JP2012124104A - 有機el表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各画素が複数の互いに異なる色相の発光層を備えた副画素からなる有機EL表示装置において、各副画素の発光層を、シャドーマスクを用いず、且つ、不要な層の除去時に他の層へのダメージを生じることなく成膜し、発光効率の高い装置を製造しうる製造方法を提供する。
【解決手段】全副画素領域に第1の色相の発光層を有する第1の有機化合物層4を成膜した後、第2の副画素領域12と第3の副画素領域13から第1の有機化合物層4を除去し、次に、全副画素領域に第2の色相の発光層を有する第2の有機化合物層5を成膜した後、第3の副画素領域13から第2の有機化合物層5を除去し、最後に全副画素領域に第3の色相の発光層を有する第3の有機化合物層5を成膜する。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL(エレクトロスミネッセンス)表示装置の製造方法に係るものであり、詳しくは有機発光材料を用いて多色表示が可能な表示装置を製造する方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の表示部には、第1電極と第2電極とに狭持された有機化合物層を備える有機EL素子が複数配列されており、前記有機EL素子の有機化合物層が発光し、画像を表示する。多色表示させる方法としては、1画素をそれぞれ異なる色で発光する発光層を備えた複数の副画素で形成する構成が一般的である。そして、1画素に異なる色で発光する有機化合物層を複数作り込みためには、一般的にはシャドーマスク法が用いられる。
シャドーマスク法は有機化合物層を蒸着によって形成する際に便利な方法であるが、異なる色で発光する有機化合物層それぞれについてシャドーマスクを用いる必要があるため、製造コスト上昇の一因となる。また、蒸着時の熱応力によるシャドーマスクの変形、蒸着物質によるシャドーマスクの汚染などのために定期的にシャドーマスクを交換する必要があることも製造コストを上昇させる。さらに、シャドーマスクの変形により、高精細なパネルを作製する際には蒸着の位置ずれが起きやすくなり、大判への対応も難しくなる。
このような問題に対して、レーザー除去法による有機EL表示装置の製造方法が特許文献1に開示されている。特許文献1によると、絶縁基板上の表面に第1電極層と各副画素を分離するセパレータを設ける。その後、第1電極層とセパレータを含む絶縁基板全面に有機化合物層と第2電極層を順次形成し、レーザー除去法によって有機化合物層が不要な副画素から第2電極層と有機化合物層を除去する。また、有機化合物層と電極層の蒸着、有機化合物層が不要な副画素からのレーザー除去を繰り返すことで、複数の種類の副画素を形成することができる。
これによって、シャドーマスク法を用いることなく、高い副画素解像度のマトリックス配列を簡単な技術的手段で提供することが可能としている。
特許第4092126号公報
特許文献1では電極層とその下にある有機化合物層をレーザーで除去しているが、通常、電極層は金属や金属酸化物から形成されているため、強いレーザーパワーを用いて除去する必要がある。そのため、電極層を除去する段階で下側の有機化合物層も除去され、基板へのダメージが発生する恐れがある。また、レーザー照射部の電極層が捲れ、破片となって周辺に飛散し、この後の有機化合物層、電極層形成工程で電極層間短絡等の欠陥の原因となり、歩留まりが大きく低下したり、経時変化により電極間短絡が発生する場合がある。
また、特許文献1では有機化合物層を除去する際に正孔輸送層を残し、その上の発光層までを除去するとしているが、レーザーによる正孔輸送層へのダメージを避けることは困難で、発光効率の低下に繋がる。
また、各副画素を発光させる際に電極に電圧を印加する必要があるが、有機化合物層間に蒸着した電極を外部に引き出さなければならない。特許文献1中に詳しい記述は無いが、例えば色相の同じ各副画素同士を直線的に並ぶように配列し、その延長線上の副画素領域の外部にコンタクトホールを作製し、その上部に電極を形成し、そこに電圧を印加させる方法などが考えられる。しかしながら、係る構成は、副画素の配列の制限やプロセスの複雑化に繋がる。
本発明の課題は、上述した事情に鑑み、不要な層を除去して有機EL表示装置を作製する際に、比較的弱いレーザーパワーを用いて必要な層のみ容易に除去し、また複雑な電極取り出し工程も不要な製造方法を提供することを目的とする。また、有機化合物層をシャドーマスクを用いずに蒸着することで歩留まりが上がり、高い開口率を持つ有機EL表示装置の製造方法を提供することも目的とする。さらに、不要な層の除去時に異物等の発生による他の層へのダメージがなく、発光効率の高い有機EL表示装置の製造方法を提供することをさらなる目的とする。
本発明は、基板上に、m(mは2以上の整数)個の互いに色相の異なる副画素を有する画素を備えた有機EL表示装置の製造方法であって、
前記画素の全副画素領域に、第n(nは1以上m未満の整数)の色相の発光層を少なくとも含む第nの有機化合物層を成膜し、第n+1乃至第mの副画素領域の前記有機化合物層を除去する工程を、n=1からn=m−1まで順次繰り返した後、
前記画素の全副画素領域に、第mの色相の発光層を少なくとも含む第mの有機化合物層を成膜する工程を少なくとも有することを特徴とする。
本発明によれば、シャドーマスクを用いずに有機化合物層を蒸着し、且つ、不要な有機化合物層のみを比較的弱いレーザーパワーで除去することで有機EL表示装置を製造することができる。よって、高い開口率を持ち、発光効率の高い有機EL表示装置を高歩留まりで提供することができる。
本発明の有機EL表示装置の製造方法の一実施形態の工程を示す断面模式図である。 本発明の有機EL表示装置の製造方法の一実施形態の工程を示す断面模式図である。 本発明の有機EL表示装置の製造方法の一実施形態の工程を示す断面模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の有機EL表示装置の製造方法の実施形態を詳細に説明する。
本発明の製造方法により製造される有機EL表示装置は、各画素が互いに色相の異なる2以上の副画素からなり、各副画素はそれぞれ、所定の色相を発光する発光層を少なくとも有する有機化合物層を有している。そして、本発明の製造方法は、該有機化合物層の製造工程に特徴を有する。
本発明において、各画素が有する副画素の数をm(mは2以上の整数)とする。そして、画素の全副画素領域に、第n(nは1以上m未満の整数)の色相の発光層を少なくとも含む第nの有機化合物層を成膜し、第n+1乃至第mの副画素領域の前記有機化合物層を除去する工程を、n=1からn=m−1まで順次繰り返す。その後、画素の全副画素領域に、第mの色相の発光層を少なくとも含む第mの有機化合物層を成膜する。
具体的に、例えば各画素が3個の副画素からなる場合には、先ず、第1の色相の発光層を有する第1の有機化合物層を全副画素領域に成膜し、第2及び第3の副画素領域の第1の有機化合物層を除去する。次に、第2の色相の発光層を有する第2の有機化合物層を全副画素領域に成膜し、第3の副画素領域の第2の有機化合物層を除去する。最後に、全副画素領域に第3の色相の発光層を含む第3の有機化合物層を成膜する。従って、本発明によれば、第1の副画素には第1の有機化合物層、第2の有機化合物層、第3の有機化合物層が積層され、第2の副画素には第2の有機化合物層、第3の有機化合物層が積層され、第3の副画素には第3の有機化合物層のみが成膜されている。
以下に、各画素が3個の副画素からなる実施形態を例に挙げて、図面を用いて説明する。図1乃至図3は、係る実施形態の有機化合物層の形成工程を示す断面模式図であり、図中には1画素分の構成を示している。
先ず、基板1上の、副画素となる領域11乃至13にそれぞれ下部電極2を形成する。基板1は絶縁性基板であり、必要に応じてTFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子や配線が形成されている。下部電極2には、Cr、Al、Ag、Au、Pt、ITO、IZO(商標)、ZnO等、有機EL表示装置の電極として公知の材料を用いることができる。また、2つ以上の異なる材料を積層して下部電極2としてもよい。この場合、一般的にはトップエミッション構造(基板を介さずに基板と反対側から光を取り出す構成)においては反射電極を用い、ボトムエミッション構造(基板側から光を取り出す構成)においては透明電極を用いることができる。また、上記反射電極としては、それ自体が反射性を有する金属電極の他に、基板1側に金属製の反射層を形成した上に透明電極を形成して反射電極とすることもできる。
次に図1(a)に示すように、副画素領域11乃至13を互いに分離するために、基板上の副画素領域間に隔壁3を形成する。隔壁3は副画素の発光領域を規定するものである。隔壁3の材料には絶縁材料が好適に用いられ、具体的には、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等からなる無機絶縁材料や、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック系樹脂等からなる樹脂材料が用いられる。レーザー等を用いて不要な有機化合物層を除去する際の耐性を考えると、窒化シリコン等の無機絶縁材料がより好ましい。
本発明において副画素の配列は、図1(a)の構造を二次元平面上に繰り返し配列することで構成する。配列の種類としては従来から知られているものを用いることができる。例えばストライプ配列、ダイアゴナル(モザイク)配列、デルタ(トライアングル)配列等を挙げられるが、これらに限らない。
次に、図1(b)に示すように、下部電極2を含む基板1の第1の副画素領域11乃至第3の副画素領域13の全面に、少なくとも第1の色相の発光層を備える第1の有機化合物層4を形成する。第1の有機化合物層4は発光層の他に、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層等の機能を持つ層を有していてもよい。第1の有機化合物層4としては、低分子材料を用いて蒸着法で形成するのが好ましいが、電極に接する正孔注入層又は正孔輸送層は、高分子発光ポリマーまたは低分子材料を溶媒に溶かした溶液を用いてスピンコーティング等の塗布法で形成することも可能である。
また、第1の有機化合物層4の成膜の際には、正孔注入層または正孔輸送層を発光層の前に成膜することがより好ましい。そうすることで、電極からの正孔の注入性が上がり、駆動電圧の低下や効率の上昇が期待できる。
また、発光層の後に電子輸送層を成膜することも好ましい。そうすることで、発光層へ電子がスムーズに輸送されると共に、第1の発光層からの正孔の漏れを防ぐことができる。発明者等の検討によれば、好ましくは電子輸送層のHOMO(最高被占軌道)エネルギーが発光層のHOMOエネルギーよりも0.1eV以上深い(イオン化ポテンシャルが大きい)と正孔の電子輸送層側への漏れを効果的に防ぐことができる。本発明においては、第1の副画素11において、前記第1の有機化合物層4中の発光層のみを発光させることが望ましいが、前記第1の有機化合物層4中の発光層がメインに発光していれば、後述する第2の有機化合物層5、第3の有機化合物層6中の発光層が発光しても良い。尚、この時、メイン発光の最大発光波長のピーク強度比がその他の発光の最大発光波長のピーク強度と比べて3以上になることが必要となる。尚、HOMOエネルギーの測定法は、大気中光電子分光法(例えば測定器名AC−2:理研機器製)を用いて測定することができる。
次に図1(c)に示すように、第2の副画素領域12及び第3の副画素領域13の第1の有機化合物層4を除去する。除去法としては光照射による方法等が考えられる。光照射による除去方法として好ましくはレーザー除去法が挙げられるがこれに限らない。レーザーで除去する際、隔壁3は無機の絶縁材料もしくは樹脂材料より構成されているので、第1の有機化合物層4よりもレーザーによって分解されにくく、レーザーパワーを調整することで選択的に第1の有機化合物層4のみを除去することができる。
レーザー加工プロセスには大きく分けて2種類あり、レーザーの波長によって分けられる。一般的に長波長では熱加工プロセスとなり、短波長ではアブレーション加工プロセスとなる。アブレーション加工プロセスとは熱加工プロセスを伴わないものであり、強力なレーザー光を固体或いは液体表面に照射した際に、表面が一気にプラズマ化し、構成物質である原子や分子など様々な物質が爆発的に放出する現象である。本発明においては、除去したい層以外へのダメージを避けたいことから、熱加工プロセスの方が好ましい。
本発明においては、波長が1.06μmのNd:YAGレーザー、波長が0.31乃至0.15μmのエキシマレーザー、波長が9.6μmまたは10.6μmの炭酸ガスレーザー、波長が0.8μmの半導体レーザー等が好ましく用いられる。また、エキシマレーザーのエキシマにはXeCl、KrF、ArF、F2などが例として挙げられる。また、これらの加工プロセスは真空内または不活性ガス雰囲気内で行われる。
次に、図2(d)に示すように、基板1の第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全体に第2の色相の発光層を備える第2の有機化合物層5を形成する。第2の有機化合物層5は第1の有機化合物層4と同様に、必要に応じて発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層の機能を持つ層を有していてもよい。第2の有機化合物層5は、蒸着法で形成されるのが好ましい。この際、第2の有機化合物層5中の発光層の後に電子輸送層を成膜する場合は、前記第1の副画素と同様に発光層から電子輸送層側への正孔の漏れを防ぐことができる。その結果、第2の副画素において、後述する第3の有機化合物層6中の発光層の発光を抑え、第2の有機化合物層5中の発光層の発光がメインの発光となる。
前記同様に電子輸送層のHOMOエネルギーが発光層のHOMOエネルギーよりも0.1eV以上深い(イオン化ポテンシャルが大きい)ことが好ましい。この際、HOMOエネルギーの浅い(イオン化ポテンシャルが小さい)正孔トラップ性の材料を第2の有機化合物層5中の発光層にアシストドーパントとして含ませることでも、効果的に正孔の電子輸送層側への漏れを防ぐことができる。その結果、第2の有機化合物層5中の発光層をメインに発光させることができる。
また、第2の有機化合物層5中に正孔輸送層を含まない時は、LUMOエネルギーの深い(電子親和力が大きい)電子トラップ性の材料を第2の有機化合物層5中の発光層にアシストドーパントとして含ませることでも、電極側界面での発光による消光を防ぐことができる。その結果、正孔と電子の再結合をスムーズにし、第2の有機化合物層5中の発光層をメインに発光させることができる。LUMOエネルギーの測定法は、光吸収におけるエネルギーギャップ測定値と前記HOMOエネルギーの測定値から算出することができる。
次に、図2(e)に示すように、第3の副画素領域13の第2の有機化合物層5を除去する。除去法としては光照射による方法等が考えられる。光照射による除去法として好ましくはレーザー除去法が挙げられるがこれに限らない。
次に、図2(f)に示すように第3の色相の発光層を備える第3の有機化合物層6を、基板1の第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面に形成する。第3の有機化合物層6は発光層の他に、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能を持つ層を有していてもよい。第3の有機化合物層6は第2の有機化合物層5と同様、蒸着法で形成されるのが好ましい。尚、第3の有機化合物層6中の発光層の後に電子輸送層又は電子注入層を成膜することがより好ましい。そうすることで、後述する上部電極からの電子注入性を上げ、第1の副画素から第3の副画素までの各副画素の素子における駆動電圧の低下と発光効率の上昇が期待できる。
図3に示すように、基板1の第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面に上部電極7が形成される。この時、図3中においては上部電極7が各副画素毎に段切れしているように図示されているが、第1の副画素から第3の副画素の共通電極として繋がっていることがより好ましい。上部電極7は下部電極層と同様にCr、Al、Ag、Au、Pt、ITO、IZO(商標)、ZnO等、有機EL表示装置の電極として公知の材料を用いることができる。また、2つ以上の異なる材料を積層して上部電極としてもよい。上部電極7は蒸着法、スパッタリング法などによって形成されるのが好ましい。一般的にはトップエミッション構造(基板を介さずに基板と反対側から光を取り出す構成)においては透明電極を用い、ボトムエミッション構造(基板側から光を取り出す構成)においては反射電極を用いることができる。反射電極としては、下部電極2において説明したように、反射性を有する金属電極或いは透明電極と反射層との組み合わせが用いられる。
最後に、上部電極7とそれぞれの副画素の駆動回路とを連結する。これにより、第1の副画素領域11、第2の副画素領域12、第3の副画素領域13にそれぞれ形成された第1の有機化合物層4、第2の有機化合物層5、第3の有機化合物層6それぞれが励起により異なる色の発光を呈し、多色表示が可能な有機EL表示装置が得られる。
尚、本発明においては、それぞれの副画素の発光色としては一般的に赤系統色、緑系統色、青系統色の3色が用いられる。赤系統色とは、JIS規格Z8110:色の表示方法−光源色の色区分における赤、黄赤、赤紫のことである。同様に緑系統色とは緑のことであり、青系統色とは青、青紫、青緑のことである。但し、第1の有機化合物層4から第3の有機化合物層6の発光色に関しては互いに異なっていれば良く、それぞれの有機化合物層の色相に関しては何ら限定されない。また、全ての色相の有機化合物層が積層される第1の副画素領域11における積層順は、赤系統色、緑系統色、青系統色のように、発光色の波長がだんだんと小さくなるように各色相を発する有機化合物層が積層されるのが好ましい。また、その逆に、青系統色、緑系統色、赤系統色のように発光色の波長がだんだんと大きくなるように各色相を発する有機化合物層が積層されるのが好ましい。
また、本発明において発光層には単一の材料を用いても、ホスト分子にゲスト分子を含ませても良い。ゲストの濃度としては好ましくは0.01乃至40質量%、より好ましくは1乃至20質量%である。また適宜、第2、第3のドーパント材料を用いても良い。さらには、ゲストは発光層中に均一に含まれていても良いし、濃度勾配を有していてもよいし、特定の領域のみにドーパントを含ませ、局所的にドーパントが含まれない領域があってもよい。また、用いられる材料としては蛍光性材料であっても、燐光性材料であっても良い。
発光層に用いられる材料の具体例としては、多環縮合芳香族化合物、キナクリドン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、ナイルレッド、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体が挙げられる。多環縮合芳香族化合物としては、ナフタレン誘導体、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、コロネン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体、ルブレンなどが挙げられる。さらに、ベンゾオキサゾール誘導体、スチルベン誘導体、有機金属錯体(例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体)が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にし、また注入された正孔を発光層に輸送する優れた輸送特性を有することが好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、酸化モリブデン、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルゾバゾール誘導体が挙げられる。また、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、及びポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シリレン)が挙げられる。さらに、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
特に酸化モリブデンのような金属酸化物を下部電極2上に蒸着することで、ホール注入性の向上が見込まれ、素子の駆動電圧低下や効率向上が期待できる。また、無機物のため有機物に比べてレーザーにより除去しづらく、有機化合物層だけを選択的に除去することが可能である。
電子輸送性材料としては、電子を発光層に輸送する機能を有するものから任意に選ぶことができる。また、正孔注入輸送性材料のキャリア移動度とのバランス等を考慮し選択され、正孔ブロック層としての役割も果たす。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体が挙げられる。また、フルオレノン誘導体、アントロン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機金属錯体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1乃至図3の工程に沿って有機EL表示装置を作製した。
先ず、絶縁性の基板1上に、p−SiからなるTFTを備える駆動回路とコンタクトホールを備える平坦化膜を形成した。次に下部電極2としてAgとIZOとの積層膜を、スパッタリング法により形成した。下部電極2は、基板全面に形成した後、フォトリソグラフィにて画素回路に対応した副画素のパターンを形成した。下部電極2は平坦化膜のコンタクトホールを通じて各画素回路に電気的に接続された。
次に基板1及び下部電極2の上面に真空紫外光化学気相成長法にて窒化ケイ素膜を形成することで、各副画素領域11乃至13をセパレートする画素分離膜3を形成した。
次に、基板1を真空加熱した後、下部電極2を含む基板1の第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面に第1の有機化合物層4として、正孔輸送層、第1の発光層、第1の電子輸送層を成膜した。具体的には、正孔輸送層として下記に示した化合物1を真空蒸着法にて20nmの膜厚に形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件であった。
Figure 2012124104
次に、正孔輸送層の上に第1の化合物としてルブレンと、第2の化合物として下記に構造式を示す化合物2を、ルブレン:化合物2=98:2の割合で真空蒸着法にて共蒸着して厚さ20nmの第1の発光層を設けた。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で成膜した。
Figure 2012124104
さらに、第1の電子輸送層として4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)を真空蒸着法にて15nmの膜厚に形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件であった。
次に、第2の副画素領域12及び第3の副画素領域13上の第1の有機化合物層4をレーザー除去法により除去した。この時、レーザーパワーを調整して、下部電極2及び隔壁3にダメージを与えることなく第1の有機化合物層4のみを選択的に除去した。
次に、第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面に第2の有機化合物層5として、第2の発光層を成膜した。具体的には、第1の化合物として下記に構造式を示す化合物3と、第2の化合物として下記に構造式を示す化合物4を、化合物3:化合物4=98:2の割合で共蒸着して厚さ30nmの第2の発光層を設けた。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.1乃至0.2nm/secの条件で製膜した。
Figure 2012124104
次に、第3の副画素領域13の第2の有機化合物層5をレーザー除去法により除去した。この時、レーザーパワーを調整して、下部電極2及び隔壁3にダメージを与えることなく第2の有機化合物層5のみを選択的に除去した。
さらに、第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面に第3の有機化合物層6として、第3の発光層及び第2の電子輸送層を成膜した。具体的には、第1の化合物として前記した化合物3と、第2の化合物として下記に構造式を示す化合物5を、化合物3:化合物5=95:5の割合で共蒸着して厚さ30nmの第3の発光層を設けた。さらに、第2の電子輸送層として2、9−ビス[2−(9,9’−ジメチルフルオレニル)]−1、10−フェナントロリンを真空蒸着法にて30nmの膜厚に形成した。
Figure 2012124104
次に、電子注入促進のために、フッ化リチウム(LiF)を第2の電子輸送層の上に、真空蒸着法により厚さ0.5nmで形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は、0.01nm/secの条件だった。
最後に、第1の副画素領域11から第3の副画素領域13全面にIZOからなり、共通電極となる上部電極7を蒸着法により形成した。
上記基板をドライ窒素で置換されたグローブボックスに移動させ、パネル表示領域の外周部に紫外線硬化樹脂を塗布し、予め洗浄して水分を除去したガラス封止キャップを張り合わせる。それから紫外線硬化樹脂の塗布部分に紫外線を照射して硬化させ、ドライ窒素で封止空間を密閉してパネルを完成させた。
この様にして得られた有機EL表示装置に、下部電極2を正極、上部電極7を負極にして電圧を印加することで、第1の副画素、第2の副画素、第3の副画素からそれぞれ赤色、緑色、青色の発光が観測された。
1:基板、4:第1の有機化合物層、5:第2の有機化合物層、6:第3の有機化合物層、11,12,13:副画素領域

Claims (6)

  1. 基板上に、m(mは2以上の整数)個の互いに色相の異なる副画素を有する画素を備えた有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記画素の全副画素領域に、第n(nは1以上m未満の整数)の色相の発光層を少なくとも含む第nの有機化合物層を成膜し、第n+1乃至第mの副画素領域の前記有機化合物層を除去する工程を、n=1からn=m−1まで順次繰り返した後、
    前記画素の全副画素領域に、第mの色相の発光層を少なくとも含む第mの有機化合物層を成膜する工程を少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 前記有機化合物層を除去する手段が、レーザーを用いる手段である請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記第1の有機化合物層が、基板側に正孔注入層または正孔輸送層を有する請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記第1の有機化合物層が、基板とは反対側に電子輸送層を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記第mの有機化合物層が、基板とは反対側に電子注入層又は電子輸送層を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記画素が、赤系統色、青系統色、緑系統色の3個の副画素からなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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