JP5994826B2 - 高炉灰の再利用方法 - Google Patents
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Description
製鉄所内発生ダストである高炉灰は、鉄を含んでいるため焼結原料に配合される場合がある(例えば、特許文献1を参照)。高炉灰は価格が安いため、焼結原料における配合率を上げることができれば、鉄鉱石等の他の焼結原料の使用量を抑えることができ、その結果、配合コストを下げることができる。また、高炉灰には炭素が含まれているため、焼結原料に配合した場合、焼結機に熱源として加える粉コークスの比率を低減することができる。さらに、高炉灰の消費量を増やすことができれば、製鉄所内発生ダストの保管量を減らすことにつながるため、製鉄所内発生ダストを保管するためのヤードを別の用途に使用できるなど有効活用することができる。
焼結鉱に含まれるナトリウムおよびカリウムは、高炉においてシアンを発生させ、これが水中に取り込まれシアン含有水となり、水質汚染を引き起こす恐れがある。また、焼結鉱に含まれるナトリウムおよびカリウムは、焼結機でのダイオキシンの発生量に影響を及ぼすこと、焼結機の集塵機の集塵能力を下げることによって発塵を引き起こすこと、および、コークスの質を低下させることが知られている。これらのことから、焼結鉱に含まれるナトリウムおよびカリウムの含有量には上限値が設けられており、例えば特許文献1に記載されているように、焼結原料に高炉灰を数%程度しか配合することができないのが実情である。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決するため、高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の濃度を低下させる高炉灰の再利用方法を提供することを課題とする。
また、上記高炉灰の再利用方法は、前記洗浄工程での水の使用量を前記高炉灰の質量の20倍以上としてもよい。
さらに、上記高炉灰の再利用方法は、前記洗浄工程と前記分離工程の間に、前記高炉灰と前記水の混合物に凝集剤を添加して、洗浄された前記高炉灰を凝集させる凝集工程を設けてもよい。
本発明の高炉灰の再利用方法の第1実施形態について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る高炉灰の再利用方法により高炉灰を洗浄した場合の、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンの遊離の状況を視覚的に表した図である。また、図2は、本実施形態に係る高炉灰の再利用方法を示した図である。
最初に、洗浄工程について説明する。
洗浄工程は、高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の濃度を低下させるために行う工程である。例えば、高炉灰と水を水洗ピットに入れて混合して撹拌し、高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素を水中に遊離させて、高炉灰からナトリウム、カリウムおよび塩素を除去する。
撹拌手段としては、高炉灰と水を混合して十分に撹拌できればどのような方法でもよく、棒状部材を用いて撹拌する方法のほか、水流撹拌、回転式撹拌翼などを用いて撹拌する方法などがあげられる。
次に、分離工程について説明する。
分離工程は、高炉灰と水の混合物から、高炉灰から遊離した少なくともナトリウムイオン及びカリウムイオンを含む水(水溶液)を分離する工程である。例えば、洗浄工程の後、高炉灰と水の混合物を、水洗ピットにおいて静置して高炉灰を沈殿させて液体部分と固体部分に分離し、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよび塩化物イオンが溶解している上澄みの水を分離して除去する。
水に遊離するナトリウムイオンおよびカリウムイオンを除去する手段としては、水をイオン交換膜等で処理してナトリウムイオンおよびカリウムイオンを除去する方法や、遊離するナトリウムイオンおよびカリウムイオンを塩にして沈殿させることにより除去する方法があげられる。
凝集剤は、洗浄工程における撹拌の後、添加することが好ましい。高炉灰から、十分にナトリウムイオン、カリウムイオンおよび塩化物イオンを遊離させるためである。
上澄みの水を分離した高炉灰は、乾燥することにより、完全に水から分離することができる。本実施形態においては、天日乾燥により高炉灰を乾燥している。なお、高炉灰を乾燥する方法は、乾燥することができれば天日乾燥に限られるものではなく、風通しの良い場所に高炉灰を置いて乾燥する方法等でもよい。高炉灰は、洗浄工程によりナトリウム、カリウムおよび塩素が除去されているため、乾燥した高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の濃度は、洗浄前の高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の濃度に比べていずれも低くなっている。
本発明の高炉灰の再利用方法の第2実施形態について、図面を参照しながら以下に詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る高炉灰の再利用方法を示した図である。なお、本実施形態に係る高炉灰の再利用方法は、第1実施形態とは分離工程のみ異なる。それ以外は第1実施形態と同様であるので、異なる部分のみ説明する。
さらに、連続脱水機により分離した水からナトリウムイオンおよびカリウムイオンを除去すれば、この水を用いて下記のような連続運転方式による高炉灰の洗浄を行うことができる。高炉灰と水を混合したら、撹拌しながらこの混合物を水洗ピットから少しずつ抜き出し、連続脱水機に連続的に投入して、高炉灰と水とを分離する。分離した水からナトリウムイオンおよびカリウムイオンを除去したら、この水を水洗ピットに順次戻して高炉灰の洗浄に用いる。さらに、水洗ピットからの高炉灰の減少に応じて、水洗ピットに未洗浄の高炉灰を順次投入し、混合物を撹拌して洗浄を行う。このような連続運転方式の再利用方法を用いれば、水を循環させて高炉灰を洗浄することができるから、少量の水で多量の高炉灰を洗浄することができる。また、高炉灰の洗浄作業を連続的に行うことができるから、多量の高炉灰を効率よく短時間で洗浄することができる。
なお、本発明は、高炉灰の洗浄のみならず、鉄鉱石のペレットの洗浄に対しても適用することが可能である。鉄鉱石のペレットは、発塵防止のために海水がかけられる場合もあるため、鉄鉱石のペレットの表面に多くのナトリウムおよびカリウムが付着している場合があり、これらを洗浄する必要があるからである。本発明を鉄鉱石のペレットに適用すれば、ペレットの表面のナトリウム、カリウムおよび塩素を除去することができる。ペレットに適用する場合には、分離工程においてふるい等を使用して、ペレットと水を分離することができる。
また、高炉灰と水およびキレート剤を混合して撹拌し高炉灰を洗浄したのち、その高炉灰とキレート剤を含む水の混合物を静置して高炉灰を沈殿させ、高炉灰とキレート剤を含む上澄みの水とを分離することにより、キレート剤を含む水で洗浄した高炉灰を得た。そして、洗浄前の高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の量と、水またはキレート剤を含む水で洗浄した後の高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素の量を測定して、以下の式に基づき、ナトリウムの除去率、カリウムの除去率、および、塩素の除去率を算出した。
なお、洗浄には、使用する高炉灰の質量の4倍、10倍および20倍の水を使用し(以下、これらの数値を希釈倍率と記す)、撹拌時間はそれぞれ1分、5分、10分とした。
これらのことから、本実施例の高炉灰の再利用方法によれば、高炉灰に含まれるナトリウム、カリウムおよび塩素のうち1以上の濃度を低下させることができる。
更に、ポット炉試験装置を用い、以下のような条件で焼結原料の焼成試験を実施した。
まず、原料として配合した各原料(鉄鉱石及び副原料)の組成と、LOI(Loss Of Ignition;加熱後重量減少割合)とを表1に示す。
鉄鉱石としては、高リン鉱石及びヘマタイト鉱石(ハマスレー鉱石)のうちの1種以上を使用し、これに副原料として石灰石、生灰石、硅石及び粉コークスを配合し、さらにFeO源としてミルスケールを配合して焼結原料とした。
焼結原料における各原料の配合率は、焼結鉱の酸化ケイ素含有量が4.8mass%となるように調整した。
表2における、発明例1の高炉灰は、本実施形態に基づく水洗処理を施したものであり、発明例2の高炉灰は、本実施形態に基づく水洗処理とキレート処理を施したものである。比較例の高炉灰は、水洗処理などを施していない無処理のもの(処理前の高炉灰)である。尚、処理前の高炉灰中のアルカリ(Na+K)の量は、0.7mass%であった。
また、キレート処理は、キレート剤を20g/Lの濃度で添加することで実施した。
そして、これら高炉灰を配合した3種類の焼結原料を、同一の混合・造粒条件で造粒した後、焼結鍋に装入して焼成した。焼結鍋内の原料充填層は直径270mm×高さ450mmとし、吸引負圧10kPaにて焼成を実施した。
Claims (3)
- 高炉灰と水とカルシウム塩を混合して撹拌する洗浄工程と、
前記洗浄工程で前記高炉灰から遊離した少なくともナトリウムイオン及びカリウムイオンを含む水を分離する分離工程と、
を含むことを特徴とする高炉灰の再利用方法。 - 前記洗浄工程での水の使用量を前記高炉灰の質量の20倍以上とすることを特徴とする請求項1に記載の高炉灰の再利用方法。
- 前記洗浄工程と前記分離工程の間に、前記高炉灰と前記水の混合物に凝集剤を添加して、洗浄された前記高炉灰を凝集させる凝集工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高炉灰の再利用方法。
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