解度は、混合溶剤に含まれるIPAの重量比によって変化する。図4は、化合物1(縮合多環炭化水素化合物)と化合物A2(複素環式化合物)とのIPA/水混合溶剤(極性溶媒)に対する溶解度を示したグラフである。ここで図4のグラフにおいて、横軸は、IPA/水混合溶剤中のIPAの重量パーセント濃度である。縦軸は、溶媒1グラム中に溶解する縮合多環炭化水素化合物又は複素環式化合物の量である。図4より、化合物1(縮合多環炭化水素化合物)は、IPAが80重量%のIPA/水混合溶剤1gに対する溶解量が5μgである一方で、化合物A2(複素環式化合物)は、溶解量が73μgである。
また図4のグラフは、下記(i)及び(ii)を証明するグラフでもある。
(i)IPA/水混合溶剤中のIPAの濃度が濃すぎると、剥離層の構成材料と有機化合物層の構成材料とが、共にIPA/水混合溶剤に対する溶解速度が速すぎてエッチングレート比(n)が1に近い状況になること
(ii)(i)の場合において、水を添加してIPAの濃度を薄くすることで各々の溶解速度を低下させつつエッチングレート比(n)を大きくすることが可能であること
係る場合では、溶媒中に水を含ませるのが好ましい。具体的には、有機化合物層に対して剥離層のエッチングレートがより大きくなるように水の含有量を適宜調節することが好ましい。より好ましくは、有機化合物層中の最上層に位置する層と剥離層のエッチングレート比(n)が10を超えるように水の含有量を適宜調節することである。これによってより選択的に剥離層の除去が可能になり、有機EL表示装置の特性低下を防ぐことができる。
フォトリソグラフィー法を利用する本発明においては、剥離層4上に感光性樹脂層5を設ける必要がある。感光性樹脂層5の構成材料である感光性樹脂は、公知の材料を使用することができる。また感光性樹脂層5の成膜方法としては、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等、既存の方法を用いることができる。状況によっては蒸着法を利用することができる。
(4)感光性樹脂層の露光・現像工程(図2(e))
前工程において感光性樹脂層32を形成した後、感光性樹脂層32の露光・現像を行う(図2(e))。露光工程では、既存の光照射装置を用いることができる。尚、露光装置はマスクパターンの精細度に合わせたものを用いればよい。またこの露光工程を行う際には、露光する領域に開口を有するフォトマスク41を使用する。尚、フォトマスク41としては、一般的に使用されるCr薄膜からなる遮光領域を有するフォトマスクを使用することができる。一方、この露光工程において感光性樹脂層32に照射する光42として、紫外光や可視光を利用することができる。
ところで、露光工程を行う際には、感光性樹脂層32の構成材料である感光性樹脂の性質を考慮して感光性樹脂層32の露光領域を決めるのが望ましい。具体的には、ポジ型の感光性樹脂を使用する場合は、次の現像工程で感光性樹脂層32を除去したい領域を露光領域とする。一方、ネガ型の感光性樹脂を使用する場合は、次の現像工程を行ったときに感光性樹脂層32を残したい領域を露光領域とする。ここで図2(e)は、ポジ型の感光性樹脂を使用する場合を示している。図2(e)において、感光性樹脂層32のうち紫外光(光42)に照射されている領域32bは、次の現像工程で除去される。一方、フォトマスク41によって紫外光が遮られている領域32aは、後の有機化合物層(第一有機化合物層23a)の加工工程において、所定の発光領域(第一副画素20a)に設けられている有機化合物層(23a)を保護する役割を果たす。
現像工程を行う際には、感光性樹脂層32の構成材料である感光性樹脂に適した現像液を用いればよい。
(5)剥離層・第二有機化合物層の加工工程(図2(f))
次に、感光性樹脂層32に被覆されていない領域に堆積している剥離層31、第一有機化合物層23aを順次加工する(図2(f))。
剥離層31の加工方法は特に限定されるものではないが、具体的には、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の薄膜加工方法を用いることができる。ただし、溶媒によるサイドエッチングの影響が他よりも小さいドライエッチングが好ましい。
以上の説明では、剥離層31の加工手段として、フォトレジストを用いたフォトリソプロセスを利用しているが、剥離層31のパターニング加工方法はこれに限定されるものではない。例えば、インクジェット方式、印刷、レーザー加工等を利用して、剥離層を所望の形状にパターニングしても構わない。この場合は、フォトレジストを形成せずに、所望の形状にパターニングされた剥離層を形成することができる。このため、剥離層31を、次の工程(第二有機化合物層の加工工程)において、有機化合物層(第一有機化合物層23a)を加工する際のエッチングマスクとして利用するとよい。尚、剥離層31をエッチングマスクとして利用する際には、剥離層31の層厚は、少なくとも有機化合物層(第一有機化合物層23a)よりも厚くするのが好ましい。また、本発明の製造方法では高精細メタルマスクを使わないので、ピクセルサイズを10μm程度と高精細にすることが可能となる。従って、第5世代以降といった支持基板サイズの大きい有機EL表示装置の製造を実現することができる。
次に、第一有機化合物層23aのうち剥離層31に被覆されていない領域にある第一有機化合物層を選択的に除去する。第一有機化合物層23aの加工方法は特に限定されるものではなく、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の方法を用いることができる。ただし、溶媒によるサイドエッチングの懸念がないドライエッチングが好ましい。尚、感光性樹脂層32の形成・加工工程の後、剥離層31の加工工程と第一有機化合物層23aの加工工程とを、一括して行ってもよい。
以上のプロセスにより、有機化合物層を所定の領域にのみ選択的に設けられるように形成することができる。また以上に説明した有機化合物層の形成工程から有機化合物層の加工工程までを有機EL素子の発光色もしくは種類の数だけ繰り返し行うことにより、各発光領域において、その発光領域にのみ所望の有機化合物層を選択的に形成することができる。本実施形態においては2色からなる有機EL素子を有する有機EL表示装置であるため、2色目の有機EL素子の形成・加工工程に関して、1色目とは異なる部分を中心に引き続き説明をする。
(6)第二有機化合物層23bの形成工程(図2(g))
次に、第二有機化合物層23bを形成する。第二有機化合物層23bは、図2(g)に示されるように、少なくとも第二有機EL素子21bを設ける領域に形成する。第二有機化合物層23bは、有機EL表示装置の構成部材であって、少なくとも発光層を含む単層又は複数の層からなる積層体である。本実施形態において、第二有機化合物層23bには、第一有機化合物層23aと比較して発光ピーク波長が長波長側にある光、例えば、赤色の発光を呈する発光層が含まれる。
(7)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(h))
次に、第二有機化合物層23b上に、剥離層31bと、感光性樹脂層32と、をこの順に形成する(図2(h))。剥離層31bに関しては前述したとおり、電子輸送性を有し、極性溶媒に可溶な材料からなる蒸着膜である。ただし、本工程にて形成される剥離層31bは、第一有機化合物層23aを加工する際に使用した剥離層31aに対して層厚もしくは材料が異ならせることが好ましい。電気的・光学的な影響を受けやすい有機EL素子においては、発光素子毎に最適な剥離層材料・層厚を設定することで素子の特性が向上する。本実施形態においては、剥離層31bの材料は剥離層31aと同一であるが、剥離層31bの方が層厚は厚い。これは発光ピーク波長が長い有機EL素子ほど剥離層31の残存層厚を厚くすることで干渉長が合いやすいためである。
剥離層31bの上部に成膜する感光性樹脂層32については前述したとおり、公知の材料を使用することができる。成膜方法としては、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法等、既存の方法を用いることができる。状況によっては蒸着法を利用することができる。
(8)感光性樹脂層の露光・現像工程
感光性樹脂層32を形成した後、所定の発光領域(第二副画素20b)に成膜されている感光性樹脂層32が残るように、感光性樹脂層32の露光・現像を行う。
(9)剥離層・第二有機化合物層の加工工程(図2(i))
次に、感光性樹脂層32に被覆されていない領域に形成されている剥離層31b及び第二有機化合物層23bを順次加工する。具体的には、ウェットエッチング、ドライエッチング等の既存の薄膜加工方法を用いることができる。ただし、溶媒によるサイドエッチングの影響が他よりも小さいドライエッチングが好ましい。
(10)剥離層の加工工程(剥離層の除去工程、図2(j))
次に、剥離層(31a、31b)の上部を覆っている感光性樹脂層32を、感光性樹脂を選択的に溶解する溶剤で除去した後、剥離層(31a、31b)の一部あるいは全てを除去する。この加工工程は、具体的には、水を混合した極性溶媒に剥離層(31a、31b)まで形成されている支持基板10を浸漬する工程である。ここで剥離層(31a、31b)まで形成されている支持基板10を、水を混合した極性溶媒に浸漬すると、剥離層(31a、31b)は、支持基板10の反対側より順に溶解される。ここで、本工程で使用する溶剤に一定時間浸漬したときに溶出した剥離層(31a、31b)の構成材料の量(溶出量)から予め求めたエッチングレートを用いる。そしてこのエッチングレートの条件下で剥離層(31a、31b)まで形成されている支持基板1を一定時間浸漬する。こうすると剥離層(31a、31b)は、層厚方向において少なくとも一部除去される。これにより、剥離層(31a、31b)を所望の層厚に加工することができる。この除去工程によって加工された剥離層(31a、31b)は、電荷輸送層としてそれぞれ機能する。このため、後の工程で、電荷輸送層を成膜する工程を簡略化あるいは省略することができる。また除去工程後の剥離層の層厚は、素子設計に応じて適宜変更することができる。尚、剥離層(31a、31b)の層厚を発光素子ごとに異ならせると、剥離層の表面加工工程後においても、剥離層(31a、31b)の残存層厚は発光素子ごとに異なる。本実施形態において、第二副画素20bを設ける領域に形成される剥離層31bは、第一副画素20aを設ける領域に形成される剥離層31aよりも層厚が厚いため、剥離層の加工工程後の残存層厚も剥離層31bの方が基本的に厚くなる。
この剥離層の除去工程において、極性溶媒に対するエッチングレートは、有機化合物層よりも剥離層の方が速くなるように、水とIPAとの混合比を調整しておく。このため、有機化合物層の端部は当該溶剤によって溶解されにくくなっている。よってこの剥離層の除去工程を行った後で、極性溶媒中から上記支持基板1を引き上げると、有機化合物層(23a、23b)の形状を維持しつつ、剥離層(31a、31b)のみを加工することができる。
剥離層(31a、31b)の加工工程を行った後は、有機化合物層(23a、23b)が設けられている支持基板10を加熱して支持基板10上あるいは有機化合物層(23a、23b)上に残存する溶剤を除去することが好ましい。より好ましくは、真空条件下80℃程度で支持基板10を加熱する。このように、支持基板10を加熱して溶媒を除去することにより、当該溶媒の影響を受けない状態で次の工程において電荷注入層又は電荷輸送層を形成することができる。尚、次の工程を行う前に、事前に支持基板10を真空加熱してもよい。この真空加熱によっても大気中の水、酸素や異物の付着等の影響を低減させることができる。
(11)電荷注入・輸送層及び第二電極の形成工程(図2(k))
剥離層(31a、31b)の加工を行った後、電荷注入・輸送層24と、第二電極25とをこの順に形成する(図2(k))。
電荷注入・輸送層24として電子注入層を形成する場合、電子注入層の構成材料である電子注入材料は仕事関数の高いものがよい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物(酸化物、炭酸塩、ハロゲン化塩)、アルカリ金属化合物(酸化物、炭酸塩、ハロゲン化塩)、電子輸送材料にアルカリ金属あるいはアルカリ金属化合物をドープしたもの等が挙げられる。ここで、アルカリ金属として、具体的には、セシウム、カリウム、リチウム等を挙げることができる。またアルカリ土類金属として、具体的には、カルシウム、バリウム等が挙げられる。
一方、電荷注入・輸送層24として正孔注入層を形成する場合、正孔注入層の構成材料である正孔注入材料は、仕事関数が小さい有機化合物、仕事関数の非常に深い電子吸引性の材料等が好適に挙げることができる。仕事関数の小さい有機化合物としては、アリールアミン化合物、フタロシアニン等を挙げることができる。また仕事関数が深い電子吸引性の材料としては、F4−TCNQ、アザトリフェニレン化合物(PPDN、ヘキサシアノ−ヘキサアザトリフェニレン等)、酸化モリブデン、酸化タングステン等を挙げることができる。
トップエミッション方の有機EL表示装置を作製する場合、上部電極に相当する第二電極25は、透明導電材料からなる透明電極とする。光透過性を有する透明導電材料は、光の透過率の高い材料が好ましい。例えば、ITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO等の透明導電材料や、ポリアセチレン等の有機導電材料が挙げられる。尚、Ag、Al等の金属材料を10nm〜30nm程度に形成した半透過膜を第二電極25としてもよい。ここでITO、インジウム亜鉛酸化物、ZnO等の透明導電材料で光透過性の電極を形成する場合、低消費電力化を目的として、電極として用いるのに必要な低抵抗特性と、光の取り出し効率を高めるのに必要な高透過率特性と、の両方を満足する組成が好ましい。光透過性の電極になる薄膜は、スパッタリング等の公知の方法で成膜することができる。上述した低抵抗特性と高透過率特性とを兼ね備える透明導電膜を作製する場合は、成膜装置の容量、ターゲット、装置内の圧力、成膜時の出力電圧を適宜調整する必要がある。尚、第二電極25は、TFT(不図示)等のスイッチング素子に電気接続されている。
(第二の実施形態)
第一の実施形態においては、2種類ある副画素(20a、20b)にそれぞれ設けられている剥離層(31a、31b)のうちいずれかを完全に除去する態様であるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。つまり、本発明においては、全ての副画素において剥離層31を残存させてもよい。
ただし全ての副画素において剥離層31を残存させる場合では、残存させる剥離層31の層厚を考慮して、電子注入・輸送層(電荷注入輸送層24)の層厚を適宜調整するのが望ましい。
(第三の実施形態)
図5は、本発明の有機EL表示装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面模式図である。本実施形態では、第一の実施形態と比較して、剥離層31と感光性樹脂層32との間に設けられている保護層33に関するプロセスが追加されている。具体的には、剥離層31の形成工程後に行われる保護層33の形成工程、感光性樹脂層32の露光・現像工程後に行われる保護層33の加工工程、及び感光性樹脂層32の除去工程後に行われる保護層33の除去工程が追加されている。また本実施形態では、第一副画素20aと第二副画素20bとにそれぞれ設けられている剥離層(31a、31b)の構成材料が異なっている。剥離層(31a、31b)の構成材料が異なると、各剥離層(31a、31b)エッチングレートが自ずと異なる。このため、各剥離層(31a、31b)を同じ層厚で形成したとしても剥離層の除去・加工工程を行った後の各剥離層の残存層厚は異なる。以下、第一及び第二の実施形態との相違点を中心に本実施形態について説明する。
(a)保護層の形成工程(図5(a)、(d))
図5(a)及び(d)に示される保護層33は、剥離層(31a、31b)と感光性樹脂層32との間に設けられる層である。また保護層33は、剥離層側から順に、剥離層の溶解液とは異なる液に選択的に溶解する中間層と、水や有機溶媒に対して不溶の膜であり、防湿性、ガスバリア性を有する膜との積層体であることが好ましい。また保護層33は、フォトリソグラフィーを行う際に、照射される光を吸収する特性を有することがより好ましい。本発明の製造方法において、保護層33として、好ましくは、PVP(ポリビニルピロリドン)等の水溶性の材料と窒化珪素(SiN)を主材料とする無機化合物との積層体である。
さらに、剥離層(31a、31b)上に保護層33を形成すると、次の工程で保護層33上に感光性樹脂層32を形成する際に使用される溶媒が剥離層(31a、31b)を浸透して有機化合物層(23a、23b)に接することがなくなる。よって、感光性樹脂層32と混合する溶媒を選択するにあたって、有機化合物層(23a、23b)を溶解しない等の制約がなくなるので、より安価な材料を選択することもできる。
(b)保護層の加工工程(図5(b)、(d))
感光性樹脂層32と剥離層31との間に保護層33が設けられている場合では、剥離層31の加工を行う前に、保護層33の加工を行う必要がある。ここで保護層33を加工する際には、具体的には、感光性樹脂層32(露光工程において露光されなかった感光性樹脂層32)に被覆されていない領域に設けられている保護層33を選択的に除去する(図5(b))。保護層33の加工方法(選択的な除去方法)は特に限定されるものではないが、公知の技術、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチングを利用することができる。例えば、保護層33の構成材料がSiNの場合では、CF4を反応ガスとしたドライエッチングを利用することが可能である。
(c)保護層の除去工程(図5(e))
各画素において保護層33の加工を行った後、第一の実施形態と同様に、剥離層31及び有機化合物層(23a、23b)の加工・除去を行う(図5(c)、(e))。尚、有機化合物層(23a、23b)の加工を行う際には、感光性樹脂層32も併せて除去してもよい。
以上説明した実施形態においては、有機EL素子を備えかつ発光色が異なる2種類の副画素を有する有機EL表示装置を中心に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。つまり、3種類以上の副画素を有する有機EL表示装置においても適用可能である。また本発明の製造方法は、発光色からみた有機EL素子の形成順序や発光色に関して何ら限定されない。また本発明において、有機EL素子から出力される光を取り出す構成としては、基板の反対側から光を取り出すトップエミッション構成であってもよいし、基板側から光を取り出すボトムエミッション構成であってもよい。また本発明では、第二電極25の上部に、光学調整層を光を強めあう干渉を生じさせる層厚で形成したり、封止膜を層厚数μmで形成したりしてもよい。
尚、本発明においては、有機EL素子の光学的影響を考慮して、発光波長の長い有機EL素子ほど剥離層31の残存層厚を厚くするのが好ましい。また、有機化合物層の構成や層厚も本実施例に記載の内容に限定されない。例えば、第一電極22から電子が注入される場合はそれに合わせた有機化合物層23の積層順序をとればよい。
ところで、本発明では、剥離層(31a、31b)については、下記(A)又は(B)の要件を満たすように設定されている。
(A)第一有機EL素子及び第二有機EL素子を設ける領域にそれぞれ設けられる剥離層のうちいずれかが、他の有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層よりも層厚が厚くされていること。
(B)第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料が、第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料とは異なっていること。尚、剥離層の除去工程後における第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚は、第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚とは異なっている。
上記(A)及び(B)の要件は、発光層上に設けられる層の光学的影響を考慮して設定されている。図6は、発光層と第二電極との距離と発光効率との関係を示すグラフである。ここで図6には、三種類(RGB)の有機EL素子における発光層と第二電極との距離と発光効率との関係を示している。この三種類の有機EL素子は、それぞれ発光波長が異なるため、発光効率の最大値をとる発光層と第二電極との距離がそれぞれ異なる。具体的には、図6に示されるように、波長が長いほど発光効率の最大値をとる発光層と第二電極との距離大きくなっていることが分かる。図6に見られる傾向からすると、剥離層の除去・加工工程後において、発光ピーク波長が最も長波長である有機EL素子を設ける領域に形成される剥離層の厚さは、他の種類の有機EL素子よりも厚く設定するのが好ましい。
また上記(A)及び(B)の要件は、いずれも各副画素に設けられる剥離層の層厚を少なくとも1種類の副画素において異ならせることができる。これにより、プロセス工程数を増やすことなく、複数の発光色を呈する有機EL素子からなる有機EL表示装置の特性が向上される。
[有機EL表示装置の駆動について]
本発明の製造方法で製造された有機EL表示装置は、各有機EL素子(21a、21b)が有する第一電極22と第二電極25との間に電圧を印加することによって駆動することができる。ここで電圧を印加する場合は、例えば、TFTを介して各電極と電気接続される電源手段(不図示)を使用する。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また以下に説明する実施例を適宜組み合わせたものについても、本発明に含まれるものとする。さらに図面において特に図示されていなかったり、以下の説明において特段記載されていなかったりする部分に関しては、当該技術分野の周知又は公知技術を適用することができる。
[実施例1]
図1に示される有機EL表示装置を、図2に示されるプロセスに従って作製した。
(1)第一電極の形成工程(図2(a))
まずスパッタリング法により、支持基板10上に、アルミニウム合金(AlNd)を成膜しAlNd膜(反射電極)を形成した。このときAlNd膜の層厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により、AlNd膜上にITOを成膜しITO膜を成膜した。このときITO膜の層厚を10nmとした。尚、上記AlNd膜とITO膜とからなる積層体は、第一電極2として機能する。次に、フォトリソプロセスによる第一電極22のパターニングを行うことにより、各発光領域に対応する第一電極22a、22bをそれぞれ作製した(図2(a))。
(2)青色有機化合物層(第一有機化合物層)の形成工程(図2(b))
真空蒸着法を用いた連続成膜を用いて、パターニングされた第一電極(22a、22b)が形成されている支持基板10上に、青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)を形成した。まず正孔輸送層を層厚120nmで形成した後、青色発光材料を含む発光層を層厚30nmで形成した。次に、下記式[1]に示される縮合多環炭化水素化合物を成膜しバッファ層を形成した。このときバッファ層の層厚を10nmとした。以上により、第一有機化合物層23a(青色有機化合物層)を形成した(図2(b))。
Figure 2014120218
(3)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(c)〜(d))
次に、真空蒸着法により、下記式[2]に示されるフェナントロリン誘導体を成膜し剥離層31(31a)を形成した(図2(c))。このとき剥離層31(31a)の層厚を50nmとした。
Figure 2014120218
次に、スピンコート法により、ポジ型のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「AZ1500」)を成膜し感光性樹脂層32を形成した(図2(d))。このとき感光性樹脂層32の層厚は1000nmであった。
(4)感光性樹脂層の露光工程(図2(e))
次に、露光装置(キヤノン製、マスクアライナーMPA600)を使用し、発光領域20aの領域に設けられる感光性樹脂層5を残すように、フォトマスク41を用いて感光性樹脂層5を遮蔽した状態で紫外光42による露光を行った(図2(d))。このとき露光時間は40秒であった。露光後、現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「312MIF」を水で希釈し濃度を50%としたもの)を用いて1分間現像した。この現像処理により紫外光42に露光された感光性樹脂層32aを除去した。
(5)青色有機化合物層の加工工程(図2(f))
次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150W、反応時間2分の条件下で、感光性樹脂層32で被覆されていない剥離層31aを除去、パターニングした。さらに同条件のドライエッチングにより、発光領域20aの領域以外の領域に設けられている青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)を選択的に除去した。このようにして第一副画素20aの領域に青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)を形成した(図2(f))。
(6)赤色有機化合物層(第二有機化合物層)の形成工程(図2(g))
次に、真空蒸着法を用いた連続成膜により、赤色有機化合物層(第二有機化合物層23b)を形成した。まず正孔輸送層を層厚200nmで形成した後、赤色発光材料を含む発光層を層厚30nmで形成した。次に、式[1]の縮合多環炭化水素化合物を成膜しバッファ層を形成した。このときバッファ層の層厚を10nmとした。以上により、第二有機化合物層23b(赤色有機化合物層)を形成した(図2(g))。
(7)剥離層及び感光性樹脂層の形成工程(図2(h))
次に、真空蒸着法により、式[2]のフェナントロリン誘導体を成膜し剥離層31bを形成した。このとき剥離層4bの層厚を80nmとした。次に、スピンコート法により、工程(3)で使用したポジ型のフォトレジストを成膜し感光性樹脂層32を形成した。このとき感光性樹脂層32の層厚は1000nmであった(図2(h))。
(8)赤色有機化合物層の加工工程(図2(i))
次に、(4)と同様の方法で感光性樹脂層32の加工を行った後、(5)と同様の方法で剥離層31b及び第二有機化合物層23bの加工を行うことにより、第二副画素20bの領域に第二有機化合物層23b(赤色有機化合物層)を形成した(図2(i))。
(9)感光性樹脂層の除去工程
次に、酸素を反応ガスとし流量20sccm、圧力8Pa、出力150Wの条件下で、ドライエッチングを行い、感光性樹脂層32を除去した。
(10)剥離層の除去・加工工程(図2(j))
次に、水とIPAとを混合してIPA濃度が60重量%となる混合溶媒を調整した。次に、この混合溶媒を用いて、剥離層31の除去・加工工程を行った。尚、本実施例において剥離層31を構成する化合物(式[2]のフェナントロリン誘導体)のエッチングレートが0.9nm/secなので、上記混合溶媒に56秒浸漬して、剥離層31の一部を除去して薄膜化した。(図2(j))。この除去・加工工程により、第二副画素20b内に設けられている剥離層31bは30nm残存する一方で、第一副画素20a内に設けられている剥離層31aは完全に除去された。尚、本工程にて残存した剥離層31bは、電荷輸送層26として機能する。次に、80℃で真空加熱して残存する溶剤を除去した。
(11)第二電極の作製工程等
次に、蒸着法により、式[2]の化合物(化合物A2)を層厚10nmで成膜した後、化合物A2と炭酸セシウム(Cs2CO3)とを層厚20nmで共蒸着しすることで、電子注入・輸送層層(電荷注入輸送層24)を総層厚30nmで形成した。
次に、スパッタリングにより、電子注入・輸送層層上に、Ag(半透明導電材料)を成膜し第二電極25を形成した(図2(k))。このとき第二電極25の層厚を16nmとした。
次に、窒素雰囲気下において封止ガラス(不図示)を基板に接着することにより素子劣化を防ぐ構造とした。以上のようにして有機EL表示装置を作製した。
このようにして製造した有機EL表示装置1を評価した結果、赤、青で駆動耐久寿命は、真空で一貫成膜して作製した有機EL表示装置に対して同程度であった。従って、本発明の製造方法によって製造された有機EL表示装置は、高い耐久特性を示した。一方、高精細化に関しては、高精細メタルマスク蒸着でのピクセルサイズが100μm程度であったのに対し、12μmのピクセルサイズを得ることができた。さらには、剥離層の層厚をRBでそろえた有機EL表示装置と比較して同一輝度で光らせた場合の消費電流が減少したことも確認した。
[比較例1]
実施例1において、第二副画素20bに設ける剥離層31bの層厚を50nmとしたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
得られた有機ELについて実施例1と同様に発光効率を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、各副画素(20a、20b)における電子注入・輸送層(電荷注入・輸送層)の層厚を60nmとしたことを除いては、比較例1と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
得られた有機ELについて実施例1と同様に発光効率を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2014120218
実施例1、比較例1及び比較例2において、剥離層31の構成材料は各副画素(20a、20b)において共通しているので、剥離層の除去・加工工程における各副画素(20a、20b)に設けられる剥離層(31a、31b)の除去速度は同一である。このため、例えば、実施例1において、第二副画素20bに設けられる剥離層31bについて厚さ50nmで部分的に除去すると、第一副画素20aに設けられる剥離層31aは完全に除去される。一方、比較例1及び比較例2においては、各副画素に設けられる剥離層(31a、31b)の層厚が同じ(50nm)である。従って、いずれかの副画素に設けられる剥離層(31a、31b)を除去しようとするともう一方の副画素に設けられる剥離層も除去されることになる。
ところで、有機EL素子の発光効率に係る因子の1つとして、発光層と上部電極(第二電極25)との距離がある。実施例1、並びに比較例1及び2においては発光層の上部に有機バッファ層が一定の層厚(層厚10nm)で成膜されている。このため、発光層と上部電極との距離を決める要素としては、電荷注入・輸送層24の層厚、電荷輸送層26の層厚がある。このため、電荷注入・輸送層24及び電荷輸送層26のいずれかの層厚を制御することで発光層と上部電極との距離の最適化を図ることあできる。
実施例1と比較例1とを比較すると、赤色副画素(第二副画素20b)の発光効率が向上されていることがわかった。これは、赤色副画素(第二副画素20b)において、発光効率を向上させるための発光層と第二電極との距離の最適化がなされたからだと考えられる。
一方、実施例1と比較例1との結果を元に、比較例1の態様から電子注入・輸送層24の層厚を厚くすることで、赤色副画素(第二副画素20b)において、発光層と第二電極との距離の最適化を行ったのが比較例2の態様である。ここで比較例2では、比較例1の態様と比較して赤色副画素(第二副画素20b)の発光効率が向上されていたが、その一方で青色副画素(第一副画素20a)の発光効率が低くなっていた。これは、比較例2の態様では青色副画素(第一副画素20a)における発光層と第二電極との距離が発光効率を向上させるという観点で最適ではなかったからだと考えられる。
従って、実施例1のように電子輸送性の剥離層を特定の画素において一部残存させる方が全体として発光効率に関して優れていることが分かる。
[実施例2]
実施例1において、剥離層31の除去・加工工程に要した時間、及び電子注入・輸送層(電荷注入輸送層24)の層厚を、以下に説明するように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
層厚の値を表2に示すが、具体的には、剥離層31(31a、31b)の除去・加工工程において、実施例1で使用した混合溶媒に44秒浸漬して、剥離層31(31a、31b)の一部を除去して薄膜化した。このとき実施例1とは異なり、青色副画素には剥離層が10nm残存する。その後、電子注入・輸送層(電荷注入輸送層24)として蒸着法により、式[2]の化合物(化合物A2)を層厚10nmで成膜した後、化合物A2と炭酸セシウム(Cs2CO3)とを層厚10nm共蒸着した。これにより、電子注入・輸送層層(電荷注入輸送層24)を層厚20nmで形成した。
即ち、本実施例の有機EL表示装置は、剥離層31の残存層厚が実施例1よりも10nm厚くする一方で、電子注入・輸送層の層厚を実施例1よりも10nm薄くした。結果的に実施例1と同一の構成となり、得られた有機EL表示装置は、耐久特性、発光効率ともに実施例1と同様に優れていた。
[比較例3]
実施例2において、第二副画素20bに設ける剥離層31bの層厚を50nmとしたことを除いては、実施例2と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
得られた有機ELについて実施例1と同様に発光効率を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例3において、各副画素(20a、20b)における電子注入・輸送層(電荷注入・輸送層)の層厚を50nmとしたことを除いては、比較例3と同様の方法により有機EL表示装置を作製した。
得られた有機ELについて実施例1と同様に発光効率を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2014120218
表2より、全ての副画素(20a、20b)において、剥離層31を残存させた場合においても残存させた剥離層の層厚の分だけ電子注入・輸送層24の層厚を減少させることで、実施例2に示されるように発光効率が向上したことがわかった。
[実施例3]
図5に示される製造プロセスに基づいて、図1の有機EL表示装置を作製した。
(1)第一電極の形成工程
実施例1(1)と同様の方法により、支持基板10上に第一電極22(22a、22b)を形成した。
(2)青色有機化合物層(第一有機化合物層)の形成工程
実施例1(2)と同様の方法により、支持基板10の全面にわたって青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)を形成した。
(3)剥離層の形成工程
実施例1(3)において、式[2]の化合物に代えて下記式[3]に示される化合物を用いて層厚60nmの薄膜を成膜したことを除いては、実施例1と同様の方法により、青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)上に、剥離層31aを形成した。
Figure 2014120218
(4)保護層の形成工程
次に、CVD法により、剥離層31a上に、窒化珪素(SiN)を成膜して保護層33aを形成した。このとき保護層33aの層厚を1000nmとした。
(5)感光性樹脂層の形成工程(図5(a))
次に、実施例1(3)と同様の方法により、保護層33a上に感光性樹脂層32を成膜した(図5(a))。
(6)感光性樹脂層の露光工程
実施例1(4)と同様の方法により、第一副画素20aを設ける領域以外の領域に設けられている感光性樹脂層32に紫外光を照射し、現像処理を行った。
(7)青色有機化合物層の加工工程(図5(b)〜(c))
次に、パターニングされた感光性樹脂層32をマスクとして、CF4(反応ガス)を用いたドライエッチングにより、保護層33を加工した。このとき反応ガスの流量を30sccmとし、エッチング装置の出力を150wとし、エッチング装置内の圧力を10Paとし、エッチング処理時間を7分とした。このドライエッチングにより感光性樹脂層32で被覆されていない保護層33を除去した(図5(b))。即ち、本工程により、所望の発光領域(第一副画素20a)に対応して保護層33が設けられるように保護層33が加工された。
次に、実施例1(5)と同様の方法により、剥離層31a及び青色有機化合物層(第一有機化合物層23a)の加工を行った(図5(c))。
(8)赤色有機化合物層(第二有機化合物層)の形成工程
実施例1(6)と同様の方法により、赤色有機化合物層(第二有機化合物層23b)を形成した。
(9)剥離層の形成工程
実施例1(7)において、式[2]の化合物に代えて下記式[4]に示される化合物を用いて層厚60nmの薄膜を成膜したことを除いては、実施例1と同様の方法により、赤色有機化合物層(第二有機化合物層23b)上に、剥離層31bを形成した。
Figure 2014120218
(10)保護層の形成工程
次に、CVD法により、剥離層31b上に、窒化珪素(SiN)を成膜して保護層33bを形成した。このとき保護層33bの層厚を1000nmとした。
(11)感光性樹脂層の形成工程
次に、実施例1(7)と同様の方法により、保護層33a上に感光性樹脂層32を成膜した。
(12)感光性樹脂層の露光工程
実施例1(4)と同様の方法により、第二副画素20bを設ける領域以外の領域に設けられている感光性樹脂層32に紫外光を照射し、現像処理を行った。
(13)赤色有機化合物層の加工工程(図5(d))
次に、パターニングされた感光性樹脂層32をマスクとして、CF4(反応ガス)を用いたドライエッチングにより、保護層33を加工した。このとき反応ガスの流量を30sccmとし、エッチング装置の出力を150wとし、エッチング装置内の圧力を10Paとし、エッチング処理時間を7分とした。このドライエッチングにより感光性樹脂層32で被覆されていない保護層33を除去した。即ち、本工程により、所望の発光領域(第二副画素20b)に対応して保護層33が設けられるように保護層33が加工された。
次に、実施例1(8)と同様の方法により、剥離層31b及び赤色有機化合物層(第二有機化合物層23b)の加工を行った(図5(d))。
(14)感光性樹脂層の除去工程
実施例1(9)と同様の方法により、第一副画素20a及び第二副画素20bにそれぞれ設けられている感光性樹脂層32を除去した。
(15)保護層の除去工程(図5(e))
次に、CF4(反応ガス)を用いたドライエッチングにより、第一副画素20a及び第二副画素20bにそれぞれ設けられている保護層33を除去した(図5(e))。
(15)剥離層の除去・加工工程(図5(f))
実施例1(10)で使用した混合溶媒を用いて剥離層(31a、31b)の除去・加工を行った。ここで実施例1(10)で使用した混合溶媒におけるエッチレートは、式[3]の化合物が40nm/secであり、式[4]の化合物が20nm/secである。このため、剥離層31aの構成材料のエッチレートは剥離層31bの構成材料のエッチレートの2倍である。本実施例では、上記混合溶媒に1.5秒浸漬した。その結果、剥離層31aは除去され、剥離層31bは30nm残存した(図5(f))。ここで残存した剥離層31bは、電荷輸送層26として機能する。次に、80℃で真空加熱して残存する溶剤を除去した。
(16)第二電極の作製工程等
実施例1(11)と同様の方法により、電荷注入・輸送層24(電子注入層)、第二電極25を順次形成した。次に、実施例1(11)と同様の方法により封子を行った。以上により有機EL表示装置を得た。
得られた有機EL表示装置について実施例1と同様の方法で評価したところ、実施例1と同様に駆動寿命、精細度において良好な結果を示した。さらには、剥離層材料をRBでそろえた有機EL表示装置と比較して同一輝度で光らせた場合の消費電流が減少したことも確認した。
1:有機EL表示装置、10:支持基板、20a:第一副画素、20b:第二副画素、21a(21b):有機EL素子、22(22a、22b):第一電極、23(23a、23b):有機化合物層、24:電子注入・輸送層、25:第二電極、26:介在層、31(31a、31b):剥離層、32:感光性樹脂層、33:保護層、41:フォトマスク、42:紫外線

Claims (4)

  1. 少なくとも第一有機EL素子と第二有機EL素子とを有し、前記第二有機EL素子の発光ピーク波長が前記第一有機EL素子の発光ピーク波長よりも長波長である有機EL表示装置の製造方法において、
    前記第一有機EL素子を形成する工程及び前記第二有機EL素子を形成する工程のそれぞれが、
    基板上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
    前記有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
    所定の有機EL素子を形成する領域に前記剥離層及び前記有機化合物層が残存するよう、前記剥離層及び前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、
    前記剥離層を層厚方向に少なくとも一部除去する剥離層の除去工程と、
    を含み、
    前記剥離層の形成工程において、前記第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚が、前記第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の層厚よりも厚く、
    前記剥離層の除去工程後においても、前記第二有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚が、前記第一有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚よりも厚いことを特徴とする、有機EL表示装置の製造方法。
  2. 少なくとも第一有機EL素子と第二有機EL素子とを有し、前記第一有機EL素子の発光ピーク波長が前記第二有機EL素子の発光ピーク波長と異なる有機EL表示装置の製造方法において、
    前記第一有機EL素子を形成する工程及び前記第二有機EL素子を形成する工程のそれぞれが、
    基板上に有機化合物層を形成する有機化合物層の形成工程と、
    前記有機化合物層上に、電荷輸送性を有しかつ極性溶媒に可溶な有機化合物からなる剥離層を形成する剥離層の形成工程と、
    所定の有機EL素子を形成する領域に前記剥離層及び前記有機化合物層が残存するよう、前記剥離層及び前記有機化合物層を加工する有機化合物層の加工工程と、
    層厚方向に前記剥離層を少なくとも一部を除去する剥離層の除去工程と、を有し、
    前記第一有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料が、前記第二有機EL素子を設ける領域に設けられる剥離層の構成材料とは異なり、
    前記剥離層の除去工程後における前記第二有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚が、前記第一有機EL素子を設ける領域に残存する剥離層の層厚よりも厚いことを特徴とする、有機EL表示装置の製造方法。
  3. 前記極性溶媒が、水と前記水と混和する極性溶媒とを混合してなる溶剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  4. 下記式が成り立つことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置の製造方法。
    Figure 2014120218
JP2012272299A 2012-12-13 2012-12-13 有機el表示装置の製造方法 Pending JP2014120218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012272299A JP2014120218A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 有機el表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012272299A JP2014120218A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 有機el表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014120218A true JP2014120218A (ja) 2014-06-30

Family

ID=51174919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012272299A Pending JP2014120218A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 有機el表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014120218A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021192242A1 (ja) * 2020-03-27 2021-09-30 シャープ株式会社 表示装置の製造方法、および表示装置
US11699391B2 (en) 2021-05-13 2023-07-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device, display apparatus, and electronic device
US11815689B2 (en) 2021-04-30 2023-11-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Electronic device
US11871600B2 (en) 2021-01-27 2024-01-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021192242A1 (ja) * 2020-03-27 2021-09-30 シャープ株式会社 表示装置の製造方法、および表示装置
US11871600B2 (en) 2021-01-27 2024-01-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Display device
US11815689B2 (en) 2021-04-30 2023-11-14 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Electronic device
US11699391B2 (en) 2021-05-13 2023-07-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device, display apparatus, and electronic device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5995477B2 (ja) 有機el表示装置の製造方法
KR102365911B1 (ko) 유기 발광 표시 장치 및 그 제조 방법
US8877532B2 (en) Method of manufacturing organic electroluminescence display device
EP1794255B1 (en) Organic light-emitting device comprising buffer layer and method for fabricating the same
KR102416742B1 (ko) 투명 표시 장치
US8871537B2 (en) Method of manufacturing an organic electroluminescence display device
JP6049279B2 (ja) 有機el表示装置の製造方法、電子機器
JP2011171300A (ja) 有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法
JP5677434B2 (ja) 有機el素子
JP2014133727A (ja) 表示装置及び表示装置の製造方法、並びにこの表示装置の製造方法で用いられる有機化合物
JP5854794B2 (ja) 有機el装置の製造方法
TW201240078A (en) Method of manufacturing organic electroluminescence display device
KR101803724B1 (ko) 유기 발광 구조물, 유기 발광 구조물의 제조 방법, 유기 발광 표시 장치 및 유기 발광 표시 제조 방법
US8969861B2 (en) Method of manufacturing organic electroluminescence display device
TW201038123A (en) Organic electroluminescent element and manufacturing method thereof
JP2014120218A (ja) 有機el表示装置の製造方法
JP2011034917A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US20130277662A1 (en) Organic light-emitting device, light source device using same, organic light-emitting layer material, coating liquid for forming organic light-emitting layer, and method for producing organic light-emitting device
US20100276687A1 (en) Organic electroluminescent display device
US9640590B2 (en) Organic light-emitting diode display and fabrication method thereof
KR20160137842A (ko) 유기발광소자 및 그 제조방법
JP2012124104A (ja) 有機el表示装置の製造方法
WO2022239107A1 (ja) 発光素子、発光装置、および発光素子の製造方法
WO2020071017A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用の混合組成物
KR102398908B1 (ko) 유기발광소자 및 이를 포함하는 유기전계발광표시장치